JPH1077894A - 車両の運転指向推定装置 - Google Patents

車両の運転指向推定装置

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JPH1077894A
JPH1077894A JP23441496A JP23441496A JPH1077894A JP H1077894 A JPH1077894 A JP H1077894A JP 23441496 A JP23441496 A JP 23441496A JP 23441496 A JP23441496 A JP 23441496A JP H1077894 A JPH1077894 A JP H1077894A
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浩之 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間内でスロットル弁が開閉操作される場
合でも運転者の運転指向推定精度が十分に得られる車両
の運転指向推定装置を提供する。 【解決手段】 出力操作量最大値決定手段128により
決定されたスロットル弁開度TAの最大値ACCMXTAとそ
の出力操作量の最大値の発生時点t1 から所定の時間経
過後のスロットル弁開度TA3 との間の出力操作量変化
分(ACCMXTA−TA3 )が、予め設定された判断基準値
TACHIPよりも大きい場合は、推定禁止手段118によ
り、運転指向推定手段100によるスロットル弁開度変
化率(出力操作量変化率)の極大値ACCMAX に基づく運
転指向の推定が禁止される。これにより、短時間内にお
けるスロットル弁の開閉操作が発生したときには、上記
推定禁止手段100により運転指向推定手段による運転
指向の推定が禁止されるので、より正確に運転指向を推
定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両における運転者の
運転指向を推定するための運転指向推定装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動変速機の変速比或いはギヤ
段を制御する変速制御装置、車両のパワーステアリング
の操舵力を制御する操舵力制御装置、車両懸架装置のシ
ョックアブソーバの減衰力やばね特性を制御するサスペ
ンション制御装置などのような車両に搭載された制御装
置では、駆動トルク、ステアリングの操舵力、ショック
アブソーバの減衰力或いはばね特性を、運転者の運転指
向を反映させて制御することが望まれる。
【0003】これに対し、スロットル弁開度が所定値以
上の場合には、スロットル弁開度変化率に基づいて、予
め記憶した複数種類の自動変速機の変速線図を切り換え
るようにした変速制御技術が提案されている。たとえ
ば、特公昭58−31499号公報に記載された変速制
御装置がそれである。
【0004】
【発明が解決すべき課題】しかしながら、上記のような
従来の変速制御装置では、スロットル弁開度が所定値以
上であれば、スロットル弁が短時間内で開閉される開閉
操作状態であっても、スロットル弁開度変化率に基づい
て変速線図が切り換えられてしまうため、必ずしも運転
者の意志に適合した変速線図とはならない。このため、
精度よく運転者の運転指向を推定できてはおらず、運転
者の意図する運転性が充分に得られないという不都合が
あった。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、短時間内でスロ
ットル弁が開閉操作される場合でも運転者の運転指向推
定精度が十分に得られる車両の運転指向推定装置を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、車両の出力操作量に
基づいてその車両の運転指向を推定する運転指向推定手
段を備えた運転指向推定装置であって、(a) 前記出力操
作量の最大値を決定する出力操作量最大値決定手段と、
(b) その出力操作量最大値決定手段により決定された出
力操作量の最大値とその出力操作量の最大値の発生時点
から所定の時間経過後の出力操作量との間の出力操作量
変化分が予め設定された判断基準値よりも大きい場合
は、前記運転指向推定手段による前記出力操作量に基づ
く運転指向の推定を禁止する推定禁止手段とを、含むこ
とにある。
【0007】
【発明の効果】このようにすれば、出力操作量最大値決
定手段により決定された出力操作量の最大値とその出力
操作量の最大値の発生時点から所定の時間経過後の出力
操作量との間の出力操作量変化分が予め設定された判断
基準値よりも大きい場合は、推定禁止手段により、前記
運転指向推定手段による前記出力操作量に基づく運転指
向の推定が禁止される。これにより、短時間内における
スロットル弁の開閉操作が発生したときには、上記推定
禁止手段により運転指向推定手段による運転指向の推定
が禁止されるので、より正確に運転指向を推定できる。
すなわち、一時的な急開閉操作(所謂チップイン操作)
時を除く出力操作量或いはそれから求められるその最大
変化率に基づいて運転指向が推定されるので、運転指向
の推定結果の信頼性が高められる利点がある。
【0008】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記推定禁止手
段は、前記出力操作量変化分が予め設定された判断基準
値以下の場合は、前記運転指向推定手段による前記出力
操作量に基づく運転指向の推定を許容するものである。
【0009】また、好適には、出力操作量変化率極値決
定手段により前記出力操作量の変化率の極大値が決定さ
れてから所定の時間が経過したときの出力操作量に基づ
いて、加速操作末期の出力操作量を決定する加速操作末
期出力操作量決定手段を含み、前記推定禁止手段は、出
力操作量最大値決定手段により決定された出力操作量の
最大値と上記加速操作末期の出力操作量との差に基づい
て前記出力操作変化分として算出するものである。
【0010】また、好適には、前記出力操作量最大値決
定手段は、前記出力操作量変化率極値決定手段により前
記出力操作量の変化率の極大値が決定されてから所定の
探索期間が経過するまでにおいて前記出力操作量の最大
値を探索するものである。また、上記加速操作末期出力
操作量決定手段は、前記出力操作量の変化率の極大値が
決定されてから前記出力操作量最大値決定手段により前
記出力操作量の最大値が決定されるまでの区間と、上記
探索期間またはその出力操作量の変化率の極大値が決定
されてからその出力操作量変化率の極小値が決定される
までの区間とを加えた時間が、その出力操作量変化率極
値決定手段により出力操作量変化率極大値が決定された
時点から経過したときの出力操作量を加速操作末期出力
操作量として決定するものである。
【0011】また、好適には、前記運転指向推定装置
は、運転指向を反映する運転操作に密接に関連する複数
種類の運転操作関連変数、すなわち車両発進時の出力操
作量(アクセルペダル操作量)すなわち車両発進時のス
ロットル弁開度、加速操作時の出力操作量変化率の極大
値すなわちスロットル弁開度の最大変化率、車両の制動
操作時の最大減速度、車両の惰行走行時間、車速一定走
行時間、所定区間内において各センサから入力された信
号の区間最大値、運転開始以後における最大車速などを
それぞれ算出する運転操作関連変数算出手段を備え、前
記運転指向推定手段は、その運転操作関連変数算出手段
により算出された運転操作関連変数が入力されるニュー
ロネットワークを備えたものである。上記所定区間内に
おいて各センサから入力された信号は、車速、スロット
ル弁開度、エンジン回転速度、自動変速機の入力軸回転
速度、シフトレバー操作位置、ブレーキ操作などを表す
信号である。
【0012】また、好適には、車両には、自動変速機の
変速制御装置、車両のパワーステアリングの操舵力を制
御する操舵力制御装置、或いは車両の懸架装置のショッ
クアブソーバの減衰力或いはばね特性が制御されるサス
ペンション制御装置が設けられ、上記変速制御装置は前
記運転指向推定手段により推定された運転指向に基づい
て変速比を制御し、上記操舵力制御装置は前記運転指向
推定手段により推定された運転指向に基づいて車両のパ
ワーステアリングの操舵力を制御し、上記サスペンショ
ン制御装置は前記運転指向推定手段により推定された運
転指向に基づいて車両懸架装置のショックアブソーバの
減衰力或いはばね特性を制御する。
【0013】また、好適には、上記車両用自動変速機の
変速制御装置は、前記運転指向推定手段により推定され
た運転指向に基づいて、予め記憶された複数種類の変速
線図のうちの一つを選択する変速線図切換手段と、その
変速線図切換手段により選択された変速線図から実際の
スロットル弁開度および車速に基づいて自動変速機の変
速比を変化させる変速制御手段とを含む。これにより、
運転指向に適したギヤ段が選択されて、十分な加速力或
いは燃費が得られる。
【0014】また、好適には、前記運転指向推定手段
は、前記運転操作関連変数算出手段によって車両発進時
の出力操作量、出力操作量の最大変化率すなわち極大
値、車両の制動操作時の最大減速度、車両の惰行走行時
間、車速一定走行時間のいずれか一つが算出される毎
に、前記ニューラルネットワークの出力に基づいて、車
両の運転指向を推定するものである。このようにすれ
ば、運転操作関連変数が算出される毎に、運転指向の推
定結果が得られるので、運転指向の推定の応答性が高め
られる利点がある。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0016】図1には、車両の自動変速機および変速制
御装置が示されている。図1において、車両のエンジン
10から出力された動力は、トルクコンバータ12、自
動変速機14、および図示しない差動歯車装置および車
軸を経て図示しない駆動輪へ伝達されるようになってい
る。
【0017】上記トルクコンバータ12は、クランク軸
16に連結されたポンプ翼車18と、自動変速機14の
入力軸20に連結され且つ流体を介してポンプ翼車18
から動力が伝達されるタービン翼車22と、一方向クラ
ッチ24を介して位置固定のハウジング26に固定され
た固定翼車28と、ポンプ翼車18およびタービン翼車
22をダンパ30を介して直結するロックアップクラッ
チ32とを備えている。このロックアップクラッチ32
は、解放側油室33と係合側油室35との圧力差により
係合制御される。
【0018】上記自動変速機14は、たとえば前進4速
或いは5速のギヤ段が達成される遊星歯車式の多段変速
機である。前進4速である場合の自動変速機14は、同
軸上に配設された3組のシングルピニオン型遊星歯車装
置34,36,38と、前記入力軸20と、遊星歯車装
置38のリングギヤとともに回転する出力歯車39と前
記差動歯車装置との間で動力を伝達するカウンタ軸(出
力軸)40とを備えている。それら遊星歯車装置34,
36,38の構成要素の一部は互いに一体的に連結され
るだけでなく、3つのクラッチC0 ,C1 ,C2 によっ
て互いに選択的に連結されている。また、上記遊星歯車
装置34,36,38の構成要素の一部は、4つのブレ
ーキB0 ,B1 ,B2 ,B3 によってハウジング26に
選択的に連結されるとともに、さらに、構成要素の一部
は3つの一方向クラッチF0 ,F 1 ,F2 によってその
回転方向により相互に若しくはハウジング26と係合さ
せられるようになっている。
【0019】上記クラッチC0 ,C1 ,C2 、ブレーキ
0 ,B1 ,B2 ,B3 は、例えば多板式のクラッチや
1本または巻付け方向が反対の2本のバンドを備えたバ
ンドブレーキ等にて構成され、それぞれ図示しない油圧
アクチュエータによって作動させられるようになってい
る。後述の電子制御装置42からの指令に従って作動す
る油圧制御回路44によりそれ等の油圧アクチュエータ
の作動がそれぞれ制御されることにより、図2に示され
ているように変速比γ(=入力軸20の回転速度/カウ
ンタ軸40の回転速度)がそれぞれ異なる前進4段・後
進1段の変速段が得られる。図2において、「1st」,
「2nd」,「3rd」,「O/D(オーバドライブ)」は、そ
れぞれ前進側の第1速ギヤ段,第2速ギヤ段,第3速ギ
ヤ段,第4速ギヤ段を表しており、上記変速比は第1速
ギヤ段から第4速ギヤ段に向かうに従って順次小さくな
る。なお、上記トルクコンバータ12および自動変速機
14は、軸心に対して対称的に構成されているため、図
1においては入力軸20の回転軸線の下側およびカウン
タ軸40の回転軸線の上側を省略して示してある。
【0020】上記油圧制御回路44には、自動変速機1
4のギヤ段を制御するための変速制御用油圧制御回路
と、ロックアップクラッチ32の係合を制御するための
係合制御用油圧制御回路とが設けられている。変速制御
用油圧制御回路は、ソレノイドNo.1およびソレノイドN
o.2によってそれぞれオンオフ駆動される第1電磁弁4
6および第2電磁弁48を備えており、それら第1電磁
弁46および第2電磁弁48の作動の組み合わせによっ
て図1に示すようにクラッチおよびブレーキが選択的に
作動させられて前記第1速ギヤ段乃至第4速ギヤ段のう
ちのいずれかが成立させられるようになっている。
【0021】また、上記係合制御用油圧制御回路は、ロ
ックアップクラッチ32を解放状態とする解放側位置と
ロックアップクラッチ32を係合状態とする係合側位置
とに切り換える図示しないクラッチ切換弁をオンオフ作
動させる切換用信号圧を発生する第3電磁弁50と、係
合側油室35および解放側油室33の圧力差ΔPを調節
してロックアップクラッチ32のスリップ量を制御する
図示しないスリップ制御弁を作動させるスリップ制御用
信号圧を電子制御装置42からの駆動電流に従って発生
させるリニアソレノイド弁54とを備えている。
【0022】前記電子制御装置42は、CPU60、R
AM62、ROM64、図示しない入出力インターフェ
ースなどを含む所謂マイクロコンピュータであって、そ
れには、エンジン10の吸気配管66に設けられたスロ
ットル弁68の開度TAを検出するスロットルセンサ7
0、エンジン10の回転速度を検出するエンジン回転速
度センサ72、自動変速機14の入力軸20の回転速度
を検出する入力軸回転速度センサ74、車速Vを検出す
るために自動変速機14のカウンタ軸40の回転速度を
検出する車速センサ76、シフトレバー78の操作位
置、すなわちL、S、D、N、R、Pレンジのいずれか
