JPH1081527A - ガラス基板の熱処理方法 - Google Patents

ガラス基板の熱処理方法

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JPH1081527A
JPH1081527A JP9186934A JP18693497A JPH1081527A JP H1081527 A JPH1081527 A JP H1081527A JP 9186934 A JP9186934 A JP 9186934A JP 18693497 A JP18693497 A JP 18693497A JP H1081527 A JPH1081527 A JP H1081527A
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JP
Japan
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heat treatment
glass substrate
cooling rate
average cooling
temperature
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Application number
JP9186934A
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English (en)
Inventor
Seiji Miyazaki
誠司 宮崎
Manabu Nishizawa
学 西沢
Takashi Maeda
敬 前田
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Landscapes

  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】複数回の熱処理を行う際にガラスの伸縮率を抑
制する。 【解決手段】2回目以降の熱処理において、直前の熱処
理における平均冷却速度と同じ平均冷却速度を用いて熱
処理を行うとガラス基板が収縮する場合は、平均冷却速
度を直前の熱処理におけるものよりも大きくし、逆にガ
ラス基板が伸長する場合は、平均冷却速度を直前の熱処
理におけるものよりも小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル、液晶表示パネルなどのディスプレイパネル
の製造に好適な、ガラス基板の熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイパネル(以下PD
Pと記す)の製造には、ガラス基板上に電極材、誘電
体、隔壁、蛍光体等の積層体をスクリーン印刷やフォト
リソ技術を用いて積層、形成する工程が含まれる。この
形成工程では、基板上に積層された材料を乾燥し、焼結
させるために、各積層体に対して、通常500〜600
℃の温度で熱処理する必要がある。すなわち、基板は加
熱、冷却を繰り返して受けることになる。
【0003】一般にガラスは熱処理により比容が変わる
ことが知られている。このガラスの寸法変化によって積
層材料のパターンずれが生じ、前面基板および背面基板
の貼り合わせの作業効率が低下したり、ディスプレイに
クロストークが生じる原因となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来は、このような熱
処理時のガラスの伸縮を抑えるために、歪点の高いガラ
スを使用したり、前熱処理、すなわちガラスを熱処理温
度条件に近いパターンで前もって熱処理しガラスの伸縮
を安定化したりしていた。しかし、歪点の高いガラスを
使用しても、完全にはこのガラスの伸縮を取り除けな
い。また、前熱処理は、パネル製造時の熱処理工程が1
回だけの場合には、ある程度効果的であるが、複数回熱
処理が行われる場合には、熱処理のたびに伸縮率が異な
るため、2回目以降の熱処理によるガラスの伸縮を抑え
ることが難しい。
【0005】一方で、近年、ディスプレイの画素の高精
細化が進むにつれて、膜形成技術の精度向上が要求さ
れ、ガラスの熱処理時の寸法安定性向上はますます重要
な問題となっている。
【0006】本発明は、従来技術が有する前述の問題点
を解消し、ガラス基板を熱処理する際のガラスの伸縮を
制御しうる技術的手段を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決すべくなされたものであり、ガラス基板を複数回熱処
理する方法であって、2回目以降の熱処理において、熱
