JPH1081528A - 分散シフト光ファイバー用ガラス母材の製造方法 - Google Patents

分散シフト光ファイバー用ガラス母材の製造方法

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JPH1081528A
JPH1081528A JP8235579A JP23557996A JPH1081528A JP H1081528 A JPH1081528 A JP H1081528A JP 8235579 A JP8235579 A JP 8235579A JP 23557996 A JP23557996 A JP 23557996A JP H1081528 A JPH1081528 A JP H1081528A
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burner
flow rate
dispersion
optical fiber
side core
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JP8235579A
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Hiroshi Oyamada
浩 小山田
Takeshi Ogino
剛 荻野
Hideo Hirasawa
秀夫 平沢
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
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    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/014Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments made entirely or partially by chemical means, e.g. vapour phase deposition of bulk porous glass either by outside vapour deposition [OVD], or by outside vapour phase oxidation [OVPO] or by vapour axial deposition [VAD]
    • C03B37/01413Reactant delivery systems
    • C03B37/0142Reactant deposition burners
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2203/00Fibre product details, e.g. structure, shape
    • C03B2203/36Dispersion modified fibres, e.g. wavelength or polarisation shifted, flattened or compensating fibres (DSF, DFF, DCF)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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    • C03B2207/50Multiple burner arrangements

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイドコアの比屈折率差を調整するだけで、
零分散波長を十分に制御できる屈折率分布を持った分散
シフト光ファイバーの母材を効率よく製造する方法を提
供する。 【解決手段】 本発明の光ファイバー用ガラス母材の製
法には、種棒100の中心に向けてバーナ31からセン
ターコア101のガラス微粒子を噴射し、センターコア
101の外側にバーナ32から第1サイドコア102の
ガラス微粒子を噴射し、第1サイドコア102の外側に
バーナ33から第2サイドコア103のガラス微粒子を
噴射し、第2サイドコア103の外側にバーナ34から
クラッド104のガラス微粒子を噴射して多孔質ガラス
を成長させる工程が含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信等に利用さ
れる石英系分散シフト光ファイバーの原料であるガラス
母材を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】石英系シングルモード光ファイバーは、
例えばLuc B.Jeunhomme, "Single-mode Fiber Optics−
Principles and Applications− ",: p.98(1990)に
記載されているように、理論上、1550nm付近の光の伝
送損失が最小である。このため1550nm帯の光伝送がで
きる分散シフト光ファイバーが実用的であり、このよう
な分散シフト光ファイバーを効率よく製造することが重
要である。
【0003】特公平3-18161号公報には、1550nm帯で
波長分散がゼロになるように屈折率分布が設計されてい
る分散シフト光ファイバーが開示されている。すなわち
図9にその断面を示すように、分散シフト光ファイバー
20はセンターコア21とサイドコア22とクラッド2
3からなる。その屈折率分布は図10に示すような階段
型である。このような階段型構造にすることで、材料分
散と導波路分散とが相互に打ち消しあって1550nm帯に
おける波長分散がゼロになる。
【0004】一方、海底ケーブル等、長距離の光ファイ
バー通信における中継器として、従来の「光→電気(増
幅)→光」という経緯をとる増幅器に変って、エルビウ
ムドープファイバーにより光エネルギそのものを励起す
る増幅器(EDFA:ErbiumDoped Fiber Amplifier)
が用いられるようになってきた。EDFAシステムで
は、増幅できる波長帯域が1550nm帯に一致しているた
め、上記の分散シフト光ファイバーを組み合わせて使用
するには、格好である。
【0005】しかしながら、EDFAシステムでは、信
号光そのものの増幅を繰り返して長距離伝送するため、
光学非線型効果が蓄積して信号が劣化してしまうという
問題が浮上してきた。従来の「光→電気(増幅)→光」
の増幅システムでは、このような信号劣化は起こらな
い。
【0006】信号劣化の原因になる光学非線型効果に
は、誘導ラマン散乱、誘導プルリアン散乱、自己位相変
調、相互位相変調、4光波混合がある。これらの現象を
低減するには、信号光の出力やファイバーの光学特性を
調整する必要がある。このうちファイバー特性に関与す
る重要な現象は、4光波混合である。4光波混合は、異
なる周波数の光が相互作用して新たな周波数の光を生じ
る現象である。信号光とEDFAの自然放出光(AS
E:Amplifier Spontaneous Emission)との間や、波長
多重システムの場合に信号光どうしの間に4光波混合が
発生すると、S/N(信号対雑音比)の低下やクロスト
ークの原因となる。4光波混合の生じ易さは、光信号の
位相マッチングに依存する。このため4光波混合を防止
する手段として、信号波長の波長分散値の絶対値を大き
くすること、すなわち信号波長と零分散波長とを一致さ
せないことが検討されている。
【0007】D.Marcuse,“Single-Channel Operation i
n Very Long Nonlinear Fibers with Optical Amplifie
rs at Zero Dispersion”, J.Lightwave Technol,Vol.
