JPH1077284A - シクロペンテンカルボキサミド誘導体およびその製造方法、ならびに該製造方法に用いられるビシクロアミド誘導体 - Google Patents

シクロペンテンカルボキサミド誘導体およびその製造方法、ならびに該製造方法に用いられるビシクロアミド誘導体

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JPH1077284A
JPH1077284A JP8313087A JP31308796A JPH1077284A JP H1077284 A JPH1077284 A JP H1077284A JP 8313087 A JP8313087 A JP 8313087A JP 31308796 A JP31308796 A JP 31308796A JP H1077284 A JPH1077284 A JP H1077284A
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Shinya Katagiri
信弥 片桐
Chikara Kaneko
主税 金子
Junko Sato
純子 佐藤
Masahiro Torihara
正浩 鳥原
Koichi Kanehira
浩一 金平
Hironobu Tamai
洋進 玉井
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】各種カルボサイクリックヌクレオシドを工業的
に製造する上で有用な化合物およびその製造方法、なら
びに該製造方法に用いられるビシクロアミド誘導体を提
供すること。 【解決手段】一般式(I): 【化1】 (式中、R1 はアミド基の窒素原子に直接結合する原子
が硫黄またはリンである電子吸引性基を示し、Yは置換
されていてもよい核酸塩基の残基を示す)で表わされる
シクロペンテンカルボキサミド誘導体およびその製造方
法、ならびに該製造方法に用いられるビシクロアミド誘
導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シクロペンテンカ
ルボキサミド誘導体およびその製造方法、ならびに該製
造方法に用いられるビシクロアミド誘導体に関する。さ
らに詳しくは、抗ウイルス剤などの医薬として有用なカ
ルボサイクリックヌクレオシドの中間体として有用なシ
クロペンテンカルボキサミド誘導体およびその中間体で
あるビシクロアミド誘導体、ならびにそれらの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ヌクレオシドのフラノース環を構成する
酸素がメチレン基で置き換えられた、いわゆるカルボサ
イクリックヌクレオシドは天然のヌクレオシドとその構
造が極めてよく似ているため、生体内酵素の基質や阻害
剤となり得る。また、カルボサイクリックヌクレオシド
はグリコシド結合を持たないため、ホスホリラーゼやホ
スホトランスフェラーゼなどの加水分解酵素の作用を受
けず、その代謝経路も天然のヌクレオシドと異なってい
るため、多彩な生理活性を示す。例えば、後記の式
(D)で示されるカルボヴィア〔Carbovir, (J. Med. C
hem. 33 巻、17ページ、1990年)〕はウイルス感染の治
療と予防に有用である。
【0003】従来、カルボサイクリックヌクレオシドの
製造方法としては、 アミノ置換シクロアルカンまた
はアミノ置換シクロアルケン誘導体を出発物質として、
アミノ基の窒素原子上に核酸塩基の骨格を構築する方法
〔蛋白質、核酸、酵素、40巻、1219ページ、1995年〕、
1−アルコキシ−2−シクロペンテン誘導体にパラ
ジウム触媒を用いて直接プリン骨格を導入する方法〔J.
Chem. Soc. Parkin Trans. 1、2605ページ、1991年;
Tetrahedron Letters, 33 巻、1085ページ、1992年;J.
