JPH1079101A - 磁気記録装置 - Google Patents

磁気記録装置

Info

Publication number
JPH1079101A
JPH1079101A JP23390896A JP23390896A JPH1079101A JP H1079101 A JPH1079101 A JP H1079101A JP 23390896 A JP23390896 A JP 23390896A JP 23390896 A JP23390896 A JP 23390896A JP H1079101 A JPH1079101 A JP H1079101A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
magnetic head
recording apparatus
head
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23390896A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoji Maruyama
洋治 丸山
Makoto Aihara
誠 相原
Fumiko Akagi
文子 赤城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP23390896A priority Critical patent/JPH1079101A/ja
Publication of JPH1079101A publication Critical patent/JPH1079101A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Supporting Of Heads In Record-Carrier Devices (AREA)
  • Recording Or Reproducing By Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、書き込み時のスペーシング変
動を防止することにある。 【解決手段】 磁性体薄膜を有するディスク型記録媒体
と、該記録媒体への書き込みおよび読み出し機能を有す
る磁気ヘッドと、該磁気ヘッドの位置決め機構とを少な
くとも有する磁気記録装置において、書き込み周波数
が、記録媒体からの漏洩磁界と磁気ヘッド磁極部との静
磁気的な相互作用によって生じる磁気ヘッドのピッチン
グ方向の機械的共振周波数の整数倍と一致しない手段を
設けた磁気記録装置とした。 【効果】 本発明によれば、低荷重磁気ヘッドを用いる
場合に問題となった静磁気的な力による磁気ヘッド振動
を防止することができる。これにより、記録媒体と磁気
ヘッドを極接近ないしは接触させた状態で安定な書き込
み動作を実現することができる。この効果から、記憶密
度10Gb/in2以上の超高密度記録装置が可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子計算機及び情
報処理装置等に用いられる情報記憶装置に係り、特に磁
気ヘッドをサスペンションにて低荷重にて支持すること
に特徴を有する超高密度磁気記録装置の新規構成に関す
る。
【0002】
【従来の技術】情報機器の記録装置には、主に半導体メ
モリと磁性体メモリが用いられている。アクセス時間の
観点から内部記録装置に半導体メモリが用いられ、大容
量かつ不揮発性の観点から外部記録装置に磁性体メモリ
が用いられる。現在における磁性体メモリの主流は、磁
気ディスクと磁気テープにある。これらに用いられる記
録媒体には、Al製の円盤基板ないしは樹脂製のテープ
上に成膜された磁性薄膜が用いられる。これら記録媒体
に磁気情報を書き込むため、電磁変換作用を有する機能
部が用いられる。また、磁気情報を再生するため、磁気
抵抗現象ないしは、巨大磁気抵抗現象あるいは電磁誘導
現象を利用した機能部が用いられる。これら機能部は、
磁気ヘッドと呼ばれる入出力用部品に設けられている。
【0003】磁気ヘッドは記録媒体に対し相対的に移動
し、媒体上の任意の位置に磁気情報を書き込み、必要に
より磁気情報を電気的に再生する機能を有する。図3を
用いて上記機能を実現するための基本構成を述べる。磁
気ヘッド2はサスペンション7にて支持される。サスペ
ンション7は、磁気ヘッド摺動面を記録媒体面に対しほ
ぼ平行に保つ機能を有する。このサスペンション7は、
ロータリアクチュエータ3にて駆動されるアーム4に取
り付けられている。したがって、ロータリアクチュエー
タ3が回転することにより、磁気ヘッド2が移動し、記
録媒体1の任意の場所に磁気ヘッドを位置決めすること
