JP2017179437A - スパッタリングカソード、スパッタリング装置および成膜体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
横断面形状が互いに対向する一対の長辺部を有する管状の形状を有し、エロージョン面が内側を向いているスパッタリングターゲットを有することを特徴とするスパッタリングカソードである。
横断面形状が互いに対向する一対の長辺部を有する管状の形状を有し、エロージョン面が内側を向いているスパッタリングターゲットを有するスパッタリングカソードと、
前記スパッタリングターゲットのエロージョン面が露出するように設けられたアノードとを有し、
前記スパッタリングターゲットに囲まれた空間の上方において前記スパッタリングターゲットの前記長辺部よりも幅が狭い成膜領域を有する被成膜体を前記スパッタリングターゲットに対し、前記スパッタリングターゲットの前記長辺部を横断する方向に一定速度で移動させながら、前記スパッタリングターゲットの内面に沿って周回するプラズマが発生するように放電を行ってスパッタリングガスにより発生するプラズマ中のイオンにより前記スパッタリングターゲットの前記長辺部の内面をスパッタリングすることにより前記被成膜体の前記成膜領域に成膜を行うことを特徴とするスパッタリング装置である。
横断面形状が互いに対向する一対の長辺部を有する管状の形状を有し、エロージョン面が内側を向いているスパッタリングターゲットを有するスパッタリングカソードを用い、
前記スパッタリングターゲットに囲まれた空間の上方において前記スパッタリングターゲットの前記長辺部よりも幅が狭い成膜領域を有する被成膜体を前記スパッタリングターゲットに対し、前記スパッタリングターゲットの前記長辺部を横断する方向に一定速度で移動させながら、前記スパッタリングターゲットの内面に沿って周回するプラズマが発生するように放電を行ってスパッタリングガスにより発生するプラズマ中のイオンにより前記スパッタリングターゲットの前記長辺部の内面をスパッタリングすることにより前記被成膜体の前記成膜領域に成膜を行うことを特徴とする成膜体の製造方法である。
[スパッタリング装置]
図1および図2は第1の実施の形態によるスパッタリング装置を示す縦断面図および平面図であり、スパッタリング装置の真空容器の内部に設けられたスパッタリングカソードおよびアノード付近の構成を示したものである。図1は図2のX−X線に沿っての断面図である。
真空容器を真空ポンプにより高真空に排気した後、スパッタリングターゲット10により囲まれた空間にスパッタリングガスとしてArガスを導入し、アノード40とスパッタリングカソードとの間に、所定の電源によりプラズマ発生に必要な、一般的には直流の高電圧を印加する。一般的には、アノード40が接地され、スパッタリングカソードに負の高電圧(例えば、−400V)が印加される。これによって、図3および図4に示すように、スパッタリングターゲット10の表面近傍にこのスパッタリングターゲット10の内面に沿って周回するプラズマ60が発生する。
図9に示すように、スパッタリングターゲット10を四つの板状のスパッタリングターゲット10a、10b、10c、10dにより形成し、永久磁石20を四つの板状あるいは棒状の永久磁石20a、20b、20c、20dにより形成し、ヨーク30を四つの板状のヨーク30a、30b、30c、30dにより形成する。また、スパッタリングターゲット10a、10b、10c、10dと永久磁石20a、20b、20c、20dとの間にそれぞれバッキングプレート90a、90b、90c、90dを挿入する。スパッタリングターゲット10aとスパッタリングターゲット10cとの間の距離は80mm、スパッタリングターゲット10bとスパッタリングターゲット10dとの間の距離は200mm、スパッタリングターゲット10a、10b、10c、10dの高さは80mmとする。
[スパッタリング装置]
このスパッタリング装置においては、スパッタリングターゲット10として、図9に示すようにスパッタリングターゲット10a、10b、10c、10dからなるものが用いられる。ただし、互いに対向する長辺部のスパッタリングターゲット10a、10cは互いに異なる材料により形成されている。このスパッタリング装置のその他の構成は第1の実施の形態によるスパッタリング装置と同様である。
