JPH1078085A - 歯付ベルト及びその製造方法 - Google Patents

歯付ベルト及びその製造方法

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JPH1078085A
JPH1078085A JP24878296A JP24878296A JPH1078085A JP H1078085 A JPH1078085 A JP H1078085A JP 24878296 A JP24878296 A JP 24878296A JP 24878296 A JP24878296 A JP 24878296A JP H1078085 A JPH1078085 A JP H1078085A
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JP
Japan
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tooth
belt
cloth
toothed belt
tooth cloth
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JP24878296A
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English (en)
Inventor
Takeshi Murakami
武史 村上
Nobutaka Osako
信隆 大迫
Akihiro Ueno
明宏 上野
Taisuke Nakai
泰典 中井
Toshiyuki Oya
俊之 大屋
Masakuni Yoshida
正邦 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車のディーゼルエンジンに使用される歯
付ベルトで、歯欠け等を起こさず寿命が長く、テンショ
ナーも不必要な歯付ベルト及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 長さ方向に沿って配置した複数の歯部
と、心線を埋設した背部と歯部表面及び歯底部の表面を
被覆した歯布からなる歯付ベルトにおいて、ベルト上で
の該歯布厚みを0.35〜0.50mmとした。また、
この歯付ベルトの製造方法として上記歯布を金型へ挿入
した後、心線を螺旋上に金型へ3.00〜4.33g/
デニールの張力で巻き付ける製造方法とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は歯付ベルト及びその
製造方法に係り、詳しくは自動車エンジン駆動用歯付ベ
ルト及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車エンジン駆動用の歯付ベル
トは、アラミド心線を使用していたが、歯付ベルト製造
時に心線を金型に巻き付ける際に心線の張力を制限して
いなかった為、この心線を使用した歯付ベルトは走行さ
せるとべルト伸縮が大きくなり、ベルト張力が増加ある
いは低下し、ベルト張力が低下した場合は、ベルト歯と
プーリ溝とのかみ合いに不具合が発生し、ベルト歯部摩
耗及び、ベルト歯飛び現象が発生して寿命が短くなって
いた。この為、駆動システムにテンショナー機構を付加
し、常にベルトに一定の張力が掛かる様にした。また、
歯布厚みも0.20〜0.30mmで歯布が薄く、ベル
トを負荷の大きいディーゼルエンジンに使用するには歯
布の強度が不足することから歯布が引き裂かれ、歯欠け
につながりベルトの寿命が短くなっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、テンショナ
ー機構を採用すると、コスト高及び、駆動システムが大
きくなり、エンジンルームのコンパクト化に支障とな
り、問題となっていた。また、現状では歯布が薄い為、
負荷の大きいディーゼルエンジンに使用される場合、歯
欠けによって寿命が短くなっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、本発明は、請求項1の歯付ベルトでは、長さ方向に
沿って配置した複数の歯部と、心線を埋設した背部と歯
部表面及び歯底部の表面を被覆した歯布からなる歯付ベ
ルトにおいて、ベルト上での該歯布厚みが、0.35〜
0.50mmであることを特徴とする歯付ベルトにあ
る。これにより、負荷の大きいディーゼルエンジンにこ
の歯付ベルトを使用したときでも歯布が引き裂かれるこ
となく、歯欠けが生じない。また、ベルトピッチライン
ディファレンスとプーリのピッチラインディファレンス
との差が小さい為にベルトとプーリのかみ合いは良好と
なり、歯飛び現象等の不具合は起こらなく、ベルトの寿
命向上に寄与することができる。
【0005】請求項2の歯付ベルトの製造方法では、歯
布を金型へまた、上記歯付ベルトの製造方法で、上記歯
布を金型へ挿入した後、心線を螺旋状に金型へ3.00
〜4.33g/デニールの張力で巻き付ける歯付ベルト
の製造方法も他の特徴である。このようにベルトのスピ
ニングテンションを制限することによって、走行時のベ
ルトの伸縮を防ぐことで駆動システムにテンショナー機
構が不必要となり、コスト低減及びエンジンルームのコ
ンパクト化に寄与する効果がある。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は、本発明の歯付ベルトを示す
斜視図である。図において、歯付ベルト1は、長さ方向
に沿って配置した複数の歯部2と心線3を埋設した背部
と歯部表面及び歯底部の表面を被覆した歯布5からなっ
ている。前記歯部2及び背部4に使用される原料ゴム
は、水素化ニトリルゴムを始めとして、クロロスルホン
化ポリエチレン(CSM)、アルキル化クロロスルホン
化ポリエチレン(ACSM)、クロロプレンゴムなどの
耐熱老化性の改善されたゴムが好ましい。尚、水素化ニ
トリルゴムは水素添加率が80%以上であり、耐熱性及
び耐オゾン性の特性を発揮するためには90%以上が良
い。水素添加率80%未満の水素化ニトリルゴムは、耐
熱性及び耐オゾン性は極度に低下する。上記ゴムの中に
は配合剤として、カーボンブラック、亜鉛華、ステアリ
ン酸、可塑剤、老化防止剤等が添加され、また加硫剤と
して硫黄、有機過酸化物があるが、これらの配合剤や加
硫剤は、特に制限されない。
【0007】上記心線3としては、応力に対して伸びが
小さく、引張強度が大きいパラ系アラミド繊維(商品
名:ケブラー、テクノーラ)の0.5〜2.5デニール
のフィラメントを撚り合わせ、RFL液、エポキシ溶
液、イソシアネート溶液とゴムパウンドとの接着剤で処
理された撚りコードが使用される。上記心線3の直径
は、0.6〜1.10mmの範囲に設定されるが、0.
