JPH108377A - 合成繊維用紡糸油剤及び合成繊維用紡糸油剤の添加剤 - Google Patents

合成繊維用紡糸油剤及び合成繊維用紡糸油剤の添加剤

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JPH108377A
JPH108377A JP18132996A JP18132996A JPH108377A JP H108377 A JPH108377 A JP H108377A JP 18132996 A JP18132996 A JP 18132996A JP 18132996 A JP18132996 A JP 18132996A JP H108377 A JPH108377 A JP H108377A
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acid ester
oil agent
monofatty acid
spinning oil
synthetic fibers
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JP18132996A
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Toshiro Endo
敏郎 遠藤
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水系エマルジョンで合成繊維の紡糸に適用し
た場合、優れた高速紡糸性を達成できる合成繊維用紡糸
油剤の添加剤、および前記添加剤を含む合成繊維用紡糸
油剤を提供する。 【解決手段】 カラムクロマト分析法で下記一般式
[1]で示されるモノ脂肪酸エステル体のピーク面積比
で表した含有率が70%以上であるポリグリセリンモノ
脂肪酸エステルからなる合成繊維用紡糸油剤の添加剤、
および前記添加剤を含む合成繊維用紡糸油剤。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成繊維用紡糸油
剤及び合成繊維用紡糸油剤の添加剤に関する。更に詳し
くは高速紡糸に適した合成繊維用紡糸油剤及び合成繊維
用紡糸油剤の添加剤に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平7−216734号公報にも記載
されているように、従来より合成繊維の紡糸工程におい
て、潤滑剤と界面活性剤等の混合物からなる油剤の水系
エマルジョンが給油される。近年、工業化されつつある
5000m/分以上の高速紡糸プロセスにおいては、従
来の紡糸油剤では製糸不良(糸切れ、毛羽、染色斑)の
問題が多いことが指摘されている。また、高速紡糸プロ
セスで製糸性が一定水準に達した油剤でも、後加工性能
が不十分なことが指摘されている。特に、近年、合成繊
維製織の主流となっているウォータージェットルーム
(以下WJLと略記)においては筬の摩耗が従来より増
大することが指摘されている。高速紡糸用油剤として
は、パーフルオロアルキルアミンオキシドやポリオキシ
エチレンオクチルエーテルを添加した油剤(特開平2ー
47361号公報、特開平3ー97961号公報)、転
相粘度を200cp以下とし浸透性が一定水準以上の油
剤(特開平5ー148704号公報、特開平5ー148
705号公報)、一塩基酸エステルにポリオキシアルキ
レングリコール共重合体や有機シロキサン化合物及び/
又はフルオロアルキル基含有化合物を配合した油剤(特
開平5ー287609号公報)等の提案がみられる。一
方、前記特開平7ー216734号公報には、脂肪酸エ
ステル、特定の酸性燐酸エステル、特定の有機アミンの
アルキレンオキサイド付加物、多価アルコール及び/又
はオキシカルボン酸類、及びその他の界面活性剤を含有
し、特定のエマルジョンの粘度特性に設定した合成繊維
用油剤が提案され、その中で使用される好ましい界面活
性剤としては、非イオン性界面活性剤である多価アルコ
ール脂肪酸エステルのエチレンオキサイド(以下EOと
略記)付加物(例えば硬化ヒマシ油のEO20モル付加
物等)、多価アルコールの高級脂肪酸部分エステル(例
えばグリセリンモノオレエート、ソルビタンモノステア
レート)等が挙げられている。
【0003】ところで、近年、ポリグリセリン脂肪酸エ
ステルは食品添加物として認可され、使用量も次第に増
加している。一般にこのエステルは、原料として重合度
の異なるポリグリセリンと鎖長の異なる脂肪酸とを組合
わせることにより広い範囲のHLB値のエステルが得ら
れ、また酸性領域で高い安定性を示すことから、特に食
品分野において、乳化剤や粘度調整剤として広く用いら
れている。このポリグリセリン脂肪酸エステルの製造法
としては、(1)ポリグリセリンと脂肪酸のエステル化
反応、(2)ポリグリセリンと脂肪酸エステルとのエス
テル交換反応、(3)ポリグリセリンと油脂とのエステ
ル交換反応、(4)グリシドールと脂肪酸モノグリセラ
イドとの付加重合反応、(5)グリシドールと脂肪酸と
の付加重合反応等がある。
【0004】(1)の方法はJAOCS(Journal of A
merican 0il Chemists' Society)第58巻、第878
頁(198l年)にも記載され、ポリグリセリンと脂肪
酸とをアルカリ触媒の存在下にエステル化反応を行って
ポリグリセリン脂肪酸エステルを得る方法が開示されて
いる。また特開平6−41007号公報にも同様の方法
が開示されている。
