JPH1079938A - 画像符号化装置、画像復号化装置、及び画像符号化・復号化装置 - Google Patents

画像符号化装置、画像復号化装置、及び画像符号化・復号化装置

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JPH1079938A
JPH1079938A JP25246496A JP25246496A JPH1079938A JP H1079938 A JPH1079938 A JP H1079938A JP 25246496 A JP25246496 A JP 25246496A JP 25246496 A JP25246496 A JP 25246496A JP H1079938 A JPH1079938 A JP H1079938A
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勉 遠藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 符号化処理の高速化を図ること。 【解決手段】 画像データの符号化に用いる複数ビット
の区間データを格納する区間レジスタ(250)と;区
間レジスタ(250)の更新演算を行う演算手段(20
8他)と;画像データが一定の状態(LPS)の場合の
区間レジスタ(250)のシフト量を記憶した記憶手段
(210)と;演算手段(208他)と記憶手段(21
0)の出力に基づいて区間レジスタ(250)のシフト
量を決定するシフト量決定手段(258)と;シフト量
決定手段(258)によって求められたシフト量を保持
するシフト量レジスタ(259)と;シフト量レジスタ
(259)に保持されているシフト量に基づいて、区間
レジスタ(250)が格納しているデータを一度に複数
ビットシフトするシフト手段(251)とを備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像データの符号
化および復号化技術に関し、特に、算術符号化方式を採
用した画像符号化装置、画像復号化装置及び、これらを
組み合わせた画像符号化・復号化装置に関する。
【0002】
【発明の背景】人間の視覚によって認識される画像情報
を、コンピュータ等の機械によって認識可能な状態にす
るために種々の画像符号化・復号化処理が行われる。例
えば、画像情報を電話回線や無線電波等の伝送媒体を介
して伝送する場合、伝送する画像の情報量を少なくする
ために、送信側で伝送すべき画像データの圧縮(符号
化)を行い、受信側では当該圧縮データを伸長(復号
化)するという技術が一般的に利用されている。
【0003】画像データの符号化方式としては、符号化
の対象となるシンボル系列の出現確率に応じて確率数直
線を区間分割し、分割された区間内の位置を示す二進小
数値をその系列に対する符号とし、符号語を算術演算に
より逐次的に構成していく算術符号化方式がある。算術
符号化方式としては、例えば、「ISO/IEC 11
544」に記述されている方式があり、特にファクシミ
リによる2値画像の送受信等に多く適用される。
【0004】
【従来技術】図10は、画像データ変換処理装置の一例
として、適応型算術符号化方式を採用した従来の画像符
号化装置を示す。この画像符号化装置は、入力画像デー
タを2値シンボル列として入力するシンボル系列読み取
り部100と、シンボル系列読み取り部100にて読み
取られた2値シンボル列を記憶するシンボル系列記憶部
102と、シンボル系列記憶部102に記憶されている
2値シンボル列の圧縮を行うために、必要な情報とし
て、圧縮しようとする符号化対象シンボルに最も相関の
深いシンボルパターン(以下、「テンプレート」と称す
る)を2値シンボル列から選択する画像参照シンボル選
択部104とを備えている。また、図11示す内容のデ
ータを記憶する状態番号/優勢シンボル記憶部106
と、画像参照シンボル選択部104にて取り出された参
照シンボルの内容が示す値(以下、「コンテクスト」あ
るいは「CX」と記述する)に基づき、符号化対象シン
ボルが状態番号/優勢シンボル記憶部106に記憶され
ている推測値(高い確率で出現するシンボル値,優勢シ
ンボル「MPS」)と等しいか否かの情報を出力する予
測変換処理部108とを更に備えている。
【0005】図10において、符号110は、各状態番
号に対して予め定められた劣勢シンボルLPSの確率領
域の大きさ(LSZ)及び状態番号STの遷移情報を記
憶した確率推定テーブルである。確率推定テーブル11
0の内容は、図12に示す通りである。112は、予測
変換処理部108の出力と、状態番号/優勢シンボル記
憶部106から読み出された状態番号STとMPS値
と、確率推定テーブル110から読み出された劣勢シン
ボルLPSの出現確率領域幅の値(LSZ)及び状態遷
移情報を元に、符号化対象シンボルに対して算術符号化
処理を行う算術符号化部である。
【0006】上記のような装置によて2値算術符号化処
理を行う場合には、まず、2値算術符号化装置全体の初
期化を行う。すなわち、状態番号/優勢シンボル記憶部
106に記憶されている状態番号(ST)および優勢シ
ンボルMPSの値を全てのコンテクストCXに対してゼ
ロにセットする。
【0007】次に、図13に示す区間レジスタ(Aレジ
スタ)によって示される確率領域のMPS領域の幅を1
0000Hexにセットし、符号レジスタ(Cレジス
タ)によって示される確率領域のMPS領域の幅Aの下
界値を0にセットし、符号出力のためのシフト数をカウ
ントするカウンタ(以下、「CT」と示す)を11にセ
ットする。次に、画像参照シンボル選択部104は、上
述したテンプレートを用い、符号化対象シンボル及び符
号化するためのコンテクストをシンボル系列記憶部10
2に記憶された2値シンボル列よりロードする。
【0008】次に、2値算術符号化処理を開始する。最
初に、予測変換処理部108において、図20に示す手
順に従い、符号化対象シンボルの値とコンテクストCX
に対応した状態番号/優勢シンボル記憶部106に記憶
された優勢シンボルMPSの値(以後「MPS(C
X)」と示す)とを比較する。符号化対象シンボルの値
とMPS(CX)が等しければ符号化対象シンボルは優
勢シンボルMPSということになり、図22に示す処理
を行う。一方、符号化対象シンボルの値とMPS(C
X)が等しくなければ符号化対象シンボルは劣勢シンボ
ルLPSということになり、図21に示す処理を行う。
【0009】符号化対象シンボルが優勢シンボルMPS
であった場合、図22に示すように、2値算術符号化部
112においては、コンテクストCXの現在の状態をS
T(CX)、その状態ST(CX)において劣勢シンボ
ルLPSに対して割り当てられる領域幅をLSZ(ST
(CX))と表現すると、優勢シンボルMPSに対して
割り当てられる領域幅はA−LSZ(ST(CX))の
ように算出される(図14参照)。そして、現在までに
符号化したシンボル列の出現確率に対応した確率領域幅
Aを、次の符号化対象シンボルに対して期待される劣勢
シンボルLPSと優勢シンボルMPSの出現推定確率で
分割し、優勢シンボルMPSの出現推定確率が劣勢シン
ボルLPSの出現推定確率以上であれば、図14におけ
る確率領域の優勢シンボルMPSの領域が符号化対象シ
ンボルに割り当てられる。
【0010】図14においては、符号化対象シンボルの
出現する確率領域の大きさを示す値はA’の値であるた
め、A−LSZを求めることによって符号化対象シンボ
ルとして優勢シンボルMPSが出現する場合に割り当て
られる確率領域幅を求めることができる。次に、優勢シ
ンボルMPSが出現する場合に割り当てられる確率領域
幅の値を図15におけるHalfで示される8000H
exと比較し、8000Hex以上であれば処理を終了
し、8000Hex未満であれば正規化処理を行う。
【0011】正規化処理を行う前処理として、図22に
示すように、符号化対象シンボルとして優勢シンボルM
PSが出現した場合に割り当てる確率領域の幅を示すA
−LSZの値と符号化対象シンボルとして劣勢シンボル
LPSが出現した場合に割り当てる確率領域の幅LSZ
とを比較し、A−LSZの値がLSZの値より小さけれ
ば符号化効率の向上を目的として、優勢シンボルMPS
と劣勢シンボルLPSに割り当てられる確率領域の意味
を入れ換える処理(条件付き交換処理)を行う(図15
参照)。
【0012】次に、ST(CX)で示される値、すなわ
ちコンテクストCXに対応した状態番号STの次の遷移
状態(以下、「NMPS(ST(CX))」と表記す
る)を確率推定テーブル110より求め、現在のST
