JPH1081018A - プリンタ装置及びその製造方法 - Google Patents

プリンタ装置及びその製造方法

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Publication number
JPH1081018A
JPH1081018A JP23704396A JP23704396A JPH1081018A JP H1081018 A JPH1081018 A JP H1081018A JP 23704396 A JP23704396 A JP 23704396A JP 23704396 A JP23704396 A JP 23704396A JP H1081018 A JPH1081018 A JP H1081018A
Authority
JP
Japan
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heating element
resistor
pressure chamber
medium
plane direction
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP23704396A
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English (en)
Inventor
Takaaki Murakami
隆昭 村上
Masato Ando
真人 安藤
Kouichirou Kijima
公一朗 木島
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
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Publication of JPH1081018A publication Critical patent/JPH1081018A/ja
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 定量媒体と吐出媒体を混合吐出する際の定量
媒体の定量を発熱素子により行い、特に低濃度側の階調
表現を良好に行う。 【解決手段】 蓄熱層上に両端に電極が接続される抵抗
体が設けられ、この上に保護膜が形成されてなり、抵抗
体に通電することにより発熱する発熱素子を、定量媒体
が充填される第2の圧力室内に保護膜が第2の圧力室内
の定量媒体に接するように設け、この発熱素子が発熱時
にその表面において面内方向の温度分布を有するものと
する。この発熱素子においては、抵抗体の通電時におけ
る発熱量を面内方向で変化させることにより、発熱時の
温度分布を面内方向で形成していることが好ましい。ま
た、保護膜の厚さを発熱素子の面内方向で変化させる、
或いは蓄熱層の厚さを発熱素子の面内方向で変化させる
ことにより、発熱時の温度分布を面内方向で形成してい
ても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は定量媒体と吐出媒体
を混合吐出するプリンタ装置に関する。詳しくは、定量
媒体の定量を発熱素子を用いて行うようにし、特に低濃
度側の階調表現性を良好としたプリンタ装置に係わるも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、特にオフィス等においてデスクト
ップパブリッシングと称されるコンピュータを使用した
文書作成が盛んに行われるようになってきており、最近
では文字や図形だけでなく、写真のようなカラーの自然
画像を文字,図形とともに出力するといった要求も増加
してきている。さらに、パーソナルユースの分野におい
ても、年賀状やグリーティングカード等の作成が盛んに
行われるようになってきており、上記のような要求が増
加してきている。そして、これに伴い、高品位な自然画
像をプリントすることが要求され、中間調の表示による
階調表現が重要となっている。
【0003】また、記録信号に応じた制御信号に応じて
印刷時に必要な時だけインク液滴をノズルより吐出して
紙,フィルム等の被記録材に被着させて記録する、いわ
ゆるオンデマンド型のプリンタ装置は、小型化,低コス
ト化の可能性を有するため、近年急速に普及しつつあ
る。
【0004】このように、インク液滴をノズルより吐出
させる方法としては、様々な方法が提案されているが、
ピエゾ素子を用いる方法または発熱素子を用いる方法が
一般的である。前者はピエゾ素子の変形によりインクに
圧力を加えて吐出させる方法である。後者は、発熱素子
によりインクを加熱気化させて発生する泡の圧力でイン
クを吐出させる方法である。
【0005】そして、上記のような中間調の表示による
階調表現を上述のインク液滴を吐出するオンデマンド型
のプリンタ装置で疑似的に行う方法としては、様々な方
法が提案されている。すなわち、第1の方法としてはピ
エゾ素子或いは発熱素子に与える電圧パルスの電圧やパ
ルス幅を変化させて吐出する液滴サイズを制御し、印刷
ドットの径を可変として階調を表現するものが挙げられ
る。
【0006】しかし、上記第1の方法においては、ピエ
ゾ素子或いは発熱素子に与える電圧やパルス幅を下げす
ぎるとインクが吐出しなくなるため最小液滴径に限界が
あり、表現可能な階調段数が少なく、特に低濃度の表現
が非常に困難であるという欠点を有している。従って、
自然画像のプリントアウトには不満足なものである。
【0007】なお、上記のような発熱素子としては、蓄
熱層上に両端に電極が接続される抵抗体が設けられ、こ
の上に保護膜が形成されてなり、抵抗体に通電すること
により発熱する発熱素子が例示される。そして、このよ
うな発熱素子を使用する場合においては、発熱素子の平
面形状や発熱素子を構成する抵抗体や蓄熱層、保護膜の
厚さに勾配を持たせる等して、発熱素子表面において発
熱時に面内方向の温度分布を有するようにし、発熱素子
表面に発生する泡の大きさを制御して液滴サイズを制御
することも考えられる。しかしながら、吐出させる液滴
の大きさは泡の大きさだけでなく、ノズルやノズル先端
の形状や寸法等の影響も受けるため、やはり最小液滴径
に限界があり、表現可能な階調段数が少なく、特に低濃
度の表現が非常に困難であるという欠点を有している。
従って、自然画像のプリントアウトには不満足なもので
ある。
【0008】また、第2の方法としては、ドット径は変
化させずに1画素を例えば4×4のドットよりなるマト
リクスで構成し、このマトリクス単位でいわゆるディザ
法や誤差拡散法といった画像処理により階調表現を行う
方法が挙げられる。この場合には、これに加えて輪郭部
の強調処理やスムージング処理といった画像処理技術を
組み合わせる場合もある。
【0009】しかし、この第2の方法においても、1画
素を4×4のマトリクスで構成した場合、17階調の濃
度を表現することができるが、例えば上記第1の方法と
同じドット密度で印刷した場合には解像度が1/4に劣
化してしまい、荒さが目立つため、これも自然画像のプ
リントアウトには不満足なものである。
【0010】この不都合を解消するべく、画像処理を厳
密なものとすると、回路の複雑化や演算処理速度の低
下、すなわち、プリントアウト時間の長時間化を招き好
ましくない。
【0011】そこで、本発明者等は、従来のインクのみ
を吐出するオンデマンド型のプリンタ装置の問題点を原
理的に解明するために、例えば特開平5−201024
号公報に示されるように、インクと透明溶媒である希釈
液を所定の混合比で吐出直前に混合して希釈インクと
し、この希釈インクを直ちにノズルより吐出して被記録
材に被着させて記録を行う2液混合型のプリンタ装置を
提案してきた。なお、以下、このような方式のうち、イ
ンクを定量媒体とし、希釈液を吐出媒体とし、定量媒体
であるインクを吐出媒体である希釈液に混合して希釈イ
ンクとし、吐出媒体を混合された希釈液ごと吐出するこ
とにより記録を行う方式をキャリアジェット方式と称す
るが、上記プリンタ装置においては、希釈液を定量媒体
とし、インクを吐出媒体としても何等問題はない。
【0012】このようなキャリアジェット方式のプリン
タ装置においては、吐出される希釈インク液滴の濃度を
制御し、印刷されるドット毎に濃度を変更することが可
能であり、解像度の劣化を発生させることなく中間階調
が豊富な自然画像をプリントアウトすることが可能であ
る。
【0013】なお、このような2液混合型のプリンタ装
置としては、吐出媒体が導入される第1の圧力室と、定
量媒体が導入される第2の圧力室とを有し、上記第1の
圧力室に連通する第1のノズル及び第2の圧力室に連通
する第2のノズルとを互いに隣合うように開口して有
し、第2のノズルから所定量の定量媒体をノズル開口面
を伝わらせて第1のノズルに向けて滲み出させ、第1の
ノズル先端近傍にて充填されている吐出媒体と接触さ
せ、一定量の吐出媒体を第1のノズルから吐出すること
により定量媒体と吐出媒体を混合溶液として吐出するプ
リンタ装置が挙げられる。すなわち、このプリンタ装置
においては、一定量である吐出媒体に対して定量媒体と
なるインク或いは希釈液の定量する量を変化させること
により混合液滴のインクの濃度を変化させて階調を表
す。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、与えら
れた画像データに基づき、各液滴毎に濃度を制御する2
液混合型のプリンタ装置においては、当然のことながら
画像データに応じて各液滴の濃度を正確に制御する必要
がある。このため、定量媒体の定量精度は非常に重要な
特性である。
【0015】このような2液混合型のプリンタ装置にお
いては、定量媒体及び吐出媒体を吐出させる手段とし
て、通常ピエゾ素子を使用しており、ピエゾ素子の変形
によりインク或いは希釈液が充填される圧力室に圧力を
加え変形させてインク或いは希釈液をノズルより押し出
すようにしている。
【0016】しかしながら、このピエゾ素子はコストが
比較的高価であり、このピエゾ素子を使用すると、プリ
ンタ装置のコストが高価となってしまう。そこで、ピエ
ゾ素子と比較して安価である発熱素子を吐出手段として
使用することが望まれている。しかし、この発熱素子を
例えば定量媒体の吐出手段として使用すると、定量媒体
としてインクを使用した場合に、低濃度の階調表現が困
難となる。
【0017】これは、以下に示すような理由による。発
熱素子に電力を供給すると、発熱素子に供給される電力
が小さく、発熱素子表面の温度が所定の閾値未満である
場合においては非常に小さな泡が発熱素子上に多数発生
し、発熱素子からはすぐに離れてしまういわゆる核沸騰
