JPH1083667A - ハードディスク装置用防音材 - Google Patents

ハードディスク装置用防音材

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JPH1083667A
JPH1083667A JP25749296A JP25749296A JPH1083667A JP H1083667 A JPH1083667 A JP H1083667A JP 25749296 A JP25749296 A JP 25749296A JP 25749296 A JP25749296 A JP 25749296A JP H1083667 A JPH1083667 A JP H1083667A
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JP
Japan
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hard disk
foam
open
air permeability
disk drive
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Application number
JP25749296A
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English (en)
Inventor
Naoshi Fujita
直志 藤田
Michikazu Sakura
光知一 佐倉
Tadao Yasue
▲匡▼生 安江
Kazuhiko Osaki
和彦 大崎
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Inoac Corp
Original Assignee
Inoue MTP KK
Inoac Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定の物性を有する連泡性フォームからな
り、優れた防音性を有するハードディスク装置用防音材
を提供する。 【解決手段】 このハードディスク装置用防音材は、密
度が0.040〜0.250g/cm3 、反発弾性率が
20〜40%、25%圧縮応力が30〜100kg/c
2 、50%圧縮応力が60〜600kg/cm2 、通
気度が5〜300秒の、相当に密度が低く、低反発性で
あって、特定の圧縮応力を有し、且つ通気性も低い、ポ
リウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂又
はエチレン−プロピレン−ジエンゴム等のゴムからなる
連泡性フォームにより構成される。この連泡性フォーム
としては、特に軟質ポリウレタンフォームが好ましい。
この防音材は、特にハードディスク装置において、回路
基板と、この回路基板と駆動モータ等とを隔てる隔壁と
の間に圧縮、介装され、使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連泡性フォーム、
特に低反発性であって、特定の圧縮応力を有する軟質ポ
リウレタンフォームからなるハードディスク装置用防音
材に関する。本発明のハードディスク装置用防音材は、
ハードディスク装置の内面の適宜の所要箇所に装着して
用いることができる。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピュータの性能向上にと
もない、大量のデータを記憶する媒体であるハードディ
スクを用いたシステムの重要性が高まっている。しか
し、コンピュータのハードディスク装置からは、駆動モ
ータ、ハードディスク等の回転音など、それほどの音量
ではないが騒音が発生しており、その静粛化が望まれて
いる。
【0003】一方、コンピュータの技術分野において
は、ソフトウェアシステムの規模の拡大及び使用方法の
進歩によりデータの大容量化が進んでいる。また、中央
演算装置の改良によるデータ処理速度の向上にともな
い、データ転送速度及びデータ書き込み速度の向上にも
著しいものがある。このような技術的な進歩によって、
以前は10〜20メガバイト(MB)程度であったハー
ドディスクの記憶容量は、現在では1000MBを越え
るほどに大容量化している。
【0004】しかし、コンピュータにおける上記の技術
改革は、装置の静粛化とは相入れないものである。即
