JPH1079552A - レーザダイオード駆動回路 - Google Patents

レーザダイオード駆動回路

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JPH1079552A
JPH1079552A JP9110014A JP11001497A JPH1079552A JP H1079552 A JPH1079552 A JP H1079552A JP 9110014 A JP9110014 A JP 9110014A JP 11001497 A JP11001497 A JP 11001497A JP H1079552 A JPH1079552 A JP H1079552A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】任意の温度特性を持つレーザダイオードの光出
力電力を一定に保ち、受信側での受光電力が温度によっ
て変動することもない、安定した光伝送システムを構築
する。 【解決手段】出力電圧の最小値と、基準電圧との両者の
入力によりレーザダイオードの駆動用直流電流を得る電
圧/電流変換回路14,15を有して、レーザダイオー
ド駆動用直流電流を制御する手段を備えた帰還ループ
と、電流/電圧信号変換手段の振幅電圧と、基準電圧発
生手段17,18の出力との両者の入力により、該駆動
用パルス電流を得る電圧/電流変換回路とを有して、駆
動用パルス電流を制御する手段を備えた帰還ループとを
備え、かつ、基準電圧発生手段は、レーザダイオード駆
動用パルス電流を開閉するのと同じ駆動用パルス信号電
圧源4,5によって同期して開閉するパルス電流から得
た電圧信号を用いて作成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザダイオードの温
度が変化した場合でも該レーザダイオードの光出力電力
を一定に維持することのできるレーザダイオード駆動回
路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ通信の発光源としては、数百
MHzないしは数GHzの高速応答が可能で小形・軽量
であるという特徴を生かして、レーザダイオードがよく
用いられている。第16図は、一般的なレーザダイオー
ドの駆動電流と光出力電力の関係を表わしたものであっ
て、レーザダイオードの温度が低い場合(T1)と高い
場合(T2)について書いてある。公知のように、レー
ザダイオードに流れる電流(すなわち、レーザダイオー
ドの駆動電流)がいわゆる閾値電流を越えるとレーザダ
イオードは発光し、閾値電流以上の領域では、ほぼ駆動
電流に比例した光出力電力が得られる。そして、閾値電
流はレーザダイオードの温度が高いほど大きく、一方、
閾値電流以上の電流領域での発光効率(駆動電流と光出
力電力の比例係数)は、温度が高いほど小さくなる。
【0003】また、駆動電流を(バイアス電流を流さず
に)零の状態から増大させると、いわゆる発振遅延と緩
和振動の影響により、レーザダイオードが高速応答する
ことができない。このため、一般的には、閾値電流に等
しいバイアス電流を予め流しておく方法がとられてい
る。
【0004】つまり、周囲温度に依らずに安定で、しか
も高速に応答する光出力電力を得るための理想的なレー
ザダイオード駆動方法は、以下のようになる。 (i)高速応答動作を可能とするために、常に閾値電流
に等しい直流バイアス電流(ID1、ID2)を流して
おく。 (ii)発光時にのみ、パルス入力信号に同期したパル
ス信号電流(IP1、IP2)を流す。 (iii)温度が変化しても常に一定の光出力電力(P
O)が得られるように、温度に応じて直流バイアス電流
の大きさとパルス信号電流の振幅を調整する。 (iv)このため、レーザダイオードの光出力電力をモ
ニタし、予め設定した値からズレた場合には直流バイア
ス電流の大きさとパルス電流の振幅を調整するように、
帰還ループを構成する。ここで、光出力をモニタする受
光素子としては、通常、フォトダイオードが用いられ
る。これは、フォトダイオードの光入力電力−電流出力
特性が光入力電力の広い範囲にわたって線形であるとと
もに、該光入力電力−電流出力特性が温度の広い範囲に
わたって一定であるという、フォトダイオードの優れた
特性に依るものである。
【0005】しかしながら、従来の駆動方法では、温度
が変化した場合に、パルス電流の振幅は変えずに、直流
バイアス電流の大きさだけを調整していた。
【0006】この種のレーザダイオード駆動回路の従来
例を、第17図に示す。第17図で、1はレーザダイオ
ード、2はレーザダイオードの光出力電力をモニタする
ためのフォトダイオード、3はパルス信号源、4と5は
正電圧源である。6は、7で作成した基準電圧と10で
作成したモニタ電圧との差を増幅して電流を出力する電
圧/電流交換回路である。7は、パルス信号源3の出力
信号電圧のデューティ比に比例した基準電圧を作成する
回路である。8は、パルス信号源3の出力信号電圧が高
レベルの時は閉じ、低レベルの時は開くスイッチ回路で
ある。9は、レーザダイオード1に供給するパルス信号
電流を作成するための定電流源である。10は、光出力
電力モニタ用フォトダイオード2の出力電流のうちの直
流分に比例した電圧を作成する低域通過回路であり、抵
抗性素子11と容量性素子12から成る。また、IDは
レーザダイオードに供給する直流バイアス電流、IPは
レーザダイオードに供給するパルス信号電流、IOは定
電流源9の電流値である。
【0007】次に、第17図の動作原理について説明す
る。第17図において、レーザダイオード1の閾値電流
をITHとすると、前述したように、レーザダイオード
の光出力電力は(IP+ID−ITH)に比例する。一
方、フォトダイオード2の出力電流IOUTはレーザダ
イオードの光出力電力に比例する。従って、次の関係式