を検出する操作位置センサ80、ブレーキペダル82の
操作を検出するブレーキスイッチ84から、スロットル
弁開度TAを表す信号、エンジン回転速度NE を表す信
号、入力軸回転速度NINを表す信号、出力軸(カウンタ
軸40)の回転速度NOUT を表す信号、シフトレバー7
8の操作位置PS を表す信号、ブレーキペダル82の操
作を表す信号SBKがそれぞれ供給されるようになってい
る。上記スロットル弁68は出力操作部に相当するアク
セルペダル58と機械的に連結されてその踏込操作に伴
ってスロットル弁開度TAが増加させられるものである
から、上記スロットルセンサ70はアクセルペダル58
の操作量(すなわち出力操作部材の出力操作量)AACC
も実質的に検出している。
【0023】電子制御装置42のCPU60は、予めR
OM64に記憶されたプログラムに従って上記入力信号
を処理し、たとえば運転指向推定制御、変速制御、ロッ
クアップクラッチ制御などを実行する。したがって、本
実施例では、電子制御装置42が運転指向推定装置、変
速制御装置として機能している。
【0024】上記電子制御装置42の運転指向推定制御
では、入力信号から所定の運転操作関連変数を算出し、
その運転操作関連変数が入力されるニューラルネットワ
ークNNの出力に基づいて運転指向が推定される。ま
た、電子制御装置42の変速制御やロックアップクラッ
チ制御では、予めROM64に記憶された複数種類の変
速線図すなわち図3の加速指向の変速線図、図4の中間
指向(通常)の変速線図、図5の燃費指向の変速線図か
ら運転指向に対応する変速線図が選択され、その選択さ
れた変速線図から実際の車速Vおよびスロットル弁開度
TAに基づいて所定のギヤ段へのシフト判定或いはロッ
クアップオンオフ判定が行われる。たとえば、図4の通
常の変速線図において実際の車速Vおよびスロットル弁
開度TAを示す点がアップシフト線或いはダウンシフト
線と交差するとアップシフト判定或いはダウンシフト判
定が行われる。そして、そのシフト判定が行われたギヤ
段を成立させるように、図1に示す第1電磁弁46およ
び第2電磁弁48が駆動され、或いはロックアップクラ
ッチ32の係合制御のために第3電磁弁50およびリニ
アソレノイド弁54が駆動される。
【0025】なお、図3、図4、図5において、実線は
シフトアップ線を示し、破線はシフトダウン線を示し、
1点鎖線はロックアップクラッチの係合線を示し、2点
鎖線はロックアップクラッチの開放線を示している。図
3の加速指向の変速線図では、図4と比較して、高車速
(高エンジン回転速度)で変速が実行されるように変速
線が設定されている。また、図5の燃費指向の変速線図
では、図4と比較して、低エンジン回転速度で変速が実
行されるように変速線が設定されている。
【0026】図6は、上記電子制御装置42の制御機能
を説明する機能ブロック線図である。図において、変速
制御手段90は、ROM64に予め記憶された複数種類
の変速線図から変速線図切換手段92により選択された
変速線図から、車速センサ76により検出された実際の
車速Vおよびスロットルセンサ70により検出された実
際のスロットル弁開度TAに基づいて所定のギヤ段への
変速判断を実行し、その変速判断により判断されたギヤ
段を達成するための電磁弁46、48、50に対して変
速出力を行って自動変速機14のギヤ段を切換制御す
る。
【0027】最高速ギヤ段禁止手段93は、Dレンジが
選択されているとき、登坂制御中或いは降坂制御中だけ
でなく、運転指向推定部94のニューラルネットワーク
NNの出力信号NNOUT が所定値以上であるときすなわ
ち加速指向を示すフラグXSP ORT の内容が「1」にセッ
トされているときにも、十分な駆動力を得るために最高
速ギヤ段を禁止する。しかし、車速が一定である車両の
定常走行であって上記ニューラルネットワークNNの出
力信号NNOUT が所定値Kより小さい場合には、上記最
高速ギヤ段禁止手段93による最高速ギヤ段が解除され
る。
【0028】上記変速線図切換手段92は、ROM64
に予め記憶された図3、図4、図5に示す複数種類の変
速線図から、運転指向推定部94により推定された運転
指向を示す出力値に基づいてそれに対応した変速線図を
選択する。たとえば、変速線図切換手段92では、運転
指向推定部94によりたとえば加速指向を示すフラグX
SPORT がセットされた場合には、図3の加速指向の変速
線図が選択されるが、燃費指向を示すフラグXECO がセ
ットされた場合には、図5の燃費指向の変速線図が選択
され、中間指向を示すフラグXNORMがセットされた場合
には、それら加速指向の変速線図および燃費指向の変速
線図の中間的な特性を備えた図4の中間指向の変速線図
が選択されるのである。
【0029】上記運転指向推定部94は、複数種類の運
転操作関連変数のいずれかの算出毎にその運転操作関連
変数が入力されて推定演算が起動されるニューラルネッ
トワークNNを備え、そのニューラルネットワークNN
の出力に基づいて車両の運転指向を推定する。たとえば
図7に示すように、運転指向推定部94は、信号読込手
段96と、運転操作関連変数算出手段すなわち前処理手
段98と、上記ニューラルネットワークNNを備えた運
転指向推定手段100とから構成される。
【0030】上記信号読込手段96は、前記各センサ7
0、72、74、76、80、84などからの検出信号
すなわちスロットル弁開度TA、エンジン回転速度
E 、入力軸回転速度NIN、車速V、シフトレバー78
の操作位置、ブレーキ操作信号などを、比較的短い所定
の周期で読み込み、運転操作関連変数算出手段すなわち
前処理手段98に供給する。
【0031】前処理手段98は、その信号読込手段96
により逐次読み込まれた信号から、運転指向を反映する
運転操作に密接に関連する複数種類の運転操作関連変
数、すなわち車両発進時の出力操作量(アクセルペダル
操作量)すなわち車両発進時のスロットル弁開度T
ST、加速操作時の出力操作量の最大変化率すなわちス
ロットル弁開度の最大変化率(すなわち変化率の極大
値)ACCMAX 、車両の制動操作時の最大減速度GNMAX
車両の惰行走行時間TCOAST 、車速一定走行時間TVCON
ST、所定区間内において各センサから入力された信号の
3秒程度の所定区間内の区間最大値、運転開始以後にお
ける最大車速Vmax などをそれぞれ逐次算出し、運転指
向推定手段100へ供給する。
【0032】運転指向推定手段100は、その前処理手
段98により運転操作関連変数が算出される毎にその運
転操作関連変数が許可されて運転指向推定演算を行うニ
ューラルネットワークNNを備え、ニューラルネットワ
ークNNの出力信号NNOUTを直接に、或いはその出力
信号NNOUT が大きくなるほどたとえばフラグ
SPOR T 、XNORM、XECO により示される運転指向を表
す信号に3段階に変換してから前記変速線図切換手段9
2へ供給するとともに、車両に搭載され且つ運転指向に
関連して制御を変更することが必要な他の制御装置へ供
給する。
【0033】上記他の制御装置としては、たとえば上記
運転指向推定部94により推定された運転指向に基づい
て車両のパワーステアリングの操舵力が制御される操舵
力制御装置102、上記運転指向推定部94により推定
された運転指向に基づいて車両懸架装置のショックアブ
ソーバの減衰力或いはばね特性が制御されるサスペンシ
ョン制御装置104である。上記運転指向推定手段10
0により、車両発進時のスロットル弁開度TAST、加速
操作時のスロットル弁開度の最大変化率ACCMA X 、車両
の制動操作時の最大減速度GNMAX、車両の惰行走行時間
COAST 、車速一定走行時間TVCONSTが入力されるニュ
ーラルネットワークの出力に基づいて、車両の運転指向
が推定されることから、従来では用いられていない上記
の運転操作関連変数に基づいて運転指向が推定されるの
で、より正確に運転指向を推定でき、複数回の推定を要
することなく、運転者の操作に対する運転指向結果の応
答性が十分に得られる。
【0034】上記図7の前処理手段98には、車両発進
時の出力操作量すなわち車両発進時のスロットル弁開度
TASTを算出する発進時出力操作量算出手段98a、加
速操作時における出力操作量の最大変化率すなわちスロ
ットル弁開度の最大変化率A CCMAX を算出する加速操作
時出力操作量最大変化率算出手段98b、車両の制動操
作時の最大減速度GNMAXを算出する制動時最大減速度算
出手段98c、車両の惰行走行時間TCOAST を算出する
惰行走行時間算出手段98d、車速一定走行時間T
VCONSTを算出する車速一定走行時間算出手段98e、た
とえば3秒程度の所定区間内における各センサからの入
力信号のうちの最大値を周期的に算出する入力信号区間
最大値算出手段98f、運転開始以後における最大車速
max を算出する最大車速算出手段98gなどがそれぞ
れ備えられている。
【0035】上記入力信号区間最大値算出手段98fに
おいて算出される所定区間内の入力信号のうちの最大値
としては、スロットル弁開度TAmaxt、車速Vmaxt、エ
ンジン回転速度NEmaxt 、前後加速度NOGBW maxt (減
速のときは負の値)或いは減速度GNMAXt (絶対値)が
用いられる。前後加速度NOGBW maxt 或いは減速度G
NMAXt は、たとえば車速V(NOUT )の変化率から求め
られる。
【0036】図7の運転指向推定手段100に備えられ
たニューラルネットワークNNは、コンピュータプログ
ラムによるソフトウエアにより、或いは電子的素子の結
合から成るハードウエアにより生体の神経細胞群をモデ
ル化して構成され得るものであり、たとえば図7の運転
指向推定手段100のブロック内に例示されるように構
成される。図7において、ニューラルネットワークNN
は、r個の神経細胞要素(ニューロン)Xi (X1 〜X
r )から構成された入力層と、s個の神経細胞要素Yj
(Y1 〜Ys )から構成された中間層と、t個の神経細
胞要素Zk (Z 1 〜Zt )から構成された出力層とから
構成された3層構造の階層型である。そして、上記入力
層から出力層へ向かって神経細胞要素の状態を伝達する
ために、結合係数(重み)WXij を有して上記r個の神
経細胞要素Xi とs個の神経細胞要素Yj とをそれぞれ
結合する伝達要素DXij と、結合係数(重み)WYjk
有してs個の神経細胞要素Yj とt個の神経細胞要素Z
k とをそれぞれ結合する伝達要素DYjk が設けられてい
る。
【0037】上記ニューラルネットワークNNは、その
結合係数(重み)WXij 、結合係数(重み)WYjk を所
謂誤差逆伝搬学習アルゴリズムによって学習させられた
パターン連想型のシステムである。その学習は、前記運
転操作関連変数の値と運転指向とを対応させる走行実験
によって予め完了させられているので、車両組み立て時
では、上記結合係数(重み)WXij 、結合係数(重み)
Yjk は固定値が与えられている。上記の学習に際して
は、複数の運転者についてそれぞれ燃費指向、加速指
向、それらの中間的な中間(ノーマル)指向の運転がた
とえば高速道路、郊外道路、山岳道路、市街道路などの
種々の道路において実施され、そのときの運転指向を教
師信号とし、教師信号とセンサ信号を前処理したn個の
指標(入力信号)とがニューラルネットワークNNに入
力させられる。なお、上記教師信号は運転指向を0から
1までの値に数値化し、たとえば燃費指向を0、中間指
向を0.5、加速指向を1とする。また、上記入力信号
は−1から+1までの間あるいは0から1までの間の値
に正規化して用いられる。
【0038】図7の前処理手段98において、発進時出
力操作量算出手段98aは、スロットルセンサ(出力操
作量検出手段)70により検出されたスロットル弁開度
(出力操作量)TAと車速センサ(車速検出手段)76
により検出された車速Vとから車両発進時のスロットル
弁開度(出力操作量)TASTを算出する。ニューラルネ
ットワークNNへ入力させるために、運転指向と密接に
関連した車両発進時のスロットル弁開度(出力操作量)
TASTが算出されるので、運転指向の推定結果の信頼性
が高められるのである。上記発進時出力操作量算出手段
98aは、たとえば、図8に示すように、車両が停止し
ている状態が所定時間TVO1 以上継続したことを車速V
などに基づいて判定する停車判定手段110と、車速V
が予め設定された設定車速V1 に到達したことを判定す
る設定車速到達判定手段111と、車両の停車状態に続
いて車速Vがたとえば10km/h程度の設定車速V1 に到
達したときのスロットル弁開度TAを発進時のスロット
ル弁開度(出力操作量)TASTとして決定する発進時出
力操作量決定手段112とから構成される。
【0039】また、図7の前処理手段98において、加
速操作時の出力操作量最大変化率算出手段98bは、ス
ロットルセンサ(出力操作量検出手段)70により検出
されたスロットル弁開度(出力操作量)TAからたとえ
ばチップイン操作のような短時間急開閉操作時を除く出
力操作量の最大変化率すなわち変化率の極大値(正の
値)ACCMAX を算出する。ニューラルネットワークNN
へ入力させるために、運転指向と密接に関連した出力操
作量変化率の極大値ACCMAX が算出され、しかも一時的
な急開閉操作(所謂チップイン操作)時の変化率の極大
値ACCMAX が除かれているので、運転指向の推定結果の
信頼性が高められるのである。
【0040】上記加速操作時の出力操作量最大変化率算
出手段98bは、たとえば図9に示すように、周期的に
サンプリングされるスロットル弁開度TAからその差分
であるスロットル弁開度の変化率ACCTAの最大値すなわ
ちアクセル踏込速度が増加中のスロットル弁開度変化率
極大値ACCMAX を決定して更新するスロットル弁開度変
化率極大値更新手段(出力操作量変化率極値決定手段)
114と、アクセルペダルが短時間内に急開閉操作され
るチップイン操作を判定するチップイン操作判定手段1
15と、そのチップイン操作判定手段115によりチッ
プイン操作が判定されないときに上記スロットル弁開度
変化率極大値更新手段114により更新された値を加速
操作時のスロットル弁開度変化率極大値すなわち最大ス
ロットル弁開度変化率ACCMAX として決定する最大スロ
ットル弁開度変化率決定手段116とから構成される。
【0041】上記チップイン操作判定手段115は、加
速操作時のスロットル弁開度の最大値ACCMXTAとスロッ