9,No.3(1991),pp356-361には、1チャンネルのEDFA
システムでは増幅ゲインがピークとなる1558.5nm付近
を信号波長として使用すること、ASEノイズとの干渉
を避けるために分散値の異なるファイバーを鋸刃状に接
続していることが示されている。
【0008】米国特許第5,327,516号明細書には、4チ
ャンネルの波長多重通信でチャンネル間隔250GHzと
したときの伝送容量と波長分散との関係が記載されてい
る。信号波長の分散をOps/km・nmに近づけたとき、伝送
容量は急速に悪化して1Gbit/s以下となってしまう
が、分散の絶対値を1ps/km・nmにすれば10Gbit/s
以上の伝送容量を確保できる。分散スロープが約0.08Ps
/km・nm2前後であるから、伝送容量を確保するには零分
散波長と信号波長とを数nmから数十nm離す必要があ
る。
【0009】このように分散シフト光ファイバーには、
信号波長と零分散波長とが一致した零分散タイプ、信号
波長と零分散波長とが一致しない非零分散タイプがあ
る。非零分散タイプは、信号波長の違いや信号波長の分
散値の正負の違い等によって多品種になりつつある。と
ころが非零分散タイプの品種は、零分散波長は異なる
が、他光学特性、例えばカットオフ波長やモードフィー
ド径がほぼ同一となる。したがって、ファイバーの用途
に合わせて零分散波長だけを作り分ける必要がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の発明者は、分
散シフト光ファイバーを研究のため試作し、種々の検討
をした結果、以下の所見を得た。
【0011】図9の分散シフト光ファイバー20の屈折
率分布は図10に示すとおりで、n1がセンターコア2
1の屈折率、n2がサイドコア22の屈折率、n3がクラ
ッド23の屈折率、a1がセンターコア21の半径、a2
がサイドコア22の半径、すなわちセンターコア21の
半径a1とサイドコア22の厚みとの総和である。
【0012】図11は、分散シフト光ファイバー20の
カットオフ波長λcと零分散波長λoとの関係(実
線)、およびカットオフ波長λcとモードフィールド径
MFDとの関係(点線)を示している。この分散シフト
光ファイバー20は、センターコア21の比屈折率差Δ
1=(n1−n3)/n1、サイドコア22の比屈折率差
Δ2=(n2−n3)/n2、センターコア21の半径a1
に対するサイドコア22の半径a2の比率Ra2=a2
1を変えずに、クラッド23の厚みだけを変えて外径
125μmに作製したものである。零分散波長λoの変
化率dλo/dλcが最小になる点Pのクラッド厚みを設
定することで、分散シフト光ファイバー20の零分散波
長λoの変動が抑制される。
【0013】点Pにおける零分散波長λop、カットオ
フ波長λcp、モードフィールド径MFDpと比屈折率
差Δ1、比屈折率差Δ2、サイドコア半径比率Ra2
の関係を図12に示す。図12の(O-1)は比屈折率差Δ
1の変動に対する零分散波長λopの変化、同じく(C-
1)はカットオフ波長λcpの変化、(M-1)はモードフィ
ールド径MFDpの変化を示している。(O-2)は比屈折
率差Δ2の変動に対する零分散波長λopの変化、同じ
く(C-2)はカットオフ波長λcpの変化、(M-2)はモード
フィールド径MFDpの変化を示している。(O-3)はサ
イドコア半径比率Ra2の変動に対する零分散波長λo
pの変化、同じく(C-3)はカットオフ波長λcpの変
化、(M-3)はモードフィールド径MFDpの変化を示し
ている。これら図12から分かるように、分散シフト光
ファイバー20は、零分散波長λopを変えるために比
屈折率差Δ1、比屈折率差Δ2、サイドコア半径比率R
2を変えると、カットオフ波長λcpやモードフィー
ルド径MFDpも変化してしまう。
【0014】図13はカットオフ波長λcp、モードフ
ィールド径MFDpを一定にしたとき、零分散波長λo
pに対する比屈折率差Δ1(A)、比屈折率差Δ2
(B)、サイドコア半径比率Ra2と(C)の関係を示
した図である。カットオフ波長λcp=1.3μm、モード