ができる。
【0004】周回方向の位置は記録媒体1を移動(回
転)させることで設定する。このため、記録媒体1は、
モータ6により回転する機能を有する。以上述べた部材
は、ケース14に納められている。
【0005】記録装置の性能は、入出力動作時のスピー
ドと記録容量によって決まり、製品競争力を高めるため
にはアクセス時間の短縮化と大容量化が必要である。ま
た、近年、情報機器の軽薄短小化の要求から記録装置の
小型化が重要な課題となってきた。これらの要求を満足
するためには、1枚の記録媒体の中に多くの磁気情報を
書き込み、かつ、再生できる磁気記録装置を開発する必
要がある。
【0006】高密度記録を実現するためには、書き込む
磁区の大きさを微細化していく必要がある。これには、
磁気ヘッドの書き込み部を構成する磁極(いわゆる書き
込み磁極)の幅を狭くすることでトラック幅を狭め、か
つ書き込み磁界を発生させるコイルに流す電流の周波数
(記録媒体の回転する対する周波数)を高めることによ
り実現できる。
【0007】上記方法によれば情報担体となる磁区を微
細化できる。しかし、読み出し時の信号強度は、磁区の
大きさに依存するため、磁区を微細化するほど読み出し
が難しくなる。この問題を解決するため、巨大磁気抵抗
効果素子の開発等に代表される検出感度を高める工夫が
なされてきた。しかし、この方法での改善は、検出に用
いられる磁性薄膜の物理的な制約から限界があることが
知られている。この限界は、記憶密度で表現し、数Gb
/in2と考えられている。
【0008】この限界を破る手段として、磁気ヘッドと
記憶媒体を接触させる提案がなされている。この技術
は、例えば公報特開平3−178017号公報に記載の
集積磁気リード/ライトヘッド/撓曲体/導体構造体に
開示されている。従来の磁気ディスク装置では、磁気ヘ
ッドが媒体上で空気浮上しているため、磁気ヘッドと媒
体間に、非磁性である空気層が介在していた。これに対
し、上記公報に開示されている技術では、図7に示すよ
うに磁気ヘッド機能部43を軽量かつ微細な撓曲体(本
明細書では、これを屈曲体と呼ぶ)45内に作り込み、
この磁気ヘッド機能部43を媒体11に接触させた状態
で摺動させている。この技術によれば、媒体表面と磁気
ヘッド機能部(磁極)間に非磁性層は存在しない。この
ため、媒体中の磁気情報が磁気ヘッド機能部に効率良く
伝達される。これにより、微細な磁区からも高出力の読
み出し信号が得られるようになる。この効果から、磁区
を微細化しても高い信号/ノイズ比(S/N)が得られ、
良好な読み出し信号を得ることができると考えられてい
る。
【0009】また、他の磁気ヘッドと媒体間距離を狭め
る方式として、図8に示す特開平6−60329号公報
に記載される磁気ヘッドの前側パッドを浮上させる3パ
ッド型磁気ヘッドがある。この方式は、磁気ヘッド2の
前パッドを空気力により高く浮上させ、素子機能部46
が存在する後方位置のパッドのみが媒体11と接触する
ものである。この方式においても、磁気情報を入出力す
る素子部を記録媒体に極接近させることができる。この
効果から上記従来技術と同様、高密度な磁気情報を検出
することができる。
【0010】また、この方法では、前パッドが浮上する
ため、後進位置の1パッドにかかる荷重を磁気ヘッドに
かける荷重より小さくすることができる。具体的には、
磁気ヘッドにかけた荷重より浮力分だけ小さくすること
ができる。この効果から、後進位置のパッドにかかる荷
重を小さくした状態で、ヘッド全体にかかる荷重を大き
くすることができる。ヘッド全体にかける荷重を大きく
できることは、磁気ヘッドを支持するサスペンション材
の剛性を高くできることを意味する。このため、上記屈
曲体で磁気ヘッドを支持する方式に比べ、機械的に安定
した位置決め動作が可能となると考えられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術を実施す
ることにより、記録媒体に磁気ヘッド(あるいは入出力
用素子部)を連続摺動させた状態で高密度の磁気情報を
記録し、かつ再生することができるようになった。これ
により、検出感度を一定にした状態で約1.5倍の高密
度記録を実現することが出来た。しかし、磁気ヘッドを
記録媒体に接触(摺動)させると、媒体表面の突起と磁
気ヘッドとの衝突が避けられなくなり、この際の接触が
固体間接触である場合、接触点の摩耗が避けられなくな
った。この問題は接触頻度の高い磁気ヘッド側摺動面で
より顕著に表れる。
【0012】ヘッド摩耗はヘッド機能部の特性劣化を引
き起こすため、記憶装置の長寿命化を図る上で問題とな
る。この問題に対しては、媒体突起(あるいは媒体面の
