JP2000240730A - 歯付ベルト - Google Patents

歯付ベルト

Info

Publication number
JP2000240730A
JP2000240730A JP11046685A JP4668599A JP2000240730A JP 2000240730 A JP2000240730 A JP 2000240730A JP 11046685 A JP11046685 A JP 11046685A JP 4668599 A JP4668599 A JP 4668599A JP 2000240730 A JP2000240730 A JP 2000240730A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
tooth
toothed belt
belt
yarn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11046685A
Other languages
English (en)
Inventor
Takamoto Uchiumi
隆元 内海
Toru Noguchi
徹 野口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsuboshi Belting Ltd filed Critical Mitsuboshi Belting Ltd
Priority to JP11046685A priority Critical patent/JP2000240730A/ja
Publication of JP2000240730A publication Critical patent/JP2000240730A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温高張力や高温高負荷のような極めて過酷
な条件下での走行でも耐摩耗性、耐歯欠け性を維持して
走行寿命の長い歯付ベルトを提供することを目的とす
る。 【解決手段】 長さ方向に沿って所定間隔で配置した複
数の歯部2と、心線3を埋設した背部4とを有し、歯部
2の表面に歯布5を被覆した歯付ベルト1であり、前記
歯布5が歯部に使用したゴムと同種のゴムにフッ素ゴム
を混合したゴム組成物を含浸付着させ加硫したゴム付き
帆布を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は歯付ベルトに係り、
高温高張力下および高温高負荷下での走行においても耐
摩耗性および耐歯欠け性を改善した歯付ベルトに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の歯付ベルトは、クロロプレンを原
料ゴムとするゴム配合物を歯部と背部に、SBR系のビ
ニルピリジンラテックスをラテックス成分とするRFL
(レゾルシン・ホルマリン・ラテックス)液にて接着処
理されたガラス繊維コードもしくはアラミド繊維コード
を心線に、そして捲縮加工されたナイロンを緯糸として
ベルト長手方向に使用された歯布から構成され、自動車
用OHC駆動(オーバーヘッドカム駆動)用のベルトと
して使用されている。
【0003】このOHC駆動用歯付ベルトは、エンジン
ルームのコンパクト化やFF化によって使用する環境温
度が高温となり、従来のクロロプレンを原料ゴムとする
歯付ベルトでは、背部や歯元部のクラックから歯欠けに
至る現象、又は高温下での屈曲によるガラス心線の劣化
によってベルトが切断しやすかった。そこで、近年特に
自動車用歯付ベルトの長寿命化の要求に対して、クロロ
スルフォン化ポリエチレン(CSM)やアクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体を水素添加して得られる水素化
ニトリルゴム(H−NBR)がゴム配合物の原料ゴムと
して使用されるようになってきた。これについては、例
えば、特開昭62−159827号公報に開示されてい
る。
【0004】一方、ゴム配合物中の原料ゴムだけでな
く、心線や歯布の改善もされている。そのうち、歯布の
場合には、例えば経糸あるいは緯糸の一方の糸をポリエ
ステル糸、アラミド繊維とし、他の糸を6ナイロン、
6.6ナイロンとする帆布を用いて、耐熱性を向上させ
ることが、特開昭55−36642号公報に開示されて
いる。また、実開昭62−183147号公報には、歯
布としてベルト長手方向の緯糸に少なくともアラミド繊
維のウーリー加工糸とウレタン弾性糸を用いることが提
示されている。
【0005】また、耐摩耗性および耐歯欠け性を改善す