フィールド径MFDp=8.5μmである。同図より零分散
波長λopに対しては、比屈折率差Δ2、サイドコア半
径比率Ra2の制御が重要なことがわかる。
【0015】図14には、分散シフト光ファイバー用ガ
ラス母材の製造装置の概略が示してある。多孔質母材2
00に向けて第1のバーナ41、第2のバーナ42、第
3のバーナ43が配置されている。第1のバーナ41、
第2のバーナ42、第3のバーナ43は、図15にその
正面を示すように同心円多重管バーナであり、中心空孔
45は水素が流出し、空孔46は酸素が流出し、空孔4
7は四塩化ケイ素(SiCl4)が流出し、最外空孔48は
四塩化ゲルマニウム(GeCl4)が流出するようになって
いる。多孔質母材200を製造するには、多孔質母材2
00(種棒)に向けて、バーナ41から火炎形成用ガス
として水素および酸素を流し、さらにガラス原料のSiCl
4およびドーパントのGeCl4を流す。バーナ41の火炎中
で生成したガラス微粒子が噴出し種棒に堆積し、その部
分がセンターコア201となる。バーナ42にも水素、
酸素、SiCl4およびGeCl4を流し、ガラス微粒子が堆積し
た部分がサイドコア202になる。バーナ43には水
素、酸素およびSiCl4を流し、ゲルマニウム(Ge)がド
ープされないガラス微粒子が噴出して堆積した部分がク
ラッド203になる。こうして作製した多孔質母材20
0を焼成して透明化させると光ファイバー母材(プリフ
ォーム)となる。このプリフォームを線引して分散シフ
ト光ファイバーができあがる。
【0016】上記の分散シフト光ファイバー20で零分
散波長λopを得るには、比屈折率差Δ2、サイドコア
半径比率Ra2の調整が必要である(図13参照)。図
14の装置でガラス母材を製造するときに、比屈折率差
Δ2は、サイドコア202のドーパントの量、すなわち
バーナ42から流すGeCl4の流量を変化させれば、比較
的容易に調整することができる。しかし比屈折率差Δ2
だけではなく、サイドコア半径比率Ra2も調整する必
要がある。サイドコア半径比率Ra2は、基本的にサイ
ドコア202に対するSiCl4の流量を変化させることで
調整されるが、SiCl4の量だけが変化するとGeCl4の相対
量が変わって屈折率n2が変化してしまう。屈折率n2
一定に保つためには、SiCl4の流量とともにGeCl4の流量
も変化させる必要がある。さらに、サイドコア202に
対するSiCl4の流量が変化するとその成長速度が変化す
るため、センターコア201の成長速度とのバランスを
とるため、各バーナ41、42、43の相対位置や、夫
々の酸素や水素の流量までも調整し直さなければならな
い。このように従来の製法で零分散波長の分散シフト光
ファイバー20を得るには、その原料となる母材を製造
するための調整が非常に手間のかかるものとなる。
【0017】本発明は、前記の問題点を解決するために
なされたもので、センターコア径やサイドコアの厚みを
調整しなくても、サイドコアの比屈折率差を調整するだ
けで零分散波長を十分に制御できる屈折率分布を持った
分散シフト光ファイバーの母材を効率よく製造する方法
を提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めになされた本発明の光ファイバー用ガラス母材の製造
方法は、図1に示されるように、分散シフト光ファイバ
ー用ガラス母材の製造方法において、種棒100の中心
に向けて第1のバーナ31からセンターコア101のガ
ラス微粒子を噴射し、センターコア101の外側に第2
のバーナ32から第1サイドコア102のガラス微粒子
を噴射し、第1サイドコア102の外側に第3のバーナ
33から第2サイドコア103のガラス微粒子を噴射
し、第2サイドコア103の外側に第4のバーナ34か
らクラッド104のガラス微粒子を噴射して多孔質ガラ
スを成長させる工程を含んでいる。
【0019】第1のバーナ31、第2のバーナ32、第
3のバーナ33のそれぞれは酸素、水素、四塩化ケイ素
およびドーパントを噴射する同心円多重管バーナであ
り、第4のバーナ34は酸素、水素および四塩化ケイ素
を噴射する同心円多重管バーナである。