マクロなうねり)への追随性を高めることで、接触時の
摩耗を低減する対策が施されている。その一つが上記特
開平3−178017号公報にも記載されているヘッド
質量を1.5mg以下にするものである。また、上記特開平
6−60329号公報に記載される素子部にかかる荷重
を実効的に低下させる方式においても同様の効果が期待
できる。以上述べたように高密度磁気記録を実現するた
めには、記録媒体と磁気ヘッドとの距離を狭めていく必
要があり、これにより問題化するヘッド摩耗を低減する
目的でヘッドの実効荷重を下げる必要が生じている。
【0013】ところが、ヘッド荷重を下げたことによる
新たな問題が明らかとなった。この問題は書き込み時に
磁気ヘッドが振動し、目的とする高密度記録が実現出来
なくなるというものである。原因は印加する磁界と媒体
との静磁気的な作用により磁気ヘッドが振動するためで
あることが明らかとなった。以下具体的に述べる。
【0014】高密度記録を達成するためには保磁力の高
い記録媒体が必要となることが一般に良く知られてい
る。保磁力の高い媒体に磁気情報を記録するためには、
それなりに高い書き込み磁界を印加する必要がある。近
い将来には、6KOe程度の書き込み磁界が必要である
と考えられている。このような強い磁界を発生させるた
めには書き込み磁極を1.2Tから1.5Tの高い飽和
磁荷の材料から構成しなければならない。このような材
料から構成される磁極表面には書き込み時に多くの磁荷
が存在するが、それらの磁荷には記録媒体からの浮遊磁
界が作用することになる。
【0015】図9(a)に示すように磁極32直下の記
録媒体1領域では記録磁界方向に磁化(領域210)さ
れるため、そこからの浮遊磁界は磁極32を吸引する方
向に作用する。磁化されない領域は、概ね磁極から50
nm以上離れた領域と考えられる。この様子を模式的に
示したのが同図(b)である。そこ(領域211)から
の浮遊磁界は、吸引ないしは反発力となる。これら磁界
は約100Oeになると見積もられている。この磁界が
トラック幅2.0μmの範囲で作用すると、1.0mg
から3mgの力を磁極面全体に作用させると計算出来
る。しかもこの力は書き込み素子が存在する磁気ヘッド
後端にのみ作用する。
【0016】図4に示すように従来、磁気ヘッドを支持
するサスペンションのジンバル機能は磁気ヘッドの中央
(ピボット位置)を中心(図に示すα、βの交点)に機能
する。従って、上記の力が磁気ヘッド後端にのみ働くと
軸αを中心に磁気ヘッドをピッチング方向に回転させよ
うとするトルクが生じる。この様子を図5に示す。この
力が作用点(書き込み機能部22の摺動面側磁極表面)
に働くことにより、磁気ヘッド21は記録媒体1面に対
して前のめり(反発力)ないしは前あげ(吸引力)姿勢
をとろうとする。
【0017】狭スペーシングを実現するための磁気ヘッ
ド、サスペンション系では、上記に述べたように1g以
下の低荷重で磁気ヘッドを支持する。この場合、磁気ヘ
ッド摺動面を記録媒体面に対し平行に保つためジンバル
機能も荷重に対応して柔らかく設計される。従って、上
記mgオーダの力が加わることでも、図5に示した磁気
ヘッド挙動が生じ、スペーシング変動(書き込み磁極表
面と媒体1との距離の変動)をきたす。特に磁気ディス
ク装置では正負の極性を反転させながら記録するため、
吸引と反発が周期的に作用する。このために、磁気ヘッ
ドがジンバル部分と共に共振現象を起こし、当初設計し
た許容量以上に磁気ヘッドが振動し、スペーシング変動
をきたすこととなる。
【0018】上記の現象は、磁気ヘッドと記録媒体が接
触しながら摺動する場合、問題にならないと考えられ
た。しかし、実際には、磁気ヘッドと記録媒体間に潤滑
層が存在し、潤滑層の反力によって磁気ヘッドが記録媒
体上にわずかに浮いていると解釈できる。この効果か
ら、固体接触を防ぎ、磁気ヘッド摩耗を防いでいる。従
って、上記静磁気的な力が働くことにより磁気ヘッド振
動が生じると考えられる。
【0019】実験によれば、図4に示したピッチング方
向に自由度を有する(ジンバル機能付)サスペンション
にて磁気ヘッドを100mgで支持した場合、約30K
Hzの周波数で連続する“1”“0”情報を書き込んだ
ところ、約10KHzの周波数で磁気ヘッドが振動し
た。この周波数はジンバル部分のピッチング方向の固有
振動数と一致していた。この現象は上記で述べた書き込
み磁界により磁気ヘッドと媒体磁化との間に静磁気的な
力が作用することを実験的に示した結果であると言え
る。
【0020】上記実験におけるスペーシング変動量を測
定した結果、約5nmと見積もられた。この値は、磁気
ヘッドを記録媒体に接触摺動させる(あるいは30nm
