JPH1083749A - 圧力スイッチおよび圧力スイッチ付きポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧力スイッチ組込み部での組立性を損なうこ
となく、絶縁キャップの大径部によるシール部でのシー
ル性を確保し、耐圧性や耐久性を向上させる。 【解決手段】 高圧側と低圧側に接続される導入通路３
７，３８、３９を有するボディ１１内で前記導入通路間
に高圧側導入口方向に付勢した状態でプランジャ３３を
摺動自在に設ける。このプランジャの一端に接触端３４
ａが対向するようにターミナル端子３４を設け、このタ
ーミナル端子を保持している弾力性を有する絶縁部材４
０に大径部４０ａと小径部４０ｂとを設ける。この絶縁
部材の小径部が係合するＵ字溝５０を有する固定用部材
１２を前記ボディに固定している。前記絶縁部材の大径
部と固定用部材との間にワッシャ５１を介在させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、たとえばポンプ等
のような各種の流体機器、装置に用いられ流体圧の変動
を検知することにより信号を送出するプランジャ型の圧
力スイッチおよびこの圧力スイッチを組込んだ圧力スイ
ッチ付きポンプに関する。

【０００２】

【従来の技術】たとえば自動車の操舵力を軽減するため
のパワーステアリング装置等において、操舵時にオイル
ポンプからの油圧回路内の油圧が急昇したときに、これ
を感知してエンジンのアイドリング回転を高め、エンジ
ン停止を防止したりするためのセンサとして、圧力スイ
ッチをオイルポンプあるいはこのポンプからのポンプ吐
出側配管に付設することが従来から行われている。この
種の圧力スイッチとしては従来から種々の構造のものが
知られており、本出願人もたとえば実開平４−６５９７
８号公報、実開平４−１０５４４０号公報、実開平５−
４５８６９号公報に示す圧力スイッチまたは圧力スイッ
チ付きポンプを先に提案している。

【０００３】これを説明すると、従来の圧力スイッチ
は、導電性を有する本体ボディ（ポンプのフロントボデ
ィ）に形成した圧力スイッチ組込み空間の一端側に絶縁
材で覆われたターミナル端子と、前記本体ボディ内で摺
動可能に支持され常時はばねでターミナル端子から離間
する高圧側方向に付勢されているプランジャを備えてい
る。そして、このプランジャの他端側に油圧回路中の高
圧側の油圧を導き、その圧力が設定圧を越えたときに、
プランジャを低圧側に接続されているターミナル端子側
に移動させることにより、導電性を有するプランジャを
直接あるいは導電性部材を介して間接的に接触させるこ
とにより、スイッチが電気的にオンし、その電気信号に
より所要の制御動作を行なう構造を採っている。

【０００４】上述した従来の圧力スイッチでは、スイッ
チ構成部品の組立てを簡単にするために、圧力スイッチ
組込み空間にプランジャ、ばね、ターミナル端子の順に
組込むとともに、このターミナル端子を保持している弾
力性を有する絶縁キャップの大径部を、前記ボディに固
定されるリアボディまたはガスケットプレート（以下、
固定用部材という）に形成したＵ字溝の溝縁部分で係止
することにより抜けを防止した状態で固定するように構
成している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の圧力ス
イッチ構造では、ターミナル端子を保持する絶縁キャッ
プの大径部を、固定用部材に形成したＵ字溝の溝縁部分
で係止するにあたって、次のような問題がある。すなわ
ち、この種の圧力スイッチでは、ターミナル端子を保持
している絶縁キャップの大径部により圧力スイッチ組込
み空間の開口端部分をシールしているが、圧力スイッチ
の作動時に高圧がターミナル端子の内側から作用する
と、この絶縁キャップの大径部、特にＵ字溝の切欠きに
対応する未係止部分が外方に向って変形し、この変形部
分でのシール性を維持することが難しく、油洩れを生じ
るおそれがある。

【０００６】ここで、上述したようなＵ字溝を固定用部
材に設けている理由は、次の通りである。すなわち、絶
縁キャップで保持しているターミナル端子は、リードと
これを介して配線接続用コネクタを予めアッセンブリと
して組み立てておくことが一般的である。そして、前記
絶縁キャップの大径部を係止する固定用部材の一部にた
とえば孔部を設け、この孔部を通してこの絶縁キャップ
の小径部、前記リード、さらにその先端に既に取付けて
いるコネクタを外部に引出す必要がある。しかし、この
ときに、固定用部材に設けた孔部を絶縁キャップの小径
部やリード線は挿通させることができるも、リード線の
先端に設けているコネクタを挿通させることはできな
い。