第1の実施の形態と同様に、基板Sを移動させながら、スパッタ粒子束70、80を用いて基板Sの成膜領域に成膜を行う。この場合、スパッタリングターゲット10a、10cが互いに異なる材料により形成されていることから、スパッタ粒子束70の成分原子とスパッタ粒子束80の成分原子とは互いに異なる。このため、基板S上に成膜される薄膜Fは、スパッタ粒子束70の成分原子とスパッタ粒子束80の成分原子とが混合した組成、言い換えると、概ね、スパッタリングターゲット10aを構成する材料の構成原子とスパッタリングターゲット10cを構成する材料の構成原子とが混合した組成を有する。
[スパッタリング装置]
図10は第3の実施の形態によるスパッタリング装置を示す。このスパッタリング装置においては、第2の実施の形態によるスパッタリング装置と同様に、スパッタリングターゲット10として、図9に示すようにスパッタリングターゲット10a、10b、10c、10dからなり、互いに対向する長辺部のスパッタリングターゲット10a、10cが互いに異なる材料により形成されているものが用いられる。また、図10に示すように、このスパッタリング装置においては、基板Sの高さと光線遮断シールド50の高さとの間の高さにおいて、スパッタリングターゲット10cからのスパッタ粒子束80を遮断し、あるいは、スパッタリングターゲット10aからのスパッタ粒子束70を遮断することができるように、図示省略した搬送機構に保持された水平遮蔽板90を設置することができるようになっている。このスパッタリング装置のその他の構成は第1の実施の形態によるスパッタリング装置と同様である。
例えば、まず、スパッタ粒子束70だけで基板S上に薄膜の成膜を行うために、水平遮蔽板90を図10の一点鎖線で示す位置に移動する。この時点で、この水平遮蔽板90によりスパッタ粒子束80は遮断される。この状態で、図10において矢印で示す方向に基板Sを移動させながら、図11に示すように、スパッタ粒子束70だけを用いて基板Sの成膜領域に成膜を行う。図12に示すように、スパッタリングターゲット10a、10b、10c、10dにより囲まれた空間の上方から外れる位置まで基板Sを移動させる。こうして、薄膜F1 の成膜が行われる。この薄膜F1 は、スパッタ粒子束70の成分原子、概ね、スパッタリングターゲット10aを構成する材料の構成原子からなる。次に、水平遮蔽板90を、図10に示すようにスパッタ粒子束70が遮断される二点鎖線で示す位置まで水平方向に移動する。この状態で、図10において矢印で示す方向と逆方向に基板Sを移動させながら、図13に示すように、スパッタ粒子束80だけを用いて基板Sの成膜領域に成膜を行う。図14に示すように、スパッタリングターゲット10a、10b、10c、10dにより囲まれた空間の上方から外れる位置まで基板Sを移動させる。こうして、薄膜F1 上に薄膜F2 の成膜が行われる。この薄膜F2 は、スパッタ粒子束80の成分原子、概ね、スパッタリングターゲット10cを構成する材料の構成原子からなる。以上により、基板S上に互いに組成が異なる薄膜F1 と薄膜F2 とからなる二層膜の成膜を行うことができる。
[スパッタリング装置]
第4の実施の形態によるスパッタリング装置は、基本的には第1の実施の形態によるスパッタリング装置と同様な構成を有するが、第1の実施の形態においては、スパッタリングターゲット10により囲まれた空間の上方に取り出されるスパッタ粒子束70、80を用いて基板Sを移動させながら成膜を行うのに対し、この第4の実施の形態においては、これと同時に、図15に示すように、スパッタリングターゲット10の互いに対向する長辺部からこのスパッタリングターゲット10により囲まれた空間の下方に取り出されるスパッタ粒子束70´、80´を用いて別の基板に対しても成膜を行う。ここで、このスパッタリング装置においては、例えば、スパッタリングカソードおよびアノード40を真空容器の側壁内面に固定することなどにより、スパッタリングターゲット10により囲まれた空間の下方に成膜を行うスペースを確保することができる。
図15に示すように、スパッタリングターゲット10により囲まれた空間の上方にスパッタ粒子束70、80を取り出すと同時に、スパッタリングターゲット10により囲まれた空間の下方にスパッタ粒子束70´、80´を取り出す。そして、スパッタリングターゲット10により囲まれた空間の上方においては、このスパッタリングターゲット10に対し、このスパッタリングターゲット10の長辺部を横断する方向に基板Sを移動させながら、スパッタ粒子束70、80を用いて基板S上に成膜を行うと同時に、スパッタリングターゲット10により囲まれた空間の下方においては、このスパッタリングターゲット10に対し、このスパッタリングターゲット10の長辺部を横断する方向に基板S´を移動させながら、スパッタ粒子束70´、80´を用いてこの基板S´上に成膜を行う。すなわち、スパッタリングターゲット10により囲まれた空間の上方において基板S上に成膜を行うと同時に、スパッタリングターゲット10により囲まれた空間の下方において基板S´上に成膜を行うことができる。