【0005】(2)〜(3)の方法については反応性、
生成したポリグリセリン脂肪酸エステルの品質、純度等
から制約の多い方法である。(4)の方法については、
USP4,515,775に記載されている。また
(5)の方法については、グリセリンのモノ脂肪酸エス
テルに関しては特開昭51−65705号公報に記載さ
れている。しかしながら、この開示された技術によれ
ば、不活性な溶剤の存在下で高度1百分比率のカルボン
酸−1−モノグリセライド(後記化学式[1]において
nの値が平均で1である。)を製造する方法であり、ポ
リグリセリンのモノ脂肪酸エステルに関しては、全く言
及されておらず、実際の検討がなされていない。また、
特開平8−109153号公報には後記一般式[2]で
示される脂肪酸とグリシドールをリン酸系酸性触媒の存
在下で反応させることを特徴とする、後記一般式[1]
で示されるモノ脂肪酸エステル体含量の高いポリグリセ
リンモノ脂肪酸エステルの製造方法が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記合成繊維用紡糸油
剤においては、5000m/分以上の高速紡糸プロセス
での製糸性と後加工性を兼備し、且つ、エマルジョンの
安定性、織物経糸に適用した場合のサイジング特性が優
れたより高性能な油剤が求められている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の性能
を兼備した油剤を得るべく鋭意研究を重ねた結果、脂肪
酸とグリシドールから合成された、モノ脂肪酸エステル
体の含有率が所定値以上のポリグリセリンモノ脂肪酸エ
ステルからなる非イオン性界面活性剤を必須成分として
含む合成繊維用紡糸油剤が極めて有効であることを見い
だし、本発明に到達した。
【0008】即ち本発明は、カラムクロマト分析法で紫
外線吸収検出器を用いて検出される下記一般式[1]で
示されるモノ脂肪酸エステル体のピーク面積比で表した
含有率が70%以上であるポリグリセリンモノ脂肪酸エ
ステルを含むことを特徴とする合成繊維用紡糸油剤に関
する。
【0009】
【化4】
【0010】前記合成繊維用紡糸油剤において、ポリグ
リセリンモノ脂肪酸エステルが、下記一般式[2]で示
される脂肪酸とグリシドールをリン酸系酸性触媒の存在
下で反応させて得られたものであることが好ましい。
【0011】
【化5】
【0012】更に本発明は、上記ポリグリセリンモノ脂
肪酸エステルからなる合成繊維用紡糸油剤の添加剤に関
する。以下、本発明の構成について詳述する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の合成繊維用紡糸油剤の添
加剤であり、また同じく本発明である合成繊維用紡糸油
剤に含まれるポリグリセリンモノ脂肪酸エステルは、具
体的には、好ましくはメタノールやエタノール等が例示
されるアルコール系溶媒及び/又は蒸留水を溶離液と
し、例えばオクタデシルシリル基結合シリカゲルカラム
(ODSカラム)を用いる高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)で分離し、紫外線吸収検出器を用いて検出
する分析法(カラムクロマト分析法)で分析される前記
一般式[1]で表されるモノ脂肪酸エステル体の含有率
が全エステルのピーク面積比で70%以上であるもので
あり、その製造方法としては、好ましくは、グリシドー
ルと前記一般式[2]で表される脂肪酸とをリン酸系酸
性触媒の存在下で反応させて得られるものである。
【0014】前記カラムクロマト分析法とは、官能基と
してオクタデシルシリル基、オクチルシリル基、ブチル
シリル基、トリメチルシリル基、フェニルシリル基が結
合したシリカゲルを用いる逆相分配カラム分析法、官能
基としてアミノプロピル基、シアノプロピル基を有する
シリカゲルを用いる順相分配カラム分析法、官能基とし
て4級アンモニウム基、フェニルスルホン酸基を有する
シリカゲルを用いるイオン交換カラム分析法、多孔性シ
リカゲルの吸着カラム分析法が挙げられる。これらの中
では好ましくは、上記オクタデシルシリル基を結合した
シリカゲルを用いる逆相分配カラム分析法が使用され
る。
【0015】モノ脂肪酸エステル体のピーク面積比が7
0%以上とは、具体的には、下記HPLCの分析条件に
おいて、モノ脂肪酸エステル体に帰属されるピ−ク面積
比が全エステルのピ−ク面積に対して70%以上である
ことを意味する。
【0016】HPLCの好ましい条件は、使用するカラ
ムとしては逆相分配カラムであるODSカラムを用い、
カラムサイズとしては4.6mmφ×250mm以上を
用い、より好ましくは使用するカラムを直列に繋ぐこと
で分離能力を上げた分析条件とする。
【0017】展開溶媒としては、ポリグリセリン脂肪酸
エステルの種類により異なる。すなわち、使用する脂肪
酸あるいはグリシドールの付加モル数により異なり、被
検体の溶解性及び分離性に依存され展開溶媒を決定する
ことが好ましい。被検体の溶解性及び分離性に優れた具
体的な展開溶媒としては、アルコール系溶媒及び/又は
蒸留水が良好で、更に具体的には、ラウリン酸ポリグリ
セリンエステルではメタノールを使用し、ステアリン酸
ポリグリセリンエステルではエタノールを使用すること
が好ましい。
【0018】また、展開溶媒の流速としては、使用する
カラムの耐圧及び得られるクロマトグラムの分離度合に
より選択が可能で、通常0.05ml/min〜1.0
ml/minの範囲で選択され、より好ましくは、0.