【０００７】これは、このようなコネクタは上述した孔
部よりも大きく、絶縁キャップの大径部と略等しいか、
それ以上に大きいのが一般的であるためである。また、
このようなターミナル端子、これを保持する絶縁キャッ
プ、リード線およびコネクタは、圧力スイッチの組立時
には予めアッセンブリとして組立てられるのが普通であ
ることによる。したがって、上述した絶縁キャップの小
径部、前記リード、さらにその先端に設けているコネク
タを組立てた状態で、固定用部材で閉塞する部分を挿通
するためには、この固定用部材にＵ字溝を形成すること
が、圧力スイッチの組立てを容易にするうえで必要であ
る。このようにすれば、Ｕ字溝に絶縁キャップの小径部
またはリード線を係入させるだけで、固定用部材を挿通
させた状態とすることが可能である。

【０００８】特に、上述した圧力スイッチにおいては、
プランジャの高圧側にたとえば３０〜４０気圧から１０
０気圧程度の流体圧が作用することから、前述したター
ミナル端子や絶縁キャップの大径部を圧力スイッチ組込
み空間の開口端部分で係止する固定用部材のＵ字溝部分
にも高圧が作用する。したがって、この固定用部材の剛
性を高めて絶縁キャップの変形を防止し、シール性を確
保するとともに耐圧性や耐久性を向上させることも望ま
れる。

【０００９】すなわち、圧力スイッチ組込み空間の開口
端部分で係止される絶縁キャップの大径部には、上述し
たスイッチ作動時における圧力に抗して変形しにくく、
この部分でのシール性を確保できるとともに、経時的変
化に対する変形も少ない程度の剛性をもつことが望まれ
る。また、このような絶縁キャップの大径部は、組込み
空間の開口端部分に位置してこの部分のシール性を確保
できるような弾力性をもつことも必要である。しかも、
このような相反する機能が要求されるに加えて、このよ
うな大径部を有する絶縁キャップは、ターミナル端子、
リード線、コネクタとともに予め組立てておき、これを
固定用部材にＵ字溝を設けることにより、圧力スイッチ
としての全体の組立性も容易にすることが望まれてい
る。

【００１０】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、ボディにおける圧力スイッチ組込み空間の
開口端部分に弾力性を有する絶縁部材の大径部をＵ字溝
の溝縁部分での抜けを係止するにあたって、組立てを容
易とするためのＵ字溝の切欠き部分で生じる不均一な応
力をなくし、経年変化は勿論、スイッチ作動時に高圧が
作用したときの変形を防いでシール性を確保し、スイッ
チ構成部品の耐圧性や耐久性を向上させることができる
圧力スイッチおよび圧力スイッチ付きポンプを得ること
を目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】このような目的に応える
ために本発明に係る圧力スイッチは、高圧側と低圧側に
接続される導入通路を有するボディ内で前記導入通路間
に高圧側導入口方向に付勢した状態でプランジャを摺動
自在に設け、このプランジャの一端に接触端が対向する
ようにターミナル端子を設け、このターミナル端子を保
持している弾力性を有する絶縁部材に大径部と小径部と
を設け、この絶縁部材の小径部が係合するＵ字溝を有す
る固定用部材を前記ボディに固定したものにおいて、前
記絶縁部材の大径部と固定用部材との間にワッシャを介
在させたものである。ここで、ワッシャとしては環状薄
板材でも、また周方向の一部にターミナル端子から引き
出されるリードを係入させるための切欠きを有するもの
でもよい。

【００１２】また、本発明に係る圧力スイッチ付きポン
プは、ポンプボディを構成するフロントボディおよびリ
アボディを備え、前記圧力スイッチのボディをフロント
ボディによって構成するとともに、固定用部材をリアボ
ディによって構成するか、あるいはフロントボディおよ
びリアボディ間に介装したガスケットプレートを備え、
前記圧力スイッチのボディをフロントボディによって構
成するとともに、固定用部材を前記ガスケットプレート
によって構成したものである。