が成り立つ。 IOUT=m・(IP+ID−ITH) ここでmは比例係数であるが、レーザダイオード駆動電
流とフォトダイオード出力電流との間の電流帰還比とし
て定義することもできるので、以後、電流帰還比と書
く。
【0008】さて、基準電圧作成回路7で作成される電
圧は、パルス信号源3の出力電圧のデューティ比dに比
例するが、これをd・V1と書くこととする。また、公
知のように、低域通過回路10で作成される電圧V2は
フォトダイオードの出力電流信号のデューティ比、すな
わちパルス入力信号のデューティ比dに比例した値とな
るので、次式を得る。 V2=d−R1・(IOUTの最大値) =d−m−R1・(IO+ID−ITH) R1:抵抗性素子11の抵抗値 これらより、次の関係式を得る。 ID=G1・(d・V1−V2)+IO1 =d・G1{V1−m・R1・(IO+ID−IT
H)}+IO1 IO1:電圧/電流変換回路6の平衡出力電流(正相入
力d・V1と逆相入力V2が等しい時の出力電流) G1 :電圧/電流変換回路6の電圧/電流変換係数 したがって、V1をm・R1・IOに等しい値に設定す
るとともに、 (dの最小値)・m・G1・R1が1よりも十分大き
く、 (dの最小値)・m・G1・R1・(ITHの最小値)
がIO1よりも十分大きくなるように設定することによ
り次式を得る つまり、ITHが変化しても、それに追随したIDが帰
還ループの働きにより得られることになる。
【0009】しかしながら、このような従来の駆動回路
では次に述べるような欠点があり、その解決を要する課
題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の駆動回路
では、周囲温度が変化した場合に、パルス信号電流の振
幅IOは変えずに、直流バイアス電流IDの大きさだけ
を調整していたので、高温時に必要な光出力電力POが
得られるようにパルス信号電流の値を設定すれば、低温
時には光出力電力がPOよりも大きくなってしまい、レ
ーザダイオード自身の発熱が大となり、レーザダイオー
ドの破壊ないしは寿命の低下が生じるという欠点があっ
た。逆に、低温時に必要な光出力電力POが得られるよ
うにパルス信号電流の値を設定すれば、高温時に光出力
電力が不足してしまい長距離の光ファイバ伝送をした場
合に受光側での信号が小さくなってしまうという欠点が
あった。また、この欠点を補うために、閾値電流以上の
電流領域での発光効率(駆動電流と光出力電力の比例係
数)が周囲温度に依らず一定のレーザダイオードを選別
して適用しようとすると、レーザダイオードの価格が高
くなり、発光装置の価格が増大してしまうという欠点が
あった。
【0011】本発明の目的は、任意の温度特性を持つレ
ーザダイオードに対して適用して所定の出力を得るよう
制御できるレーザダイオード駆動回路を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のレーザダイオード駆動回路では、レーザダ
イオードと、上記レーザダイオードの光出力電力を検知
する受光素子と、上記受光素子の出力電流信号を電圧信
号に変換する第1の電流/電圧信号変換手段と、上記レ
ーザダイオードを所要の電流で駆動する手段とを有し、
かつ上記電流/電圧信号変換手段の出力電圧を検出して
上記レーザダイオード駆動用直流電流もしくは上記レー
ザダイオード駆動用パルス信号電流の少なくとも一方の
電流値を制御する帰還ループを具備するレーザダイオー
ド駆動回路において、上記第1の電流/電圧信号変換手
段の出力電圧の最小値を検出する最小値検出回路と、上
記最小値検出回路の最小値電圧出力と第1の基準電圧と
の両者の入力によりレーザダイオードの駆動用直流電流
を得る第1の電圧/電流変換回路とを有して、レーザダ
イオード駆動用直流電流を制御する手段を備えた帰還ル
ープと、上記第1の電流/電圧信号変換手段の振幅を検
出する第1の振幅検出回路と、上記第1の振幅検出回路
の振幅電圧出力と第2の基準電圧を発生する基準電圧発
生手段の出力との両者の入力により、出力に、パルス信
号電圧源によって開閉する第1のスイッチ回路を介して
上記レーザダイオードの駆動用パルス電流を得る第2の
電圧/電流変換回路とを有して、レーザダイオード駆動
用パルス電流を制御する手段を備えた帰還ループとを具
備し、かつ、上記第2の基準電圧を発生する上記基準電
圧発生手段は、第2の電流/電圧信号変換手段と、電流
源と、第2の振幅検出回路と、上記パルス信号電圧源に
よって開閉動作を行う第2のスイッチ回路とからなり、
上記第2の電流/電圧信号変換手段は、上記第2のスイ
ッチ回路を介して上記電流源に接続され、上記第2のス
イッチ回路で開閉動作される上記電流源の電流を電圧に
変換し、上記第2の振幅検出回路は上記第2の電流/電
圧信号変換手段の出力電圧の振幅を検出し、該第2の振
幅検出回路の出力を該基準電圧発生手段の出力端とす
る、ことを特徴とした。
【0013】
【作用】後述において数式を用いて作用を的確に詳述す
るが、上記手段は概括的に次のような作用によりその目
的を達成する。すなわち、上記第1の電圧/電流変換回
路は、レーザダイオード駆動用直流電流値を制御する帰
還ループを構成する中で、受光素子出力の電流/電圧信
号変換手段の出力電圧から検出された最小値電圧の入力
を第1の基準電圧の入力に等しくするように直流電流を
出力してレーザダイオードを駆動する。
【0014】受光素子の出力から検出された最小値電圧
は、レーザダイオードを発光させる閾値電流より若干大
きい駆動電流と上記閾値電流との差に比例するから、上
記第1の基準電圧を零に近い所定値にすることにより、
第1の電圧/電流変換回路出力電流をレーザダイオード
の閾値電流に近からしめることになる。
【0015】一方、上記第2の電圧/電流変換回路は、
レーザダイオード駆動用パルス電流値を制御する帰還ル