1ml/min〜0.8ml/minの範囲で設定され
る。使用するカラムは一定温度に保つため、カラムオー
ブンを使用することが好ましく、オーブンの温度として
は使用するカラムの分離能を向上させるために通常室温
より高い温度に加温し、好ましくは30℃〜60℃の範
囲で設定される。なお、紫外線吸収検出器の波長とし
て、通常210nmが用いられる。
【0019】また、HPLCに共される試料は、使用す
る展開液を溶媒として用いることが好ましく、その濃度
及び注入量は被検体の溶解性及び分離性に優れた量を選
択するのが好ましい。具体的には、試料濃度としては、
1%〜50%が好ましく、注入量としては0.1μl〜
20μlが好ましい。なお、無置換のポリグリセリン成
分、モノエステル成分、ジエステル以上の多置換エステ
ル成分の判断は、それぞれ対応するポリグリセリン、脂
肪酸モノグリセライド、ジグリセライドの標準品を同条
件でHPLC分析することにより、次のように定めた。
例えばオクタデシルシリル基結合シリカゲルカラムを用
いる高速液体クロマトグラフィーで分離する場合には、
まずはじめに極性の高い無置換のポリグリセリン成分が
検出され、次に極性の高いポリグリセリンモノ脂肪酸エ
ステルが検出されると判断した。この時に、ポリグリセ
リンモノ脂肪酸エステルの溶出順位としてはより極性の
高い重合度の高いポリグリセリンのモノエステル体より
検出され始め、ポリグリセリンモノ脂肪酸エステルの中
で最後に検出されるものはグリセリンのモノエステル体
と判断した。更に、グリセリンのモノエステル体より後
に検出されるものをジエステル以上の多置換エステル成
分と定めることとした。これにより、モノエステル化率
(モノ脂肪酸エステル体の含有率)の算出は以下のよう
にした。すなわち、始めに検出されるポリグリセリン成
分のピーク面積と、ポリグリセリンモノ脂肪酸エステル
が検出され始めてからグリセリンのモノエステル体が検
出されるまでのピーク面積と、グリセリンのモノエステ
ル体より後に検出されるピーク面積及び試料注入量と等
しくした溶媒のみのピーク面積より、次式:(モノエス
テル化率)={(ポリグリセリンモノ脂肪酸エステルが
検出され初めてからグリセリンのモノエステル体が検出
されるまでのピーク面積)/[(全成分のピーク面積の
合計)ー(溶媒のみのピーク面積)]}×100
(%)、により算出することが可能である。なお、溶媒
のみのピーク位置はその溶媒のリテンションタイムが、
上記3成分(無置換のポリグリセリン成分、モノエステ
ル成分、ジエステル以上の多置換エステル成分)にまた
がらないように溶媒を選択することも重要である。上記
式は、溶媒のリテンションタイムがジエステル以上の多
置換エステル成分にあることを前提にしたものであり、
そのピーク位置によっては数式が異なることもある。H
PLCの典型的な分析条件を例示すると、次の通りであ
る。
【0020】<HPLCの分析条件(その1)> カラム:Wakosil 5C18×2(和光純薬工業
(株)製:逆相分配カラムであるオクタデシルシリル基
を官能基として持つカラム、サイズ4.6mmφ×25
0mm)、展開溶媒:メタノール、流速:0.75ml
/min.、カラムオーブン温度:40℃、検出方法:
紫外線吸収法(λ=210nm)、試料濃度:10%
(溶媒:メタノール)、注入量:5μl。各成分のリテ
ンションタイムは、例えばポリグリセリンモノラウリン
酸エステルの場合、ポリグリセリン:8分以前、モノラ
ウリン酸エステル体:8分〜12分、ジラウリン酸エス
テル体以上:12分以降である。
【0021】<HPLCの分析条件(その2)> カラム:Wakosil II 5C18HG(和光純
薬工業(株)製:逆相分配カラムであるオクタデシルシ
リル基を官能基として持つカラム、サイズ:4.6mm
φ×250mm)、展開溶媒:メタノール、流速:0.