程度に極接近させる)磁気記録装置にあって無視するこ
とはできない。
【0021】以上述べたように高密度磁気記録を実現す
るためには、記録媒体と磁気ヘッドとの距離を狭めてい
く必要があり、これにはヘッド摩耗を低減する必要があ
る。そこで磁気ヘッドに作用する実効荷重を下げていく
必要が生じていた。しかしながら荷重を下げたことによ
り、書き込み磁界と媒体との静磁気的な作用により書き
込み時に磁気ヘッドが振動する問題が生じ、狭スペーシ
ング状態を維持することが出来ないことが明らかとなっ
た。この問題は、広スペーシング状態、ないしは高荷重
磁気ヘッドで見られない現象であり、本発明によって始
めて明らかにされた現象である。この問題のため、目的
とする高密度磁気記録装置を実現することが困難である
ことが明らかとなった。
【0022】本発明の目的は、低荷重にて磁気ヘッドを
支持する磁気記録装置における新規磁気ヘッド支持構成
および磁気ヘッド構成を開示することで、書き込み時の
スペーシング変動を防止することにある。これにより、
大容量かつ高密度の磁気記録装置の可能性を明らかにす
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を実現するため
本発明では下記の手段を用いた。
【0024】(1)磁性体薄膜を有するディスク型記録
媒体と、該記録媒体への書き込みおよび読み出し機能を
有する磁気ヘッドと、該磁気ヘッドの位置決め機構とを
少なくとも有する磁気記録装置において、書き込み周波
数が、記録媒体からの漏洩磁界と磁気ヘッド磁極部との
静磁気的な相互作用によって生じる磁気ヘッドのピッチ
ング方向の機械的共振周波数の整数倍と一致しない手段
を設けた。
【0025】(2)(1)において、上記機械的共振周
波数が最低記録周波数の1/100以下に設定した。
【0026】(3)(1)において、上記磁気ヘッドを
支持するサスペンション部材の荷重点が磁気ヘッドの幾
何学的中心より素子部側にないしは、素子部直上に位置
させた。(4)(1)において、上記磁気ヘッドを支持
するサスペンション部材が有するジンバル機能に関し、
そのピッチング方向の回転中心が磁気ヘッドの中心位置
より磁気情報を入出力する素子部側に近接して設けた。
【0027】(5)(1)において、上記ジンバル機能
に振動緩衝機能を少なくとも設けた。
【0028】(6)(1)において、上記ピッチング方
向の回転中心が磁気ヘッド上に無く、かつ磁気情報を入
出力する素子部より流出端側に位置するようにした。
【0029】(7)(1)において、上記ピッチング方
向の回転中心が磁気ヘッドのエッジに近接し、かつ磁気
ヘッドの中心位置より流入端側に位置するようにした。
【0030】(8)(1)において、磁気ヘッドの書き
込み磁極の厚みが最低記録密度に対応する磁区長の10
倍以上とした。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の形態を図1を用いて述べ
る。
【0032】図1は磁気ヘッドを取り付けた状態のサス
ペンション71(図3の例では7に相当する)を摺動面
側から見たものである。磁気ヘッド21は摺動方向の長
さが約2mm、トラック幅方向の長さが約1.6mm、
フライングハイト方向の厚さが約0.4mmである。材
質はアルミナチタンカーバイドである。磁気ヘッド21
には所定の手法により磁気情報を入出力するための素子
が設けられていることは言うまでもない。サスペンショ
ン71には100mgの荷重にて磁気ヘッドを記録媒体面に
押しつけるため(支持するため)のバネ部91を設け
た。
【0033】磁気ヘッドを装着した部分(Aとし示す)
の拡大図を下部に示す。磁気ヘッド21は、ピッチング
方向のジンバル72−1、72−2及びローリング方向
のジンバル73−1、73−2によって支持された領域
に装着されている。磁気ヘッド摺動面には3つのパッド
31、32、33を設けた。パッド32、33が媒体の
流入方向であり、流入端には、1度以内のテーパ(スロ
ープ)を形成した。流出端側のパッド31の形状は図に
示すように先端を先鋭化した。このパッド31に磁気記
録再性用の機能部を設けた。これらパッドの総面積は2
7.5Kμm2とした。媒体との接触摺動は、パッド3
2、33、31でのみ行う。図4に示した従来のサスペ
ンションとは、ピッチング方向のジンバル72−1、7
2−2位置が磁気ヘッドの流出端側に存在する点で異な
る。
【0034】本実施例ではジンバル部分の固有振動数は
4KHzに設定した。この設定はサスペンション材料
(SUS)、厚み(30μm)、ジンバル部分のパター
ン幅(100μm)、同パターンの長さを制定すること
により行った。
【0035】また、本実施例では、ピッチング方向のジ