ープを構成する中で、受光素子出力の電流/電圧信号変
換手段の出力電圧から検出された振幅電圧を第2の基準
電圧に等しくするよう、パルス出力電流をスイッチ回路
を介してレーザダイオードに供給する。
【0016】その結果は、レーザダイオードにその閾値
電流に重畳してパルス的に与えられる振幅電流値を前記
電流帰還比mに反比例する大きさを持つよう制御するこ
とが可能となる。
【0017】さらに、振幅検出回路において、帯域特性
により出力電圧が設定値からズレた場合に、そのズレ分
を補正する。すなわち第1の振幅検出回路と第2の振幅
検出回路との構成を同一とすることにより、周波数特性
も含めてこれらの振幅検出回路の電圧利得を等しくする
ことができるので、レーザダイオード駆動電流の振幅
が、駆動回路中の周波数依存性を示す項を含まないこと
になる。
【0018】以上の作用により、本発明の構成は、レー
ザダイオードが任意の温度特性を持っていても、これを
所定の出力になるよう制御することを可能にするもので
ある。
【0019】
【参考例】
【参考例1】第1図は、本発明に関連した第1の参考例
であって、1は、レーザダイオード、2はレーザダイオ
ードの光出力電力をモニタするためのフォトダイオー
ド、3はパルス信号源、4と5は正電圧源、13はフォ
トダイオードの出力電流信号を電圧信号に変換する抵抗
性素子である。14は、17で作成した基準電圧と19
で検出した最小電圧との差を増幅して電流を出力する電
圧/電流変換回路である。15は、18で作成した基準
電圧と20で検出した振幅電圧との差を増幅して電流を
出力する電圧/電流変換回路である。16は、パルス信
号源3の出力信号電圧が高レベルの時は閉じ、低レベル
の時は開くスイッチ回路である。17と18は基準電圧
作成回路である。19は、抵抗性素子13で作成される
信号電圧の最小値を検出する回路である。20は、抵抗
性素子13で作成される信号電圧の振幅を検出する回路
である。また、IDは電圧/電流変換回路14の出力電
流、IOは電圧/電流変換回路15の出力電流、IPは
レーザダイオードに供給するパルス信号電流である。
【0020】次に、第1図の動作原理について説明す
る。第1図において、レーザダイオード1の閾値電流を
ITHとすると、光出力電力は(IP+ID−ITH)
に比例する。一方、フォトダイオード2の出力電流IO
UTはレーザダイオード1の光出力電力に比例する。従
って、次の関係式が成り立つ。 IOUT=m・(IP+ID−ITH) m:電流帰還比
【0021】さて、最小値検出回路19で検出される最
小値V3は、レーザダイオード駆動電流の最小値がID
であるので、次式となる。 V3=a1・m・R2・(ID−ITH) R2:抵抗性素子13の抵抗値 a1:最小値検出回路19の電圧利得 また、振幅検出回路20で検出される電圧振幅V4は、
レーザダイオード駆動電流の振幅がIOであるので、次
式となる。 V4=a2・m・R2・IO a2:振幅検出回路20の電圧利得 これらより、次の関係式を得る。 ID=G2・(V5−V3)+IO2 =G2・{V5−a1・m・R2・(ID−ITH)}+IO2〔1〕 IO=G3・(V6−V4)+IO3 =G3・(V6−a2・m・R2・IO)+IO3 〔2〕 G2 :電圧/電流変換回路14の電圧/電流変換係数 G3 :電圧/電流変換回路15の電圧/電流変換係数 IO2:電圧/電流変換回路14の平衡出力電流 IO3:電圧/電流変換回路15の平衡出力電流 V5 :基準電圧作成回路17の出力電圧 V6 :基準電圧作成回路18の出力電圧 そこで、a1・m・G2・R2とa2・m・G3・R2
を1よりも十分大きい値に設定するとともに、V5/
(a1・m・R2)とIO2/(a1・m・G2・R
2)とがITHの最小値よりも十分小さく、G3・V6
がIO3よりも十分大きくなるように設定することによ
り、次式を得る。
【0022】すなわち、直流バイアス電流IDは閾値電
流ITHにほぼ等しく、パルス信号電流振幅IOは電流
帰還比にほぼ反比例するような制御出力が得られる。パ
ルス信号電流振幅を温度の変化に対して追随させるよう
にするためには、パルス信号電流振幅をmに反比例させ
ることが好ましい。
【0023】つまり、上式から、温度の変化により閾値
電流ITHや電流帰還比mが変化しても、それに追随し
た直流バイアス電流IDとパルス信号電流振幅IOが、
帰還ループの働きにより得られることになる。
【0024】
【参考例2】第2の参考例を、第2図に示す。第2図に
おいて、個々の回路要素は、第1図のものと同じであ
る。第2図では、抵抗性素子13の出力電圧を正電圧源
5との間で作成するようにした点が、第1図と異なる。
(第1図では、アース電位との間で作成している。)
【0025】第2図で、最小値検出回路19は、フォト
ダイオード2の出力電流の最小値に対応した電圧を検出
し、また、振幅検出回路20は、フォトダイオード2の
出力電流の振幅値に対応した電圧を検出するので、第1
図で説明した動作原理がそのまま適用できることは明ら
かである。
【0026】
【参考例3】第3の参考例を、第3図に示す。第3図に
おいて、21と23は差動増幅回路、22と24は基準
電圧作成回路、25は高域通過回路、26は直流バイア
ス電圧設定回路、27と28は信号電圧のピーク値を検
出する回路である。他の回路要素は、第1図のものと同
じである。
【0027】次に、第3図の動作原理を説明する。第3
図で、差動増幅回路21と23の電圧利得を、それぞれ
A1とA2とし、基準電圧作成回路22と24の出力電
圧を、それぞれ、V7とV8とすると、差動増幅回路2
1と23の出力電圧V9とV10は次式となる。 V9=VO1+A1・(V7−R2・IOUT) 〔4〕 V10=VO2+A2・(V8−R2・IOUT) 〔5〕 VO1:差動増幅回路21の出力電圧の平衡中心値(正