(CX)の値を更新する処理を行う。この時、符号化対
象シンボルが優勢シンボルMPSの場合に、次の状態に
おける「劣勢シンボルLPSに対して割り当てる確率領
域幅」LSZは、現在の状態のLSZよりも必ず小さく
なるように確率推定テーブル110が設定されている。
例えば、符号化対象シンボルMPSのみが発生した場
合、図16に示すように、LPS領域幅が大きい場合に
は(1),(2),(3)と3回符号化処理を行った時
点で1回の正規化が発生し、1ビットの符号が出力され
ている。一方、図17に示すように、LPS領域幅が小
さい場合には、符号化対象シンボルを6ビット符号化し
た時点で1回正規化が起こり、1ビットの符号が出力さ
れる。すなわち、前者(図16)の場合には圧縮率3分
の1であり、後者(図17)の場合には圧縮率が6分の
1となり、連続して優勢シンボルMPSが発生する場合
にはLPS領域幅が小さい方が圧縮率が良くなる。つま
り、優勢シンボルMPSが生じた場合は、LSZの値が
小さいほど同じ入力データ量に対して正規化処理を行う
回数が少なく、また、1回の正規化処理によって出力さ
れる符号も少なくなる。
【0013】次に、図15を参照して正規化処理手順に
ついて説明する。正規化処理では、8000Hexより
小さくなった優勢シンボルMPSの確率領域を、800
0Hexより大きくする処理を行う。すなわち、現在ま
でに符号化されたシンボル列に対して割り当てられた確
率領域の幅を示す区間レジスタ(Aレジスタ)と、現在
までに符号化されたシンボル列に対して割り当てられた
確率領域を代表する座標を示す符号レジスタ(Cレジス
タ)の値を各々のレジスタ中にて最上位ビット方向(M
SB方向)へシフトすることにより、各領域と座標を2
倍ずつ拡大する処理を行う。
【0014】8000Hexは、区間レジスタ(Aレジ
スタ)の採り得る数直線上での最大領域幅の1/2の値
であり、区間レジスタ(Aレジスタ)の値が1/2より
小さくなった場合に、少なくとも現在までに符号化され
たシンボル列に対して割り当てられた確率領域を代表す
る座標を示す符号レジスタ(Cレジスタ)中の最上位の
1ビットの値が数直線上で確定したことを示している。
正規化処理におけるシフト中に、符号レジスタ(Cレジ
スタ)の最上位ビットから順に符号が出力される。符号
の出力タイミングは、図29におけるカウンタCTによ
りカウントされており、出力符号が8ビット蓄積される
と、CTがゼロになって、当該符号がバイト単位で出力
される。
【0015】次に、符号化対象シンボルが劣勢シンボル
LPSであった場合の2値算術符号化処理手順について
図21を参照して説明する。符号化対象シンボルがMP
Sであった場合の処理と異なる点は、確率推定テーブル
110に予め定められたスイッチビットと呼ばれるビッ
トを検査する処理があることと、劣勢シンボルLPSが
生じた場合は必ず正規化処理を行う必要があるというこ
と及び、正規化処理に伴うST(CX)の値の更新が、
優勢シンボルMPSが生じた場合にはLSZ(ST(C
X))が小さくなる方向へ更新されていくのに対し、劣
勢シンボルLPSが生じた場合にはLSZ(ST(C
X))が大きくなる方向へ更新されることである。
【0016】スイッチビットは、劣勢シンボルLPSが
出現した場合に、状態番号/優勢シンボル記憶部106
に記憶された優勢シンボルMPSと劣勢シンボルLPS
の値を入れ換える処理を行う必要性を判定するものであ
る。優勢シンボルMPSと劣勢シンボルLPSを入れ換
える処理は、符号化効率を高めるために用いられる。す
なわち、符号化装置の初期化処理で状態番号/優勢シン
ボル記憶部106に記憶された優勢シンボルMPSの値
は初期値としてゼロにクリアされており、あるコンテク
ストに対する優勢シンボルMPSの値として1が適当で
あった場合、また、2値シンボル列において、ある部位
では優勢シンボルMPSの値として1が適当であり、ま
たある部位では0の値が適当であるというように、優勢
シンボルMPS値が変化する場合、優勢シンボルMPS
の値と劣勢シンボルLPSの値とを2値シンボル列の特
性の変化に適応して入れ替えることによって、符号化効
率が向上する。劣勢シンボルLPSが生じた場合に必ず
正規化処理を行うのは、劣勢シンボルLPSの値すなわ
ちLSZ(ST(CX))の値は常に8000Hexよ
り小さい値に設定されており、劣勢シンボルLPSが出
現した場合には区間レジスタの値が必ず8000Hex
よりも小さくなるためである。
【0017】優勢シンボルMPSにより正規化が行われ
た場合には、LSZ(ST(CX))が小さくなる方向
へ状態が更新されていくのに対し、劣勢シンボルLPS
により正規化が行われた場合にはLSZ(ST(C
X))が大きくなる方向へ状態が更新される理由は以下
の通りである。すなわち、図18及び図19に示すよう
に、劣勢シンボルLPSに割り当てられる領域幅が小さ
い場合には、正規化処理におけるレジスタのシフト処
理、すなわち1回の正規化処理において出力される符号
量(シフト動作の回数)が多い。他方、劣勢シンボルL
PSの領域幅に割り当てられる領域幅が大きい場合に
は、劣勢シンボルLPSの出現による正規化処理におけ
るレジスタのシフト動作の回数が少なくなる。あるコン
テクストにおいては、劣勢シンボルLPSと判定されて
いたシンボルが出現した場合には、今までの推定確率の
ままでLPS領域幅を割り当てていると、次に劣勢シン
ボルLPSが出現した場合に符号化効率が低下する。そ
こで、さらに劣勢シンボルLPSが出現しても、多くの
符号を出力しないように、LSZ(ST(CX))が大
きくなる方向へ状態遷移を行う。符号化対象のシンボル
列の特性に途中で変化が生じたような場合、例えば文字
を記述したファクシミリ画像の中に写真画像が含まれて
いたような場合には、劣勢シンボルLPSが頻繁に発生
し、特性の変化に追従するよう状態遷移を追う必要があ
る。こうして、劣勢シンボルLPSに割り当てる確率領
域を、状態遷移により適宜選択することにより、圧縮率
を向上させている。
【0018】図23は、上記先行技術における2値算術
符号化装置によって符号化された2値シンボル列を復号
する2値算術復号化装置の構成を示す。図23におい
て、確率推定テーブル130は、コンテクストの各状態
において劣勢シンボルLPSに対してどの程度の確率領
域を割り当てるのが最適か、正規化が発生した場合の状
態遷移先としてはどの状態番号STが適当かを統計的に
求めて作成されたテーブルであり、図10に示す符号化
装置の確率推定テーブル120と同一である。状態番号
/優勢シンボル記憶部132は、符号化装置における状
態番号/優勢シンボル記憶部106と同様なフォーマッ
トおよびデータを持つ記憶装置である。シンボル系列記
憶部133は、逆予測変換処理部136から出力される
復号された2値シンボル列を記憶するようになってい
る。
【0019】画像参照シンボル選択部134は、シンボ
ル系列記憶部133に記憶されている復号された2値シ
ンボル列から、符号化装置と同様のテンプレートに従っ
て参照シンボルを選択する。逆予測変換処理部136
は、状態番号/優勢シンボル記憶部132から読み出さ
れた優勢シンボルMPS値と算術復号化部138より得
られた復号対象シンボルが、優勢シンボルMPSか劣勢
シンボルLPSかという情報から符号化前の2値シンボ
ル列を出力する。算術復号化部138は、符号データ
と、状態番号/優勢シンボル記憶部132から読み出し
た状態番号とMPS値と、確率推定テーブル130から
読み出した劣勢シンボルLPSの出現確率領域幅の値お
よび状態遷移情報を元に、復号対象シンボルがそのコン
テクストにおいて優勢シンボルMPSであったか劣勢シ
ンボルLPSであったのかを出力すると共に、状態遷移
を実行して状態番号/優勢シンボル記憶部132の更新
を行う。
【0020】次に、上記2値算術復号化装置における2
値算術復号化の処理手順について説明する。まず、2値
算術復号化装置全体の初期化を行うために、状態番号/
優勢シンボル記憶部132に記憶されている各コンテク
ストに対する遷移状態及び優勢シンボルMPSの値をす
べてのコンテクストに対してゼロにセットする。次に、
確率領域のMPS領域の下界値(確率領域の代表座標)
を示す符号レジスタ(Cレジスタ)の値をゼロにセット
し、符号をバイト単位で符号レジスタにセットする。そ
の後、符号レジスタを最上位ビット方向(MSB方向)
へ8ビットシフトする動作を3度繰り返しすことによっ
て、符号レジスタの初期化を終了する。続いて、優勢シ
ンボルMPSの確率領域を示す区間レジスタ(Aレジス
タ)に10000Hex(最大確率領域幅)をセット