処理のために所定時間保持される温度から冷却する際の
冷却速度を直前の熱処理における冷却速度と異ならせ
て、熱処理後のガラス基板の伸縮率の絶対値を抑制する
ことを特徴とするガラス基板の熱処理方法である。
【0008】本発明の1つの態様においては、ガラス基
板を400℃を超える温度で複数回熱処理する方法であ
って、2回目以降の熱処理において、熱処理のために所
定時間保持される温度から400℃まで冷却する際の平
均冷却速度(以下、「400℃までの平均冷却速度」と
いう)を、直前の熱処理における400℃までの平均冷
却速度と同じ速度にして熱処理する場合よりも、ガラス
基板の伸縮率の絶対値が小さくなるように、設定するこ
とを特徴とする。
【0009】特に、2回目以降の熱処理において、直前
の熱処理における400℃までの平均冷却速度と同じ4
00℃までの平均冷却速度を用いて熱処理を行うとガラ
ス基板が収縮する場合は、400℃までの平均冷却速度
を直前の熱処理におけるものよりも大きくし、直前の熱
処理における400℃までの平均冷却速度と同じ400
℃までの平均冷却速度を用いて熱処理を行うとガラス基
板が伸長する場合は、400℃までの平均冷却速度を直
前の熱処理におけるものよりも小さくすることを特徴と
する。
【0010】また、本発明の別の態様では、ガラス基板
を300℃を超える温度で複数回熱処理する方法であっ
て、2回目以降の熱処理において、熱処理のために所定
時間保持される温度から室温まで冷却する際の平均冷却
速度(以下、「室温までの平均冷却速度」という)を、
直前の熱処理における室温までの平均冷却速度と同じ速
度にして熱処理する場合よりも、ガラス基板の伸縮率の
絶対値が小さくなるように、設定することを特徴とす
る。
【0011】特に、2回目以降の熱処理において、直前
の熱処理における室温までの平均冷却速度と同じ室温ま
での平均冷却速度を用いて熱処理を行うとガラス基板が
収縮する場合は、室温までの平均冷却速度を直前の熱処
理におけるものよりも大きくし、直前の熱処理における
室温までの平均冷却速度と同じ室温までの平均冷却速度
を用いて熱処理を行うとガラス基板が伸長する場合は、
室温までの平均冷却速度を直前の熱処理におけるものよ
りも小さくすることを特徴とする。
【0012】本発明によれば、熱処理(すなわち、昇温
−温度保持−冷却のサイクル)における冷却速度によっ
て、ガラス基板の伸縮率が制御されるので、熱処理を複
数回繰り返しても、各熱処理工程におけるガラス基板の
伸縮率が最小限に抑えられる。
【0013】ここでいう冷却速度としては、PDPやポ
リシリコンTFTを製造する場合のように、比較的高温
(たとえば、400℃、特に500℃を超える温度)で
熱処理を行う場合、熱処理のために保持される温度から
400℃まで冷却する際の平均冷却速度(すなわち、4
00℃までの平均冷却速度)が重要である。一方、40
0℃未満の温度での冷却速度は、ガラス基板の伸縮率に
及ぼす影響が比較的小さい。
【0014】一方、ポリシリコンTFT以外の液晶表示
パネルを製造する場合のように、比較的低温(たとえ
ば、300〜450℃)で熱処理を行う場合であって
も、熱処理時の基板の伸縮率の絶対値を非常に小さくす
ることが要求される用途では、熱処理のために保持され
る温度から室温まで冷却する際の平均冷却速度(すなわ
ち、室温までの平均冷却速度)が重要になる。
【0015】また、このような液晶表示パネルを製造す
る場合のように低温(400℃以下)で熱処理を行う場
合でも、要求される熱処理時のガラス基板の伸縮率の絶
対値を非常に小さくすることが要求される用途では、す
でに加熱されたホットプレート上に室温のガラス基板を
乗せたり、逆に、ホットプレートから降ろすような極端
な操作を行うことによって、本発明の主旨を達成するこ
ともできる。
【0016】本明細書では、400℃までの平均冷却速
度と室温までの平均冷却速度とを合わせて、単に平均冷
却速度という。また、熱処理のために保持される温度
(最高温度)を熱処理温度という。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態としてガラス基
板を2回、それぞれの熱処理のための昇温速度、熱処理
温度およびその保持時間を同じ条件にして熱処理する場
合について説明する。
【0018】このように、熱処理の温度プロファイルを
完全に同じくして熱処理しても、たとえば最初の熱処理
で5ppm程度ガラス基板が伸長するのに対し、次の熱
処理ではガラス基板が18ppm収縮するような事態が
しばしば起こる。
【0019】そこで本発明では、2回目以降の熱処理で