ることを目的として、本出願人は歯布としてベルト長手
方向の緯糸にアラミド繊維の紡績糸とウレタン弾性糸と
の混撚糸を用い、かつ経糸に脂肪族あるいはアラミド繊
維のフィラメント糸を用いた帆布を使用することを提案
した。これは特開平4−8948号公報に開示されてい
る。
【0006】更に、最近では、歯布表面にテフロンなど
の摺動剤粒子を付着担持させ、歯布表面の摩擦係数を低
下させ、耐摩耗性を改善したものも提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の歯布で
は、ウーリー加工糸が加工温度の調節が困難で均一な仮
撚りができずにランダムな太さになり、また繊維自身が
高い剛性を有しているために、タオルのような凹凸表面
になって平滑な帆布にならなかった。このような帆布を
用いた歯付ベルトは、PLD値(心線の中心線となるピ
ッチラインとベルト歯底面間の距離)がばらつき、また
同じモールドで成型したベルトの長さも不均一になると
いった不具合が発生した。
【0008】また、アラミド繊維の紡績糸とウレタン弾
性糸との混撚糸をベルト長手方向の緯糸に用いた歯布
は、この問題点を改善した。しかし、歯付ベルトを高負
荷でかつ狭いベルト幅で使用する場合や、またディーゼ
ルエンジンのように負荷変動が大きくなると、歯布表面
の摩耗が大きくなって、ベルト歯元部の亀裂や歯欠けが
起こり、またベルト歯元部の応力集中によってベルト歯
元部の亀裂や歯欠けが発生しやすかった。
【0009】更に、歯布表面にテフロンなどの摺動剤粒
子を担持させた場合には、歯部と歯布との接着性が低下
することがあり、また摺動剤粒子の欠落、歯部形状の精
密性に欠けるなどの問題があった。
【0010】本発明はこのような問題点を改善するもの
であり、高温高張力や高温高負荷のような極めて過酷な
条件下での走行でも耐摩耗性、耐歯欠け性を維持して走
行寿命の長い歯付ベルトを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本願の請求項1記
載の発明では、長さ方向に沿って所定間隔で配置した複
数の歯部と、心線を埋設した背部とを有し、上記歯部の
表面に歯布を被覆した歯付ベルトにおいて、前記歯布が
歯部に使用したゴムと同種のゴムにフッ素ゴムを混合し
たゴム組成物を溶剤によって溶解したゴム糊組成物を含
浸付着させ加硫したゴム付き帆布を使用した歯付ベルト
にあり、歯布に歯部に使用したゴムと同種のゴムにフッ
素ゴムを混合したゴム組成物を付着することによって、
歯布表面の摩擦係数を下げてプーリ表面との滑りを良好
にして歯布の耐摩耗性を向上させ、また歯布と歯部の接
着性を高め、耐歯欠け性や走行寿命を高めることができ
る。
【0012】本願の請求項2記載の発明では、ゴム付き
帆布がゴム組成物を溶剤によって溶解したゴム糊で含浸
付着させ加硫した歯付ベルトにある。
【0013】本願の請求項3記載の発明では、歯部と同
種のゴムとフッ素ゴムのブレンド比率が2:8〜8:2
である歯付ベルトにある。
【0014】本願の請求項4記載の発明では、歯部と同
種のゴムが水素化ニトリルゴムである歯付ベルトにあ
り、水素化ニトリルゴムを使用することによって耐熱性
を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る歯付ベルトの
断面斜視図であり、歯付ベルト1はベルト長手方向(図
中矢印)に沿って複数の歯部2と、ガラス繊維コードあ
るいはアラミド繊維コードからなる心線3を埋設した背
部4からなり、上記歯部2の表面には歯布5が貼着され
ている。
【0016】前記歯部2及び背部4に使用される原料ゴ
ムは、水素化ニトリルゴムを始めとして、クロロスルホ
ン化ポリエチレン(CSM)、アルキル化クロロスルホ
ン化ポリエチレン(ACSM)、クロロプレンゴムなど
の耐熱老化性の改善されたゴムが好ましい。尚、水素化
ニトリルゴムは水素添加率が80%以上であり、耐熱性
及び耐オゾン性の特性を発揮するためには90%以上が
良い。水素添加率80%未満の水素化ニトリルゴムは耐
熱性や耐オゾン性が極度に低下する。
【0017】負荷とともに張力の大きい条件下で歯付ベ
ルト1を使用すると、従来の歯付ベルトの歯布が異常に
摩耗を起こし、比較的早く歯元部にクラックが生じて歯
欠けによる寿命となるため、100〜140°Cの高温
度で高負荷、また高温度で高張力の条件下ではさらに歯
部2の補強が必要である。
【0018】上記歯布5はRFL液、イソシアネート溶
液あるいはエポキシ溶液によって処理される。RFL液
は、レゾルシンとホルマリンとの初期縮合物をラテック
スに混合したものであり、ここで使用するラテックスと