し、復号化装置の初期化処理を完了する。
【0021】次に、画像参照シンボル選択部134にお
いて、符号化装置と同様のテンプレートを用いて参照シ
ンボルを選択して、復号化するためのコンテクストを生
成する。次に、算術復号化部138において2値算術復
号化処理を行う際には、画像参照シンボル選択部134
より出力された各コンテクストに基づき、そのコンテク
ストに対応した状態番号STを状態番号/優勢シンボル
記憶部132から読み出す。次に、読み出した状態番号
STに対応する確率領域の幅LSZを確率推定テーブル
130から読み出し、その確率領域の幅LSZを算術復
号化部138へ供給する。算術復号化部138では、確
率推定テーブル130より供給されたLSZの値を区間
レジスタより減算する。
【0022】次に、上記減算処理後の区間レジスタの値
と符号レジスタのMSB側16ビット(CHIGH)の
内容とを比較する。区間レジスタには、現在までに復号
されたシンボルによって分割されてきた領域幅が、既に
復号されたシンボル分拡大されている。すなわち、区間
レジスタにはシフトされた回数分拡大された値が入って
いる。符号レジスタのMSB側16ビット(CHIG
H)には、符号化するシンボル列に対して割り当てられ
た確率領域を代表する座標情報(下界の座標)のうち、
まだ入力されない符号分を除いた座標の近似値(下界座
標はすべての符号が復号器に入力された段階で完結す
る)から、既に復号されたシンボルに割り当てられた領
域の下界座標を減算した値が区間レジスタと同じ拡大を
与えられて保持されている。その区間レジスタを、次に
復号するシンボルに対する推定領域幅で分割し、CHI
GHレジスタがその分割された領域の境界よりも優勢シ
ンボルMPS側に属しているか、劣勢シンボルLPS側
に属しているかによって、復号を行う。すなわち、A−
LSZ(ST(CX))とCHIGHの大小比較によっ
て復号化処理を行う。
【0023】復号化対象シンボルが優勢シンボルMPS
であった場合、区間レジスタの幅が8000Hex以上
であれば逆予測変換処理部136へ処理を継続し、80
00Hexより小さい場合には優勢シンボルMPSの条
件付き交換処理を行った後、正規化処理を行い、逆予測
変換処理部136へ処理を継続する。一方、復号化対象
シンボルが劣勢シンボルLPSであった場合、符号化処
理の場合と同様に必ず正規化処理を行い、逆予測変換処
理部136へ処理を継続する。
【0024】2値算術復号化装置における正規化処理手
順は、図15に示した2値算術符号化処理時における正
規化処理手順とまったく同一である。符号化/復号化処
理時に関わらず、正規化処理では、区間レジスタおよび
符号レジスタの値をレジスタ中にて最上位ビット方向
(MSB方向)へシフトし、8000Hexより小さく
なった区間レジスタ内容を8000Hexより大きく
し、符号レジスタ中の符号が不足したら次の符号を符号
レジスタに読み込んで復号を継続する。
【0025】次に、逆予測変換処理部136の動作につ
いて説明する。画像参照シンボル選択部134の出力で
あるコンテクストを用いて、算術復号化部138はコン
テクストに対応したMPS値を状態番号/優勢シンボル
記憶部132から取り出して、逆予測変換処理部136
に供給する。逆予測変換処理部136では、2値算術復
号化部138より出力された「復号シンボルが優勢シン
ボルMPSか劣勢シンボルLPSか」を示すMPS/L
PS情報と、状態番号/優勢シンボル記憶部132から
供給されたMPS値とを比較することにより、符号化す
る前のシンボルを求めて出力する。以上のように、情報
源の性質に追随して状態番号/優勢シンボル記憶部10
6,132を書き換えていくことにより、高い符号化効
率による算術符号化・復号化装置の実現が可能となる。
【0026】以上のような符号化あるいは復号化装置に
おいては、区間レジスタ(Aレジスタ)及び符号レジス
タ(Cレジスタ)のシフトを伴う再正規化のためのレジ
スタのシフト回数は、値Aによって定まる。すなわち、
Aレジスタ及びCレジスタのシフト回数は、値Aが40
00Hex≦A≦7FFFHexの場合は1回で、A=
0001Hexの場合は15回になる。従って、図24
及び図25に示すように、再正規化処理に要する時間が
一定とならず、入力画像データ(符号化対象シンボル)
のリアルタイムな同期符号化に適さない。
【0027】このような不都合を解消するため、特開平
第6−121172号公報には、区間レジスタ(Aレジ
スタ)をモニタするモニタ手段と、該モニタ手段のモニ
タ結果に従って区間レジスタ(Aレジスタ)に格納され
ているデータを一度に複数ビット分シフトするシフト手
段とを備えた画像符号化装置が開示、提案されている。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】上記のような特開平第
6−121172号公報に開示された画像符号化装置に
よれば、再正規化処理が1クロックサイクル(一定時
間)で行われるようになるが、いくつかの問題点があ
る。
【0029】まず、正規化処理を行うに際して、区間レ
ジスタ(Aレジスタ)のデータをモニタし、その後でシ
フト動作を行っているため、区間レジスタ(Aレジス
タ)の内容をモニタする時間が必要になり、正規化処理
自体(シフト動作)に時間がかかってしまう。その結
果、符号化処理の高速化が困難となる。
【0030】また、再正規化処理に要する時間は1クロ
ックサイクル(一定時間)で済むが、正規化処理による
値Aのシフト処理による更新(図21)と、予測変換処
理(図20の符号化対象シンボルが優秀シンボルと一致
するか否かの判定処理)及び A<LSZ(ST(CX)) の判定処理(図21のS2、図20のS3)に基づいた
値Aの選択、すなわち、 A=A−LSZ(ST(CX))かA=LSZ(ST(C
X) の選択を一つのクロックサイクル内に実行することは考
慮されていない。すなわち、あるサイクルで、ある符号
化対象シンボルに対する予測変換処理と、 A<LSZ(ST(CX)) の判定処理に基づいたAレジスタのデータ更新を行い、
次のサイクルでその符号化対象シンボルに対する正規化
処理によるAレジスタのデータ更新を行っている。この
ように、Aレジスタに対する更新演算処理と正規化処理
が同時に行われていないため、毎クロックごとに符号化
対象シンボルの入力がある場合に、リアルタイムな同期
符号化処理が困難になる。
【0031】一般に、符号化処理においては、Cレジス
タの内容をC+Aに書き換える場合がある(図21のS
3,図22のS4)。この場合、 A−LSZ(ST(CX)) の減算演算(図21のS1、図22のS1)、 A<0x8000 の比較判定(図22のS2)、 A<LSZ(ST(CX)) の比較判定(図21のS2、図22のS3)、そしてC
+Aの加算演算と、複数の処理ステップを踏んで更新さ
れるため処理時間が長くなる。このため、Aレジスタの
区間演算とCレジスタの座標計算を同一クロック内で行
った場合に、クロックの周期が長くなってしまい、符号
化処理の高速化が困難となる。
【0032】本発明は上記のような状況に鑑みてなされ
たものであり、符号化処理の高速化を図り得る画像符号
化装置を提供することを第1の目的とする。また、復号
化処理の高速化を図り得る画像復号化装置を提供するこ
とを第2の目的とする。
【0033】また、入力画像データのリアルタイムな同
期符号化が可能な符号化装置を提供することを第3の目
的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記課題
を解決するために、本発明の第1の態様に係る画像符号
化装置は、画像データの符号化に用いる複数ビットの区
間データを格納する区間レジスタ(250)と;区間レ
ジスタ(250)の更新演算を行う演算手段(208,
252,254,255,256他)と;画像データが
一定の状態(LPS)の場合の区間レジスタ(250)
のシフト量(Shift_LSZ)を記憶した記憶手段
(210)と;演算手段(208,252,254,2
55,256他)と記憶手段(210)の出力に基づい
て区間レジスタ(250)のシフト量を決定するシフト
量決定手段(258)と;シフト量決定手段(258)
によって求められたシフト量を保持するシフト量レジス
タ(259)と;シフト量レジスタ(259)に保持さ
れているシフト量に基づいて、区間レジスタ(250)
が格納しているデータを一度に複数ビットシフトするシ
フト手段(251)とを備えている。
【0035】また、上記第1の態様を更に具体的に示し
た本発明の画像符号化装置は、画像データの符号化に用
いる複数ビットの区間データを格納する区間レジスタ