は、平均冷却速度を調整する。こうすると、伸縮率の変
化および1回の熱処理での伸縮の絶対量を小さく抑制で
きる。多くの場合では、2回目の熱処理における平均冷
却速度を1回目の熱処理における平均冷却速度より大き
くすることにより、2回目の熱処理の伸縮率の絶対値を
1回目の熱処理の伸縮率の絶対値と同程度に抑制でき
る。
【0020】一般に、1回目と同一の冷却速度で2回目
の熱処理を行って、ガラス基板が収縮する場合は、2回
目の熱処理では平均冷却速度を1回目よりも大きくすれ
ば1回目の熱処理と同程度の絶対値の伸縮率に抑制で
き、逆に1回目と同一の冷却速度で2回目の熱処理を行
って、ガラス基板が伸長する場合は、2回目の熱処理で
は平均冷却速度を1回目よりも小さくすれば1回目の熱
処理と同程度の絶対値の伸縮率に抑制できる。
【0021】本発明のようにして、複数回熱処理を行う
場合のガラス基板の伸縮率の絶対値を抑制できる理由
は、おおよそ次のように考えられる。前記の例のよう
に、2回目の熱処理において、1回目の熱処理と同じ温
度プロファイルで熱処理した場合にガラスが大きく収縮
するのは、熱処理中の昇温で、ガラスが平衡状態(最も
密度の高い状態)に近づいたためであると考えられる。
したがって、この場合は、ガラスの昇温時の膨張状態を
ある程度保持したまま冷却すればよい。すなわち、1回
目の熱処理に比べて2回目の熱処理で平均冷却速度を大
きくすることがガラスの収縮を抑えるために効果的であ
る。
【0022】逆に、2回目の熱処理において、1回目の
熱処理と同じ温度プロファイルで熱処理した場合にガラ
スが大きく伸長するのは、熱処理中に、ガラスがより平
衡状態から外れてしまったためであると考えられる。こ
の場合は、ガラス基板がなるべく平衡状態に近づくよう
にするために、2回目の熱処理では、1回目の熱処理に
比べて平均冷却速度を小さくすればよい。
【0023】すなわち、2回目以降の熱処理に際し、該
熱処理における昇温と温度保持によって緩和されるガラ
ス基板内の応力量と、該熱処理の冷却時に発生する応力
量とがつり合うように該熱処理の際の冷却速度を設定す
れば、両工程での基板の伸縮率が相殺され、ガラス基板
の伸縮率の絶対値を抑制できる。
【0024】たとえば、複数回の熱処理で、熱処理工程
での昇温速度、熱処理温度、その保持時間、冷却速度な
どの温度プロファイルを同じにする場合は、熱処理のた
びにガラスは平衡状態に近づく。したがって、各熱処理
での伸縮率を一定にするためには、熱処理を重ねるたび
に、平均冷却速度を大きくしていくことが好ましい。
【0025】また、2回目の熱処理のプロファイルが1
回目の熱処理とほぼ同じで熱処理温度での保持時間のみ
が長い場合、ガラスは急激に平衡状態に近づくことにな
る。したがって、各熱処理での伸縮率を一定にするため
には、2回目の熱処理で、1回目の熱処理よりも相当に
速く冷却する必要がある。この平均冷却速度は、各熱処
理での熱処理温度での保持時間が同じ場合に、伸縮率の
絶対値を抑制するために要求される平均冷却速度よりも
大きくなる。
【0026】一方、2回目の熱処理工程での熱処理温度
が1回目の熱処理工程での熱処理温度よりも高い場合に
は、同じ昇温速度、冷却速度を採用すると、2回目の熱
処理によって、1回目の熱処理後よりもガラスが平衡状
態から外れ、ガラスが伸長してしまうことがありうる。
高い温度での平衡条件はそれより低い温度での平衡条件
よりもガラスが伸長する傾向にあるからである。このよ
うな場合には、2回目の熱処理で、1回目の熱処理より
も平均冷却速度を小さくすればよい。
【0027】本発明においては、ガラス基板熱処理時の
熱処理温度や熱処理温度に保持する時間は、積層材料の
特性に合わせて適宜決定できる。すなわち、積層材料に
合わせた条件で熱処理後、冷却速度を適当に設定するこ
とにより、ガラス基板の伸縮率を各熱処理工程で、小さ
くかつ一定にすることができる。
【0028】なお、熱処理時のガラスの冷却速度は、
0.5〜10℃/分の範囲でコントロールするのが好ま
しい。0.5℃/分より小さくすると、生産効率が悪く
なるおそれがあり、逆に10℃/分より大きくすると、
ガラス面内の温度分布による熱割れや熱変形の発生割合
が高くなるおそれがある。前述のように、400℃より
低くなると、ガラスの伸縮率や歪に対する冷却速度の影
響は小さくなるので、要求される伸縮率によっては、冷
却速度が前記の範囲から外れても支障ない場合がある。
【0029】また、積層材料を積層する前に1回、前熱
処理をすることは、積層材料を積層した後の第1回目の
熱処理工程でのガラス基板の伸縮率の絶対値を小さく抑