【００１３】本発明によれば、ボディ内の組込み空間に
圧力スイッチを構成する部品を組込んだ状態でターミナ
ル端子を保持している弾力性を有する絶縁部材を組込
み、この絶縁部材の大径部をボディに固定する固定用部
材に設けたＵ字溝の溝縁部分で係止したときに、前記絶
縁部材の大径部とＵ字溝を有する固定用部材との間に介
在させたワッシャによって、弾力性を有する絶縁部材の
大径部を、Ｕ字溝の切欠き部分をも含めて全周にわたっ
て均一に係止することができる。

【００１４】したがって、このワッシャによって、ボデ
ィの圧力スイッチ組込み空間の開口端部分に組込まれて
この部分をシールする弾力性を有する絶縁部材の大径部
における経年変化やスイッチ作動時の高圧作用時におけ
る変形を防ぎ、前記組込み空間の開口端部分でのシール
性を確保し、圧力スイッチ組込み部での耐圧性、耐久性
を向上することができる。これは、ボディがポンプのフ
ロントボディであって、固定用部材がポンプのリアボデ
ィまたはガスケットプレートであるときも同様である。

【００１５】高圧側導入通路と低圧側導入通路とはたと
えばポンプの吐出側流体圧を導く通路とポンプの吸込側
流体圧を導く通路である。弾力性を有する絶縁部材と
は、たとえばゴムや合成樹脂により形成したターミナル
端子とリードとを絶縁状態で覆う絶縁キャップである。
ワッシャとは、薄板金属材によって形成したリング状部
材であるが、硬質材料であれば合成樹脂等からなるもの
でもよい。

【００１６】

【発明の実施の形態】図１ないし図６は本発明に係る圧
力スイッチおよび圧力スイッチ付きポンプの一実施の形
態を示すものであり、この実施の形態では、この圧力ス
イッチを回転型のベーンポンプに適用した場合について
説明する。

【００１７】これらの図において、まず、全体を符号１
０で示すベーンポンプの構成を、図４および図５により
説明すると、このポンプ１０は、ポンプボディを構成す
るフロントボディ１１およびリアボディ１２を備えてい
る。そして、これら両ボディ１１，１２においてフロン
トボディ１１には、接合側の端面に開口してポンプ回転
要素つまりベーン１３ａを有するロータ１３およびこれ
を収容することにより略楕円形状を呈する内側カム面１
４ａによって一対のポンプ室（図示せず）を形成するカ
ムリング１４からなるポンプカートリッジ１５等を収納
配置するポンプ収納空間２０が形成されている。

【００１８】この収納空間２０の奥側には、ポンプ室か
らの吐出側流体が、カムリング１４に併設してポンプ収
納空間２０内に配置されるプレッシャプレート１６の吐
出側通路１６ａを介して送り込まれるポンプ吐出側圧力
室１７が形成されている。さらに、このフロントボディ
１１内には、ポンプ室からポンプ吐出側圧力室１７を経
て吐出ポート（図示せず）に送られるポンプ吐出側流体
を所定流量に制御する流量制御弁１８と、一端が外部に
突出されて外部駆動源により回転駆動される回転軸１９
等が配設されている。

【００１９】また、これら両ボディ１１，１２内には、
前記ポンプカートリッジ１５内でのポンプ室に対し吸込
ポート２１からの吸込側流体を導くポンプ吸込側通路２
２，２３等も形成されており、これらポンプ吸込側通路
２２，２３や前記ポンプ収納空間２０をシールするため
のシール材２４が、両ボディ１１，１２間に介在されて
締結用ボルト、ナットにより一体的に結合されるように
なっている。なお、このベーンポンプ１０は、図４から
明らかなように、上述した以外の構成部品等も有する
が、これらは従来から広く知られている通りで、ここで
の具体的な説明は省略する。

【００２０】上述した構成によるベーンポンプ１０にお
いて、ベーン１３ａ、ロータ１３等を配設する収納空間
２０が開口している一端面にリアボディ１２が接合して
組付けられるフロントボディ１１の端面上でリアボディ
１２が接合されない部分に、図１および図４から明らか
なように、ポンプ吐出側（高圧側）の流体圧が内方端側
に導かれる小径孔３１ａとこれに連続してポンプ吸込側
（低圧側）に接続される大径孔３１ｂとからなる圧力ス
イッチ組込み空間３１を、前記回転軸１９や収納空間２
０と平行になるように軸線方向に沿って形成して開口さ
せている。