6mm未満では心線3の引張強さが低く、高負荷伝動に
耐えることができない。一方、1.10mmを越える
と、ベルト寸法上成立しない。
【0008】歯布8として用いられる帆布は、6ナイロ
ン、66ナイロン、ポリエステル、アラミド繊維等であ
って、単独あるいは混合されたものであってもよい。歯
布8の経糸(ベルト幅方向)や緯糸(ベルト長さ方向)
の構成も前記繊維のフィラメント糸または紡績糸であ
り、織構成も平織物、綾織物、朱子織物でいずれでもよ
い。なお、緯糸には伸縮性を有するウーリーナイロンや
ウレタン弾性糸を一部使用するのが好ましい。ここで、
歯布の厚みとしては、0.35〜0.50mmの厚みと
する。
【0009】上記歯布8は、RFL液、イソシアネート
溶液あるいはエポキシ溶液によって処理される。RFL
液はレゾルシンとホルマリンとの初期縮合物をラテック
スに混合したものであり、ここで使用するラテックスと
してはスチレンーブタジエンービニルピリジン三元共重
合体、水素化ニトリルゴム、クロロスルフォン化ポリエ
チレン、エポクロルヒドリンなどのラテックスである。
接着処理後の歯布5の厚みは、1.40〜2.00mm
であり、そのために処理前の原反の厚みを1.25〜
1.85mmとして、ベルト上での歯布厚みを調節す
る。
【0010】しかして、本発明の歯付ベルト1において
は、ベルト上での歯布厚みが、0.35〜0.50mm
に設定されている。ここで、ベルト上での歯布の厚みが
0.35mm未満の場合だと、負荷の大きいディーゼル
エンジンに使用したとき、歯布が引き裂かれることよ
り、歯欠けにつながり、ベルトの寿命が短くなる。一
方、歯布の厚みが0.50mmを越えると、ベルトのピ
ッチラインディファレンスがプーリのピッチラインディ
ファレンスに比べて大きくなりすぎ、歯付ベルトがプー
リと係合したときにベルト側のかみ合いが短くなり、歯
飛び現象が発生し、寿命が短くなる。
【0011】上記歯付ベルトの製造方法は以下の通りで
ある。まずゴム糊を塗布した円周方向に伸縮可能な帆布
5を図2に示す溝部13と歯部12をもった溝付モール
ド11の外周面に沿って巻き付け(以下スピニングと称
する)その上に心線3を3.00〜4.33g/デニー
ルの張力(以下スピニングテンションと称する)にて螺
旋状に巻き付ける。更に、その上に一定厚みの未加硫ゴ
ムシート10を巻き、次に通常の圧入による加硫方法に
よって加硫後、加硫スリーブを所定の幅に切断して個々
のベルトを作製した。ここで心線3のスピニングテンシ
ョンが3.0g/デニール未満となると、スピニング時
に心線に十分な張力が掛からず、心線に伸び代が残って
おり、走行時のベルトに掛かる張力及び負荷によって伸
びが発生する。また心線3のスピニングテンションが
4.33g/デニールを越えると、心線撚りが伸びきっ
てしまい、反作用にて撚り戻そうとする力が働き、ベル
トの収縮につながる。従って、3.0g/デニールから
4.33g/デニールの範囲であれば、バランスがと
れ、ベルトの伸縮がほぼ無くなる。
【0012】
【実施例】以下、更に本発明の具体的実施例を掲げる。
【0013】420デニールの6ナイロンからなる経糸
と630デニールの6、6ナイロン及びスパンデックス
とからなる緯糸で、経糸密度76(本/3cm)で緯糸
密度81(本/3cm)で綾織帆布に製織した後、織物
を水中で振動を与えて製織時の幅の約1/2幅迄収縮さ
せた後、RFL処理液〔レゾルシン11.0重量部、ホ
ルマリン(37%)8.0重量部、苛性ソーダ0.2重
量部、スチレン.ブタジエン.ビニルピリジンの三元共
重合体(40%)84.0重量部、クロロスルフォン化
ポリエチレンゴムラテックス(40%)56.0重量
部、水121.5重量部〕に浸し、乾燥した後、200
°Cで3分間熱処理し、更にゴム糊(表2に示すゴム配
合物100重量部にメチルエチルケトン680重量部、
PAPI−135 20重量部)に浸漬、風乾して歯布
とした。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】次に、心線としてアラミド心線で、下撚り
を3.7回/10cmで下撚りを行って子縄とし、その
子縄2本を13.1回/10cmで上撚りを施してコー
ドを作製した。コードの構成は1500デニール/1×
2で、直径は0.7mmである。
【0017】歯布をエンドレス状の筒状体に仕上げ、こ
れを金型にセットした。その上から前記心線をピッチ
0.87mmと張力9kg/本〜13kg/本で交互に
巻き付け、通常の圧入による加硫方法によって加硫後、