相入力電圧と逆相入力電圧が等しい時の出力電圧) VO2:差動増幅回路23の出力電圧の平衡中心値 フォトダイオード2の出力電流IOUTはパルス状の電
流であるが、その最大値と最小値を、それぞれ、IMA
XとIMINとする。また、ピーク検出回路27の電圧
利得をA3、高域通過回路25の電圧利得をA4、直流
バイアス電圧設定回路26およびピーク検出回路27の
総合の電圧利得をA5、直流バイアス電圧設定回路26
により設定される直流バイアス電圧をVO3とする。こ
の時、ピーク検出回路27によって検出される電圧V1
1と、ピーク検出回路28によって検出される電圧V1
2は、それぞれ、次式となる。 V11=A3・(V9の最大値) =A3・{VO1+A1・(V7−R2・IMIN)} 〔6〕 V12=A5・〔{VO3+A4・(V10の交流成分)}の最大値〕 =A5・{VO3+A2・A4・R2・(IMAX−IMIN)} 〔7〕 一方、IMAXはm・(IO+ID−ITH)であり、
IMINはm・(ID−ITH)である。従って次の関
係式を得る。 V11=A3・〔VO1+A1・{V7−m・R2・(ID−ITH)}〕 V12=A5・{VO3+m・A2・A4・R2・IO)} これにより、次のように、第1の参考例で述べた式
〔1〕と式〔2〕と同様な関係式を得る。 ID=G2・(V11−V5)+IO2 =G2・{A3・VOI−V5+A1・A3・V7 −A1・A3・m・R2・(ID−ITH)}+IO2 IO=G3・(V6−V12)+IO3 =G3・(V6−A5・VO3−A2・A4・A5・m・R2・IO) s+IO3 ここで、A3・VO1−V5+A1・A3・V7が零と
なるように設定するとともにm・A1・A3・G2・R
2とm・A2・A4・A5・G3・R2を1に比べて十
分大きい値に設定し、さらに、m・A1・A3・G2・
R2・(ITHの最小値)をIO2よりも十分大きく
し、G3・(V6−A5・VO3)をIO3よりも十分
大きくすることにより、次式を得る。
【0028】つまり、温度の変化により閾値電流ITH
や電流帰還比mが変化しても、それに追随した直流バイ
アス電流IDとパルス信号電流振幅IOが、帰還ループ
の働きにより得られることになる。
【0029】
【参考例4】第4の参考例を、第4図に示す。第4図に
おいて、個々の回路要素は、第3図のものと同じであ
る。第4図では、抵抗性素子13の出力電圧を正電圧源
5との間で作成するようにした点が、第3図に示した第
3の参考例と異なる。
【0030】次に、第4図の動作原理を説明する。第4
図で正電圧源5の電圧をVCCとすると、抵抗性素子1
3の出力電圧はVCC−R2・IOUTとなる。したが
って基準電圧作成回路22と24の出力電圧を、それぞ
れVCC−V7′とVCC−V8′となるように設定す
れば、本実施例における差動増幅回路21と23の出力
電圧V9とV10は、それぞれ、 V9 =VO1+A1・(V7′−R2・IOUT) V10=VO2+A2・(V8′−R2・IOUT) VO1:差動増幅回路21の出力電圧の平衡中心値 VO2:差動増幅回路23の出力電圧の平衡中心値 となり、第3図の式〔4〕、〔5〕と同じになる。つま
り、本実施例においても、温度の変化により閾値電流や
電流帰還比が変化しても、それに追随した直流バイアス
電流とパルス信号電流振幅が得られることになる。
【0031】
【参考例5】第5の参考例を第5図に示す。第5図で
は、第3図における差動増幅回路21と23を1個の差
動増幅回路21で兼用した点が、第3図と異なる。次
に、第5図の動作原理を説明する。第5図で差動増幅回
路21の電圧利得をA1とし、基準電圧作成回路22の
出力電圧をV7とすると、差動増幅回路21の出力電圧
V9は次式となる。 V9=VO1+A1・(V7−R2・IOUT) VO1:差動増幅回路21の出力電圧の平衡中心値 したがってピーク検出回路27によって検出される電圧
V11と、ピーク検出回路28によって検出される電圧
V12は、それぞれ、次式となる。 V11=A3・(V9の最大値) =A3・{VO1+A1・(V7−R2・IMIN)} V12=A5・〔{VO3+A4・(V9の交流成分)}の最大値〕 =A5・{VO3+A1・A4・R2・(IMAX−IMIN)} これらは、第3図の第3の参考例で説明した式〔6〕、
〔7〕でA2をA1で置換えたものと同じである。つま
り、本参考例においても、温度の変化により閾値電流や
電流帰還比が変化しても、それに追随した直流バイアス
電流とパルス信号電流振幅が得られることになる。
【0032】
【参考例6】第6の参考例を、第6図に示す。第6図に
おいて、29は差動増幅回路である。その他の回路要素
は、第5図のものと同じである、第6図では、差動増幅
回路29が正相出力OUTIと逆相出力OUT2の二つ
の出力を持つ点が、第5図と異なる。
【0033】次に、第6図の動作原理を説明する。第6
図で差動増幅回路29の電圧利得をA1とし、基準電圧
作成回路22の出力電圧をV7とすると、差動増幅回路
21の正相出力電圧VOUT1と逆相出力電圧VOUT
2は次式となる。 VOUT1=VO1+A1・(V7−R2・IOUT) VOUT2=VO1−A1・(V7−R2・IOUT) VO1:差動増幅回路21の出力電圧の平衡中心値 したがってピーク検出回路27によって検出される電圧
V11と、ピーク検出回路28によって検出される電圧
V12は、それぞれ、次式となる。 V11=A3・(VOUT1の最大値) =A3・{VO1+A1・(V7−m・R2・IMIN)} V12=A5・〔{VO3+A4・(VOUT2の交流成分)}の最大値〕 =A5・{VO3+m・A1・A4・R2・(IMAX−IMIN)} これらは、第3図の第3の参考例で説明した式〔6〕、
〔7〕でA2をA1で置き換えたものと同じである。つ
まり、本参考例においても、温度の変化により閾値電流
や電流帰還比が変化しても、それに追随した直流バイア