2ml/min.、カラムオーブン温度:40℃、検出
方法:紫外線吸収法(λ=210nm)、試料濃度:5
%(溶媒:メタノール)、注入量:10μl。各成分の
リテンションタイムは、ポリグリセリン:14分以前、
モノエステル体:14分〜16.5分、ジエステル体以
上:16.5分以降、メタノ−ル成分:18分である。
【0022】<HPLCの分析条件(その3)> カラム:Wakosil 5C18とWakosil
II 5C18HG(いずれも和光純薬工業(株)製:
逆相分配カラムであるオクタデシルシリル基を官能基と
して持つカラム、サイズ:4.6mmφ×250mm)
を直列につないだ。 展開溶媒:エタノール、流速:
0.2ml/min.、カラムオーブン温度:40℃、
検出方法:紫外線吸収法(λ=210nm)、試料濃
度:5%(溶媒:EtOH)、注入量:10μl。各成
分のリテンションタイムは、ポリグリセリン:28.5
分以前、モノエステル体:28.5分〜34分、ジエス
テル体以上:34分以降、エタノ−ル成分:39分。
【0023】本発明で用いるポリグリセリンモノ脂肪酸
エステルを製造するためにグリシドールと脂肪酸との付
加重合反応で用いられる前記脂肪酸(RCOOH)とし
ては、好ましくは炭素数7ないし22の脂肪酸が用いら
れ、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、また直鎖状
脂肪酸でも側鎖をもつ脂肪酸でも、更にはヒドロキシル
基置換脂肪酸でもよい.これらの脂肪酸としては、たと
えばカプロン酸、カプリル酸、2一エチルヘキサン酸、
カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン
酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘ
ン酸、エルカ酸、リシノール酸、ヒドロキシステアリン
酸等がある。脂肪酸とグリシドールの反応はリン酸系酸
性触媒の存在下で反応させることが好ましい。
【0024】ここでいうリン酸系酸性触媒としては、リ
ン酸類又はリン酸のエステル類であり、具体的には、リ
ン酸、無水リン酸、ポリリン酸、オルトリン酸、メタリ
ン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸等のリン酸類又
は、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホス
フェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチル
アシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホ
スフェート等の酸性リン酸エステル類等を用いることが
できる。なお、これらの酸性リン酸エステルはモノエス
テル体、ジエステル体、及びそれらの混合物のいずれも
使用することができる。これらの中ではリン酸又は酸性
リン酸エステルを用いることが好ましい。
【0025】上記触媒は1種を単独で使用してもよく、
また2種以上を混合して使用してもよい。触媒の添加量
は脂肪酸に対して0.01〜10重量%、好ましくは
0.1〜5重量%である。0.01量%未満では反応速
度が小さく、10重量%を越えると、効果の向上は期待
できず、使用する触媒によっては、触媒が開始剤となる
グリシドールの付加重合体が多く生成し、好ましくな
い。
【0026】反応方法は、反応容器中に脂肪酸をとり、
これに前記の触煤を添加し、グリシドールを少量ずつ添
加しながら反応を行う。反応温度は50〜180℃、好
ましくは70〜160℃であり、より好ましくは120
〜140℃である。50℃未満では反応速度が小さく、
また180℃を越えると着色が激しくなり、230℃以
上ではグリシドールが分解して副反応を起こし好ましく
ない。この場合、反応温度の上昇を防止するために、グ
リシドールと反応しない低沸点化合物を添加してもよ
い。また反応は窒素ガス雰囲気下で行うことが望まし
く、必要に応じて加圧してもよい。
【0027】以上の反応により脂肪酸にグリシドールが
付加重合してより高重合度のポリグリセリンモノ脂肪酸
エステルが生成する。生成物は、モノエステル体含有率
の高い、ポリグリセリンモノ脂肪酸エステルである。す
なわち、上記により得られるポリグリセリンモノ脂肪酸
エステルは、カラムクロマト分析法で、紫外線吸収検出
器を用いて検出される前記一般式[1]で示されるモノ
脂肪酸エステル体のピーク面積比で表した含有率が70
%以上である。上記した脂肪酸とグリシドールから合成
された、モノエステル体含有率の高いポリグリセリンモ
ノ脂肪酸エステルは、1種又は2種以上を組合せて本発
明の合成繊維用紡糸油剤の添加剤として用いることがで
きる。
【0028】本発明の合成繊維用紡糸油剤に含まれる非
イオン界面活性剤としてのモノ脂肪酸エステル体含有率
の高いポリグリセリンモノ脂肪酸エステルの油剤中にお
ける含量は、油剤の合計重量に対し5〜30重量%が好
ましい。特に好ましくは10〜25重量%である。含量