【００２１】そして、この組込み空間３１の小径孔３１
ａに、プランジャ３３を、常時は小径孔３１ａ内方端側
に付勢されポンプ吐出側の流体圧の大きさによって大径
孔３１ｂ側に移動可能な状態で摺動動作可能に保持させ
ている。また、このプランジャ３３の大径孔３１ｂ側の
端部に内方端３４ａが対向し外方端側にスイッチ回路側
のリード線３５が接続される導電材からなるターミナル
端子３４を、圧力スイッチ組込み空間３１の大径孔３１
ｂ開口端部分に弾力性を有する絶縁材料（たとえばゴム
のようなラバー材）からなる絶縁キャップ４０によって
絶縁状態で保持することにより配置させている。

【００２２】この絶縁キャップ４０は、ターミナル端子
３４の一部に形成したフランジ部３４ｂを抱え込んで保
持する大径部４０ａとこの大径部４０ａに連続しターミ
ナル端子３４の外方端でのリード線３５との接続端３４
ｃ部分を覆う小径部４０ｂとを備え、この小径部４０ｂ
内でターミナル端子３４の外方端とリード線３５との接
続部３４ｃが、水密性を保って保持されている。また、
この絶縁キャップ４０の大径部４０ａは、前記組込み空
間３１の開口端部分に嵌合して配置され、ターミナル端
子３４を絶縁状態を保って保持するとともに、この部分
で組込み空間３１の開口端部分を閉塞してシールするよ
うになっている。

【００２３】なお、図１中３７，３８は図４からも明ら
かなようにポンプ吐出側圧力室１７からポンプ吐出側流
体圧を小径孔３１ａの内方端に導く導入通路、また前記
大径孔３１ｂ内でプランジャ３３の端部と選択的に接触
するターミナル端子３４の内方端３４ａが臨む部分に
は、ポンプ吸込み側の流体圧力が導入する導入通路３９
が形成されている。そして、これにより圧力スイッチ３
０の可動部分であるプランジャ３３の両端に、ポンプ吐
出側と吸込側圧力とが作用し、一定以上に圧力変動が生
じたときにはプランジャ３３の動きでターミナル端子３
４との接触動作を得て、所要の信号を送出するようにな
っている。

【００２４】また、上述した組込み空間３１の大径孔３
１ｂ内には、小径孔３１ａ内に摺動可能に保持されるプ
ランジャ３３を常時小径孔３１ａ側に付勢するコイルば
ね４２を組込んでいる。４３はこのコイルばね４２の付
勢力をプランジャ３３に作用させるための導電性を有す
るばね受けである。さらに、図１、図６中４５は前記プ
ランジャ３３を保持する小径孔３１ａの大径孔３１ｂ側
への開口端部分に大径孔３１ｂ側に開口した状態で凹設
した環状溝で、また４４はこの環状溝４５内に嵌め込ま
れて小径孔３１ａとプランジャ３３の外周部との間に介
在したＯリングで、このＯリング４４は、その弾撥力
（フリクション）によってスイッチオン、オフ時におけ
るプランジャ３３の動きにヒステリシスを与えるための
ものである。

【００２５】また、このようなプランジャ３３の動きに
ヒステリシスを与えるＯリング４４を、小径孔３１ａの
内壁部で大径孔３１ｂ側の端部に開口して形成した環状
溝４５内に配設するとともに、低圧側流体圧力室を形成
する大径孔３１ｂと環状溝４５の反対側端面部分とを連
通する圧力逃がし溝４６を、この環状溝４５の一部に凹
設している。このような圧力逃がし溝４６は、ボディ１
１内で小径孔３１ａ内壁部に形成した環状溝４５内に嵌
め込まれるＯリング４４の両端側に作用する流体圧力
を、圧力逃がし溝４６によって略等しいものとし、過度
の摺動抵抗を生じさせるＯリング４４の変形等をなく
し、適切なフリクションによる摺動抵抗を得てプランジ
ャ３３の適正な摺動動作を確保するためのものである。