Am. Chem. Soc., 114巻、8745ページ、1992年〕、
2−シクロペンテン−1−イル−N,N−ジトシルイミ
ド誘導体にパラジウム触媒を用いて直接プリン骨格を導
入する方法〔J. Org. Chem. 59巻、4719ページ、1994
年〕などが知られている。
【0004】しかしながら、前記の方法では、核酸塩
基骨格の構築が必要であるため、反応工程数が極めて長
く、製造コストが高くなる。また、前記およびの方
法は、核酸塩基骨格を直接導入できる利点を有するが、
原料となるシクロペンテン誘導体の合成に長い工程を要
するという問題がある。このように、前記〜の方法
は、いずれもカルボサイクリックヌクレオシドを工業的
に製造するうえで有利な方法とは言いがたい。
【0005】また、2−アザビシクロ[2.2.1]ヘ
プタ−5−エン−3−オンのN−スルホニル誘導体を製
造する方法として、室温下で、水素化ナトリウムの存在
下で、p−トルエンスルホニルクロリドと2−アザビシ
クロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−オンとを反
応させることにより、N−p−トルエンスルホニル−2
−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−
オンを調製する方法が知られている〔J. Org. Chem. 5
9、4719 (1994年)および Chem. Pharm. Bull.39、1112
(1992年)参照〕。
【0006】しかしながら、前記水素化ナトリウムを使
用する方法では、目的物の収率が40〜46%と低く
(後述の比較例参照)、2−アザビシクロ[2.2.
1]ヘプタ−5−エン−3−オンのN−スルホニル誘導
体の工業的製法として有利な方法とは言いがたい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の問題点に鑑みてなされたものであり、各種カルボサ
イクリックヌクレオシドを工業的に製造する上で有用な
化合物およびその中間体を提供すること、ならびにそれ
らの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、〔1〕 一般
式(I):
【0009】
【化12】
【0010】(式中、R1 はアミド基の窒素原子に直接
結合する原子が硫黄またはリンである電子吸引性基を示
し、Yは置換されていてもよい核酸塩基の残基を示す)
で表わされるシクロペンテンカルボキサミド誘導体、
〔2〕 一般式(II):
【0011】
【化13】
【0012】(式中、R1 はアミド基の窒素原子に直接
結合する原子が硫黄またはリンである電子吸引性基を示
す)で表わされるビシクロアミド誘導体を、塩基および
パラジウム触媒の存在下で、一般式(III) : Y−H (III) (式中、Yは置換されていてもよい核酸塩基の残基を示
す)で表わされる化合物と反応させることを特徴とする
一般式(I):
【0013】
【化14】
【0014】(式中、R1 およびYは前記定義のとおり
である)で表わされるシクロペンテンカルボキサミド誘
導体の製造方法、〔3〕 有機リチウム化合物の存在下
で、−120〜0℃の温度で、式(IV):
【0015】
【化15】
【0016】で表わされる2−アザビシクロ[2.2.
1]ヘプタ−5−エン−3−オンを、一般式(V): R1 −X (V) (式中、R1 はXに直接結合する原子が硫黄またはリン
である電子吸引性基を示し、Xはハロゲン原子を示す)
で表わされる化合物と反応させることにより、一般式
(II):
【0017】
【化16】
【0018】(式中、R1 は前記定義のとおりである)
で表わされるビシクロアミド誘導体を得、次いで得られ
たビシクロアミド誘導体を、塩基およびパラジウム触媒
の存在下で、一般式(III) : Y−H (III) (式中、Yは置換されていてもよい核酸塩基の残基を示
す)で表わされる化合物と反応させることを特徴とする
一般式(I):
【0019】
【化17】
【0020】(式中、R1 およびYは前記定義のとおり
である)で表わされるシクロペンテンカルボキサミド誘
導体の製造方法、〔4〕 有機リチウム化合物の存在
下、−120〜0℃の温度で、式(IV):
【0021】
【化18】
【0022】で表わされる2−アザビシクロ[2.2.
