JPH108492A - 建設機械の領域制限掘削制御装置 - Google Patents

建設機械の領域制限掘削制御装置

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JPH108492A
JPH108492A JP16711896A JP16711896A JPH108492A JP H108492 A JPH108492 A JP H108492A JP 16711896 A JP16711896 A JP 16711896A JP 16711896 A JP16711896 A JP 16711896A JP H108492 A JPH108492 A JP H108492A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】建設機械の領域制限掘削制御装置において、フ
ロント装置の動作速度や操作レバー装置の操作状態に係
わらず、領域を制限した掘削を能率良く円滑に行えるよ
うにする。 【解決手段】フロント装置1Aが動き得る領域を予め設
定しておき、アームの予想動作速度からバケットが設定
領域の境界の外に出ないようにするためのブーム指令の
制限値を計算し、バケットが設定領域の境界に近づくに
従ってブームを上げ、減速方向変換制御を行う。この
時、アーム操作信号を減少させ、アームを減速すると共
に、減速量調整器70のNo.1〜5の調整ボタン71
〜75の操作でその減少量を調整できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建設機械の領域制限
掘削制御装置に係わり、特に、多関節型のフロント装置
を備えた油圧ショベル等の建設機械においてフロント装
置の動き得る領域を制限した掘削が行える領域制限掘削
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】建設機械の代表例に油圧ショベルがあ
る。油圧ショベルではオペレータがフロント装置を構成
するブーム、アームなどのフロント部材をそれぞれの手
動操作レバー装置によって操作している。これらフロン
ト部材はそれぞれが関節部によって連結され回動運動を
行うものであるため、これらフロント部材を操作して所
定の領域を掘削したり、所定の平面を掘削することは、
非常に困難な作業である。
【0003】そこで、掘削作業を容易にするため、国際
公開公報WO95/30059号公報の提案がある。こ
の提案では、掘削可能領域を設定し、フロント装置の一
部、例えばバケットが掘削可能領域の境界に近づくとバ
ケットの当該境界に向かう方向の動きのみを減速し、バ
ケットが掘削可能領域の境界に達するとバケットは掘削
可能領域の外には出ないが掘削可能領域の境界に沿って
は動けるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、バ
ケットが掘削可能領域の境界に近づくとバケットの当該
境界に向かう方向の動きのみを減速し、設定領域の境界
に沿った方向には動けるようにしているので、領域を制
限した掘削を能率良く円滑に行える。しかし、当該制御
は速度制御であるため、操作レバー装置の指令値が大き
くフロント装置の速度が極端に大きかったり、急激に操
作レバーを動かした場合には、油圧回路上の遅れなど制
御上の応答遅れやフロント装置にかかる慣性力などによ
りフロント装置が設定領域からはみ出す可能性があっ
た。
【0005】本発明の目的は、フロント装置の動作速度
や操作レバー装置の操作状態に係わらず、領域を制限し
た掘削を能率良く円滑に行える建設機械の領域制限掘削
制御装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、多関節型
のフロント装置を構成する上下方向に回動可能な複数の
フロント部材を含む複数の被駆動部材と、前記複数の被
駆動部材をそれぞれ駆動する複数の油圧アクチュエータ
と、前記複数の被駆動部材の動作を指示する複数の操作
手段と、前記複数の操作手段の操作信号に応じて駆動さ
れ、前記複数の油圧アクチュエータに供給される圧油の
流量を制御する複数の油圧制御弁とを備えた建設機械の
領域制限掘削制御装置において、前記フロント装置の動
き得る領域を設定する領域設定手段と;前記フロント装
置の位置と姿勢に関する状態量を検出する第1検出手段
と;前記第1検出手段からの信号に基づき前記フロント
装置の位置と姿勢を計算する位置・姿勢演算手段と;前
記位置・姿勢演算手段の演算値に基づき、前記フロント
装置が前記設定領域内でその境界近傍にあるときに、前
記複数の操作手段のうち少なくとも第1の特定のフロン
ト部材に係わる操作手段の操作信号を減じる信号減速制
御手段と、前記信号減速制御手段で補正された操作信号
と前記位置・姿勢演算手段の演算値に基づき、前記フロ
ント装置が前記設定領域内でその境界近傍にあるとき
に、前記フロント装置が前記設定領域の境界に沿った方
向には動き、前記設定領域の境界に接近する方向には移
動速度が減じられるよう前記複数の操作手段のうち少な
くとも第2の特定のフロント部材に係わる操作手段の操
作信号を補正する減速方向変換制御手段と;オペレータ
により操作される手動操作部を有し、この手動操作部の
操作により前記信号減速制御手段における操作信号の減
少量を調整する信号減少量調整手段とを備えるものとす
る。
【0007】以上のように構成した本発明においては、
前記減速方向変換制御手段が、フロント装置が設定領域
内でその境界近傍にあるときに、フロント装置が設定領
域の境界に沿った方向には動き、設定領域の境界に接近
する方向には移動速度が減じられるよう第2の特定のフ
ロント部材に係わる操作手段の操作信号を補正すること
により、設定領域の境界に近づく速度を減じながらフロ
ント装置を設定領域の境界に沿って動かす減速方向変換
制御が行われる。このため、領域を制限した掘削を能率
良く円滑に行うことができる。
【0008】また、上記減速方向変換制御に際して、当
該制御は速度制御であるため、フロント装置の速度が極
端に大きかったり、設定領域の境界近傍で急激に操作手
段を操作した場合には、油圧回路上の遅れなど制御上の
応答遅れやフロント装置にかかる慣性力などによりフロ
ント装置が設定領域からはみ出す可能性がある。
【0009】このようなとき、本発明においては、信号
減速制御手段が第1の特定のフロント部材に係わる操作
手段の操作信号を減じることにより、フロント装置の速
度が極端に大きかったり、急激に操作手段を操作した場
合でも、設定領域の境界近傍でのフロント装置の動きは
緩やかとなり、制御上の応答遅れの影響が少なくなり、
かつフロント装置の慣性が抑えられる。このため、フロ
ント装置の設定領域外への侵入量は減じられ、フロント
装置を設定領域の境界に沿って滑らかに動かし、円滑な
作業を行うことができる。
【0010】一方、作業現場によって、要求される掘削
の精度・速度はさまざまである。掘削精度は多少悪くて
もよいから、作業速度を上げたい場合もあれば、速度は
極端に遅くても、精度を要求する場合もある。
【0011】本発明では、上記のように信号減少量調整
手段を設け、手動操作部の操作により信号減速制御手段
による操作信号の減少量を調整できるようにしている。
このため、あらゆる作業現場に対して最適な減少量を設
定することが容易にでき、作業効率を向上することがで
きる。
【0012】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記信号減速制御手段は、前記フロント装置と前記設定
領域の境界との距離が小さくなるにしたがって前記第1
の特定のフロント部材に係わる操作手段の操作信号の減
少量が大きくなるように当該操作信号を補正する第1補
正演算手段を含み、前記信号減少量調整手段は、前記手
動操作部の操作により前記フロント装置と設定領域の境
界との距離の減少量に対する前記信号の減少量の割合を
変更する手段である。
【0013】このように信号減速制御手段で、フロント
装置と設定領域の境界との距離が小さくなるにしたがっ
て第1の特定のフロント部材に係わる操作手段の操作信
号の減少量が大きくなるように当該操作信号を補正する
ことにより、フロント装置の速度が極端に大きかった
り、急激に操作手段を操作した場合でも、設定領域の境
界近傍でのフロント装置の動きは緩やかとなるため、制
御上の応答遅れの影響が少なくなりかつフロント装置の
慣性が抑えられ、フロント装置を設定領域の境界に沿っ
て滑らかに動かすことができる。また、フロント装置が
設定領域の境界に近づくにしたがってフロント装置の速
度が減じられるため、フロント装置が設定領域の境界近
傍に近づいたときに急激に操作感が変わることなく、円
滑な操作が行える。
【0014】また、信号減少量調整手段で、フロント装
置と設定領域の境界との距離の減少量に対する信号の減
少量の割合を変更することにより、上記第1補正演算手
段による信号減速制御に際して操作信号の減少量を調整
できる。
【0015】(3)また、上記(2)において、好まし
くは、前記信号減速制御手段は、前記第1の特定のフロ
ント部材に係わる操作手段の操作信号にローパスフィル
タ処理を施す第2補正演算手段を更に含む。
【0016】このように第1の特定のフロント部材に係
わる操作手段の操作信号にローパスフィルタ処理を施す
ことにより、設定領域の境界近傍で操作手段を急激に操
作したときの立ち上がり時の操作信号が減じられる。こ
れにより、急激に操作手段を操作した場合でもフロント
装置はゆっくりと動きだし、制御上の応答遅れの影響が
少なくなり、かつフロント装置の慣性が抑えられる。
【0017】(4)更に、前記複数の操作手段のうち少
なくとも前記第1及び第2の特定のフロント部材に係わ