トル弁開度変化率の極大値ACCMAX が求められてから所
定の時間(たとえばT1 )経過後のスロットル弁開度T
3 との差分(ACCMXTA−TA3 )が予め設定された判
断基準値KTACHIP以下であるときに、運転者の癖や道路
状態により発生する操作であって運転者の運転指向とは
関連しないアクルペダル58の短時間内の急開閉操作す
なわちチップイン操作であると判定し、上記最大スロッ
トル弁開度変化率決定手段116における加速操作時の
スロットル弁開度変化率極大値すなわち最大スロットル
弁開度変化率ACCMAX の決定およびそれの運転指向推定
手段100への出力を禁止する。チップイン操作判定手
段115は、詳しくは、加速操作末期出力操作量決定手
段117、推定禁止手段118、出力操作量最大値決定
手段128から構成される。
【0042】上記出力操作量最大値決定手段128は、
スロットル弁開度変化率極大値更新手段(出力操作量変
化率極値決定手段)114によりスロットル弁開度変化
率極大値(出力操作量の変化率の極大値)ACCMXTAが決
定されてから所定の探索期間(たとえばT1 )が経過す
るまでの期間内において、前記出力操作量の最大値すな
わちスロットル弁開度の最大値ACCMXTAを探索する。
【0043】上記加速操作末期出力操作量決定手段11
7は、アクセルペダル58による加速操作末期のスロッ
トル弁開度TA3 を、スロットル弁開度TAの変化率の
極大値ACCMAX が決定されてから所定の時間T1 +T2
経過した時点t3 のスロットル弁開度TAから決定す
る。たとえば、操作末期加速操作量決定手段117は、
スロットル弁開度変化率極大値更新手段114により上
記スロットル弁開度TAの変化率の極大値ACCMAX が決
定されると、その出力操作量の最大値ACCMXTAの発生時
点t1 から所定の時間T1 経過後の時点(すなわちスロ
ットル弁開度変化率極大値ACCMAX の発生時点t0 から
所定の時間T1 +T2 経過後の時点)t3での出力操作
量TA3 を決定する。
【0044】上記推定禁止手段118は、上記出力操作
量最大値決定手段128により決定されたアクセルペダ
ル58の開度(出力操作量)TAの最大値ACCMXTAと上
記加速操作末期出力操作量決定手段117により決定さ
れた加速操作末期のスロットル弁開度TA3 との間の出
力操作量変化分(ACCMXTA−TA3 )が予め設定された
判断基準値KTACHIPよりも大きい場合は、前記運転指向
推定手段100による前記スロットル弁開度変化率極大
値ACCMAX に基づく運転指向の推定を禁止するが、上記
出力操作量変化分(ACCMXTA−TA3 )が予め設定され
た判断基準値K TACHIP以下の場合は、前記運転指向推定
手段100による加速操作量に基づく運転指向の推定す
なわち上記加速操作時におけるスロットル弁開度変化率
極大値すなわち最大スロットル弁開度変化率ACCMAX
基づく運転指向の推定を許容する。
【0045】図26は、アクセルペダル58のチップイ
ン操作が行われたときの動きを示すタイムチャートであ
る。上記時間T1 は、加速操作末期を判定するために設
定された出力操作量の最大値ACCMXTAの発生からの経過
時間であるため、一定値でもよいが、スロットル弁開度
変化率極大値ACCMAX の発生時点t0 から極小値ACC
MIN の発生時点までの期間に設定されてもよい。また、
上記時間T2 はスロットル弁開度変化率極大値ACCMAX
の発生時点t0 からアクセルペダル58の開度(出力操
作量)TAの最大値ACCMXTAが決定される時点t1 まで
の期間である。
【0046】また、図7の前処理手段98において、車
速一定走行時間TVCONSTを算出する車速一定走行時間算
出手段98eは、たとえば図10に示すように、車速V
が所定幅ΔV以上に変化しないことを判定し、その車速
Vが変化しない状態が予め設定された設定時間KVCONAV
持続したことが第1計時手段119により判定されたこ
とに基づいて車速一定走行を判定する車速一定走行判定
手段120と、その車速一定走行判定手段120によっ
て車速一定走行が判定された状態で第2計時手段121
により計時される経過時間に基づいて車速一定走行時間
VCONSTを決定するとともに、その車速一定走行中では
予め設定された起動周期KVCONの経過毎に車速一定走行
時間TVCONSTを繰り返し決定する車速一定走行時間決定
手段122とから構成される。
【0047】また、図7の前処理手段98において、車
両の惰行走行時間TCOAST を算出する惰行走行時間算出
手段98dは、たとえば図11に示すように、走行中の
スロットル弁開度TAが零などに基づいて車両の惰行走
行を判定する惰行走行判定手段124と、その惰行走行
判定手段124によって惰行走行が判定された状態で第
3計時手段125により計時される経過時間に基づいて
惰行走行時間TCOASTを決定するとともに、その惰行走
行中では予め設定された起動周期KILONの経過毎に惰行
走行時間TCOAST を繰り返し決定する惰行走行時間決定
手段126とから構成される。
【0048】また、図7の前処理手段98において、車
両の制動時の最大減速度GNMAXを算出する制動時最大減
速度算出手段98cは、たとえば図12に示すように、
車両の制動中において負側へ増加する前後加速度NOGBW
を逐次記憶して更新する制動時最大減速度更新手段13
0と、その前後加速度NOGBW が予め設定された判断基準
値KSPBKG よりも小さい場合には上記制動時最大減速度
更新手段130により記憶された値NOGBW を制動時最大
減速度MAXBKGすなわちGNMAXとして決定し、その後の前
後加速度NOGBW (負)がその制動時最大減速度MAXBKGと
等しい場合或いはその制動時最大減速度MAXBKGよりも大
きく(零側)てもその制動時最大減速度MAXBKGより所定
値KBKGHYS 以上離れない場合は、第4計時手段131に
より計時された所定時間KBKCON 毎に、前述の如く決定
された値(判断基準値SPBKG より小さい値として最初に
決定された値)を制動時最大減速度MAXBKGとして周期的
に決定する制動時最大減速度決定手段132とを含む。
【0049】また、図7の前処理手段98において、た
とえば3秒程度の所定区間毎にその区間内において各セ
ンサから逐次入力される入力信号の最大値を周期的に算
出する入力信号区間最大値算出手段98fは、たとえば
図13に示すように、所定区間内に入力されるスロット
ル弁開度TAを所定の記憶場所に記憶するとともにその
記憶場所に記憶された値と新たに入力されたスロットル
弁開度TAとを逐次比較して大きい方の値を記憶値とし
て更新させることにより所定区間内のスロットル弁開度
TAの最大値TAmaxtを求めるスロットル弁開度区間最
大値更新手段134と、所定区間内に入力されるエンジ
ン回転速度NE を所定の記憶場所に記憶するとともにそ
の記憶場所に記憶された値と新たに入力されたエンジン
回転速度NE とを逐次比較して大きい方の値を記憶値と
して更新させることにより所定区間内のエンジン回転速
度NE の最大値NEmaxt を求めるエンジン回転速度区間
最大値更新手段135と、所定区間内に入力される前後
加速度NOGBW を所定の記憶場所に記憶するとともにその
記憶場所に記憶された値と新たに入力された前後加速度
NOGBW とを逐次比較して大きい方の値を記憶値として更
新させることにより所定区間内の前後加速度NOGBW の最
大値NOGBW maxt(所定区間内最大減速度GNM AXt )を求
める前後加速度区間最大値更新手段136とが備えられ
ており、所定区間内の最大スロットル弁開度TAmaxt
最大エンジン回転速度NEmaxt 、最大前後加速度NOGBW
maxtが、ニューラルネットワークNNに所定区間毎に繰
り返し入力させられるようになっている。
【0050】前後加速度入力禁止手段137は、車両が
アップシフト変速や降坂制御の4→3ダウン変速のよう
な運転指向に関連しない所定の変速期間である場合に
は、その変速期間内に発生する上記前後加速度NOGBW の
入力を禁止する。これにより、アップシフト変速や降坂
制御の4→3ダウン変速のような運転指向に関連しない
所定の変速における変速期間では、その変速期間に発生
する前後加速度NOGBW の入力が禁止されてその情報がニ
ューラルネットワークへ送られることがないので、運転
指向の推定結果の信頼性が一層高められるようになって
いる。
【0051】車両旋回判定手段138は、たとえば、加
速指向中においてチップイン操作を除くアクセル戻し速
度が所定値KDTAMX 以上であるとき、或いは制動時の減
速度GN が所定値KSPBKG 以上であるときに車両の旋回
を判定する。これにより、舵角センサなどの検出装置を
設けることなく、車両のコーナ前走行およびコーナ中走
行が判定される。
【0052】最大値保留手段139は、前記運転指向推
定手段100によって加速指向であると推定され、且つ
上記車両旋回判定手段138により車両の旋回と判定さ
れた場合には、スロットル弁開度区間最大値更新手段1
34、エンジン回転速度区間最大値更新手段135、前
後加速度区間最大値更新手段136における最大値の更
新を保留し、保留した最大値すなわち車両旋回の判定前
の区間に更新された最大値(スロットル弁開度T
maxt、エンジン回転速度NEmaxt 、前後加速度NOGBW
maxt)を前記ニューラルネットワークNNへ入力させ
る。これにより、加速指向の走行中であっても運転操作
に関しては燃費指向と差がないコーナ前およびコーナ旋
回中においては、上記区間内の最大値が更新されること
がなく、旋回前の最大値が保留されてその保留値により
運転指向の推定が行われるので、運転指向の推定結果の
信頼性が高められる。
【0053】保留中更新手段140は、上記最大値保留
手段139による保留中において、保留していた最大値
よりも大きい入力信号が新たに入力された場合には、そ
の最大値保留手段139による保留中にも拘わらず、ス
ロットル弁開度区間最大値更新手段134、エンジン回
転速度区間最大値更新手段135、前後加速度区間最大
値更新手段136においてその新たに入力されたスロッ
トル弁開度TA、エンジン回転速度NE 、前後加速度NO
GBW を最大値(TAmaxt、NEmaxt 、NOGBW ma xt)とし
て更新させる。このようにすれば、運転指向に関連する
情報が可及的にニューラルネットワークNNへ入力され
るので、一層運転指向の信頼性が高められる。また、保
留解除手段141は、上記最大値保留手段139による
保留中において、アクセルペダル58の再踏み込みが行
われたときにはその最大値保留手段139によりスロッ
トル弁開度区間最大値更新手段134、エンジン回転速
度区間最大値更新手段135、前後加速度区間最大値更
新手段136へ指令された保留を解除する。
【0054】また、チップイン判定手段142は、アク
セルペダル58の短時間の急開閉操作であるチップイン
操作を判定したときには、スロットル弁開度区間最大値
更新手段134、エンジン回転速度区間最大値更新手段
135、前後加速度区間最大値更新手段136の少なく
とも1つにおける最大値の更新を阻止する。これによ
り、運転指向というよりは路面上の障害物などの路面状
態に関連する情報が除去されるので、運転指向の推定精
度が高められる。
【0055】図14は、電子制御装置42の制御作動の
要部、すなわち運転指向推定作動を説明するフローチャ
ートである。図14のステップ(以下、ステップを省略
する)SM1では、初期処理が実行されることにより、
RAM62内に設けられた種々の記憶領域或いはレジス
タ、計数或いは計時などのためのカウンタやタイマ等が
クリアされるとともに、推定許可フラグXNNCAL の内容
が「0」にクリアされ且つ停車フラグXSTOPの内容が
「1」にセットされる。次いで、前記信号読込手段96
に対応するSM2では、各センサからの入力信号が読み
込まれる。
【0056】次に、前記前処理手段(運転操作関連変数
算出手段)98に対応するSM3では、各運転操作に関
連するイベントの発生時期とイベントの量、すなわち運
転操作関連変数が算出される。すなわち、車両発進時の
スロットル弁開度TAST、運転開始以後におけるスロッ
トル弁開度の最大変化率ACCMAX 、車両の制動操作時の
最大減速度GNMAX、車両の惰行走行時間TCOAST 、車速
一定走行時間TVCONST、所定区間内における各センサか
らの入力信号のうちの区間最大値たとえばスロットル開
度TAmaxt、車速Vmaxt、エンジン回転速度NEmaxt
前後加速度NOGBW maxt(GNMAXt ) などの複数種類の運
転操作関連変数が算出される。なお、P、Rレンジ時に
は運転指向の推定は実行されない。
【0057】次いで、SM4において、推定許可フラグ
NNCAL の内容が「1」にセットされているか否かが判
断される。推定許可フラグXNNCAL の内容が「1」にセ
ットされていない場合には、このSM4の判断が否定さ
れて上記SM2以下が繰り返し実行されるが、推定許可
フラグXNNCAL の内容が「1」にセットされている場合
には、SM4の判断が肯定されて、前記運転指向推定手
段100に対応するSM5において、運転指向の推定演
算が実行される。上記推定許可フラグXNNCALは、前記
運転操作関連変数の算出毎に、または惰行走行時間T
COAST の計測中、車速一定走行時間TVCONSTの計測中、
或いは制動時の最大減速度GNMAXの計測中の場合は所定
時間毎にその内容が「1」にセットされるものであり、
SM5はその推定許可フラグXNNCAL のセット毎に上記
SM4の運転指向推定演算を許可するのである。
【0058】上記SM5では、前記運転指向推定手段1
00において説明したように、車両発進時のスロットル
弁開度TAST、運転開始以後におけるスロットル弁開度
の最大変化率ACCMAX 、車両の制動操作時の最大減速度
NMAX、車両の惰行走行時間TCOAST 、車速一定走行時
間TVCONST、所定区間内における各センサからの入力信
号のうちの区間最大値すなわちスロットル開度T
maxt、車速Vmaxt、エンジン回転速度NEmaxt 、前後
加速度NOGBW maxt( GNMAXt ) などの複数種類の運転操
作関連変数が入力される毎に、ニューラルネットワーク
NNの演算が行われることによりそのニューラルネット
ワークNNから出力信号NNOUT が出力される。その出