(250)と;入力画像データを所定の推測値(MP
S)と比較する予測手段(208)と;予測手段(20
8)による比較の結果に基づき、入力画像データと推測
値(MPS)が一致した場合に割り当てられる確率数直
線上の領域区間を算出する第1の算出手段(252)
と;入力画像データと推測値(MPS)が一致した場合
に割り当てられる確率数直線上の領域区間と所定の基準
値(0x8000)との大小関係を判定する判定手段
(256)と;入力画像データと推測値(MPS)が一
致した場合に割り当てられる確率数直線上の領域区間
(A−LSZ)と、入力画像データと推測値(MPS)
が不一致の場合に割り当てられる確率数直線上の領域区
間(LSZ)との大小関係を比較する比較手段(25
4,255)と;入力画像が推測値(MPS)と異なる
場合の区間レジスタ(Aレジスタ)のシフト量(shi
ft_LSZ)を予め記憶した記憶手段(210)と;
予測手段(208)と、第1の算出手段(252)と、
判定手段(256)と、比較手段(254,255)
と、記憶手段(210)の出力に基づいて区間レジスタ
(250)のシフト量を決定するシフト量決定手段(2
58)と;シフト量決定手段(258)によって求めら
れたシフト量を保持する第1のシフト量レジスタ(25
9)と;第1のシフト量レジスタ(259)に保持され
たシフト量に基づいて、区間レジスタ(250)が格納
しているデータを一度に複数ビットシフトする第1のシ
フト手段(251)とを備えている。
【0036】上記本発明の第1の態様に係る画像符号化
装置によって符号化された符号データを元の画像データ
に復元する本発明の第2の態様に係る復号化装置は、画
像データの復号化に用いる複数ビットの区間データを格
納する区間レジスタと;区間レジスタの更新演算を行う
演算手段と;画像データが一定の状態の場合の区間レジ
スタのシフト量を記憶した記憶手段と;演算手段と記憶
手段の出力に基づいて区間レジスタのシフト量を決定す
るシフト量決定手段と;シフト量決定手段によって求め
られたシフト量を保持するシフト量レジスタと;シフト
量レジスタに保持されているシフト量に基づいて、区間
レジスタが格納しているデータを一度に複数ビットシフ
トするシフト手段とを備えている。
【0037】更に、本発明の第3の態様は、本発明の第
1の態様に係る画像符号化装置と第2の態様に係る復号
化装置を組み合わせて構成される画像符号化・復号化装
置である。
【0038】最初に、本発明の基本的な作用(原理)に
ついて説明する。符号化処理において、入力画像データ
がが予測値(MPS)と一致しなかった場合(図21参
照)を考える。A<LSZ(ST(CX))ではない場
合(パス1)、A=LSZ(ST(CX))となるが、
この場合の正規化処理時のシフト量は図25に示すよう
にLSZの大きさで決まる。従って、各LSZに対応し
たシフト量をテーブルとして持たせればよい。図21に
おいて、A<LSZ(ST(CX))である場合(パス
2)、正規化処理時のシフト量は1または2である。な
ぜなら、図21において、A<LSZ(ST(CX))
の時、図21のS1の右辺中のAの値をA’とすると、
以下の式(1),(2),(3)が成り立つ。 A’≧0x8000 ・・・・・(1) A’−LSZ(ST(CX))<LSZ(ST(CX))・・・・・(2) LSZ(ST(CX))≦0x5B12 ・・・・・(3) (図12より)
【0039】また、上記式(1)と式(3)より、以下
の式(4)が成り立つ。 0x5B12≧A’−LSZ(ST(CX))≧0X24EE ・・(4)
【0040】上記式(4)より、図21において、A<
LSZ(ST(CX))である場合、正規化処理時のシ
フト量は1又は2となる。従って、図21において、A
−LSZ(ST(CX))の最上位ビットの次の下位ビ
ットを見れば、この場合のシフト量が分かる。すなわ
ち、そのビットが1ならばシフト量は1ビット、0なら
ばシフト量は2ビットとなる。
【0041】次に、符号化対象シンボルが予測値と一致
した場合(図22参照)を考える。図22において、S
1の右辺中のAの値をA’とすると、A−LSZ(ST
(CX))≧0x8000の場合は、正規化は行われず
シフト量は0となる。
【0042】また、以下の式(5),(6),(7)の
全てを満たす場合(パス2)には、シフト量は1とな
る。 A’≧0x8000 ・・・・・(5) A’−LSZ(ST(CX))<0x8000 ・・・・・(6) A’−LSZ(ST(CX))≧LSZ(ST(CX))・・・・・(7)
【0043】ここで、式(5)より以下の式(8)が成
り立つ。 A’/2≧0x4000 ・・・・・(8)
【0044】また、式(7)より以下の式(9)が成り
立つ。 A’/2≧LSZ(ST(CX)) ・・・・・(9)
【0045】更に、式(8)及び式(9)より、以下の
式(10)が成り立つ。 A’≧0x4000+LSZ(ST(CX)) ・・・・・(10)
【0046】以上をまとめると、以下の式(11)とな
る。 0x8000>A’−LSZ[ST[CX]]≧0x4000 ・・(11)
【0047】式(11)より、(5),(6),(7)
の全てを満たす場合には、シフト量は1となる。
【0048】また、以下の式(12),(13),(1
4)の全てを満たす場合(パス3)にも、正規化処理時
のシフト量は1となる。 A’≧0x8000 ・・・・・(12) A’−LSZ(ST(CX))<0x8000 ・・・・・(13) A’−LSZ(ST(CX))<LSZ(ST(CX))・・・・(14)
【0049】上記式(12)より、以下の式(15)が
成り立つ。 A’/2≧0x4000 ・・・・・(15)
【0050】また、式(14)より、以下の式(16)
が成り立つ。 A’/2<LSZ(ST(CX)) ・・・・・(16)
【0051】更に、式(15)と式(16)式より、以
下の式(17)が成り立つ。 LSZ(ST(CX))>0x4000 ・・・・・(17)
【0052】その結果、式(17)及びLSZ(ST
(CX))が0x8000より小さいということより分
かるように、式(12),(13),(14)の全てを
満たす場合には、正規化処理時のシフト量は1となる。
【0053】以上のように、結局のところ、入力画像デ
ータが予測値(MPS)と一致した場合には、A’−L
SZ(ST(CX))と一定値0x8000との大小関
係を調べればシフト量が決まる。
【0054】以上説明したように、本発明では、区間レ
ジスタ(250)のデータをモニタすることなく1つの
クロックでバレルシフト動作を実現している。すなわ
ち、区間レジスタ(250)のデータとしてLSZが選
択された場合のバレルシフト数を予め記憶手段(21
0)に格納している。そして、例えば、図21のパス1
を通る場合、バレルシフト数として予め記憶手段(21
0)に格納されたバレルシフト数を選択してシフト量レ
ジスタ(259)に保持する。図21のバス2を通る場
合は、図21のS1のA−LSZの最上位ビットの次の
下位ビットの値から決まるバレルシフト数(1又は2)
を選択してシフト量レジスタ(259)に保持する。図
22にパス1を通る場合には、正規化を行わないため、
バレルシフト数として値0をシフト量レジスタ(25
9)に保持する。図22のパス2又は3を通る場合に
は、バレルシフト数として値1をシフト量レジスタ(2
59)に保持する。このように、全てのパターンに対応
したバレルシフト数がシフト量レジスタ(259)に保
持されているため、1つのクロックサイクルの最初に即
座にバレルシフト動作を行うことができ、従来に比べて
正規化処理動作の高速化が図れるというメリットがあ
る。また、その結果、符号化処理の速度が向上する。
【0055】本発明において、第1のシフト手段(25
1)の出力を第1の算出手段(252)の入力とするこ
とができる。この場合、区間レジスタ(250)に対す
る正規化処理と区間演算(A−LSZ)を1つのクロッ
クサイクル内で行うことができ、一定のクロックで区間
レジスタ(250)に対する処理が実行される。その結
果、画像データ入力に対してリアルタイムな同期符号化
が可能となる。
【0056】また、望ましくは、確率数直線を分割して
得られた区間内の位置を示す値を保持する符号レジスタ
(263)と;第1の算出手段(252)の出力を保持
する算出結果レジスタ(260)と;算出結果レジスタ
(260)の出力を入力として、符号レジスタ(26
3)の更新値を算出する第2の算出手段(265)と;
第1のシフト手段(251)に入力されているシフト量
を保持する第2のシフト量レジスタ(261)と;第2