が生じ、発熱素子表面の温度が所定の閾値以上である場
合においては発熱素子表面全面にわたる泡が発生し、こ
れが発熱素子上で成長するいわゆる膜沸騰が生じる。そ
して、これらの泡のうち、核沸騰の泡は再現性が良好で
ないため、吐出には膜沸騰の泡を使用することが好まし
い。従って、発熱素子を定量媒体の吐出手段として使用
するためには、膜沸騰により発生する泡の大きさを正確
に制御する必要がある。
【0018】この膜沸騰の泡の大きさを制御する方法と
しては、従来のインクのみを吐出させるプリンタ装置に
おいて提案されているような、発熱素子に与える駆動信
号のパルス幅やパルス電圧を変化させることにより発熱
素子に与えられる駆動電力に変調をかけ、それに応じて
発熱量を変調し、発生する泡の大きさを変化させる方法
が挙げられる。
【0019】しかしながら、この方法によると、比較的
大きな泡の大きさの制御は容易であるものの、発熱素子
から熱量が供給されて泡の発生が始まると泡が成長する
成長速度が非常に速いために、小さい泡を発生させるこ
とが非常に困難である。
【0020】また、このような発熱素子においては、表
面温度が均等に上昇することから、発熱素子表面が略一
斉に閾値に達し、泡は発熱素子全面にわたって形成され
る。すなわち、発生する泡の大きさは最小でも発熱素子
表面の大きさと略同等であり、これよりも小さな泡を形
成することはできず、この泡の体積に対応する量よりも
少量のインクを定量することは不可能である。
【0021】従って、発熱素子を使用して比較的少量の
インクの定量を安定して行うことは難しく、低濃度の階
調表現が困難である。
【0022】そこで本発明は、従来の実情に鑑みて提案
されたものであり、定量媒体と吐出媒体を混合吐出する
際の定量媒体の定量を発熱素子により行い、特に低濃度
側の階調表現を良好に行うことが可能なプリンタ装置を
提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明者等が鋭意検討した結果、発熱時の発熱素子
表面に温度分布をもたせるようにすれば、発熱素子表面
の一部分のみを所定の閾値以上の温度とし、この部分の
みにおいて膜沸騰の泡を発生させて発熱素子表面の大き
さよりも小さい泡を形成することが可能であり、これを
定量媒体の定量手段として用いれば、少量の定量が可能
となり、定量媒体としてインクを使用した場合におい
て、低濃度の階調表現を良好に行うことが可能となるこ
とを見い出した。
【0024】すなわち、本発明は、吐出媒体が導入され
る第1の圧力室と、定量媒体が導入される第2の圧力室
とを有し、上記第1の圧力室に連通する第1のノズル及
び第2の圧力室に連通する第2のノズルとを互いに隣合
うように開口して有し、且つ第1の圧力室内の吐出媒体
に圧力を加える第1の圧力印加手段と第2の圧力室内の
定量媒体に圧力を加える第2の圧力印加手段とを有し、
第2の圧力印加手段により第2の圧力室内の定量媒体に
圧力を加え、第2のノズルから第1のノズルに向けて定
量媒体を滲み出させた後、第1の圧力印加手段により第
1の圧力室内の吐出媒体に圧力を加え、第1のノズルか
ら吐出媒体を吐出させて定量媒体と吐出媒体を混合吐出
するプリントヘッドを有するプリンタ装置において、第
2の圧力印加手段として、蓄熱層上に両端に電極が接続
される抵抗体が設けられ、この上に保護膜が形成されて
なり、抵抗体に通電することにより発熱する発熱素子
が、第2の圧力室内に保護膜が第2の圧力室内の定量媒
体側となるように設けられており、上記発熱素子が発熱
時にその表面において面内方向の温度分布を有すること
を特徴とするものである。
【0025】なお、本発明のプリンタ装置においては、
発熱素子が、抵抗体の通電時における発熱量を面内方向
で変化させることにより、面内方向の温度分布を形成し
ているものであることが好ましい。
【0026】上記のように、抵抗体の発熱量を面内方向
で変化させる方法としては、抵抗体の厚さ方向の断面積
を変化させる方法が挙げられ、具体的には、抵抗体の厚
さを変化させる、抵抗体の幅を変化させる方法が挙げら
れ、また別の方法としては、抵抗体の両端に接続される
電極の幅を異なるものとする、抵抗体の両端に接続され
る電極間の距離を抵抗体の幅方向において変化させると
いった方法が例示され、さらに、抵抗体の抵抗率を面内
方向で変化させるといった方法も挙げられる。
【0027】このように抵抗体の抵抗率を面内方向で変
化させる場合には、抵抗体をリンを含有するシリコンに
より形成し、リンの含有量を抵抗体の面内方向で変化さ
せることが好ましい。
【0028】また、本発明のプリンタ装置においては、
発熱素子が、保護膜の厚さを発熱素子の面内方向で変化
させることにより、発熱時の温度分布を面内方向で形成
しているものであることが好ましい。
【0029】さらに、本発明のプリンタ装置において
は、発熱素子が、蓄熱層の厚さを発熱素子の面内方向で
変化させることにより、発熱時の温度分布を面内方向で
形成しているものであることが好ましい。
【0030】さらにまた、本発明のプリンタ装置の製造
方法としては、ベース基板上の少なくとも第2の圧力室
に対応する位置に第2の圧力印加手段として発熱素子を
形成し、この上に第1の圧力室及び第2の圧力室に対応
する位置に貫通孔を有する圧力室形成部材を形成し、さ
らにこの上に第1の圧力室に対応する位置に第1のノズ
ルを有し、第2の圧力室に対応する位置に第2のノズル
を有するオリフィスプレートを形成する場合において、
発熱素子を構成する抵抗体を、シリコン上に厚さに勾配
を持たせたリンを含有するガラス膜を配し、これに加熱
を行って、リンの含有量が面内方向で変化するようにシ
リコン中にリンを拡散させて製造することを特徴とする
ものが挙げられる。
【0031】本発明のプリンタ装置においては、定量媒
体が導入される第2の圧力室内に、蓄熱層上に両端に電
極が接続される抵抗体が設けられてこの上に保護膜が形
成されてなり、抵抗体に通電することにより発熱する発
熱素子が、保護膜が当該圧力室内の定量媒体側となるよ
うに設けられており、上記発熱素子が発熱時にその表面
において面内方向の温度分布を有するようになされてい
る。
【0032】このため、この第2の圧力室内に充填され
ている定量媒体に対して発熱素子から発する泡により圧
力を加え、第2の圧力室と連通する第2のノズルから定
量媒体を滲み出させようとする場合に、発熱素子表面の
一部分のみを所定の閾値以上の温度とすることが可能で
あり、この部分のみにおいて膜沸騰の泡を発生させて発
熱素子表面の大きさよりも小さい泡を形成することが可
能であり、このようにすれば微量の定量がなされる。
【0033】なお、上記発熱素子においては、前述のよ
うに発熱素子に与えられる駆動電力に変調をかければ、
発熱素子表面の大きさ以上の比較的大きな泡の大きさの
制御は容易であることから、本発明のプリンタ装置にお
いては、定量媒体が微量から多量までの広範囲にわたっ
て正確に定量される。
【0034】また、本発明のプリンタ装置において、発
熱素子が、抵抗体の通電時における発熱量を面内方向で
変化させることにより、面内方向の温度分布を形成して
いる、例えば抵抗体の厚さ方向の断面積を変化させる、
具体的には、抵抗体の厚さを変化させる、抵抗体の幅を
変化させる方法、また別の方法としては、抵抗体の両端
に接続される電極の幅を異なるものとする、抵抗体の両
端に接続される電極間の距離を抵抗体の幅方向において
変化させるといった方法により発熱素子の面内方向の温
度分布を形成するようにする、或いは抵抗体の抵抗率を
面内方向で変化させるといった方法により発熱素子の面
内方向の温度分布を形成するようにすれば、簡便に発熱
素子の発熱時の面内方向の温度分布が形成される。
【0035】さらに、本発明のプリンタ装置において、
発熱素子が、保護膜の厚さを発熱素子の面内方向で変化
させることにより、面内方向の温度分布を形成している
ものである、或いは、蓄熱層の厚さを発熱素子の面内方
向で変化させることにより、面内方向の温度分布を形成
しているものであっても簡便に発熱素子の発熱時の面内
方向の温度分布が形成される。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0037】本例のプリンタ装置のプリントヘッドは、
図1に示すように、ベース基板1の一主面1a上に、所
定の位置に、後述する第1の圧力室を形成する例えば断
面円形の第1の貫通孔2と後述する第2の圧力室を形成
する例えば断面円形の第2の貫通孔3が隣合って形成さ
れてなる液室形成部材4が積層され、さらにこの上に、
第1の貫通孔2に対応する位置に例えば断面円形の貫通
孔である第1のノズル5が形成され、第2の貫通孔3に
対応する位置に例えば断面円形の貫通孔である第2のノ
ズル6が形成されるオリフィスプレート7が積層されて
なるものである。
【0038】そして、ベース基板1とオリフィスプレー
ト7により液室形成部材4を挟み込むことにより第1の
貫通孔2を第1の圧力室8とするとともに第2の貫通孔
3を第2の圧力室9とし、第1の圧力室8と第1のノズ
ル5が連通するようにし、第2の圧力室9と第2のノズ
ル6が連通するようにしている。
【0039】なお、第1の圧力室8及び第1のノズル5
に吐出媒体が充填され、第2の圧力室9及び第2のノズ
ル6に定量媒体が充填されることとなる。この吐出媒体
としては、インク或いは希釈液のどちらか一方が使用さ
れ、定量媒体としては残りの一方が使用される。本例に
おいては、吐出媒体が希釈液であり、定量媒体がインク
であるいわゆるキャリアジェット方式のプリンタ装置に
ついて述べることとするが、吐出媒体をインクとし、定
量媒体を希釈液としても良い。
【0040】上記第1のノズル5はオリフィスプレート
7の厚さ方向に形成されており、上記第2のノズル6は
オリフィスプレート7の厚さ方向に対して斜め方向に形
成され、オリフィスプレート7の液室形成部材4との対
向面とは反対側となる主面7a側に向かうにしたがって
第1のノズル5に近づくようになされ、その開口部は近
接して隣合うようになされている。
【0041】そして、本例のプリンタ装置のプリントヘ
ッドにおいては、第1の圧力室8内のベース基板1上に
第1の発熱素子10が配され、第2の圧力室9内のベー
ス基板1上に第2の発熱素子11が配されている。な
お、これら第1及び第2の発熱素子10,11の構成に
ついては後述することとする。
【0042】また、本例のプリンタ装置のプリントヘッ
ドにおいては、オリフィスプレート7のオリフィスプレ
ート7の液室形成部材4との対向面とは反対側となる、
言い換えればノズル開口面となる主面7a上に撥液膜1
