JPH108246A - スパッタ方法及びスパッタ装置 - Google Patents

スパッタ方法及びスパッタ装置

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JPH108246A
JPH108246A JP16267696A JP16267696A JPH108246A JP H108246 A JPH108246 A JP H108246A JP 16267696 A JP16267696 A JP 16267696A JP 16267696 A JP16267696 A JP 16267696A JP H108246 A JPH108246 A JP H108246A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ターゲットの使用効率が高く、且つ長期安定
性に優れた工業生産に適したスパッタ方法及びスパッタ
装置。 【解決手段】 開口部を除いてターゲットで区画された
区画空間を形成し、該区画空間のターゲット表面近傍に
平板マグネトロンモード、同軸マグネトロンモード及び
対向モードの電磁界を形成すると共に、開口部に電子反
射手段を設けて、該区画空間内にスパッタプラズマを生
成し、開口部に対面配置した基板上に膜形成するスパッ
タ方法及びスパッタ装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパッタ方法及び
スパッタ装置に関し、更に詳しくは所定距離の空間を隔
てて対向配置した一対の第1のターゲットと該空間の開
口部を除いた側面を覆うように配置した第2のターゲッ
トとにより該空間を開口部を除いて区画された区画空間
に構成し、該区画空間内にスパッタプラズマを生成し
て、その開口部の前方に配置した基板上に薄膜を形成す
るスパッタ方法及びスパッタ装置の改良に関するもの
で、ターゲット使用効率及び基板への堆積効率が飛躍的
に高まった、強磁性材料や誘電体材料等を高速成膜で
き、微細加工やナノメーター粒子構造が精密に制御され
た薄膜を必要とする全ての産業分野に適用することので
きる、経済効果の優れたスパッタ方法及びスパッタ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】情報関連分野に使われる各種の薄膜の作
製技術としては、真空装置を用いる蒸着法やスパッタ法
が広く使用されている。特に、磁気記録媒体、光記録媒
体、デイスプレイ、半導体デバイス等の技術の進歩発展
に伴って薄膜特性の向上と生産効率の必要性が近年特に
高まっている。とりわけ、光学用途の誘電体材料、セラ
ミクス材料、磁性材料などでは薄膜を形成する技術とし
て、基板とスパッタ源とが対向した構造の各種スパッタ
法が使われているが、優れた特性の薄膜を制御良く形成
することが難しいことが多くの研究結果を通じて明らか
になってきた(J.Vac. Sci. Technol. A7(3), pp.1105-
1114,1989)。
【0003】従来の基板とスパッタ源が対向する方式の
2極のスパッタ法では、以下の問題がある。 (1) 基板とスパッタ源が対向する方式では形状や配置
の状態によりスパッタプラズマ領域や特性が影響を受
け、基板表面に均一なプラズマ条件で薄膜を作製するこ
とが難しい。 (2) 基板温度やスパッタガス圧の通常の範囲では、高
エネルギープラズマが不均一に基板表面を衝撃するた
め、気相から固体化する薄膜組織には粒界でのボイドや
粒内空隙、コンタミの内蔵等が生じ、特に粒界での欠陥
や残留応力の不均一化等を避けることができない。 (3) スパッタプラズマを生成する高エネルギー電子や
粒子が真空槽壁面に飛散し、真空槽壁面からスパッタさ
れた不純物が薄膜形成過程で混入しやすい。 この結果、半導体デバイスやデイスプレイに使われる導
電薄膜、誘電体薄膜ではエレクトロマイグレーションに
よる薄膜の断線、繰り返し応力による薄膜の破断、環境
ガスによる薄膜の腐食などの薄膜特性の劣化が生じ易
く、特に微細加工を必要とする産業分野では従来技術に
特有な微細構造欠陥の解決が強く求められている。
【0004】一方、この点を解決するためには超高真空
技術が用いられるが、一般には超高真空技術を必要とす
る薄膜形成プロセスでは極めて高価な設備を必要とす
る。これに対して、本発明者らは、新規な一対のターゲ
ットを対向させてスパッタプラズマを対向するターゲッ
ト間の空間に形成するスパッタ(対向ターゲット式スパ
ッタ)方法及び装置を、特公昭63-20303号、特公昭63-2
0304号、特公昭62-14633号等の公報で提案した。この技
術は、公知の通り、図10の構成を基本構成にしてい
る。すなわち、真空槽20内にホルダーH1,H2に取着して
所定距離の空間を隔てて対向するように配置されたター
ゲットT1,T2と、該空間の外縁部の側面を磁束が均一に
覆うように磁界を発生させるターゲットT1,T2のそれぞ
れの背面に設けた磁界発生手段M1,M2とからなるスパッ
タ部10を設け、その側方に設けた基板ホルダー41により
基板40を該空間に対面するように配置した構成になって
いる。なお、図のA1,A2は、保護のためのシールドであ
る。従って、図示省略した排気系により排気口50を通し
て真空槽20内を排気した後、図示省略したガス導入手段
により導入口61からアルゴン等のスパッタガスを導入
し、図示の如く直流電源からなるスパッタ電源30により
シールドA1,A2従って真空槽20をアノード(陽極)(接
地)に、ターゲットT1,T2をカソード(陰極)にしてス
パッタ電力を供給すると、スパッタ部10のターゲットT
1、T2の間にスパッタプラズマが形成されてスパッタが行
われ、基板40上にターゲットT1,T2の組成に対応した組
成の薄膜が形成される。
【0005】この際、前述の構成によりターゲットT1、T
2の面と垂直方向に磁界が形成されているので、ターゲ
ットT1、T2間の空間内に高エネルギーの電子が閉じ込め
られてスパッタプラズマが生成し、ここでのスパッタガ
スのイオン化が促進されてスパッタ速度が高くなり高速
の膜形成ができる。その上、基板40は前述の2極のスパ
ッタ装置の如くターゲットに対面せずターゲットT1、T2
の側方に配置されたているので、基板40へのイオンや電
子の衝突が非常に少なくなり、かつターゲットT1、T2か
らの熱輻射も小さく基板温度の上昇も小さくなる。よっ
て低温の膜形成ができる。このように、従来のマグネト
ロン式スパッタ法では高速成膜が困難であった磁性材を
含め各種材料を低温、高速で膜形成できる特徴を有し、
磁性薄膜、薄膜型磁気記録媒体等の製造に利用されてい
る。
【0006】しかし、通常この方式には矩形、円形のタ
ーゲットが用いられるがターゲットの形状に係わらず、
スパッタされて浸食されるターゲット表面についてはそ
の中心部に侵食が集中し易く、ターゲットの利用効率を
改善する必要があることが分かった(IEEE Trans on Ma
gnetics MAG-17, pp.3175-3177 (1981))。又、長方形
ターゲットを使用した場合には、ターゲット侵食パター
ンがターゲット中央部に対して非対称となり、基板の幅
方向においても膜厚分布が生じ、生産性及び薄膜の均一
性についても改善を必要とすることが分かった。これに
対して、本発明者らは特公平3-2231号公報及び特公昭63
-54789号公報において、ターゲット浸食特性をターゲッ
ト面全域に拡大する改良技術として、各ターゲットの外
側周囲に磁界発生手段の磁界発生部である磁極端部にコ
アを配置し、磁界をターゲットの周囲に発生させるよう
にした構成を提案した。この構成により、磁界はターゲ
ットを経由しないで直接対向して配置したコア間に形成
されるので、磁界分布がターゲット材の透磁率、飽和磁
化、ターゲットの厚みに影響されにくくなり、且つスパ
ッタプラズマ拘束用磁界がターゲット外周に沿ってその
外側周囲に形成され、その侵食領域がターゲットの中央
部から外縁周辺部まで拡大してターゲット利用効率が大
きく改善した。しかしながら、スパッタの際、放電電圧
が高くなり、高いスパッタガス圧でないと安定なスパッ
タができない欠点があることが分かった。更に、これを
解決するものとして対向ターゲット式スパッタ法の特長
であるプラズマ拘束条件をターゲット面全域に亘ってよ
り一層均一に発現させる技術を、本発明者らは特公平4-
11624号、特公平5-75827号等の公報で提案した。これら
技術はスパッタプラズマを生成・拘束する技術として従
来の対向ターゲット式スパッタにおけるターゲット面に
垂直な磁力線(磁場)に加えてターゲット面の外縁部全
周の近傍空間にターゲット面に閉じる円弧状の磁力線を
形成するとともに磁極端部近傍に電子を反射する電子反
射手段を設けることを特徴にしている。この技術におい
ては対向したターゲットの間の空間を飛び交う高エネル
ギー電子は該空間をドリフトするとともにターゲット外
縁部表面近傍の電磁界によりターゲット外縁部を全周に
亙って磁極に吸収されることなくドリフトするので全体
的にスパッタガスのイオン化効率が著しく高まり、前述
の問題の無い技術が実現した。
【0007】この結果、ターゲット全域に渡ってスパッ
タ効率を高めることが可能になった。この技術のスパッ
タ装置を用いて超高密度記録材料として期待されている
Co-Cr、Co-Cr-Ta等の合金薄膜をポリエチレンテレフタ
レート(PET)フィルムやポリエチレンナフタレート(P
EN)フィルムに形成した結果、150℃の低温基板に磁気
特性、微細構造ともに優れた磁性薄膜を作製できること
が確認された(J.Mag.Soc.Jpn.,18,Suppl.S1,pp.19-2,p
p.331-334、他)。本スパッタ技術により、基板とスパ
ッタ源が対向する従来のスパッタ法では実現できない微
細構造等の特性の優れた薄膜が形成できるとともに、タ
ーゲット全域で一様な侵食が可能になり、長方形ターゲ
ットを使用した場合にもターゲット侵食パターンのター
ゲット中央部に対する対称性も飛躍的に改善した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の特公平
4-11624号、特公平5-75827号等の公報で提案した改良さ
れた対向ターゲット式スパッタ装置においても、ターゲ
ット表面からスパッタされる反跳ガス粒子やスパッタ粒
子はターゲット間の空間の全ての側面から真空槽内に飛
散する状態には変わりない。このため、ターゲット全面
から均一にスパッタ出来、基板上に一様な膜厚分布の薄
膜を制御良く実現することは出来ても、ターゲットの側
方空間のうち基板に面する一部しか薄膜形成に使用でき
ないこと、真空槽壁に飛散した粒子により真空槽壁に内
蔵されるガスがスパッタ中に放出される結果、基板に形