力信号NNOUT は、その値が大きくなるほど加速指向を
示すので、それに基づいてたとえばフラグXSPORT 、X
NORM、XECO により示される3段階の運転指向を表す信
号に変換され、運転指向が推定される。
【0059】そして、上記のように運転指向が一旦推定
された後においては、SM6において推定許可フラグX
NNCAL の内容が「0」にクリアされ、その後、前記SM
2以下が繰り返し実行される。
【0060】図15以下の各図のフローチャートは、上
記SM3の内容の構成例を示すルーチンを示している。
図15は、前記発進時出力操作量算出手段98aに対応
するものであって、車両発進時のスロットル弁開度TA
STを算出するルーチンを示している。図16は、前記加
速操作時の出力操作量最大変化率算出手段98bに対応
するものであって、アクセルペダル踏み込み時の最大ス
ロットル開度変化率A CCMAX を算出するルーチンを示し
ている。図17は、前記車速一定走行時間算出手段98
eに対応するものであって、車速一定走行時間TVCONST
を算出するルーチンを示している。図18は、前記惰行
走行時間算出手段98dに対応するものであって、惰行
走行時間TCOAST を算出するルーチンを示している。図
19は、前記制動時最大減速度算出手段98cに対応す
るものであって、車両の制動操作時の最大減速度GNMAX
を算出するルーチンを示している。図20乃至図23
は、前記入力信号区間最大値算出手段98fに対応する
ものであって、所定区間内における各センサからの入力
信号のうちの区間内最大値(スロットル開度TAmaxt
車速Vmaxt、エンジン回転速度NEmaxt 、前後加速度NO
GBW maxt( GNMAXt )などの複数種類の運転操作関連変
数を算出するルーチンを示している。
【0061】車両発進時のスロットル弁開度TASTを算
出する図15のルーチンにおいて、SA1では、車両が
走行中であるか否かが判断される。車両が停止中であれ
ばこのSA1の判断が否定されるので、SA2において
停車時間タイマTV0の内容に「1」が加算された後、図
8の停車判定手段110に対応するSA3において停車
時間タイマTV0の内容が予め設定された判断基準値T
V01 以上となったか否かが判断される。この判断基準値
V01 は、車両が確実に停車したか否かを判断するため
のものであり、0.2秒程度の値に設定される。上記S
A3の判断が否定された場合は本ルーチンが終了させら
れるが、肯定された場合にはSA4において停車フラグ
V0の内容が「1」に設定される。この停車フラグXV0
はその内容が「1」であるときに車両が一旦停車したこ
とを示す。
【0062】車両が走行した場合には、上記SA1の判
断が肯定されるので、SA5において停車フラグXV0
内容が「0」であるか否かが判断される。発進当初はそ
の停車フラグXV0の内容が「1」であることから上記S
A5の判断が肯定されるので、図8の設定車速到達判定
手段111に対応するSA6において車速Vが予め設定
された設定車速V1 以上となったか否かが判断される。
この設定車速V1 は車両発進時を判定するためのもので
あり、たとえば10km/h程度の値に設定される。
【0063】発進時の車速Vが設定車速V1 に到達しな
いうちはSA6の判断が否定されて本ルーチンが終了さ
せられるが、発進時の車速Vが設定車速V1 以上となる
と、SA6の判断が肯定されるので、図8の発進時出力
操作量決定手段112に対応するSA7において、その
ときのスロットル弁開度TAが発進時のスロットル弁開
度TASTとして記憶されるとともに、停車時間タイマT
V0および停車フラグX V0の内容が「0」にクリアされ、
且つ推定許可フラグXNNCAL の内容が「1」にセットさ
れる。
【0064】次に、アクセルペダル踏み込み(加速操
作)時の最大スロットル開度変化率(スロットル開度変
化率極大値)ACCMAX を算出する図16のルーチンにお
いては、SB1では、アクセルペダル58の踏込速度が
一定か或いは減速していることを示すアクセル踏込減速
フラグXACCTA の内容が「1」であるか否かが判断され
る。当初はこのSB1の判断が否定されるので、SB2
において、正スロットル開度変化率(たとえば数十ms程
度の所定周期で読みこまれるスロットル開度TAの差
分)ACCTA(%)が予め設定された判断基準値KACTAMX
を越えたか否かが判断される。この判断基準値KACTAMX
は、緩やかな踏み込みを除去するために予め設定された
値であり、たとえば6%程度に設定される。
【0065】上記SB2の判断が否定された場合はSB
20以下にすすむ。しかし、上記SB2の判断が肯定さ
れた場合には、SB3において正スロットル開度変化率
CC TAがそれまでに記憶された極大値ACCMAX を下回っ
たか否かが判断される。このSB3の判断が否定された
場合すなわち正スロットル開度変化率ACCTAが前回の値
以上であれば、図9のスロットル弁開度変化率極大値更
新手段114に対応するSB4において今回のサイクル
で入力された正スロットル開度変化率ACCTAが最大変化
率ACCMAX として更新された後、SB5においてアクセ
ル踏込減速フラグXACCTA の内容が「0」にクリアされ
た後、本ルーチンが終了させられる。
【0066】以上のようにして、アクセル踏込による正
スロットル開度変化率ACCTAの極大値ACCMAX が記憶さ
れた後にアクセル踏込速度が減少すると、すなわち、所
定の周期で逐次読み込まれる正スロットル開度変化率A
CCTAがそれまでに記憶された極大値ACCMAX を下まわる
と、前記SB3の判断が肯定されるので、SB6におい
て、アクセル減速踏込フラグXACCTA の内容が「1」で
あるか否かが判断される。このときは、正スロットル開
度変化率ACCTAがそれまでに記憶された極大値ACCMAX
を下回った状態であるから、SB4において更新された
値は、正スロットル開度変化率ACCTAの変化率の極大値
CCMAX を示している。図26のt0 時点はこの状態を
示す。
【0067】当初は、上記SB6の判断が否定されるの
で、SB7において、このときのスロットル弁開度TA
がアクセル踏込減速時のスロットル弁開度すなわち最大
スロットル弁開度ACCMXTAとして記憶され、判断基準値
MAXTA の内容が「0」に設定され、アクセル踏込減速
フラグXACCTA の内容が「1」に設定されると共に、タ
イマCSHRTがスタートさせられる。このようにして、ア
クセル踏込減速フラグXACCTA の内容が一旦「1」に設
定されると、次の制御サイクルのSB6の判断が肯定さ
れて、SB9以下が直接に実行される。
【0068】次いで、SB9において、上記タイマC
SHRTの計時作動が停止しているか否かが判断される。当
初はSB9の判断が否定されるので、SB10におい
て、タイマCSHRTの計時内容が予め設定された判断基準
値KSHRT以上となったか否かが判断される。この判断基
準値KSHRTは、アクセル踏込減速直後の期間を判断する
ためにたとえば0.15秒程度に設定された値であり、
たとえばスロットル弁開度変化率ACCTAの極大値の発生
時点t0 からスロットル弁開度の最大値ACCMXTAの発生
時点t1 までの期間T2 に相当する。
【0069】当初はアクセル踏込減速直後であって上記
SB10の判断が否定されるので、SB11において、
スロットル弁開度TAが上記SB7において記憶された
アクセル踏込減速時のスロットル弁開度ACCMXTAより大
きいか否かが判断される。このSB11の判断が肯定さ
れた場合は、SB12において、そのときのスロットル
弁開度TAがスロットル弁開度の最大値ACCMXTAとして
更新された後、本ルーチンが終了させられて、上記ステ
ップが繰り返されるが、否定された場合は、スロットル
弁開度TAが減少している状態であるので本ルーチンが
終了させられる。これにより、スロットル弁開度の最大
値ACCMXTAが求められ、判断基準値TMA XTA にそのとき
の経過時間CSHRTが保管される。図26のt1 時点はこ
の状態を示す。本実施例では、上記SB11およびSB
12が、出力操作量最大値決定手段128に対応してい
る。
【0070】タイマCSHRTの計時内容が判断基準値K
SHRT以上となって上記SB10の判断が肯定されると、
SB13において、タイマCSHRTの計時内容が予め設定
された判断基準値KSHRTと判断基準値TMAXTA との加算
値(KSHRT+TMAXTA =0.3秒程度)よりも大きいか
否かが判断される。この判断基準値TMAXTA は、アクセ
ルペダル58の所謂チップイン操作(アクセルペダルの
短期間内の急開閉操作すなわちばたつき操作)を判断す
るタイミングすなわちチップインの加速操作末期を決定
するためにたとえば0〜0.15秒程度の範囲内に設定
される値であり、たとえばスロットル弁開度変化率A
CCTAの極大値ACCMaX の発生時点t0 からスロットル弁
開度最大値ACCMXTAの発生時点t1 までの期間T2 に相
当する。このSB13の判断が否定された場合は本ルー
チンが終了させられるが、肯定された場合は、SB14
においてタイマCSHRTの計時作動が停止された後、SB
15において、そのときのスロットル弁開度TAが加速
操作末期出力操作量TA3 として決定される。図26の
3 時点はこの状態を示す。本実施例では、上記SB
3、SB7、SB11、SB12、SB13、SB15
が、前記加速操作末期出力操作量決定手段117に対応
している。
【0071】次いで、SB16では、加速操作時の出力
操作量の最大値すなわちスロットル弁開度の最大値A
CCMXTAと上記加速操作末期出力操作量TA3 との間の差
分(A CCMXTA−TA3 )が、予め設定された判断基準値
TACHIPよりも大きいか否かが判断される。この判断基
準値KTACHIPは、上記チップイン操作を判断するための
値であり、たとえば7%程度の値が用いられる。
【0072】上記SB16の判断が否定された場合は、
アクセルペダル58の踏込速度が減速してから判断基準
値(KSHRT+TMAXTA =0.3秒程度)だけ経過後にお
いてスロットル弁開度の最大値ACCMXTAと上記加速操作
末期出力操作量TA3 との間の差分(ACCMXTA−T
3 )が判断基準値KTACHIP(7%程度)以下の連続的
踏込操作、たとえば図25に示すような連続的踏込操作
であって、チップイン操作ではないので、図9の最大ス
ロットル弁開度変化率決定手段116に対応するSB1
7において、推定許可フラグXNNCAL がセットされると
ともに、正スロットル開度変化率ACCTAの極大値A
CCMAX がニューラルネットワークNNへの入力信号を記
憶する所定の記憶場所EVENT6へそれぞれ記憶される。
【0073】しかし、上記SB16の判断が肯定された
場合は、たとえば図26に示すようなスロットル弁68
が短期間内に開閉されるアクセルペダル58のチップイ
ン操作であって、アクセルペダル58の踏込速度が減速
してから判断基準値(KSHRT+TMAXTA =0.3秒程
度)だけ経過後においてもスロットル弁開度の最大値A
CCMXTAと上記加速操作末期出力操作量TA3 との間の差
分(ACCMXTA−TA3 )が、判断基準値KTACHIP(7%
程度)よりも大きい踏込操作であるので、SB18にお
いてチップイン操作を表すチップインフラグXCHIPIN
内容が「1」にセットされることにより、出力操作量変
化率の極大値ACCMAX が運転指向推定手段100へ入力
されず、その出力操作量変化率の極大値ACCMAX に基づ
く運転意向の推定が禁止される。
【0074】本実施例では、上記SB16およびSB1
8が前記推定禁止手段118に対応している。また、S
B3、SB7、SB11、SB12、SB13、SB1
5(加速操作末期出力操作量決定手段117)、およ
び、SB16、SB18(推定禁止手段118)が、短
時間内のスロットル弁開閉操作すなわちアクセルペダル
58のチップイン操作を判定する図9のチップイン操作
判定手段115に対応している。
【0075】SB20においては、負スロットル開度変
化率DECTAが正であるか否か、すなわちスロットル開度
TAの減少速度が正であるか否かが判断される。このS
B20の判断が肯定された場合は、アクセルペダルが戻
されつつある状態であるので、SB23において、正ス
ロットル開度変化率ACCTAの最大値ACCMAX 、アクセル
踏込減速フラグXACCTA の内容がクリアされた後、本ル
ーチンが終了させられ、上記のステップが繰り返され
る。
【0076】しかし、上記SB20の判断が否定された
場合には、アクセルペダル58が戻されつつある状態で
はないので、SB21において、短時間のアクセルペダ
ル急開閉操作すなわちばたつき(チップイン)操作を表
すチップインフラグXCHIPINの内容が「0」にクリアさ
れた後、SB22において、アクセル踏込減速フラグX
ACCTA の内容が「0」であるか否かが判断される。この
SB22の判断が否定された場合は本ルーチンが直ちに
終了させられるが、肯定された場合には、上記SB23
を経て本ルーチンが終了させられる。
【0077】車速一定走行時間を算出するための図17
のルーチンにおいて、SC1では、最大スロットル開度
変化率ACCMAX が前記SB17により既に記憶されて零
でないか否かが判断される。このSC1の判断が肯定さ
れた場合は、最大スロットル開度変化率ACCMAX が未だ
記憶されていないので、SC2において車速一定時間計
時タイマCVCONおよび起動タイマCVCON2 の計時作動が
開始されるとともに、そのときの実際の車速Vが車速一
定走行開始時の車速VCONTとして記憶されてから本ルー
チンが終了させられる。すなわち、上記SC1の判断が
否定されるまで、上記SC2が繰り返し実行されて、車
速一定時間計時タイマCVCONおよび起動タイマCVCON2
のリセットおよび再起動と、車速一定走行開始時の車速
CONTの再セットとが繰り返される。
【0078】上記SC1の判断が否定されると、SC3
において起動タイマCVCON2 の計時作動が停止している
か否かが判断される。このSC3の判断が肯定されると
上記SC2以下が再び実行されるが、否定されると、車
速一定走行状態を判定するために前記図10の車速一定
走行判定手段120に対応するSC4、SC5、SC6
が実行される。先ず、SC4では、スロットル弁開度T
Aが予め設定された判断基準値KTHRMよりも大きいか否
かが判断される。この判断基準値KTHRMは、比較的高負