2が形成されている。なお、この撥液膜12にも第1の
ノズル5及び第2のノズル6に連通する孔部が形成され
ていることは言うまでもない。
【0043】さらに、本例のプリンタ装置のプリントヘ
ッドにおいては、上記のような第1のノズル5と第2の
ノズル6のノズル組を3組有しており、図2にノズル開
口面側から見た平面図を模式的に示すが、第1のノズル
5と第2のノズル6が隣合って開口するノズル組12が
第1のノズル5同士、第2のノズル6同士が隣合うよう
に3組配列されている。
【0044】そして、これらノズル組12の第1のノズ
ル5に対応する第1の圧力室8は、液室形成部材に貫通
孔を形成し、これをオリフィスプレートとベース基板に
より挟み込んで形成される吐出媒体供給路13により、
これと同様にして形成される吐出媒体バッファタンク1
4に接続されている。この吐出媒体バッファタンク14
は図示しない吐出媒体タンクに接続されており、これと
接続するための吐出媒体供給口15を底面側、すなわち
ベース基板側に有する。すなわち、吐出媒体は図示しな
い吐出媒体タンクから吐出媒体バッファタンク14に供
給され、吐出媒体供給路13を介して第1の圧力室8に
供給され、第1のノズル5に充填される。
【0045】一方の第2のノズル6に対応する第2の圧
力室9も同様であり、液室形成部材に貫通孔を形成し、
これをオリフィスプレートとベース基板により挟み込ん
で形成される定量媒体供給路16により、これと同様に
して形成される定量媒体バッファタンク17に接続され
ている。この定量媒体バッファタンク17は図示しない
定量媒体タンクに接続されており、これと接続するため
の定量媒体供給口18を底面側、すなわちベース基板側
に有する。すなわち、定量媒体は図示しない定量媒体タ
ンクから定量媒体バッファタンク17に供給され、定量
媒体供給路16を介して第2の圧力室9に供給され、第
2のノズル6に充填される。
【0046】なお、上記吐出媒体供給路13と定量媒体
供給路16は所定の流路抵抗を有するものとなされてい
る。
【0047】本例のプリンタ装置のプリントヘッドにお
いては、ベース基板1は例えばシリコンにより形成すれ
ば良く、液室形成部材4は例えば厚さ30μm程度の感
光性ドライフィルム等により形成すれば良く、第1及び
第2の圧力室8,9や、吐出媒体及び定量媒体供給路1
3,16、吐出媒体及び希釈液バッファタンク14,1
7を形成する貫通孔は、プリント配線基板形成技術や半
導体形成技術等において使用されているフォトリソグラ
フィー技術により形成するようにすれば良い。
【0048】さらには、液室形成部材4を感光性ドライ
フィルムにより形成するようにすれば、ベース基板1と
オリフィスプレート7間の接着剤としても機能する。こ
のような感光性ドライフィルムとしては、東京応化
(株)社製のオーディルPR135等がインク等の溶剤
に対する耐久性が良好であることから、好ましく例示さ
れる。
【0049】また、オリフィスプレート7は、例えば厚
さ125μm程度のポリイミドにより形成すれば良く、
このようなポリイミドとしては、東レ・デュポン(株)
社製のカプトンフィルム(商品名)が例示される。
【0050】さらに、撥液膜12は、例えば厚さ15μ
m程度の撥液性を有するポリイミド膜により形成すれば
良い。このようなポリイミドとしては、180℃以下の
加熱により重合形成されるものが好ましく、具体的には
ポリイミドシロキサンが好ましく例示される。さらに
は、このポリイミドシロキサンにおいては、イミド結合
の窒素と結合する芳香族炭化水素の一部がシロキサンに
より置換されていることが好ましく、Siのポリイミド
に対する含有量が3重量%〜25重量%であることが好
ましい。
【0051】このようなポリイミドとしては、宇部興産
(株)社製のポリイミド接着フィルム UPA−832
2(商品名)やユピコートFS−100L(商品名)や
ユピファインFP−100(商品名)等が例示される。
【0052】なお、このような有機材料フィルムを使用
することにより、撥液膜12の表面張力を31dyne
/cm以下とすることが可能である。
【0053】さらには、オリフィスプレート7の第1及
び第2のノズル5,6はオリフィスプレート7形成材料
上に撥液膜12を形成した状態でエキシマレーザを用い
たアブレーション加工を行って貫通孔として形成するこ
とが好ましいことから、撥液膜12形成材料としてはエ
キシマレーザを用いたアブレーション加工特性が良好な
ものを使用することが好ましい。このような材料を使用
すれば、第1及び第2のノズル5,6と撥液膜12に対
応して形成される貫通孔間に境目等が発生することがな
く、連続した孔部として形成される。
【0054】そして、本例のプリンタ装置のプリントヘ
ッドにおいては、第1の圧力室8内に配される第1の発
熱素子10及び第2の圧力室9内に配される第2の発熱
素子11が以下に示すような構成を有する。すなわち、
図3に示すように(ただし、ここでは、第2の発熱素子
11を例にとって示すこととする。)、蓄熱層21上に
所定形状の抵抗体層22が設けられ、この抵抗体層22
の上にはその一部分を露呈するように所定形状の電極2
3a,23bが設けられ、さらにこれらを覆うように保
護膜24が形成されてなる。なお、この上に主にキャビ
テーション損傷を防止するために、例えばTa等よりな
る保護膜層が形成されていても良いことは言うまでもな
い。
【0055】従って、抵抗体層22の一部露呈している
部分には両端に電極23a,23bが形成されているこ
ととなり、この部分は通電により発熱して抵抗体25と
して機能する。そして、この抵抗体25から発熱した熱
が保護膜24を介して発熱素子11表面に伝わり、発熱
素子11は発熱体として機能する。なお、上記保護膜2
4は、電極23a,23bや抵抗体層22を定量媒体で
あるインクから保護するために設けられるものであり、
蓄熱層21は抵抗体25から発熱する熱量をベース基板
1側に逃がすことなく保護膜24側に有効に伝えるため
に形成されるものである。
【0056】上記蓄熱層21がない場合や極めて薄い場
合には抵抗体25で発生した熱の一部がベース基板1側
に逃げてしまい、第2の圧力室内の定量媒体であるイン
クに有効につたわらず、安定した泡の形成に支障をきた
す。このため蓄熱層21の厚さは発熱素子11における
泡形成のための重要な因子のひとつである。一方の保護
膜24においては、その厚さが厚くなるほど抵抗体25
から定量媒体であるインクへの単位時間あたりに伝わる
熱が少なくなってしまう。このため、保護膜24の厚さ
も発熱素子11における泡形成のための重要な因子のひ
とつである。
【0057】上記蓄熱層21は酸化シリコン等により形
成すれば良く、抵抗体層22はTaAl等により形成す
れば良く、電極23a,23bはAlやAu等により形
成すれば良く、保護膜24は窒化シリコンや炭化シリコ
ン等により形成すれば良い。
【0058】そして、本例のプリンタ装置のプリントヘ
ッドにおいては特に、上記第2の発熱素子11の抵抗体
層22及び電極23a,23bを図4に示すような形状
としている。すなわち、抵抗体層22を図中左方の電極
23aが形成される側が比較的幅広の平面長方形をな
し、抵抗体25となる部分の幅を変化させて徐々に幅狭
となる平面台形をなすようにし、図中右方の電極23b
が形成される側が比較的幅狭の平面長方形をなすように
する。この場合、電極23a,23bは接続される抵抗
体層22と同等の形状をなし、電極23aは比較的幅広
の長方形、電極23bは比較的幅狭の長方形をなすこと
となる。なお、本例のプリンタ装置のプリントヘッドに
おいては、抵抗体層22の厚さは均一としている。
【0059】従って、上記第2の発熱素子11にパルス
電圧を与え通電し、パルス幅や、電圧などにより与える
エネルギーレベルを上げていくと、抵抗体25の比較的
幅狭の電極23b側の方が、比較的幅広の電極23a側
よりも断面積が小さいことから抵抗が大きく、電流密度
が異なるために、単位時間当たりの発熱量に差が生じ
る。すなわち、第2の発熱素子11表面は電極23b側
から所定の閾値に達し、その後、第2の発熱素子11表
面の閾値以上となる領域は電極23a側へと広がってい
き、この第2の発熱素子11は面内方向に発熱量の変化
を有し、温度分布を有することとなる。このため、図5
に示すように、先ず抵抗体25の電極23b側に図5中
破線Aで示すような膜沸騰の泡が発生し、これが成長し
て図中破線B、図中破線Cで示すように電極23a側に
広がっていく。
【0060】すなわち、本例のプリンタ装置のプリント
ヘッドにおいては、第2の圧力室9内の第2の発熱素子
11表面に当該発熱素子11の抵抗体25に対応する大
きさよりも小さい大きさの膜沸騰の泡を形成することが
可能である。
【0061】一方の第1の圧力室8内に配される第1の
発熱素子10も上記第2の発熱素子11と略同様の構成
を有するが、この第1の発熱素子10は、図6に示すよ
うに、抵抗層32を幅が変わらない平面長方形をなすよ
うにし、電極33a,33もこの形状に沿うようにして
いる。
【0062】従って、この第1の発熱素子10において
は発熱素子10表面に当該発熱素子10の抵抗体35に
対応する大きさの膜沸騰の泡が形成されることとなる。
ただし、この第1の発熱素子10の形状を第2の発熱素
子11の形状と同様としても何等問題ない。
【0063】続いて、上記のような本例のプリンタ装置
のプリントヘッドにおける動作を説明する。
【0064】先ず、図7に模式的に示すように、希釈液
である吐出媒体41が、図示しない吐出媒体タンクから
吐出媒体バッファタンク、吐出媒体供給路13を介して
第1の圧力室8に充填され、これに連通する第1のノズ
ル5にも充填される。なお、図7から図10にわたって
撥液膜の図示を省略することとする。一方、インクであ
る定量媒体42が、図示しない定量媒体タンクから定量
媒体バッファタンク、定量媒体供給路16を介して第2
の圧力室9に充填され、これに連通する第2のノズル6
にも充填される。ここで、第1及び第2のノズル5,6
に充填された吐出及び定量媒体41,42は、表面張力
の釣合により、第1及び第2のノズルの先端近傍にメニ
スカスを形成し、溶液吐出の待機状態となる。
【0065】続いて、定量媒体42が充填されている第
2の圧力室9内に配される第2の発熱素子11に電圧を
印加する。すると、第2の圧力室9内に充填されている
定量媒体、すなわちインクに熱が与えられることとな
る。そして、定量媒体に与えられた熱量によって第2の
圧力室9内の定量媒体が沸騰し、第2の発熱素子11上
に泡43が形成される。