【0020】ドーパントとしては四塩化ゲルマニウムが
最も好ましい。
【0021】各バーナ31・32・33・34から噴射
する四塩化ケイ素の流量に対するドーパントの流量比を
第1のバーナ31、第2のバーナ32、第3のバーナ3
3、第4のバーナ34の順に低くすることによって、セ
ンターコア101の屈折率、第1サイドコア102の屈
折率、第2サイドコア103の屈折率、クラッド104
の屈折率をこの順に低下させている。
【0022】第1のバーナ31から噴射する四塩化ケイ
素の流量に対するドーパントの流量比は0.05〜0.
15、第2のバーナから噴射する四塩化ケイ素の流量に
対するドーパントの流量比が0.02〜0.05、第3
のバーナから噴射する四塩化ケイ素の流量に対するドー
パントの流量比が0.01〜0.03であることが好ま
しい。
【0023】各バーナ31・32・33・34から噴射
する四塩化ケイ素の流量およびドーパントの流量の総流
量を第1のバーナ31、第2のバーナ32、第3のバー
ナ33、第4のバーナ34の順に高くすることによっ
て、センターコア101の半径、第1サイドコア102
の厚さ、第2サイドコア103の厚さ、クラッド104
の厚さをこの順に大きくしている。
【0024】第1のバーナ31から噴射する四塩化ケイ
素の流量およびドーパントの流量の総流量に対し、第2
のバーナ32から噴射する四塩化ケイ素の流量およびド
ーパントの流量の総流量比が3.0〜3.5、第3のバ
ーナ33から噴射する四塩化ケイ素の流量およびドーパ
ントの流量の総流量比が4.0〜5.0、第4のバーナ
34から噴射する四塩化ケイ素の流量比が6.0〜7.
0であることが好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を詳細に説
明する。図1は、本発明を適用する分散シフト光ファイ
バー用ガラス母材の製造方法の一実施例を示す概略図で
ある。多孔質母材100に向けて第1のバーナ31、第
2のバーナ32、第3のバーナ33および第4のバーナ
34が配置されている。バーナ31、32、33、34
は、図15にその正断面を示すように同心円多重管バー
ナであり、中心空孔45は水素が流出し、空孔46は酸
素が流出し、空孔47はSiCl4が流出し、最外空孔48
はGeCl4が流出するようになっている。光ファイバ用ガ
ラス母材を製造するには、多孔質母材100(種棒)に
向けて、バーナ31から火炎形成用ガスとして水素およ
び酸素を流し、さらにガラス原料のSiCl4およびドーパ
ントのGeCl4を流す。バーナ31の火炎中で生成したガ
ラス微粒子が噴出し種棒に堆積し、その部分がセンター
コア101となる。バーナ32にも水素、酸素、SiCl4
およびGeCl4を流し、ガラス微粒子が堆積した部分が第
1サイドコア102になる。バーナ33にも水素、酸
素、SiCl4およびGeCl4を流し、ガラス微粒子が堆積した
部分が第2サイドコア103になる。バーナ34には水
素、酸素およびSiCl4を流し、Geがドープされないガラ
ス微粒子が噴出して堆積した部分がクラッド104にな
る。こうして作製したガラス母材を焼成して透明化させ
ると、光ファイバー母材(プリフォーム)となる。この
プリフォームを線引して零分散波長分散シフト光ファイ
バーができあがる。
【0026】図2は本発明の製法で得られた母材からな
る分散シフト光ファイバー10の切り口を示す図であ
る。中心部はセンターコア11で、その周囲はセンター
コア11よりも屈折率の低い第1サイドコア12で囲ま
れ、第1サイドコア12はその屈折率よりも低い屈折率
を持つ第2サイドコア13で囲まれており、さらに第2
サイドコア13はその屈折率よりも低い屈折率を持つク
ラッド14で被われている。
【0027】この分散シフト光ファイバー10の屈折率
分布が図3に示されている。横軸は分散シフト光ファイ
バー10の半径方向であり、縦軸が屈折率である。n1
はセンターコア11の屈折率、n2は第1サイドコア1
2の屈折率、n3は第2サイドコア13の屈折率、n4
クラッド14の屈折率である。a1はセンターコア11
の半径である。a2は第1サイドコア12の半径、すな