荷走行であるか否かを判断するための値であり、たとえ
ば30%程度の値に設定される。次いで、SC5では、
車速Vに予め設定された判断基準幅ΔVを差し引いた値
が上記車速一定走行開始時の車速VCONTを越えたか否か
が判断され、SC6では、車速Vに予め設定された判断
基準幅ΔVを加算した値が上記車速一定走行開始時の車
速VCONTを下回ったか否かが判断される。上記判断基準
幅ΔVは、車速の変動幅を判定するための値であり、た
とえば1km/h程度の値が用いられる。
【0079】上記SC4、SC5、SC6のいずれかの
判断が肯定された場合は、高負荷走行であるか或いは車
速Vが変動する走行状態であって、車速一定走行状態で
はないので、先ずSC7において、車速一定時間計時タ
イマCVCONの内容が1秒程度に設定された判断基準値K
VCON以上であるか否かが判断される。このSC7の判断
が否定された場合は、高負荷走行或いは車速変動走行状
態となった直後であるから本ルーチンが終了させられ
る。また、このSC7の判断が肯定された場合は、SC
8において起動タイマCVCON2 の計時作動が停止させら
れるとともに、続いて、図10の第1計時手段119に
対応するSC9において、車速一定時間計時タイマC
VCONの内容が予め設定された判断基準値KVCONAV以上と
なったか否かが判断される。この判断基準値K
VCONAVは、車速一定走行を判断するための一定走行持続
時間であって、たとえば3乃至4秒程度の値に設定され
る。上記のように、高負荷走行であるか或いは車速Vが
変動する走行状態では、このSC9の判断も否定される
ので、本ルーチンが終了させられる。このような高負荷
走行であるか或いは車速Vが変動する走行状態が持続す
るうちは、次回のサイクル以降においてSC3の判断が
肯定されて、SC2が繰り返し実行されることになる。
【0080】しかし、比較的低負荷の車速一定走行状態
が開始されると、上記SC4、SC5、SC6の判断が
共に否定されるので、SC10において起動タイマC
VCON2の計時内容が予め設定された判断基準値KVCON
りも未だ小さいか否かが判断される。この判断基準値K
VCONは、上記SC4、SC5、SC6の判断が共に否定
されたことが起動周期だけ持続したことを判断するため
の値であり、たとえば1秒程度の値が用いられる。
【0081】上記SC10の判断が肯定された場合は、
SC4、SC5、SC6の判断が共に否定された状態が
1秒も持続しない状態であるので、本ルーチンが終了さ
せられるが、否定された場合は、確実に比較的低負荷の
車速一定走行状態と考えられるので、SC11におい
て、起動タイマCVCON2 の計時作動が再開され且つその
ときの車速Vが次の比較的低負荷の車速一定走行状態の
判断のための車速一定走行開始時の車速VCONTとして記
憶される。
【0082】次いで、SC9において、車速一定時間計
時タイマCVCONの内容が予め設定された判断基準値K
VCONAV以上となったか否かが判断される。このSC9の
判断が否定された場合は、比較的低負荷の車速一定走行
状態が判断されてからの経過時間が3乃至4秒程度に設
定された判断基準値KVCONAVを越えていない状態である
ので、本ルーチンが終了させられて、上記のステップが
繰り返される。
【0083】しかし、上記SC9の判断が肯定された場
合には、SC12において、車速一定時間計時タイマC
VCONの内容が予め設定された判断基準値KVCON2 を越え
たか否かが判断される。この判断基準値KVCON2 は車速
一定時間計時タイマCVCONの上限ガード値であり、たと
えば16秒程度の値に設定される。このSC12の判断
が否定された場合は、SC13において、車速一定走行
時間TVCONSTを示す車速一定時間計時タイマCVCONの内
容がニューラルネットワークNNへの入力信号を記憶す
る所定の記憶場所EVENT8に記憶されるが、肯定された場
合は、SC14において、車速一定走行時間TVCONST
最大制限値である上記上限ガード値KVC ON2 が上記の記
憶場所EVENT8に記憶される。そして、SC15におい
て、推定許可フラグXNNCAL の内容が「1」にセットさ
れた後、本ルーチンが終了させられる。
【0084】上述のように、前記車速一定走行時間算出
手段98eが図17のルーチンで構成される場合におい
ては、SC4乃至SC6が、車速一定走行を当初に判定
するための持続時間KVCONAVを経過したことが第1計時
手段119に対応するSC9により計時されたことを条
件に車速一定走行を判定する図10の車速一定走行判定
手段120に相当し、SC11およびSC12が、当初
の車速一定走行判定時において車速一定走行時間T
VCONSTを決定するとともに、第2計時手段121に対応
するSC10によって計時される計時時間KVCON毎の所
定の起動周期毎にも車速一定走行時間TVCONSTを決定す
る図10の車速一定走行時間決定手段122に対応して
いる。これにより、車速一定走行完了時において運転指
向の推定演算の指令を出す場合に比較して、推定の遅れ
が大幅に改善される。
【0085】また、上記の車速一定走行が終了したとき
でも、その車速一定走行が終了してから上記所定の周期
に相当する時間が経過すると、SC7の判断が肯定され
且つSC8に続くSC9の判断が肯定されるので、車速
一定走行時間TVCONSTが決定されるとともに推定許可フ
ラグXNNCAL の内容が「1」にセットされる利点があ
る。このため、SC4による車速一定走行後にも上記周
期的な運転指向推定演算の許可が1回だけ出力されるこ
とを可能としている。
【0086】惰行走行時間TCOAST を算出する図18の
ルーチンは、たとえばスロットルセンサ70内のアイド
ルスイッチがオン状態であり且つブレーキスイッチ84
がオフ状態である惰行状態が検出されている間であって
惰行走行時間計時タイマCIL ONの計時作動中に開始させ
られる。図18のSD1では、たとえばスロットル弁開
度TAが零であるときに車速Vが正の値を示すことなど
に基づいて車両の惰行走行であるか否かが判断される。
このSD1の判断が否定された場合は、加速走行あるい
は減速走行など惰行走行の終了した状態であるので、S
D2において起動タイマCILON2 が停止させられた後、
SD5以下が実行される。加速走行では惰行走行時間計
時タイマCILONが停止させられていてそのSD5の判断
が否定されて本ルーチンが終了させられる。
【0087】上記SD1の判断が肯定された場合は、S
D3において、起動タイマCILON2の内容が予め設定さ
れた判断基準値KILONよりも小さいか否かが判断され
る。この判断基準値KILONは、惰行走行中における運転
指向推定演算の起動周期に相当する値であり、たとえば
1秒程度の値が用いられる。このSD3の判断が肯定さ
れた場合は本ルーチンが終了させられるが、否定された
場合は、SD4において起動タイマCILON2 が再スター
トさせられた後、SD5において、スロットルセンサ7
0内のアイドルスイッチがオンおよびブレーキスイッチ
84がオフ状態である惰行状態が検出されている間は計
時作動させられる惰行走行時間計時タイマCILONの内容
が予め設定された判断基準値KAVEILON 以上となったか
否かが判断される。この判断基準値KAVEILON は、当初
惰行走行を判定するための惰行状態の持続時間であり、
たとえば1.3秒程度の値が用いられる。
【0088】上記SD5の判断が否定された場合は、惰
行走行とは判断できない程度の状態であるので本ルーチ
ンが終了させられるが、肯定された場合は、SD6にお
いて惰行走行時間計時タイマCILONの内容が予め設定さ
れた判断基準値KILON2 より小さいか否かが判断され
る。この判断基準値KILON2 は、惰行走行時間計時タイ
マCILONの上限ガード値であり、たとえば16秒程度の
値に設定される。このSD6の判断が肯定された場合
は、SD7において、惰行走行時間TC0AST を示す惰行
走行時間計時タイマCILONの内容がニューラルネットワ
ークNNへの入力信号を記憶させるための所定の記憶場
所EVENT9に記憶されるが、否定された場合は、SD8に
おいて、惰行走行時間TC0AST の最大制限値を示す上記
上限ガード値KILON2 が上記所定の記憶場所EVENT9に記
憶される。
【0089】次いで、SD9において、推定許可フラグ
NNCAL の内容が「1」にセットされる。そして、SD
10では、起動タイマCILON2 が停止させられているか
否かが判断される。このSD10の判断が否定された場
合は本ルーチンが終了させられるが、肯定された場合
は、SD11において惰行走行時間計時タイマCILON
計時作動も停止させられる。
【0090】上述のように、前記惰行走行時間算出手段
98dが図18のルーチンで構成される場合において
は、SD1およびSD5が、走行中のスロットル弁開度
TAが零となるなどの状態が所定時間KAVEILON 持続し
たことなどに基づいて車両の惰行走行を判定する図11
の惰行走行判定手段124に対応し、SD7およびSD
8が、その惰行走行判定手段124によって惰行走行が
判定された状態で第3計時手段125に対応するSD3
により計時される起動周期の経過毎に惰行走行時間T
COAST を繰り返し決定する惰行走行時間決定手段126
に対応している。これにより、車両の惰行走行中でも、
1秒程度の判断基準値KILONで定められる所定の起動周
期毎に惰行走行時間TC0AST が決定されるとともに推定
許可フラグX NNCAL の内容が「1」にセットされるの
で、運転指向の推定演算がその所定の周期毎に実行され
て高い応答性が得られる。
【0091】車両の制動操作時の最大減速度GNMAXを算
出する図19のルーチンにおいて、SE1では、ブレー
キ操作開始時の車速VBKが予め設定された車速下限値K
BKST 1 よりも大きいか否かが判断される。また、このS
E1の判断が肯定された場合には、SE2においてブレ
ーキ操作開始時の車速VBKが予め設定された車速上限値
BKST2 よりも低いか否かが判断される。上記車速下限
値KBKST1 および車速上限値KBKST2 は、制動時の最大
減速度GNMAXを算出する車速範囲を設定するための下限
値および上限値であって、たとえば25km/h程度の値お
よび185km/h程度の値がそれぞれ用いられる。
【0092】上記SE1およびSE2の判断のいずれか
が否定された場合は本ルーチンが終了させられるが、双
方の判断が肯定された場合には、SE3において、車速
センサ76から検出されるパルス間隔の変化から演算さ
れた車両の前後加速度NOGBWが零値以上であるか否かが
判断される。このSE3の判断が肯定された場合は、制
動による減速が発生していない状態であるので本ルーチ
ンが終了させられるが、否定された場合は、前後加速度
NOGBW が負の値であって制動による減速作用が発生して
いる状態であるので、制動操作時の最大減速度GNMAX
算出するSE4以下が実行される。
【0093】SE4では、上記車両の前後加速度NOGBW
が制動期間の最大値を記憶させる記憶場所MAXBKG内の値
よりも小さいか否かが判断される。この記憶場所MAXBKG
内の値は制動操作開始した瞬間に零値にセットされてい
る。通常は、前後加速度NOGBW は負の側へ大きくなって
いるので、上記SE4の判断が肯定されてSE5におい
て記憶場所MAXBKG内の値が新たな前後加速度NOGBW に更
新される。これにより、記憶場所MAXBKG内の値は最も大
きな負の値が記憶されることになる。そして、SE6に
おいて起動タイマCBKがスタートさせられた後、SE7
において比較的強い制動操作を示すフラグXBKGSM の内
容が「1」であるか否かが判断される。
【0094】当初は上記SE7の判断が否定されるの
で、SE8において車両の前後加速度NOGBW が予め設定
された判断基準値KSPBKG よりも大きいか否かが判断さ
れる。この判断基準値KSPBKG は、運転(加速)指向の
推定に影響する比較的強いブレーキ操作を判定するため
の負の値であり、予め実験的に求められる。比較的弱い
制動操作の場合は、上記SE8の判断が肯定されるが、
比較的強い制動操作の場合は上記SE8の判断が否定さ
れるので、SE9において強いブレーキ操作を示すフラ
グXBKGSM の内容が「1」にセットされる。そして、S
E10において、記憶場所MAXBKG内の値が予め設定され
た判断基準値KBKGAVE以下であるか否かが判断される。
この判断基準値KBKGAVEは、運転指向を判断するのに必
要な比較的強い制動を判定するために上記判断基準値K
SPBKG よりも小さい値すなわち正側の値に設定された値
であり、予め実験的に求められる。そして、上記SE1
0の判断が否定された場合は本ルーチンが終了させられ
るが、肯定された場合は、SE11において、制動時最
大減速度GNMAXを示す記憶場所MAXBKG内の値がニューラ
ルネットワークNNへの入力信号を記憶させるための所
定の記憶場所EVENT10に記憶されるとともに、推定許可
フラグXNNCAL の内容が「1」にセットされる。
【0095】上記のようにしてフラグXBKGSM の内容が
「1」に一旦セットされると、次回のサイクルにおける
SE7の判断が肯定されるので、前後加速度NOGBW が記
憶場所MAXBKG内の値以上(減速度が同等以下)とならな
い限り、SE8やSE11が実行されることがない。こ
のため、上記のステップが繰り返し実行されるうち、前
後加速度NOGBW が記憶場所MAXBKG内の値以上となると、
前記SE4の判断が否定されるので、SE12におい
て、前後加速度NOGBW が記憶場所MAXBKG内の値すなわち
それまでの最大減速度と同じであるか否かが判断され
る。
【0096】上記前後加速度NOGBW が記憶場所MAXBKG内
の値と同じである場合には上記SE12の判断が肯定さ
れるので、SE13において起動タイマCBKの内容が予
め設定された設定値KBKCON 以上となったか否かが判断
される。この設定値KBKCONは、前後加速度NOGBW が一
旦判断基準値KSPBKG を越えた場合にはそれよりも小さ
い判断基準値KBKGAVEより小さくならない範囲であって
今回の前後加速度NOGBW が前回の減速度の最大値MAXBKG
より予め設定されたヒステリシス値KBKGHYS(正の値)
以内である間は、運転指向の応答性を高めるために繰り
返し運転指向推定許可を出す周期であり、たとえば0.