ンバル72−1、72−2位置を磁気ヘッドの幾何学的
中心(従来のピボット位置)よりも磁気ヘッドの流出端
側に存在させた。この場合、図6に示すように荷重点が
磁気ヘッド21の幾何学的中心より素子部22側に位置
する。この手段を用いれば、磁気ヘッドに静磁気的な力
が加わっても荷重印加点と静磁気的な力が作用する点と
の距離が接近するため、磁気ヘッドをピッチング方向に
回転させるトルクが小さくなる。このため、静磁気的な
力に対する反力を磁気ヘッド摺動面全体で発生させるこ
とができる。このため、磁気ヘッドの沈み込みないしは
スペーシングロスを最小限に抑えることができる。
【0036】また、本実施例の場合、図1に示したよう
に磁気ヘッド21を支持するサスペンション部材が有す
るジンバル機能72−1、72−2が磁気ヘッドの中心
位置より磁気情報を入出力する素子部側に設けられてい
る。この効果によっても磁気ヘッドをピッチング方向に
回転させるトルクが小さくなる。この効果も磁気ヘッド
の沈み込みないしはスペーシングロスを最小限に抑える
上で有効であることは言うまでもない。
【0037】また、この効果はジンバル機能72−1、
72−2を磁気情報を入出力する素子部の直上に位置さ
せる極端な例においても何ら問題なく実施可能であっ
た。この場合、磁気ヘッドをピッチング方向に回転させ
るトルクを最少にすることができた。しかし、この例
は、磁気ヘッドを記録媒体に接触摺動させる場合には向
いていなかった。すなわち、接触摺動時の摩擦力により
磁気ヘッドが前のめりの姿勢をとるためであり、このた
めに生じるスペーシングロスが静磁気的な力によるスペ
ーシングロスを越えるためである。
【0038】また、ジンバル機能72−1、72−2を
磁気情報を磁気ヘッド上に無くかつ磁気情報を入出力す
る素子部より流出端側に位置させた例においても荷重点
と静磁気的な作用点との距離が短い場合、上記実施例と
同様の効果が得られた。この結果から本発明に適用可能
であることが分かった。
【0039】上記構成のサスペンションに装着した磁気
ヘッドを磁性体薄膜を有する記録媒体上で摺動させ、所
定の位置決め機構と組み合わせることで磁気記録装置を
実現した。この装置では、記録媒体表面に固体接触を避
ける目的で潤滑層を設け、磁気ヘッドと記録媒体を潤滑
層を介して接触させる方法を採用した。潤滑層にはフッ
素を含有した高分子油脂液(液状であることから潤滑剤
と呼ぶ)を用いた。この装置に電気信号を与えて所定の
書き込み、読みだし動作を行ったところ、全ての書き込
み周波数で磁気ヘッド振動は観察されなかった。これに
より、安定な狭スペーシング状態を保つことができた。
これにより目的とする高密度磁気記録装置を実現するこ
とができた。
【0040】また、本発明で問題として取り上げている
静磁気的な力による磁気ヘッド振動は、以下に述べる手
段を用いることでも解決できた。この例では、図4に示
した従来型(ピッチング方向の回転中心が磁気ヘッドス
ライダの幾何学的中心にある)ジンバル機能付きサスペ
ンションを利用することができる。我々の実験結果によ
れば、同サスペンション(低荷重)を用いて0.4KF
CI(1インチ当たりに100個のフラックスチェンジ
がある)でオール“1”の情報を書く(周速5m/s)
と磁気ヘッドが4KHzで振動する。しかし、この振動
は、約0.5KFCIの情報を書く場合には生じないこ
とが分かった。この現象は、ピッチング方向の共振周波
数に対し書き込み周波数を10倍以上に設定することで
問題となる磁気ヘッド振動を解決できることを示してい
る。この現象が起きる原因は、書き込み時に磁気ヘッド
が振動しようとしても、その振動数が高ければジンバル
部分が追従しないためと考えられる。この事実から、ピ
ッチング方向の機械的共振周波数を最低記録周波数の1
/10以下に設定することで磁気ヘッド振動を防止でき
ると言える。
【0041】ところで、8/9変換後のデータには、例
えば“101000011”のように0が連続する場合
があり静磁気的な力が作用する周期が書き込み周波数の
約1/5〜10になる場合がある。このような場合に対
しても磁気ヘッド振動を防止するためには、ピッチング
方向の機械的共振周波数を最低記録周波数の1/100
以下に設定するのが安全と考えられる。
【0042】我々は、上記条件設定により、本発明の目
的が達成されることを実験的にも検証した。このサスペ
ンションを設計する上での制約は、近年、磁気ヘッドの
位置決め精度を高めるため、機械剛性を高めに設定され
る傾向があるジンバルないしはサスペンションの設計範
囲に制限を加えるものであるが、磁気ヘッド振動を低減
する上で重要なポイントとなる。