成される薄膜の膜質が低下するといった従来スパッタ技
術に共通する課題を克服することはできない。これに対
しては、本発明者らは、以前に特公昭62ー14633号公報に
おいて、対向した第1のターゲット間の空間の基板に面
する開口部の側面を除いて他の側面に第2のターゲット
を配置して該空間を開口部以外が閉鎖された区画空間と
し、スパッタ粒子を基板方向のみに飛行させ、堆積効率
の向上を図った対向ターゲット式スパッタ装置を提案し
た。この装置ではそのスパッタ部の区画空間の構成から
上述のスパッタ粒子の利用効率の問題及び膜質低下の問
題が解消すると共に、対向ターゲット式の利点を生かし
つつ、第2のターゲットの表面近傍に表面に平行な磁界
が形成されることから、第2のターゲットにマグネトロ
ンスパッタと同じ効果が得られ、それだけ堆積速度も向
上する効果が得られる。しかしながら、本装置では第1
のターゲットのスパッタによる浸食が前述の第1のター
ゲット間の空間の全側面が解放されたものに比べてその
中心部に集中するため、ターゲットの使用効率が低下す
る問題、更にはそのため長期連続運転面で不利となる問
題があることが分かった。また、ターゲットの表面近傍
に高密度プラズマを形成するのに必要な電子の生成もし
くは供給が長期的に安定せず、工業生産に必要な長期安
定スパッタに問題があることが分かった。
【0009】本発明は、かかる従来のスパッタ法の課題
解決を目的するものであり、具体的にはターゲットの利
用効率が高く、且つ長期安定性に優れた工業生産に耐え
る生産性もよいスパッタ方法及びスパッタ装置を第1の
目的とするものであり、更には基板に入射するスパッタ
粒子の運動エネルギー及び入射方向を制御でき、高エネ
ルギー二次電子の基板表面衝撃を抑制すると共に薄膜形
成におけるイオン化粒子の衝撃エネルギーを制御できる
スパッタ方法及びスパッタ装置を第2の目的とするもの
で、区画されたプラズマ空間を形成する全てのターゲッ
トの表面近傍に高密度のスパッタプラズマを生成・拘束
できる新規なスパッタ方法及びスパッタ装置を提供する
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下のスパッ
タ方法とスパッタ装置の2発明からなる。本発明のスパ
ッタ方法は、所定距離の空間を隔てて対向配置した一対
の第1のターゲットと該空間の開口部を除いた側面を覆
うように配置した第2のターゲットとにより該空間を開
口部を除いて区画された区画空間に構成し、該区画空間
内にスパッタプラズマを生成して、その開口部の前方に
配置した基板上に薄膜を形成するスパッタ方法におい
て、該区画空間内に下記プロセスA〜Dを形成し、スパ
ッタプラズマを生成することを特徴とするスパッタ方法
である。 プロセスA:対向した第1のターゲット外縁部の全周に
沿って生成した環状の平板マグネトロンモードの電磁界
に拘束されてサイクロイド運動する二次電子によるガス
イオン化プロセス。
【0011】プロセスB:第2のターゲットの第1のタ
ーゲットに隣接する両側縁部表面近傍に沿って形成され
た線状の平板マグネトロンモードの電磁界に拘束され、
この電磁界の磁界に直交する方向の両端部で電子反射手
段により反射されてサイクロイド運動する二次電子によ
るガスイオン化プロセス。 プロセスC:第2のターゲットの表面の近傍空間に形成
された同軸マグネトロンモードの電磁界に拘束され、こ
の電磁界の磁界に直交する方向の両端部で電子反射手段
により反射されて該電磁界を往復しながらドリフトする
二次電子によるガスイオン化プロセス。 プロセスD:第1のターゲット間に形成された対向モー
ドの電磁界により拘束され、第1のターゲットで反射さ
れて第1のターゲット間をローレンツ力により移動しつ
つ往復する二次電子によるガスイオン化プロセス。
【0012】本発明の第2の発明であるスパッタ装置
は、所定距離の空間を隔てて対向配置した一対の第1の
ターゲットと該空間の開口部を除いた側面を覆うように
配置した第2のターゲットとにより該空間を開口部を除
いて区画された区画空間に構成し、該区画空間内にスパ
ッタプラズマを生成して、その開口部の前方に配置した
基板上に薄膜を形成するようにしたスパッタ装置におい
て、スパッタプラズマを拘束する磁界を発生する磁界発
生手段を第1のターゲットのそれぞれの外周に沿ってそ
の外側近傍に磁極が対向するように配置し、該磁界発生
手段により一対の第1のターゲットを囲む筒状の磁界
と、第1のターゲットの外縁部の表面近傍に前記磁極か
ら内側表面に円弧状に閉じた磁界と、第2のターゲット
の表面近傍にその表面と平行な磁界と、第2のターゲッ
トの磁界発生手段に隣接する両側縁部の表面近傍に前記
磁極から内側表面に円弧状に閉じた磁界とを形成すると
共に、磁界発生手段の該区画空間に臨む磁極端部及び第
2のターゲットの該区画空間の開口部端部に電子を反射
する電子反射手段を設けたことを特徴とするスパッタ装
置である。
【0013】本発明は、上記の通り、対向した一対の第
1のターゲットの間の空間の基板に面する側の開口部を
除いた全側面を第2のターゲットで囲んだ区画空間で、
電子反射手段を介して上記の各磁界に拘束された電子の
相互作用により各ターゲットのほぼ全表面に高密度プラ
ズマを生成・拘束し、全ターゲットの全表面のほぼ均一
なスパッタを実現したものである。すなわち、本発明
は、上記磁界により、各ターゲットの全表面に亘ってそ
の表面近傍の空間に高密度プラズマを形成するとして公
知の以下の各電磁界を形成し、これに電子を反射する電
子反射手段を組合せることにより各ターゲットの全表面
に亘って均一なスパッタを実現している。この電磁界の
その1は、従来技術で詳述の対向ターゲット式スパッタ
装置と同様の対向した第1のターゲットの間の空間を囲
む筒状又は柱状の磁界とターゲット表面近傍の電界とか
らなる対向モード電磁界である。その2は、平板マグネ
トロンスパッタ装置と同様の第1のターゲットの外周に
沿ってその外縁部表面の近傍に環状の電子拘束路を形成
する外周から中央部に渡る円弧状の磁界と表面近傍の電
界とからなる環状の平板マグネトロンモード電磁界であ
り、その3は、円筒状ターゲットの周囲にその表面に平
行のその軸方向の磁界と表面近傍の電界で拘束する同軸
マグネトロンスパッタ装置と類似の、具体的にはこの円
筒状ターゲットを平板ターゲットに展開した場合と同様
なターゲットの表面に平行な磁界と表面近傍の電界と該
磁界に直交する方向の両端部すなわち展開した方向の両
端部に設けた電子反射手段とからなる第2の各ターゲッ
トの中央部表面近傍に形成される同軸マグネトロンモー
ド電磁界、その4は、平板マグネトロンスパッタ装置と
同様の第2のターゲットの前記平行磁界の方向の両端の
側縁部に沿って線状の開いた電子拘束路を形成する外周
から中央部に渡る円弧状の磁界と表面に垂直な電界から
なる電磁界とその電子拘束路の両端に設けられた電子反
射手段とからなる線状の平板マグネトロンモード電磁界
である。
【0014】そして、本発明では、第1の両ターゲット
についてはその全面に亙って対向モード電磁界を、その
全周の外縁部に環状の平板マグネトロンモード電磁界を
形成して、前者でターゲットの中央部を、後者でその周
辺部を主としてスパッタし全面均一のスパッタを実現し
ている。また、第2のターゲットについてはそのほぼ全
面に亙って同軸マグネトロンモード電磁界を、その第1
のターゲットに隣接する両端に沿った側縁部には線状の
平板マグネトロンモード電磁界を形成して、前者でター
ゲットの中央部を、後者で周辺部の該両側縁部を主とし
てスパッタし全面均一のスパッタを実現している。そし
て電子反射手段により電子のシールド等への吸収を防止
して、安定なスパッタを実現している。上述の本発明に
おいて、磁界発生手段は、対向した第1のターゲットの
それぞれの外周に沿って磁極がターゲットの前面より区
画空間へ突き出し、異種の磁極が対向するように配置さ
れた磁石ユニット特に永久磁石の磁石ユニットとするこ
とにより、一対の磁石ユニットにより前記の全磁界が形
成でき、構成が非常に簡素となる点で好ましい。
【0015】また、本発明において、スパッタガス導入
手段は区画空間にスパッタガスを直接導入する構成が好
ましく、更には開口部から見た該区画空間の一番奥側に
スパッタガスを導入し、気相粒子密度に対応する圧力勾
配を区画空間内の奥側から開口に向かって生成する構成
がスパッタ粒子の移送面から好ましい。また、本発明に
おいて、ターゲットは全て矩形のターゲットを用いて、
一対の対向した第1のターゲットの間の所定空間の4側
面の内の開口部の側面を除いた3側面を3枚の第2のタ
ーゲットでコの字状に囲って区画し、該空間を直方体の
箱形空間からなる区画空間とした構成が幅の広い基板に
も対応でき、また製作面、コスト面等からも好ましい。
以下、本発明の詳細を説明する。なお、以下の説明では
この矩形ターゲットを用いた箱形空間を例に説明する
が、本発明がかかる矩形ターゲットに限定されないこと
は、本発明の趣旨、各構成の作用等から明らかである。
【0016】
【発明の実施の形態】ところで、本発明のスパッタプラ
ズマを拘束する磁界発生手段は、従来の対向ターゲット
と同じ対向した第1のターゲットで挟まれた区画空間の
側面を囲む磁束壁からなる対向モードの磁界(この磁界
は、同時に第2のターゲットに対しては同軸マグネトロ
ンモードの磁界となる)を形成するのに加えて、第1の
ターゲットの外縁部全周の表面近傍及び第2のターゲッ
トの第1のターゲットのそれぞれと隣接する側縁部の表
面近傍にその表面で閉じる円弧状の磁界からなる環状及
び線状の平板マグネトロンモードの磁界を形成する構成
を有するものであり、かかる磁界発生手段には、前述の
通り一対の対向したターゲットのそれぞれの外縁部の外
側の周囲に磁極をターゲット面から箱形空間に所定長突
出させて設けられた、N極とS極の磁極が箱形空間を介
して対向し磁力線が互いに吸引する磁極配置の磁石ユニ
ットからなるものが構成が簡単でコンパクトである点か
ら好ましく適用される。この磁界発生手段は、上述の通
り、スパッタプラズマ中の二次電子を箱形空間に拘束す
る磁力線を箱形空間の開口部及び第2のターゲットの表
面近傍空間に形成する。この磁力線は、第1のターゲッ
トに対して従来の対向ターゲット式スパッタ法と同じよ
うに箱形空間に対向モードのスパッタプラズマを生成す
ると共に、第2のターゲットに対しては同軸マグネトロ
ンモードの表面近傍空間のターゲット面と平行な磁力線
となり、表面近傍の電界及びこの磁力線と直交する方向
の両端部すなわちその開口部に臨む両端部の電子反射手
段と協同してスパッタで生じる二次電子を拘束してター
ゲット表面近傍空間に沿って移動させ、該両端部に到る
電子は電子反射手段で反転してこの電磁界に戻すことで
主としてターゲット表面中央部全域の近傍空間で一様に