る操作手段は前記操作信号としてパイロット圧を出力す
る油圧パイロット方式であり、この油圧パイロット方式
の操作手段を含む操作システムが対応する油圧制御弁を
駆動するものである場合は、上記(1)において、好ま
しくは、前記信号減速制御手段は、前記フロント装置と
前記設定領域の境界との距離が小さくなるにしたがって
小さくなる目標パイロット圧を計算し、前記第1の特定
のフロント部材に係わる油圧制御弁に与えられるパイロ
ット圧が前記目標パイロット圧以下となるよう前記第1
の特定のフロント部材に係わる操作手段から出力された
パイロット圧を補正する手段であり、前記信号減少量調
整手段は、前記フロント装置と設定領域の境界との距離
の減少量に対する前記目標パイロット圧の減少量の割合
を変更する手段である。
【0018】これにより、操作手段が油圧パイロット方
式の場合でも、上記(1)のように信号減速制御が行え
る。
【0019】また、上記の信号減速制御に対して信号減
少量の調整が行える。
【0020】(5)また、上記(4)において、好まし
くは、前記操作システムは前記第1の特定のフロント部
材に係わる油圧制御弁にパイロット圧を導くパイロット
ラインを含み、前記信号減速制御手段は、前記目標パイ
ロット圧に対応する電気信号を出力する手段と、前記パ
イロットラインに設置され前記電気信号により駆動され
る電気油圧変換手段とを含む。
【0021】(6)更に、上記(1)において、好まし
くは、前記第1の特定のフロント部材は油圧ショベルの
アームであり、前記第2の特定のフロント部材は油圧シ
ョベルのブームである。
【0022】(7)また、上記目的を達成するために、
本発明は、多関節型のフロント装置を構成する上下方向
に回動可能な複数のフロント部材を含む複数の被駆動部
材と、前記複数の被駆動部材をそれぞれ駆動する複数の
油圧アクチュエータと、前記複数の被駆動部材の動作を
指示する複数の操作手段と、前記複数の操作手段の操作
信号に応じて駆動され、前記複数の油圧アクチュエータ
に供給される圧油の流量を制御する複数の油圧制御弁と
を備えた建設機械の領域制限掘削制御装置において、前
記フロント装置の動き得る領域を設定する領域設定手段
と;前記フロント装置の位置と姿勢に関する状態量を検
出する第1検出手段と;前記第1検出手段からの信号に
基づき前記フロント装置の位置と姿勢を計算する位置・
姿勢演算手段と;前記位置・姿勢演算手段の演算値に基
づき、前記フロント装置が前記設定領域内でその境界近
傍にあるときに、前記複数の操作手段のうち少なくとも
第1の特定のフロント部材に係わる操作手段の操作信号
を減じる信号減速制御手段と、前記信号減速制御手段で
補正された操作信号と前記位置・姿勢演算手段の演算値
に基づき、前記フロント装置が前記設定領域内でその境
界近傍にあるときに、前記フロント装置が前記設定領域
の境界に沿った方向には動き、前記設定領域の境界に接
近する方向には移動速度が減じられるよう前記第1の特
定のフロント部材とは異なる第2の特定のフロント部材
に係わる操作手段の操作信号を補正する減速方向変換制
御手段とを備えるものとする。
【0023】これにより、第1の特定のフロント部材に
係わる操作手段の操作信号を用いて第1の特定のフロン
ト部材とは異なる第2の特定のフロント部材に係わる操
作信号を補正し、減速方向変換制御を行うものにおい
て、上記(1)のように、第1の特定のフロント部材に
係わる操作手段の操作信号が減じられることとなり、フ
ロント装置の設定領域外への侵入量は減じられ、フロン
ト装置を設定領域の境界に沿って滑らかに動かし、円滑
な作業を行うことができる。
【0024】(8)上記(7)において、本発明の領域
制限掘削制御装置は、好ましくは、オペレータにより操
作される手動操作部を有し、この手動操作部の操作によ
り前記信号減速制御手段における操作信号の減少量を調
整する信号減少量調整手段を更に備える。
【0025】これにより、上記(1)のように、あらゆ
る作業現場に対して最適な減少量を設定することが容易
にでき、作業効率を向上することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を油圧ショベルに適
用した場合の実施形態を図面を用いて説明する。まず、
本発明の第1の実施形態を図1〜図16により説明す
る。
【0027】図1において、本発明が適用される油圧シ
ョベルは、油圧ポンプ2と、この油圧ポンプ2からの圧
油により駆動されるブームシリンダ3a、アームシリン
ダ3b、バケットシリンダ3c、旋回モータ3d及び左
右の走行モータ3e,3fを含む複数の油圧アクチュエ
ータと、これら油圧アクチュエータ3a〜3fのそれぞ
れに対応して設けられた複数の操作レバー装置4a〜4
fと、油圧ポンプ2と複数の油圧アクチュエータ3a〜
3f間に接続され、操作レバー装置4a〜4fの操作信
号によって制御され、油圧アクチュエータ3a〜3fに
供給される圧油の流量を制御する複数の流量制御弁5a
〜5fと、油圧ポンプ2と流量制御弁5a〜5fの間の
圧力が設定値以上になった場合に開くリリーフ弁6とを
有し、これらは油圧ショベルの被駆動部材を駆動する油
圧駆動装置を構成している。
【0028】油圧ショベルは、図2に示すように、垂直
方向にそれぞれ回動するブーム1a、アーム1b及びバ
ケット1cからなる多関節型のフロント装置1Aと、上
部旋回体1d及び下部走行体1eからなる車体1Bとで
構成され、フロント装置1Aのブーム1aの基端は上部
旋回体1dの前部に支持されている。ブーム1a、アー
ム1b、バケット1c、上部旋回体1d及び下部走行体
1eはそれぞれブームシリンダ3a、アームシリンダ3
b、バケットシリンダ3c、旋回モータ3d及び左右の
走行モータ3e,3fによりそれぞれ駆動される被駆動
部材を構成し、それらの動作は上記操作レバー装置4a
〜4fにより指示される。
【0029】また、操作レバー装置4a〜4fは油圧パ
イロット方式であり、それぞれオペレータにより操作さ
れる操作レバー40a〜40fの操作量と操作方向に応
じたパイロット圧を、パイロットライン44a〜49b
を介して対応する流量制御弁5a〜5fの油圧駆動部5
0a〜55bに供給し、これら流量制御弁を駆動する。
【0030】以上のような油圧ショベルに本実施形態に
よる領域制限掘削制御装置が設けられている。この制御
装置は、予め作業に応じてフロント装置の所定部位、例
えばバケット1cの先端が動き得る掘削可能領域の設定
を指示する領域設定スイッチ7a及び領域制限掘削制御
の開始を指示する制御開始スイッチ7bを有する設定器
7と、レバー信号減速制御(後述)の操作信号の減少量
の変更を指示する減速量調整器70と、ブーム1a、ア
ーム1b及びバケット1cのそれぞれの回動支点に設け
られ、フロント装置1Aの位置と姿勢に関する状態量と
してそれぞれの回動角を検出する角度検出器8a,8
b,8cと、車体1Bの前後方向の傾斜角を検出する傾
斜角検出器8dと、アーム用の操作レバー装置4bのパ
イロットライン45a,45bに設けられ、操作レバー
装置4bの操作量としてパイロット圧を検出する圧力検
出器61a,61bと、一次ポート側がパイロットポン
プ43に接続され電気信号に応じてパイロットポンプ4
3からのパイロット圧を減圧して出力する比例電磁弁1
0aと、ブーム用の操作レバー装置4aのパイロットラ
イン44aと比例電磁弁10aの二次ポート側に接続さ
れ、パイロットライン44a内のパイロット圧と比例電
磁弁10aから出力される制御圧の高圧側を選択し、流
量制御弁5aの油圧駆動部50aに導くシャトル弁12
と、ブーム用の操作レバー装置4aのパイロットライン
44b及びアーム用の操作レバー装置4a,4bのパイ
ロットライン45a,45bに設置され、それぞれ電気
信号に応じてそれぞれのパイロットライン内のパイロッ
ト圧を減圧して出力する比例電磁弁10b,11a,1
1bと、比例電磁弁11a,11bの一次ポート側にお
いてパイロットライン45a,45bに設置され、操作
レバー装置4bの操作量としてそれぞれのパイロット圧
を検出する圧力検出器61a,61bと、比例電磁弁1
1a,11bの二次ポート側においてパイロットライン
45a、45bに設置され、比例電磁弁11a,11b
から流量制御弁5bの油圧駆動部51a,51bに与え
られるパイロット圧を検出する圧力検出器61c,61
dと、操作レバー装置4a〜4fの操作信号、領域設定
スイッチ7a、制御開始スイッチ7b及び減速量調整器
70の指示信号、角度検出器8a,8b,8cと傾斜角
検出器8dの検出信号、圧力検出器61a,61b,6
1c,61dの検出信号を入力し、バケット1cの先端
が動き得る掘削可能領域を設定すると共に、領域を制限
した掘削制御を行うための操作信号の補正を行う電気信
号を比例電磁弁10a,10b,11a,11bに出力
する制御ユニット9とから構成されている。
【0031】設定器7は、操作パネルあるいはグリップ
上に設けられ、領域設定スイッチ7aを押すことで制御
ユニット9に掘削領域の設定を指示するとともに、制御
開始スイッチ7bを押すことで領域制限掘削制御の開始
を指示するものである。設定器7上には表示装置等、他
の補助手段があってもよい。また、掘削領域の設定の指
示は、ICカードによる方法、バーコードによる方法、
レーザによる方法、無線通信による方法等、他の方法を
用いてもよい。
【0032】減速量調整器70も例えば操作パネル上に
設けられており、図3に示すように、No.1〜5の調
整ボタン71〜75と、これに対応するLED76〜8
1とを有している。制御開始時は、No.3の位置のア
ーム速度が設定されており、LEDも3の位置のLED
79が点灯している。No.4,5の位置の調整ボタン
74,75を押すに従いレバー信号減速制御(後述)の
操作信号の減少量が少なくなり、減速領域(後述)での