ち、それら技術上の改良、開発を進めようとすると、ハ
ードディスクの数が増え、装置の重量及び振動が増加す
る。また、ピックアップの作動速度の高まりによる騒音
が増加し、更にディスクの回転数が増すことによる騒
音、振動も高くなる。このようにコンピュータの騒音、
振動が問題になる中で、パーソナルコンピュータは、オ
フィスなどに比べて静かな一般家庭にも急速に普及しつ
つあり、静粛性に対する要求はより高まっている。
【0005】上記のような騒音、振動を軽減するため、
従来より、特にハードディスク装置の駆動部と制御部と
を隔てる隔壁には吸音材が装着されている。この駆動部
には、ハードディスク、駆動用モータ等が配置されてお
り、制御部には、データの転送、記録等を行うための回
路基板が配設されている。また、この回路基板は、吸音
材を介してボルトによって隔壁に固定されている。この
ようにして、駆動モータ、ハードディスク等の回転にと
もなう騒音、振動をこの吸音材によって吸収し、軽減す
る構造となっている。
【0006】上記の吸音材としては、従来より、軟質ポ
リウレタンフォーム系の吸音材が多用されている。そし
て、この軟質ポリウレタンフォームとしては、相当に低
密度でありながら、反発性が高く、通気性も一般フォー
ムに比べると比較的低いものが使用されており、空気が
透過し難い。
【0007】音は空気中を縦波として伝搬し、この縦波
の通過によって空気の振動又は圧力の変動を生じ、これ
を一般に音として捉えている。そして、音が吸音材に当
たると空気の振動又は圧力の変動が直接に吸音材内部の
隙間或いは気泡内の空気に伝搬される。そこで、気泡内
表面と空気との間に粘性摩擦を生じ、音のエネルギーの
一部が熱エネルギーに変換されて吸音作用が奏される。
上記の軟質ポリウレタンフォーム系の吸音材は、このよ
うに空気中を伝搬する音に対する吸音材の抵抗によっ
て、その振動が減衰し、音が小さくなることを利用した
点に特徴がある。従って、大きな吸音効果を得るために
は、空気の振動をできるだけ消耗させ、低減させること
ができる内部構造にする必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
軟質ポリウレタンフォームからなる吸音材は、これを装
着しなかった場合に比べて、騒音は高々1デシベル(d
B)程度低下するのみである。このように効果が小さい
理由は明らかではないが、この吸音材は一般に相当な倍
率に圧縮した状態で隔壁と回路基板との間に介装されて
おり、上記のような特性を有するフォームでは、その気
泡が必要以上に圧縮、変形され、その内部構造の変化に
より音を吸収する性能が低下するのではないかと思われ
る。また、ハードディスク装置の騒音対策としては、従
来の吸音材による方法だけではなく、振動吸収、制振作
用、防振作用等が総合的に発揮される防音材の検討が必
要である。
【0009】本発明は、従来の軟質ポリウレタンフォー
ム等からなる吸音材の問題点を解決するものであり、反
発弾性及び通気性がともに低い連泡性フォーム、更に、
特定の圧縮応力を有する連泡性フォーム、特に連泡性軟
質ポリウレタンフォームからなるハードディスク装置用
防音材を提供することを目的とする。そして、本発明の
防音材を、ハードディスク装置の所要箇所に装着するこ
とにより、駆動モータの回転等にともなう騒音が効果的
に低減される。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1発明のハードディス
ク装置用防音材は、連泡性フォームからなるハードディ
スク装置用防音材において、上記連泡性フォームの密度
は0.030g/cm3 以上、反発弾性率は40%以
下、且つ通気度は5秒以上であることを特徴とする。ま
た、第3発明のハードディスク装置用防音材は、連泡性
フォームからなるハードディスク装置用防音材におい
て、上記連泡性フォームの密度は0.030g/cm3
以上、25%圧縮応力は25〜300g/cm2 、且つ
通気度は5秒以上であることを特徴とする。
【0011】更に、第4発明のハードディスク装置用防
音材は、連泡性フォームからなるハードディスク装置用
防音材において、上記連泡性フォームの密度は0.03
0g/cm3 以上、50%圧縮応力は50〜800g/
cm2 、且つ通気度は5秒以上であることを特徴とす
る。また、第5発明のハードディスク装置用防音材は、
連泡性フォームからなるハードディスク装置用防音材に
おいて、上記連泡性フォームの密度は0.030〜0.