加硫スリーブを所定の幅に切断して個々のベルトを作製
した。そしてベルト作製直後にベルトの軸間距離を測定
した。ここで、心線の張力が3.0g/デニールのとき
を実施例1、張力が3.67g/デニールのときを実施
例2、張力が4.33g/デニールのときを実施例3と
した。ベルトサイズは、歯数:105、ベルト幅:1
9.1mm、歯ピッチ:8.0mmで、ベルトの歯形は
丸歯(Y)であった。このベルトは、PLD値0.68
6mmのプーリに使用される。
【0018】次に、ベルトを台上耐熱走行試験機に取り
付けて走行し、走行時間とベルトの軸離変化を測定し
た。この台上耐熱走行試験機は、駆動プーリ(歯数2
4)と、従動プーリ(歯数24)、そしてテンションプ
ーリ(プーリ径32mmφ)からなる。ベルトを駆動プ
ーリと従動プーリに巻き付け、そしてベルト背面をテン
ションプーリに係合し、100°Cの雰囲気温度で駆動
プーリの回転数5500rpm、デッドウエイトとして
40kgfの重量を掛け、ベルト初張力20kgfで走
行させた。そして、各走行時間毎の軸離変化量を走行後
6日後迄測定した。その結果を図3に示す。
【0019】比較例として、実施例と同様の材料で、心
線の巻き付け張力を15kgf/本(5.0g/デニー
ル)としベルトを作製し台上耐熱走行試験を行った。そ
の結果を図3に示す。
【0020】この結果によると、実施例1、2及び3で
はベルト軸離は安定しているが、比較例では走行により
ベルト軸間距離が短くなる傾向にあり、ベルト軸間距離
を固定すると、ベルト張力が上昇し引張強さが早期に低
下し、ベルト早期切断の原因となる。また、逆にスピニ
ングテンションが3.0g/デニール未満となると、ベ
ルトは伸びる傾向となり、ベルト軸間距離を固定して使
用すると、ベルト張力が低下し、ベルトジャンピング発
生の原因となる。
【0021】
【発明の効果】このように本発明の歯付ベルトによれ
ば、請求項1の歯付ベルトでは、ベルト上での歯布厚み
を0.35〜0.50mmに設定することによって、負
荷の大きいディーゼルエンジンに使用したときでも歯布
が引き裂かれることがなく、歯欠けが生じない。
【0022】請求項2の歯付ベルトの製造方法ではベル
トのスピニングテンションを制限することによって、走
行時のベルトの伸縮を防ぐことで駆動システムにテンシ
ョナー機構が不必要となり、コスト低減及びエンジンル
ームのコンパクト化に寄与する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る歯付ベルトの断面斜視図である。
【図2】本発明の製造方法に係る工程の一つであり、溝
付モールドの外周面に未加硫ベルト成形体を成形する状
態を示す断面図である。
【図3】歯付ベルトの走行時間と軸離変化量との関係を
表す図である。
【符号の説明】
1 歯付ベルト 2 歯部 3 心線 4 背部 5 歯布 8 未加硫ベルト成形体 9 ゴム層 10 未加硫ゴムシート 11 溝付モールド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中井 泰典 神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ 星ベルト株式会社内 (72)発明者 大屋 俊之 神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ 星ベルト株式会社内 (72)発明者 吉田 正邦 神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ 星ベルト株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さ方向に沿って配置した複数の歯部
    と、心線を埋設した背部と、歯部表面及び歯底部の表面
    を被覆した歯布からなる歯付ベルトに於いて、ベルト上
    での該歯布厚みが、0.35〜0.50mmであること
    を特徴とする歯付ベルト。
  2. 【請求項2】 上記歯付ベルトの製造方法において、上
    記歯布を金型へ挿入した後、アラミド心線を螺旋状に金
    型へ3.00〜4.33g/デニールの張力で巻き付け
    ることを特徴とする歯付ベルトの製造方法。
JP24878296A 1996-08-30 1996-08-30 歯付ベルト及びその製造方法 Pending JPH1078085A (ja)

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