のシフト量レジスタ(261)に保持されているシフト
量に基づいて符号レジスタ(263)に格納されている
データを一度に複数ビットシフトする第2のシフト手段
(264)とを更に備える。そして、第2のシフト手段
(264)によって符号レジスタ(263)から排出さ
れたデータを符号出力とする。
【0057】この場合、区間レジスタ(250)に対す
る区間演算(A−LSZ)と、符号レジスタ(263)
に対する座標計算(C+(A−LSZ))とを別々のク
ロックサイクルで行えるようになり、クロックの周期を
短くすることができる。その結果、符号化処理が高速化
する。
【0058】本発明は、また、符号出力を行うときに、
当該符号出力の一部に対して所定の変換処理を施す変換
処理手段(269)を更に備え、変換処理手段(26
9)の出力を第2の算出手段(265)の入力としても
良い。これにより、符号レジスタ(263)に対する正
規化処理と座標計算(C+(A−LSZ))を1つのク
ロックサイクル内で行うことができ、一定の時間で符号
レジスタ(263)に対する処理が実行される。その結
果、画像データ入力に対してリアルタイムな同期符号化
が可能となる。
【0059】本発明は、また、上述した比較手段(25
5,254)としては、少なくとも、入力画像データと
推測値(MPS)が不一致の場合に割り当てられる確率
数直線上の領域区間(LSZ)を1ビットシフトするこ
とにより2倍にするシフト処理部(254)と;前記入
力画像データの出現確率の領域区間データとシフト処理
部(254)の出力データとを比較する比較器(25
5)とを含む構成とすることができる。このような構成
を採ることにより、区間レジスタ(250)に保持され
ているデータとシフト処理部(254)の出力データと
を直接比較することにより、入力画像データが推測値
(MPS)と一致する場合に割り当てる区間(A−LS
Z)を算出する減算器の部分を省略することができる。
その結果、入力画像データが推測値(MPS)と一致す
る場合に割り当てる区間(A−LSZ)と、一致しない
場合に割り当てられる区間(LSZ)との比較に要する
時間を半分近くに短縮することができ、符号化処理の高
速化を図ることができる。
【0060】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て実施例を用いて説明する。なお、基本的な算術符号化
及び復号化方式については、上述した従来技術と同様で
あるため、実施例内においては重複した説明は省略し、
特徴的な部分を中心に説明する。
【0061】
【実施例】本実施例は、2値画像を適応型算術符号化方
式によって符号化する符号化装置に本発明の技術的思想
を適用したものであり、その構成を図1に示す。本実施
例の画像符号化装置は、入力画像データを2値シンボル
列として入力するシンボル系列読み取り部200と、シ
ンボル系列読み取り部200にて読み取られた2値シン
ボル列を記憶するシンボル系列記憶部202と、シンボ
ル系列記憶部202に記憶されている2値シンボル列の
圧縮を行うために、必要な情報として、圧縮しようとす
る符号化対象シンボルに最も相関の深いシンボルパター
ン(以下、「テンプレート」と称する)を2値シンボル
列から選択する画像参照シンボル選択部204とを備え
ている。また、図11に示す内容のデータを記憶する状
態番号/優勢シンボル記憶部206と、画像参照シンボ
ル選択部204にて取り出された参照シンボルの内容が
示す値(以下、「コンテクスト」あるいは「CX」と記
述する)に基づき、符号化対象シンボルが状態番号/優
勢シンボル記憶部206に記憶されている推測値(高い
確率で出現するシンボル値,優勢シンボル「MPS」)
と等しいか否かの情報を出力する予測変換処理部208
とを更に備えている。
【0062】図1において、符号210は、各状態番号
に対して予め定められた劣勢シンボルLPSの確率領域
の大きさ(LSZ)及び状態番号STの遷移情報を記憶
した確率推定テーブルである。確率推定テーブル210
の内容は、図2に示す通りである。図2より分かるよう
に、本実施例の確率推定テーブル210は、劣勢シンボ
ル出現確率領域の推定値(LSZ)に対応した区間レジ
スタ(Aレジスタ)のシフト量(Shift_LSZ)
をも格納している。
【0063】符号212は、予測変換処理部208の出
力と、状態番号/優勢シンボル記憶部206から読み出
された状態番号STとMPS値と、確率推定テーブル2
10から読み出された劣勢シンボルLPSの出現確率領
域幅の値(LSZ)及び状態遷移情報を元に、符号化対
象シンボルに対して算術符号化処理を行う算術符号化部
である。
【0064】上記のような装置によて2値算術符号化処
理を行う場合には、まず、2値算術符号化装置全体の初
期化を行う。すなわち、状態番号/優勢シンボル記憶部
206に記憶されている状態番号(ST)および優勢シ
ンボルMPSの値を全てのコンテクストCXに対してゼ
ロにセットする。
【0065】次に、図13に示す区間レジスタ(Aレジ
スタ)によって示される確率領域のMPS領域の幅を1
0000Hexにセットし、符号レジスタ(Cレジス
タ)によって示される確率領域のMPS領域の幅Aの下
界値を0にセットし、符号出力のためのシフト数をカウ
ントするカウンタ(以下、「CT」と示す)を所定の値
にセットする。次に、画像参照シンボル選択部204
は、上述したテンプレートを用い、符号化対象シンボル
及び符号化するためのコンテクストをシンボル系列記憶
部202に記憶された2値シンボル列よりロードする。
【0066】次に、2値算術符号化処理を開始する。最
初に、予測変換処理部208において、図20に示す手
順に従い、符号化対象シンボルの値とコンテクストCX
に対応した状態番号/優勢シンボル記憶部206に記憶
された優勢シンボルMPSの値(以後「MPS(C
X)」と示す)とを比較する。符号化対象シンボルの値
とMPS(CX)が等しければ符号化対象シンボルは優
勢シンボルMPSということになり、図22に示す処理
を行う。一方、符号化対象シンボルの値とMPS(C
X)が等しくなければ符号化対象シンボルは劣勢シンボ
ルLPSということになり、図21に示す処理を行う。
【0067】符号化対象シンボルが優勢シンボルMPS
であった場合、図22に示すように、2値算術符号化部
212においては、コンテクストCXの現在の状態をS
T(CX)、その状態ST(CX)において劣勢シンボ
ルLPSに対して割り当てられる領域幅をLSZ(ST
(CX))と表現すると、区間レジスタ(Aレジスタ)
の内容をA=A−LSZ(ST(CX))のように処理
する(図14参照)。また、現在までに符号化したシン
ボル列の出現確率に対応した確率領域幅Aを、次の符号
化対象シンボルに対して期待される劣勢シンボルLPS
と優勢シンボルMPSの出現推定確率で分割し、画像の
符号化対象シンボル(画素)PIXが優勢シンボルMP
Sであれば、図14における確率領域の優勢シンボルM
PSの領域が符号化対象シンボルに割り当てられる。
【0068】図14においては、符号化対象シンボルの
出現する確率領域の大きさを示す値はA’の値であるた
め、A−LSZを求めることによって符号化対象シンボ
ルとして優勢シンボルMPSが出現する場合に割り当て
られる確率領域幅を求めることができる。次に、求めた
区間レジスタ(Aレジスタ)の値を図15におけるHa
lfで示される8000Hexと比較し、8000He
x以上であれば処理を終了し、8000Hex未満であ
れば正規化処理を行う。
【0069】図3は、算術符号化部212内に設けられ
た本発明の符号化器の構成を示す。図3において、25
0は情報源のシンボル系列の生起確率領域区間を格納す
る16ビットの区間レジスタ(Aレジスタ)であり、2
51はAレジスタ250のビットシフトのためのバレル
シフタである。バレルシフタ251は、Aレジスタ25
0に格納されたデータを一度に複数ビットシフトするよ
うに構成されている。252は、16ビットの減算器で
あり、バレルシフタ251の出力と、確率推定テーブル
210より供給される劣勢シンボル出現確率領域の推定
値(LSZ)とを入力とし、優勢シンボル(MPS)が
出現する場合に割り当てる情報源の生起確率領域区間
(A−LSZ)を算出する。253は、減算器252の
出力か確率推定テーブル210より供給される劣勢シン
ボル出現確率領域の推定値LSZの一方を選択する選択
器であり、当該選択器253の出力はAレジスタ250
に保持される。
【0070】254は、確率推定テーブル210より供
給される劣勢シンボル出現確率領域の推定値(LSZ)
を左に1ビットシフトして、2倍の値にするシフト処理