アーム速度は速くなり、No.2,1の調整ボタン7
2,71を押すに従いレバー信号減速制御の操作信号の
減少量が多くなり、減速領域でのアーム速度は遅くな
る。LED76〜81は押したボタンに対応して点灯す
る。
【0033】制御ユニット9の制御機能を図4に示す。
制御ユニット9は、フロント姿勢演算部9a、領域設定
演算部9b、バケット先端速度の制限値演算部9c、ア
ームシリンダ速度演算部9d、アームによるバケット先
端速度演算部9e、ブームによるバケット先端速度の制
限値演算部9f、ブームシリンダ速度の制限値演算部9
g、ブームパイロット圧の制限値演算部9h、領域制限
制御の切り換え演算部9r、ブーム用バルブ指令演算部
9i、レバー信号減速制御演算部9m、レバー信号減少
量調整演算部9n、レバー信号減速制御の切り換え演算
部9s、アーム用バルブ指令演算部9kの各機能を有し
ている。
【0034】フロント姿勢演算部9aでは、角度検出器
8a〜8c及び傾斜角検出器8dで検出したブーム、ア
ーム、バケットの回動角及び車体1Bの前後の傾斜角に
基づきフロント装置1Aの位置と姿勢を演算する。その
一例を図5により説明する。この例はフロント装置1A
のバケットの爪先(先端)P1の位置を計算する場合の
ものであり、説明の簡略化のため傾斜角検出器8dの検
出値は省略する。
【0035】図5において、制御ユニット9の記憶装置
にはフロント装置1A及び車体1Bの各部寸法が記憶さ
れており、フロント姿勢演算部9aではこれらのデータ
と、角度検出器8a,8b,8cで検出した回動角α,
β,γの各値を用いてバケット先端P1の位置を計算す
る。このときP1の位置は、例えばブーム1aの回動支
点を原点としたXY座標系の座標値(X,Y)として求
める。XY座標系は本体1Bに固定した垂直面内にある
直行座標系である。ブーム1aの回動支点とアーム1b
の回動支点との距離をL1、アーム1bの回動支点とバ
ケット1cの回動支点の距離をL2、バケット1cの回
動支点とバケット1cの先端との距離をL3とすれば、
回動角α,β,γからXY座標系の座標値(X,Y)
は、下記の式より求まる。
【0036】X=L1sinα+L2sin(α+β)+
3sin(α+β+γ) Y=L1cosα+L2con(α+β)+L3cos(α
+β+γ) 領域設定演算部9bでは、設定器7の制御開始スイッチ
7aがONすると(押されると)、掘削可能領域の境界
Lの初期値として、バケットが届かないくらい深い位置
の値を設定する。これにより、制御開始スイッチ7aを
ONした直後では、フロント装置1Aはそれが動作し得
る範囲で自由に動くことができ、その動作範囲内でダイ
レクトティーチにより掘削可能領域を自由に設定するこ
とができる。一例として、初期値はY=−20mとして
おく。
【0037】また、領域設定演算部9bでは、領域設定
スイッチ7bからの指示で、ダイレクトティーチによ
り、バケット1cの先端が動き得る掘削可能領域の設定
演算を行う。その一例を図5を用いて説明する。この例
は、掘削可能領域の境界Lを深さh1のX軸に平行な直
線として設定する場合のものである。
【0038】図5において、オペレータの操作でバケッ
ト1cの先端点P1を目的位置に動かした後、領域設定
スイッチ7bを押す。領域設定演算部9bは、領域設定
スイッチ7bが押されると、その時のフロント姿勢演算
部9aで計算されたバケット先端P1のY座標値の値Y
=Y1を用いて、 設定値=Y座標値Y1 と掘削可能領域の境界Lを設定する。そして、このよう
に掘削可能領域の境界Lを設定した後、設定した掘削可
能領域の境界Lの直線式を立て、当該直線上に原点を持
ち当該直線を一軸とする直交座標系XaYa座標系を立
て、XY座標系からXaYa座標系への変換データを求
める。
【0039】バケット先端速度の制限値演算部9cで
は、バケット先端の境界Lからの距離Dに基づき、バケ
ット先端速度の境界Lに垂直な成分の制限値aを計算す
る。これは制御ユニット9の記憶装置に図6に示すよう
な関係を記憶しておき、この関係を読み出して行う。
【0040】図6において、横軸はバケット先端の境界
Lからの距離Dを示し、縦軸はバケット先端速度の境界
Lに垂直な成分の制限値aを示し、横軸の距離D及び縦
軸の速度制限値aはXaYa座標系と同じくそれぞれ設
定領域外から設定領域内に向かう方向を(+)方向とし
ている。この距離Dと制限値aの関係は、バケット先端
が設定領域内にあるときには、その距離Dに比例した
(−)方向の速度をバケット先端速度の境界Lに垂直な
成分の制限値aとし、バケット先端が領域外にあるとき
には、その距離Dに比例した(+)方向の速度をバケッ
ト先端速度の境界Lに垂直な成分の制限値aとするよう
に定められている。したがって、設定領域内では、バケ
ット先端速度の境界Lに垂直な成分が(−)方向で制限
値を越えた場合だけ減速され、設定領域外では、バケッ
ト先端が(+)方向に増速されるようになる。
【0041】アームシリンダ速度演算部9dでは、圧力
検出器61c,61dで検出した流量制御弁5bへの指
令値(パイロット圧)と、アームの流量制御弁5bの流
量特性により、制御用のアームシリンダ速度を推定す
る。
【0042】アームによるバケット先端速度演算部9e
では、アームシリンダ速度とフロント姿勢演算部9aで
求めたフロント装置1Aの位置と姿勢によりアームによ
るバケット先端速度bを演算する。
【0043】ブームによるバケット先端速度の制限値演
算部9fでは、演算部9eで求めたアームによるバケッ
ト先端速度bを領域設定演算部9bで求めた変換データ
を用いてXY座標系からXaYa座標系へ変換し、アー
ムによるバケット先端速度(bx,by)を演算し、演
算部9cで求めたバケット先端速度の境界Lに垂直な成
分の制限値aとそのアームによるバケット先端速度の境
界Lに垂直な成分byにより、ブームによるバケット先
端速度の境界Lに垂直な成分の制限値cを演算する。こ
れを図7を用いて説明する。
【0044】図7において、バケット先端速度の制限値
演算部9cで求められるバケット先端速度の境界Lに垂
直な成分の制限値aとアームによるバケット先端速度演
算部9eで求められるアームによるバケット先端速度b
の境界Lに垂直な成分byの差(a−by)がブームに
よるバケット先端速度の境界Lに垂直な成分の制限値c
であり、ブームによるバケット先端速度の制限値演算部
9fではc=a−byの式より制限値cを計算する。
【0045】制限値cの意味について、バケット先端が
設定領域内にある場合、境界上にある場合、設定領域外
にある場合に分けて説明する。
【0046】バケット先端が設定領域内の場合には、バ
ケット先端速度は、バケット先端の境界Lからの距離D
に比例してバケット先端速度の境界Lに垂直な成分の制
限値aに制限され、これよりブームによるバケット先端
速度の境界Lに垂直な成分はc(=a−by)に制限さ
れ、バケット先端速度bの境界Lに垂直な成分byがこ
れを越えた場合にはcに減速される。
【0047】バケット先端が設定領域の境界L上にある
場合には、バケット先端速度の境界Lに垂直な成分の制
限値aは0となり、設定領域外に向かうアームによるバ
ケット先端速度bは速度cのブーム上げによる補正動作
によってキャンセルされ、バケット先端速度の境界Lに
垂直な成分byも0となる。
【0048】バケット先端が領域外の場合には、バケッ
ト先端速度の境界Lに垂直な成分はバケット先端の境界
Lからの距離Dに比例した上向きの速度aに制限される
ことにより、常に設定領域内に復元するように速度cの
ブーム上げによる補正動作が行われる。
【0049】ブームシリンダ速度の制限値演算部9gで
は、ブームによるバケット先端速度の境界Lに垂直な成
分の制限値cとフロント装置1Aの位置と姿勢に基づ
き、上記変換データを用いた座標変換によりブームシリ
ンダ速度の制限値を演算する。
【0050】ブームパイロット圧の制限演算部9hで
は、ブームの流量制御弁5aの流量特性に基づき、演算
部9gで求めたブームシリンダ速度の制限値に対応する
ブームパイロット圧の制限値を求める。
【0051】領域制限制御の切り換え演算部9rでは、
制御開始スイッチ7bがONで(押されており)領域制
限掘削制御の開始が指示されている場合は、ブームパイ
ロット圧の制限値として演算部9hで計算した値をその
まま出力し、 制御開始スイッチ7bがOFF(押され
ておらず)で領域制限掘削制御の開始が指示されていな
い場合は、ブームパイロット圧の制限値として最大値を
出力する。
【0052】ブーム用バルブ指令演算部9iでは、演算
部9rからのパイロット圧の制限値を入力し、この値が
正の場合には、ブーム上げ側の比例電磁弁10aに制限
値に対応する電圧を出力し、流量制御弁5aの油圧駆動
部50aのパイロット圧を当該制限値に制限し、ブーム
下げ側の比例電磁弁10bに0の電圧を出力する。ま
た、制限値が負の場合には、ブーム下げ側の比例電磁弁
10bに制限値に対応する電圧を出力し、流量制御弁5
aの油圧駆動部50bのパイロット圧を当該制限値に制
限し、ブーム上げ側の比例電磁弁10aには0の電圧を
出力する。
【0053】レバー信号減速制御演算部9mでは、フロ
ント装置1Aのアーム用の操作レバー装置4bの操作信
号(パイロット圧)を減じるレバー信号減速処理を行
う。
【0054】図8にレバー信号減速制御部9mの処理内
容をフローチャートで示す。まず、手順110におい
て、フロント姿勢演算部9bで得たXY座標系でのバケ
ット1cの先端位置を領域設定演算部9aで求めた変換
データを用いてXaYa座標系の値に変換し、そのYa
座標値から設定領域内における当該先端位置と設定領域
の境界との距離Dを求める。次いで、手順130におい
て、図9に示すようなバケット1cの先端との距離Dと