【0066】その結果、図8に示すように、第2の圧力
室9内の圧力が上昇し、第2のノズル6先端にメニスカ
スを形成していた定量媒体42は、第2のノズル先端よ
りあふれることとなる。このとき、第2のノズル6はそ
の開口部が第1のノズル5に近接するように形成されて
いることから、あふれた定量媒体42はオリフィスプレ
ートのノズル開口面を伝わって、図8中に示すように、
第1のノズル5の先端近傍においてメニスカスを形成し
ている吐出媒体41、すなわち希釈液と接触して混合液
44を第1のノズル5の先端近傍に形成する。
【0067】このとき、第2の発熱素子11に与えられ
る駆動電圧の時間変化は、画像データの階調に応じた量
の定量媒体42、すなわち所定量のインクを第2のノズ
ル6から滲み出し得るように設定されている。
【0068】次に、吐出媒体41が充填されている第1
の圧力室8内に配されている第1の発熱素子10に電圧
を印加し、第1の圧力室8内に充填されている吐出媒体
41に熱を与える。すると、図9に示すように、吐出媒
体41に与えられた熱量によって第1の圧力室8内の吐
出媒体41が沸騰し、第1の発熱素子10上に泡45が
形成され、第1の圧力室8内の圧力が上昇し、第1のノ
ズル5先端にメニスカスを形成していたインクと希釈液
の混合液44は、第1のノズル5から押し出され、第1
のノズル5先端より吐出する。
【0069】そして、第1の発熱素子10に与えていた
電圧を解除すると、熱供給が停止されて、第1の圧力室
8内において沸騰状態が発生しなくなり、第1の圧力室
8内の圧力は低下することとなる。その結果、図10に
示すように、第1のノズル5先端より吐出した混合液4
4と、第1の圧力室8内に存在する吐出媒体41とは分
離し、この後、混合液44は飛翔して図示しない被記録
材上に被着し、印刷がなされる。
【0070】また、このとき、第1の発熱素子10に与
えられている駆動電圧の時間変化は、一定量の吐出媒体
41を吐出し、第1のノズル5から混合液44を吐出し
得るように設定されている。
【0071】そして、定量媒体42及び吐出媒体41
は、第2のノズル6及び第1のノズル5の先端に新たな
メニスカスをそれぞれ生成し、再び図7に示したような
状態に戻ることは言うまでもないことであり、画像デー
タに応じて定量媒体42を定量する量を変化させながら
上述の動作を繰り返すことにより、印画がなされ、階調
表現による記録画像が形成される。
【0072】本例のプリンタ装置のプリントヘッドにお
いては、定量媒体42が充填される第2の圧力室9内に
配される第2の発熱素子11を前述したような構造とし
ていることから、定量媒体42を第1のノズル5側に向
けて滲み出させるための泡43の大きさを第2の発熱素
子11を構成する抵抗体表面に対応する大きさよりも小
さい泡とすることが可能であり、定量媒体42の微量な
定量も可能である。すなわち、本例のプリンタ装置のプ
リントヘッドにおいては、低濃度側の階調表現を良好に
行うことが可能である。
【0073】また、上記のような第2の発熱素子11に
おいては、前述のように当該第2の発熱素子11に与え
られる駆動電力に変調をかければ、第2の発熱素子11
の抵抗体表面に対応する大きさ以上の比較的大きな泡の
大きさの制御は容易であり、定量媒体42の多量な定量
も可能である。すなわち、本例のプリンタ装置のプリン
トヘッドにおいては、高濃度側の階調表現も良好に行う
ことが可能である。
【0074】従って、これらのことから、本例のプリン
タ装置においては、低濃度から高濃度の広範囲にわたっ
て階調表現を良好に行うことが可能であり、良好な記録
画像の形成が可能である。
【0075】ところで、従来のインクのみを吐出させる
プリンタ装置において、発熱素子自体に発熱量調整構造
を持たせ、吐出させる液滴の大きさを制御させるという
方法が提案されているが、インクを被記録材に被着させ
るように吐出させるためには、ノズルやノズル先端のオ
リフィス等の形状や寸法、表面張力などに依存したある
閾値以上のエネルギーを与える必要があるため、吐出で
きる液滴の大きさの下限には限界があった。
【0076】これに対し、本例のプリンタ装置のプリン
トヘッドにおいては、第2の発熱素子11を構成する抵
抗体の形状により発熱量の調整を行っており、これを定
量媒体を定量するために使用していることから、液体を
被記録材に被着させるように吐出させるほどの圧力を生
じる泡を形成する必要はなく、従来のインクのみを吐出
するプリンタ装置に使用する場合よりも小さな泡が使用
可能となり、使用可能な電圧の範囲が広がる。
【0077】また、本例のプリンタ装置のプリントヘッ
ドのようにして定量を制御すれば、前述したような発熱
素子に与える駆動信号のパルス幅やパルス電圧を変化さ
せることにより発熱素子に与えられる駆動電力に変調を
かけて発生する泡の大きさを変化させる方法よりも定量
可能な領域が広くなる。さらに、この方法と組み合わせ
れば、定量可能な領域が更に広がる。
【0078】上述のプリンタ装置の例においては、定量
媒体が充填される第2の圧力室内に配される第2の発熱
素子を構成する抵抗体を上述のような形状として、当該
第2の発熱素子を発熱時に面内方向に温度分布を有する
ようにして第2の発熱素子表面の抵抗体に対応する部分
よりも小さい泡の形成を可能とし、微量の定量媒体の定
量を可能としている。このように、発熱時に面内方向に
温度分布を有する発熱素子としては、以下に示すような
ものも使用可能である。
【0079】すなわち、先に示した第2の発熱素子と略
同様の構成を有し、抵抗体の形状は異なるものの抵抗体
の厚さ方向の断面積を変化させることにより通電時に面
内方向に発熱量の変化を持たせ、発熱時に温度分布を持
たせるようにしたものが挙げられる。
【0080】例えば、図11に示すように、抵抗体層5
2を図中左方及び右方の電極53a,53bが形成され
る両端側が比較的幅広の平面長方形をなし、抵抗体55
となる部分の幅を変化させて両端から中央に近づくにつ
れ徐々に幅狭となる平面杯型をなすようしたものが挙げ
られる。この場合、電極53a,53bは接続される抵
抗体層52と同等の形状をなし、電極53a,53bと
もに比較的幅広の長方形をなすこととなる。なお、上記
抵抗体層52においては、その厚さは均一としている。
この発熱素子においても、抵抗体55の厚さ方向の断面
積が面内方向で変化することから、通電時に抵抗体55
の面内方向の発熱量の変化が生じ、発熱時に温度分布を
有することとなる。
【0081】また、図12に示すように、抵抗体層62
を図中左方及び右方の電極63a,63bが形成される
両端側が比較的幅広の平面長方形をなし、抵抗体65と
なる部分の幅を変化させて両端から中央に近づくにつれ
曲線的に徐々に幅狭となる平面形状をなすようにしたも
のが挙げられる。この場合、電極63a,63bは接続
される抵抗体層62と同等の形状をなし、電極63a,
63bともに比較的幅広の長方形をなすこととなる。な
お、上記抵抗体層62においては、その厚さは均一とし
ている。この発熱素子においても、抵抗体65の厚さ方
向の断面積が面内方向で変化することから、通電時に抵
抗体65の面内方向の発熱量の変化が生じ、発熱時に温
度分布を有することとなる。
【0082】さらに、図13に示すように、抵抗体層7
2を図中左方及び右方の電極73a,73bが形成され
る両端側が比較的幅広の平面長方形をなし、抵抗体75
となる部分の幅を変化させて両端から中央に近づくにつ
れ曲線的に徐々に幅広となる平面形状をなすようにした
ものが挙げられる。この場合、電極73a,73bは接
続される抵抗体層72と同等の形状をなし、電極73
a,73bともに比較的幅広の長方形をなすこととな
る。なお、上記抵抗体層72においては、その厚さは均
一としている。この発熱素子においても、抵抗体75の
厚さ方向の断面積が面内方向で変化することから、通電
時に抵抗体75の面内方向の発熱量の変化が生じ、発熱
時に温度分布を有することとなる。
【0083】また、先に示した第2の発熱素子と略同様
の構成を有し、抵抗体の両端に接続される電極の幅を異
なるものとすることにより抵抗体の通電時における発熱
量を面内方向で変化させ、発熱時に温度分布を持たせる
ようにしたものも挙げられる。
【0084】すなわち、図14に示すように、抵抗体層
82を図中左方の電極83a側が比較的幅広の平面長方
形をなし、抵抗体85となる部分もこれと同等の幅を有
して平面矩形状をなし、図中右方の電極83b側が比較
的幅狭の平面長方形をなすようしたものが挙げられる。
この場合、電極83a,83bは接続される抵抗体層8
2と同等の形状をなし、電極83aは比較的幅広の長方
形をなし、電極83bは比較的幅狭の長方形をなすこと
となる。なお、上記抵抗体層82においては、その厚さ
は均一としている。従って、この発熱素子においては、
平面矩形状の抵抗体85の両端に接続される電極83
a,83bの幅が異なるものとなされることから通電時
に抵抗体85の面内方向の発熱量の変化が生じ、発熱時
に温度分布を有することとなる。
【0085】さらにまた、前述の第2の発熱素子と略同
様の構成を有し、抵抗体の両端に接続される電極間の距
離を幅方向において変化させることにより通電時に抵抗
体の発熱量を面内方向で変化させ、発熱時に温度分布を
持たせるようにしたものも挙げられる。
【0086】すなわち、図15に示すように、抵抗体層
92を平面略コ字状をなすようにし、このコ字の上辺と
下辺に挟まれる垂直部分に平面台形をなす抵抗体95を
形成し、この台形の両側辺に電極93a,93bが接す
るようにする。なお、上記抵抗体層92においては、そ
の厚さは均一としている。従って、この発熱素子におい
ては、平面台形状の抵抗体95の両側辺に電極93a,
93bが接続されていることから、電極93aと電極9
3b間の距離が抵抗体95の幅方向において異なるもの
となされることとなり、通電時に抵抗体95の面内方向
の発熱量の変化が生じ、発熱時に温度分布を有すること
となる。
【0087】さらには、先に示した第2の発熱素子と略
同様の構成を有し、抵抗体の厚さを変化させることによ
り、抵抗体の厚さ方向の断面積を変化させて、通電時に
抵抗体の面内方向に発熱量の変化を持たせ、発熱時に温
度分布を持たせるようにしたものが挙げられる。
【0088】すなわち、図16に示すように、発熱素子
を構成する蓄熱層91の上に積層される抵抗体層96の
抵抗体98となる部分の厚さを、図中左方の電極97a
側から図中右方の電極97b側に向かうに従って徐々に
厚くなるようにしたものが挙げられる。この場合、蓄熱
層91、電極97a,97b、保護膜94の厚さは均一
となされている。この発熱素子においては、抵抗体98