1]ヘプタ−5−エン−3−オンを、一般式(V): R1 −X (V) (式中、R1 はXに直接結合している原子が硫黄または
リンである電子吸引性基を示し、Xはハロゲン原子を示
す)で表わされる化合物と反応させることを特徴とする
一般式(II):
【0023】
【化19】
【0024】(式中、R1 は前記定義のとおりである)
で表わされるビシクロアミド誘導体の製造方法、〔5〕
一般式(II−1):
【0025】
【化20】
【0026】(式中、R2 は炭素原子および水素原子以
外の原子を含有する置換基を有していてもよい芳香族炭
化水素基を示す)で表わされるN−スルホニルビシクロ
アミド誘導体、〔6〕 一般式(II−2):
【0027】
【化21】
【0028】(式中、R3 は置換基を有していてもよい
飽和脂肪族炭化水素基を示す)で表わされるN−スルホ
ニルビシクロアミド誘導体、ならびに〔7〕 一般式
(II−3):
【0029】
【化22】
【0030】(式中、R4 およびR5 はそれぞれ置換基
を有していてもよい芳香族炭化水素基または置換基を有
していてもよい飽和脂肪族炭化水素基を示す)で表わさ
れるN−ホスホリルビシクロアミド誘導体に関する。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のシクロペンテンカルボキサミド誘導体は、前記
したように、一般式(I):
【0032】
【化23】
【0033】(式中、R1 はアミド基の窒素原子に直接
結合する原子が硫黄またはリンである電子吸引性基を示
し、Yは置換されていてもよい核酸塩基の残基を示す)
で表わされる化合物である。
【0034】一般式(I)で表わされるシクロペンテン
カルボキサミド誘導体は、一般式(II):
【0035】
【化24】
【0036】(式中、R1 は前記定義のとおりである)
で表わされるビシクロアミド誘導体を、塩基およびパラ
ジウム触媒の存在下で、一般式(III) : Y−H (III) (式中、Yは置換されていてもよい核酸塩基の残基を示
す)で表わされる化合物と反応させることによって得ら
れる。
【0037】ここで、一般式(I)および一般式(II)
中、R1 はアミド基の窒素原子に直接結合する原子が硫
黄またはリンである電子吸引性基を示す。かかる電子吸
引性基としては、例えば、一般式: R6 −SO2 − (式中、R6 は、置換基を有していてもよい芳香族炭化
水素基または置換基を有していてもよい飽和脂肪族炭化
水素基を示す)で表わされるスルホニル基、一般式:
【0038】
【化25】
【0039】(式中、R4 およびR5 はそれぞれ置換基
を有していてもよい芳香族炭化水素基または置換基を有
していてもよい飽和脂肪族炭化水素基を示す)で表わさ
れるホスホリル基などがあげられる。
【0040】前記一般式において、R4 、R5 およびR
6 が表わす芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニ
ル基、トリル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフ
チル基、アントリル基、フェナントリル基などのアリー
ル基;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基な
どがあげられる。芳香族炭化水素基が有していてもよい
置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨ
ウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基
などのアルコキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキ
ルオキシ基;ニトロ基;メトキシカルボニル基、エトキ
シカルボニル基などのアルコキシカルボニル基;シアノ
基;アセチル基、プロピオニル基などのアシル基;トリ
メチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキ
シ基などのシリルオキシ基;メトキシカルボニルオキシ
基、t−ブトキシカルボニルオキシ基などのアルコキシ
カルボニルオキシ基などがあげられる。
【0041】R4 、R5 およびR6 が表わす飽和脂肪族
炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、t
−ブチル基、ヘキシル基などのアルキル基;シクロプロ
ピル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基など
があげられる。飽和脂肪族炭化水素基が有していてもよ
い置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭
素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;ニトロ基;メ
トキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基;ベンジルオ
キシ基などのアラルキルオキシ基;メトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル
基;シアノ基;アセチル基、プロピオニル基などのアシ
ル基;トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチル
シリルオキシ基などのシリルオキシ基;メトキシカルボ
ニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基などの
アルコキシカルボニルオキシ基などがあげられる。
【0042】また、一般式(I)および一般式(III) に
おいて、Yは、置換されていてもよい核酸塩基の残基を
示す。ここに核酸塩基の残基とは、核酸化学の分野にお
けるヌクレオシドを構成する含窒素複素環を骨格とする
化合物から、その複素環中の窒素原子上の水素原子を取
り除いて得られる基のことをいう。かかる核酸塩基とし
ては、例えば、プリン環またはそのデアザ体を骨格とす
るプリン塩基、ピリミジン環を骨格とするピリミジン塩
基などがあげられる。これらの核酸塩基は、ハロゲン原
子、アルキルアミノ基、水酸基、アルコキシ基、アルキ
ルチオ基などの置換基で置換されていてもよい。また、
これらの置換基は、適宜保護基によって保護されていて
もよい。
【0043】前記核酸塩基の具体例としては、例えば、
アデニン(6−アミノプリン)、ハイポキサンチン、グ
アニン(2−アミノ−6−ヒドロキシプリン)、イソグ
アニン、キサンチン、3−デアザアデニン、7−デアザ
アデニン、2,6−ジアミノプリン、6−クロロプリ
ン、2−アミノ−6−クロロプリン、2−ホルミルアミ
ノ−6−クロロプリンなどがあげられる。
【0044】次に、前記一般式(II)で表わされるビシ
クロアミド誘導体と一般式(III) で表される化合物の反
応を説明する。一般式(III) で表わされる化合物の使用
量は、一般式(II)で表わされるビシクロアミド誘導体
に対して0.5〜5モル倍、好ましくは0.8〜2モル
倍の範囲である。かかる反応において使用される塩基と
しては、特に限定されるものではないが、例えば水素化
リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのア
ルカリ金属水素化物;ナトリウムt−ブトキシド、カリ
ウムt−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド;
n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウムなどのアルキ
ルリチウム;水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化
ベンジルトリメチルアンモニウムなどの水酸化4級アン
モニウムなどがあげられる。これらは一般式(III)で表
わされる化合物に対して0.5〜2モル倍、好ましくは
0.8〜1.2モル倍の範囲で使用される。
【0045】また、前記反応において使用されるパラジ
ウム触媒としては、例えばテトラキス(トリフェニルホ
スフィン)パラジウム、テトラキス(トリエチルホスフ
ァイト)パラジウムなどの有機リン系パラジウム触媒、
トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム、ビス
(シクロオクター1,5−ジエン)パラジウム、ジ−μ
−クロロビス(η−アリル)二パラジウム、酢酸パラジ
ウム、塩化パラジウムなどがあげられる。パラジウム触
媒の使用量は、一般式(II)で表わされるビシクロアミ
ド誘導体に対して0.0001〜1モル倍、好ましくは
0.001〜0.1モル倍の範囲である。
【0046】また、分子内に有機リン配位子を有しない
パラジウム触媒を用いる場合、パラジウム触媒ととも
に、有機リン系化合物を使用することが好ましい。かか
る有機リン系化合物としては、例えばトリフェニルホス
フィン、トリブチルホスフィン、1,2−ビス(ジフェ
ニルホスフィノ)エタンなどのホスフィン類;トリエチ
ルホスファイト、トリフェニルホスファイトなどのホス
ファイト類などがあげられる。これらの有機リン系化合
物のうち、芳香環を有するものについては、その環上に
ジメチルアミノ基、ジエチルアミノメチル基などのアミ
ノ基を有する置換基や、スルホン酸基を有する置換基を
有していてもよい。前記有機リン系化合物は、通常パラ
ジウム触媒に対して1〜100モル倍の範囲で使用され
る。