時定数tgとの関係を用いて時定数tgを計算するとと
もに、図10に示すような距離Dとレバー信号減速係数
hgとの関係を用いて減速係数hgを計算する。
【0055】ここで、図9に示す距離Dと時定数tgと
の関係は制御ユニット9の記憶装置に記憶されている。
この距離Dと時定数tgとの関係は、距離Dが距離Ya
1よりも大きいときはtg=0であり、DがYa1より
も小さくなると、距離Dが減少するにしたがって時定数
tgが増大し、距離D=0でtg=tgmaxとなるよ
うに設定されている。
【0056】また、図10に示す距離Dとレバー信号減
速係数hgとの関係はレバー信号減少量調整演算部9n
より与えられる。この距離Dと減速係数hgとの関係
は、距離Dが距離Ya1よりも大きいときはhg=1で
あり、DがYa1よりも小さくなると、距離Dが減少す
るにしたがって減速係数hgが下記の式、 hg=Csin(θg)・D+hgmin にしたがって小さくなり、距離D=0でhg=hgmi
nとなるように設定されている。ここで、Cは減速係数
の傾き、hgminは減速係数の切辺の値であり、それ
ぞれ調整可能な定数である(後述)。また、θgは図5
に示すようにバケット1cの先端とアーム1bの回動中
心であるアームピン(角度検出器8bが取り付けられて
いる箇所)とを結ぶ線分が掘削領域の境界とのなす角で
ある。
【0057】手順130では、手順110で求めた距離
Dと図9及び図10に示す関係とからそのときの時定数
tgと減速係数hgを計算する。このとき、係数hgは
上記のようにバケット1cの先端とアーム1bの回動中
心とを結ぶ線分が掘削領域の境界とのなす角θgの関数
であるので、係数hgを計算するにはまずこの角度θg
を求める。角度θgは、検出した回動角α,β,γと制
御ユニット9の記憶装置に記憶してあるフロント装置1
Aの各部寸法とに基づきバケット1cの先端位置とアー
ム1bの回動中心の位置を求め、この位置の値と上記領
域設定部で求めた設定領域の境界Lの直線式とから求め
る。
【0058】次いで、圧力検出器61a,61bで検出
したアーム操作信号としてのパイロット圧をPa,Pb
とすると、手順140で、上記時定数tgを用いてその
パイロット圧Pa,Pbに対してローパスフィルタ処理
を行い補正パイロット圧Pa1,Pb1を生成する。
【0059】ここで、手順140で行われるローパスフ
ィルタ処理の計算式は以下のようである。
【0060】 出力=xn-1+(1−e-aT)(xn−xn-1) ただし、xn:今回のサンプリングタイムで入力した操
作信号 xn-1:前回のサンプリングタイムでの出力値 a=1/tg T=刻み時間 このように手順140においてパイロット圧Pa,Pb
に対してローパスフィルタ処理を行うことは、図11に
示すようにステップ状の信号入力に対して信号の立ち上
がりを遅くすることであり、見かけ上、レバー操作はゆ
っくり行われたことになる。また、ローパスフィルタ処
理を行う際の時定数tgを距離Dが減少するにしたがっ
て大きくすることは、バケット1cの先端が掘削領域の
境界Lに近づくにつれて信号(パイロット圧)の立ち上
がりを遅くすることであり、バケット1cの先端が掘削
領域の境界Lに近づくにしたがって信号の立ち上がり時
の減少量は大きくなる。次ぎに、手順150において、
図12に示すアームの流量制御弁5bのシリンダ速度
特性により補正パイロット圧Pa1,Pb1に対応する
アームシリンダ3bの速度VAC1,VAD1を計算す
る。
【0061】次ぎに、手順160において、制御ユニッ
ト9の記憶装置に記憶してある図12に示すようなアー
ムシリンダ3bのクラウド側のシリンダ速度の最大値V
ACmaxとダンプ側のシリンダ速度の最小値VADm
in(絶対値の最大値)に上記の減速係数hgを掛けて
アームシリンダ速度の補正最大値VAC2及び補正最小
値VAD2を生成する。
【0062】次いで、手順170において、VAC1,
VAC2の最小値をアームシリンダ3bのクラウド側の
目標シリンダ速度VACとし、VAD1,VAD2の最
大値(VAD1,VAD2の絶対値の最小値)をアーム
シリンダ3bのダンプ側の目標シリンダ速度VADとす
る。すなわち、VAC1>VAC2、VAD1<VAD
2のときはVAC2,VAD2が選択され、目標シリン
ダ速度VAC,VADの最大値及び最小値がそれぞれ補
正最大値VAC2及び補正最小値VAD2に制限され
る。
【0063】ここで、手順160においてシリンダ速度
の最大値VACmax及び最小値VADminに減速係
数hgを掛けてシリンダ速度の補正最大値VAC2及び
補正最小値VAD2を生成することは、hgが距離Dが
減少するにしたがって小さくなる値であるので、バケッ
ト1cの先端が掘削領域の境界に近づくにしたがって補
正最大値VAC2及び補正最小値VAD2の絶対値が小
さくなることである。また、hgは上記のようにバケッ
ト1cの先端とアーム1bの回動中心とを結ぶ線分が掘
削領域の境界とのなす角θgのsin関数であり、θg
が小さくなるにしたがってhgは小さくなるので、フロ
ント装置1Aが伸びるにしたがって補正最大値VAC2
及び補正最小値VAD2の絶対値は小さくなる。
【0064】したがって、手順170において目標シリ
ンダ速度VAC,VADとしてVAC2,VAD2が選
択されているときは、バケット1cの先端が掘削領域の
境界に近づくにしたがってかつフロント装置1Aが伸び
るにしたがって目標パイロット圧Pa2,Pb2の減少
量は大きくなる。一方、目標シリンダ速度VAC,VA
DとしてVAC1,VAD1が選択されているときは、
上記のようにパイロット圧Pa,Pbに対してローパス
フィルタ処理が行われており、バケット1cの先端が掘
削領域の境界Lに近づくにしたがって信号の立ち上がり
時の減少量が大きくなる。次いで、手順180で目標シ
リンダ速度VAC,VADからパイロットライン45
a,45bの目標パイロット圧Pa2,Pb2を演算す
る。これは手順150におけるアームシリンダ速度を求
める演算の逆演算である。
【0065】レバー信号減少量調整演算部9nでは、減
速量調整器70の調整ボタン71〜75のどれが押され
たかに応じてレバー信号減速係数hgを設定する。
【0066】図13にレバー信号減少量調整演算部9n
の処理内容をフローチャートで示す。まず、手順250
において、制御開始スイッチ7bが押されると、減速量
調整器70のNo.3の調整ボタン73に相当する減速
係数hgが初期値として設定される。次いで、手順27
0で調整ボタン71〜75のどれかが押されたかを判断
し、どれかが押されると手順280にて、押された調整
ボタンに相当する減速係数hgを設定する。
【0067】図14に調整ボタン71〜75が押された
ときに設定されるそれぞれの減速係数を示す。「1」は
調整ボタン71が押されたときの減速係数hg、「2」
は調整ボタン72が押されたときの減速係数hg、
「3」は調整ボタン73が押されたときの減速係数h
g、「4」は調整ボタン74が押されたときの減速係数
hg、「5」は調整ボタン75が押されたときの減速係
数hgであり、それぞれ、次のように設定される。
【0068】 1:hg=Csin(θg)・D+hgmin1 2:hg=C2sin(θg)・D+hgmin2 3:hg=C3sin(θg)・D+hgmin3 4:hg=C4sin(θg)・D+hgmin4 5:hg=C5sin(θg)・D+hgmin51〜C5,hgmin1〜hgmin5は予め制御ユニッ
ト9の記憶装置に記憶しておく。
【0069】このように調整ボタン71〜75により減
速係数hgを選択して設定することにより、レバー信号
減速制御演算部9mで減速係数hgから計算される操作
信号の減少量を調整でき、レバー信号減速制御における
アーム速度を調整できる。
【0070】レバー信号減速制御切り換え演算部9sで
は、バケット1cの先端が減速領域にあるか否かに応じ
て、また制御開始スイッチ7bのON・OFFに応じて
演算部9mで計算した値を切り換え出力する。この詳細
を図15にフローチャートで示す。
【0071】図15において、まず手順300におい
て、制御開始スイッチ7bが押されたかどうかを判断
し、押されていれば手順310に進む。手順310で
は、バケット1cの先端が減速領域に浸入したかどうか
を判断する。制御ユニット9の記憶装置には、減速領域
の範囲を設定する値として図7に示すような設定領域の
境界Lからの距離Ya1が記憶されている。手順310
では、レバー信号減速制御演算部9mの手順110で求
めた距離Dが距離Ya1より小さくなると減速領域に侵
入したと判定する。手順310において、バケット1c
の先端が減速領域に浸入したと判断されると、手順32
0に進み、アームパイロット圧の制限値として演算部9
mで計算した値をそのまま出力する。なお、距離Dが負
の値になると、D=0で計算された目標パイロット圧を
アームパイロット圧の制限値として出力し続ける。一
方、手順300で制御開始スイッチ7bが押されていな
い場合、又は手順310で距離Dが距離Ya1より大き
く、バケット1cの先端位置が減速領域に侵入していな
いときは手順330に進み、アームパイロット圧の制限
値として最大値を出力する。
【0072】アーム用バルブ指令演算部9kでは、演算
部9sからのアームパイロット圧の制限値を入力し、こ
の値が正の場合には、アームクラウド側の比例電磁弁1
1aに制限値に対応する電圧を出力し、流量制御弁5b
の油圧駆動部51aのパイロット圧を当該制限値にし、
アームダンプ側の比例電磁弁11bに0の電圧を出力す
る。また、制限値が負の場合には、アームダンプ側の比
例電磁弁11bに制限値に対応する電圧を出力し、流量
制御弁5bの油圧駆動部51bのパイロット圧を当該制
限値にし、アームクラウド側の比例電磁弁11aには0
の電圧を出力する。