部である。図4に当該シフト処理部の構成を示す。25
5は、シフト処理部254の出力とバレルシフタ251
の出力を入力とし、それら値の大きさを比較する比較器
である。この比較器255は、優勢シンボル(MPS)
が出現する場合に割り当てる情報源のシンボル系列の生
起確率領域区間(A−LSZ)と劣勢シンボル(LP
S)が出現する場合に割り当てる情報源のシンボル系列
の生起確率領域区間(LSZ)を比較する役割を担う。
【0071】256は、減算器252の出力値を一定値
0x8000と比較判定する判定器である。257は、
予測変換処理部208より供給される予測誤差信号と比
較器255の比較結果とに基づいて選択器253の選択
信号を発生する選択信号生成器である。ここで、符号化
対象シンボルと予測値(MPS)が一致し、A−LSZ
<LSZの場合には選択器253はLSZを選択し、符
号化対象シンボルと予測値(MPS)が一致し、A−L
SZ≧LSZの場合には選択器253は減算器252の
出力を選択するようになっている。一方、符号化対象シ
ンボルと予測値(MPS)が一致せず、A−LSZ<L
SZの場合には選択器253は減算器252の出力を選
択し、符号化対象シンボルと予測値(MPS)が一致せ
ず、A−LSZ≧LSZの場合には選択器253はLS
Zを選択する。
【0072】258は、予測変換処理部208より供給
される予測誤差信号と、減算器252の出力の15番目
のビット(MSBは16番目)と、判定器256の判定
結果と、比較器255の比較結果とに基づいてAレジス
タ250のシフト量を決定するシフト量決定部である。
シフト量決定部258は、符号化対象シンボルと予測値
(MPS)が一致し、A−LSZ≧0x8000の場合
にはシフト量0、符号化対象シンボルと予測値(MP
S)が一致し、A−LSZ<0x8000の場合にはシ
フト量1を出力する。一方、符号化対象シンボルと予測
値(MPS)が一致せず、A−LSZ<LSZ(図21
のパス2)であり、減算器252の15番目のビットが
1の時はシフト量1、符号化対象シンボルと予測値(M
PS)が一致せず、A−LSZ<LSZ(図21のパス
2)であり、減算器252の15番目のビットが0の時
はシフト量2、符号化対象シンボルと予測値(MPS)
が一致せずA−LSZ≧LSZ(図21のパス1)の場
合は、確率推定テーブル210から供給されるShif
t_LSZをシフト量として出力する。
【0073】259は、前記シフト量決定手段258の
出力を格納するシフト量レジスタであり、当該シフト量
レジスタ259の出力はバレルシフタ251に接続され
ている。260,261,262はレジスタであり、レ
ジスタ260は減算器252の出力を保持し、レジスタ
261はシフト量レジスタ259の出力を保持し、26
2は選択信号生成器257の出力を保持する。263
は、符号データを格納する符号レジスタ(Cレジスタ)
であり、選択器266の出力信号が供給される。264
は、レジスタ261が保持しているシフト量分だけCレ
ジスタ263の出力をシフトするバレルシフタである。
【0074】265は、レジスタ260の出力とバレル
シフタ264の出力を入力とする座標計算用の加算器で
ある。266は、加算器265の出力またはクリア処理
部269の出力の一方を選択する選択器であり、選択信
号生成器257の出力を保持するレジスタ262の出力
として供給される選択信号に基づいて動作する。267
は、CT(カウント)値を保持するためのCTレジスタ
であり、CT値の更新値はCTレジスタ267が保持し
ている値とシフト量レジスタ261の保持している値で
決まる。その関係を図5に示す。
【0075】268は、図5に示したCT更新処理を行
うCT更新処理符号出力制御部である。符号出力時に
は、図6及び図7に示すように、符号として取り出され
るバレルシフタ264の出力の一部を0にクリアする必
要がある。CT更新処理符号出力制御部268は、この
ような場合に、クリアすべきバレルシフタ264の出力
ビットをクリア処理部269に知らせる機能を有する。
CT更新処理符号出力制御部268は、更に、バレルシ
フタ264の出力から符号として取り出すデータ位置を
選択器270に知らせる。
【0076】269は、CT更新処理符号出力制御部2
68からの信号に基づいて、クリアすべきバレルシフタ
264の出力ビットをクリアするクリア処理部である。
270は、CT更新処理符号出力制御部268からの信
号に基づいて、バレルシフタ264の出力から符号とし
てのデータ取り出す選択器である。271は、選択器2
70の出力を保持する出力符号レジスタである。また、
272は桁上がり制御部であり、符号出力部273から
最終的に符号化された符号データが出力されるようにな
っている。
【0077】図6は、符号レジスタ(Cレジスタ)26
3のシフト数が10で、CTレジスタ267のカウント
値(CT値)が6の場合のシフト処理動作を示す。ま
た、図7は、符号レジスタ(Cレジスタ)263のシフ
ト数が15で、CTレジスタ267のカウント値(CT
値)が1の場合のシフト処理動作を示す。なお、符号出
力(BYTEOUT)がある場合、バレルシフタ264
の出力データから符号データを取り出し、その部分をク
リア処理部269において0にクリアする。符号データ
の取り出しビット位置は固定的なものではなく、バレル
シフタ264によるシフト数とCTレジスタ267のカ
ウント値(CT値)によって決まる。
【0078】上記のような本実施例においては、Aレジ
スタ250のデータをモニタすることなく1つのクロッ
クでバレルシフト動作を実現している。すなわち、Aレ
ジスタ250のデータとしてLSZが選択された場合の
バレルシフト数を予め確率推定テーブル210に格納し
ている。そして、例えば、図21のパス1を通る場合、
バレルシフト数として予め確率推定テーブル210に格
納されたバレルシフト数(shift_LSZ)を選択
してシフト量レジスタ259に保持する。図21のバス
2を通る場合は、図21のS1のA−LSZの最上位ビ
ットの次の下位ビットの値から決まるバレルシフト数
(1又は2)を選択してシフト量レジスタ259に保持
する。図22にパス1を通る場合には、正規化を行わな
いため、バレルシフト数として値0をシフト量レジスタ
259に保持する。図22のパス2又は3を通る場合に
は、バレルシフト数として値1をシフト量レジスタ25
9に保持する。このように、全てのパターンに対応した
バレルシフト数がシフト量レジスタ259に保持されて
いるため、1つのクロックサイクルの最初に即座にバレ
ルシフト動作を行うことができ、従来に比べて正規化処
理動作の高速化が図れるというメリットがある。また、
その結果、符号化処理の速度が向上する。
【0079】図8は、区間レジスタ(Aレジスタ)25
0に対する区間演算と正規化処理(シフト動作)及び、
符号レジスタ(Cレジスタ)263に対する座標計算と
正規化処理(シフト動作)の様子を示す。本実施例にお
いては、正規化の際のシフト数に関係なくAレジスタ2
50に対する区間演算と正規化処理(シフト動作)を1
クロックで行う。また、同様に、正規化の際のシフト数
に関係なくCレジスタ263に対する座標計算と正規化
処理(シフト動作)を1クロックで行う。なお、符号化
対象シンボルは、システムクロックの3クロック毎に入
力するものとする。
【0080】図8において、1番目のクロックでは状態
番号/優勢シンボル記憶部206から、コンテクスト#
1に対応する状態番号(ST)と予測値(MPS)とを
読み出す。2番目のクロックでは、算術符号化部212
においてコンテクスト#1に対する区間演算を行う。次
に、3番目のクロックでは、2番目のクロックでの区間
演算の結果をAレジスタ250に保持すると共に、当該
保持した値に基づいて状態番号/優勢シンボル記憶部2
06のデータを更新する。3番目のクロックでは、更
に、コンテクスト#1に対する座標計算を行う。
【0081】4番目のクロックでは、3番目のクロック
でのコンテクスト#1に対する座標計算結果をCレジス
タ263に保持する。4番目のクロックでは、更に、状
態番号/優勢シンボル記憶部206からコンテクスト#
2に対応する状態番号(ST)と予測値(MPS)を読
み出す。5番目のクロックでは、状態番号/優勢シンボ
ル記憶部206から読み出した情報(ST,MPS)に
基づいて、コンテクスト#2に対する区間演算を行う。
6番目のクロックでは、5番目のクロックでの区間演算
結果(コンテクスト#2に対する結果)をAレジスタ2
50に保持する。6番目のクロックでは、更に、状態番
号/優勢シンボル記憶部206に対して、コンテクスト