【0043】上記の実施例ではピッチング方向のジンバ
ル位置を規定した。ジンバル機能はヘッド姿勢を保つ以
外に磁気ヘッドとサスペンションないしはアーム部材等
の加工公差ならびに組立て公差を吸収し、素子が乗るパ
ッド面を記録媒体面に当てる機能が必要である。磁気ヘ
ッドと記録媒体の接触を許容させる磁気記録装置では、
磁気ヘッドならびに記録媒体の摩耗を減らす目的(装置
寿命を伸ばす目的)で磁気ヘッドに加える荷重を1g以
下に設定している。このような低荷重でパッド面と記録
媒体面をあわせるには、非常に剛性の低いジンバル機能
を持つサスペンションが必要である。ところが、現在、
工業的に実用できるサスペンションはステンレス材が一
般的であり。同ジンバル部分には、素子部の配線を設け
る必要がある制約と、ジンバルの生産に量産性の高い打
ち抜き工程を用いる制約を考えた場合、目的とする剛性
を実現することができない場合がある。この場合には、
以下の手段により本発明を実施した。
【0044】この実施例では図2に示す形状のサスペン
ションを用いた。図の上部に全体図、下部に領域Bの拡
大図を示す。この例はピッチング方向に回転するジンバ
ル74−1、74−2の回転中心が位置95となる点に
特徴がある。この形状は、USP5241437公報に
記載されるサスペンション形状に近い。しかし、同公報
の形状と本実施例とは、ピッチング方向の回転中心位置
95の形状が異なる。この差は下記の理由から荷重を下
げることができる。すなわち、ジンバル74−1、74
−2は摺動方向に長く、この部分の長さと幅を調整する
ことによりジンバル剛性を容易に下げることができる。
また、このジンバル形状は、ねじれモードを使わないた
め、剛性を下げやすく、低荷重の接触摺動型磁気ヘッド
を支持する上で好適である。また問題となる静磁気的な
磁気ヘッド振動に対しては、ジンバル74−1、74−
2の長さを長くすることで共振周波数を上記実施例に比
べ極端に下げることができる。これにより、書き込み時
に磁気ヘッドが振動しようとしても、その振動数が高け
ればジンバル部分が追従しないため、スペーシング変動
が生じない。この効果から、書き込み周波数の制限を上
記実施例に比べ低周波側に設定できる。
【0045】上記実施例では、図6(b)に示すように
ジンバル74−1、74−2の回転中心の位置75を磁
気ヘッドと重ならない(摺動方向に見て流入端の外側に
ある)。この他に同様の効果は、ピッチング方向の回転
中心を磁気ヘッドのエッジに近接しかつ磁気ヘッドの中
心位置より流入端側に位置(摺動方向に見て磁気ヘッド
と重なる位置)させても問題なく実施することができ
た。この例では、ジンバル(ピッチング方向)の共振周
波数が高くなるため、書き込み周波数の制限を受ける欠
点があった。
【0046】また、磁気ヘッド振動を低減する効果は、
他に、ジンバル機能に振動緩衝機能を設けることによっ
ても達成できた。振動緩衝機能としては、ジンバル部分
に樹脂を接着したり、サスペンションを樹脂層と金属膜
からなる多層膜から構成する等の手段で実現できた。し
かし、この場合、一般的に機械剛性が高くなるため、低
荷重状態を作りにくい。この問題に対しては、サスペン
ション(ジンバル)を図2に示した低剛性を実現しやす
い形状に加工することで対処できた。
【0047】また、磁気ヘッド側の構成として書き込み
磁極の厚みを最低記録密度に対応する磁区長の約10倍
以上に設定しても静磁気的な磁気ヘッド振動を低減する
ことができた。図9で述べたように静磁気的な力は、媒
体からの漏洩磁界と書き込み磁極表面の磁極との相互差
用によって生じる。磁区長を短くすると同図(c)に示
すように書き込み磁極32直下の記録媒体に極性の異な
る磁荷220が多く存在することになる。異なる極性の
磁荷からは異なる向きの漏洩磁界が生じるため、書き込
み時の磁極32表面の磁荷との相互差用は、反発と吸引
が同時に起こるようになる。そして、吸引磁荷が多くな
る場合にはトータルとして磁気ヘッドの沈み込みが起こ
り、逆に反発磁荷が多くなる場合には、スペーシング損
失が生じる。この現象が記録長の変化と共に周期的に起
こり、記録長を短くすると共に磁極面に及ぼす領域が狭
くなるため徐々に影響は小さくなる。そして、最低記録
密度に対応する磁区長が書き込み磁極の厚みの約1/1
0以下になると影響は認められなかった。この結果か
ら、書き込み磁極の厚みと最低記録密度に対応する磁区
長の関係を本請求範囲内に設定することにより静磁気的
な磁気ヘッド振動を防止できることが分かった。以上述
べた書き込み磁極厚条件を設定することにより、狭スペ
ーシング状態を安定に保つことができた。これにより本
発明で目的とする高密度磁気記録装置を実現することが