が5重量%未満ではエマルジョンの安定性が低下する傾
向がある。30重量%を超えると織物経糸に適用した場
合のサイジング特性が低下する傾向がある。
【0029】本発明の合成繊維用紡糸油剤には、通常、
潤滑剤、前記ポリグリセリンモノ脂肪酸エステル及びそ
の他の油剤成分が含まれる。その他の油剤成分として
は、脂肪酸エステル(A)、炭素数14〜30のアルキ
ル基を持つ酸性燐酸エステル(B)、炭素数12〜20
のアルキル基を持つ有機アミンのアルキレンオキサイド
付加物(C)、多価アルコール類(D)及び/又はオキ
シカルボン酸類(E)が使用される。
【0030】脂肪酸エステル(A)としては、天然及び
合成の一価アルコールと一価カルボン酸とのモノエステ
ル(イソプロピルミリスチレート、ブチルステアレー
ト、イソオクチルパルミテート、イソオクチルステアレ
ート、椰子油還元アルコール牛脂脂肪酸エステル、イソ
トリデシルステアレート、イソトリデシルオレエート、
イソステアリルオレエート等)、二価以上のアルコール
と一価カルボン酸とのエステル(ネオペンチルグリコー
ルジラウレート、ネオペンチルグリコールジオレエー
ト、トリメチロールプロパントリラウレート、グリセリ
ントリオレエート、ペンタエリスリトールテトラオレエ
ート、ソルビタンテトラオレエート、ソルビトールヘキ
サオレエート等)、二価以上のカルボン酸と一価アルコ
ールとのエステル(ジオクチルセバケート、ジオレイル
アジペート、ジラウリルフタレート、ジイソトリデシル
チオジプロピオネート等)、アルコール又はフェノール
のアルキレンオキシド付加物とカルボン酸とのエステル
(イソトリデシルアルコールのEO2モル付加物とチオ
ジプロピオン酸とのエステル、ビスフェノールAのプロ
ピレンオキシド(以下POと略記)EO付加物とラウリ
ン酸とのエステル、トリメチロールプロパンPO付加物
と椰子脂肪酸とのエステル等)、及び天然の動植物油
(抹香鯨油、椰子油、菜種油等)等が挙げられる。これ
らの中で好ましいのは、脂肪酸エステル中の原料カルボ
ン酸の総炭素数が原料アルコールの総炭素数の1.5倍
以上のもの、例えばイソオクチルパルミテート、イソオ
クチルステアレート、ラウリルオレエート、ネオペンチ
ルグリコールジラウレート、トリメチロールプロパント
リラウレート等である。
【0031】炭素数14〜30のアルキル基を持つ酸性
燐酸エステル(B)としては、炭素数14〜30の天然
及び合成の高級アルコール(例えば、ミリスチルアルコ
ール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレ
イルアルコール、イソセチルアルコール、イソステアリ
ルアルコール、ゲルベ法により合成される炭素数20以
上の分岐アルコール等)及び/又はこれらの高級アルコ
ールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加させ
た化合物と無水燐酸との反応で得られる任意の酸性燐酸
エステル(モノエステル及び/又はジエステル)が挙げ
られ、例えばイソセチル酸性燐酸エステル、オレイル酸
性燐酸エステル、イソステアリルアルコールにEO5モ
ル付加物の酸性燐酸エステル等が例示される。
【0032】炭素数12〜20のアルキル基を持つ有機
アミンのアルキレンオキサイド付加物(C)としては、
炭素数12〜20の高級脂肪族アミン(ラウリルアミ
ン、ステアリルアミン、オレイルアミン等)のEO付加
物、及び/又はPO付加物(例えばラウリルアミンEO
2モル付加物、ステアリルアミンEO8モル付加物等)
が挙げられる。
【0033】多価アルコール類(D)としては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリメチロールプロパン、グリセリン類(グリ
セリン、ジグリセリン、デカグリセリン及びグリセリン
モノメチルエーテル等)が挙げられる。これらの中で好
ましいのはグリセリン類である。
【0034】オキシカルボン酸類(E)としては、オキ
シカルボン酸及びその中和塩が挙げられる。オキシカル
ボン酸としては、例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ
酸、酒石酸及びクエン酸が挙げられる。オキシカルボン
酸の中和塩としてはアルカリ金属塩(例えば、Na塩及
びK塩);アンモニウム塩(例えば、テトラメチルアン
モニウム塩、モノメチルトリエチルアンモニウム塩、ト
リメチルオクチルアンモニウム塩等);有機アミン塩
(例えば、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミ
ン塩、ジブチルエタノールアミン塩、トリエタノールア
ミン塩、及びオクチルアミン塩等)が挙げられる。これ
らの中で、好ましくは乳酸及び乳酸の有機アミン塩であ
る。
【0035】本発明の合成繊維用紡糸油剤において、前
記脂肪酸エステル(A)の合計含量は油剤の合計重量に
対し、50〜90重量%の範囲であることが好ましい。
含量が50重量%未満では紡糸した糸の平滑性が低下す
る傾向がある。含量が90重量%を越えるとエマルジョ