となる部分の厚さが変化することから抵抗体98の厚さ
方向の断面積が変化し、通電時に抵抗体98の面内方向
の発熱量の変化が生じ、発熱時に温度分布を有すること
となる。
【0089】さらにまた、先に示した第2の発熱素子と
略同様の構成を有し、抵抗体の抵抗率を面内方向で変化
させることにより通電時の抵抗体の面内方向の発熱量を
変化させ、発熱時に面内方向の温度分布を持たせるよう
にしたものも挙げられる。
【0090】このように、抵抗体の抵抗率を面内方向で
変化させる方法としては、抵抗体層を形成するポリシリ
コン中にリンをドーピングする方法が挙げられ、具体的
にはイオン注入と熱拡散を組み合わせた方法、ポリシリ
コン上にリンを含むガラスを配して熱拡散させる方法等
が挙げられる。なお、上記ポリシリコンの代わりにアモ
ルファスシリコンを使用しても良いことは言うまでもな
い。
【0091】さらには、先に示した第2の発熱素子と略
同様の構成を有し、保護膜の厚さを発熱素子の面内方向
で変化させることにより、発熱時に面内方向の温度分布
を持たせるようにしたものも挙げられる。
【0092】すなわち、図17に示すように、発熱素子
を構成する抵抗体層102及び電極103a,103b
の上に積層される保護膜104の抵抗体105に対応す
る部分の厚さが、図中左方の電極103a側から図中右
方の電極103b側に向かうに従って徐々に厚くなるよ
うにしたものが挙げられる。この場合、蓄熱層101、
抵抗体層102、電極103a,103bの厚さは均一
となされている。この発熱素子においては、保護膜10
4の抵抗体105に対応する部分の厚さが変化すること
から抵抗体105からの発熱の単位時間あたりの伝達量
が変化し、発熱時に発熱素子の面内方向の発熱量の変化
が生じ、温度分布を有することとなる。
【0093】さらにまた、先に示した第2の発熱素子と
略同様の構成を有し、蓄熱層の厚さを発熱素子の面内方
向で変化させることにより、発熱時に面内方向の温度分
布を持たせるようにしたものが挙げられる。
【0094】すなわち、図18に示すように、発熱素子
を構成する蓄熱層111の抵抗体層112中の抵抗体1
15に対応する部分の厚さが、図中左方の電極113a
側から図中右方の電極113b側に向かうに従って徐々
に厚くなるようにしたものが挙げられる。この場合、抵
抗体層112、電極113a,113b、保護膜114
の厚さは均一となされている。この発熱素子において
は、蓄熱層111の抵抗体115に対応する部分の厚さ
が変化することから抵抗体115からの発熱を蓄える量
が面内方向で変化し、その結果、熱が蓄えられ易い箇所
と蓄えられにくい箇所が形成され、単位時間あたりの伝
達量が面内方向で変化し、発熱時に発熱素子の面内方向
の発熱量の変化が生じ、温度分布を有することとなる。
【0095】なお、本発明を適用したプリンタ装置にお
いては、これまでに述べた発熱素子における発熱量を調
整する手段を組み合わせて有する発熱素子を使用しても
良いことは言うまでもない。
【0096】次に、上述のようなプリンタ装置のプリン
トヘッドの製造方法について述べる。ここでは、上述し
たプリンタ装置のうち、第2の発熱素子が最初に述べた
ものとなされているプリンタ装置の製造方法を述べるこ
ととする。先ず、オリフィスプレートの製造方法につい
て述べる。すなわち、図19に示すように、例えば厚さ
125μmのポリイミドよりなるオリフィスプレート形
成部材121を用意する。なお、このオリフィスプレー
ト形成部材121の一主面121aには、撥液性を有す
るポリイミド材料よりなる撥液膜122を形成してお
く。
【0097】上記オリフィスプレート形成部材121を
形成するポリイミドとしては、例えば東レ・デュポン
(株)社製のポリイミドフィルム:カプトン500H
(商品名)等が挙げられる。
【0098】また、撥液膜122を形成する材料として
は、前述のように、宇部興産(株)社製のポリイミド接
着フィルム UPA−8322(商品名)や、ユピコー
トFS−100L(商品名)や、ユピファインFP−1
00(商品名)等が挙げられる。
【0099】そして、オリフィスプレート形成部材12
1の一主面121aに撥液膜122を形成するには、先
ず、オリフィスプレート形成部材121の一主面121
aに撥液膜122形成材料を配する。具体的には、オリ
フィスプレート形成部材121の一主面121aに例え
ば形成後の膜厚が15μm程度となるフィルム形状とさ
れた宇部興産(株)社製のポリイミド接着フィルム U
PA−8322(商品名)を熱ラミネートして貼り合わ
せれば良い。
【0100】続いて、撥液膜122の硬化処理を行う
が、上述した各有機材料を用いた場合、それぞれの材料
に適した硬化条件により行えば良い。例えば、上記のよ
うに、宇部興産(株)社製のポリイミド接着フィルム
UPA−8322(商品名)を用いた場合においては最
高温度160℃の処理を行えば良く、耐薬品性に優れ、
撥液性を有する有機材料フィルムを形成することができ
る。そして、熱処理の最高温度が180℃以下の比較的
低い温度の材料を用いることにより、熱膨張率の違いに
よるそりの発生を低く抑えることができる。
【0101】次に、エキシマレーザ加工装置を用いて、
オリフィスプレート形成部材121の撥液膜122が形
成されている一主面122aとは反対側の主面122b
側からエキシマレーザを垂直に照射して、図20に示す
ようなオリフィスプレート形成部材121の厚さ方向に
延在する第1のノズル123を形成する。また、上記主
面121b側から斜め方向にエキシマレーザを照射し
て、図20に示すようなオリフィスプレート形成部材1
21の厚さ方向に対して斜め方向に延在する第2のノズ
ル124を形成し、オリフィスプレートを完成する。な
お、上記第2のノズル124は主面121b側から主面
121a側に向かうにしたがって第1のノズル123に
近づく方向に形成されており、これらの主面121a側
の開口部は近接することとなる。
【0102】このとき、撥液膜122にも第1のノズル
123及び第2のノズル124に連通する孔部が形成さ
れていることは言うまでもない。なお、本例において
は、オリフィスプレート形成部材121を形成する材料
及び撥液膜122を形成する材料として何れもエキシマ
レーザ光によるアブレーション加工性に優れた材料を使
用しているので、第1のノズル123及び第2のノズル
124の形状を精度良く、且つ撥液膜122の膜剥がれ
等を発生させることなく、形成することができる。
【0103】次に、ベース基板上に各圧力室等を形成す
る。すなわち、図21に示すように、ベース基板131
の一主面131a上の後工程において形成する第1の圧
力室及び第2の圧力室に対応する位置に第1の発熱素子
132と第2の発熱素子133をそれぞれ形成する。
【0104】これら第1及び第2の発熱素子132,1
33は、以下のようにして形成される。すなわち、例え
ば両面に熱酸化等の酸化処理を行うことにより1μm程
度の酸化シリコン膜が形成された、例えば厚さ0.5m
mのシリコンよりなるベース基板を用意する。ここで
は、図22に、ベース基板131の一主面131a側に
酸化シリコンよりなる蓄熱層134が形成された様子を
示す。すなわち、この蓄熱層134は、ベース基板13
1の一部となるが、ここでは便宜上、ベース基板131
上に蓄熱層134が形成されるものとする。
【0105】次に、図23に示すように、上記蓄熱層1
34上に、抵抗体層を形成するもので、例えばTaAl
よりなる抵抗体膜135を例えばスパッタリング法によ
り形成した後、この上に電極を形成するもので、例えば
Alよりなる導電膜136を例えばスパッタリング法に
より形成する。
【0106】続いて、フォトレジストを用いて、電極に
対応した形状のマスク材を導電膜136の上に形成し、
例えばリン酸/硝酸の混合水溶液を用いて導電膜136
をエッチングし、図24に示すように所定の形状の電極
137a,137bを形成する。このとき、各電極13
7a,137bへの電力供給を行うための配線回路パタ
ーンも形成することは言うまでもない。なお、この工程
においては、使用するエッチング溶液(リン酸/硝酸の
混合水溶液)の濃度を調整して、例えばTaAlよりな
る抵抗体膜135がエッチングされないようにする。
【0107】次に、フォトレジストを用いて、電極13
7a,137b及び図示しない配線回路パターンとこれ
に接続される抵抗体とを含む形状に対応した形状のマス
ク材を電極137a,137b及び図示しない配線回路
パターンと抵抗体膜135上に形成し、例えばフッ酸/
硝酸/リン酸の混合水溶液を用いて抵抗体膜135をエ
ッチングし、図24中に示すように電極137a,13
7bの下層側に形成される抵抗体層138とこの抵抗体
層138の一部であり、電極137a,137bに覆わ
れていない抵抗体139を形成する。このとき、図示し
ない配線回路パターンの下層にも抵抗体層138が残存
することとなることは言うまでもない。
【0108】前述の図4に示すような平面形状を有する
抵抗体層22、抵抗体25及び電極23a,23bを形
成する場合においては、先ず比較的幅広で平面長方形を
なす電極23aと比較的幅狭で平面長方形をなす電極2
3b、図示しない配線回路パターンに対応する形状のマ
スク材を形成してエッチングを行い、次いでこれら電極
23a,23b、図示しない配線回路パターンとこれら
の間に挟まれる所定形状の抵抗体25に対応する形状の
マスク材を形成してエッチングを行うようにすれば良
い。
【0109】さらに、第1の発熱素子の一例として例示
した図6、第2の発熱素子の他の例として例示した図1
1〜図15に示すような平面形状を有する抵抗体層、抵
抗体及び電極を形成する場合においても同様であり、こ
れらの形状に合わせたマスク材を形成してエッチングす
るようにすれば良い。
【0110】続いて、抵抗体139及び電極137a,
137b、図示しない配線回路パターンをインクや希釈
液などの溶液から保護するために、図25に示すよう
に、例えば膜厚500nm程度の窒化シリコン(Si3
4 )や炭化シリコン(SiC)等よりなる保護膜14
0をCVD法やスパッタリング法等により形成して発熱
素子を完成する。
【0111】ところで、上記第2の発熱素子として、抵
抗体の抵抗率を面内方向で変化させたものを形成する場
合には、これを製造する方法として、前述のように抵抗
体層を形成するポリシリコン中にリンをドーピングする
方法が挙げられ、具体的にはイオン注入と熱拡散を組み
合わせた方法、ポリシリコン上にリンを含むガラスを表
面に配して熱拡散させる方法等が挙げられる。なお、上