ス電流とパルス信号電流振幅が得られることになる。
【0034】
【実施例】
【実施例1】本発明の第1の実施例を、第7図に示す、
第7図において、30は抵抗性素子である。31は、抵
抗性素子30で作成される信号電圧の振幅を検出する回
路である。32は、パルス信号源3の出力信号電圧が高
レベルの時は閉じ、低レベルの時は開くスイッチ回路で
ある。33は定電流源である。その他の回路要素は、第
2図のものと同じである。第7図の意図するところは、
第2図で示した第2の参考例中の信号電圧を検出する手
段20において、帯域特性により出力電圧V4が設定値
からズレた場合に、そのズレ分を補正することにある。
【0035】次に、第7図の動作原理を説明する。第7
図で、振幅検出回路31の出力電圧V13は、次式で与
えられる。 V13=a3・R3・I1 a3:最小値検出回路31の電圧利得 R3:抵抗性素子30の抵抗値 I1:定電流源33の電流値 従って、上式を前述の式〔3〕に代入することにより、
電圧/電流変換回路15の出力電流IOとして、次式を
得る。 ここで振幅検出回路20と31の回路構成を同一とする
ことにより、周波数特性も含めて、a2とa3を等しく
することができるので、次式を得る。
【0036】つまり、IOが、駆動回路中の周波数依存
性を示す項を含まないことになる。これにより、パルス
信号の周波数が高い場合であっても、設定値とおりのI
Oを実現することが可能となる。(一方、第2図の構成
では、式〔3〕から明らかなように、パルス信号の周波
数が高くなって電圧利得a2が低下すると、IOが大き
い方にズレてしまう。)
【0037】
【実施例2】本発明の第2の実施例を、第8図に示す、
第8図において、30は抵抗性素子である。32は、パ
ルス信号源3の出力信号電圧が高レベルの時は閉じ、低
レベルの時は開くスイッチ回路である、33は定電流
源、34は差動増幅回路、35は基準電圧作成回路、3
6は高域通過回路、37は直流バイアス電圧設定回路、
38は信号電圧のピーク値を検出する回路である。その
他の回路要素は、第3図のものと同じである。第8図の
意図するところは、第3図で示した第3の参考例中の回
路要素23〜28から成る信号電圧の振幅を検出する手
段において、帯域特性により出力電圧V12が設定値か
らズレた場合に、そのズレ分を補正することにある。
【0038】次に、第8図の動作原理を説明する。第8
図で、ピーク検出回路38の出力電圧V14は、次式で
与えられる。 V14=A8・(VO4+A6・A7・R3・I1) VO4:直流バイアス電圧設定回路37の直流バイアス
電圧 A6 :差動増幅回路34の電圧利得 A7 :高域通過回路36の電圧利得 A8 :直流バイアス電圧設定回路37とピーク検出回
路38の総合の電圧利得 R3 :抵抗性素子30の抵抗値 I1 :定電流源33の電流値 従って、上式を前述の式〔8〕に代入することにより、
電圧/電流変換回路15の出力電流IOとして、次式を
得る。 ここで差動増幅回路23と34、高域通過回路25と3
6、直流バイアス電圧設定回路26と37、ピーク検出
回路28と38の回路構成をそれぞれ同一とすることに
より、周波数特性も含めて、A2とA6、A4とA7、
A5とA8、VO3とVO4をそれぞれ等しくすること
ができるので、次式を得る。
【0039】つまり、IOが、駆動回路中の周波数依存
性を示す項を含まないことになる、これにより、パルス
信号の周波数が高い場合であっても、設定値どおりのI
Oを実現することが可能となる。(一方、第3図の構成
では、式〔8〕から明らかなように、パルス信号の周波
数が高くなって電圧利得A2、A4、A5のうちのひと
つでも低下すると、IOが大きい方にズレてしまう。)
【0040】次に、本発明に適用する具体的な回路構成
例について説明する。
【0041】
【具体的な回路構成例1】参考例及び本発明の実施例中
の電圧/電流変換回路14に適用する回路構成の一例
を、第9図に示す。第9図において、39は電流出力端
子、40と41は制御電圧入力端子、42は正電圧源、
43は定電流源、44と45はNPN形トランジスタで
ある。そして、41が電圧/電流変換回路の正相入力端
子、40が逆相入力端子である。
【0042】次に、第9図の動作原理を説明する。第9
図で、端子40と41における制御入力電圧の値を、そ
れぞれ、V40とV41とし、電流源43の電流値をI
43とすると、トランジスタ44と45のコレクタ電流
I44とI45は、公知のように次式となる。 したがって I44=(I43/2)+X I45=(I43/2)−X と置くことにより、次の関係式を得る。
【0043】ここで、通常、Xは(I43/2)の半分
程度よりも小さいので、近似的に次式を得る。 したがって、出力電流I44と入力制御電圧V40、V
41の間には、次の関係が成り立つ。
【0044】すなわち、V40をV41よりも大きくす
るほど出力電流I44は増加し、逆に、V40をV41
よりも小さくするほど出力電流I44は減少する。これ
により、入力電圧V40とV41の値を制御して、必要
な直流出力電流I44を設定することができる。また、
本電圧/電流変換回路の平衡出力電流IO2と変換係数
G2は、次式となる。 たとえば、I43を100mAに設定した場合には、I
O2は50mAであり、G2は(公知のように、通常V
Tが26mV程度であるので)1(A/V)程度とな
る、ここで、上の近似式が成り立つためのI44の範囲
は、I43の25〜75%である。また、この時のV4
0とV41の差は、高々30mV程度である。
【0045】
【具体的な回路構成例2】参考例及び本発明の実施例中
の電圧/電流変換回路15とスイッチ回路16に適用す
る回路構成の一例を、第10図に示す。第10図におい
て、46は電流出力端子、47はパルス信号電圧入力端
子、48と49は制御電圧入力端子、50は正電圧源、