【0073】以上のように構成した本実施形態の動作を
説明する。この説明は、制御開始スイッチ7bをON
し、領域制限掘削制御を行う場合についてのものであ
る。また、作業例として、バケット先端の位置決めを行
おうとしてブーム用操作レバー装置4aの操作レバーを
ブーム下げ方向に操作してブームを下げる場合(ブーム
下げ動作)と、手前方向に掘削しようとしてアーム用操
作レバー装置4bの操作レバーをアームクラウド方向に
操作してアームクラウドする場合(アームクラウド操
作)について説明する。
【0074】バケット先端の位置決めを行おうとしてブ
ーム用操作レバー装置4aの操作レバーをブーム下げ方
向に操作すると、その操作レバー装置4aの指令値であ
るパイロット圧がパイロットライン44bを介して流量
制御弁5aのブーム下げ側の油圧駆動部50bに与えら
れる。一方、これと同時に、演算部9cでは図6に示す
関係からバケット先端と設定領域の境界Lからの距離D
に比例したバケット先端速度の制限値a(<0)が計算
され、演算部9fではブームによるバケット先端速度の
制限値c=a(<0)が計算され、ブームパイロット圧
の制限値演算部9hでは制限値cに応じた負のブーム指
令の制限値が計算され、バルブ指令演算部9iではブー
ム下げ側の流量制御弁の油圧駆動部50bのパイロット
圧を制限するように制限値に対応する電圧を比例電磁弁
10bに出力し、ブーム上げ側の比例電磁弁10aには
0の電圧を出力し流量制御弁5aの油圧駆動部50aの
パイロット圧を0にする。このとき、バケット先端が設
定領域の境界Lから遠いときは演算部9hで求めたブー
ムパイロット圧の制限値の絶対値は大きく、これより操
作レバー装置4aのパイロット圧の方が小さいので、比
例電磁弁10bは操作レバー装置4aのパイロット圧を
そのまま出力し、これにより操作レバー装置4aのパイ
ロット圧に応じてブームが下がって行く。
【0075】上記のようにブームが下がり、バケット先
端が設定領域の境界Lに近づくにつれて演算部9fで計
算されるブームによるバケット先端速度の制限値c=a
(<0)は大きくなり(|a|又|c|は小さくな
り)、演算部9hで求めた対応するブーム指令の制限値
(<0)の絶対値は小さくなる。そして、この制限値の
絶対値が操作レバー装置4aの指令値よりも小さくな
り、バルブ指令演算部9iから比例電磁弁10bに出力
される電圧がそれに応じて小さくなると、比例電磁弁1
0bは操作レバー装置4aのパイロット圧を減圧して出
力し、流量制御弁5aのブーム下げ側の油圧駆動部50
bに与えられるパイロット圧を制限値cに応じて徐々に
制限する。これにより、設定領域の境界Lに近づくにつ
れてブーム下げ速度が徐々に制限され、バケット先端が
設定領域の境界Lに到達するとブームは停止する。した
がって、バケット先端の位置決めが簡単に滑らかにでき
る。
【0076】また、バケット先端が設定領域の境界Lか
らはみ出した場合は、演算部9cでは図6に示す関係か
らバケット先端と設定領域の境界Lからの距離Dに比例
したバケット先端速度の制限値a(=c)が正の値とし
て計算され、バルブ指令演算部9iでは制限値cに応じ
た電圧を比例電磁弁10aに出力し、ブーム上げ側の流
量制御弁5aの油圧駆動部50aに制限値aに応じたパ
イロット圧を与える。これにより、ブームは距離Dに比
例した速度で領域内に復元するように上げ方向に動かさ
れ、バケット先端が設定領域の境界Lまで戻ると停止す
る。したがって、バケット先端の位置決めが更に滑らか
に行える。
【0077】また、手前方向に掘削しようとしてアーム
用操作レバー装置4bの操作レバーをアームクラウド方
向に操作すると、比例電磁弁11aから出力されたパイ
ロット圧(後述)が流量制御弁5bのアームクラウド側
の油圧駆動部51aに与えられ、アームは手前方向に下
がるよう動かされる。
【0078】一方、これと同時に、流量制御弁5bの油
圧駆動部51aに与えられパイロット圧(比例電磁弁1
1aの出力圧)が圧力検出器61cで検出され、演算部
9dに入力されてアームシリンダ速度が計算され、演算
部9eでアームによるバケット先端速度bが演算され
る。また、演算部9cでは図6に示す関係からバケット
先端と設定領域の境界Lからの距離Dに比例したバケッ
ト先端速度の制限値a(<0)が計算され、演算部9f
ではブームによるバケット先端速度の制限値c=a−b
yが計算される。このとき、バケット先端が設定領域の
境界Lから遠く、a<by(|a|>|by|)のとき
は制限値cは負の値として計算され、バルブ指令演算部
9iではブーム下げ側の流量制御弁の油圧駆動部50b
のパイロット圧を制限するように制限値に対応する電圧
を比例電磁弁10bに出力し、ブーム上げ側の比例電磁
弁10aには0の電圧を出力し流量制御弁5aの油圧駆
動部50aのパイロット圧を0にする。このとき、操作
レバー装置4aは操作されていないので、流量制御弁5
aの油圧駆動部50bにはパイロット圧は出力されな
い。これにより流量制御弁5bの油圧駆動部51aに与
えられたパイロット圧に応じてアームが手前方向に動か
される。
【0079】上記のようにアームが手前方向に動かさ
れ、バケット先端が設定領域の境界Lに近づくにつれて
演算部9cで計算されるバケット先端速度の制限値aは
大きくなり(|a|は小さくなり)、この制限値aが演
算部9eで計算されるアームによるバケット先端速度b
の境界Lに垂直な成分byよりも大きくなると、演算部
9fで計算されるブームによるバケット先端速度の制限
値c=a−byは正の値となり、バルブ指令演算部9i
ではブーム上げ側の比例電磁弁10aに制限値に対応す
る電圧を出力し、流量制御弁5aの油圧駆動部50aの
パイロット圧を当該制限値にし、ブーム下げ側の比例電
磁弁10bに0の電圧を出力して流量制御弁5aの油圧
駆動部50bのパイロット圧を0にする。これにより、
バケット先端速度の境界Lに垂直な成分がバケット先端
と境界Lからの距離Dに比例して徐々に制限されるよう
に、ブーム上げによる補正動作が行われ、アームによる
バケット先端速度の補正されていない境界Lに平行な成
分bxとこの制限値cによる補正された速度により、図
16に示すような減速方向変換制御が行われ、設定領域
の境界Lに沿った掘削が行える。
【0080】また、バケット先端が設定領域の境界Lか
らはみ出した場合は、演算部9cでは図6に示す関係か
らバケット先端と設定領域の境界Lからの距離Dに比例
したバケット先端速度の制限値aが正の値として計算さ
れ、演算部9fで計算されるブームによるバケット先端
速度の制限値c=a−by(>0)は制限値aに比例し
て大きくなり、バルブ指令演算部9iからブーム上げ側
の比例電磁弁10aに出力される電圧は制限値cに応じ
て増大する。これにより、設定領域外では距離Dに比例
したバケット先端速度で領域内に復元するように、ブー
ム上げによる補正動作が行われ、アームによるバケット
先端速度の補正されていない境界Lに平行な成分bxと
この制限値cにより補正された速度により、図17に示
すように設定領域の境界Lに沿って徐々に戻りながらの
掘削が行える。したがって、アームをクラウドするだけ
で滑らかに設定領域の境界Lに沿った掘削が行える。
【0081】また、以上のアームクラウド操作におい
て、アーム用操作レバー装置4bの指令値であるパイロ
ット圧は圧力検出器61aで検出され、その信号がレバ
ー信号減速制御演算部9mに入力されレバー信号減速制
御用の目標パイロット圧が演算される。このとき、バケ
ット先端が設定領域の境界Lから遠く、D≧Ya1のと
きは、レバー信号減速制御の切り換え演算部9sはアー
ムパイロット圧の制限値として演算部9mで演算した目
標パイロット圧ではなく、最大値を出力し、バルブ指令
演算部9kでは対応する電圧をアームクラウド側の比例
電磁弁11aに出力し、比例電磁弁11aの開度を最大
にする。このため、操作レバー装置4bからのパイロッ
ト圧はそのまま流量制御弁5bのアームクラウド側の油
圧駆動部51aに与えられ、アームは操作レバー装置4
bの操作通りに手前方向に下がるよう動かされる。
【0082】アームが手前方向に動かされ、バケット先
端が設定領域の境界Lに近づき、D<Ya1になると、
レバー信号減速制御の切り換え演算部9sでは演算部9
mで計算されたレバー信号減速制御用の目標パイロット
圧をアームパイロット圧の制限値として出力し、バルブ
指令演算部9kではアームクラウド側の比例電磁弁11
aに制限値に対応する電圧を出力し、流量制御弁5bの
油圧駆動部51aのパイロット圧を当該制限値に制限す
る。このため、アームは設定領域の境界Lに近づくに従
って減速される。また、このときの減速量は減速量調整
器70の調整ボタン71〜75の操作で自由に調整可能
である。
【0083】以上のように本実施形態によれば、バケッ
ト先端が設定領域内にある場合は、バケット先端速度の
設定領域の境界Lに垂直な成分は、バケット先端の境界
Lからの距離Dに比例して制限値aにより制限されるの
で、ブーム下げ動作ではバケット先端の位置決めが簡単
に滑らかにでき、アームクラウド操作では、設定領域の
境界に沿ってバケット先端を動かすことができ、領域を
制限した掘削を能率良く円滑に行うことができる。
【0084】また、バケット先端が設定領域外では、バ
ケット先端の境界Lからの距離Dに比例して制限値aに
よりフロント装置が設定領域に戻るように制御されるの
で、フロント装置を速く動かしたときでも設定領域の境
界に沿ってフロント装置を動かすことができ、領域を制
限した掘削を正確に行うことができる。
【0085】また、このとき、上記のように予め方向変
換制御で減速されているので、設定領域外への侵入量は
少なくなり、設定領域に戻るときのショックは大幅に緩
和される。このため、フロント装置を速く動かしたとき