えるために非常に有効である。すなわち、本発明におけ
る複数回の熱処理のうちに、積層材料等を積層する前の
前熱処理をも含むことができる。
【0030】さらに、平均冷却速度は、0.5〜10℃
/分の範囲で所望の伸縮率に調整できない場合は、次の
積層材料を形成する前にガラス基板を熱処理することに
よって調整できる場合がある。
【0031】本発明の熱処理工程で用いられる炉として
は、ガラス基板を熱処理のたびに炉内に搬入し、炉内の
温度を時間によって変化させるバッチ型の炉でもよく、
炉内に適当な温度分布を形成し、その中を所定速度でガ
ラス基板を移送するタイプのベルト式炉、コンベヤ式
炉、ウォーキングビーム式炉などでもよい。
【0032】特にコンベヤ式炉で、炉内でコンベヤを複
数に分割し、昇温工程、熱処理工程、冷却工程で独立し
て時間を制御できるタイプの炉は、簡単に、冷却速度を
制御できるため、非常に好ましい。
【0033】なお、本発明で使用されるガラス基板とし
ては、熱処理工程での熱割れ、熱変形を極力防ぐため、
一般的な積層材料と熱膨張係数の適合したものが好まし
い。たとえば、PDPの製造においては、熱膨張係数が
70×10-7〜90×10-7/℃程度のものである。ま
た同様の目的で、熱処理時の最高温度より高い徐冷点を
有するガラスが望ましい。
【0034】以上、本発明によれば、複数回ガラス基板
を熱処理する際に、比較的高温(たとえば、400℃、
特に500℃を超える温度)で熱処理を行う場合であっ
ても、各熱処理において、ガラス基板の伸縮率の絶対値
を50ppm以下となるようにすることができ、特に2
0ppm以下にすることができる。また、比較的低温
(たとえば、300〜450℃)で熱処理を行う場合に
は、ガラス基板の伸縮率の絶対値を10ppm以下とな
るようにすることができ、特に5ppm以下にすること
ができる。
【0035】また、積層材料を積層してからの累積的な
ガラスの伸縮率の絶対値についても、比較的高温で熱処
理を行う場合は、50ppm以下となるようにすること
ができ、特に20ppm以下にすることができる。ま
た、比較的低温で熱処理を行う場合には、10ppm以
下となるようにすることができ、特に5ppm以下にす
ることができる。
【0036】なお、本発明のプロセスは、PDPや液晶
表示パネルなどのディスプレイパネルの製造時のみなら
ず、ガラス基板を高精度に複数回熱処理する必要がある
プロセス一般に適用できる。
【0037】また、本発明の方法は、2回目以降すべて
の熱処理に適用することが好ましいが、少なくとも1回
の熱処理に適用することにより、当該熱処理において
は、本発明の効果を得ることができる。
【0038】
【実施例】徐冷点620℃、熱膨張係数83×10-7
℃を有するアルミノケイ酸系のフロートガラスに1回熱
処理を施したものを基板ガラスとして用いた。そのガラ
スの寸法をあらかじめ計測した後、ベルト式熱処理炉で
熱処理し、熱処理後の寸法を再測定し、次式 (熱処理後寸法−熱処理前寸法)/(熱処理前寸法) により伸縮率(単位:ppm)を算出した。この操作を
4回繰り返し、1回ごとに前回の熱処理後からの熱伸縮
率を求めた。なお、昇温は室温から最高温度まで30分
かけて行い、最高温度での保持時間は20分とし、40
0℃以下は自然冷却とした。
【0039】表1に、熱処理温度、400℃までの平均
冷却速度および伸縮率の測定結果を示す。例1〜例5
は、4回の熱処理温度(最高温度)を同一にした場合で
ある。
【0040】例1、例2のように平均冷却速度を熱処理
回数ごとに大きくすることによって、各段階で5ppm
以下という誤差の範囲程度にまで、伸縮率の絶対値を抑
制できた。一方、例3、例4のように、同一速度で冷却
すると、1回目はそれぞれ例1、例2と同じようになる
が、その後は収縮量を抑制できなかった。さらに例5の
ように冷却速度を一様に上げた場合は、2回目以降の収
縮量は若干下がったが、1回目の伸長量が増え、全回数
において満足できる結果は得られなかった。
【0041】また、例6、例7は、熱処理温度を熱処理
ごとに徐々に下げた場合である。この場合も、冷却速度
を一定にした例7と比べて、冷却速度を調整した例6の
効果は絶大であり、熱処理温度を各熱処理で変化させた
場合にも、本発明の方法が効果的であることが確認でき
る。
【0042】このように、熱処理温度、その保持時間等
に合わせた適切な平均冷却速度をそのつど選ぶことによ
って、ガラスの伸縮率のばらつきを小さくし、かつその
絶対量を抑制できる。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明は、複数回の熱処理