170g/cm3 、反発弾性率は21〜40%、25%
圧縮応力は30〜100g/cm2 、且つ通気度は15
〜50秒であることを特徴とする。
【0012】上記「連泡性フォーム」としては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリウレタン、フェノール樹脂、ユリア樹脂、アク
リル樹脂及びシリコーン樹脂等からなる連泡性樹脂フォ
ームが挙げられる。また、エチレン−プロピレン−ジエ
ンゴム(EPDM)等のゴムからなる連泡性フォームを
用いることもできる。これら連泡性フォームとしては、
ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン及びEP
DM等からなるものが、容易に所要の物性を有するフォ
ームを調製することができるため好ましい。
【0013】連泡性フォームの「密度」が「0.030
g/cm3 」未満では、単位体積当たりのフォームに占
める空間の割合が高いが、圧縮等によりフォームは容易
に変形し、気泡が潰れ、実際にハードディスク装置にお
いて使用される場合には、その防音性が不十分となる。
また、フォームの「25%圧縮応力」が「300g/c
2 」を越える場合は、このフォームを圧縮してハード
ディスク装置の隔壁と回路基板との間に介装するに際
し、回路基板に過大な力が加わることになる。そのた
め、回路基板を構成する繊維強化プラスチック等の強度
にもよるが、回路基板が変形したり、場合によっては破
損することもある。
【0014】尚、好ましい圧縮応力の範囲は圧縮率との
相関があり、低圧縮倍率(例えば当初厚さの3/4〜1
/2の厚さに圧縮した場合)での使用においては、第3
発明のように、フォームの25%圧縮応力が300kg
/cm2 以下である連泡性フォームの使用が好ましい。
この25%圧縮応力は、特に200kg/cm2 以下、
更には100kg/cm2 以下であることがより好まし
い。また、高圧縮倍率(例えば当初厚さの1/2〜1/
15の厚さに圧縮した場合)の場合は、第4発明のよう
に、フォームの「50%圧縮応力」が「800kg/c
2 」以下である連泡性フォームの使用が好ましい。こ
の50%圧縮応力は、特に600kg/cm2 以下、更
には400kg/cm2 以下であることがより好まし
い。一方、これらの圧縮応力が低すぎる場合は、通気度
に大きく影響されるものの、一般に振動を十分に軽減す
ることができず、騒音の経時変動が非常に大きく、ま
た、その騒音の平均的なレベルは通常相当に高いものと
なる。
【0015】更に、連泡性フォームの「通気度」が「5
秒」未満であるような通気性の比較的高い吸音材では、
ハードディスク装置から発生する騒音の周波数が比較的
高い場合は特に問題はない。しかし、この周波数が16
00Hz或いは2000Hzを下回る低周波数域では、
その吸音性が低下する傾向にある。この連泡性フォーム
の密度、反発弾性率、圧縮応力及び通気度が、それぞれ
第2発明〜第5発明において特定される数値範囲であれ
ば、特にハードディスク装置から発生する固有の騒音が
効果的に低減される。
【0016】また、上記のように通気度が5秒以上の低
通気性フォームであっても、独泡性のフォームである場
合は、その吸音性及び防音性は非常に低い。尚、一般に
独泡性のフォームでは、十分に柔軟な素材からなるフォ
ームであっても、気体が封入された気泡のために、圧縮
応力が非常に高くなり、且つ通気度が300秒を越える
非常に低通気性のフォームになることが多い。一方、フ
ォームの通気度が5秒未満と通気性の高いフォームの場
合、密度が非常に低いフォームと同様に、圧縮した状態
で隔壁と回路基板との間に介装する場合に、気泡が容易
に圧縮され、変形して、ハードディスク装置に装着した
際の防音性が低下する。
【0017】尚、連泡性フォームとしては、第6発明の
ように、軟質ポリウレタンフォームが特に好ましい。こ
の軟質ポリウレタンフォームは、ポリオール、ポリイソ
シアネートの他、発泡剤、整泡剤及び触媒等を原料と
し、常法によって製造したものを使用することができ
る。また、軟質ポリウレタンフォームは、そのセル数が
多い、即ち気泡径が小さいものがより好ましく、気孔率
が同程度である場合に、より通気性の低いフォームを容
易に得ることができる。尚、本発明において使用する連
泡性フォームには、必要に応じて難燃剤、着色剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を適量配合することが
できる。
【0018】図1は、物性の異なる連泡性軟質ポリウレ
タンフォームについて、その吸音性を周波数分析した結
果を表すグラフであり、1/3オクターブバンド周波数
に対する垂直入射吸音率を示す。この測定方法は厚さ1
0mmのフォームを使用し、JIS A1405によっ