記ポリシリコンの代わりにアモルファスシリコンを使用
しても良い。
【0112】前者の方法は、例えば半導体のプロセスに
て一般的であり、n型やP型のイオン等のドープ量によ
り、その抵抗率の制御が可能である。そして、この方法
においては、抵抗体139形成後に、抵抗体139以外
の部分をレジスト等でマスキングし、抵抗体139にイ
オン注入法にてリンのイオンを注入し、レジスト除去後
に熱拡散のプロセスを行なう。なお、この方法において
は、イオン注入の際に、所望の抵抗率の変化に応じて、
イオンの注入部をスキャンすることにより、抵抗体内で
場所による抵抗率の差を設けることができる。
【0113】また、後者の方法は、図26に模式的に示
すように、抵抗体139上に、厚さに勾配を持たせたリ
ンを含むガラス膜141をマスキング法を用いたスパッ
タリング法等により形成し、その後900℃前後の温度
にてガラス膜141から抵抗体139に図中矢印Pで示
すようにリンを拡散させる方法である。この場合、ガラ
ス膜141の厚さによるリンの拡散量に応じて抵抗体1
39の抵抗率に勾配を設けることができる。なお、抵抗
体層138にポリシリコンを用い、導電膜136に純ア
ルミニウム(Al)を用いる場合には、界面反応を抑
え、その接合部におけるスパイク現象等の接合破壊を防
止するために、抵抗体層138と導電膜136間にバイ
アメタル層を形成するのが好ましい。このバイアメタル
層形成材料としては、例えばチタン(Ti)やタングス
テン(W)等が用いられる。
【0114】さらに、上記第2の発熱素子として、抵抗
体層の抵抗体となる部分の厚さを変化させる、保護膜の
抵抗体に対応する部分の厚さを変化させる、蓄熱層の抵
抗体に対応する部分の厚さを変化させることにより、発
熱時に発熱素子の面内方向に温度分布を持たせるように
した発熱素子を使用する場合には、これを製造する方法
として以下に示すような方法が挙げられる。
【0115】すなわち、例えば、抵抗体層の抵抗体とな
る部分の厚さを変化させるには、抵抗体層を成膜する際
に、所定の厚さで均一な厚さを有する膜を成膜した後
に、抵抗体となる部分における厚さに勾配ができるよう
に再度成膜を行えば良い。
【0116】厚さに勾配ができるように成膜を行う方法
としては、図27に模式的に示すような方法が挙げられ
る。すなわち、図示しない被積層物の上に適度な厚さの
スペーサ142とマスク143を配してスパッタリング
等の方法により成膜を行うと、マスク143に覆われな
い部分には被膜145が形成される。そしてこのとき、
被膜145のマスク143側においては、スペーサー1
42が配されていることから被膜145はマスク143
の下部に回り込んで被着形成され、この部分においてテ
ーパー状の勾配を有することとなる。従って、厚さに勾
配を有する膜が形成されることとなる。
【0117】この他、保護膜や蓄熱層の厚さを変化させ
ることにより発熱時に面内方向に温度分布を持たせるよ
うにした発熱素子においても、これらの膜を上記の方法
で形成すれば良い。例えば保護膜の厚さを変化させるに
は、例えばCVDやスパッタリング等の方法により、抵
抗体に対応する部分に最薄の厚さで成膜した後に、前述
のマスクを使用する方法により勾配をつけて成膜すれば
良い。一方の蓄熱層の厚さを変化させるには、例えば通
常の熱酸化等の酸化処理で抵抗体に対応する部分の蓄熱
層を最薄の厚さで形成した後に、前述のマスクを使用す
る方法により勾配をつけて成膜すれば良い。
【0118】なお、シリコンよりなるベース基板は指定
厚さの熱酸化膜が形成された状態での購入が可能である
ために、このような基板で購入した場合には、蓄熱層の
膜厚に勾配がついたこのような特殊な層を形成するため
には、後半のマスクを使用する方法による成膜のみを行
なえばよい。
【0119】続いて、図28に示すように、ベース基板
131の所定の位置にベース基板131を貫通する吐出
媒体供給口146と定量媒体供給口147を例えば超音
波加工等の手段により形成する。
【0120】次に、図29に示すように、ベース基板1
31の一主面131a側に第1及び第2の圧力室、吐出
及び定量媒体供給路、吐出及び定量媒体バッファタンク
を形成する貫通孔を有し、感光性ドライフィルムよりな
る圧力室形成部材148を形成する。
【0121】このような感光性ドライフィルムとして
は、例えば東京応化(株)社製の感光性ドライフィル
ム:オーディルPR135(商品名)が挙げられる。さ
らに、液体状態ではないドライフィルムを用いることに
より、ベース基板131に、吐出媒体供給口146と定
量媒体供給口147が形成された後においても、これら
を埋めてしまうことなく、圧力室形成部材148を形成
することが可能である。
【0122】そして最後に、図30に示すように、ベー
ス基板131とオリフィスプレート149を圧力室形成
部材148を挟み込むように積層し、これらの間を接着
してプリントヘッドを完成する。このとき、圧力室形成
部材148が接着性を有することから、この特性を利用
してエポキシ接着剤等を使用することなく、ベース基板
131とオリフィスプレート149を接着し、圧力室形
成部材148に形成される各貫通孔をオリフィスプレー
ト149とベース基板131により上下方向から塞ぐこ
とによって第1及び第2の圧力室150,151、吐出
及び定量媒体供給路152,153、吐出及び定量媒体
バッファタンク154,155を形成する。圧力室形成
部材148を例えば東京応化(株)社製の感光性ドライ
フィルム:オーディルPR135(商品名)により形成
した場合の接着条件としては、プレス温度が150℃
で、プレス圧が4〜5kgf/cm2 とされる条件が挙
げられる。
【0123】なお、このとき、第1のノズル123と第
1の圧力室156、第2のノズル124と第2の圧力室
151が連通するようにオリフィスプレート149とベ
ース基板131間を接着することは言うまでもない。
【0124】次に、図1に示すような本例のプリンタ装
置の第1の発熱素子10と第2の発熱素子11に与える
信号電圧のタイミングを、図31に横軸に時間、縦軸に
電圧をとって示す。本例の場合、図中L1 で示す吐出周
期が200μsec (周波数5〔kHz〕)であり、
この間にインクの定量混合と混合液滴の吐出を行ってい
る。そして、吐出媒体の吐出の周期、すなわち第1の発
熱素子に駆動電圧を印加する周期を200〔μsec
〕の一定とし、インクを定量するために押し出すタイ
ミング、すなわち第2の発熱素子に加える駆動電圧パル
スをオンする時点を可変とし、オフする時点を一定とす
ることで図中L2 で示すパルス幅を変化させてインクの
定量の制御を可能としている。なお、図31中L3 で示
す第2の発熱素子に与える駆動電圧の電圧の大きさも可
変とされ、これによってもインクの定量の制御を可能と
している。すなわち、インクの定量を第2の発熱素子へ
の駆動電圧のパルス幅を変化させることで行っても良
く、駆動電圧の電圧値を変化させることで行っても良
い。また、図31中L4 で示す第1の発熱素子に与える
駆動電圧パルスの駆動時間は10μsecの一定とされ
ており、その電圧もここでは一定とされている。
【0125】このタイミングに沿って上述のプリンタ装
置を駆動させると、前述したように、先ず第2の発熱素
子に駆動電圧パルスが印加されて定量媒体であるインク
の定量が行われ、この後、第1の発熱素子に駆動電圧パ
ルスが印加されて吐出媒体である希釈液の吐出が行わ
れ、この希釈液と同時にこれに混入されたインクも吐出
される。
【0126】続いて、本例のプリンタ装置のプリントヘ
ッドの第1及び第2のノズルのノズル組が1組の場合の
駆動回路を図32に示す。この駆動回路においては、デ
ジタル中間調データが他のブロツクより供給され、デー
タ転送回路161により第2の発熱素子ドライバ163
に送られる。デジタル中間調データがある所定の閾値以
下の場合は第1及び第2の発熱素子10,11の駆動は
行われない。吐出タイミングになると他ブロツクから印
字トリガが出力され、タイミング制御回路162がそれ
を検出し、所定のタイミングで第1の発熱素子イネーブ
ル信号と第2の発熱素子イネーブル信号をそれぞれ第1
の発熱素子ドライバ164及び第2の発熱素子ドライバ
163に出力する。
【0127】第2の発熱素子イネーブル信号によって、
各第2の発熱素子ドライバ163は各第2の発熱素子1
1を制御し、これによって所定量のインクが第2のノズ
ル6より第1のノズル5に向かって供給される。一方、
第1の発熱素子イネーブル信号によって各第1の発熱素
子ドライバ164は各第1の発熱素子10を制御し、こ
れによって希釈液がインクと混合しながら吐出される。
それぞれの信号は先に図31で示したタイミングで出力
する。
【0128】インク42を希釈液41に混合する方法の
場合には、吐出をオンデマンドでなく行うことができ
る。この実施例では、デジタル中間調データがある所定
の閾値以下の場合にはインク定量も吐出も行わない、す
なわち何も印字しないようになしたが、常に吐出を行
う、すなわち常に印字するようにすることも可能であ
る。この場合は白を表現するのに希釈液41のみを印字
することになる。
【0129】続いて、図33に第1及び第2のノズルの
ノズル組が複数組有る場合、すなわちマルチノズルにし
た場合の本例のプリンタ装置のプリントヘッドの駆動回
路のブロツク図を示す。デジタル中間調データが他ブロ
ツクより供給され、シリアルパラレル変換回路161に
より、各第2の発熱素子ドライバ163に送られる。
【0130】印字タイミングになると、他ブロツクから
印字トリガが出力され、タイミング制御回路162がそ
れを検出し、所定のタイミングで第1の発熱素子イネー
ブル信号と第2の発熱素子イネーブル信号をそれぞれ第
1の発熱素子ドライバ164及び第2の発熱素子ドライ
バ163に出力する。
【0131】第2の発熱素子イネーブル信号によって、
各第2の発熱素子ドライバ163は各第2の発熱素子1
1を制御し、これによって所定量のインクが第2のノズ
ル6より第1のノズル5に向かって供給される。一方、
第1の発熱素子イネーブル信号によって各第1の発熱素
子ドライバ164は各第1の発熱素子10を制御し、こ
れによって希釈液がインクと混合しながら吐出される。
【0132】ところで、本発明が適用されたプリンタ装
置は、以下に示すような液体噴射記録装置に搭載され
る。この液体噴射記録装置としては、例えば、図34に
示すようないわゆるシリアル型の液体噴射記録装置が挙
げられる。すなわち、図34に示すように、被印刷物で
あるプリント紙161が支持されるドラム162と、本
発明のプリンタ装置を構成し、上記プリント紙161に