[スパッタリング装置]
第5の実施の形態によるスパッタリング装置は、スパッタリングターゲット10として図16に示すようなものを用いる点が、第1の実施の形態によるスパッタリング装置と異なる。すなわち、図16に示すように、スパッタリングターゲット10は、互いに平行に対向する一対の長辺部とこれらの長辺部に連結した半円形部とからなる。スパッタリングターゲット10の外側に設けられた永久磁石20も、この永久磁石20の外側に設けられたヨーク30も、スパッタリングターゲット10と同様な形状を有する。このスパッタリング装置のその他の構成は第1の実施の形態によるスパッタリング装置と同様である。
このスパッタリング装置による成膜方法は第1の実施の形態と同様である。
Claims (9)
- 横断面形状が互いに対向する一対の長辺部を有する管状の形状を有し、エロージョン面が内側を向いているスパッタリングターゲットを有することを特徴とするスパッタリングカソード。
- 前記スパッタリングターゲットの横断面形状が互いに平行な前記一対の長辺部に垂直な互いに対向する一対の短辺部または外側に向かって凸の互いに対向する一対の曲面部を有することを特徴とする請求項1記載のスパッタリングカソード。
- 前記スパッタリングターゲットの前記一対の長辺部の間の距離が50mm以上150mm以下であることを特徴とする請求項1または2記載のスパッタリングカソード。
- 前記スパッタリングターゲットの前記一対の長辺部の間の距離に対する前記長辺部の長さの比が2以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のスパッタリングカソード。
- 前記スパッタリングターゲットは、前記一対の長辺部を構成する第1平板および第2平板と、前記長辺部に垂直な互いに対向する一対の短辺部を構成する第3平板および第4平板とからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載のスパッタリングカソード。
- 前記第1平板と前記第2平板とが互いに異なる材料からなることを特徴とする請求項5記載のスパッタリングカソード。
- 横断面形状が互いに対向する一対の長辺部を有する管状の形状を有し、エロージョン面が内側を向いているスパッタリングターゲットを有するスパッタリングカソードと、
前記スパッタリングターゲットのエロージョン面が露出するように設けられたアノードとを有し、
前記スパッタリングターゲットに囲まれた空間の上方において前記スパッタリングターゲットの前記長辺部よりも幅が狭い成膜領域を有する被成膜体を前記スパッタリングターゲットに対し、前記スパッタリングターゲットの前記長辺部を横断する方向に一定速度で移動させながら、前記スパッタリングターゲットの内面に沿って周回するプラズマが発生するように放電を行ってスパッタリングガスにより発生するプラズマ中のイオンにより前記スパッタリングターゲットの前記長辺部の内面をスパッタリングすることにより前記被成膜体の前記成膜領域に成膜を行うことを特徴とするスパッタリング装置。 - 前記スパッタリングターゲットの前記一対の長辺部の間の空間の中央部に遮蔽板を設置可能に構成されていることを特徴とする請求項7記載のスパッタリング装置。
- 横断面形状が互いに対向する一対の長辺部を有する管状の形状を有し、エロージョン面が内側を向いているスパッタリングターゲットを有するスパッタリングカソードを用い、
前記スパッタリングターゲットに囲まれた空間の上方において前記スパッタリングターゲットの前記長辺部よりも幅が狭い成膜領域を有する被成膜体を前記スパッタリングターゲットに対し、前記スパッタリングターゲットの前記長辺部を横断する方向に一定速度で移動させながら、前記スパッタリングターゲットの内面に沿って周回するプラズマが発生するように放電を行ってスパッタリングガスにより発生するプラズマ中のイオンにより前記スパッタリングターゲットの前記長辺部の内面をスパッタリングすることにより前記被成膜体の前記成膜領域に成膜を行うことを特徴とする成膜体の製造方法。
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