て実施したものであって、一般的な吸音材の特性値であ
る。PUF−1(比較例2のフォーム)は、密度0.0
25g/cm3 、反発弾性率35%、25%圧縮応力3
5g/cm2 、50%圧縮応力65kg/cm2 、通気
度1秒以下、及び実PUF−2(実施例12のフォー
ム)は、密度0.065g/cm3 、反発弾性率40
%、25%圧縮応力45g/cm2 、50%圧縮応力8
9kg/cm2 、通気度20秒の軟質ポリウレタンフォ
ームである。また、PUF−3(実施例3のフォーム)
は、密度0.152g/cm3 、反発弾性率23%、2
5%圧縮応力35g/cm2 、50%圧縮応力95kg
/cm2 、通気度20秒、及びPUF−4(実施例4の
フォーム)は、密度0.152g/cm3 、反発弾性率
23%、25%圧縮応力40g/cm2 、50%圧縮応
力115kg/cm2 、通気度35秒の軟質ポリウレタ
ンフォームである。
【0019】図1の結果によれば、各フォームの垂直入
射吸音率は周波数500Hz程度以下の低周波数域では
大差ない。しかし、それより高い中高周波数域では徐々
に差を生じ、特に1500Hzを越える辺りからは、吸
音率の高いフォームと低いものとでは大きな差を生ず
る。そして、このような一般的な吸音材としての評価に
おいては、本発明において特定した物性を外れたフォー
ム、例えばPUF−1であっても非常に優れた吸音性を
有している。このフォームは特に2000Hzを越える
高周波数域において、その性能が顕著なものとなってい
る。
【0020】また、図2は、厚さ4mmの上記PUF−
4を、実際にハードディスク装置〔後記のHDD
(a)〕の隔壁と回路基板との間に圧縮倍率2倍で介装
し、各周波数での騒音レベルを評価し、更に、防音材を
使用しなかった場合(ブランク)の騒音レベルを、周波
数分析した結果を表すグラフである。この図2の結果に
よれば、上記の図1の高周波数域において最も吸音性の
低かったPUF−4であっても、周波数2000Hzを
越え、特に2000〜10000Hz程度の周波数域に
おいて優れた防音性を有することが分かる。このよう
に、本発明において特定される連泡性フォーム、特に軟
質ポリウレタンフォームであれば、一般的な吸音材とし
ての評価が必ずしも高くないフォームであっても、ハー
ドディスク装置用という特定の用途では、非常に優れた
防音性能を有することが分かる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例によって詳
しく説明する。表1、表2及び表3に記載のポリウレタ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン及びEPDMからな
るフォームによって構成される防音材(但し、比較例1
では防音材を使用しなかった。)を準備した。これらの
フォームは、それぞれの素材からなるフォームを製造す
る場合の常法によって調製され、実施例1〜15及び比
較例2〜10の気泡状態等、密度、反発弾性率、圧縮応
力及び通気度が測定されたものである。尚、連泡性か独
泡性かはASTM D1940−62Tによって確認し
た。
【0022】また、密度はJIS K6401、通気度
はJIS P8117によって測定した。更に、反発弾
性率は球体を落下させて跳ね返る高さの落下高さに対す
る割合であり、圧縮応力は100×100×10mmの
試片を25%圧縮した場合(試片の厚さは7.5mmと
なる。)及び50%圧縮した場合(試片の厚さは5.0
mmとなる。)の応力を測定し、それを単位面積当たり
の数値に換算したものである。尚、表3において、密度
及び通気度の欄の*は第1発明を、25%圧縮応力の欄
の*は第3発明を、50%圧縮応力の欄の*は第4発明
を、それぞれ外れていることを意味する。
【0023】表1〜表3において、騒音レベルの評価
は、特定のメーカー2社のハードディスク装置、HDD
(a)とHDD(b)によって行った。HDD(a)は
ディスクの回転速度5400rpm、記憶容量1080
MB、HDD(b)はディスクの回転速度5400rp
m、記憶容量1280MBであり、ともにディスクは
3.5インチタイプである。これらハードディスク装置
の隔壁と回路基板との間に防音材を介装した。防音材の
介装前の厚さはHDD(a)用は2.0mm、HDD
(b)用は5.0mm、介装後の厚さはHDD(a)で
は0.5mm、HDD(b)では4.5mmである。圧
縮倍率はそれぞれ4倍及び1.11倍となる。この防音
材を装着したハードディスク装置を無響室に静置し、そ
の直上30cmのところにマイクロホンを設置し、騒音
レベルを測定した。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】表1において、実施例3(前記の図1にお