【００２６】図１において符号４７は大径孔３１ｂの開
口端寄りの部分に配設されこのコイルばね４２に所定の
セット荷重を与えるばね受けで、このばね受け４７とし
ては、ばね性薄板材によって周縁部に大径孔３１ｂ内壁
への係止手段となるつば部を有するリング状部材である
つば付きワッシャを用い、このつば付きワッシャを大径
孔３１ｂ内に嵌め込んでコイルばね４２への所定のセッ
ト荷重を与える位置で係止できるようにしている。４８
は上述したつば付きワッシャによるばね受け４７と前記
ターミナル端子３４の大径部３４ｂとの間に介在して設
けた絶縁性プレートである。

【００２７】上述した構成によるベーンポンプ１０にお
ける圧力スイッチ組込み部において、スイッチ構成部品
をフロントボディ１１の組込み空間３１内に組込んだ状
態で、その開口端部分に位置する絶縁キャップ４０の大
径部４０ａは、リアボディ１２の一部に形成したＵ字溝
５０の溝縁部分によって軸線方向での抜けを係止されて
固定されている。本発明によれば、上述した絶縁キャッ
プ４０の大径部４０ａとリアボディ１２のＵ字溝５０の
溝縁部分との間に、薄板金属製環状部材であるワッシャ
５１を介在させたことを特徴としている。

【００２８】このような構成によれば、圧力スイッチ組
込み空間３１に圧力スイッチ３０を構成する部品を組込
んだ状態でターミナル端子３４を保持している弾力性を
有する絶縁部材としての絶縁キャップ４０を組込み、こ
の絶縁キャップ４０の大径部４０ａをリアボディ１２に
設けたＵ字溝５０の溝縁部分で係止したときに、絶縁キ
ャップ４０の大径部４０ａとＵ字溝５０を有するリアボ
ディ１２との間に介在させたワッシャ５１の存在によっ
て、弾力性を有する絶縁キャップ４０の大径部４０ａ
を、Ｕ字溝５０の切欠き部分５０ａをも含めて全周にわ
たって均一に係止することができる。

【００２９】したがって、このようなワッシャ５１によ
って、組込み空間３１の開口端部分に組込んでいる弾力
性を有する絶縁キャップ４０の大径部４０ａをＵ字溝５
０の切欠き部分で生じる不均一な応力をなくし、開口端
部分をシールするうえで必要な弾力性と剛性とを確保す
ることができる。すなわち、上述したワッシャ５１によ
って周方向において均一に係止している絶縁キャップ４
０の大径部４０ａにおいて、経年変化は勿論、圧力スイ
ッチ作動時に作用する高圧に対して変形を防止すること
により、この組込み空間３１の開口端部分でのシール性
を確保し、圧力スイッチ組込み部での耐圧性、耐久性を
向上することができる。換言すれば、このようなワッシ
ャ５１を設けた構成では、Ｕ字溝５０の切欠き部５０ａ
に相当する部分にたてば高圧作用時に加わる力をワッシ
ャ５１の平面全体にわたって分散させることができるか
ら、絶縁キャップ４０の変形を防止し、耐圧性、耐久性
を向上させることができる。

【００３０】ここで、ワッシャ５１は、図２（ａ）に示
すように、ワッシャ５１を、ターミナル端子３４、絶縁
キャップ４０、リード線３５、配線接続用コネクタ５２
を組み立てて、端子組立体を構成する際に、予め絶縁キ
ャップ４０の小径部４０ｂに嵌装した状態で組み立てて
おき、これを組込むときに絶縁キャップ４０の大径部４
０ａの小径部４０ｂ側の側面部に付設される。なお、こ
れに限らず、ワッシャ５１を、絶縁キャップ４０の大径
部４０ａに予め焼付けあるいはインサート成形などで設
けてもよい。

【００３１】また、このようなワッシャ５１としては、
図２（ｂ）に示すように、周方向の一部にリード線３５
を係入させるための切欠き５１ａを設けたものでよい。
すなわち、予め組み立てている端子組立体のリード線３
５に対し、ワッシャ５１を径方向から臨ませ、切欠き５
１ａによってリード線３５、絶縁キャップ４０の小径部
４０ｂに嵌装させることができる構成であればよい。こ
のとき、絶縁キャップ４０の大径部４０ａに沿わせて前
記Ｕ字溝５０の溝縁部分で係止するとき、Ｕ字溝５０の
切欠き部５０ａに対応する部分に、前記切欠き５１ａが
位置しないようにして組立てることが必要である。