ンの調製が難しくなる傾向がある。特に好ましくは、原
料カルボン酸の総炭素数が原料アルコールの総炭素数の
1.5倍以上である脂肪酸エステルを脂肪酸エステル
(A)の合計重量に対して50重量%以上含有した油剤
である。
【0036】本発明の合成繊維用紡糸油剤において、炭
素数14〜30のアルキル基を持つ酸性燐酸エステル
(B)の含量は油剤の合計重量に対し、0.5〜5重量
%の範囲であることが好ましい。含量が0.5重量%未
満ではWJLの筬摩耗防止性が低下する傾向がある。ま
た含量が5重量%を越えると、製糸工程でのスカム発生
が多くなる傾向がある。
【0037】本発明の合成繊維用紡糸油剤において、炭
素数12〜20のアルキル基を持つ有機アミンのアルキ
レンオキサイド付加物(C)の含量は油剤の合計重量に
対し、0.5〜5重量%の範囲であることが好ましい。
含量が0.5重量%未満ではWJLの筬摩耗防止性が低
下する傾向がある。含量が5重量%を越えると平滑性が
低下する傾向がある。
【0038】本発明の合成繊維用紡糸油剤において、酸
性燐酸エステル(B)と炭素数12〜20のアルキル基
を持つ有機アミンのアルキレンオキサイド付加物(C)
はそれぞれ別々に油剤へ配合してもよいし、あらかじめ
中和塩としてから配合してもよい。
【0039】本発明の合成繊維用紡糸油剤において、多
価アルコール類(D)とオキシカルボン酸類(E)の合
計含量は、油剤の合計重量に対し0.5〜8重量%が好
ましく、特に好ましくは1〜5重量%である。含量が
0.5重量%未満では本発明の油剤から得られる水系エ
マルジョンの粘度が低いという粘度特性を得ることが難
しくなる傾向がある。含量が8重量%を超えると、油剤
原液及びエマルジョンの安定性が低下する傾向がある。
【0040】本発明の油剤には本発明の目的から逸脱し
ないかぎり任意の成分が使用可能である。任意の成分と
しては使用することが好ましい潤滑剤、例えば硬化ヒマ
シ油EO付加物、パラフィンスルホネートナトリウム
塩、リシノール酸カリウム塩、鉱物油、シリコーン油、
及びポリエーテルのほか、油性向上剤(例えば、高級脂
肪酸及び高級脂肪族アミン)、極圧添加剤、防錆剤、酸
化防止剤、及びその他の機能添加剤等を含有することが
でき、これらの種類について特に限定はない。
【0041】本発明の油剤は合成繊維の溶融紡糸工程に
おいて、水系エマルジョンとして紡出糸条に給油され
る。前記エマルジョンの濃度は0.5〜30重量%の範
囲の任意の濃度の選択が可能であり、好ましくは5〜2
0重量%である。エマルジョンの給油方法については特
に限定はなく、ノズル給油、ローラー給油等、いずれで
もよい。油剤の付着量は繊維に対して、純分で0.2〜
2.0重量%、好ましくは0.4〜1.5重量%であ
る。
【0042】本発明の油剤が適用される合成繊維として
は、ポリエステル、ナイロン及びポリプロピレン等の繊
維が挙げられる。糸銘柄については特に限定はないが、
200デニール以下の編織用途、特にWJL製織用原糸
に好適である。
【0043】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明がこれらによって限定されるものではな
い。
【0044】[参考例1]窒素導入管、攪拌機、冷却
管、温度調節器、滴下シリンダーを備えた1リットルの
4ツ口フラスコにラウリン酸0.5mol(100.1
6g)とリン酸(85%品)0.0622gを加え、1
40℃に加熱した。次いで、反応温度を140℃に保ち
ながらグリシドール3.0mol(222.24g)を
5時間かけて滴下し、さらに温度を保ち、26時間反応
を続けた。冷却後反応物を取り出し、ヘキサグリセリン
モノラウリン酸エステルを約300g得た。得られたポ
リグリセリンモノラウリン酸エステル(ヘキサグリセリ
ンモノラウリン酸エステル)を前記<HPLCの分析条
件(その1)>に従って評価したところ、モノ置換率は
87.7%であった。
【0045】[参考例2]グリシドールを4.0mol
(296.32g)使用した以外は参考例1と同様な操
作を行い、冷却後反応物を取り出し、オクタグリセリン
モノラウリン酸エステルを約400g得た。得られたポ
リグリセリンモノラウリン酸エステル(オクタグリセリ
ンモノラウリン酸エステル)を参考例1と同様にしてH
PLCで評価したところ、モノ置換率は84.5%であ
った。
【0046】[参考例3]グリシドール5.0mol
(370.40g)使用した以外は参考例1と同様な操
作を行い、冷却後反応物を取り出し、デカグリセリンモ
ノラウリン酸エステルを約470g得た。得られたポリ
グリセリンモノラウリン酸エステル(デカグリセリンモ
ノラウリン酸エステル)を参考例1と同様にしてHPL
Cで評価したところ、モノ置換率は77.2%であっ
た。
【0047】[比較参考例1:脂肪酸とポリグリセリン
との反応の場合]窒素導入管、攪拌機、冷却管、温度調
節器、滴下シリンダーを備えた1リットルの4ツ口フラ
スコにポリグリセリン(ダイセル化学工業(株)製PG
L06:ヘキサグリセリン、水酸基価960)175.