けるPUF−3である)及び4(前記の図1及び図2に
おけるPUF−4である)の防音材は、実施例1及び2
の防音材に比べて、相対的に密度及び反発弾性率が低い
が、25%圧縮応力がやや高く、また通気度は低い。こ
れらの騒音レベルをみると実施例3及び4のほうが1d
B程度低く、より防音性に優れていることが分かる。こ
の実施例3及び4の防音材は、このように防音性に優れ
るばかりではなく、圧縮、介装した場合に回路基板に変
形等をまったく生ずることもなく、総合的にみて各実施
例の中で最も優れた性能の防音材である。
【0028】また、実施例5〜7の防音材はポリ塩化ビ
ニルからなるものであるが、この素材では特に実施例5
のように25%圧縮応力が比較的高い場合、回路基板に
は相当に強い力が加わっていた。従って、より高い圧縮
倍率とした場合は、回路基板に反り、変形を生ずる恐れ
があり、この点に留意する必要があることが分かる。こ
のような圧縮応力が高い素材(例えば25%圧縮応力が
125g/cm2 以上)の場合は、低い圧縮倍率(例え
ば約10%未満)での使用が好ましい。
【0029】実施例8の防音材はポリエチレンを素材と
するが、騒音レベルは非常に低く優れている。この防音
材では、25%圧縮応力が45g/cm2 、50%圧縮
応力が130g/cm2 となっており、通気性も非常に
低いためか、やや硬いフォームとなっている。表2にお
いて実施例9及び10の防音材は、実施例1〜4と同様
ポリウレタンを素材とする。しかし、通気性は非常に低
く、騒音レベルも実施例3及び4と同程度であり、非常
に優れた防音性を有する。但し、この防音材はメカニカ
ルフロス法によって発泡させたポリウレタンフォームか
らなっており、この煩雑な発泡操作にやや難点がある。
更に、25%圧縮応力がそれぞれ300g/cm2 及び
195g/cm2 と非常に高く、やや硬いフォームとな
っている。そのため、高い圧縮倍率での使用は好ましく
ない。尚、実施例11はEPDMを素材とするものであ
るが、騒音レベルは低く、実施例3及び4と同様に優れ
た性能の防音材である。
【0030】一方、表3において、比較例1は防音材を
使用しなかった場合であり、騒音レベルは最も高い。ま
た、比較例2(前記の図1におけるPUF−1である)
及び3はポリウレタンフォームからなり、通常、吸音材
とした使用されているものである。この密度が非常に低
く、高反発性であって、通気性が相対的に高く、25%
圧縮応力が低いフォームからなる吸音材は、一般的な吸
音材として幅広く使用され、特に問題のないものであ
り、実際、前記の図1においてもその吸音率は非常に高
い。しかし、ハードディスク装置用防音材として使用し
た場合、その騒音レベルの低下は1dB未満であり、特
にHDD(b)ではほとんど効果がないことが分かる。
尚、上記の一般的な吸音材用ウレタンフォームは、通常
のウレタンフォームに比べて通気性は低いレベルにあ
る。しかし、本発明の防音材と比べると通気性は高いレ
ベルにある。
【0031】比較例4〜6の防音材は一般的な軟質ポリ
ウレタンフォームからなるものである。これらは密度が
やや低く、通気性も高く、比較例2及び3ほどではない
が防音性に劣っていることが分かる。更に、ポリエチレ
ンフォームからなる比較例7及びEPDMフォームから
なる比較例8の防音材では、通気性は低く、騒音レベル
は実施例と同程度に低下している。しかし、これらは独
泡性であって硬く、圧縮応力が非常に高く、回路基板に
反り、変形を生じ、この点で実用に供し得ないものであ
った。尚、比較例9及び10の防音材は、比較例2及び
3と同様の軟質ポリウレタンフォームからなり、その物
性及び性能も比較例2及び3に相似している。
【0032】また、図3及び図4は、上記の表1〜3に
おける実施例、比較例の騒音レベルの、防音材を使用し
なかった比較例1の騒音レベルに対するレベル差を表し
たものである。図3と図4とではハードディスク装置の
メーカーが異なるためか、騒音レベルの差と通気度との
相関、また特に騒音レベルの差の絶対値に大きな相違が
みられる。しかし、いずれにしても通気度が5秒以上と
なれば、騒音レベルに有意な差を生じ、以後、通気性の
低下とともに騒音レベルの差が大きくなる傾向は同様で
ある。
【0033】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。例え
ば、防音材をハードディスク装置の隔壁と回路基板との
間に介装する場合、その圧縮倍率は1.05〜10倍程
度の範囲で適宜設定すればよい。例えば厚さ5mmの防
音材を10倍に圧縮して0.5mmのものとしてもよい
し、厚さ4mmのものを1.05倍に圧縮して3.8m
mのものとしてもよい。このように騒音の周波数等によ
って適宜の圧縮倍率、介装後の厚さ等として使用するこ