【００３２】図７および図８は本発明の別の実施の形態
を示すものであり、この実施の形態では、圧力スイッチ
組込み空間３１の開口端部分で絶縁キャップ４０の大径
部４０ａを溝縁部分で係止するＵ字溝５０を、フロント
ボディ１１とリアボディ１２との間に介在されこれら両
ボディ１１，１２間でのポンプ吸込側通路やポンプ室等
を連通した状態でシールするガスケット６１を内周部に
焼付等で設けたガスケットプレート６０に設けたもので
ある。そして、このような構成によっても、ワッシャ５
１を介在させることにより、Ｕ字溝５０の切欠部５０ａ
に対応する絶縁キャップ４０の大径部４０ａでの高圧作
用時における変形を防止することができるものであり、
前述したと同等の作用効果が得られることは勿論であ
る。

【００３３】なお、本発明は上述した実施の形態で説明
した構造には限定されず、圧力スイッチ３０を含めたベ
ーンポンプ１０の各部の形状、構造等を適宜変形、変更
し得ることはいうまでもない。また、上述した実施の形
態では、オイルポンプ１０の本体ボディであるフロント
ボディ１１に形成した圧力スイッチ組込み空間３１に圧
力スイッチ３０を組込んだ場合を例示したが、これに限
定されず、各種の流体機器、装置のボディに圧力スイッ
チ３０を組み込んで付設する場合やスイッチ単体をハウ
ジングに組込んだもの等に適用して効果を発揮すること
ができる。

【００３４】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係る圧力ス
イッチによれば、ターミナル端子を保持している弾力性
を有する絶縁部材の大径部とその小径部が係合するＵ字
溝を有する固定用部材との間にワッシャを介在させてい
るから、弾力性を有する絶縁部材の大径部を、固定用部
材におけるＵ字溝の切欠き部分に対応する部分をも含め
て全周にわたって均一に係止することができ、たとえば
スイッチ作動時に高圧が作用しても絶縁部材の大径部で
の変形を防ぎ、組込み空間の開口端部分でのシール性を
確保することができる。したがって、本発明によれば、
圧力スイッチ組込み部での耐圧性、耐久性を向上するこ
とができる。

【００３５】また、本発明に係る圧力スイッチ付きポン
プにおいても、ポンプボディを構成するフロントボディ
に圧力スイッチ組込み空間を設け、その開口端をリアボ
ディまたはガスケットプレートに設けたＵ字溝の溝縁部
分で覆うことにより、絶縁部材の大径部を係止するにあ
たって、Ｕ字溝の切欠き部分で生じる不均一な応力をな
くし、経年変化を含め、スイッチ作動時に高圧が作用し
たときにも変形を防いでシール性を確保し、スイッチ構
成部品の耐圧性や耐久性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る圧力スイッチおよび圧力スイッ
チ付きポンプの一つの実施の形態を示す要部拡大断面図
である。

【図２】 （ａ）は図１における圧力スイッチのターミ
ナル端子、リード、防水コネクタおよびワッシャからな
る端子組立体を示す断面図、（ｂ）はワッシャの変形例
を示す図である。

【図３】 図１における圧力スイッチ組込み部を外側か
ら見た図である。

【図４】 図１における圧力スイッチを採用している回
転型ポンプの全体を示す断面図である。

【図５】 図４のポンプをリアボディ側から見た側面図
である。

【図６】 図１におけるVI−VI線断面図の圧力スイッチ
においてプランジャの保持部の拡大図である。

【図７】 本発明に係る圧力スイッチおよび圧力スイッ
チ付きポンプの別の実施の形態を示す断面図である。

【図８】 図７の圧力スイッチ付きポンプに用いている
ガスケットプレートを示す図である。

【符号の説明】

１０…ベーンポンプ、１１…フロントボディ（ボデ
ィ）、１２…リヤボディ（固定用部材）、１５…ポンプ
カートリッジ、１７…ポンプ吐出側圧力室、１９…回転
軸、２０…ポンプ収納空間、２２，２３…通路、３０…
圧力スイッチ、３１…圧力スイッチ組込み空間、３１ａ
…小径孔、３１ｂ…大径孔、３３…プランジャ、３４…
ターミナル端子、３４ａ…接触端、３４ｂ…大径部、３
４ｃ…接続部、３５…リード線、３７，３８…高圧側導
入通路、３９…低圧側導入通路、４０…絶縁キャップ
（絶縁部材）、４０ａ…大径部、４０ｂ…小径部、４２
…コイルばね（ばね手段）、４３…ばね受け、４４…Ｏ
リング、４５…環状溝、４６…圧力逃がし溝、５０…Ｕ
字溝、５０ａ…切欠き部、５１…ワッシャ、５１ａ…切
欠き、６１…ガスケットプレート、６１ａ…ガスケット
（シール材）。