でも領域を制限した掘削を滑らかに行うことができ、領
域を制限した掘削を円滑に行うことができる。
【0086】更に、上記アームクラウド操作時の減速方
向変換制御は速度制御であるため、フロント装置1Aを
極端に速く動かしていたり、急激に操作レバー装置4b
などを操作した場合には、油圧回路上の遅れなど制御上
の応答遅れやフロント装置1Aにかかる慣性力などによ
りフロント装置1Aが設定領域からはみ出す可能性があ
る。
【0087】本実施形態では、レバー信号減速制御演算
部9においてローパスフィルタ処理(図8の手順14
0)及びレバー信号減速処理(図8の手順160)にて
バケット1cの先端位置と掘削領域の境界との距離Dに
応じてアーム用の操作レバー装置4bのパイロット圧を
減じることにより、フロント装置1Aの速度が極端に大
きくてもバケット1cの先端が設定領域の境界に近づく
にしたがってフロント装置1Aの急激な移動が抑えられ
る。また、減速領域内で操作レバー装置4bが急激に操
作されてもアームは滑らかに動き出し、しかも動き出し
てからの速度も遅くなる。このため、油圧回路上の遅れ
など制御上の応答遅れの影響や慣性の影響が軽減され、
上記減速方向変換制御でのフロント装置1Aの設定領域
外への侵入量は大幅に減じられ、フロント装置1Aの動
作速度や操作レバー装置の操作状態に係わらず、領域を
制限した掘削を能率良く円滑に行える。
【0088】また、作業現場によって、要求される掘削
の精度・速度はさまざまである。掘削精度は多少悪くて
もよいから、作業速度を上げたい場合もあれば、速度は
極端に遅くても、精度を要求する場合もある。
【0089】本実施形態では、上記のように減速量調整
器70の調整ボタン71〜75のいずれかを選択して押
すことにより、レバー信号減速制御によるアームのパイ
ロット圧の減少量を自由に調整できる。このため、あら
ゆる作業現場に対して最適な減少量を設定することが容
易にでき、作業効率を向上することができる。
【0090】本発明の第2の実施形態を図18〜図22
により説明する。本実施形態は、操作レバー装置として
電気式を用いた油圧ショベルに本発明を適用したもので
ある。
【0091】図18において、本実施形態が適用される
油圧ショベルは、油圧パイロット方式の操作レバー装置
4a〜4fの代わりに電気式の操作レバー装置14a〜
14fを備えている。操作レバー装置14a〜14fは
操作レバーの操作量と操作方向に応じた電圧を電気信号
として出力し、この電気信号を制御ユニットAを介して
流量制御弁15a〜15fの両端に設けられた電気油圧
変換手段、例えば比例電磁弁を備えた電磁駆動部30
a,30b〜35a,35bの対応するものへ供給す
る。
【0092】設定器7及び減速量調整器70は第1の実
施形態のものと同じである。
【0093】制御ユニット9Aの制御機能を図19に示
す。制御ユニット9Aは、フロント姿勢演算部9a、領
域設定演算部9b、バケット先端速度の制限値演算部9
c、アームシリンダ速度演算部9Ad、アームによるバ
ケット先端速度演算部9e、ブームによるバケット先端
速度の制限値演算部9f、ブームシリンダ速度の制限値
演算部9g、ブーム指令の制限値演算部9Ah、領域制
限制御の切り換え演算部9Ar、ブーム用バルブ指令演
算部9Ai、レバー信号減速制御演算部9Am、レバー
信号減少量調整演算部9An、レバー信号減速制御の切
り換え演算部9As、アーム用バルブ指令演算部9Ak
の各機能を有している。
【0094】アームシリンダ速度演算部9Adでは、角
度検出器8bにより検出したアームの回動角を用い、座
標変換によりアームシリンダ変位を求め、それを微分し
て直接アームシリンダ速度を求める。なお、アームの操
作レバー装置4bの操作信号を用いてアームシリンダ速
度を求めてもよい。
【0095】ブーム指令の制限演算部9Ahでは、ブー
ムの流量制御弁15aの流量特性に基づき、演算部9g
で求めたブームシリンダ速度の制限値に対応するブーム
指令値の制限値を求める。
【0096】領域制限制御の切り換え演算部9Arで
は、演算部9Ahで求めたブーム指令の制限値と操作レ
バー装置14aの指令値の大小、及び制御開始スイッチ
7bのON・OFFに応じてブーム指令値を切り換え出
力する。この詳細を図20にフローチャートで示す。
【0097】図20において、まず手順400におい
て、制御開始スイッチ7bが押されたかどうかを判断
し、押されていれば手順410に進む。手順410で
は、演算部9Ahで求めたブーム指令の制限値と操作レ
バー装置14aの指令値とを比較し、指令値が制限値よ
りも大きいと手順420に進み、アーム指令値として演
算部9Ahで計算した制限値を出力する。一方、手順4
00で制御開始スイッチ7bga押されていない場合、
又は手順410で操作レバー装置14aの指令値が演算
部9Ahで求めた制限値より小さい場合は手順430に
進み、操作レバー装置14aの指令値をそのまま出力す
る。
【0098】ここで、操作レバー装置14aの指令値は
XaYa座標系と同じく、設定領域外から設定領域内に
向かう方向(ブーム上げ方向)を(+)方向としてい
る。また、演算部9Arでブーム指令の制限値と操作レ
バー装置14aの指令値の大きい方を出力することは、
バケット先端が設定領域内の場合には制限値cが(−)
であることから両者の絶対値の小さい方を出力すること
であり、バケット先端が領域外の場合には制限値cが
(+)であることから、両者の絶対値の大きい方を出力
することである。
【0099】ブーム用バルブ指令演算部9Aiでは、演
算部9Arからの指令値を入力し、その値が正の場合に
は流量制御弁15aのブーム上げ駆動部30aに対応す
る電圧を出力し、ブーム下げ駆動部30bには0の電圧
を出力し、指令値が負の場合には逆にする。
【0100】一方、レバー信号減速制御演算部9Amで
は、フロント装置1Aのアーム用の操作レバー装置4b
の操作信号を減じるレバー信号減速処理を行う。
【0101】図21にレバー信号減速制御部9Amの処
理内容をフローチャートで示す。まず、手順500にお
いて、フロント姿勢演算部9bで得たXY座標系でのバ
ケット1cの先端位置を領域設定演算部9aで求めた変
換データを用いてXaYa座標系の値に変換し、そのY
a座標値から設定領域内における当該先端位置と設定領
域の境界との距離Dを求める。次いで、手順510にお
いて、図9に示すようなバケット1cの先端との距離D
と時定数tgとの関係を用いて時定数tgを計算すると
ともに、図10に示すような距離Dとレバー信号減速係
数hgとの関係を用いて減速係数hgを計算する。
【0102】次いで手順520で、時定数tgを用いて
アーム用の操作信号Sbに対してローパスフィルタ処理
を行い第1減速操作信号Sb1を生成し、手順530にお
いて、 第1減速操作信号Sb1に減速係数hgを掛けて
第2減速操作信号Sb2を生成する。
【0103】ここで、手順520で行われるローパスフ
ィルタ処理の計算及び操作信号Sbに対してローパスフ
ィルタ処理を行う意味、手順530において更に減速係
数hgを掛ける意味は、第1の実施形態で説明したのと
同じである。
【0104】レバー信号減速制御切り換え演算部9As
では、バケット1cの先端が減速領域にあるか否かに応
じて、また制御開始スイッチ7bのON・OFFに応じ
てアーム指令値を切り換え出力する。この詳細を図22
にフローチャートで示す。
【0105】図22において、まず手順600におい
て、制御開始スイッチ7bが押されたかどうかを判断
し、押されていれば手順610に進む。手順610で
は、バケット1cの先端が減速領域に浸入したかどうか
を判断する。制御ユニット9Aの記憶装置には、減速領
域の範囲を設定する値として図7に示すような設定領域
の境界Lからの距離Ya1が記憶されている。手順61
0では、レバー信号減速制御演算部9Amの手順500
で求めた距離Dが距離Ya1より小さくなると減速領域
に侵入したと判定する。手順610において、バケット
1cの先端が減速領域に浸入したと判断されると、手順
620に進み、アーム指令値として演算部9Amで計算
した制限値を出力する。なお、距離Dが負の値になる
と、D=0で計算された目標パイロット圧をアーム指令
値の制限値として出力し続ける。一方、手順600で制
御開始スイッチ7bga押されていない場合、又は手順
610で距離Dが距離Ya1より大きく、バケット1c
の先端位置が減速領域に侵入していないときは手順63
0に進み、操作レバー装置14bの指令値をそのまま出
力する。
【0106】アーム用バルブ指令演算部9Akでは、演
算部9Asからのアーム指令値を入力し、当該指令値が
正の場合には流量制御弁15bのアームクラウド駆動部
31aに対応する電圧を出力し、アームダンプ駆動部3
1bには0の電圧を出力し、指令値が負の場合には逆に
する。
【0107】その他の機能は第1の実施形態と同じであ
る。
【0108】以上のように構成した本実施形態では、バ
ケット先端の位置決めを行おうとしてブーム用操作レバ
ー装置14aの操作レバーをブーム下げ方向に操作する
と、その操作レバー装置14aの指令値が領域制限制御
の切り換え演算部9Arに入力される。一方、これと同
時に、演算部9cでは図6に示す関係からバケット先端
と設定領域の境界Lからの距離Dに比例したバケット先
端速度の制限値a(<0)が計算され、演算部9fでは
ブームによるバケット先端速度の制限値c=a(<0)
が計算され、ブーム指令の制限値演算部9Ahでは制限
値cに応じた負のブーム指令の制限値が計算される。こ
のとき、バケット先端が設定領域の境界Lから遠いとき
は演算部9Ahで求めたブーム指令の制限値より操作レ
バー装置14aの指令値の方が大きいので、領域制限制
御の切り換え演算部9Arでは操作レバー装置14aの