2秒程度の値が用いられる。
【0097】上記SE13の判断が否定された場合は、
未だ周期に到達しない状態であるので、SE14におい
てブレーキがオフ状態とされたか否かが判断される。こ
のSE14の判断が否定された場合はブレーキ中である
ので、本ルーチンが終了させられた後、以上のステップ
が繰り返される。このようにステップが繰り返されるう
ち、上記SE13の判断が肯定されると、SE15にお
いて起動タイマCBKがスタートさせられるとともに、前
記SE10以下が実行される。すなわち、記憶場所MAXB
KG内の値が予め設定された判断基準値KBKGAVE以下であ
る場合は、記憶場所MAXBKG内の値が制動時最大減速度G
NMAXとして記憶されるとともに、推定許可フラグX
NNCAL の内容が「1」にセットされる。
【0098】前後加速度NOGBW が記憶場所MAXBKG内の値
と同じでない場合すなわち前後加速度NOGBW が小さくな
った場合には上記SE12の判断が否定されるので、S
E16において、前後加速度NOGBW から予め設定された
ヒステリシス値KBKGHYS(正の値)を差し引いた値がそ
れまでに記憶された減速度の最大値MAXBKG以下であるか
否か、すなわち前後加速度NOGBW が最大値MAXBKGよりも
ヒステリシス値KBKGH YS以上小さくなったか否かが判断
される。このSE16の判断が否定されると、未だ前後
加速度NOGBW が最大値MAXBKGからそれほど小さくなって
いない状態であるので、SE18においてタイマCBK
停止しているか否かが判断される。そのSE18の判断
が否定された場合は、SE19においてタイマCBKが停
止させられ且つ強いブレーキ操作を示すフラグXBKGSM
の内容が「0」にリセットされた後、前記SE10以下
が実行されて最大減速度MAXBKGが記憶されるとともに、
推定許可フラグXNNCAL が「1」にセットされる。
【0099】しかし、上記SE18の判断が肯定された
場合は本ルーチンが終了させられる。そして、上記のス
テップが繰り返し実行されるうち、SE16の判断が肯
定されると、SE17においてタイマCBKが停止してい
るか否かが判断される。このSE17の判断が否定され
た場合は、前記SE13以下が実行され、起動タイマC
BKによって起動周期KBKCON の到来が決定される毎に、
前記SE10以下が実行されて最大減速度MAXBKGが記憶
されるとともに、推定許可フラグXNNCAL が「1」にセ
ットされる。しかし、上記SE17の判断が肯定された
場合は本ルーチンが終了させられる。
【0100】図27に示す点は、上記図19の作動によ
り最大減速度MAXBKGが記憶され且つ推定許可フラグX
NNCAL が「1」にセットされる時点を示している。本実
施例によれば、上記前後加速度NOGBW の大きさが一旦判
断基準値KSPBKG を越えた場合には、それよりも小さい
値に設定された判断基準KBKGAVEより小さくならない範
囲であって今回サイクルの前後加速度NOGBW が前回の減
速度の最大値MAXBKGより予め設定されたヒステリシス値
BKGHYS(正の値)以内である間は、0.2秒程度に設
定された起動周期KBKCON 毎に最大減速度MAXBKGが記憶
され且つ推定許可フラグXNNCAL が「1」にセットされ
て、運転指向の推定が許可されるので、運転指向の推定
結果を得るための応答性が好適に得られる利点がある。
【0101】車両の制動時の最大減速度GNMAXを算出す
る制動時最大減速度算出手段98cに対応する上記図1
9のルーチンでは、車両の制動中において負側へ増加す
る前後加速度NOGBW を逐次記憶して更新するSE5が図
12の制動時最大減速度更新手段130に対応し、SE
11が、その前後加速度NOGBW が予め設定された判断基
準値KSPBKG よりも小さい場合には上記制動時最大減速
度更新手段130により記憶された値NOGBW を制動時最
大減速度MAXBKGすなわちGNMAXとして決定し、その後の
前後加速度NOGBW (負)がその制動時最大減速度MAXBKG
と等しい場合或いはその制動時最大減速度MAXBKGよりも
大きく(零側)てもその制動時最大減速度MAXBKGより所
定値KBKGHYS以上離れない場合は、第4計時手段131
により計時された所定時間KBKCON 毎に前述の如く決定
された値(判断基準値KSPBKG より小さい値として最初
に決定された値)を制動時最大減速度MAXBKGとして周期
的に決定する制動時最大減速度決定手段132に対応し
ている。
【0102】前記入力信号区間最大値算出手段98fに
対応する図20乃至図23では、たとえば3秒程度の所
定区間毎にその区間内における各センサからの入力信号
のうちの区間最大値すなわちスロットル開度TAmaxt
車速Vmaxt、エンジン回転速度NEmaxt 、前後加速度NO
GBW maxt( GNMAXt )などの複数種類の運転操作関連変
数が算出される。先ず、図20のSF1では、スロット
ル弁開度TAおよびエンジン回転速度NE が読み込まれ
て所定の記憶場所INPVAL1 、INPVAL2 にそれぞれ記憶さ
れる。次いで、SF2では、自動変速機14の実際の変
速段SHIFT1が変速判断によって要求されているSHIFT 以
下であるか否かが判断される。
【0103】上記SF2の判断が肯定された場合は、ア
ップシフト変速或いは変速なしの状態であるので、SF
3において、そのときの実際の変速段SHIFT1と変速判断
によって要求されているSHIFT とが同じであるか否かが
判断される。このSF3の判断が肯定された場合は変速
なしの状態であるので、SF4においてアップシフトフ
ラグXPTUPの内容が「0」にクリアされた後、SF5に
おいて、アップシフト判断時から所定期間計時作動させ
るタイマCGMCAN が停止しているか否かが判断される。
このSF5の判断が肯定された場合は、ダウンシフト変
速の直後ではないので、SE7においてタイマCGMCAN
が停止させられ且つ上記アップシフトフラグXPTUPの内
容が「0」にクリアされた後、SF8において所定区間
内の最大減速度GNMAXt を示す前後加速度NOGBW (絶対
値)が算出されるとともに所定の記憶場所INPVAL3 にそ
れぞれ記憶され、SF13以下が実行される。
【0104】しかし、上記SF5の判断が否定された場
合は、アップシフト時或いは降坂制御の4→3ダウンシ
フト時の期間だけ計時作動させるタイマCGMCAN が停止
していない状態すなわちアップシフト変速直後の状態あ
るので、SF6においてタイマCGMCAN の計時内容が予
め設定された判断基準値KGMCAN 以下であるか否かが判
断される。この判断基準値KGMCAN は、変速期間内を判
断するためにその期間よりも大きく設定された値であ
り、たとえば1.5秒程度の値が用いられる。このSF
6の判断が否定された場合は、変速期間中ではないた
め、上記SF7およびSF8が実行されて前後加速度NO
GBW が記憶されるが、SF6の判断が肯定された場合
は、変速期間中であるため運転者の指向に関係なく変速
に関連して発生する前後加速度NOGBW を記憶させないよ
うに、SF8を実行させないで、SF13以下が実行さ
れる。
【0105】また、前記SF2の判断が否定された場合
は、ダウンシフト判断の状態であって降坂制御の4→3
変速時の前後加速度NOGBW が記憶されないようにSF9
においてブレーキ操作中であるか否かが判断される。こ
のSF9の判断が否定された場合は、降坂制御の4→3
変速状態が発生する状態ではないので、上記SF7以下
が実行される。しかし、上記SF9の判断が肯定された
場合は、SF10においてタイマCGMCAN が停止してい
るか否かが判断される。このSF10の判断が否定され
た場合は、SF11においてアップシフトフラグXPTUP
の内容が「1」であるか否かが判断されるが、肯定され
た場合は、SF12においてタイマCGM CAN がスタート
させられ且つアップシフトフラグXPTUPの内容が「1」
にセットされる。ブレーキ中のダウンシフトすなわち降
坂制御のダウンシフトでは上記SF11の判断が否定さ
れるので、SF12においてタイマCGMCAN がスタート
させられ且つアップシフトフラグXPTUPの内容が「1」
にセットされるが、アップシフトでは上記SF11の判
断が肯定されてSF6以下が実行される。また、アップ
シフト要求状態では、前記SF3の判断が否定されるの
で、上記SF10以下が実行される。
【0106】これにより、アップシフト変速と降坂制御
で行われるブレーキ操作中のダウンシフト変速に際して
は、運転指向とは無関係に生じるものであるため、前後
加速度NOGBW が記憶されない。すなわち、本実施例で
は、SF3、SF6、およびSF9が、アップシフト変
速時および降坂制御で行われるブレーキ操作中のダウン
シフト変速時においては前後加速度NOGBW を記憶させな
いために入力を禁止する図13の前後加速度入力禁止手
段137に対応している。
【0107】以上のようにして前後加速度NOGBW を記憶
させるためのステップが実行されると、SF13におい
て、シフトレバーがNレンジへ操作されているか否かが
判断される。このSF13の判断が肯定された場合は、
図21のSF17において、前記記憶場所INPVAL1 、IN
PVAL2 、INPVAL3 に記憶されたスロットル弁開度TA、
エンジン回転速度NE 、前後加速度NOGBW や、アクセル
戻し速度DECTA、実際の変速段SHIFT1が所定の記憶場所
EVENT1、EVENT2、EVENT3、EVENT4、EVENT5にそれぞれ記
憶されるとともに、発進フラグXPTSTが「0」にクリア
され、区間タイマCMAX3がスタートさせられる。
【0108】しかし、上記SF13の判断が否定された
場合は、シフトレバーが車両の前進走行のためのD、
2、Lレンジのいずれかへ操作されている状態であるの
で、図21のSF14において発進のための発進フラグ
PTSTの内容が「1」であるか否かが判断される。この
SF14の判断が肯定された場合は、SF15において
車速Vが予め設定された判断基準値KSTART 以上である
か否かが判断される。この判断基準値KSTART は、車両
の発進時であるか否かを判断するための値であり、たと
えば10km/h程度の値が用いられる。このSF15の判
断が否定された場合は低速状態であるので本ルーチンが
終了させられるが、肯定された場合は、発進時において
10km/hを越えた状態であるのでSF16において推定
許可フラグXNNCAL の内容が「1」にセットされた後、
上記SF17が実行されることにより各入力信号が初期
的に記憶される。
【0109】しかし、上記SF14の判断が否定された
場合は、発進状態ではないので、SF18において、前
記アクセルペダル踏み込み時の最大スロットル開度変化
率A CCMAX が前記SB16により既に記憶されて零では
ないか否かが判断される。このSF18の判断が否定さ
れた場合は、アクセルペダル58の踏み込みのない状態
であるので、SF19において区間タイマCMAX3が停止
中であるか否かが判断され、この判断が肯定されると、
SF20において区間タイマCMAX3がスタートさせられ
る。この区間タイマCMAX3は、入力信号の最大値を求め
る区間を計時するためのものである。
【0110】次いで、SF20において区間タイマC
MAX3がスタートさせられた後、SF21において、アク
セル戻し速度抽出ルーチンによりアクセル戻し速度D
ECTAが求められる。しかし、アクセルペダル58の踏み
込みのある状態では上記SF18の判断が肯定されるの
で、上記SF20が直接的に実行される。また、区間タ
イマCMAX3が計時作動中であるため上記SF19の判断
が否定される場合は、上記SF21が直接的に実行され
る。
【0111】続くSF22では、アクセルペダル58を
所定速度で戻したり或いは減速度が所定以上のような過
渡的操作状態では所定区間内の入力信号の最大値を求め
る作動を保留させるための保留フラグXMODFの内容が
「1」であるか否かが判断される。当初はSF22の判
断が否定されるので、SF23において加速(スポー
ツ)指向を示すフラグXSPORT の内容が「1」であるか
否かが判断される。このSF23の判断が否定された場
合は運転が中間指向側であって過渡的操作状態が行われ
ないので、図22のSF30以下が実行されるが、肯定
された場合は、運転が加速指向側であるので、過渡操作
状態であるか否かを判断するためのSF24、SF2
5、SF26が実行される。
【0112】すなわち、SF24では、アクセル戻し速
度DECTAが予め設定された判断基準値KDTAMX よりも小
さいか否かが判断される。この判断基準値KDTAMX は、
アクセル戻しが速やかに行われたか否かを判断するため
の値であり、たとえば13%程度の値が用いられる。こ
のSF24の判断が肯定された場合は、SF25におい
て、前記記憶場所MAXBKG内の値すなわちブレーキ操作時
の前後加速度の最大値(極値)MAXBKGが予め設定された
判断基準値KSPBKG 以下であるか否かが判断される。こ
の判断基準値KSPBKG は前記SE8において用いられた
ものであり、比較的大きな前後加速度であることを判断
するための値である。上記SF25の判断が否定された
場合は、アクセル戻しが比較的緩やかに行われ、且つ前
後加速度が比較的小さい状態であるので、図22のSF
30以下が実行されるが、肯定された場合は、戻し速度
が比較的緩やかであっても前後加速度が比較的大きい状
態であるので、SF27において上記保留フラグXMODF
の内容が「1」にセットされる。
【0113】また、上記SF24の判断が否定された場
合は、SF26において、チップインフラグXCHIPIN
内容が「1」にセットされているか否かが判断される。
このSF26の判断が肯定された場合は、アクセルペダ
ル58のチップイン操作によってアクセル戻し速度が比
較的速やかとなった状態であるので、図22のSF30
以下が実行されるが、否定された場合は、チップイン操
作のない状態でアクセル戻し速度が比較的速やかとなっ
た場合であるので、SF27において上記フラグXMODF
の内容が「1」にセットされる。
【0114】上記のようにして保留フラグXMODFの内容
が「1」にセットされると、次のサイクルのSF22の
判断が肯定されるので、SF28において、アクセル踏
込速度に対応するACCTAが予め設定された判断基準値K
ACCTASより大きいか否かが判断される。この判断基準値
ACCTASは、アクセルペダル58の再踏込操作を判断す
るためのものであり、たとえば3%程度の値が用いられ
る。このSF28の判断が肯定された場合は、SF29
において、上記保留フラグXMODFと保留させる回数を示
す値NMODFの内容が「0」にクリアされた後、SF30
以下が実行されるが、SF28の判断が否定された場合
は、直接的にSF30以下が実行される。すなわち、保
留フラグXMODFが「1」にセットされている状態では、
アクセルペダル58の再踏込操作が行われる毎に、保留
フラグXMODFと保留させる回数を示す値NMODFの内容が
「0」にクリアされて、保留が解除されるのである。
【0115】上記のように、アクセルペダル58の急開
閉(チップイン)操作ではないときのアクセル戻し速度
ECTAが所定値KDTAMX 以上であるとき(SF24、S
F26)、および、アクセル戻し速度DECTAが所定値K