ガスのイオン化を促進し高密度プラズマを該近傍空間に
生成する。
【0017】また、この磁界発生手段は、第1のターゲ
ットの外縁部表面の近傍空間及びこの第1のターゲット
に空隙を介して隣接する第2のターゲットの表面の両側
縁部の近傍空間に、それぞれの磁極からターゲット表面
に閉じた円弧状の磁力線を発生させるので、平板マグネ
トロン式スパッタ法と同様にスパッタにより生成する二
次電子をこの磁力線とターゲット表面近傍の電界からな
る環状及び線状の平板マグネトロンモードの電磁界によ
りサイクロイド運動させながらターゲットの外縁部及び
側縁部の各表面の近傍空間に拘束することができる。な
お、第2のターゲットの該両側縁部に形成される線状の
平板マグネトロンモードの電磁界はコの字状でその両端
は開口部に設けた電子反射手段で閉じ、この両端に到る
電子を反転させてこの電磁界に戻すようにしている。従
って、全体として全ターゲットの全表面に亙って高密度
プラズマが生成される。なお、全てのターゲットは、公
知のスパッタ装置と同様にスパッタ電力を供給するスパ
ッタ電源のカソードに接続される。
【0018】この結果、箱形空間を形成する各ターゲッ
ト表面はそれぞれほぼその全面からスパッタ粒子、反跳
ガス粒子及び二次電子を生成する。従って、全ターゲッ
トの全面がほぼ均一にスパッタされ、ターゲット使用効
率の高いスパッタが実現される。また、このターゲット
面から飛散するスパッタ粒子は、一部は再びターゲット
面に到りそこに堆積して更にスパッタされるものもある
が、殆どは開口部のみから飛散し開口部に対面する基板
上に高効率で堆積される。開口部以外に飛散する粒子
は、せいぜい隣接するターゲット間に存在する隙間具体
的には後述の例の高々数mmの空隙から飛散するもので
あり、実用上は殆ど無視できる程度のものであり、よっ
て従来のスパッタ装置で問題であった壁面のスパッタ、
壁面への堆積等は大きく改善される。。なお、磁界発生
手段の少なくとも箱形空間に臨む磁束を発生する磁極端
部及び第2のターゲットの開口部に臨む両端部には、プ
ラズマ中を移動して来る二次電子を反射する電位にした
電子反射手段を設ける。この構成により端部が開放され
た電磁界の開放端部具体的には開口部に臨む端部が閉鎖
され、この電磁界の電子拘束路の端部で電子が反転され
て電磁界に戻り、この端部からの電子の飛散が防止さ
れ、同軸マグネトロンモード及び線状の平板マグネトロ
ンモードのスパッタが第2のターゲットに実現されると
共にの磁極部での二次電子等の吸収が無くなりプラズマ
密度が更に向上する。
【0019】これらの電磁界に拘束された高エネルギー
の二次電子は、スパッタガスとの衝突でガスのイオン化
を生じると共にエネルギーを失って熱電子となる。この
熱電子は、プラズマ中の磁力線に強く拘束されつつ移動
しながら電子反射手段の外側空間に設けられているシー
ルドを兼ねたアノードに流入し、カソードとアノードに
加えた電力がプラズマ生成と熱に転換される。以上、本
発明は、ターゲット表面からプラズマ空間に生成される
高エネルギー二次電子を箱形空間に形成した上記の各電
磁界によって拘束し、スパッタガス粒子との衝突による
プラズマ密度の促進プロセスとこのプラズマをプラズマ
空間へ安定に拘束できる下記のプロセス(A、B、C、
D)を備えたことを特徴とし、このプロセスにより空間
電子に関する電磁気特性に従ってスパッタプラズマ空間
に実現する方法である。
【0020】A、対向した第1のターゲット外縁部の全
周に沿って生成した環状の平板マグネトロンモードの電
磁界の閉じた磁力線とターゲット表面近傍空間の電界に
拘束されてサイクロイド運動する二次電子によるガスイ
オン化プロセス:磁界発生手段が外周外側に空隙を隔て
て配置された第1のターゲット外縁部の表面近傍空間に
は平板マグネトロンスパッタと同様の表面に円弧状に閉
じた磁力線分布がターゲット面の周縁部に沿って形成さ
れ、二次電子の運動をこの磁力線分布により安定に拘束
できるので、二次電子密度分布に対応して高密度プラズ
マが安定に形成できる。 B、第2の3面の各ターゲットの第1のターゲットに隣
接する両側縁部表面近傍に沿って形成された線状の平板
マグネトロンモードの電磁界とこの電磁界の開口部面の
電子反射手段により二次電子をサイクロイド運動させな
がらイオン化するプロセス:第1のターゲット回りに設
けた磁界発生手段に隣接してコ字型に配置した3面の第
2のターゲットの該両側縁部の近傍空間には箱形空間の
開口部を除いて平板マグネトロンスパッタと同様のコの
字状に連続した磁力線分布が形成される。この結果、箱
形空間の開口部を除く3ターゲット面の該両側縁部に沿
って、二次電子の運動はこの磁力線分布での拘束と開口
部の電子反射手段での反転によって吸収又は飛散するこ
と無く安定に拘束できるので高密度プラズマが安定に形
成できる。
【0021】C、第2の3面の各ターゲットの前記プロ
セスBの両側縁部を除く全表面の近傍空間では同軸マグ
ネトロンモードの電磁界の磁力線に弦巻バネ状に拘束さ
れつつドリフトし、その両端部の開口部及び第1のター
ゲットの周囲に設けられた電子反射手段により反射され
て反転し、該近傍空間を運動する二次電子によるガスイ
オン化プロセス:第2の3面の各ターゲットの前記両側
縁部を除く全表面の近傍空間では磁界に直交する方向の
両端部すなわち開口部端の電子反射手段で閉じられた同
軸マグネトロンモードの電磁界(ターゲット表面に略平
行な平行磁力線と該表面近傍の電界)が二次電子に作用
し、二次電子は磁力線方向に弦巻バネ状に移動しながら
磁力線と直交する方向にターゲット面近傍空間をドリフ
トすると共にその開口部の端部ではそこに設けられた電
子反射手段により反射されて反転し再び該近傍空間を奥
側へと向かう。その結果、二次電子ビームはターゲット
表面の近傍空間に拘束され、高密度プラズマが安定に形
成できる。 D、第1のターゲット間の対向モードの電磁界により箱
形空間の第1のターゲット間を往復運動する二次電子ビ
ーム(群)がローレンツ力により移動しつつガスとの衝
突によるガスイオン化プロセス:対向モードの箱形空間
の開口部を含む外縁部を囲んで形成した磁力線に弦巻バ
ネ状に拘束されてターゲット面間を往復運動する二次電
子ビーム(群)にはローレンツ力が作用し、磁界発生手
段で形成する磁力線と直交した力を受けてプラズマ空間
をドリフトする。質量の無視できる高エネルギー二次電
子は箱形空間の開口部に設けた磁力線と電子反射手段に
よってプラズマ空間に拘束することができるため、軌道
を変えた二次電子ビームはプロセスA、B、Cの電磁界
で安定に拘束されプラズマが安定に形成できる。
【0022】本発明では、二次電子を拘束するプロセス
A、B、Cは箱形空間を形成する5個のターゲット面近
傍の各空間に従来技術におけるマグネトロンスパッタと
同様のマグネトロンモードの電磁場を形成することで実
現しており、磁力線分布特性は空間で100ガウスを越え
る強さで良い。また、プロセスDは従来技術における対
向ターゲット式スパッタと同様の対向モードの電磁場に
比較して強めにする方が好ましいが磁力線分布特性は磁
極面近傍で500ガウスを越える強さがあれば、箱形空間
の間隔を広くとる場合にも安定に電子を拘束できる。電
子ビームがローレンツ力で箱形空間を第1のターゲット
間を往復しながらドリフトするプロセスDから、磁界発
生手段の磁極近傍空間にあるプロセスA、Bとの境界領
域に電子ビームが至るとこの空間における強い磁場によ
ってサイクロイド運動するプロセスA、Bに一部の電子
は拘束され、残りの電子は反転して第1のターゲット間
を往復運動するプロセスDに再び拘束されながらプラズ
マを生成する。また、箱形空間の開口部まで所定の運動
をしつつ移動するプロセスB、Cにおける二次電子の大
部分はその開口部面の電子反射手段で反射されて反転し
て再びプロセスB、Cに戻り、一部は開口部空間に形成
しているプロセスA、Dの磁力線分布に拘束されてプロ
セスA、Dに移る。すなわち、プラズマ空間に二次電子
を拘束するプロセスA〜Dでは、それぞれのプロセスで
安定に二次電子を相互に補完し合って拘束する電磁場空
間を構成している。以上、ターゲットで囲まれた箱形空
間を運動している二次電子にはプロセスA〜Dが相互に
関連して作用するため電子ビームの動作が箱形空間で動
的に移動しながらターゲット全面に一様に拘束できると
いう、これまでのスパッタプラズマ生成技術と異なるプ
ロセスで電子を効率良く拘束できる新規な構成を特徴に
している。
【0023】なお、ターゲット面からスパッタされた粒
子を箱形空間の開口部から基板を配置した方向の空間に
飛散しやすくするため、箱形空間の開口部からその外側
へガスが流れるように排気して高真空状態を形成し箱形
空間とその外側の真空糟内空間には圧力差を持たせて粒
子の搬送効率を高めるのが好ましい。また、ターゲット
表面近傍のスパッタガス粒子密度が希薄化される従来技
術の問題に対しては、スパッタガス粒子を箱形空間に直
接供給することにより解決し、ターゲット面近傍での粒
子密度分布を動的に安定化した状態で二次電子との衝突
確率を調節することも可能になった。すなわち、本発明
は、蒸着技術における蒸発源近傍での高密度蒸発粒子を
高真空空間に飛散させるプロセスと同様に、スパッタプ
ロセスにおいて区画されたプラズマ空間に高密度で高エ
ネルギー粒子を生成し、区画空間外の高真空空間に配置
した基板面に開口部を介してスパッタ粒子を移送できる
新規な技術である。開口部に例えば数ミリメーターの厚
さの板に一様に穴を設けたコリメートプレートを設ける
ことにより、コリメートプレートを通過する粒子はコリ
メートプレートのほぼ全面に渡って一様な方向の粒子を
形成できる。
【0024】すなわち、本発明では箱形空間を形成する
5個のターゲットユニットによる高密度スパッタプラズ
マの生成と制御に関して、ア)各々のターゲット表面近
傍にサイクロイド又は弦巻バネ状に二次電子の運動を拘
束する電磁界の環境を形成し、イ)各ターゲット表面か
ら箱形空間に飛散した二次電子をターゲット面での電子
反射とローレンツ力により空間電子の軌道を規制する電
磁界の環境を形成し、かつ、ウ)箱形空間の開口部では
二次電子を反射させて箱形空間内のプラズマ空間に拘束
する電磁界の環境を整えることにより、5面のターゲッ
トから生成した高エネルギー二次電子を箱形空間に安定
に拘束・制御するとともに、ターゲット表面近傍空間の
スパッタガス粒子密度と粒子の運動エネルギーを調節す
ることができる高密度スパッタプラズマ制御方法であ
り、箱形空間内のプラズマに生成した高エネルギー粒子
を含む広範囲のエネルギー粒子を開口部を介して高真空
空間に配置した基板表面に目的に応じた入射方向やイオ
ンプラズマ衝撃に制御して堆積できる装置を特長として
いる。以下に本発明を矩形ターゲットを用いた実施例に