してはスチレン.ブタジエン.ビニルピリジン三元共重
合体、水素化ニトリルゴム、クロロスルフォン化ポリエ
チレン、エピクロルヒドリンなどから選ばれる。
【0019】上記RFL処理した歯布は、歯部に使用し
たゴムと同種のベースゴムにフッ素ゴムを混合したゴム
組成物を含浸付着させ加硫したゴム付き帆布である。具
体的には歯部に使用したゴムと同種のゴムである例えば
水素化ニトリルゴムにカーボンブラック、シリカなどの
補強剤、硫黄あるいは有機過酸化物から選ばれる加硫
剤、加硫促進剤などを配合したゴム組成物と、フッ素ゴ
ムにカーボンブラック、シリカなどの補強剤、硫黄ある
いは有機過酸化物から選ばれる加硫剤、加硫促進剤など
を配合したゴム組成物とを溶剤によって溶解したゴム糊
を作製した後、これを含浸付着させ、そして乾燥させた
後に加硫してゴム付き帆布にする。また、必要に応じて
ニッケルジブチル−ジチオカルバメイト(NiDBC)を
添加することもできる。
【0020】上記有機過酸化物としては、通常、ゴム、
樹脂の架橋に使用されているジアシルパーオキサイド、
パーオキシエステル、ジアリルパーオキサイド、ジ−t
−ブジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミル
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチル
クミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2・
5−ジメチル−2・5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−
ヘキサン−3,1・3−ビス(t−ブチルパーオキシ−
イソプロピル)ベンゼン、1・1−ジ−ブチルパーオキ
シ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等があり、
熱分解による1分間の半減期が150〜250°Cのも
のが好ましい。その添加量はフッ素ゴム100重量部に
対して約1〜8重量部であり、好ましくは1.5〜4重
量部である。
【0021】歯部に使用したゴムと同種のベースゴムが
他のクロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アルキ
ル化クロロスルホン化ポリエチレン(ACSM)、クロ
ロプレンゴムになると、これに応じてゴム付き帆布のゴ
ムも代え、ゴム付き帆布と歯部との接着力を向上させる
必要がある。
【0022】むろん、水素化ニトリルゴムとフッ素ゴム
にカーボンブラック、シリカなどの補強剤、硫黄あるい
は有機過酸化物から選ばれる加硫剤、加硫促進剤などを
同時に混合配合したゴム組成物とを溶剤によって溶解し
たゴム糊を使用することもできる。
【0023】上記フッ素ゴムは、具体的にはフッ化ビニ
リデンと六フッ化プロピレンの共重合体、フッ化ビニリ
デンと六フッ化プロピレンと四フッ化エチレンの三元共
重合体、フッ化ビニリデンと四フッ化エチレンとパーフ
ロロメチルビニルエーテルの三元共重合体、四フッ化エ
チレンとプロピレンの共重合体などが挙げられる。ベー
スゴムとフッ素ゴムのブレンド比は2:8〜8:2であ
り、フッ素ゴムの添加量は2未満になると、動摩擦係数
が大きくなって耐摩耗性の効果が発揮されず、一方8を
越えると歯部ゴムとの接着性が低下するため、ベルト寿
命が低下するなる不具合が生じる。
【0024】得られたフッ素ゴムを混合したゴム組成物
はメチルエチルケトン、ジメチルスルホキシド、ジメチ
ルホルムアミド、クロロホルムなどから選ばれた溶剤に
溶解してゴム糊にした後、該ゴム糊を歯布に塗布、吹き
付け等によって含浸付着させ加硫したものである。
【0025】歯布5として用いられる帆布は平織物、綾
織物、朱子織物などからなる。これらの織物のベルト長
手方向に配置される緯糸6としては、例えば少なくとも
0.3〜1.2デニールのパラ系アラミド繊維のフィラ
メント原糸を収束したマルチフィラメント糸をベルト長
手方向の緯糸全量の20〜80重量%含んだものが好ま
しい。
【0026】即ち、緯糸6は少なくともパラ系アラミド
繊維のマルチフィラメント糸を含んだ糸であり、このパ
ラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸にメタ系アラ
ミド繊維からなる糸とを含めることができる。具体的な
緯糸の構成は、パラ系アラミド繊維のマルチフィラメン
ト糸、メタ系アラミド繊維からなる紡績糸、そしてウレ
タン弾性糸の3種の糸を合撚したものである。また、他
の具体的な緯糸6構成は、パラ系アラミド繊維のマルチ