記録を行うプリントヘッド部163により主に構成され
るものである。
【0133】このとき、上記プリント紙161は、ドラ
ム162の軸方向に平行に設けられた紙圧着ローラ16
4により、ドラム162に圧着保持されている。また、
上記ドラム162の外周近傍には、送りネジ165がド
ラム162の軸方向に平行に設けられている。そして、
この送りネジ165には、プリントヘッド部163が保
持されている。すなわち、かかるプリントヘッド部16
3は、送りネジ165の回転によって、図中矢印Mで示
すようにドラム162の軸方向に移動するようになって
いる。
【0134】一方、ドラム162は、プーリ166、ベ
ルト167、プーリ168を介してモータ169により
図中矢印mで示すように回転駆動される。さらに、送り
ネジ165及びモータ169の回転とプリントヘッド部
163は、ヘッドドライブ,ヘッド送り制御,ドラム回
転制御170により印画データ及び制御信号171に基
づいて駆動制御される。
【0135】上記の構成においては、プリントヘッド部
163が移動して1行分の印字を行うと、ドラム162
を1行分だけ回転させて次の印字を行う。ヘッド163
が移動し、印画する場合は、一方向の場合と往復方向の
場合とがある。
【0136】さらにまた、本発明を適用したプリンタ装
置は、いわゆるライン型の液体噴射記録装置及びドラム
回転型の液体噴射記録装置にも搭載可能である。
【0137】上記ライン型の液体噴射記録装置は、図3
5に示すような構成を有する。なお、図35中において
は、図34との対応部分には同一符号を付して示し、そ
の説明を省略する。
【0138】このライン型の液体噴射記録装置は、図示
しない多数のプリントヘッドがライン状に配置されてな
るラインヘッド172がドラム162の軸方向に固定し
て設けられている。このライン型の液体噴射記録装置に
おいては、ラインヘッド172が1行分の印字を同時に
行うようになされており、一行分の印字が完了すると図
中矢印mで示す方向にドラム162を1行分だけ回転さ
せて次の行の印字を行うようになされている。この場
合、全ラインを一括して印字したり、複数ブロツクに分
割したり、1行おきに交互に印字する方法が考えられ
る。
【0139】一方のドラム回転型液体噴射記録装置は、
図36に示すような構成を有する。なお、図36中にお
いても、図34との対応部分には同一符号を付して示
し、その説明を省略する。この液体噴射記録装置におい
ては、ドラム162が回転するとその回転に同期してプ
リントヘッド部163からインクが吐出され、プリント
紙161上に画像が形成される。ドラム162が図中矢
印mで示す方向に1回転してプリント紙161上に円周
方向に1列の印刷が完了すると、送りねじ165が回転
してプリントヘッド部163を図中矢印M´で示す方向
に1ピッチ分移動させ、次の列の印刷を行う。この場
合、ドラム162と送りねじ165を同時に回転させ、
印刷しながらプリントヘッド部163を徐々に移動させ
る方法もある。マルチノズルヘッドの場合や同じ場所を
何度か印字するような構成の場合は、ステップ送りが適
するが、単ノズルやマルチノズルでも本数が少ない場合
は、ドラム162と送りねじ165とを連動して同時に
回転させながらスパイラル状の印字を行う。
【0140】次に、上述したようなこのような液体噴射
記録装置における印字及び制御系のブロック図を図37
に示す。
【0141】印字データなどの信号入力181は、信号
処理制御回路182に入力され、この信号処理制御回路
182において印字順番に揃えられて、ドライバ183
を介してヘッド184に送られる。印字順番は、ヘッド
184や印字部の構成で異なり、また印字データの入力
順番との関係もあり、必要に応じてラインバッファメモ
リや1画面メモリなどのメモリ185に一旦記録してか
ら取り出す。ヘッド184には、階調信号や吐出信号を
入力する。
【0142】なお、マルチヘッドでノズル数が非常に多
い場合には、ヘッド184にICを搭載してヘッド18
4に接続する配線数を減らすようにする。また、信号処
理制御回路182には、補正186が接続されており、
γ補正、カラーの場合の色補正、各ヘッドのばらつき補
正などを行う。補正186には、予め決められた補正デ
ータをROMマップ形式で格納しておき、外部条件、例
えばノズル番号、温度、入力信号などに応じて取り出す
ようにするのが一般的である。
【0143】信号処理制御回路182は、CPUやDS
P(Digital SignalProccesso
r)構成としてソフトウエアで処理するのが一般的であ
り、処理された信号は各種制御部187に送られる。各
種制御部187では、ドラム及び送りネジを回転駆動す
るモータの駆動、同期、ヘッドのクリーニング、プリン
ト紙の供給、排出などの制御を行う。また、信号には、
印字データ以外の操作部信号や外部制御信号が含まれる
ことは言うまでもない。
【0144】上述の例においては、吐出媒体を吐出する
ために発熱素子を使用する例について述べたが、この発
熱素子の代わりにピエゾ素子を使用しても良いことは言
うまでもない。
【0145】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明のプリンタ装置においては、定量媒体が導入される第
2の圧力室内に、蓄熱層上に両端に電極が接続される抵
抗体が設けられてこの上に保護膜が形成されてなり、抵
抗体に通電することにより発熱する発熱素子が、保護膜
が当該圧力室内の定量媒体側となるように設けられてお
り、上記発熱素子が発熱時にその表面において面内方向
の温度分布を有するようになされている。
【0146】このため、この第2の圧力室内に充填され
ている定量媒体に対して発熱素子から発する泡により圧
力を加え、第2の圧力室と連通する第2のノズルから定
量媒体を滲み出させようとする場合に、発熱素子表面の
一部分のみを所定の閾値以上の温度とすることが可能で
あり、この部分のみにおいて膜沸騰の泡を発生させて発
熱素子表面の大きさよりも小さい泡を形成することが可
能であり、このようにすれば微量の定量がなされる。
【0147】なお、上記発熱素子においては、前述のよ
うに発熱素子に与えられる駆動電力に変調をかければ、
発熱素子表面の大きさ以上の比較的大きな泡の大きさの
制御は容易であることから、本発明のプリンタ装置にお
いては、定量媒体が微量から多量までの広範囲にわたっ
て正確に定量される。
【0148】従って、本発明のプリンタ装置において
は、定量媒体を吐出媒体に対して正確な量で混合するこ
とが可能であり、印画データに応じて正確な濃度の混合
液滴を吐出することが可能であることから、低濃度から
高濃度にわたって濃度階調を正確に表現することがで
き、解像度の劣化を発生させることなく自然画像をプリ
ントアウトすることが可能である。
【0149】また、本発明のプリンタ装置において、発
熱素子が、抵抗体の通電時における発熱量を面内方向で
変化させることにより、面内方向の温度分布を形成して
いる、例えば抵抗体の厚さ方向の断面積を変化させる、
具体的には、抵抗体の厚さを変化させる、抵抗体の幅を
変化させるといった方法、また別の方法としては、抵抗
体の両端に接続される電極の幅を異なるものとする、抵
抗体の両端に接続される電極間の距離を抵抗体の幅方向
において変化させるといった方法により発熱素子の面内
方向の温度分布を形成する、或いは抵抗体の抵抗率を面
内方向で変化させるといった方法により発熱素子の発熱
時の面内方向の温度分布を形成するようにすれば、簡便
に発熱素子の面内方向の温度分布が形成される。
【0150】さらに、本発明のプリンタ装置において、
発熱素子が、保護膜の厚さを発熱素子の面内方向で変化
させることにより、面内方向の温度分布を形成している
ものである、或いは、蓄熱層の厚さを発熱素子の面内方
向で変化させることにより、面内方向の温度分布を形成
しているものであっても簡便に発熱素子の面内方向の温
度分布が形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘッ
ドの一例を示す要部拡大断面図である。
【図2】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘッ
ドの一例を模式的に示す平面図である。
【図3】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘッ
ドの発熱素子の一例を示す要部拡大断面図である。
【図4】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘッ
ドの発熱素子の抵抗体及び電極の一例を示す平面図であ
る。
【図5】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘッ
ドの発熱素子に泡が発生している状態を示す要部拡大断
面図である。
【図6】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘッ
ドの発熱素子の抵抗体及び電極の他の例を示す平面図で
ある。
【図7】本発明を適用したプリンタ装置において印刷を
行う動作を動作順に示すものであり、吐出媒体及び定量
媒体のメニスカスが形成されている状態を示す要部拡大
断面図である。
【図8】本発明を適用したプリンタ装置において印刷を
行う動作を動作順に示すものであり、混合液が形成され
ている状態を示す要部拡大断面図である。
【図9】本発明を適用したプリンタ装置において印刷を
行う動作を動作順に示すものであり、混合液が吐出され
ている状態を示す要部拡大断面図である。
【図10】本発明を適用したプリンタ装置において印刷
を行う動作を動作順に示すものであり、混合液が飛翔し
ている状態を示す要部拡大断面図である。
【図11】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドの発熱素子の抵抗体及び電極のさらに他の例を示す
平面図である。
【図12】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドの発熱素子の抵抗体及び電極のさらに他の例を示す
平面図である。
【図13】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドの発熱素子の抵抗体及び電極のさらに他の例を示す
平面図である。
【図14】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドの発熱素子の抵抗体及び電極のさらに他の例を示す
平面図である。