基づいて詳細に説明する。
【0025】[実施例]図1は実施例のスパッタ部の全
体構成の示す斜視図、図2は図1のA−B線での側断面
図、図3は図1のCーD線での側断面図、図4は磁界発
生手段の磁力線分布の説明図、図5はターゲット外縁部
及び側縁部の磁力線分布の説明図、図6は第1のターゲ
ットユニットの概略側断面図、図7はそのA−B線での
断面図、図8は第2のターゲットユニットの概略側断面
図、図9はそのA−B線での断面図で、図10は従来の
対向ターゲット式スパッタ装置の全体の概略説明図であ
る。本実施例は、図10に示す、前述の従来技術の項で
詳述した従来の対向ターゲット式スパッタ装置と基本構
成は同じである。すなわち、本実施例は、この従来の対
向ターゲット式スパッタ装置において、スパッタ部10を
図1〜図3に示す開口部SFを除いて閉鎖されたスパッタ
部10とし、その開口部SFが基板40に対面するように支持
部材を介して真空槽20に配置すると共に、図10の供給
口61及び排気口50を閉鎖して、ガス導入手段の吹き出し
細管60によりスパッタ部10の空間に直接スパッタガスを
供給するようにし、基板40後方の近傍に排気口を設けて
基板40の後方から排気するように構成し、その他の構成
は同様としたものである。従って、以下、本発明の特徴
部であるこのスパッタ部10を中心にその詳細を説明し、
基本動作等従来技術で説明した点は説明を省略する。
【0026】本実施例のスパッタ部10は図1〜図3に示
すように構成されている。すなわち、一面が開口部SFの
箱体11の各側壁に、第1のターゲット110ー1、2を前面に
備えたターゲットユニット100ー1、2を該ターゲット110ー
1、2が対向するように取り付けると共に、第2のターゲ
ット110ー3、4、5を前面に備えたターゲットユニット100ー
3、4、5を該ターゲット110ー3、4、5が空間に面し、その側断
面が図2に示すようにコの字状になるように取り付け、
区画された箱形空間12を形成した構成となっている。そ
して、第2のターゲット110ー3、4の開口部SFに臨む両端
部には、図1、図2に示すように、電子反射手段の板状
の導電体からなる開口部反射板140ー6、7が設けられてい
る。この開口部反射板140ー6、7は、第2のターゲット110
ー3、4、5の表面近傍に形成される前述のプロセスB、Cの
平板マグネトロンモード、同軸マグネトロンモードの各
電磁界の開放された開口部の端部を塞ぐためのものであ
り、よってその大きさは両モードの電磁界の有効範囲を
覆うものであればよい。通常、幅は第2のターゲット11
0ー3、4の幅以上であればよく、高さは第2のターゲット1
10ー3、4の前面から数mm〜10mm前後突き出る高さであれ
ばよい。
【0027】箱体11は、ステンレス、アルミ合金等の導
電性材料からなる、所定の強度を有する箱形構造体で構
成されている。箱体11の各側壁の適当な箇所には、ター
ゲットユニット100ー1〜5と接続をする真空槽外部に設け
ているスパッタ電源、電子反射電極用電源、スパッタガ
ス源、ターゲット冷却装置等との接続機構(図示省略)
が設けられている。箱体11の各側壁は、ターゲットユニ
ット100ー1〜5の取付け部と開口部SFを除いて、図示の閉
じた構造が好ましい。この構造により、箱形空間12から
開口部SF以外の方向にスパッタ粒子が飛散することを防
ぐことができるので、従来のスパッタ技術で問題になっ
ている真空糟壁面からの不純物粒子が薄膜に混入するこ
とを防ぐことができる。
【0028】第1のターゲットユニット100ー1、2は、図
6、図7に示すように構成されている。ここではターゲ
ットユニット100ー1の例を示す。なお、ターゲットユニ
ット100ー2は、ターゲットユニット100ー1とは後述する磁
界発生手段の磁石ユニットの磁極配置が逆となっている
点を除いて同じ構成である。ターゲット110-1は、ユニ
ット取付板150ー1に電気絶縁材からなる絶縁ブロック161
ー1を介して固定された冷却台130ー1の前面にボルト等に
より取り外し可能に取着されている。冷却台130ー1はス
テンレス等の熱伝導性の良い材からなり、前面に図7に
示すようなジグザグの連続した冷却溝131-1を全面に亘
って設けた構成で、ターゲット110ー1をその前面に取着
すると冷却ジャケットが形成される構成となっている。
冷却台130-1のこの冷却溝131ー1には、両端の供給口132-
1と中央部の排出口133ー1に図示省略した冷却配管が接続
され、冷却媒体の循環により直接ターゲット110-1 の全
面を冷却するようになっており、非常に効率良く冷却で
きる。なお、ターゲット110-1の冷却台130-1への取付は
具体的には本例ではその外周に沿って所定間隔で植込み
ボルトにより固定しており、その取着面は当然のことな
がらパッキン(図示せず)を介してシールされている。
【0029】本実施例では磁界発生手段の磁石ユニット
120ー1は、ターゲット110ー1の外周に沿ってこれと所定
(通常は数mm)の空隙Gを隔てて配設された多数の棒状
の永久磁石121-1とその前面の磁極面に設けたパーマロ
イ等の軟磁性材からなる板状のコア122-1とから構成さ
れる。この磁石ユニット120ー1は、磁石ホルダーを兼ね
た電子反射手段の反射ユニット140ー1に収納されてい
る。反射ユニット140ー1は、銅、アルミ、ステンレス等
の導電材からなり、磁石ユニット120ー1を収納する収納
部を兼ねた本体部141ー1と、この本体部141ー1の先端前面
に設けられた反射プレート142ー1とからなり、電気絶縁
材からなる絶縁ブロック162ー1を介してユニット取付板1
50ー1に取着されている。なお、反射プレート142ー1は、
空隙G及びターゲット110ー1の取付部を覆うように、そ
の外縁部迄その全周に亘って設けられている。この反射
プレート142ー1は、ターゲット110ー1の取付部のボルト等
がスパッタされるのを防ぐと共に、本体部141ー1とター
ゲット110-1側面との空隙Gにスパッタ粒子が飛散して
堆積し、ターゲット110-1と反射ユニット140ー1との電気
絶縁或は絶縁ブロック161-1、162-1表面の電気絶縁の状
態が低下することを防止する。この点から空隙G及びタ
ーゲット110-1の少なくとも取付部を含む外縁領域を遮
蔽する図示の構成が好ましい。また、反射ユニット140ー
1にはスパッタ粒子や反跳ガス粒子の衝突による温度上
昇が考えられるので永久磁石120-1の温度上昇に伴う磁
界強度の低下を防ぐために少なくとも本体部141ー1を冷
却細管配設、ジャケット付設等の冷却可能な構造にする
のが好ましい。
【0030】なお、この反射プレート142ー1は電子を反
射する電位に保持された電子反射手段であり、電子反射
機能を有し、二次電子を箱形空間12に反射する。なお、
反射プレート142ー1、2をパーマロイ等の透磁率の高い材
料とすることにより、反射プレート140ー1、2が磁極端部
となり、二次電子を拘束する磁界分布を強めることがで
きる。取着板150ー1には、スパッタ電源、ターゲット冷
却装置、電子反射用電源等との接続部、或いは、プラズ
マモニター用センサー等スパッタプラズマ生成と制御に
関わる部品、デバイスを設けることができる。第2のタ
ーゲット110ー3、4、5のターゲットユニット100-3、4、5は図
8、図9に示す構成となっている。尚、図はターゲット
ユニット100-3について示してあり、以下これに基づい
て説明する。このターゲットユニット100-3は、図から
明らかな通り、磁石ユニット120ー1を有しない点を除く
と前述した図6、図7の第1のターゲットユニット100ー
1、2と同じである。すなわち、取着プレート150ー3に、絶
縁ブロック161ー3を介して冷却台130ー3を設け、この前面
にターゲット110ー3を取着すると共に、この冷却台130ー3
及びターゲット110ー3の周囲をこれと所定の空隙Gを隔
てて取り囲むように反射ユニット140ー3を絶縁ブロック1
62ー3を介して設けた構成となっている。
【0031】ところで、この第2のターゲットユニット
100ー3では、反射ユニット140ー3の本体部141ー3は磁石ユ
ニットを収納する必要がないので、前述の第1のターゲ
ットユニット100ー1、2とは異なり、単なる板状体で構成
されている。なお、その先端部には、第1のターゲット
ユニット100ー1、2の反射プレート142ー1と同様に、空隙G
及びターゲット110ー3の取付部を覆うようにターゲット1
10ー3の外縁部に所定長突き出すように折り曲げられた反
射プレート142ー3が設けられている。以上の5組のター
ゲットユニット100-1〜5は、前述のように、図1に示す
ように箱体11の側壁に取着プレート150-1〜5をその外周
に沿って外側からボルト等で固定することにより取り外
し可能に取着される。なお、図2、図3に示すように、
各ターゲットユニット100-1〜5の周囲には数ミリメータ
ー空隙を介してシールドプレート13を設ける。このシー
ルドプレート13は箱体11と同電位であり、アノードとし
て電子を吸収し、ターゲットユニット100-1〜5の周囲が
スパッタされるのを防止する。また、図2に示すように
箱形空間12の開口部SFからみて奥側のターゲットユニッ
ト100ー5の外周の奥側近傍にその全周に沿ってガス導入
手段の吹き出し細管60が配設されている。この吹き出し
細管60は、所定間隔で細孔が設けられ、ガスを吹き出す
ようになっている。ガスの排気は、前述の通り、本例で
は基板40の後方から行うようになっている。
【0032】以上の構成の作用を以下説明する。図4は
本構成の基本的なの磁力線分布の関係を示すモデル説明
図であリ、図5は、ターゲットの外縁部の磁力線分布と
これに拘束された電子の拘束路の説明図である。本構成
では、図4のモデル図のように、磁石ユニット120ー1、2
は、前述の図6、図7の通り、第1の対向した矩形のタ
ーゲット110ー1、2の外周に沿ってその外側に所定の空隙G
を介して配置されている。その磁極配置は互いに吸引す
るN極とS極が対向する配置となっている。その磁極端
部は具体的には前述のコア122ー1、2又は反射プレート142
ー1、2が磁性材の場合は反射プレート142ー1、2となるが、
図6に示すようにターゲット110ー1、2の前面より箱形空
間12側に所定長dだけ突出して設けられている。
【0033】この配置により、磁石ユニット120ー1、2
は、以下の磁力線分布を生成する。その1は、空間及び
ターゲット110ー1〜5を介して生成するそれ自身に閉じた
半円状の磁力線分布FD21、FD22に基づく、第1のターゲ
ット110ー1、2の外縁部全周に亙ってその近傍空間に環状
に形成されるプロセスAの図示のターゲット110ー1、2の
表面に閉じた平板マグネトロンモードの円弧状の閉鎖磁