51は基準電圧源、52は定電流源、53〜56はNP
N形トランジスタである。そして、48が電圧/電流変
換回路の正相入力端子、49が逆相入力端子である。
【0046】次に、第10図の動作原理を説明する。ま
ず、電圧/電流変換回路は、トランジスタ55、56と
定電流源52で構成される。すなわち、端子48と49
における制御入力電圧の値を、それぞれ、V48とV4
9とし、電流源52の電流値をI52とすると、トラン
ジスタ55と56のコレクタ電流I55(すなわち、出
力電流)は、上で説明したのと同様に、次式となる。 つまり、入力電圧V48とV49の値を制御することに
より、必要な直流出力電流155を得ることができる。
【0047】次に、スイッチ回路は、トランジスタ5
3、54と基準電圧源51で構成される。すなわち、基
準電圧源51の電圧を、端子47に印加するパルス信号
電圧の高レベルと低レベルの中間の値に設定する。この
時、パルス信号電圧の高/低レベルと基準電圧との電位
差は、200mV程度以上とする。
【0048】パルス信号電圧が高レベルにある期間中
は、トランジスタ53がオンでトランジスタ54がオフ
となり、トランジスタ55のコレクタ電流I55はトラ
ンジスタ53を通り、出力端子46を介してレーザダイ
オードに供給される。一方、パルス信号電圧が低レベル
にある期間中は、トランジスタ53がオフでトランジス
タ54がオンとなり、レーザダイオードへのトランジス
タ55のコレクタ電流155の供給は停止する。これに
より、パルス信号に同期した出力電流が得られる。
【0049】本電圧/電流変換回路の平衡出力電流IO
3と変換係数G3は、次式となる。 たとえば、I52を50mAに設定した場合には、IO
3は25mAであり、G3は0.5(A/V)程度とな
る。
【0050】
【具体的な回路構成例3】参考例及び本発明の実施例中
の差動増幅回路21、23、29、34に適用する回路
構成の一例を、第11図に示す。第11図において、5
7と58は信号電圧出力端子、59と60は信号電圧入
力端子、61は正電圧源、62は定電流源、63と64
および67と68は抵抗性素子、65と66はNPN形
トランジスタである。
【0051】第11図で、端子59と60を、それぞ
れ、正相信号電圧入力端子と逆相信号電圧入力端子とす
ると、端子57と58は、それぞれ、逆相信号電圧出力
端子と正相信号電圧出力端子である。(すなわち、端子
59と60を、それぞれ、正相信号電圧入力端子と逆相
信号電圧入力端子とすると、差動増幅回路21、23、
34では、出力端子として端子58が用いられ、また、
差動増幅回路29では、端子58がピーク検出回路27
に接続され、端子57が高域通過回路25に接続され
る。)
【0052】また、抵抗性素子63と64の抵抗値をR
63とし、抵抗性素子67と68の抵抗値をR67と
し、素子端子59と60の入力信号電圧をV59とV6
0とし、端子57と58の出力信号電圧をV57とV5
8とし、定電流源62の電流値を162とし、トランジ
スタ65と66のコレクタ電流を、それぞれ、165と
166とし、正電圧源61の電圧をV61とし、 I65=(I62/2)+Y I66=(I62/2)−Y と置くと、次式を得る。
【0053】ここで通常、Yは(I62/4)程度以下
であるので、次の近似式を得る。 一方、 V57=V61−R63・I65 V58=V61−R63・I66 である。したがって次式を得る。 つまり、本差動増幅回路の平衡出力電圧VO1と電圧利
得A1は、それぞれ次式となる。 たとえば、162を2mAとし、R63を2kΩとし、
R67を0Ωとした場合には、電圧利得A1は約40で
ある。またV61を5Vとすると、平衡出力電圧VO1
は、3Vである。
【0054】
【具体的な回路構成例4】参考例及び本発明の実施例中
の高域通過回路25、36と直流バイアス電圧設定回路
26、37に適用する回路構成の一例を、第12図に示
す。第12図において、69は信号電圧入力端子、70
は信号電圧出力端子、71は正電圧源、72は定電流
源、73は容量性素子、74は抵抗性素子である。
【0055】第12図で、パルス信号の繰り返し周波数
すなわちフォトダイオード出力電流信号の繰り返し周波
数での容量性素子73のインピーダンスを、抵抗性素子
74や定電流源72等、端子70に接続される回路要素
の総合の対地インピーダンスに比べて十分小さい値に設
定することにより、端子70における出力信号電圧V7
0は、次式となる。 V069:端子69に印加される入力電圧中の交流成分 V71 :正電圧源71の電圧値 R74 :抵抗性素子74の抵抗値 I72 :定電流源72の電流値 たとえば、V71を5V、R74を2kΩ、I72を
1.1mAとすると、本回路の直流バイアス電圧VO3
は2.8Vとなる。また本回路の電圧利得は1である。
【0056】
【具体的な回路構成例5】参考例及び本発明の実施例中
の信号電圧ピーク値検出回路27、28、38に適用す
る回路構成例を、第13図に示す。第13図において、
75は信号電圧入力端子、76は信号電圧出力端子、7
7は正電圧源、78は基準電圧源、79と80は定電流
源、81はNPN形トランジスタ、82〜84はNPN
形トランジスタ、85は容量性素子である。
【0057】次に、第13図の動作原理を説明する。第
13図において、トランジスタ81は、エミッタ電流の
供給源として定電流源79が与えられているので、常時
オン状態となる。また、入力端子75に印加される入力
信号V75の振幅を400mV程度以上とし、基準電圧
源78の電圧V78をV75の高/低レベルの中間電圧
に設定したとすると、V75が高レベルの期間中はトラ
ンジスタ83はオンで84はオフであり、V75が低レ
ベルの期間中はトランジスタ83はオフで84はオンで
ある。このような条件下で、入力電圧V75がパルス状
に変化する場合について考えてみる。