を行う際にガラスの伸縮率を抑制できるきわめて有効な
方法である。すなわち、PDPなどのディスプレイの高
精細化、高画素化、大面積化が進むにつれて、基板の寸
法安定性が重要視されるなか、本発明の方法により、品
質向上、生産効率向上が達成できる。
【0045】さらに本発明は、ディスプレイの製造に限
られず、高温での熱処理工程が必要とされる他の製造工
程にも適用できる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス基板を複数回熱処理する方法であっ
    て、2回目以降の熱処理において、熱処理のために所定
    時間保持される温度から冷却する際の冷却速度を直前の
    熱処理における冷却速度と異ならせて、熱処理後のガラ
    ス基板の伸縮率の絶対値を抑制することを特徴とするガ
    ラス基板の熱処理方法。
  2. 【請求項2】ガラス基板を400℃を超える温度で複数
    回熱処理する方法であって、2回目以降の熱処理におい
    て、熱処理のために所定時間保持される温度から400
    ℃まで冷却する際の平均冷却速度(以下、「400℃ま
    での平均冷却速度」という)を、直前の熱処理における
    400℃までの平均冷却速度と同じ速度にして熱処理す
    る場合よりも、ガラス基板の伸縮率の絶対値が小さくな
    るように、設定することを特徴とするガラス基板の熱処
    理方法。
  3. 【請求項3】2回目以降の熱処理において、直前の熱処
    理における400℃までの平均冷却速度と同じ400℃
    までの平均冷却速度を用いて熱処理を行うとガラス基板
    が収縮する場合は、400℃までの平均冷却速度を直前
    の熱処理におけるものよりも大きくし、直前の熱処理に
    おける400℃までの平均冷却速度と同じ400℃まで
    の平均冷却速度を用いて熱処理を行うとガラス基板が伸
    長する場合は、400℃までの平均冷却速度を直前の熱
    処理におけるものよりも小さくすることを特徴とする請
    求項2記載のガラス基板の熱処理方法。
  4. 【請求項4】各熱処理において、ガラス基板の伸縮率の
    絶対値が50ppm以下となるようにすることを特徴と
    する請求項2または3記載のガラス基板の熱処理方法。
  5. 【請求項5】ガラス基板を300℃を超える温度で複数
    回熱処理する方法であって、2回目以降の熱処理におい
    て、熱処理のために所定時間保持される温度から室温ま
    で冷却する際の平均冷却速度(以下、「室温までの平均
    冷却速度」という)を、直前の熱処理における室温まで
    の平均冷却速度と同じ速度にして熱処理する場合より
    も、ガラス基板の伸縮率の絶対値が小さくなるように、
    設定することを特徴とするガラス基板の熱処理方法。
  6. 【請求項6】2回目以降の熱処理において、直前の熱処
    理における室温までの平均冷却速度と同じ室温までの平
    均冷却速度を用いて熱処理を行うとガラス基板が収縮す
    る場合は、室温までの平均冷却速度を直前の熱処理にお
    けるものよりも大きくし、直前の熱処理における室温ま
    での平均冷却速度と同じ室温までの平均冷却速度を用い
    て熱処理を行うとガラス基板が伸長する場合は、室温ま
    での平均冷却速度を直前の熱処理におけるものよりも小
    さくすることを特徴とする請求項5記載のガラス基板の
    熱処理方法。
  7. 【請求項7】各熱処理において、ガラス基板の伸縮率の
    絶対値が10ppm以下となるようにすることを特徴と
    する請求項5または6記載のガラス基板の熱処理方法。
JP9186934A 1996-07-12 1997-07-11 ガラス基板の熱処理方法 Pending JPH1081527A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011051816A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Ohara Inc 結晶化ガラスの製造方法
US8164994B2 (en) 2005-06-27 2012-04-24 Samsung Electonics Co., Ltd. Apparatus for generating tracking signal

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