力線FD211、FD221である。その2は、該磁力線分布FD2
1、FD22及び磁石ユニット120ー1のN極から空間及び第2
のターゲット110ー3、4、5(3、4は図示省略)を介して磁石
ユニット120ー2のS極に向かう磁力線分布に基づく、第
2のターゲット110ー3、4、5の磁石ユニット120ー1、2に隣接
する側縁部の近傍空間に形成される線状の平板マグネト
ロンモードの図示のターゲット110ー5の表面に閉じた円
弧状又は逆方向の円弧状の閉鎖磁力線FD215、FD225等で
あり、この第2のターゲット110ー3、4、5のそれぞれの該
側縁部に沿った線状の磁力線分布が図5に示すように連
なって全体としてプロセスBのコの字状の拘束路S2が形
成される。その3は、対向ターゲット式スパッタ法と同
様の第1のターゲット110ー1、2の間の箱形空間の側面を
取り囲む、磁石ユニット120ー1のN極から空間を介して
磁石ユニット120ー2のS極に向かうプロセスDの対向モ
ードの磁力線分布FD11、FD12である。この磁力線分布FD
ー11、FDー12のうち第2のターゲット110ー5の表面近傍に形
成される磁力線分布FD12(図示してないがターゲット11
0ー3、4の表面近傍にも同様の磁力線分布が形成される)
は、同時に第2のターゲット110ー3、4、5のそれぞれの前
面近傍のプロセスCの同軸マグネトロン式モードの磁力
線分布となる。この同軸マグネトロン式モードの磁力線
分布は、100ガウス以上の磁界において同軸マグネト
ロン式スパッタ法の磁力線と同様に電子をターゲットの
表面近傍に拘束する作用をする。
【0034】ところで、磁界強度に対応する磁力線の密
度は磁極からの距離の2乗に反比例する性質がある。タ
ーゲット110ー3、4、5の中央部における磁界の低下に対応
して、ターゲット中央部で生成する二次電子を同軸マグ
ネトロンモードで拘束する比率が減少すると共に対向モ
ードで拘束する比率が増加することになる。また、磁力
線密度は透磁率の異なる材料の影響を受ける。従って、
磁石ユニット120ー1、2 とターゲット110ー1〜5とを空隙を
介して配置することにより、磁極近傍空間にはターゲッ
ト110ー1〜5の材質に関係せず強い磁界が形成され、かつ
その分布特性は磁石ユニット120ー1、2とターゲット110ー1
〜5との間の幾何学的配置によって決定できることにな
り次の作用を発現できる。
【0035】1)磁石ユニット120ー1、2に空隙Gを介して
周囲を囲まれた1対の矩形ターゲット110-1及び110-2の
外周の近傍空間にターゲット面と垂直なプロセスDの対
向モードの磁力線分布FD11、FD12を形成することにより
箱形空間12に生成された二次電子が対向ターゲット式ス
パッタ法と同様にターゲット110-1と110-2との間を往復
する過程でビーム状となってローレンツ力を受けて移動
しつつガスとの衝突によりイオン化を促進する。なお、
このプロセスDのイオン化プロセスを促進し、かつ安定
に維持する点から、図6に示すように磁石ユニット120ー
1、2の周囲を電子を反射する電位の反射ユニット140ー1、2
で囲い、磁石ユニット120ー1、2への電子の吸収換言すれ
ば流れを防止することが好ましい。
【0036】2)対向した1対のターゲット110ー1、2の
前面の外縁部の全周の近傍空間にターゲット表面に閉じ
たプロセスAの平板マグネトロンモードの円弧状の磁力
線分布FD211、FD221を形成することにより平板マグネト
ロンスパッタ法と同様に矩形のターゲット110ー1、2の外
縁部全周すなわち図5の環状の拘束路S1を二次電子がサ
イクロイド運動しながら移動してスパッタ用ガスとの衝
突によりガスのイオン化を促進する。なお、磁石ユニッ
ト120ー1、2の磁極端部具体的にはコア122ー1、2をターゲッ
ト110ー1、2の前面より数ミリメーター程度の突出し長d
を有する配置とすることにより、一つの磁石ユニット12
0ー1、2により上記の磁力線分布FD211、FD221及び前述の
対向モードの筒状の磁力線分布FDー11、FDー12が形成でき
る。これら閉じた磁力線分布FD211、FD221とターゲット
110ー1、2の表面近傍の電界とで前述の通り平板マグネト
ロンモードの電磁界が形成され、その作用で、スパッタ
により生じた二次電子を拘束するすることはもちろん、
箱形空間12をローレンツ力を受けてターゲット端部に移
動する二次電子の一部も拘束することは上記図4に示す
磁力線分布から明らかである。
【0037】3)図1、図2に示すように、磁石ユニッ
ト120ー1、2の外側にコの字状に配置した第2の3個の矩
形ターゲット110-3〜5の磁石ユニット120ー1、2に隣接す
る両側の2つの側縁部の表面の近傍空間には磁石ユニッ
ト120ー1、2により図5に示すようにプロセスBの平板マ
グネトロンモードのターゲット110-3〜5のそれぞれの表
面に閉じた円弧状の磁力線FD213(図示せず)、FD214、
FD215が形成され、第1のターゲット110ー1、2の夫々の外
周の3辺に沿って箱形空間の開口部端まで連続したコの
字状の線状の図5に一点鎖線で示す拘束路S2が形成され
る。この拘束路S2は、その両端の開口部SFにおいて開口
部反射板140ー6、7により閉じられている。従って、該拘
束路S2をドリフトして開口部SFに到った二次電子は、開
口部反射板140ー6、7で反射されて反転し、再び拘束路S2
を逆方向にドリフトするので、コの字状の第2のターゲ
ット110-3〜5の前記外縁部に沿って連続して形成された
磁力線分布FD213(図示なし)、FD214、FD215等は第1
のターゲット110ー1、2に形成される環状の磁力線分布FD2
11とFD221の電磁場による二次電子拘束と同様の作用を
する。すなわち、コの字状に配置した第2のターゲット
110-3〜5の両側の該側縁部の電磁場では平板マグネトロ
ンスパッタ特有な安定なサイクロイド運動による高密度
プラズマ形成をする環境が形成されることが判る。 4)磁石ユニット120ー1、2の外側にコの字状に配置した
第2の3個の矩形ターゲット110-3〜5の各前面には、箱
形空間12の奥側のターゲット110ー5について図4に示す
ように、その側縁部を除いた中央部表面の近傍空間を経
由して磁石ユニット120ー1の磁極端部であるコア122ー1か
ら磁石ユニット120ー2の磁極端部であるコア122ー2に向か
う同軸マグネトロンモードの磁力線分布FD12が形成され
ている。この同軸マグネトロンモード磁力線分布は、そ
の他の第2のターゲット110ー3、4の前面近傍にも形成さ
れ、これらが連なってコの字状のシート状の電磁界空間
が形成され、その両端は開口部SFにおいて開口部反射板
140ー6、7で閉じられている。
【0038】この第2の3個の矩形ターゲット110-3、4、
5の各々の前面の近傍空間に形成しているこの表面と平
行な磁力線分布(図4のFD12)は、図4に示すようにタ
ーゲット110-5の材質による透磁率の違いにより開口部S
Fに形成している磁力線分布FD11とは異なる場合があ
る。この磁力線分布FD12の特性は、ターゲット110-3、4、
5と磁石ユニット120ー1、2との配置により調節できる。具
体的には図3に示す空隙hを変えることにより、磁力線
分布FD12の他、コの字状の第2のターゲット110ー3、4、5
の側縁部の表面の近傍空間に形成するFD214、FD215、FD22
5等の磁力線分布を調節できる。第2のターゲット110ー3
〜5の表面近傍の電界と磁力線FDー12からなり、その両端
を開口部反射板140ー6、7で閉じられた電磁界に拘束され
て移動する二次電子は、磁力線FDー12に沿って弦巻バネ
状にターゲット110ー3〜5の表面近傍を移動し、ターゲッ
ト110ー1表面や反射プレート142ー1ともう一方のターゲッ
ト110ー2表面や反射プレート142ー2とで反射されてその間
の表面近傍のプラズマ空間を往復しつつ、ドリフトする
過程でスパッタガス粒子との衝突確率を高め、イオン化
を促進する。すなわち、両端を開口部反射板140ー6、7で
閉じられた第2のターゲット110ー3〜5の各々の表面近傍
に形成されるターゲット表面とほぼ平行な磁力線FDー12
と表面に垂直方向の電界からなる電磁界空間は、開口部
反射板140ー6、7により両端に到った電子を反転して該電
磁界空間に戻して循環させる。なお、反射方向によって
その一部は、対向モード等他の電磁界へ移動する。従っ
て、この電磁界空間は、筒状のターゲットの周りの近傍
空間にその軸に平行な磁界と表面に垂直な電界からなる
電磁界を形成して電子を軸方向に移動しつつ周方向に循
環させてイオン化を促進させるようにした同軸マグネト
ロンスパッタ法の筒状ターゲットを平板に展開した時の
同軸マグネトロンスパッタ法の電磁界空間と同様になっ
ており、同軸マグネトロンスパッタ法と同様の作用をす
る。具体的には、開口部反射板140ー6、7は、ターゲット1
10ー3、4の表面より10ミリメートル程度箱形空間側に突
き出るように設けることにより、本電磁界に拘束されて
開口部端にドリフトしてくる電子を確実に本電磁界に戻
す一方、その反射方向によっては対向モードの開口部SF
の磁力線FDー11等に移動させ、全体として効果的なイオ
ン化を行う。
【0039】なお、この第2のターゲット110ー3〜5の前
面の同軸マグネトロンモードの電磁界の磁界方向の両端
は、第1のターゲット110ー1、2及び反射プレート142ー1、2
で閉じられており、又その両端部には前述のプロセス
A、Bの平板マグネトロンモードの電磁界が形成されて
いるので、両端に到った電子は前者で反転されて戻る
か、プロセスB、場合によりプロセスBの電磁界に移
り、軸方向の両端に電子反射プレートを設けた同軸マグ
ネトロンスパッタ法と同様に全体として効果的なイオン
化が行われる。以上、磁力線FDー12に沿って弦巻状に運
動しながら磁力線FDー12に直交する方向にドリフトする
二次電子は、一部はドリフト中に両側の側縁部の磁力線
FD214、FD215等からなる平板マグネトロンモードの電磁
界に移動し、その他はそのままコの字状の第2のターゲ
ット110ー3〜5の表面に沿って移動し、開口部SFに到る。
この開口部SFにおいてはそこに設けた開口部反射板140ー
6、7により二次電子は反射されて反転し、元の電磁界を
逆進し、或いは反射方向により開口部SFに形成されてい
る磁力線FD11、FD211、FD221に拘束されて、箱形空間12に
環流する。磁力線FD11に拘束される二次電子は、ローレ
ンツ力を受けてターゲット110ー1と110ー2の面間を往復す
る対向モードに移動する。磁力線FD211、FD221に拘束さ
れる二次電子はローレンツ力を受けてターゲット110ー1
と110ー2の外縁部を環状にドリフトする平板マグネトロ
ンモードに移動する。
【0040】以上、本例では、ターゲット表面から飛散