#2に対応する状態番号(ST)及び予測値(MPS)
の更新を行う。
【0082】7番目のクロックでは、6番目のクロック
でのコンテクスト#2に対する座標計算結果をCレジス
タ263に保持する。7番目のクロックでは、更に、コ
ンテクスト#3に対応する状態番号(ST)及び予測値
(MPS)を状態番号/優勢シンボル記憶部206から
読み出す。8番目のクロックでは、Aレジスタ250の
出力を2ビット左(上位側)にシフトし、その値と、7
番目のクロックで状態番号/優勢シンボル記憶部206
から読み出されたデータに基づいて、コンテクスト#3
に対する区間演算を行う。
【0083】9番目のクロックでは、8番目のクロック
における区間演算結果をAレジスタ250に保持する。
また、当該区間演算結果に基づいて、状態番号/優勢シ
ンボル記憶部206におけるコンテクスト#3に対応す
るデータ(ST,MPS)を更新する。更に、Cレジス
タ263が保持しているコンテクスト#2の座標データ
を左(上位側)に2ビットシフトすると共に、コンテク
スト#3に対する座標計算を行う。
【0084】以上のように、本実施例においては、正規
化の際のシフト数の大小に関係なく、一つのコンテクス
トに対して一定のクロックレート(3クロック)で符号
化処理を行うことができる。すなわち、バレルシフタ2
51の出力を減算器252の入力としているため、Aレ
ジスタ250に対する正規化処理と区間演算(A−LS
Z)を1つのクロックサイクル内で行うことができる。
【0085】また、減算器252の演算結果を保持する
レジスタ260の出力をCレジスタ263の座標値を求
める加算器265の入力としているため、Aレジスタ2
50に対する区間演算(A−LSZ)と、Cレジスタ2
63に対する座標計算(C+(A−LSZ))とを別々
のクロックサイクルで行え、クロックの周期を短くする
ことができる。
【0086】また、クリア処理部269の出力を加算器
265の入力としているため、Cレジスタ263に対す
る正規化処理と座標計算(C+(A−LSZ))を1つ
のクロックサイクル内で行うことができ、一定の時間で
Cレジスタ263に対する処理が実行される。
【0087】更に、上記実施例の画像符号化装置は、符
号化対象シンボルが劣勢シンボル(LPS)の場合に割
り当てられるAレジスタ250の領域区間(LSZ)を
1ビットシフトするシフト処理部254と、Aレジスタ
250に格納されているデータとシフト処理部254の
出力データとを比較する比較器255とを設けているた
め、Aレジスタ250に保持されているデータとシフト
処理部254の出力データとを直接比較することによ
り、減算器の部分を省略することができる。その結果、
符号化対象シンボルが優勢シンボルMPSの場合に割り
当てる区間 (A−LSZ)と、劣勢シンボルLPSの
場合に割り当てられる区間(LSZ)との比較に要する
時間を従来の半分近くに短縮することができる。
【0088】図9は、上記実施例の2値算術符号化装置
によって符号化された2値シンボル列を復号する2値算
術復号化装置の構成を示す。図9において、確率推定テ
ーブル310は、コンテクストの各状態において劣勢シ
ンボルLPSに対してどの程度の確率領域を割り当てる
のが最適か、正規化が発生した場合の状態遷移先として
はどの状態番号STが適当かを統計的に求めて作成され
たテーブルであり、図2に示す符号化装置の確率推定テ
ーブル210と同一である。状態番号/優勢シンボル記
憶部306は、符号化装置における状態番号/優勢シン
ボル記憶部206と同様なフォーマットおよびデータを
持つ記憶装置である。シンボル系列記憶部302は、逆
予測変換処理部308から出力される復号された2値シ
ンボル列を記憶するようになっている。
【0089】画像参照シンボル選択部304は、シンボ
ル系列記憶部302に記憶されている復号された2値シ
ンボル列から、符号化装置と同様のテンプレートに従っ
て参照シンボルを選択する。逆予測変換処理部308
は、状態番号/優勢シンボル記憶部306から読み出さ
れた優勢シンボルMPS値と算術復号化部312より得
られた復号対象シンボルが、優勢シンボルMPSか劣勢
シンボルLPSかという情報から符号化前の2値シンボ
ル列を出力する。算術復号化部312は、符号データ
と、状態番号/優勢シンボル記憶部306から読み出し
た状態番号とMPS値と、確率推定テーブル310から
読み出した劣勢シンボルLPSの出現確率領域幅の値お
よび状態遷移情報を元に、復号対象シンボルがそのコン
テクストにおいて優勢シンボルMPSであったか劣勢シ
ンボルLPSであったのかを出力すると共に、状態遷移
を実行して状態番号/優勢シンボル記憶部306の更新
を行う。
【0090】次に、上記2値算術復号化装置における2
値算術復号化の処理手順について説明する。なお、算術
符号化方式と復号化方式の対称性により、復号化装置の
ほとんどの動作は符号化装置のそれと同一であるため、
重複した説明は極力省略するものとする。まず、2値算
術復号化装置全体の初期化を行うために、状態番号/優
勢シンボル記憶部306に記憶されている各コンテクス
トに対する遷移状態及び優勢シンボルMPSの値をすべ
てのコンテクストに対してゼロにセットする。次に、確
率領域のMPS領域の下界値(確率領域の代表座標)を
示す符号レジスタ(Cレジスタ)の値をゼロにセット
し、符号をバイト単位で符号レジスタにセットする。そ
の後、符号レジスタを最上位ビット方向(MSB方向)
へ8ビットシフトする動作を3度繰り返すことによっ
て、符号レジスタの初期化を終了する。続いて、優勢シ
ンボルMPSの確率領域を示す区間レジスタ(Aレジス
タ)に10000Hex(最大確率領域幅)をセット
し、復号化装置の初期化処理を完了する。
【0091】次に、画像参照シンボル選択部304にお
いて、符号化装置と同様のテンプレートを用いて参照シ
ンボルを選択して、復号化するためのコンテクストを生
成する。次に、算術復号化部312において2値算術復
号化処理を行う際には、画像参照シンボル選択部304
より出力された各コンテクストに基づき、そのコンテク
ストに対応した状態番号STを状態番号/優勢シンボル
記憶部306から読み出す。次に、読み出した状態番号
STに対応する確率領域の幅LSZを確率推定テーブル
310から読み出し、その確率領域の幅LSZを算術復
号化部312へ供給する。算術復号化部312では、確
率推定テーブル310より供給されたLSZの値を区間
レジスタより減算する。以後は、上述した符号化装置と
の対称性により、同一の動作によって符号データの復号
化を行う。
【0092】次に、逆予測変換処理部312は、画像参
照シンボル選択部304の出力であるコンテクストに対
応したMPS値を状態番号/優勢シンボル記憶部306
から取り出して、逆予測変換処理部308に供給する。
逆予測変換処理部308では、2値算術復号化部312
より出力された「復号シンボルが優勢シンボルMPSか
劣勢シンボルLPSか」を示すMPS/LPS情報と、
状態番号/優勢シンボル記憶部306から供給されたM
PS値とを比較することにより、符号化する前のシンボ
ルを求めて出力する。
【0093】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に示された本発明の技術的思想とし
ての要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、符
号化及び復号化処理の高速化を図ることができるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例にかかる適応算術型符
号化装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1に示す実施例の要部(確率推定テ
ーブル)の内容を示す説明図である。
【図3】図3は、実施例の要部(算術符号化部)の構成
を示すブロック図である。
【図4】図4は、図3に示す構成の一部(シフト処理
部)の構成を示す説明図(配線図)である。
【図5】図5は、実施例の動作を説明するために使用さ
れる表である。
【図6】図6は、実施例の動作を説明するために使用さ
れる説明図である。
【図7】図7は、実施例の動作を説明するために使用さ
れる説明図である。
【図8】図8は、実施例の動作を示すタイミングチャー
トである。
【図9】図9は、本発明の他の実施例に係る画像復号化
装置の構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、従来の適応型算術符号化装置の構
成を示すブロック図である。
【図11】図11は、図10に示す従来の適応型算術符