指令値が選択され、この指令値は負であるで、バルブ指
令演算部9Aiでは流量制御弁15aのブーム下げ駆動
部30bに対応する電圧を出力し、ブーム上げ駆動部3
0aには0の電圧を出力し、これにより操作レバー装置
14aの指令値に応じてブームが下がって行く。
【0109】上記のようにブームが下がり、バケット先
端が設定領域の境界Lに近づくにつれて演算部9fで計
算されるブームによるバケット先端速度の制限値c=a
(<0)は大きくなり(|a|又|c|は小さくな
り)、演算部9Ahで求めた対応するブーム指令の制限
値が操作レバー装置14aの指令値よりも大きくなる
と、領域制限制御の切り換え演算部9Arでは当該制限
値が選択され、バルブ指令演算部9Aiでは制限値cに
応じて流量制御弁15aのブーム下げ駆動部30bに出
力する電圧を徐々に制限する。これにより、設定領域の
境界Lに近づくにつれてブーム下げ速度が徐々に制限さ
れ、バケット先端が設定領域の境界Lに到達するとブー
ムは停止する。したがって、バケット先端の位置決めが
簡単に滑らかにできる。
【0110】また、バケット先端が設定領域の境界Lか
らはみ出した場合は、演算部9cでは図6に示す関係か
らバケット先端と設定領域の境界Lからの距離Dに比例
したバケット先端速度の制限値a(=c)が正の値とし
て計算され、バルブ指令演算部9Aiでは制限値cに応
じた電圧を流量制御弁15aのブーム上げ駆動部30a
に出力する。これにより、ブームは距離Dに比例した速
度で領域内に復元するように上げ方向に動かされ、バケ
ット先端が設定領域の境界Lまで戻ると停止する。した
がって、バケット先端の位置決めが更に滑らかに行え
る。
【0111】また、手前方向に掘削しようとしてアーム
用操作レバー装置14bの操作レバーをアームクラウド
方向に操作すると、制御ユニット7のバルブ指令演算部
9Akから出力された電気信号(後述)が流量制御弁1
5bのアームクラウド側の駆動部31aに与えられ、ア
ームは手前方向に下がるよう動かされる。
【0112】一方、これと同時に、操作レバー装置14
bの指令値が演算部9Adに入力されてアームシリンダ
速度が計算され、演算部9eでアームによるバケット先
端速度bが演算される。また、演算部9cでは図6に示
す関係からバケット先端と設定領域の境界Lからの距離
Dに比例したバケット先端速度の制限値a(<0)が計
算され、演算部9fではブームによるバケット先端速度
の制限値c=a−byが計算される。このとき、バケッ
ト先端が設定領域の境界Lから遠く、a<by(|a|
>|by|)のときは制限値cは負の値として計算さ
れ、領域制限制御の切り換え演算部9Arでは操作レバ
ー装置14aの指令値(=0)が選択され、バルブ指令
演算部9Aiでは流量制御弁15aのブーム上げ駆動部
30a及びブーム下げ駆動部30bに0の電圧を出力す
る。これにより流量制御弁15bの駆動部31aに与え
られた電気信号に応じてアームが手前方向に動かされ
る。
【0113】上記のようにアームが手前方向に動かさ
れ、バケット先端が設定領域の境界Lに近づくにつれて
演算部9cで計算されるバケット先端速度の制限値aは
大きくなり(|a|は小さくなり)、この制限値aが演
算部9eで計算されるアームによるバケット先端速度b
の境界Lに垂直な成分byよりも大きくなると、演算部
9fで計算されるブームによるバケット先端速度の制限
値c=a−byは正の値となり、領域制限制御の切り換
え演算部9Arでは演算部9A9hで計算された制限値
が選択され、バルブ指令演算部9Aiでは制限値cに応
じた電圧を流量制御弁15aのブーム上げ駆動部30a
に出力する。これにより、バケット先端速度の境界Lに
垂直な成分がバケット先端と境界Lからの距離Dに比例
して徐々に制限されるように、ブーム上げによる補正動
作が行われ、アームによるバケット先端速度の補正され
ていない境界Lに平行な成分bxとこの制限値cによる
補正された速度により、図16に示すような減速方向変
換制御が行われ、設定領域の境界Lに沿った掘削が行え
る。
【0114】また、バケット先端が設定領域の境界Lか
らはみ出した場合は、演算部9cでは図6に示す関係か
らバケット先端と設定領域の境界Lからの距離Dに比例
したバケット先端速度の制限値aが正の値として計算さ
れ、演算部9fで計算されるブームによるバケット先端
速度の制限値c=a−by(>0)は制限値aに比例し
て大きくなり、バルブ指令演算部9Aiから流量制御弁
15aのブーム上げ駆動部30aに出力される電圧は制
限値cに応じて増大する。これにより、設定領域外では
距離Dに比例したバケット先端速度で領域内に復元する
ように、ブーム上げによる補正動作が行われ、アームに
よるバケット先端速度の補正されていない境界Lに平行
な成分bxとこの制限値cにより補正された速度によ
り、図17に示すように設定領域の境界Lに沿って徐々
に戻りながらの掘削が行える。
【0115】また、以上のアームクラウド操作におい
て、アーム用操作レバー装置14bの指令値は制御ユニ
ット9Aのレバー信号減速制御演算部9Am及びレバー
信号減速制御の切り換え演算部9Asに入力され、レバ
ー信号減速制御演算部9Amでは減速操作信号Sb2が演
算される。このとき、バケット先端が設定領域の境界L
から遠く、D≧Ya1のときは、レバー信号減速制御の
切り換え演算部9Asはアーム指令として演算部9Am
で演算した減速操作信号Sb2ではなく、アーム用操作レ
バー装置14bの指令値を出力し、バルブ指令演算部9
Akでは対応する電圧を流量制御弁15bのアームクラ
ウド側の駆動部31aに出力する。このため、アームは
操作レバー装置14bの操作通りに手前方向に下がるよ
う動かされる。
【0116】アームが手前方向に動かされ、バケット先
端が設定領域の境界Lに近づき、D<Ya1になると、
レバー信号減速制御の切り換え演算部9Asでは演算部
9Amで計算された減速操作信号Sb2を出力し、バルブ
指令演算部9Akでは流量制御弁15bのアームクラウ
ド側の駆動部31aに減速操作信号Sb2に対応する電圧
を出力する。このため、アームは設定領域の境界Lに近
づくに従って減速される。また、このときの減速量は減
速量調整器70の調整ボタン71〜75の操作で自由に
調整可能である。
【0117】以上のように本実施形態によれば、操作レ
バー装置として電気式を採用したものにおいて、第1の
実施形態と同様の領域制限掘削制御が行える。
【0118】また、レバー信号減速制御及びそのレバー
信号減少量調整についても、第1の実施形態と同じ効果
が得られる。
【0119】以上、本発明の代表的な実施形態をいくつ
か説明したが、本発明はこれに限定されず、種々の変形
が可能である。
【0120】例えば、上記実施形態では、レバー信号減
速制御において減速係数hgを用いる減速処理と時定数
tgを用いるローパスフィルタ処理との両方を行った
が、そのいずれか一方のみを行ってもよい。
【0121】また、バケット先端と設定領域の境界との
距離と減速ベクトルとの関係、時定数tg及び減速係数
hgとの関係及び復元ベクトルとの関係は上記実施例の
設定に限らず、種々の設定が可能である。
【0122】また、上記実施形態では、減速量調整器7
0の調整ボタンはNo.1〜5の5種類としたが、この
数は自由に選べる。また、押しボタン式としたが、ロー
タリーダイヤルでポテンショメータを動かすことで、無
段階に調整できるようにしても良い。この場合はA/D
変換器が必要となる。更に、アップダウンキーを用いて
も良い。また、テンキーユニットで任意の数値を入力
し、予め設定してある計算式より入力値に応じた減少量
を演算するようにしても良い。
【0123】更に、上記実施形態では、フロント装置1
Aの位置と姿勢に関する状態量を検出する手段として回
動角を検出する角度計を用いたが、シリンダのストロー
クを検出してもよい。
【0124】また、領域制限掘削制御を行うための設定
領域の境界Lに対する距離Dとしてバケットの先端につ
いて述べたが、簡易的に実施するならばアーム先端ピン
からの距離をとってもよい。また、フロント装置との干
渉を防止し安全性を図るために領域を設定する場合は、
その干渉が起こり得る他の部位であってもよい。
【0125】更に、適用される油圧駆動装置はクローズ
ドセンタタイプの流量制御弁を有するクローズドセンタ
システムとしたが、オープンセンタータイプの流量制御
弁を用いたオープンセンターシステムであってもよい。
【0126】
【発明の効果】本発明によれば、フロント装置の動作速
度や操作レバー装置の操作状態に係わらず、領域を制限
した掘削を能率良く円滑に行える。
【0127】また、本発明によれば、あらゆる作業現場
に対して最適なレバー減速制御の減少量を調整すること
が容易にでき、作業効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による建設機械のフロ
ント制御装置をその油圧駆動装置と共に示す図である。
【図2】本発明が適用される油圧ショベルの外観を示す
図である。
【図3】減速量調整器の外観を示す図である。
【図4】制御ユニットの制御機能を示す機能ブロック図
である。
【図5】本実施形態の領域制限掘削制御における掘削可
能領域の設定方法を示す図である。
【図6】バケット先端速度の制限値を求めるときの設定
領域の境界からの距離との関係を示す図である。
【図7】バケット先端が設定領域内にある場合と、設定
領域の境界上にある場合と、設定領域外にある場合のブ
ームによるバケット先端速度の補正動作の違いを示す図
である。
【図8】レバー信号減速制御演算部の処理内容を示すフ
ローチャートである。
【図9】バケットの先端と設定領域の境界との距離と時
定数との関係を示す図である。
【図10】バケットの先端と設定領域の境界との距離と
減速係数との関係を示す図である。