わちセンターコア11の半径と第1サイドコア12の厚
みとの和である。a3は第2サイドコア13の半径、す
なわちセンターコア11の半径と第1サイドコア12の
厚みと第2サイドコア13の厚みとの総和である。
【0028】図4は分散シフト光ファイバー10のカッ
トオフ波長λcと零分散波長λoとの関係(実線)、お
よびカットオフ波長λcとモードフィールド径MFDと
の関係(点線)を示している。この分散シフト光ファイ
バー10は、センターコア11の比屈折率差Δ1=(n
1−n4)/n1、第1サイドコア12の比屈折率差Δ2
=(n2−n4)/n2、第2サイドコア13の比屈折率
差Δ3=(n3−n4)/n3、センターコア11の半径
1に対する第1サイドコア12の半径a2の比率Ra2
=a2/a1、センターコア11の半径a1に対する第2
サイドコア13の半径a3の比率Ra3=a3/a1を変え
ずに、クラッド14の厚みだけを変えて外径125μm
に作製してある。図3から分かるようにこの分散シフト
光ファイバー10も、従来の分散シフト光ファイバー2
0と同様、零分散波長λoの変化率dλo/dλcが最小
になる点Qが存在する。そのときの零分散波長がλo
q、カットオフ波長がλcqである。
【0029】分散シフト光ファイバー10(第1サイド
コア半径比率Ra2、第2サイドコア半径比率Ra3はと
もに一定)の点Qにおける零分散波長λoq、カットオ
フ波長λcq、モードフィールド径MFDqと比屈折率
差Δ1、比屈折率差Δ2、比屈折率差Δ3との関係を図
5に示す。同図の(O-1)は比屈折率差Δ1の変動に対す
る零分散波長λoqの変化、同じく(C-1)はカットオフ
波長λcqの変化、(M-1)はモードフィールド径MFD
qの変化を示している。(O-2)は比屈折率差Δ2の変動
に対する零分散波長λoqの変化、同じく(C-2)はカッ
トオフ波長λcqの変化、(M-2)はモードフィールド径
MFDqの変化を示している。(O-3)は比屈折率差Δ3
の変動に対する零分散波長λoqの変化、同じく(C-3)
はカットオフ波長λcqの変化、(M-3)はモードフィー
ルド径MFDqの変化を示している。これら図5から分
かるように、分散シフト光ファイバー10は、比屈折率
差Δ1、比屈折率差Δ2、比屈折率差Δ3を調整するこ
とで零分散波長λoq、カットオフ波長λcq、モード
フィールド径MFDqを制御できる。
【0030】図6はカットオフ波長λcq=1.3μm、モ
ードフィールド径MFDq=8.5μmと一定にしたと
き、零分散波長λoqに対する比屈折率差Δ1(A)、
比屈折率差Δ2(B)、比屈折率差Δ3(C)の関係を
示した図である。このとき第1サイドコア半径比率Ra
、第2サイドコア半径比率Ra3は一定に保たれてい
る。
【0031】図6に示されるように、分散シフト光ファ
イバーの零分散波長を調整するには、比屈折率差Δ2お
よび比屈折率差Δ3の調整が重要である。Δ2およびΔ
3を調整するには、図1に示す製造装置でガラス母材を
製造する際に、バーナ32・33に供給するドーパント
(GeCl4)の流量を変化させれば良い。従って、本発明
の製法は、分散シフト光ファイバーの零分散波長を効率
よく制御できる。
【0032】上記の分散シフト光ファイバを実際に製造
した。その実験例は以下のとおりである。
【0033】実験例1 図1に示される製造装置により、表1に示す製造条件で
分散シフト光ファイバー用ガラス母材を試作した。
【0034】
【表1】
【0035】試作したガラス母材を焼成して透明化させ
た光ファイバー母材(プリフォーム)を線引して分散シ
フト光ファイバーを得た。このプリフォームの屈折率プ
ロファイル(得られた分散シフト光ファイバーの屈折率
プロファイルと相似)は図7中に実線で描かれた(a)実
験例1のようになる。図8の(a)には、この分散シフト
光ファイバーのカットオフ波長λcと零分散波長λoと
の関係(実線)、およびカットオフ波長λcとモードフ
ィールド径MFDとの関係(点線)が示してある。尚、
点Q1に相当するクラッドの厚みは、クラッド外付け方
法(不図示)によって調整されている。