【0058】(i)V75が低レベルから高レベルへ遷
移するとき V75が低レベルから高レベルへ遷移するときは、トラ
ンジスタ83はオフからオンへ転じ、コレクタ電流とし
て低電流源80の電流が流れるようになる。一方、トラ
ンジスタ81のエミッタ電圧V81はV75よりもPN
接合電圧1段分だけ高い電圧を維持しつつ、V75と同
様に上昇する。従って、トランジスタ82のベース・エ
ミッタ接合のインピーダンスは非常に小さくなり、該ベ
ース・エミッタ接合を介して容量性素子85は充電され
る。(この充電電流は、トランジスタ82のコレクタ電
流の一部として供給される。該コレクタ電流の残り分
は、トランジスタ83のコレクタ電流となる。)そし
て、充電電圧V76は、V81よりもPN接合電圧1段
分だけ低い電圧となり。つまり、入力電圧V75とほぼ
等しい電圧が85に充電される。これらの状態は、V7
5がピーク値に到り、さらにピーク値を維持する期間
中、接続する。 (ii)V75が高レベルから低レベルへ遷移するとき V75が高レベルから低レベルへと遷移するときは、ト
ランジスタ83はオンからオフへ転じ、トランジスタ8
2のコレクタ電流はその分だけ減少する。これと同時に
V81は降下する。これらにより、トランジスタ82の
ベース・エミッタ接合のインピーダンスは非常に高くな
り、容量性素子85の放電経路は端子76に接続される
負荷回路の入力インピーダンスのみ(通常、該インピー
ダンスも非常に高い。)となる。従って、容量性素子
は、上記のピーク電圧値を維持する。(正確に言うと、
負荷回路の入力抵抗を介してわずかずつ放電される。)
これらの状態は、V75が低レベルにある期間中、接続
する。 (iii)V75が再び低レベルから高レベルへ遷移す
るとき 次の周期で、再びV75が高レベルへと遷移するとき
は、V81が前周期のV81のピーク値と同程度になら
なければ、トランジスタ82はオフ状態を維持し、V7
6は前周期での値をそのまま維持する。一方、V81が
前周期のV81のピーク値を越えるとトランジスタ82
がオンへ転じ、V76はピーク値を更新する。以上の回
路動作により、出力電圧V76として、入力電圧V75
のピーク値を検出した結果が得られることになる。本回
路の電圧利得は1である。また、容量性素子の値として
はピーク値保持時定数TPに関する下記2点を考慮して
設定することが必要である。
【0059】(a)回路安定動作の上から、TPは長い
方がよい。TPがパルス信号周期と同程度以下である
と、ID/IP設定用の帰還ループを介して、発振状態
となる。通常はTPをパルス信号周期の100倍以上と
する。 (b)レーザダイオードの温度低下によりID/IPが
減少したときに、ピーク値V76がそれに追随しなけれ
ばならない。通常温度変化の時定数は数秒以上の大きさ
である。
【0060】しかしながら、上記(a)と(b)の時定
数には16桁以上の開きがある。(たとえば、パルス信
号周波数を100MHzとすると、TPは11μ秒以上
で、かつ1秒以下であればよい。)したがって、上記負
荷による放電電流(ID/IP出力用電圧/電流変換回
路の入力トランジスタ44と55のベース電流)をたと
えば(該入力トランジスタ44と55をダーリントン構
成として10μAとしたとき、容量値として0.01μ
Fのものを用いればV76の放電による減少は、1μ秒
につき、1mVとなり(1秒につき1000Vの割合)
となり(a)と(b)の両方の条件を満足することがで
きる。
【0061】
【その他の回路要素】本発明に適用するその他の回路要
素は、公知の回路技術を用いて容易に構成することがで
きるので、説明を省略する。(たとえば、スイッチ回路
32は、エミッタ結合形論理ゲート回路で実現すること
ができる。)
【0062】
【上記回路構成例の妥当性の検証】上記第1〜第3の具
体的な回路構成例の妥当性について具体例を挙げて検証
する。
【0063】今、第9図でI43を100mAとし、第
10図でI52を50mAとし、このときITHは25
mA〜75mA、mは0.03〜0.1とし、R2を3
0Ωとする。また、第1〜第3の回路構成例の回路定数
はそれぞれの項で述べたものを用いる。このとき、第3
の参考例において、 (i)V5を4V、V7を25mVに設定すれば、 A3・VO1−V5+A1・A3・V7=1×3(V)
−4(V)+40×1×25(mV)=0 を満たす。 (ii)m・A1・A3・G2・R2≧0.03×40
×1×1(A/V)×30(Ω)=36 これは1よりも十分大きい (iii)m・A2・A4・A5・G2・R2≧0.0
3×40×1×0.5(A/V)×30(Ω)=18 これは1よりも十分大きい (iv)m・A1・A3・G2・R2・ITH≧0.0
3×40×1×1(A/V)×30(Ω)×15(m
A)=540(mA) これは、IO2(=50mA)よりも十分大きい。 (v)V6を4Vに設定すれば G3・(V6−A5・VO3)=0.5(A/V)×1
4(V)−1×2.8(V)}=600(mA) これはIO3(=25mA)よりも十分に大きい。 このとき、IDとIOは次式となる。
【0064】ITHに対するIDの誤差は、(50mA
/900mA)以下、すなわち、5%以下と十分小さ
い。 IOの設定誤差は、(25mA/600)、すなわち5
%と十分小さい。
【0065】
【計算機シミュレーションによる動作確認】上記の具体
的回路例を、本発明の第2の実施例に適用して計算機シ
ミュレーションにより動作確認した。その結果の一例
を、第14図(IDを示す)と第15図(IOを示す)
に示す。ここではパルス信号周波数として、150MH
zに設定している。また、グラフの縦横の軸は各出力電
流作成用定電流源43と52の電流値I43とI52で
正規化してある。また、各出力電流は、実際に使用する
と思われる範囲についてプロットしてある。
【0066】第14図から、ほぼITHに等しい直流バ