号化装置の状態番号/優勢シンボル記憶部の記憶データ
の内容を示す説明図である。
【図12】図12は、算術符号化装置(復号化装置)に
おける確率領域減算処理の概念を示す説明図である。
【図13】図13は、従来の算術符号化装置(復号化装
置)及び実施例の算術符号化装置(復号化装置)に用い
られる区間レジスタおよび符号レジスタの内容を示す説
明図である。
【図14】図14は、算術符号化装置(復号化装置)に
おける確率領域減算処理の概念を示す説明図である。
【図15】図15は、算術符号化装置(復号化装置)に
おける条件付き交換処理及び正規化処理の概念を示す説
明図である。
【図16】図16は、算術符号化装置(復号化装置)に
おいて、MPS(優勢シンボル)が連続して発生した場
合におけるLPS(劣勢シンボル)の領域幅LSZが比
較的大きい場合の減算処理及び正規化処理の概念を示す
説明図である。
【図17】図17は、算術符号化装置(復号化装置)に
おいて、MPS(優勢シンボル)が連続して発生した場
合におけるLPS(劣勢シンボル)の領域幅LSZが比
較的小さい場合の減算処理及び正規化処理の概念を示す
説明図である。
【図18】図18は、算術符号化装置(復号化装置)に
おいて、LPS(劣勢シンボル)が連続して発生した場
合におけるLPS(劣勢シンボル)の領域幅LSZが比
較的大きい場合の減算処理及び正規化処理の概念を示す
説明図である。
【図19】図19は、算術符号化装置(復号化装置)に
おいて、LPS(劣勢シンボル)が連続して発生した場
合におけるLPS(劣勢シンボル)の領域幅LSZが比
較的小さい場合の減算処理及び正規化処理の概念を示す
説明図である。
【図20】図20は、算術符号化処理の手順の一部を示
すフローチャートである。
【図21】図21は、算術符号化処理の手順の一部を示
すフローチャートである。
【図22】図22は、算術符号化処理の手順の一部を示
すフローチャートである。
【図23】図23は、従来の適応型算術復号化装置の構
成を示すブロック図である。
【図24】図24は、従来の算術符号化装置の動作を示
すタイミングチャートである。
【図25】図25は、LPS(劣勢シンボル)の領域幅
LSZと正規化処理における区間レジスタ(符号レジス
タ)のシフト数との関係を示す表である。
【符号の説明】
208・・・予測変換処理部 210・・・確率推定テーブル 212・・・算術符号化部 250・・・区間レジスタ(Aレジスタ) 251,264・・・バレルシフタ 252・・・減算器 254・・・シフト処理部 255・・・比較器 256・・・判定器 258・・・シフト量決定部 259・・・シフト量レジスタ 260,261・・・レジスタ 263・・・符号レジスタ(Cレジスタ) 265・・・加算器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力画像データの出現確率に応じて確率数
    直線を区間分割し、分割された区間内の位置を示す値を
    その画像データに対する符号とする算術符号化方式を採
    用した画像符号化装置において、 前記画像データの符号化に用いる複数ビットの区間デー
    タを格納する区間レジスタと;前記区間レジスタの更新
    演算を行う演算手段と;前記画像データが一定の状態の
    場合の前記区間レジスタのシフト量を記憶した記憶手段
    と;前記演算手段と前記記憶手段の出力に基づいて前記
    区間レジスタのシフト量を決定するシフト量決定手段
    と;前記シフト量決定手段によって求められたシフト量
    を保持するシフト量レジスタと;前記シフト量レジスタ
    に保持されているシフト量に基づいて、前記区間レジス
    タが格納しているデータを一度に複数ビットシフトする
    シフト手段とを備えたことを特徴とする画像符号化装
    置。
  2. 【請求項2】入力画像データの出現確率に応じて確率数
    直線を区間分割し、分割された区間内の位置を示す値を
    その画像データに対する符号とする算術符号化方式を採
    用した画像符号化装置において、 前記画像データの符号化に用いる複数ビットの区間デー
    タを格納する区間レジスタと;前記入力画像データを所
    定の推測値と比較する予測手段と;前記予測手段による
    比較の結果に基づき、前記入力画像データと前記推測値
    が一致した場合に割り当てられる前記確率数直線上の領
    域区間を算出する第1の算出手段と;前記入力画像デー
    タと前記推測値が一致した場合に割り当てられる前記確
    率数直線上の領域区間と所定の基準値との大小関係を判
    定する判定手段と;前記入力画像データと前記推測値が
    一致した場合に割り当てられる前記確率数直線上の領域
    区間と、前記入力画像データと前記推測値が不一致の場
    合に割り当てられる前記確率数直線上の領域区間との大
    小関係を比較する比較手段と;前記入力画像が前記推測
    値と異なる場合の前記区間レジスタのシフト量を予め記
    憶した記憶手段と;前記予測手段と、前記第1の算出手
    段と、前記判定手段と、前記比較手段と、前記記憶手段
    の出力に基づいて前記区間レジスタのシフト量を決定す
    るシフト量決定手段と;前記シフト量決定手段によって
    求められたシフト量を保持する第1のシフト量レジスタ
    と;前記第1のシフト量レジスタに保持されたシフト量
    に基づいて、前記区間レジスタが格納しているデータを
    一度に複数ビットシフトする第1のシフト手段とを備え
    たことを特徴とする画像符号化装置。
  3. 【請求項3】前記第1のシフト手段の出力が前記第1の
    算出手段の入力となっていることを特徴とする請求項2
    に記載の画像符号化装置。
  4. 【請求項4】前記確率数直線を分割して得られた区間内
    の位置を示す値を保持する符号レジスタと;前記第1の
    算出手段の出力を保持する算出結果レジスタと;前記算
    出結果レジスタの出力を入力として、前記符号レジスタ
    の更新値を算出する第2の算出手段と;前記第1のシフ
    ト手段に入力されているシフト量を保持する第2のシフ
    ト量レジスタと;前記第2のシフト量レジスタに保持さ
    れているシフト量に基づいて前記符号レジスタに格納さ
    れているデータを一度に複数ビットシフトする第2のシ
    フト手段とを更に備え、 前記第2のシフト手段によって前記符号レジスタから排
    出されたデータを符号出力とすることを特徴とする請求
    項2又は3に記載の画像符号化装置。
  5. 【請求項5】前記符号出力を行うときに、当該符号出力
    の一部に対して所定の変換処理を施す変換処理手段を更
    に備え、 前記変換処理手段の出力を前記第2の算出手段の入力と
    することを特徴とする請求項4に記載の画像符号化装
    置。
  6. 【請求項6】前記比較手段は、少なくとも、前記入力画
    像データと前記推測値が不一致の場合に割り当てられる
    前記確率数直線上の領域区間を1ビットシフトすること
    により2倍にするシフト処理部と;前記入力画像データ
    の出現確率の領域区間データと前記シフト処理部の出力
    データとを比較する比較器とを含むことを特徴とする請
    求項2、3、4又は5に記載の画像符号化装置。
  7. 【請求項7】請求項1に記載の画像符号化装置によって
    符号化された符号データを元の画像データに復元する復
    号化装置において、 前記画像データの復号化に用いる複数ビットの区間デー
    タを格納する区間レジスタと;前記区間レジスタの更新
    演算を行う演算手段と;前記画像データが一定の状態の
    場合の前記区間レジスタのシフト量を記憶した記憶手段
    と;前記演算手段と前記記憶手段の出力に基づいて前記
    区間レジスタのシフト量を決定するシフト量決定手段
    と;前記シフト量決定手段によって求められたシフト量
    を保持するシフト量レジスタと;前記シフト量レジスタ
    に保持されているシフト量に基づいて、前記区間レジス
    タが格納しているデータを一度に複数ビットシフトする
    シフト手段とを備えたことを特徴とする画像復号化装
    置。
  8. 【請求項8】請求項1に記載の画像符号化装置と、請求
    項7に記載の画像復号化装置を備えたことを特徴とする
    画像符号化・復号化装置。
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