【0036】実験例2 図1に示される製造装置により、表2に示す製造条件で
ガラス母材を試作した。
【0037】
【表2】
【0038】試作したガラス母材を焼成して透明化させ
たプリフォームを線引して分散シフト光ファイバーを得
た。このプリフォームの屈折率プロファイル(得られた
分散シフト光ファイバーの屈折率プロファイルと相似)
は図7中に点線で描かれた(b)実験例2のようになる。
図8の(b)には、この分散シフト光ファイバーのカット
オフ波長λcと零分散波長λoとの関係(実線)、およ
びカットオフ波長λcとモードフィールド径MFDとの
関係(点線)が示してある。尚、点Q2に相当するクラ
ッドの厚みは、クラッド外付け方法によって調整されて
いる。
【0039】実験例1および実験例2で得られた分散シ
フト光ファイバーの伝送特性を表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】表1〜3から、バーナ32・33のGeCl4
の流量を変化させるだけで分散シフト光ファイバーの零
分散波長を調整できることが確認された。
【0042】
【発明の効果】従来、分散シフト光ファイバーで零分散
波長を得るには、バーナで光ファイバー用ガラス母材を
製造する際にサイドコア比屈折率差を調整し、さらに各
バーナの相対位置や夫々の酸素や水素の流量を調整して
サイドコア半径比率を調整する必要がある。しかし本発
明の製法によると、サイドコア比屈折率差の調整だけで
分散シフト光ファイバーの零分散波長を調整できる。サ
イドコア比屈折率差の調整は、バーナに供給するドーパ
ントの流量だけを変化させればよい。このように本案の
製法は、バーナの相対位置や酸素の流量を調整してサイ
ドコア半径比率の調整を図る必要がないので、分散シフ
ト光ファイバー用ガラス母材、延いては分散シフト光フ
ァイバーを効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する分散シフト光ファイバー用ガ
ラス母材の製造方法の一実施例を示す概略図である。
【図2】本発明の製法で得られた母材からなる分散シフ
ト光ファイバーの切り口を示す図である。
【図3】本発明の製法で得られた母材からなる分散シフ
ト光ファイバーの屈折率分布を示す図である。
【図4】本発明の製法で得られた母材からなる分散シフ
ト光ファイバーのカットオフ波長と、零分散波長および
モードフィールド径との関係を示す図である。
【図5】本発明の製法で得られた母材からなる分散シフ
ト光ファイバーの零分散波長、カットオフ波長、モール
ドフィード径と、比屈折率差との関係を示す図である。
【図6】本発明の製法で得られた母材からなる分散シフ
ト光ファイバーの比屈折率差と零分散波長との関係を示
す図である。
【図7】本発明を適用して試作した分散シフトフト光フ
ァイバーの屈折率プロファイルを示す図である。
【図8】本発明を適用して試作した分散シフト光ファイ
バーのカットオフ波長と、零分散波長およびモードフィ
ールド径との関係を示す図である。
【図9】従来の分散シフト光ファイバーの切り口を示す
図である。
【図10】従来の分散シフト光ファイバーの屈折率分布
を示す図である。
【図11】従来の分散シフト光ファイバーのカットオフ
波長と、零分散波長およびモードフィールド径との関係
を示す図である。
【図12】従来の分散シフト光ファイバーの零分散波
長、 カットオフ波長、モールドフィード径と、比屈折
率差、サイドコア比との関係を示す図である。
【図13】従来の分散シフト光ファイバーの比屈折率
差、サイドコア比と、零分散波長との関係を示した図で
ある。
【図14】従来の分散シフト光ファイバーを作製する装
置の概略図である。
【図15】同心円多重管バーナの正面図である。
【符号の説明】
101はセンターコア、102は第1サイドコア、10
3は第2サイドコア、104はクラッド、31・32・
33・34はバーナ、100は多孔質母材である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散シフト光ファイバー用ガラス母材の
    製造方法において、種棒の中心に向けて第1のバーナか