【図15】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドの発熱素子の抵抗体及び電極のさらに他の例を示す
平面図である。
【図16】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドの発熱素子の他の例を示す要部拡大断面図である。
【図17】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドの発熱素子のさらに他の例を示す要部拡大断面図で
ある。
【図18】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドの発熱素子のさらに他の例を示す要部拡大断面図で
ある。
【図19】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドの製造方法を工程順に示すものであり、オリフィス
プレート形成部材を用意する工程を示す断面図である。
【図20】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドの製造方法を工程順に示すものであり、ノズルを形
成する工程を示す断面図である。
【図21】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドの製造方法を工程順に示すものであり、ベース基板
上に発熱素子を形成した状態を示す断面図である。
【図22】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドの製造方法を工程順に示すものであり、ベース基板
上に蓄熱層を形成する工程を示す要部拡大断面図であ
る。
【図23】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドの製造方法を工程順に示すものであり、蓄熱層上に
抵抗体膜及び導電膜を形成する工程を示す要部拡大断面
図である。
【図24】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドの製造方法を工程順に示すものであり、抵抗体層及
び電極を形成する工程を示す要部拡大断面図である。
【図25】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドの製造方法を工程順に示すものであり、保護膜を形
成する工程を示す要部拡大断面図である。
【図26】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドの製造方法を工程順に示すものであり、ポリシリコ
ン中にリンをドーピングする方法の一例を模式的に示す
断面図である。
【図27】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドの製造方法を工程順に示すものであり、厚さに勾配
を持たせて成膜する方法を模式的に示す斜視図である。
【図28】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドの製造方法を工程順に示すものであり、吐出媒体供
給口及び定量媒体供給口を形成する工程を示す断面図で
ある。
【図29】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドの製造方法を工程順に示すものであり、圧力室形成
部材を形成する工程を示す断面図である。
【図30】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドの製造方法を工程順に示すものであり、オリフィス
プレートとベース基板間を接着する工程を示す断面図で
ある。
【図31】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドにおける信号電圧のタイミングを示す図である。
【図32】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドにおける駆動回路の一例を示す図である。
【図33】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドにおける駆動回路の他の例を示す図である。
【図34】本発明を適用したプリンタ装置の搭載された
液体噴射記録装置の一例を模式的に示す要部概略斜視図
である。
【図35】本発明を適用したプリンタ装置の搭載された
液体噴射記録装置の他の例を模式的に示す要部概略斜視
図である。
【図36】本発明を適用したプリンタ装置の搭載された
液体噴射記録装置のさらに他の例を模式的に示す要部概
略斜視図である。
【図37】本発明を適用したプリンタ装置の搭載された
液体噴射記録装置の印字及び制御系のブロック図であ
る。
【符号の説明】
5 第1のノズル、6 第2のノズル、8 第1の圧力
室、9 第2の圧力室、10 第1の発熱素子、11
第2の発熱素子、21,91,101,111蓄熱層、
22,32,52,62,72,82,92,96,1
02,112抵抗体層、23a,23b,33a,33
b,53a,53b,63a,63b,73a,73
b,83a,83b,93a,93b,97a,97
b,103a,103b,113a,113b 電極、
24,94,104,114 保護膜、25,35,5
5,65,75,85,95 抵抗体

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出媒体が導入される第1の圧力室と、
    定量媒体が導入される第2の圧力室とを有し、上記第1
    の圧力室に連通する第1のノズル及び第2の圧力室に連
    通する第2のノズルとを互いに隣合うように開口して有
    し、且つ第1の圧力室内の吐出媒体に圧力を加える第1
    の圧力印加手段と第2の圧力室内の定量媒体に圧力を加
    える第2の圧力印加手段とを有し、第2の圧力印加手段
    により第2の圧力室内の定量媒体に圧力を加え、第2の
    ノズルから第1のノズルに向けて定量媒体を滲み出させ
    た後、第1の圧力印加手段により第1の圧力室内の吐出
    媒体に圧力を加え、第1のノズルから吐出媒体を吐出さ
    せて定量媒体と吐出媒体を混合吐出するプリントヘッド
    を有するプリンタ装置において、 第2の圧力印加手段として、蓄熱層上に両端に電極が接
    続される抵抗体が設けられ、この上に保護膜が形成され
    てなり、抵抗体に通電することにより発熱する発熱素子
    が、第2の圧力室内に保護膜が第2の圧力室内の定量媒
    体側となるように設けられており、 上記発熱素子が発熱時に、その表面において面内方向の
    温度分布を有することを特徴とするプリンタ装置。
  2. 【請求項2】 発熱素子が、抵抗体の通電時における発
    熱量を面内方向で変化させることにより、面内方向の温
    度分布を形成しているものであることを特徴とする請求
    項1記載のプリンタ装置。
  3. 【請求項3】 発熱素子が、抵抗体の厚さ方向の断面積
    を変化させることにより抵抗体の通電時における発熱量
    を面内方向で変化させているものであることを特徴とす
    る請求項2記載のプリンタ装置。
  4. 【請求項4】 発熱素子が、抵抗体の厚さを変化させる
    ことにより抵抗体の厚さ方向の断面積を変化させている
    ものであることを特徴とする請求項3記載のプリンタ装
    置。
  5. 【請求項5】 発熱素子が、抵抗体の幅を変化させるこ
    とにより抵抗体の厚さ方向の断面積を変化させているも
    のであることを特徴とする請求項3記載のプリンタ装
    置。
  6. 【請求項6】 発熱素子が、抵抗体の両端に接続される
    電極の幅を異なるものとすることにより抵抗体の通電時
    における発熱量を面内方向で変化させているものである
    ことを特徴とする請求項2記載のプリンタ装置。
  7. 【請求項7】 発熱素子が、抵抗体の両端に接続される
    電極間の距離を抵抗体の幅方向において変化させること
    により抵抗体の通電時における発熱量を面内方向で変化
    させているものであることを特徴とする請求項2記載の
    プリンタ装置。
  8. 【請求項8】 発熱素子が、抵抗体の抵抗率を面内方向
    で変化させることにより抵抗体の通電時における発熱量
    を面内方向で変化させているものであることを特徴とす
    る請求項2記載のプリンタ装置。
  9. 【請求項9】 抵抗体がリンを含有するシリコンよりな
    り、リンの含有量を抵抗体の面内方向で変化させること
    により抵抗体の抵抗率を面内方向で変化させていること
    を特徴とする請求項8記載のプリンタ装置。
  10. 【請求項10】 発熱素子が、保護膜の厚さを発熱素子
    の面内方向で変化させることにより、発熱時の面内方向
    の温度分布を形成しているものであることを特徴とする
    請求項1記載のプリンタ装置。
  11. 【請求項11】 発熱素子が、蓄熱層の厚さを発熱素子
    の面内方向で変化させることにより、発熱時の面内方向
    の温度分布を形成しているものであることを特徴とする
    請求項1記載のプリンタ装置。
  12. 【請求項12】 ベース基板上の少なくとも第2の圧力
    室に対応する位置に第2の圧力印加手段として発熱素子
    を形成し、この上に第1の圧力室及び第2の圧力室に対
    応する位置に貫通孔を有する圧力室形成部材を形成し、
    さらにこの上に第1の圧力室に対応する位置に第1のノ
    ズルを有し、第2の圧力室に対応する位置に第2のノズ
    ルを有するオリフィスプレートを形成するプリンタ装置
    の製造方法において、 発熱素子を構成する抵抗体を、シリコン上に厚さに勾配
    を持たせたリンを含有するガラス膜を配し、これに加熱
    を行って、リンの含有量がシリコンの面内方向で変化す
    るようにシリコン中にリンを拡散させて製造することを
    特徴とするプリンタ装置の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012165321A1 (ja) * 2011-05-27 2012-12-06 コニカミノルタホールディングス株式会社 インクジェットヘッドの製造方法、インクジェットヘッド、部材間通電構造の製造方法及び部材間通電構造
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