フィラメント糸、脂肪族繊維糸(6ナイロン、66ナイ
ロン、ポリエステル、ポリビニルアルコール等)、そし
てウレタン弾性糸の3種の糸を合撚したものであっても
よい。
【0027】また、ベルト長手方向の緯糸全量の20〜
80重量%がパラ系アラミド繊維のマルチフィラメント
糸である。この理由として、20重量%未満ではベルト
長手方向の歯布の引張強さが低下し、高負荷でのベルト
走行時に歯欠けが発生しやすくなり、また一方80重量
%を越えると、パラ系アラミド繊維のマルチフィラメン
ト糸の打込み方向の剛性が前記理由と同じく過大になる
ため、均一な厚みの帆布を得ることできなくなるためで
ある。
【0028】歯布5の経糸7としては、パラ系アラミド
繊維、メタ系アラミド繊維からなるアラミド繊維のフィ
ラメント糸、6ナイロン、6.6ナイロン、12ナイロ
ン等のポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエステ
ル等のフィラメント糸からなる。好ましくは、アラミド
繊維のフィラメント糸が緯糸5にパラ系アラミド繊維の
フィラメント原糸を収束したマルチフィラメント糸を使
用すれば、剛性のバランスが取れ、均一な厚みの歯布に
なる。しかし、上記経糸と緯糸の材質はこれらに限定さ
れるものではない。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。 実施例1〜3、比較例1〜2 経糸に1.5デニールのパラ系アラミド繊維のフィラメ
ント原糸を収束した200デニールのフィラメント糸
と、そして緯糸にテクノーラ(200D/2本、コーネ
ックス30番手/1本(紡績糸)、スパンデックス14
0D/1本からなる合撚糸を使用し、織時組織(経11
0本/5cm、緯120本/5cm)からなる2/2綾
織帆布を製織した。製織後、帆布を水中にて振動を与え
て製織時の幅の約1/2幅まで収縮させた後、表1のH
−NBRゴム配合物(ベースゴム配合)と表2のフッ素ゴ
ム配合物を所定比率でメチルエチルケトン中に溶解して
得たゴム糊に浸漬、乾燥した後、153°Cで30分間
加硫して0.9mmの処理帆布を得た。
【0030】また、同時に表1のH−NBRゴム配合物と表
2のフッ素ゴム配合物を所定比率でメチルエチルケトン
中に溶解して得たゴム糊の塗布し、乾燥し、153°C
で30分間加熱して加硫シートを得た。
【0031】上記帆布と加硫シートの表面動摩擦係数を
測定した。その結果を表3に示す。上記の表面動摩擦係
数の測定方法はサンプルを移動台上に固定し、サンプル
の上に垂直荷重100g重と200g重のステンレスか
らなる重りを置き、移動台を400mm/秒で移動させ
た場合の摩擦力をロードセルでそれぞれの荷重での測定
し、F=μWに基づいてμ(動摩擦係数)を算出して平均
値を求めた。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】上記の綾織帆布に表1のH−NBRゴム配合物
と表2のフッ素ゴム配合物を所定比率で混合して得られ
たゴム糊を付着処理した処理帆布を歯布として用いた。
この場合、上記帆布は緯糸方向をベルトの長手方向に使
用した。また、心線として溶融紡糸され、シランカップ
リング剤で表面処理された素線径約9μmのガラス繊維
フィラメント約200本を束ねてストランドとし、3本
のストランドを引き揃えて表4の各RFL液中に浸漬
し、130℃で2分間乾燥、250〜300℃で2分間
ベーキング後、下撚りを約12回/10cmにてS方向
に撚った下撚り糸と、同回数Z方向に撚った下撚り糸を
準備した。
【0036】
【表4】
【0037】次にS方向の下撚り糸を13本引き揃え、
上撚りを約8回/10cmの割合でZ方向に撚られたガ
ラス繊維コードとし、また同様にZ撚り下撚り糸を同様
に13本引き揃え、S方向に8回/10cmの撚り数の
ガラス繊維コードとし、各RFL液に対し、上撚り方向
がS、Zの各一対のRFL処理ガラス繊維コードとし
た。そして、各RFL処理ガラス繊維コードを背部、歯
部そして歯布に接着させるために、更にゴム組成物を溶
剤に溶解させ、イソシアネートを添加したオーバーコー
ト液に浸漬、乾燥させて心線となるガラス繊維コードを
作製した。
【0038】歯付ベルトの作製では、前記の歯布をモー
ルドに巻き付け、この上に前記ガラス繊維コードをスピ
ニングした後、更に表1のH−NBRゴム配合物からなるゴ
ムシートを巻き付けた。続いて、これを加硫して、得ら
れた加硫スリーブを所定の幅に切断して個々のベルトを
得た。ベルトのサイズは105S8M19(ベルトの歯
型:STPDタイプ、歯数:105、ベルト幅:19.