    らセンターコアのガラス微粒子を噴射し、該センターコ
    アの外側に第2のバーナから第1サイドコアのガラス微
    粒子を噴射し、該第1サイドコアの外側に第3のバーナ
    から第2サイドコアのガラス微粒子を噴射し、該第2サ
    イドコアの外側に第4のバーナからクラッドのガラス微
    粒子を噴射して多孔質ガラスを成長させる工程を含む光
    ファイバー用ガラス母材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1のバーナ、第2のバーナ、第3
    のバーナのそれぞれが酸素、水素、四塩化ケイ素および
    ドーパントを噴射する同心円多重管バーナであり、前記
    第4のバーナが酸素、水素および四塩化ケイ素を噴射す
    る同心円多重管バーナであることを特徴とする請求項1
    に記載の光ファイバー用ガラス母材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ドーパントが四塩化ゲルマニウム
    であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバー
    用ガラス母材の製造方法。
  4. 【請求項4】 各バーナから噴射する四塩化ケイ素の
    流量に対するドーパントの流量比を前記第1のバーナ、
    第2のバーナ、第3のバーナ、第4のバーナの順に低く
    することによって、センターコアの屈折率、第1サイド
    コアの屈折率、第2サイドコアの屈折率、クラッドの屈
    折率をこの順に低下させることを特徴とする請求項1に
    記載の光ファイバー用ガラス母材の製造方法。
  5. 【請求項5】 第1のバーナから噴射する四塩化ケイ素
    の流量に対するドーパントの流量比が0.05〜0.1
    5、第2のバーナから噴射する四塩化ケイ素の流量に対
    するドーパントの流量比が0.02〜0.05、第3の
    バーナから噴射する四塩化ケイ素の流量に対するドーパ
    ントの流量比が0.01〜0.03であることを特徴と
    する請求項4に記載の光ファイバー用ガラス母材の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 各バーナから噴射する四塩化ケイ素の流
    量およびドーパントの流量の総流量を前記第1のバー
    ナ、第2のバーナ、第3のバーナ、第4のバーナの順に
    高くすることによって、センターコアの半径、第1サイ
    ドコアの厚さ、第2サイドコアの厚さ、クラッドの厚さ
    をこの順に大きくすることを特徴とする請求項1に記載
    の光ファイバー用ガラス母材の製造方法。
  7. 【請求項7】 第1のバーナから噴射する四塩化ケイ素
    の流量およびドーパントの流量の総流量に対し、第2の
    バーナから噴射する四塩化ケイ素の流量およびドーパン
    トの流量の総流量比が3.0〜3.5、第3のバーナか
    ら噴射する四塩化ケイ素の流量およびドーパントの流量
    の総流量比が4.0〜5.0、第4のバーナから噴射す
    る四塩化ケイ素の流量比が6.0〜7.0であることを
    特徴とする請求項6に記載の光ファイバー用ガラス母材
    の製造方法。
JP8235579A 1996-09-05 1996-09-05 分散シフト光ファイバー用ガラス母材の製造方法 Pending JPH1081528A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001021735A (ja) * 1999-07-06 2001-01-26 Shin Etsu Chem Co Ltd シングルモード光ファイバ母材の選択方法
KR100368575B1 (ko) * 1999-11-12 2003-01-24 대한전선 주식회사 비영분산 천이 광섬유용 모재의 제조방법

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