DTAMX より小であるがブレーキ操作時の減速度(前後加
速度NOGBW の最大値MAXBKG)が所定値KSPBKG 以下であ
って、コーナ前と考えられるとき(SF25)には、前
回の3秒間の最大値を保留させるために保留フラグX
MODFがセットされるので、一時的に低下する所定区間内
入力信号の最大値により運転指向の推定値が減少するこ
とが好適に抑制される。加速(スポーツ)指向走行時の
コーナ前やコーナ中では、運転操作を見る限りでは燃費
指向と殆ど差はなく、コーナ判定を行うための情報(車
輪速度、舵角、横方向加速度、ヨーレートなど)が得ら
れない本制御では、燃費指向と推定されるおそれがある
からである。本実施例では、上記SF24、SF25、
SF26が、車両の旋回を判定する図13の車両旋回判
定手段138に対応し、車両の旋回が判定されたときに
保留フラグXMODFをセットする上記SF27、および保
留フラグXMODFがセットされているときに記憶場所EVEN
T i への区間最大値の記憶を阻止するSF48が、車両
旋回判定中は入力信号の区間最大値のニューラルネット
ワークNNへの出力を保留させる図13の最大値保留手
段139に対応している。
【0116】また、本実施例では、上記保留フラグX
MODFがセットされたとき、アクセルペダル58が再操作
されたことが判断される(SF28)と、その保留フラ
グXMO DFがクリアされる(SF29)ことにより、上記
前回の3秒間区間の最大値の出力を保留させることが解
除される。アクセルペダル58の再操作時の入力信号の
最大値は大きいほど加速指向を意味するから、このよう
な情報をニューラルネットワークNNに入力させること
により、運転指向推定値の信頼性が高められる。本実施
例では、上記SF28、SF29が、アクセルペダル5
8の再操作時においては区間(3秒間)最大値の出力を
解除する図13の保留解除手段141に対応している。
【0117】図22のSF30では制動操作中であるか
否かが判断される。このSF30の判断が否定された場
合は、SF31においてブレーキ操作中における減速度
の最大値MAXBKGが零とされた後にSF32以下が実行さ
れるが、肯定された場合は、直接的にSF32以下が実
行される。SF32乃至SF39は、たとえば記憶場所
INPVAL1 、INPVAL2 、INPVAL3 にそれぞれ記憶されたス
ロットル弁開度TA、エンジン回転速度NE 、前後加速
度NOGBW について、所定区間(3秒間)内における最大
値を決定するなどのために、所定回数(KMAXNUM−1)
すなわち本実施例では3回だけ繰り返されるループ状ル
ーチンである。
【0118】このSF32乃至SF39のループ状ルー
チンでは、SF32において繰返し回数iとして「1」
が設定されると、SF38においてその繰返し回数iに
「1」が加算され、SF39において繰返し回数iが所
定回数(KMAXNUM−1)と判断されるまで、すなわちK
MAXNUM=4と設定されているから「3」と判断されるま
でSF33乃至SF39が繰り返し実行される。先ず、
SF33においてチップインフラグXCHIPINの内容が
「1」であるか否かが判断され、この判断が肯定された
場合は、アクセルペダル58が短時間内に急開閉操作さ
れた状態であるので、このようなときの最大値を記憶さ
せないためにSF34の実行が回避される。
【0119】上記SF33の判断が否定された場合は、
アクセルペダル58の短時間内の急開閉操作が行われて
いない状態であるので、SF34において、記憶場所IN
PVAL i に記憶された入力信号値が所定区間内の最大値を
記憶させるための記憶場所MAXVALi 内に記憶された信号
値以下であるか否かが判断される。これにより、新たに
読み込まれてINPVAL1 、INPVAL2 、INPVAL3 にそれぞれ
記憶されたスロットル弁開度TA、エンジン回転速度N
E 、前後加速度NOGBW が記憶場所MAXVAL1 、MAXVAL2
MAXVAL3 にそれまでに記憶された値より大であるか否か
が判断される。このSF34の判断が肯定された場合に
は、SF35において、そのときの入力信号値がそれに
該当する記憶場所MAXVALi 内に記憶される。そして、所
定区間内においてルーチンが繰り返されることにより、
各記憶場所MAXVAL1 、MAXVAL2 、MAXVAL3 には、所定区
間内の最大値すなわちスロットル弁開度TAmaxt、エン
ジン回転速度NEmaxt 、前後加速度NOGBW の最大値(最
大減速度GNMAXt )が記憶される。本実施例では、上記
SF34およびSF35が、図13のスロットル弁開度
区間最大値更新手段134、エンジン回転速度区間最大
値更新手段135、前後加速度区間最大値更新手段13
6にそれぞれ対応している。
【0120】上記SF32乃至SF39のループ状ルー
チンにおいて、SF36は、繰返し回数iが2であると
きすなわちエンジン回転速度NE が最大となるときに、
SF37において変速段SHIFT1を記憶場所MAXVAL5 に記
憶させるためのものである。
【0121】上記ループ状ルーチンに続いて、SF40
では、区間タイマCMAX3の内容が予め設定された設定区
間KMAX3よりも小さいか否かが判断される。この設定区
間K MAX3は、ニューラルネットワークNNに運転指向の
推定を十分な応答性を以て実行させるために入力信号の
最大値を繰り返し求めるための区間であり、たとえば3
秒程度の値に設定される。上記SF40の判断が肯定さ
れた場合には、設定区間が未だ満了していないので、本
ルーチンが終了させられる。しかし、上記SF40の判
定が否定された場合は、SF41以下が実行される。
【0122】SF41では、加速(スポーツ)指向を示
すフラグXSPORT の内容が「1」であるか否かが判断さ
れる。このSF41の判断が否定された場合は通常指向
であって通常指向変速線図が選択される走行状態である
ので、SF42においてブレーキ操作中であるか否かが
判断される。このSF42の判断が肯定された場合は、
SF43において前後加速度NOGBW が予め設定された判
断基準値KAVEBKG(負の値)より低い値であるか否かが
判断される。このSF43の判断が肯定された場合は、
比較的強いブレーキ操作があった状態であるので、後述
のSF46以下が実行されるが、否定された場合は、比
較的弱いブレーキ操作であるので、SF45において区
間内の最大値を記憶する記憶場所MAXVAL1 乃至 MAXVAL5
の内容がクリアされた後、SF60において区間タイマ
MAX3が再起動させられる。また、前記SF42の判断
が否定された場合は、SF44においてアクル戻し操作
が行われているか否かが判断される。このSF44の判
断が否定された場合は、非制動操作での走行中であるの
で、後述のSF46以下が実行されるが、肯定された場
合は、アクセルの戻し操作が行われた状態であるので、
SF45において区間内の最大値を記憶する記憶場所MA
XVAL1 乃至 MAXVAL5の内容がクリアされた後、SF60
において区間タイマCMAX3が再起動させられる。すなわ
ち、設定区間の経過が満了したときに、中間指向であっ
て比較的弱い制動操作が行われたとき或いはアクセル戻
し操作が行われたときには、ニューラルネットワークN
Nによる指向推定動作を演算させないようにされている
のである。
【0123】前記SF41の判断が肯定された場合は、
設定区間の経過が満了したときに加速指向である状態で
あるので、SF46において、保留させる回数を示す値
MO DFの内容に「1」が加算される。そして、記憶場所
MAXVALi に記憶された入力信号の最大値を、ニューラル
ネットワークNNに入力させる信号を記憶させるための
記憶場所EVENT i に記憶させるように、SF47乃至S
F56のループ状ルーチンが実行される。このSF47
乃至SF56のループ状ルーチンでは、SF47におい
て繰返し回数iとして「1」が設定されると、SF55
においてその繰返し回数iに「1」が加算され、SF5
6において繰返し回数iが所定回数KMA XNUMに到達した
と判断されるまでSF48乃至SF56が繰り返し実行
される。
【0124】先ず、SF48において保留フラグXMODF
の内容が「1」であるか否かが判断される。この判断が
否定された場合は、SF49において、アクセル踏込速
度(スロットル開度変化率)ACCTAが予め設定された判
断基準値KACCTA よりも大きいか否かが判断される。こ
の判断基準値KCCTAは、アクセルペダル58の比較的緩
やかな踏み込みでも判断するための前記KACCTASよりも
小さい値であり、たとえば1.3%程度の値が用いられ
る。上記SF49の判断が肯定された場合は、アクセル
ペダル58の再踏み込みがあった状態であるので、上記
SF48において保留フラグXMODFの内容が「1」であ
ると判定された場合と同様に、それまでにEVENT i に記
憶された記憶値よりも現在の入力信号が大きいときだけ
入力信号の区間最大値の書換えをしてEVENT i 内に記憶
されることを許可するためのSF50が実行される。
【0125】しかし、SF49の判断が否定された場合
は、アクセルペダル58の操作量がそれほど変化しない
走行であって未だコーナ走行と同様の状態であると考え
られることから、上記SF50の実行が回避され、SF
51以下が実行される。
【0126】上記SF50においては、最大値記憶場所
内の値MAXVALi がニューラル入力用記憶場所EVENT i
上であるか否かが判断され、この判断が肯定された場合
は、SF53においてMAXVALi の内容がEVENT i 内に記
憶されるともに、SF54においてMAXVALi の内容がク
リアされる。これにより、記憶場所MAXVAL1 乃至 MAXVA
L4に記憶されたスロットル弁開度TA、エンジン回転速
度NE 、前後加速度NO GBW 、アクセル戻し速度D
ECTAが、記憶場所EVENT1乃至EVENT4に記憶された値より
も大きいときだけその記憶場所EVENT1乃至EVENT4に記憶
され、ニューラルネットワークNNへ出力される。な
お、SF51において繰返し回数iが2であると判断さ
れると、SF52において、エンジン回転速度NE の最
大値の記憶と同期してMAXVAL5 に記憶された変速段SHIF
T1がEVENT5内に記憶される。
【0127】そして、SF57において、保留回数N
MODFが予め設定された判断基準値KMO DFよりも小さいか
否かが判断される。この判断基準値KMODFは、運転指向
を誤って推定し易い入力信号を保留するための保留回数
であり、たとえば「1」に設定される。上記SF57の
判断が肯定された場合は未だ保留回数が満たない状態で
あるので、SF59において推定許可フラグXNNCAL
内容が「1」にセットされた後、SF60において区間
タイマCMAX3が再起動させられる。
【0128】ここで、前記ループ状ルーチンではSF4
8において保留フラグXMOF の内容が「1」であると判
断された場合、すなわち前記SF25の判断が肯定さ
れ、或いは前記SF26の判断が否定されたような場合
には、SF48の判断が肯定されてSF50が実行され
ることから、入力信号の所定区間内の最大値がそれまで
に記憶されたEVENT i 内の値よりも大きい場合のみその
EVENT i 内の値が更新され、入力信号の所定区間内の最
大値がそれまでに記憶されたEVENT i 内の値よりも小さ
い場合には更新されない本実施例では、そのSF50が
図13の保留中更新手段140に対応している。
【0129】また、本実施例では、アクセルペダル58
の急開閉(チップイン)操作が発生していないときだけ
(SF33)、SF35において入力信号の区間最大値
の更新が行われるので、チップイン操作時の入力信号に
基づく運転指向の推定が防止され、運転指向の推定精度
が高められる。本実施例では、SF33が図13のチッ
プイン判定手段142に対応している。
【0130】図24は、最大車速算出手段98gに対応
するルーチンを示している。図24のSG1では、所定
のサンプリング周期で入力される車速Vが所定の記憶場
所に記憶された最大車速Vmax (当初は「0」)以上で
あるか否かが判断される。このSG1の判断が否定され
た場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定された場
合はSG2において新たな車速Vが最大車速Vmax とし
て記憶される。これにより、走行の開始以後における車
速の最大値Vmax が決定される。
【0131】図28は、前記図6の変速線図切換手段9
2に対応する変速線図切換ルーチンを示している。図2
8において、SH1では、加速指向フラグXSPORT の内
容が「1」であるか否かが判断される。このSH1の判
断が肯定された場合は、SH2において、たとえば図3
に示す加速指向の変速線図が選択されるが、否定された
場合は、SH3において、中間指向フラグXNORMの内容
が「1」であるか否かが判断される。このSH3の判断
が肯定された場合は、SH4において、たとえば図4の
中間指向の変速線図が選択されるが、否定された場合
は、SH5において燃費指向フラグXECO の内容が
「1」であるか否かが判断される。このSH5の判断が
肯定された場合は、SH6においてたとえば図5の燃費
指向の変速線図が選択されるが、否定された場合は本ル
ーチンが終了させられる。
【0132】図29は、前記図6の最高速ギヤ段禁止手
段93に対応する最高速ギヤ段禁止ルーチンを示してい
る。図29において、SI1ではシフトレバー78がD
レンジへ操作されているか否かが判断される。このSI
1の判断が否定された場合には、SI1において、シフ
トレバー78がDレンジよりも1段下のエンジンブレー
キレンジへ操作されているか否かが判断される。このD
レンジよりも1段下のエンジンブレーキレンジは、自動
変速機14が4速ギヤ段を備えたものである場合は、3
レンジであり、自動変速機14が5速ギヤ段を備えたも
のである場合は、4レンジである。
【0133】上記SI2の判断が肯定された場合は、シ
フトレバー78がDレンジよりも1段下のエンジンブレ
ーキレンジからDレンジへ操作されたときの最高速ギヤ
段へのシフトが可能となるように、SI9において最高
速ギヤ段が許可される。しかし、上記SI2の判断が否
定された場合は、シフトレバー78が自動変速機14が
5速ギヤ段を備えたものである場合には3、2、Lレン
ジ、自動変速機14が4速ギヤ段を備えたものである場
合には2、Lレンジの状態であるので、最高速ギヤ段が
許可されることなく、本ルーチンが終了させられる。
【0134】前記SI1の判断が肯定された場合には、
SI3において登坂制御中であるか否かが判断され、そ
のSI3の判断が否定された場合にはSI4において降
坂制御中であるか否かが判断され、そのSI4の判断が
否定された場合にはSI5において加速指向であるか否
かすなわちニューラルネットワークNNの出力信号NN
OUT が大であるときにセットされる加速指向を示すフラ
グXSPORT の内容が「1」であるか否かが判断される。
上記登坂制御および降坂制御は、実際のスロットル弁開
度TAおよび車速Vから求められる平坦路面での基準加
速力に対して実際の車両加速力が大きいか或いは小さい
かに従ってよく知られたルーチンによって判断される。
【0135】車両の駆動力或いはエンジンブレーキ力を
得るために登坂制御中或いは降坂制御中である場合は、
上記SI3或いはSI4の判断が肯定されるので、SI