1mm、歯ピッチ:8mm)であった。
【0039】各ベルトを高温高張力下で走行させ、歯欠
けに至る走行時間を測定した。ここで使用する走行試験
機は駆動プーリ8(歯数21)と従動プーリ9(歯数4
2)間に歯付ベルト1を巻き付け、この歯付ベルトの背
面にテンションプーリ10直径52mm)を当接したも
のであり、該ベルトを雰囲気温度120℃、駆動プーリ
の回転数7,200rpm、従動プーリの負荷5馬力、
ベルトの初張力30kgfにて走行させ、歯面の摩耗に
よる歯欠けに至る走行時間を測定した。その結果を表3
に併記する。
【0040】また、前記各ベルトを高負荷走行での歯欠
けに至る走行時間を測定した。ここで使用する走行試験
機は駆動プーリ8(歯数21)、従動プーリ9(歯数2
1)、そしてアイドラープーリ11(歯数21)の3軸
からなり、これらのプーリに歯付ベルト1巻き付け、従
動プーリ9との噛み合い歯数を6歯に設定した。このよ
うにしてベルト1を雰囲気温度120℃、駆動プーリの
回転数6,000rpm、従動プーリの負荷7馬力での
歯欠けに至る走行時間を測定した。その結果を表3に併
記する。
【0041】この結果より、本実施例では、処理帆布の
摩擦係数が減少し、また歯付ベルトの高温高張力下での
歯欠けに時間も従来の歯布を使用したベルトに比べて格
段に長くなり、また高温高負荷走行での歯欠け時間も長
くなっていることが判る。
【0042】
【発明の効果】以上のように本願請求項記載の発明で
は、歯布が歯部に使用したゴムと同種のゴムにフッ素ゴ
ムを混合したゴム組成物を溶剤によって溶解したゴム糊
組成物を含浸付着させ加硫したゴム付き帆布を使用した
歯付ベルトにあり、歯布に歯部に使用したゴムと同種の
ゴムにフッ素ゴムを混合したゴム組成物を付着すること
によって、歯布表面の摩擦係数を下げてプーリ表面との
滑りを良好にして歯布の耐摩耗性を向上させ、そして歯
布と歯部の接着性を高めることもできて、耐歯欠け性や
走行寿命を高めることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る歯付ベルトの斜視図である。
【符号の説明】
1 歯付ベルト 2 歯部 3 心線 4 背部 5 歯布 6 緯糸 7 経糸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さ方向に沿って所定間隔で配置した複
    数の歯部と、心線を埋設した背部とを有し、上記歯部の
    表面に歯布を被覆した歯付ベルトにおいて、前記歯布が
    歯部に使用したゴムと同種のゴムにフッ素ゴムを混合し
    たゴム組成物を含浸付着させ加硫したゴム付き帆布を使
    用したことを特徴とする歯付ベルト。
  2. 【請求項2】 ゴム付き帆布がゴム組成物を溶剤によっ
    て溶解したゴム糊で含浸付着させ加硫した請求項1記載
    の歯付ベルト。
  3. 【請求項3】 歯部と同種のゴムとフッ素ゴムのブレン
    ド比率は、2:8〜8:2である請求項1記載の歯付ベ
    ルト。
  4. 【請求項4】 歯部と同種のゴムが水素化ニトリルゴム
    である請求項1または2記載の歯付ベルト。
JP11046685A 1999-02-24 1999-02-24 歯付ベルト Pending JP2000240730A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11046685A JP2000240730A (ja) 1999-02-24 1999-02-24 歯付ベルト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11046685A JP2000240730A (ja) 1999-02-24 1999-02-24 歯付ベルト

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000240730A true JP2000240730A (ja) 2000-09-05

Family

ID=12754244

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11046685A Pending JP2000240730A (ja) 1999-02-24 1999-02-24 歯付ベルト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000240730A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007309523A (ja) * 2002-04-25 2007-11-29 Mitsuboshi Belting Ltd 歯付ベルト
JP2010276081A (ja) * 2009-05-27 2010-12-09 Bando Chem Ind Ltd 歯付ベルト
JP2010539408A (ja) * 2007-09-12 2010-12-16 ダイコ ヨーロッパ エス. アール. エル. 歯布をコーティング処理した伝動ベルトおよびそのコーティング処理