できた。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、低荷重磁気ヘッドを用
いる場合に問題となった静磁気的な力による磁気ヘッド
振動を防止することができる。これにより、記録媒体と
磁気ヘッドを極接近ないしは接触させた状態で安定な書
き込み動作を実現することができ、記憶密度10Gb/
in2以上の超高密度記録装置が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を示す磁気ヘッドとサスペンションを摺
動面から見た概念図。
【図2】本発明の第2の実施例を示す概念図。
【図3】磁気記録装置の概念図。
【図4】従来のサスペンションと磁気ヘッドの一例を示
す概念図。
【図5】静磁気力により磁気ヘッドがピッチング方向に
回転する様子を説明する図。
【図6】静磁気力による磁気ヘッドの回転を防止する原
理を説明する図。
【図7】これまでに明らかにされている低荷重磁気ヘッ
ドの概念図(1)。
【図8】これまでに明らかにされている低荷重磁気ヘッ
ドの概念図(2)。
【図9】書き込み磁極直下に静磁気力が働く原理を示す
図。
【符号の説明】 1…記録媒体、2…磁気ヘッド、3…ロータリアクチュ
エータ、4…アーム、6…モータ、7…サスペンショ
ン、14…ケース、21…磁気ヘッド、22…書き込み
機能部、32…書き込み磁極、210、211、220
…磁化領域、11…記録媒体、43…入出力素子、45
…屈曲体、91…荷重発生(バネ)部、70…サスペン
ション、31、32、33…摺動パッド、72−1、7
2−2…ピッチング方向ジンバル、73−1−73−2
…ローリング方向ジンバル、74−1、74−2…ピッ
チング方向ジンバル、75…ピッチング方向回転中心。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性体薄膜を有するディスク型記録媒体
    と、該記録媒体への書き込みおよび読み出し機能を有す
    る磁気ヘッドと、該磁気ヘッドの位置決め機構とを少な
    くとも有する磁気記録装置において、書き込み周波数
    が、記録媒体からの漏洩磁界と磁気ヘッド磁極部との静
    磁気的な相互作用によって生じる磁気ヘッドのピッチン
    グ方向の機械的共振周波数の整数倍と一致しない手段を
    設けたことを特徴とする磁気記録装置。
  2. 【請求項2】上記機械的共振周波数が最低記録周波数の
    1/100以下であることを特徴とする請求項1記載の
    磁気記録装置。
  3. 【請求項3】上記磁気ヘッドを支持するサスペンション
    部材の荷重点が磁気ヘッドの幾何学的中心より素子部側
    にないしは、素子部直上に位置することを特徴とする請
    求項1記載の磁気記録装置。
  4. 【請求項4】上記磁気ヘッドを支持するサスペンション
    部材が有するジンバル機能に関し、そのピッチング方向
    の回転中心が磁気ヘッドの中心位置より磁気情報を入出
    力する素子部側に近接して設けられていることを特徴と
    する請求項1記載の磁気記録装置。
  5. 【請求項5】上記ジンバル機能に振動緩衝機能を少なく
    とも設けたことを特徴とする請求項4記載の磁気記録装
    置。
  6. 【請求項6】上記ピッチング方向の回転中心が磁気ヘッ
    ド上に無く、かつ磁気情報を入出力する素子部より流出
    端側に位置することを特徴とする請求項1記載の磁気記
    録装置。
  7. 【請求項7】上記ピッチング方向の回転中心が磁気ヘッ
    ドのエッジに近接し、かつ磁気ヘッドの中心位置より流
    入端側に位置することを特徴とする請求項1記載の磁気
    記録装置。
  8. 【請求項8】磁気ヘッドの書き込み磁極の厚みが最低記
    録密度に対応する磁区長の10倍以上であることを特徴
    とする請求項1記載の磁気記録装置。
JP23390896A 1996-09-04 1996-09-04 磁気記録装置 Pending JPH1079101A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23390896A JPH1079101A (ja) 1996-09-04 1996-09-04 磁気記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23390896A JPH1079101A (ja) 1996-09-04 1996-09-04 磁気記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1079101A true JPH1079101A (ja) 1998-03-24