イアス電流IDが得られることがわかる。(ITHが低
い方でIDの誤差が大きくなるのは、前記の電圧/電流
変換回路の平衡出力電流IO2による誤差分が相対的に
大きくなることに依る。)また、第15図からほぼmに
反比例したパルス信号電流振幅が得られることがわか
る。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるレー
ザダイオード駆動回路は、直流バイアス電流値とパルス
信号電流値を、レーザダイオードの発光状態に合わせ
て、それぞれ独立に設定することができるので、任意の
温度特性を持つレーザダイオードの光出力電力を一定に
保つことができる。これにより、レーザダイオードの寿
命低下を生ずることもなく、またレーザダイオードを選
別して使用する必要もないので、レーザダイオードを含
めた発光装置全体の製造コストを低減することができる
という利点がある。さらに受光側(受信側)での受光電
力が温度によって変動することもなくなるので、温度に
対して安定な光伝送システムを構築できるという利点も
ある。
【0068】さらに、振幅検出回路において、帯域特性
により出力電圧が設定値からズレた場合に、そのズレ分
を補正するので、レーザダイオード駆動電流の振幅が、
駆動回路中の周波数依存性を示す項を含まないことにな
る。これにより、パルス信号の周波数が高い場合であっ
ても、設定値とおりのレーザダイオード駆動電流の振幅
を実現することが可能となる。
【0069】
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に関連した技術の第1の参考例を示す
図、第2図は第2の参考例を示す図、第3図は第3の参
考例を示す図、第4図は第4の参考例を示す図、第5図
は第5の参考例を示す図、第6図は第6の参考例を示す
図、第7図は本発明の第1の実施例を示す図、第8図は
本発明の第2の実施例を示す図、第9図〜第13図は本
発明等に適用する具体的な回路構成例を示す図、第14
図と第15図は本発明の回路動作の計算機シミュレーシ
ョン結果を示す図、第16図はレーザダイオードの一般
的な特性を示す図、第17図は、従来のレーザダイオー
ド駆動回路を示す図である。 1…レーザダイオード 2…フォトダイオード 3…パルス信号源 4、5、42、50、51、61、71、77、78…
電圧源 6、14、15…電圧/電流変換回路 7、17、18、22、24、35…基準電圧作成回路 8、16、32…スイッチ回路 9、33、43、52、62、72、79、80…定電
流源 10…低域通過回路 11、13、30、63、64、67、68、74…抵
抗性素子 12、73、85…容量性素子 19…信号電圧の最小値を検出する回路 20、31…信号電圧の振幅を検出する回路 21、23、29、34…差動増幅回路 25、36…高域通過回路 26、37…直流バイアス電圧を設定する回路 27、28、38…信号電圧のピーク値を検出する回路 39、40、41、46〜49、57〜60、69、7
0、75、76…端子 44、45、53〜56、65、66、81〜84…ト
ランジスタ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザダイオードと、上記レーザダイオー
    ドの光出力電力を検知する受光素子と、上記受光素子の
    出力電流信号を電圧信号に変換する第1の電流/電圧信
    号変換手段と、上記レーザダイオードを所要の電流で駆
    動する手段とを有し、かつ上記電流/電圧信号変換手段
    の出力電圧を検出して上記レーザダイオード駆動用直流
    電流もしくは上記レーザダイオード駆動用パルス信号電
    流の少なくとも一方の電流値を制御する帰還ループを具
    備するレーザダイオード駆動回路において、 上記第1の電流/電圧信号変換手段の出力電圧の最小値
    を検出する最小値検出回路と、上記最小値検出回路の最
    小値電圧出力と第1の基準電圧との両者の入力によりレ
    ーザダイオードの駆動用直流電流を得る第1の電圧/電
    流変換回路とを有して、レーザダイオード駆動用直流電
    流を制御する手段を備えた帰還ループと、 上記第1の電流/電圧信号変換手段の振幅を検出する第
    1の振幅検出回路と、上記第1の振幅検出回路の振幅電
    圧出力と第2の基準電圧を発生する基準電圧発生手段の
    出力との両者の入力により、出力にパルス信号電圧源に
    よって開閉する第1のスイッチ回路を介して上記レーザ
    ダイオードの駆動用パルス電流を得る第2の電圧/電流
    変換回路とを有して、レーザダイオード駆動用パルス電
    流を制御する手段を備えた帰還ループとを具備し、 かつ、上記第2の基準電圧を発生する上記基準電圧発生
    手段は、第2の電流/電圧信号変換手段と、電流源と、
    第2の振幅検出回路と、上記パルス信号電圧源によって
    開閉動作を行う第2のスイッチ回路とからなり、上記第
    2の電流/電圧信号変換手段は、上記第2のスイッチ回
    路を介して上記電流源に接続され、上記第2のスイッチ
    回路で開閉動作される上記電流源の電流を電圧に変換
    し、上記第2の振幅検出回路は上記第2の電流/電圧信
    号変換手段の出力電圧の振幅を検出し、該第2の振幅検
    出回路の出力を該基準電圧発生手段の出力端とする、こ
    とを特徴とするレーザダイオード駆動回路。
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CN107069424A (zh) * 2017-06-15 2017-08-18 上海理工大学 高功率低功耗可调谐dfb激光器驱动装置

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