とができる。また、防音材は、上記の隔壁の下面の他、
ハードディスク装置の駆動部及び制御部を収容する容器
の上面の内側、側面の内側等、適宜箇所に装着して使用
することができるが、ハードディスク装置の駆動部及び
制御部等に接する箇所に装着すれば、発生する微振動が
十分に吸収されるため好ましい。
【0034】
【発明の効果】第1発明のハードディスク装置用防音材
は、通常、吸音材として用いられている連泡性フォー
ム、特に軟質ポリウレタンフォームとは異なった物性を
有するものである。それにもかかわらず特にハードディ
スク装置用の防音材として優れた性能を有する。また、
第2〜5発明に特定された物性を有するフォームを使用
した場合も、同様に優れた防音材を得ることができる。
【0035】尚、第6発明のように連泡性フォームとし
て軟質ポリウレタンフォームを使用した場合は、より優
れた性能の防音材が得られる。更に、本発明の防音材
は、ハードディスク装置の所要箇所に適宜装着すること
ができるが、特に第7発明のようにハードディスク装置
の隔壁と回路基板との間に圧縮、介装して用いた場合に
より効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】物性の異なる軟質フォームについて、その1/
3オクターブバンド周波数と垂直入射吸音率との相関を
表すグラフである。
【図2】ハードディスク装置を使用し、防音材を使用し
なかった場合及び物性の異なる軟質フォームを防音材と
して使用した場合について、その1/3オクターブバン
ド周波数と騒音レベルとの相関を表すグラフである。
【図3】ハードディスク装置を使用し、軟質フォームを
防音材として使用した場合の騒音レベルの、防音材を使
用しなかった場合の騒音レベルとの差異と、防音材の通
気度との相関を表すグラフである。
【図4】図3とは異なったハードディスク装置を使用
し、図3と同様に騒音レベルの差異と、防音材の通気度
との相関を表すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安江 ▲匡▼生 愛知県安城市今池町3丁目1番36号 株式 会社イノアックコーポレーション安城工場 内 (72)発明者 大崎 和彦 愛知県安城市今池町3丁目1番36号 株式 会社イノアックコーポレーション安城工場 内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連泡性フォームからなるハードディスク
    装置用防音材において、上記連泡性フォームの密度は
    0.030g/cm3 以上、反発弾性率は40%以下、
    且つ通気度は5秒以上であることを特徴とするハードデ
    ィスク装置用防音材。
  2. 【請求項2】 上記密度は0.030〜0.250g/
    cm3 、上記反発弾性率は20〜40%、且つ上記通気
    度は5〜300秒である請求項1記載のハードディスク
    装置用防音材。
  3. 【請求項3】 連泡性フォームからなるハードディスク
    装置用防音材において、上記連泡性フォームの密度は
    0.030g/cm3 以上、25%圧縮応力は25〜3
    00g/cm2 、且つ通気度は5秒以上であることを特
    徴とするハードディスク装置用防音材。
  4. 【請求項4】 連泡性フォームからなるハードディスク
    装置用防音材において、上記連泡性フォームの密度は
    0.030g/cm3 以上、50%圧縮応力は50〜8
    00g/cm2 、且つ通気度は5秒以上であることを特
    徴とするハードディスク装置用防音材。
  5. 【請求項5】 連泡性フォームからなるハードディスク
    装置用防音材において、上記連泡性フォームの密度は
    0.030〜0.170g/cm3 、反発弾性率は21
    〜40%、25%圧縮応力は30〜100g/cm2
    且つ通気度は15〜50秒であることを特徴とするハー
    ドディスク装置用防音材。
  6. 【請求項6】 上記連泡性フォームは、軟質ポリウレタ
    ンフォームである請求項1乃至5のいずれか1項に記載
    のハードディスク装置用防音材。
  7. 【請求項7】 ハードディスク装置の、駆動部と制御部
    とを隔てる隔壁と、制御用回路基板との間に圧縮した状
    態で介装して用いられる請求項1乃至6のいずれか1項
    に記載のハードディスク装置用防音材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005274762A (ja) * 2004-03-23 2005-10-06 Inoac Corp 吸音材

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