Family

ID=16962478

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23390896A Pending JPH1079101A (ja) 1996-09-04 1996-09-04 磁気記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1079101A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015207335A (ja) * 2014-04-21 2015-11-19 シーゲイト テクノロジー エルエルシー 記録媒体への電磁吸引力を有する記録ヘッドを含む装置、記録ヘッドと記録媒体との間で電磁吸引力を振動させる回路を含む装置、および振動する電磁吸引力によりヘッド−媒体接触を検出する方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015207335A (ja) * 2014-04-21 2015-11-19 シーゲイト テクノロジー エルエルシー 記録媒体への電磁吸引力を有する記録ヘッドを含む装置、記録ヘッドと記録媒体との間で電磁吸引力を振動させる回路を含む装置、および振動する電磁吸引力によりヘッド−媒体接触を検出する方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6549381B1 (en) Disk drive having actuator motion damper via histeresis energy loss of low energy magnet placed within magnetic field of a voice coil motor
US9070413B2 (en) Integrated recording head with selective movement
KR100407845B1 (ko) 디스크 저장 장치용 슬라이더
JP4161540B2 (ja) 垂直磁気記録媒体に対する磁気転写方法
JP2007220232A (ja) ヘッド装置及びそれを有するディスク装置
JP2006244550A (ja) 記録媒体駆動装置並びにヘッド位置検出方法およびクロック信号生成方法
US5561570A (en) Dynamically loaded suspension for contact recording
WO2003069619A1 (fr) Dispositif de chargement de la rampe, et lecteur de disque utilisant ce dispositif
JP2003228928A (ja) ディスクに記録再生を施すヘッドを微小移動させる機構及びそれを有するディスク装置
US20120162821A1 (en) Write head with rotational write field
US20030053264A1 (en) Slider assemblies
JPH1079101A (ja) 磁気記録装置
US7929249B2 (en) Spring loaded head for reduced fly height and tracking control
EP0986049A1 (en) Head assembly and disk drive
US6507458B1 (en) Head slider and disk apparatus
JPH11144418A (ja) 浮上型ヘッドスライダ及び磁気ディスク装置
US7333294B1 (en) Perpendicular writer with reduced side track writing
JP3478071B2 (ja) 磁気ヘッド及びそれを用いた磁気記録装置
JP2757807B2 (ja) 磁気記録再生装置および磁気ヘッド支持機構
JP2004234804A (ja) ディスク装置およびヘッドサスペンションアッセンブリ
US7251107B2 (en) Method and apparatus for providing an air bearing pad having improved roll angle sigma
JPH08321027A (ja) 磁気ヘッド及び磁気記録再生装置
JP4351680B2 (ja) 磁気ディスク装置
JP2589885B2 (ja) 磁界発生器および光磁気ディスク装置
JP2001351347A (ja) ディスク記録再生装置のスライダ