する二次電子は、対向モード、平板マグネトロンモー
ド、同軸マグネトロンモードの電磁界でターゲット表面
及び箱形空間に拘束されると共にローレンツ力、サイク
ロイド運動でドリフトし、開口部SFに到る電子は、開口
部に設けた電子反射手段及び磁力線により箱形空間に環
流することのできるプロセスを安定に行う技術が実現さ
れる。なお、拘束路S1、S2を移動する電子の軌道は、タ
ーゲット表面より約10ミリメートル程度迄の高さに拘
束されると算定される。従って、上述の如く開口部SFに
設ける開口部反射板140ー6、7は、ターゲット表面より1
0ミリメートル程度突き出すものが適用が広く好ましい
が、その形状は磁力線分布との共同で十分二次電子が箱
形空間に環流する機能が発現されれば良く、開口部反射
板140ー6、7の巾は、開口部SFの大きさ、基板の大きさ等
とも関連し、これらの点を考慮して決められる。
【0041】本発明では箱型プラズマ空間に生成される
二次電子をローレンツ力とターゲット表面近傍空間の電
磁場により安定に拘束、制御することでスパッタプラズ
マ密度をグロー放電相当にまで高めてもスパッタ粒子を
区画空間から開口部を通して安定に移送できることは明
らかである(Glow Discharge Processes: Chapman著、W
iley Interscience刊)。ターゲット面を箱型に配置し
た構造であるため、スパッタされた粒子や反跳ガス粒子
は他のターゲット表面に弾性衝突して方向変換やエネル
ギー交換をするとともに二次電子や他の粒子との衝突確
率を高めることが期待される。ターゲット表面との衝突
で運動エネルギーを減じたスパッタ粒子が電子衝撃でイ
オン化された場合にはカソードのターゲットの表面近く
のカソードシースに生成されている電界によってスパッ
タ粒子が拘束され易くなり、他のスパッタ粒子との衝突
や電子衝突、更に高密度プラズマ空間での衝突回数の増
加によるスパッタガス粒子及びスパッタ粒子をイオン化
する確率が増加する。基板背後から高真空に排気するこ
とにより、スパッタされた粒子が基板に移送される過程
では一様に断熱膨張相当の環境を形成できるため粒子の
方向を揃えたクラスター状の粒子生成も本発明の技術で
は期待できる。特に、開口部に後述のコリメートプレー
トを設ける場合には、箱形空間に生成した高密度スパッ
タ粒子をコリメートプレートを介して高真空空間に飛散
する過程では圧力差を任意に調節することができる。従
って、高エネルギー粒子の状態を保持したままクラスタ
ー生成が容易に可能となる。
【0042】一般に、スパッタにより生成された高エネ
ルギー二次電子は電磁場に拘束されてスパッタガス粒子
に衝突することにより、ガス粒子のイオン化とガス粒子
からの二次電子放出が生じる。プラズマ空間でのカソー
ド表面すなわちターゲット表面に生成される強い電界区
間は数ミリメーターであり、イオン化されたガス粒子が
ターゲットをスパッタするためにはターゲット表面の近
傍空間に電磁場を形成し、ターゲット表面の近傍空間に
高エネルギー二次電子を拘束するとともにスパッタガス
粒子をプラズマ空間に供給する技術が、スパッタプラズ
マ密度を高めて高速薄膜形成を行うための必要条件であ
る。本発明による電磁場形成技術では5面ターゲット表
面近傍の電磁場形成と開口部での電子拘束及び電子反射
の電磁場を同時に箱形空間に形成できるので、該必要条
件が容易に満たされ、本発明の目的を達成できる。以上
の通り、本例では、スパッタプラズマの発生とその封じ
込めは、5組のターゲットユニット100ー1〜5を数ミリメ
ーターの間隙を介して配置することにより形成される図
1に示す箱形空間12で行われ、その開口部SFの前方に
配置する基板40にはプラズマ空間で生成されたスパッタ
粒子やイオン化された粒子が飛散して堆積し、薄膜が形
成される。この構成において、箱体11の開口部SFには基
板表面へ堆積するスパッタ粒子やガス粒子の流れを抑制
する移動可能な遮蔽板や、絶縁材を介して電界を調節す
るグリッドを設けることができる。遮蔽板を用いてスパ
ッタ開始の際、ガス圧を高めてスパッタプラズマを箱形
空間12に容易に生成するだけでなく、大気に晒したター
ゲット表面を清掃する等の効果がある。金属メッシュを
絶縁材を介して設け、その電位を調整することにより、
真空管におけるグリッドと同様な電界が開口部SFに形成
され、イオン化された粒子の運動エネルギーを微妙に制
御することが可能になる。
【0043】また、開口部SFからのスパッタ粒子の移送
方向を厳密に制御するにはコリメートプレートを設ける
とともに基板40を配置した空間を高真空にすればよい。
本発明では箱形空間12の開口部SFから見た奥行きD13
(図2参照)を調節し、プラズマ空間を遮蔽するコリメ
ートプレートと基板との間の真空度を高くすることによ
り運動エネルギーの高い且つ方向の揃ったすなわち方向
性に優れた粒子による薄膜形成が効率良く、かつ高速で
可能になる。例えば、集積度の高い半導体やデイスプレ
イでの高密度配線には優れた効果を発現できることは明
らかである。コリメートプレートとは例えば蓮根を輪切
りにした断面における穴のように数ミリメーターの厚み
のプレートに無数のプレート厚みより一桁程度小さい寸
法の穴を空けて、スパッタ粒子の飛散方向を一様に整形
する機能を有する物理的フィルターであるが、穴の形状
と厚みの関係、穴の分布は目的に応じて設定するもので
あり、粒子の飛散方向を整える機能があれば穴加工の寸
法のサイズ、精度は堆積効率、圧力差等本発明の目的を
満たす範囲で実験的に決定するのが好ましい。真空排気
を基板40の背後から行なう構成により、開口部SF近傍を
常に箱形空間12の奥側より高真空状態にして粒子の流れ
が箱形空間12から開口部SFを介して一様に基板40に向か
うようにすることができる。また、箱形空間12にはスパ
ッタガス導入手段の吹き出し細管60を介してのみスパッ
タガスが供給されるのでターゲット表面から発生する不
純ガス粒子を排出した後は、スパッタガスの純度とター
ゲット110ー1〜5に混在するガスがスパッタプラズマにお
ける不純ガス濃度を決める要因となり、真空槽20の壁面
からのガス放出の問題が解決できる。
【0044】スパッタガスを導入するガス導入手段の吹
出し細管60は、図2に点線で示すように箱形空間12の奥
側のターゲットユニット100ー5のターゲット110ー5の全外
周に沿ってその周囲の後方のユニット取付板150ー5近く
に配置し、吹出し細管60に設けた穴または溝を介してス
パッタガスを箱形空間12に供給する。本例では、吹出し
細管60は導電性材料を使用し、シールドプレートと同様
アノードの一部として使用している。スパッタガスの温
度を調整する温度調整手段としては、ガス導入細管をジ
ュール熱で加熱する方法を用いているが、赤外線ヒータ
ー等で加熱する方法等公知の他の手段も適用できる。従
って、箱形空間12ではスパッタガス粒子エネルギーが高
く、スパッタガス粒子との衝突を多数回繰り返しながら
拡散により基板表面に移送されるスパッタ粒子の運動エ
ネルギー低下が抑制される。また、ガス導入細管を液体
窒素などの冷媒により冷やすことにより、スパッタガス
のエネルギーを低下させて箱形空間に導入することも容
易にできることは明らかである。
【0045】本発明では、5個のターゲット110ー1〜5に
は同一の電源からでも別々の電源からでも電力を供給す
ることができる。なお、電源方式は形成する膜すなわち
ターゲット材料に応じて選択され、ターゲット材料が導
電性材料の場合は直流電源で、絶縁材料の場合にはター
ゲット表面に異常電界による異常放電を抑制する直流に
正極性パルスを印加した電源、あるいは少なくとも一部
のターゲットにはRF電源が使用される。なお、5個のタ
ーゲット110ー1〜5には、通常形成する膜に対応する同一
組成のターゲットを使用するが、場合により異なった組
成のターゲットも適用できる。異なった組成のターゲッ
トを組み合わせてその平均組成に近い膜が形成できるの
で、多方面への応用が可能である。磁界発生手段の磁石
ユニット120ー1、2は、対向した第1のターゲットユニッ
ト110ー1、2のみに設置する。本例の永久磁石121ー1、2に
は、アルニコ系、Co-Sm系、Fe-Nd-B系永久磁石等が適用
できるが、磁石ユニット120ー1、2にはコイルを用いた電
磁石も使用できる。磁極の発生する磁界強度として300
ガウス以上、更に好ましくは500ガウス以上で、かかる
磁場を磁極近傍に形成できるアルニコ系、Co-Sm系、Fe-
Nd-B系等の永久磁石がターゲット周りの構成も簡単にな
ることから好ましい。なお、磁石ユニット120ー1、2を図
6に示すようにターゲット110-1、2の外周と数ミリメー
ターの空隙Gを介して配置し、ターゲット110-1、2の前
面より磁極端部が数ミリメーターの突出し長dだけ突出
するように設置する構成により、図4に示す磁力線分布
が形成される。
【0046】箱形空間12の対向面をなす第1のターゲッ
ト110ー1、2の間隔D11(図4参照)は、50ミリメーター
から200ミリメーターと広い範囲に設定して良く、箱形
空間12の開口部SFに形成した図4に示す磁力線分布FD11
は、二次電子を箱形空間12に拘束する強度分布の条件を
満たせば良い。また、箱形空間12の他の対向面をなすタ
ーゲット110ー3、4の間隔D12(図3参照)は、50ミリメ
ーター以上必要に応じて任意に広い範囲に設定して良
い。反射ユニット140ー1〜5は、前述のターゲット110ー1
〜5の取付部の保護及び空隙Gの閉鎖の他、開口部反射板
140ー6、7と同様に飛来する二次電子を反射して箱形空間1
2のスパッタプラズマ中に拘束し、高密度プラズマ生成
を安定に維持する作用をする。これらの点から反射ユニ
ット140ー1〜5及び開口部反射板140ー6、7の電位は、プラ
ズマ空間に存在する二次電子を反射するがスパッタガス
イオンによってこれらの表面がスパッタされて浸食され
ることが無い電界を生成する負の電位に設定される。反
射ユニット140ー1〜5及び開口部反射板140ー6、7の電位
は、実用的に見てスパッタプラズマが安定に維持できる
電位であれば良く、通常−100から−250ボルトの
範囲で良好に作用するが、装置構成、二次電子のエネル
ギー分布等により異なり、実機でのテストで最適値を選
定するのが好ましい。反射ユニット140ー1〜5及び開口部
反射板140ー6、7の電位は、カソード用電源とは電気的に
絶縁して別の電源から供給するかもしくはカソードとの
間に少なくとも機能を損なわない程度の電気抵抗を介し
てカソード電源から分岐してもよい。
【0047】第2のターゲット110ー3、4、5は、反射ユニ
ット140ー1、2の本体部141ー1、2従って磁石ユニット120-1、
2の側面より数ミリメーターの空隙hを設けて配置し、か