3g(0.5mol)を取り、80℃に加熱し、反応温
度を80℃に保ちながらラウリン酸0.5mol(10
0.16g)を加え溶解させた。次いで、炭酸ナトリウ
ム0.75gと亜硫酸水素ナトリウム0.25gを加
え、210℃でエステル化反応を行った。2時間の反応
で、酸価が0.89mgKOH/gとなり、100℃に
冷却後、反応生成物を取り出した。得られたポリグリセ
リンモノラウリン酸エステルを参考例1と同様にしてH
PLCで評価したところ、モノ置換率は55.1%であ
った。
【0048】[比較参考例2,3:市販品ポリグリセリ
ン脂肪酸エステルの評価結果]ポリグリセリンと脂肪酸
の反応より製造される市販品ポリグリセリン脂肪酸エス
テルとして、SYグリスター(阪本薬品工業製)の2品
番(ML−500、ML−750)を選択した。これら
のポリグリセリンモノラウリン酸エステルを参考例1と
同様にしてHPLCで評価したところ、ML−500、
ML−750のモノ置換率はそれぞれ52.0%、4
4.3%であった。それぞれを比較参考例2、3とす
る。
【0049】[実施例1〜4,比較例1〜4]表−1に
記載した組成の本発明の実施例1〜4に相当する油剤
(1〜4)、及び比較例に相当する油剤(1〜4)を調
製した。表−1の中で記号で示した油剤成分の内容は下
記の通りである。また各成分の配合比率は純分重量部を
示す。
【0050】A−1:イソオクチルパルミテート、 A−2:イソトリデシルオレエート、 A−3:トリメチロールプロパントリラウレート、 B−1:イソステアリル酸性燐酸エステル、 B−2:オレイルアルコールEO3モル付加物酸性燐酸
エステル、 C−1:ステアリルアミンEO8モル付加物、 C−2:ラウリルアミンEO2モル付加物、 D−1:グリセリン、 E−1乳酸トリエタノールアミン塩、 P−1:参考例1のポリグリセリン脂肪酸エステル、 P−2:参考例2のポリグリセリン脂肪酸エステル、 P−3:参考例3のポリグリセリン脂肪酸エステル、 P−4:比較参考例1のポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、 P−5:比較参考例2のポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、 P−6:比較参考例3のポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、 X−1:硬化ヒマシ油EO20モル付加物、 X−2:パラフィンスルホネートNa塩(バイエル社製
ワロラートU)、 X−3:リシノール酸K塩、
【0051】
【表1】
【0052】各実施例の油剤、及び各比較例の油剤の4
0%水系エマルジョンの25℃における粘度を表−2に
示す。なおエマルジョンの調製及び粘度の測定は次のよ
うにして行なった。40重量%エマルジョン量が50g
になるように100ccのビーカーに25℃のイオン交
換水を採取し、これをマグネティックスターラーで撹拌
しながら25℃の油剤を徐々に投入し、油剤濃度を40
重量%にした。得られたエマルジョンを25℃の恒温槽
で15分間温度調整後、ウベローデ型粘度計で粘度を測
定した。
【0053】
【表2】
【0054】次に各油剤の10重量%エマルジョンを用
い、スピンドロー方式(引き取り速度:3000m/
分、延伸速度:5000m/分)で50デニール、36
フィラメントのポリエステルセミダル原糸を紡糸した。
この際、各エマルジョンはノズル給油方式で紡出直後に
付与した。またエマルジョン付与量は繊維重量に対して
10%とした。紡糸中の糸切れ回数(1時間当たり)、
及び得られた原糸の評価結果(油剤付着量、毛羽数、染
色性、繊維/金属間摩擦、湿潤下の金属摩耗)を表−3
に示す。
【0055】なお各評価は次のように行なった。 油剤付着量:迅速残脂抽出装置(東海計器株式会社製)
を用い、メタノールを抽出溶剤として、試料糸2gから
付着油剤を抽出し、繊維重量に対する百分率で表示し
た。 毛羽数:得られた原糸ケーキ20個について毛羽数を測
定し、100万メートル当たりの数で表わした。 染色性:得られた原糸を筒編み後、これを染色して染色
斑の有無、程度を判定した。判定基準は1染色斑無し
(正常)、2は染色斑少しあり、3は染色斑多いとし
た。 繊維/金属間摩擦:各原糸を初張力10gに調整しなが
ら梨地クロム鍍金したピンに300m/分の速度で摩擦
走行させ、摩擦後の張力を測定した。 湿潤下の金属摩耗:各原糸を初張力10g,速度100