6において最高速ギヤ段が禁止される。また、ニューラ
ルネットワークNNの出力信号NNOUT が大であって加
速指向を示すフラグXSPORT の内容が「1」である場合
は、上記SI5の判断が肯定されるので、SI6におい
て最高速ギヤ段が禁止される。この最高速ギヤ段の禁止
は、たとえば、自動変速機14が前進4段である場合に
は変速制御に用いられる変速線図に含まれる3→4シフ
トアップ線が除去され、自動変速機14が前進5段であ
る場合には変速制御に用いられる変速線図に含まれる4
→5シフトアップ線が除去されることにより行われる。
【0136】しかし、上記SI3、SI4、SI5の判
断がいずれも否定された場合は、車両の定常(一定車
速)走行であるか否かを判定するSI7の判断、および
ニューラルネットワークNNの出力信号NNOUT がたと
えば中間指向に対応する所定値K以下であるか否かを判
定するSI8の判断がそれぞれ肯定されることを条件と
して、SI9において最高速ギヤ段が許可されることに
よりSI6の最高速ギヤ段の禁止が解除される。
【0137】上述のように、本実施例によれば、出力操
作量最大値決定手段128(SB11、SB12)によ
り決定されたスロットル弁開度TAの最大値(出力操作
量の最大値)ACCMXTAとその出力操作量の最大値の発生
時点t1 から所定の時間経過後のスロットル弁開度(出
力操作量)TA3 との間の出力操作量変化分(ACCMX TA
−TA3 )が、予め設定された判断基準値KTACHIPより
も大きい場合は、推定禁止手段118(SB16、SB
18)により、運転指向推定手段100によるスロット
ル弁開度変化率(出力操作量変化率)の極大値ACCMAX
に基づく運転指向の推定が禁止される。これにより、短
時間内におけるスロットル弁の開閉操作が発生したとき
には、上記推定禁止手段100により運転指向推定手段
による運転指向の推定が禁止されるが、出力操作量変化
分(ACCMXTA−TA3 )が予め設定された判断基準値K
TACHIP以下の場合は、運転指向推定手段100による出
力操作量変化率極大値に基づく運転指向の推定が許容さ
れるので、より正確に運転指向を推定できる。すなわ
ち、一時的な急開閉操作(所謂チップイン操作)時を除
く出力操作量の変化率の極大に基づいて運転指向が推定
されるので、運転指向の推定結果の信頼性が高められる
利点がある。
【0138】また、本実施例によれば、スロットル弁開
度変化率極大値更新手段(出力操作量変化率極値決定手
段)114により出力操作量変化率の極大値ACCMAX
決定されてから所定の時間T1 +T2 が経過したときの
出力操作量TAに基づいて、加速操作末期の出力操作量
TA3 を決定する加速操作末期出力操作量決定手段11
7が備えられ、前記推定禁止手段118は、出力操作量
最大値決定手段128により決定された出力操作量の最
大値ACCMXTAと上記加速操作末期の出力操作量TA3
の差(ACCMXTA−TA3 )を上記出力操作変化分(A
CCMXTA−TA3 )として算出するものであることから、
チップイン操作が正確に判定される。
【0139】また、本実施例によれば、出力操作量最大
値決定手段128は、スロットル弁開度変化率極大値更
新手段(出力操作量変化率極値決定手段)114により
出力操作量変化率の極大値ACCMAX が決定されてから所
定の探索期間T1 が経過するまでにおいて出力操作量の
最大値ACCMXTAを探索するものである。また、上記加速
操作末期出力操作量決定手段117は、出力操作量変化
率の極大値ACCMAX が決定されてから出力操作量最大値
決定手段128により出力操作量の最大値が決定される
までの区間T2 と、上記探索期間T1 またはその出力操
作量の変化率の極大値が決定されてからその出力操作量
変化率の極小値が決定されるまでの区間T1 とを加えた
時間が、出力操作量変化率の極大値ACCMAX が決定され
た時点から経過したときのスロットル弁開度(出力操作
量)TAを加速操作末期出力操作量TA3 として決定す
るものであることから、チップイン操作が正確に判定さ
れる。
【0140】また、本実施例の運転指向推定装置は、運
転指向を反映する運転操作に密接に関連する複数種類の
運転操作関連変数、すなわち、車両発進時のスロットル
弁開度TAST、加速操作時の出力操作量の最大変化率す
なわちスロットル弁開度の最大変化率(すなわち変化率
の極大値)ACCMAX 、車両の制動操作時の最大減速度G
NMAX、車両の惰行走行時間TCOAST 、車速一定走行時間
VCONST、所定区間内において各センサから入力された
信号の3秒程度の所定区間内の区間最大値、運転開始以
後における最大車速Vmax などをそれぞれ算出する運転
操作関連変数算出手段(前処理手段)98を備え、運転
指向推定手段100は、その運転操作関連変数算出手段
98により算出された運転操作関連変数が入力されるニ
ューロネットワークNNを備えたものであるので、運転
指向に密接に関連した変数からより正確に運転指向を推
定することができる。
【0141】また、本実施例の自動変速機14の変速制
御装置は、前記運転指向推定手段100により推定され
た運転指向に基づいて、予め記憶された複数種類の変速
線図のうちの一つを選択する変速線図切換手段92と、
その変速線図切換手段92により選択された変速線図か
ら実際のスロットル弁開度TAおよび車速Vに基づいて
自動変速機14の変速比を変化させる変速制御手段90
とを含むので、運転指向に適したギヤ段が選択されて、
十分な加速力或いは燃費が得られる。
【0142】また、本実施例の運転指向推定手段100
は、前記運転操作関連変数算出手段98によって、車両
発進時のスロットル弁開度TAST、加速操作時の出力操
作量の最大変化率すなわちスロットル弁開度の最大変化
率(すなわち変化率の極大値)ACCMAX 、車両の制動操
作時の最大減速度GNMAX、車両の惰行走行時間
COAS T 、車速一定走行時間TVCONST、所定区間内にお
いて各センサから入力された信号の3秒程度の所定区間
内の区間最大値、運転開始以後における最大車速Vmax
のいずれか一つが算出される毎に、前記ニューラルネッ
トワークNNの出力に基づいて、車両の運転指向を推定
するものであることから、運転操作関連変数が算出され
る毎に、運転指向の推定結果が得られるので、運転指向
の推定の応答性が高められる利点がある。
【0143】以上、本発明の一実施例を示す図面に基づ
いて説明したが、本発明はその他の態様においても適用
される。
【0144】たとえば、前述の実施例の推定禁止手段1
18は、スロットル弁開度変化率の極大値(出力操作量
変化率の極大値)ACCMAX が運転指向推定手段100へ
供給されることを禁止するものであったが、所定の周期
の区間最大値としてスロットル弁開度(出力操作量)T
Aが運転指向推定手段100へ供給されることを禁止す
るものであってもよい。このようにしても、チップイン
操作に関連して発生する運転指向に関連しない運転操作
関連変数が入力されることが阻止されるので、運転指向
の推定が正確となる。要するに、運転者の癖や道路状況
により発生するチップイン操作による出力操作量の変化
は運転指向に関連しないものであることから、そのよう
な出力操作量の変化に基づく運転指向の推定が推定禁止
手段118により禁止されればよいのである。
【0145】また、前述の実施例の変速線図切換手段9
2には、加速指向、中間指向、燃費指向の3段階のフラ
グを示す信号が運転指向推定手段100から入力され、
そのフラグXSPORT 、XNORM、XECO に従って変速線図
が切り換えられていたが、運転指向を示す連続した値が
変速線図切換手段92に供給され、変速線図切換手段9
2はその値の大きさに従って変速線図を切り換えるもの
であってもよい。
【0146】また、前述の実施例の運転指向推定手段1
00のニューラルネットワークNNには、発進時のスロ
ットル弁開度TAST、アクセル踏込時の最大スロットル
弁開度変化率ACCMAX 、制動時最大減速度MAXBKG、惰行
走行時間TCOAST 、車速一定走行時間TVCONSTが入力さ
れていたが、少なくともアクセル踏込時の最大スロット
ル弁開度変化率ACCMAX が入力されるものであればよい
のである。
【0147】また、前述の実施例の運転指向推定手段1
00のニューラルネットワークNNは、入力層、中間
層、出力層からなる3層構造であったが、4層以上の階
層型であってもよいし、各神経細胞要素が相互に結合さ
れた相互結合型であっても差支えない。
【0148】また、前述の実施例では、スロットルセン
サ70からの信号を用いて、アクセルペダル58の操作
量およびスロットル弁開度TAが求められていたが、ア
クセルペダル58の操作量Accを検出するアクセルペダ
ルセンサを独立に設けることによりアクセルペダル58
の操作量を直接検出するようにしてもよい。
【0149】また、前述の実施例では、スロットル弁開
度TAおよび最大スロットル弁開度変化率ACCTA が用
いられていたが、ディーゼルエンジン搭載車のようにス
ロットル弁68が設けられていない車両などでは、それ
らスロットル弁開度TAおよび最大スロットル弁開度変
化率ACCTA に替えて、アクセルペダル操作量およびア
クセルペダル踏込速度が用いられ得る。また、スロット
ル弁68の開度がアクセルペダル操作量に応じてスロッ
トルアクチュエータにより制御されるものであってもよ
い。
【0150】また、前述の実施例の自動変速機14は所
謂A/Tとして知られる遊星歯車式の多段変速機であっ
たが、たとえば特開平2−271149号公報に記載さ
れているベルト式無段変速機であってもよい。
【0151】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の運転指向推定機能を備えた
車両用自動変速機の変速制御装置を説明する図である。
【図2】図1の自動変速機におけるギヤ段とそれを成立
させるための電磁弁或いは摩擦係合装置の作動状態との
組み合わせを示す図表である。
【図3】図1の変速制御装置において用いられる変速線
図であって、運転が加速(スポーツ)指向であると推定
されたときに選択される変速線図である。
【図4】図1の変速制御装置において用いられる変速線
図であって、運転が中間(ノーマル)指向であると推定
されたときに選択される変速線図である。
【図5】図1の変速制御装置において用いられる変速線
図であって、運転が燃費(エコノミー)指向であると推
定されたときに選択される変速線図である。
【図6】図1の電子制御装置の制御機能の要部を説明す
る機能ブロック線図である。
【図7】図6の運転指向推定部の機能を詳しく説明する
機能ブロック線図である。
【図8】図7の発進時出力操作量算出手段を詳しく説明
する図である。
【図9】図7の加速操作時の出力操作量最大変化率算出
手段を詳しく説明する図である。
【図10】図7の車速一定走行時間算出算出手段を詳し
く説明する図である。
【図11】図7の惰行走行時間算出算出手段を詳しく説
明する図である。
【図12】図7の制動時最大減速度算出手段を詳しく説
明する図である。
【図13】図7の入力信号区間最大値算出手段を詳しく
説明する図である。
【図14】図1の電子制御装置の制御作動の要部であっ
て、運転指向推定制御ルーチンを説明するフローチャー
トである。
【図15】図14の前処理ルーチンの一部を構成する、
発進時スロットル弁開度算出ルーチンを説明するフロー
チャートである。
【図16】図14の前処理ルーチンの一部を構成する、
アクセルペダル踏込時の最大スロットル弁開度変化率算
出ルーチンを説明するフローチャートである。
【図17】図14の前処理ルーチンの一部を構成する、
車速一定走行時間算出ルーチンを説明するフローチャー
トである。
【図18】図14の前処理ルーチンの一部を構成する、
惰行走行時間算出ルーチンを説明するフローチャートで
ある。
【図19】図14の前処理ルーチンの一部を構成する、
制動時最大減速度算出ルーチンを説明するフローチャー
トである。
【図20】図14の前処理ルーチンの一部を構成する、
所定区間最大値算出ルーチンを説明するフローチャート
を、図21、図22、図23とともに説明する図であ
る。
【図21】図14の前処理ルーチンの一部を構成する、
所定区間最大値算出ルーチンを説明するフローチャート
を、図20、図22、図23とともに説明する図であ
る。
【図22】図14の前処理ルーチンの一部を構成する、
所定区間最大値算出ルーチンを説明するフローチャート
を、図20、図21、図23とともに説明する図であ
る。
【図23】図14の前処理ルーチンの一部を構成する、
所定区間最大値算出ルーチンを説明するフローチャート
を、図20、図21、図22とともに説明する図であ
る。
【図24】図14の前処理ルーチンの一部を構成する、
最大車速算出ルーチンを説明するフローチャートを説明
する図である。
【図25】図16における、アクセルペダルのチップイ
ン操作のない踏み込み状態を説明するタイムチャートで
ある。
【図26】図16における、アクセルペダルのチップイ
ン操作を説明するタイムチャートである。
【図27】図19における、車両の前後加速度の更新状
態を説明するタイムチャートである。
【図28】図1の電子制御装置の制御作動の要部であっ
て、変速線図切換ルーチンを説明するフローチャートで
ある。
【図29】図1の電子制御装置の制御作動の要部であっ
て、最高速ギヤ段禁止制御ルーチンを説明するフローチ
ャートである。
【符号の説明】
14:自動変速機 58:アクセルペダル(出力操作部材) 94:運転指向推定部 98:前処理手段(運転操作関連変数算出手段) 98b:加速操作時の出力操作量最大変化率算出手段 100:運転指向推定手段 115:チップイン操作判定手段 117:加速操作末期出力操作量決定手段 118:推定禁止手段 128:出力操作量最大値決定手段 NN:ニューラルネットワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 泰也 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 大澤 正敬 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 早川 喜三郎 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 吉田 浩之 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 大嶋 満寿治 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の出力操作量に基づいて該車両の運
    転指向を推定する運転指向推定手段を備えた運転指向推
    定装置であって、 前記出力操作量の最大値を決定する出力操作量最大値決
    定手段と、 該出力操作量最大値決定手段により決定された出力操作
    量の最大値とその出力操作量の最大値の発生時点から所
    定の時間経過後の出力操作量との間の出力操作量変化分
    が予め設定された判断基準値よりも大きい場合は、前記
    運転指向推定手段による前記出力操作量に基づく運転指
    向の推定を禁止する推定禁止手段とを、含むことを特徴
    とする運転指向推定装置。
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