つ磁石ユニット120ー1、2の先端部とターゲット110ー3、4、5
の両端の外縁部前面との隙間が数ミリメーターになるよ
うに配置されている。ターゲット110-5とターゲット110
-3、4とはその表面端部が数ミリメーターの空隙を介して
隣接する配置となっている。また、各ターゲットユニッ
ト100ー1〜5の電子反射ユニット140ー1〜5は互いに電気的
に同一電位で良く、一部で接触する配置であっても良
い。アノードは図1〜図3に示すターゲットユニット11
0ー1〜5を取着するステンレス、アルミ合金などの良電導
体材料からなる箱体11をシールドを兼ねて使用できる。
このアノードは真空槽と同電位の接地状態で使用して
も、又真空槽と電気的に絶縁した状態で使用してもよ
い。
【0048】外部電源との接続端子、冷却用細管の接続
ポート、スパッタガス導入細管の接続ポート、スパッタ
プラズマ状態をモニターするセンサー等スパッタプラズ
マ制御に必要な機構を箱体11に取着することにより、箱
形空間12の開口部SFを有するスパッタ部をユニット構成
とすることができる。図1〜図3に示した箱体11からな
るスパッタ部10から判るように、開口部SFを除いて箱形
空間12からその外部の空間へ飛散するスパッタ粒子、ス
パッタガスの通路は隣接するターゲットユニット100ー1
〜5の間に設けた数ミリメーターの空隙だけである。そ
してこの空隙から飛散したスパッタ粒子等は箱体11の内
壁面に堆積する。また、本構成によれば、箱体11の内壁
面に吸着するガスのみが箱形空間12に混入する可能性あ
る不純ガスであり、表面積の少ない箱体11の内壁面から
の不純ガスの箱形空間12への混入は大きく抑制される。
従って、真空槽全体を超高真空状態にしなくてもスパッ
タプラズマ空間への不純ガスの混入を容易に抑制する環
境が実現される。また、開口部SF近傍に設ける基板40の
背後より真空排気しながらスパッタプラズマ生成をする
本構成では、箱体11の壁面を加熱し不純ガスの放出排気
を容易にできることは明らかである。
【0049】更に、箱形空間12の奥側のターゲットユニ
ット100-5の外周に沿ってその後方近傍に設けられた吹
き出し細管60から中性のスパッタガスを箱形空間12に供
給することにより、従来のスパッタ法で確認されている
ターゲット表面でのガス粒子密度の希薄化現象を防止
し、箱形空間12で生成したスパッタ粒子、スパッタガス
粒子密度の増加による気相圧力を高めるとともに基板40
背後からの真空排気に伴う圧力差を大きくすることが容
易にできるため、ターゲット110ー1〜5からスパッタされ
たスパッタ粒子はスパッタガスとの弾性衝突の確率が増
大してクラスター生成といったエネルギー消失が少ない
状態で効率良く高速な薄膜形成が可能になる。なお、タ
ーゲット110ー1〜5のスパッタにより箱形空間12に生成さ
れ、電磁界のローレンツ力による影響を受けて運動する
二次電子は、スパッタガスとの衝突によるイオン化を促
進しつつプラズマ空間から拡散する過程でアノードの箱
体11の内壁面やガス導入の吹き出し細管60に流入する。
また、低エネルギーの熱電子はプラズマ空間の開口部SF
から拡散する。このため、本例の如く、開口部SFの箱体
11の壁面をシールドとして電子を吸収するのが好まし
い。
【0050】以上の本発明では、高密度スパッタプラズ
マを生成、拘束する従来技術と次の点に際だった作用上
の相違があり、これらの相違の故に発明の特有の効果が
得られる。すなわち、高密度プラズマ生成に必要な二次
電子の拘束技術の従来法では、高エネルギー二次電子を
安定にドリフトできる磁界はターゲットを介して閉じた
一様な磁力線分布を形成する必要があり、閉じた磁力線
とターゲット表面近傍の電界とによって二次電子の密度
に平衡状態を保たせる原理により装置が実用化されてい
る。平板マグネトロンスパッタ法ではターゲットの外周
に沿って円弧状の閉じた磁力線分布を形成することを特
徴にしており、同軸マグネトロンスパッタ法では筒状の
ターゲットの表面を取り囲むこれに平行な軸方向の磁力
線分布の形成を特徴としており、対向ターゲット式スパ
ッタ法ではターゲット周囲に対称性の良い筒状の磁力線
分布の形成を特徴にしている。また、スパッタプラズマ
を生成するためのスパッタガス密度分布はターゲット周
囲の空間に均一に分布する構造とすることで、二次電子
密度の平衡状態を安定化するようになっている。
【0051】これに対して、本発明では高エネルギー二
次電子を電磁界によって拘束する構成として、箱形空間
の開口部からその外部の真空槽内空間への飛散を抑制す
る磁力線分布及び電子反射手段を設けて二次電子を箱形
空間に拘束すると共に、この拘束された箱形空間内で二
次電子がドリフトとターゲット表面での反射を繰り返す
過程でターゲット表面の近傍空間に該二次電子を拘束で
きる磁力線分布を5個の全ターゲットの表面近傍に形成
することにより、二次電子の流れが3次元の箱形空間で
動的に変化しながらターゲット全表面の近傍空間に二次
電子の高密度状態を安定に実現できる構成としている。
この構成により、スパッタ粒子、スパッタガスの密度差
を箱形空間の奥側と開口部に発生させ、かつ粒子間衝突
や二次電子衝突を増加することで粒子エネルギー分布と
方向性の均一化を促進するとともに、スパッタ粒子エネ
ルギーを広い範囲に渡って制御する技術が実現された。
【0052】以上、本発明のスパッタ装置におけるスパ
ッタプラズマを生成・拘束する電磁界分布は以下の3モ
ードの電磁界に基づくものである。すなわち、その1は
各ターゲットの外縁部又は側縁部の表面近傍に環状及び
コの字状の線状に形成された磁力線分布とターゲット表
面近傍の垂直方向の電界からなる平板マグネトロンスパ
ッタモードの電磁界分布、その2は第2のターゲットの
両端に設けた電子反射手段とその間のターゲット全表面
近傍空間に形成されたその表面と平行な磁界と垂直方向
の電界とからなる同軸マグネトロンモードの電磁界分
布、その3は対向する第1のターゲットの周囲に筒状に
形成された磁界に基づく対向スパッタモードの電磁界分
布の3モードの高密度スパッタプラズマを生成する電磁
界分布であり、これらの電磁界分布と電子反射手段とを
組み合わせたものである。そして、本発明は電子反射手
段を介したこの3モードの電磁界分布の相乗作用により
区画空間を構成する全ターゲットの表面近傍にプラズマ
空間に生成した電子を効果的に拘束し、全ターゲットの
全表面均一な高速スパッタを可能としたものである。以
上の本発明は、その構成から上述の全面均一の高速スパ
ッタの他、以下の作用を奏する。高密度スパッタプラズ
マを形成する空間とスパッタ粒子を堆積する基板表面近
傍空間とを分離することで緻密な薄膜形成を可能にする
条件を満足させるだけでなく、従来の側方空間全てにス
パッタ粒子が移送するために生じる欠点を解消できる。
すなわち、各ターゲット面からはターゲット表面近傍空
間のスパッタプラズマ密度に応じてスパッタ粒子、反跳
スパッタガス粒子、二次電子がスパッタプラズマ空間に
飛散する。5面のターゲットの配置は数ミリメーターの
空隙を介して隣接するターゲット面同士が90度の角度
をなすように配置しているので、スパッタ粒子、反跳ス
パッタガス粒子といった質量のある粒子はスパッタプラ
ズマ空間での粒子間衝突がなければ直進しターゲット面
等で弾性反射しつつ濃度分布により拡散する。
【0053】また、粒子間衝突では両者の運動エネルギ
ーが保存される弾性衝突条件で方向、速度を変える。箱
形空間に対面する5面のターゲット表面でこれら粒子の
生成と反射とがランダムに起こるので、スパッタ粒子、
反跳スパッタガス粒子は箱形空間の開口部から基板表面
方向の高真空空間に一様な粒子密度でビーム状に基板表
面に移送される。また、開口部空間での磁界発生手段の
構成から、例えば間隔D11を5〜20センチメーター、幅D1
2を100センチメーターを越える任意の長方形に形成して
も開口部では二次電子を箱形空間に拘束できる。また、
箱形空間の奥行きD13は通常5〜20センチメーターを使用
するが、スパッタ粒子の混合状態や飛散粒子の方向性と
いった品質及び生産効率から実験的に選定できる。
【0054】
【発明の効果】以上の本発明は、上述の構成により、区
画空間を区画する全てのターゲットが全面均一にスパッ
タされ、ターゲットの使用効率が大幅に向上すると共
に、この向上と安定なプラズマ生成により長時間の連続
運転時間も可能となり、生産性に優れた工業生産に適し
たスパッタ装置を実現すると同時に、以下の通りスパッ
タ装置に待望されていた種々の効果を奏する。スパッタ
粒子の拡散する区画空間を基板の大きさに応じた広い範
囲に規定できかつスパッタ粒子の移送方向を一方向に規
制できる。また、本発明では区画空間を囲む真空槽内空
間に浮遊するガス密度を常に区画空間より希薄化するよ
うに排気系とスパッタ部を配置できるとともに、開口部
と対面する奥側のターゲットユニットの近傍からガス導
入細管を介してスパッタガスを区画空間に供給する過程
でスパッタガスを加熱または冷却することにより、基板
へ移送されるスパッタ粒子の運動エネルギーを広い範囲
で調節できる。すなわち、スパッタ粒子の運動エネルギ
ーレベルを広範囲に渡って規制できる。
【0055】更に、本発明ではスパッタ粒子の移送方向
を規制できるだけでなく、二次電子がスパッタガスと衝
突する確率が高いため、圧力差によって拡散する高密度
粒子のイオン化を高め、開口部に設けるグリッド等での
電界やコリメートプレートにより、粒子の方向とエネル
ギーを厳密にかつ効率よく制御できる。従って、半導体
分野やデイスプレイ分野での高アスペクト比を必要とす
る薄膜導体形成に必要なスパッタ条件を充分満たすこと
ができる。特に、スパッタガスの区画空間への直接供給
によりターゲット表面をスパッタするガス粒子密度を高
めるとともに、高真空排気による粒子拡散を容易にした
構成であるため、スパッタ粒子を効率よく開口部から基
板面に移送できるので、投入するスパッタ電力を効率良
く薄膜形成に使用できる。すなわち、省エネルギーを可
能にするスパッタプラズマ技術である。本発明の更に特
徴的な効果は、基板に堆積される薄膜の平坦化と組成の
厳密な制御が可能な点にある。薄膜の組成制御は5面の
ターゲット組成を例えば2%異なる組み合わせにして、
ターゲットに加える電力を調節してターゲット間のスパ
ッタ粒子密度を薄膜組成と電源の投入電力とで相関をと
ることにより、組成のバラツキを評価技術の誤差以内に
規制できる。
【0056】ところで、薄膜の平坦化が抑制される原因
は、堆積表面に移送されたスパッタ粒子の運動エネルギ
ーが低いこと、基板表面に付着している不純物粒子に拘
束されて固体化して基板上に初期成長するスパッタ粒子
の核成長における格子サイズオーダーの表面凹凸の発生
とそれに続く連続膜成長でのスパッタ粒子の入射方向に