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【手続補正書】

【提出日】平成９年８月１８日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００３１

【補正方法】変更

【補正内容】

【００３１】また、このようなワッシャ５１としては、
図２（ｂ）に示すように、周方向の一部にリード線３５
を係入させるための切欠き５１ａを設けたものでもよ
い。すなわち、予め組み立てている端子組立体のリード
線３５に対し、ワッシャ５１を径方向から臨ませ、切欠
き５１ａによってリード線３５、絶縁キャップ４０の小
径部４０ｂに嵌装させることができる構成であればよ
い。このとき、絶縁キャップ４０の大径部４０ａに沿わ
せて前記Ｕ字溝５０の溝縁部分で係止するとき、Ｕ字溝
５０の切欠き部５０ａに対応する部分に、前記切欠き５
１ａが位置しないようにして組立てることが必要であ
る。

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００３２

【補正方法】変更

【補正内容】

【００３２】図７および図８は本発明の別の実施の形態
を示すものであり、この実施の形態では、圧力スイッチ
組込み空間３１の開口端部分で絶縁キャップ４０の大径
部４０ａを溝縁部分で係止するＵ字溝５０を、フロント
ボディ１１とリアボディ１２との間に介在されこれら両
ボディ１１，１２間でのポンプ吸込側通路やポンプ室等
を連通した状態でシールするガスケット６１ａを内周部
に焼付等で設けたガスケットプレート６１に設けたもの
である。そして、このような構成によっても、ワッシャ
５１を介在させることにより、Ｕ字溝５０の切欠部５０
ａに対応する絶縁キャップ４０の大径部４０ａでの高圧
作用時における変形を防止することができるものであ
り、前述したと同等の作用効果が得られることは勿論で
ある。

【手続補正３】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図４

【補正方法】変更

【補正内容】

【図４】

【手続補正４】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図７

【補正方法】変更

【補正内容】

【図７】

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 高圧側と低圧側に接続される導入通路を
   有するボディと、このボディ内で前記導入通路間に摺動
   自在に設けられ高圧側導入口方向に付勢されたプランジ
   ャと、接触端がこのプランジャの一端に対向するように
   設けられたターミナル端子と、このターミナル端子を保
   持し大径部と小径部とからなり弾力性を有する絶縁部材
   と、この絶縁部材を前記ボディに固定する部材であって
   前記小径部が係合するＵ字溝を有する固定用部材とを備
   え、 前記絶縁部材の大径部と前記固定用部材との間にワッシ
   ャを介在させたことを特徴とする圧力スイッチ。
2. 【請求項２】 請求項１記載の圧力スイッチにおいて、 ワッシャの周方向の一部に、ターミナル端子から引き出
   されるリードを係入させるための切欠きを設けたことを
   特徴とする圧力スイッチ。
3. 【請求項３】 請求項１記載の圧力スイッチを備えたポ
   ンプであって、 ポンプボディを構成するフロントボディおよびリアボデ
   ィを備え、前記圧力スイッチのボディをフロントボディ
   によって構成するとともに、固定用部材をリアボディに
   よって構成したことを特徴とする圧力スイッチ付きポン
   プ。
4. 【請求項４】 請求項１記載の圧力スイッチを備えたポ
   ンプであって、 ポンプボディを構成するフロントボディおよびリアボデ
   ィと、これらのボディ間に介装したガスケットプレート
   とを備え、前記圧力スイッチのボディをフロントボディ
   によって構成するとともに、固定用部材を前記ガスケッ
   トプレートによって構成したことを特徴とする圧力スイ
   ッチ付きポンプ。
5. 【請求項５】 請求項３または請求項４記載の圧力スイ
   ッチ付きポンプにおいて、 ワッシャの周方向の一部に、ターミナル端子から引き出
   されるリードを係入させるための切欠きを設けたことを
   特徴とする圧力スイッチ付きポンプ。