【図11】ローパスフィルタ処理によるレバー入力の変
化を示す図である。
【図12】アーム用流量制御弁のシリンダ速度特性を示
す図である。
【図13】レバー信号減少量調整演算部の処理内容を示
すフローチャートである。
【図14】レバー信号減少量の調整演算の説明図であ
る。
【図15】レバー信号減速制御の切り換え演算部の処理
内容を示すフローチャートである。
【図16】バケット先端が設定領域内にあるときの補正
動作軌跡の一例を示す図である。
【図17】バケット先端が設定領域外にあるときの補正
動作軌跡の一例を示す図である。
【図18】本発明の第2の実施形態による建設機械のフ
ロント制御装置をその油圧駆動装置と共に示す図であ
る。
【図19】制御ユニットの制御機能を示す図である。
【図20】領域制限制御の切り換え演算部の処理内容を
示すフローチャートである。
【図21】レバー信号減速制御演算部の処理内容を示す
フローチャートである。
【図22】レバー信号減速制御の切り換え演算部の処理
内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1A フロント装置 1B 車体 1a ブーム 1b アーム 1c バケット 2 油圧ポンプ 3a ブームシリンダ 3b アームシリンダ 4a〜4f;14a〜14f 操作レバー装置 5a〜5f;15a〜15f 流量制御弁 7 設定器 7a 領域設定スイッチ 7b 制御介開始スイッチ 8a〜8c 角度検出器 8d 傾斜角度検出器 9 制御ユニット 9a フロント姿勢演算部 9b 領域設定演算部 9c バケット先端速度の制限値演算部 9d アームシリンダ速度演算部 9e アームによるバケット先端速度演算部 9f ブームによるバケット先端速度の制限値演算部 9g ブームシリンダ速度の制限値演算部 9h ブームパイロット圧の演算部 9i バルブ指令演算部 9k バルブ指令演算部 9r 領域制限制御の切り換え演算部 9m レバー信号減速制御演算部 9n レバー信号減少量調整演算部 9s レバー減速制御の切り換え演算部 10a,10b 比例電磁弁 12 シャトル弁 50a〜55b 油圧駆動部 61a,61b 圧力検出器 70 減速量調整器 71〜75 調整ボタン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 高志 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多関節型のフロント装置を構成する上下方
    向に回動可能な複数のフロント部材を含む複数の被駆動
    部材と、前記複数の被駆動部材をそれぞれ駆動する複数
    の油圧アクチュエータと、前記複数の被駆動部材の動作
    を指示する複数の操作手段と、前記複数の操作手段の操
    作信号に応じて駆動され、前記複数の油圧アクチュエー
    タに供給される圧油の流量を制御する複数の油圧制御弁
    とを備えた建設機械の領域制限掘削制御装置において、 前記フロント装置の動き得る領域を設定する領域設定手
    段と;前記フロント装置の位置と姿勢に関する状態量を
    検出する第1検出手段と;前記第1検出手段からの信号
    に基づき前記フロント装置の位置と姿勢を計算する位置
    ・姿勢演算手段と;前記位置・姿勢演算手段の演算値に
    基づき、前記フロント装置が前記設定領域内でその境界
    近傍にあるときに、前記複数の操作手段のうち少なくと
    も第1の特定のフロント部材に係わる操作手段の操作信
    号を減じる信号減速制御手段と、 前記信号減速制御手段で補正された操作信号と前記位置
    ・姿勢演算手段の演算値に基づき、前記フロント装置が
    前記設定領域内でその境界近傍にあるときに、前記フロ
    ント装置が前記設定領域の境界に沿った方向には動き、
    前記設定領域の境界に接近する方向には移動速度が減じ
    られるよう前記複数の操作手段のうち少なくとも第2の
    特定のフロント部材に係わる操作手段の操作信号を補正
    する減速方向変換制御手段と;オペレータにより操作さ
    れる手動操作部を有し、この手動操作部の操作により前
    記信号減速制御手段における操作信号の減少量を調整す
    る信号減少量調整手段を更に備えることを特徴とする建
    設機械の領域制限掘削制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の建設機械の領域制限掘削制
    御装置において、前記信号減速制御手段は、前記フロン
    ト装置と前記設定領域の境界との距離が小さくなるにし
    たがって前記第1の特定のフロント部材に係わる操作手
    段の操作信号の減少量が大きくなるように当該操作信号
    を補正する第1補正演算手段を含み、前記信号減少量調
    整手段は、前記手動操作部の操作により前記フロント装
    置と設定領域の境界との距離の減少量に対する前記信号
    の減少量の割合を変更する手段であることを特徴とする
    建設機械の領域制限掘削制御装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の建設機械の領域制限掘削制
    御装置において、前記信号減速制御手段は、前記第1の
    特定のフロント部材に係わる操作手段の操作信号にロー
    パスフィルタ処理を施す第2補正演算手段を更に含むこ
    とを特徴とする建設機械の領域制限掘削制御装置。
  4. 【請求項4】前記複数の操作手段のうち少なくとも前記
    第1及び第2の特定のフロント部材に係わる操作手段は
    前記操作信号としてパイロット圧を出力する油圧パイロ
    ット方式であり、この油圧パイロット方式の操作手段を
    含む操作システムが対応する油圧制御弁を駆動する請求
    項1記載の建設機械の領域制限掘削制御装置において、 前記信号減速制御手段は、前記フロント装置と前記設定
    領域の境界との距離が小さくなるにしたがって小さくな
    る目標パイロット圧を計算し、前記第1の特定のフロン
    ト部材に係わる油圧制御弁に与えられるパイロット圧が
    前記目標パイロット圧以下となるよう前記第1の特定の
    フロント部材に係わる操作手段から出力されたパイロッ
    ト圧を補正する手段であり、 前記信号減少量調整手段は、前記フロント装置と設定領
    域の境界との距離の減少量に対する前記目標パイロット
    圧の減少量の割合を変更する手段であることを特徴とす
    る建設機械の領域制限掘削制御装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の建設機械の領域制限掘削制
    御装置において、前記操作システムは前記第1の特定の
    フロント部材に係わる油圧制御弁にパイロット圧を導く
    パイロットラインを含み、前記信号減速制御手段は、前
    記目標パイロット圧に対応する電気信号を出力する手段
    と、前記パイロットラインに設置され前記電気信号によ
    り駆動される電気油圧変換手段とを含むことを特徴とす
    る建設機械の領域制限掘削制御装置。
  6. 【請求項6】請求項1記載の建設機械の領域制限掘削制
    御装置において、前記第1の特定のフロント部材は油圧
    ショベルのアームであり、前記第2の特定のフロント部
    材は油圧ショベルのブームであることを特徴とする建設
    機械の領域制限掘削制御装置。
  7. 【請求項7】多関節型のフロント装置を構成する上下方
    向に回動可能な複数のフロント部材を含む複数の被駆動
    部材と、前記複数の被駆動部材をそれぞれ駆動する複数
    の油圧アクチュエータと、前記複数の被駆動部材の動作
    を指示する複数の操作手段と、前記複数の操作手段の操
    作信号に応じて駆動され、前記複数の油圧アクチュエー
    タに供給される圧油の流量を制御する複数の油圧制御弁
    とを備えた建設機械の領域制限掘削制御装置において、 前記フロント装置の動き得る領域を設定する領域設定手
    段と;前記フロント装置の位置と姿勢に関する状態量を
    検出する第1検出手段と;前記第1検出手段からの信号
    に基づき前記フロント装置の位置と姿勢を計算する位置
    ・姿勢演算手段と;前記位置・姿勢演算手段の演算値に
    基づき、前記フロント装置が前記設定領域内でその境界
    近傍にあるときに、前記複数の操作手段のうち少なくと
    も第1の特定のフロント部材に係わる操作手段の操作信
    号を減じる信号減速制御手段と、 前記信号減速制御手段で補正された操作信号と前記位置
    ・姿勢演算手段の演算値に基づき、前記フロント装置が
    前記設定領域内でその境界近傍にあるときに、前記フロ
    ント装置が前記設定領域の境界に沿った方向には動き、
    前記設定領域の境界に接近する方向には移動速度が減じ
    られるよう前記第1の特定のフロント部材とは異なる第
    2の特定のフロント部材に係わる操作手段の操作信号を
    補正する減速方向変換制御手段とを備えることを特徴と
    する建設機械の領域制限掘削制御装置。
  8. 【請求項8】請求項7記載の建設機械の領域制限掘削制
    御装置において、オペレータにより操作される手動操作
    部を有し、この手動操作部の操作により前記信号減速制
    御手段における操作信号の減少量を調整する信号減少量
    調整手段を更に備えることを特徴とする建設機械の領域
    制限掘削制御装置。
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