より選択的に成長する粒子界面の凹凸斑の拡大にあるこ
とは明らかである(J.Appl. Phys.58(10), 15 Nov. p
p.3739-3746 1985)。本発明では、基板に入射するスパ
ッタ粒子の運動エネルギー及びイオン衝撃エネルギーの
レベルを高範囲に調整できるので、材料の特性に合わせ
て初期成長する粒子間の格子結合状態を規定できるの
で、上記原因を解消でき、薄膜の平坦化が得られる。ま
た本発明では、異常プラズマ衝撃を基板に与えることや
真空糟壁面からの不純粒子の混入を抑制できるので、更
に薄膜の平坦化を抑制する原因と考えられる因子を排除
しているので、より一層の薄膜の平坦化が達成される。
又、本発明によるターゲットユニットの構成は、磁界発
生手段をターゲットの背面でなくその外側に設ける構成
であるのでその有無に関わらず、簡単な構造でかつ冷却
性能を上げることができることは、通常のマグネトロン
スパッタ等に使われている磁石の配置と比較すれば明ら
かである。また、スパッタ部を構成するスパッタユニッ
トは、各ターゲットユニットを箱体の側面に取り付ける
だけの構成であり、かつ箱体の適当な部分には必要な接
続部等を設けることができ、全体としてもコンパクトな
構成となる。従って、各ユニットの標準化が容易となる
と共に、ユニット毎の交換が出来るだけでなく、部品の
交換、取り外し等の保守作業に手間、時間をかけて調整
を必要とした従来技術と異なり、これら保守作業も簡便
になる。以上の通り、本発明は、生産性、ターゲット使
用率が優れ、スパッタ粒子の方向性、エネルギーレベル
等の制御性も良く、各種材料に適用できる工業生産に好
適なスパッタ方法及びスパッタ装置を提供するものであ
り、各種薄膜形成を必要とする産業界へ広く適用できる
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、スパッタ部の構成の概略説明図であ
る。
【図2】図2は、図1のA-B部から見た概略側断面図で
ある。
【図3】図3は、図1のCーD部から見た概略側断面図で
ある。
【図4】図4は、磁石ユニットとターゲットの磁力線分
布の関係を説明する簡略モデルの説明図である。
【図5】図5は、ターゲットの外縁部及び側縁部の磁力
線分布を説明する部分断面図である。
【図6】図6は、第1のターゲットユニットの概略側断
面図である。
【図7】図7は、図6のA-B線から見た概略平面図であ
る。
【図8】図8は、第2のターゲットユニットの概略側断
面図である。
【図9】図9は、図8のA-B線から見た概略平面図であ
る。
【図10】図10は、従来の対向ターゲット式スパッタ
装置の説明図である。
【符号の説明】
10 スパッタ部 11 スパッタ部の箱体 12 箱形空間 20 真空槽 30 スパッタ電源 40 基板 50 排気口 60 ガス導入手段の吹き出し細管 61 導入口 100ー1〜5 ターゲットユニット部 110ー1〜5 ターゲット 120ー1〜5 磁石ユニット 130ー1〜5 冷却台 140ー1〜5 反射ユニット 140ー6、7 開口部反射板

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定距離の空間を隔てて対向配置した一
    対の第1のターゲットと該空間の開口部を除いた側面を
    覆うように配置した第2のターゲットとにより該空間を
    開口部を除いて区画された区画空間に構成し、該区画空
    間内にスパッタプラズマを生成して、その開口部の前方
    に配置した基板上に薄膜を形成するスパッタ方法におい
    て、該区画空間内に下記プロセスA〜Dを形成し、スパ
    ッタプラズマを生成することを特徴とするスパッタ方
    法。 プロセスA:対向した第1のターゲット外縁部の全周に
    沿って生成した環状の平板マグネトロンモードの電磁界
    に拘束されてサイクロイド運動する二次電子によるガス
    イオン化プロセス。 プロセスB:第2のターゲットの第1のターゲットに隣
    接する両側縁部表面近傍に沿って形成された線状の平板
    マグネトロンモードの電磁界に拘束され、この電磁界の
    磁界に直交する方向の両端部で電子反射手段により反射
    されてサイクロイド運動する二次電子によるガスイオン
    化プロセス。 プロセスC:第2のターゲットの表面の近傍空間に形成
    された同軸マグネトロンモードの電磁界に拘束され、こ
    の電磁界の磁界に直交する方向の両端部で電子反射手段
    により反射されて該電磁界を往復しながらドリフトする
    二次電子によるガスイオン化プロセス。 プロセスD:第1のターゲット間に形成された対向モー
    ドの電磁界により拘束され、第1のターゲットで反射さ
    れて第1のターゲット間をローレンツ力により移動しつ
    つ往復する二次電子によるガスイオン化プロセス。
  2. 【請求項2】 所定距離の空間を隔てて対向配置した一
    対の第1のターゲットと該空間の開口部を除いた側面を
    覆うように配置した第2のターゲットとにより該空間を
    開口部を除いて区画された区画空間に構成し、該区画空
    間内にスパッタプラズマを生成して、その開口部の前方
    に配置した基板上に薄膜を形成するようにしたスパッタ
    装置において、スパッタプラズマを拘束する磁界を発生
    する磁界発生手段を第1のターゲットのそれぞれの外周
    に沿ってその外側近傍に磁極が対向するように配置し、
    該磁界発生手段により一対の第1のターゲットを囲む筒
    状の磁界と、第1のターゲットの外縁部の表面近傍に前
    記磁極から内側表面に円弧状に閉じた磁界と、第2のタ
    ーゲットの表面近傍にその表面と平行な磁界と、第2の
    ターゲットの磁界発生手段に隣接する両側縁部の表面近
    傍に前記磁極から内側表面に円弧状に閉じた磁界とを形
    成すると共に、磁界発生手段の該区画空間に臨む磁極端
    部及び第2のターゲットの該区画空間の開口部端部に電
    子を反射する電子反射手段を設けたことを特徴とするス
    パッタ装置。
  3. 【請求項3】 前記磁界と各ターゲットの表面近傍の電
    界とにより、第1のターゲット間に対向モードの電磁界
    を、第1のターゲットの全周に亘ってその外縁部に環状
    の平板マグネトロンモードの電磁界を、第2のターゲッ
    トの磁界発生手段に隣接する両側縁部の表面近傍に線状
    の平板マグネトロンモードの電磁界を、第2のターゲッ
    トの表面近傍に同軸マグネトロンモードの電磁界を形成
    した請求項2記載のスパッタ装置。
  4. 【請求項4】 前記磁界発生手段が第1のターゲットの
    それぞれにその外周に沿ってその外側近傍に磁極が互い
    に吸引するように対向して配置された磁石ユニットから
    なる請求項2又は請求項3記載のスパッタ装置。
  5. 【請求項5】 スパッタガスを供給するガス導入手段に
    より区画空間に直接スパッタガスを導入するようにした
    請求項1記載のスパッタ方法又は請求項2〜請求項4記
    載のいずれかのスパッタ装置。
  6. 【請求項6】 第1のターゲットと第2のターゲットが
    同一組成の材料からなる請求項1もしくは請求項5記載
    のスパッタ方法又は請求項2〜請求項5記載のいずれか
    のスパッタ装置。
  7. 【請求項7】 第1のターゲットが2枚の矩形ターゲッ
    トからなり、第2のターゲットが3枚の矩形ターゲット
    からなり、第2の3枚の矩形ターゲットで第1の矩形タ
    ーゲットの間の空間の3側面を囲って5面が矩形ターゲ
    ットで区画された箱形空間からなる区画空間を形成した
    請求項2〜請求項6記載のいずれかのスパッタ装置。
  8. 【請求項8】 磁界発生手段は第1のターゲットのそれ
    ぞれにその外周に沿ってその外側に互いに吸引するよう
    な磁極配置で設けた永久磁石からなる磁石ユニットであ
    る請求項7記載のスパッタ装置。
  9. 【請求項9】 前記スパッタガス導入手段の導入口を、
    区画空間の開口側面と対向する奥側の第2のターゲット
    の近傍空間に設けた請求項5もしくは請求項6記載のス
    パッタ方法又は請求項5〜請求項8記載のいずれかのス
    パッタ装置。
  10. 【請求項10】 前記スパッタガス導入手段が、スパッ
    タガスの温度調整手段を備えた請求項1、請求項5、請
    求項6もしくは請求項9記載のスパッタ方法又は請求項
    2〜請求項9記載のいずれかのスパッタ装置。
  11. 【請求項11】 前記基板の後方から排気するようにし
    た請求項1、請求項5、請求項6、請求項9もしくは請
    求項10記載のスパッタ方法又は請求項2〜請求項10
    記載のいずれかのスパッタ装置。
  12. 【請求項12】 前記第1、第2の各ターゲットをユニ
    ット構成とし、一面を開口面とした箱型構造体の各側壁
    にターゲットユニットを取着し、区画空間を形成した請
    求項2〜請求項11記載のいずれかのスパッタ装置。
  13. 【請求項13】 前記箱形構造体が、一側面が開口され
    た直方体形の箱体とし、開口面を除いた各側壁に各ター
    ゲットユニットを取着し、箱形空間を形成した請求項1
    2記載のスパッタ装置。
  14. 【請求項14】 前記箱形構造体を導電性材料で構成
    し、アノード電極とした請求項12又は請求項13記載
    のスパッタ装置。
  15. 【請求項15】 前記区画空間の開口部に、プラズマ空
    間に生成した粒子の飛散方向を規制する方向規制手段を
    設けた請求項1、請求項5、請求項6、請求項9、請求
    項10もしくは請求項11記載のスパッタ方法又は請求
    項2〜請求項14記載のいずれかのスパッタ装置。
  16. 【請求項16】 前記方向規制手段がコリメートプレー
    トである請求項15記載のスパッタ方法又はスパッタ装
    置。
  17. 【請求項17】 前記区画空間の開口部に、開口部から
    の粒子の運動エネルギーを規制するエネルギー規制手段
    を設けた請求項1、請求項5、請求項6、請求項9、請
    求項10、請求項11、請求項15もしくは請求項16
    記載のスパッタ方法又は請求項2〜請求項16記載のい
    ずれかのスパッタ装置。
  18. 【請求項18】 前記エネルギー規制手段が網状の電極
    である請求項17記載のスパッタ方法又はスパッタ装
    置。
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