m/分で水槽内の編針のフックに引っかけて10分間走
行させ、編針フック部の摩耗の程度を顕微鏡で観察し
た。判定基準1は摩耗痕無し、2は線条の浅い摩耗痕有
り、3は溝状の深い摩耗痕ありとした。
【0056】
【表3】
【0057】表−3の結果から本発明の油剤を用いたエ
マルジョンは高速紡糸での製糸性、及び後加工性(とり
わけ、WJLでの筬摩耗防止性)に優れていることが明
かである。
【0058】
【発明の効果】本発明の紡糸油剤は、ポリエステルやナ
イロン等の熱可塑性合成繊維の溶融紡糸、延伸に際し
て、優れた製糸特性を示す。とりわけ、巻取り速度50
00m/分以上の高速紡糸プロセス(スピンドロー方
式、ドロースピン方式)により、ウォータージェットル
ームに供される200デニール以下繊維を製造する際に
有用である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラムクロマト分析法で紫外線吸収検出
    器を用いて検出される下記一般式[1]で示されるモノ
    脂肪酸エステル体のピーク面積比で表した含有率が70
    %以上であるポリグリセリンモノ脂肪酸エステルを含む
    ことを特徴とする合成繊維用紡糸油剤。 【化1】
  2. 【請求項2】 ポリグリセリンモノ脂肪酸エステルが、
    アルコール系溶媒及び/又は蒸留水を溶離液とするオク
    タデシルシリル基結合シリカゲルカラムを用いる高速液
    体クロマトグラフィーで分離し紫外線吸収検出器を用い
    て検出される一般式[1]で示されるモノ脂肪酸エステ
    ル体のピーク面積比で表した含有率が70%以上である
    ことを特徴とする請求項1記載の合成繊維用紡糸油剤。
  3. 【請求項3】 ポリグリセリンモノ脂肪酸エステルを構
    成するモノ脂肪酸エステル体のRが炭素数6〜21のア
    ルキル基であることを特徴とする請求項1又は2記載の
    合成繊維用紡糸油剤。
  4. 【請求項4】 ポリグリセリンモノ脂肪酸エステルが、
    下記一般式[2]で示される脂肪酸とグリシドールをリ
    ン酸系酸性触媒の存在下で反応させて得られたものであ
    ることを特徴とする請求項1、2又は3記載の合成繊維
    用紡糸油剤。 【化2】
  5. 【請求項5】 ポリグリセリンモノ脂肪酸エステルが、
    Rが炭素数7〜21のアルキル基である脂肪酸を反応さ
    せて得られたものであることを特徴とする請求項4記載
    の合成繊維用紡糸油剤。
  6. 【請求項6】 リン酸系酸性触媒が、リン酸又は酸性リ
    ン酸エステルである請求項4又は5記載の合成繊維用紡
    糸油剤。
  7. 【請求項7】 潤滑剤、ポリグリセリンモノ脂肪酸エス
    テル及び他の界面活性剤を含む合成繊維用紡糸油剤中の
    ポリグリセリンモノ脂肪酸エステルの含量が5〜30重
    量%である請求項1〜6の何れかに記載の合成繊維用紡
    糸油剤。
  8. 【請求項8】 カラムクロマト分析法で紫外線吸収検出
    器を用いて検出される下記一般式[1]で示されるモノ
    脂肪酸エステル体のピーク面積比で表した含有率が70
    %以上であるポリグリセリンモノ脂肪酸エステルからな
    る合成繊維用紡糸油剤の添加剤。 【化3】
  9. 【請求項9】 ポリグリセリンモノ脂肪酸エステルが、
    アルコール系溶媒及び/又は蒸留水を溶離液とするオク
    タデシルシリル基結合シリカゲルカラムを用いる高速液
    体クロマトグラフィーで分離し紫外線吸収検出器を用い
    て検出される一般式[1]で示されるモノ脂肪酸エステ
    ル体のピーク面積比で表した含有率が70%以上である
    ことを特徴とする請求項8記載の合成繊維用紡糸油剤の
    添加剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009155762A (ja) * 2007-12-27 2009-07-16 Takemoto Oil & Fat Co Ltd 合成繊維用処理剤、合成繊維の処理方法及び合成繊維
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JP6445205B1 (ja) * 2018-06-28 2018-12-26 竹本油脂株式会社 合成繊維用処理剤及び合成繊維

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