WO2012026534A1 (ja) 2010-08-25 2012-03-01 ダイキン工業株式会社 ベルト材
US8754161B2 (en) 2010-08-25 2014-06-17 Daikin Industries, Ltd. Complex-shaped fluororubber formed product
US9006328B2 (en) 2010-08-25 2015-04-14 Daikin Industries, Ltd. Fluororubber composition
US9045614B2 (en) 2010-08-25 2015-06-02 Daikin Industries, Ltd. Fluororubber composition
US9068653B2 (en) 2010-08-25 2015-06-30 Daikin Industries, Ltd. Sealing material
US11054066B2 (en) 2010-08-25 2021-07-06 Daikin Industries, Ltd. Hose

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007309523A (ja) * 2002-04-25 2007-11-29 Mitsuboshi Belting Ltd 歯付ベルト
JP4567708B2 (ja) * 2002-04-25 2010-10-20 三ツ星ベルト株式会社 歯付ベルト
JP2010539408A (ja) * 2007-09-12 2010-12-16 ダイコ ヨーロッパ エス. アール. エル. 歯布をコーティング処理した伝動ベルトおよびそのコーティング処理
JP2010276081A (ja) * 2009-05-27 2010-12-09 Bando Chem Ind Ltd 歯付ベルト
WO2012026534A1 (ja) 2010-08-25 2012-03-01 ダイキン工業株式会社 ベルト材
US8609774B2 (en) 2010-08-25 2013-12-17 Daikin Industries, Ltd. Belt
US8754161B2 (en) 2010-08-25 2014-06-17 Daikin Industries, Ltd. Complex-shaped fluororubber formed product
US9006328B2 (en) 2010-08-25 2015-04-14 Daikin Industries, Ltd. Fluororubber composition
US9045614B2 (en) 2010-08-25 2015-06-02 Daikin Industries, Ltd. Fluororubber composition
US9068653B2 (en) 2010-08-25 2015-06-30 Daikin Industries, Ltd. Sealing material
US11054066B2 (en) 2010-08-25 2021-07-06 Daikin Industries, Ltd. Hose

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3025618B2 (ja) 動力伝達ベルト、およびこの動力伝達ベルトに用いる心線と帆布
JP2514568B2 (ja) 歯付ベルト
JPH071054B2 (ja) 歯付ベルト
CN110785582B (zh) V型多楔带及其制造方法
EP0844413B1 (en) Toothed belt fabric and toothed belt
US5545097A (en) Power transmission belt with facing fabric and method of forming the belt
JP2000240730A (ja) 歯付ベルト
WO2018235755A1 (ja) Vリブドベルト及びその製造方法
JPH0835540A (ja) 歯付ベルト
JP3923818B2 (ja) 動力伝動ベルト
JP3055897B1 (ja) 歯付きベルト
JP2002168297A (ja) 歯付ベルト
JPH048947A (ja) 歯付ベルト
JPH0746828Y2 (ja) Vリブドベルト
JPH07180747A (ja) 歯付ベルトの駆動装置
JP2004270894A (ja) 歯付ベルト
JPH10213183A (ja) 歯付ベルトおよびその製造方法
JP2005024075A (ja) 歯付ベルト
JP2001140988A (ja) 動力伝動用ベルト
JP2002039275A (ja) 歯付ベルト
JP2004353806A (ja) 歯付ベルト
JPH11182632A (ja) 歯付ベルト
CN113840952A (zh) 传动带的芯线用加捻绳及其制造方法和用途、以及传动带
JP2001343050A (ja) 動力伝動用ベルト
JP2002340098A (ja) 歯付ベルト