【0047】一般式(III) で表わされる化合物と一般式
(II)で表わされるビシクロアミド誘導体との反応は、
溶媒の存在下に実施することが好ましい。ここで溶媒と
しては、例えばトルエン、キシレンなどの炭化水素系溶
媒;ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどのエー
テル系溶媒;アセトニトリルなどのニトリル系溶媒;ジ
メチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメ
チルホスホロアミドなどのアミド系溶媒;スルホラン、
ジメチルスルホキシドなどの含硫黄化合物系溶媒などが
あげられる。これらの溶媒は単独で使用してもよいし、
2種以上を混合して使用してもよい。溶媒の使用量は、
一般式(II)で表わされるビシクロアミド誘導体に対し
て、通常0.1〜1000重量倍、好ましくは1〜10
0重量倍の範囲である。
【0048】一般式(II)で表わされるビシクロアミド
誘導体と一般式(III) で表わされる化合物との反応は、
一般に、一般式(III) で表わされる化合物と塩基を予め
投入した攪拌装置付きの反応容器に一般式(II)で表わ
されるビシクロアミド誘導体およびパラジウム触媒を添
加することによって実施される。また、一般式(II)で
表わされるビシクロアミド誘導体およびパラジウム触媒
を予め投入した攪拌装置付きの反応容器に一般式(III)
で表わされる化合物と塩基とを添加することによって実
施することもできる。この場合、核酸塩基と塩基は別々
に添加してもよいし、両者を予め混合した上で添加して
もよい。
【0049】反応温度は、−50〜180℃の範囲から
選択されるが、好ましくは−20〜120℃の範囲であ
る。また反応時間は、通常10分〜24時間である。反
応終了後、反応混合物からのシクロペンテンカルボキサ
ミド誘導体(I)の単離は、通常の方法によって行われ
る。例えば、反応混合物を水に投入し、酢酸エチル等の
エステル系溶媒により抽出し、得られた抽出液から溶媒
を留去することによって、一般式(I)で表わされるシ
クロペンテンカルボキサミド誘導体を単離することがで
きる。
【0050】得られたシクロペンテンカルボキサミド誘
導体(I)の純度は、必要に応じて、カラムクロマトグ
ラフィー、再結晶等の手段により、さらに高めることが
できる。
【0051】次に、一般式(II) で表わされるビシクロ
アミド誘導体の製造方法について説明する。一般式(I
I)で表わされるビシクロアミド誘導体は、一般式(I
V):
【0052】
【化26】
【0053】で表わされる2−アザビシクロ[2.2.
1]ヘプタ−5−エン−3−オンを、有機リチウム化合
物の存在下、−120〜0℃の温度で、一般式(V): R1 −X (V) (式中、R1 はXに直接結合する原子が硫黄またはリン
である電子吸引性基を示し、Xはハロゲン原子を示す)
で表わされる化合物と反応させることによって得られ
る。
【0054】一般式(II)で表わされるビシクロアミド
誘導体およびその出発物質である式(IV)で表わされる
2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3
−オンは、いずれも不安定であり、従来法におけるよう
に、室温で水素化ナトリウム触媒の下に反応させると、
目的化合物である一般式(II)で表わされるビシクロア
ミド誘導体を満足しうる収率で得ることが困難である。
【0055】ところが、これらの化合物が安定な低温に
おいても作用し得る有機リチウム化合物の存在下で、低
温でこれらの化合物を反応させたところ、高収率で目的
化合物である一般式(II)で表わされるビシクロアミド
誘導体を製造することが見出された。本発明のビシクロ
アミド誘導体の製造方法の第1の特徴は、−120℃〜
0℃の低温で反応を行なうことにある。かかる低温は、
液体窒素、ドライアイス−エタノール等の公知の冷却手
段を利用することによって確保することができる。
【0056】また、本発明のビシクロアミド誘導体の製
造方法の第2の特徴は、触媒として低温でも有効に作用
する有機リチウム化合物を用いることにある。本発明で
使用される有機リチウム化合物としては、例えば、メチ
ルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム
等のアルキルリチウム、フェニルリチウム等のアリール
リチウム等が挙げられる。有機リチウムは、式(IV)で
表わされる2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5
−エン−3−オンに対して、通常0.5〜2.0モル
倍、好ましくは0.8〜1.5モル倍、より好ましくは
0.9〜1.2モル倍の範囲で使用される。
【0057】前記反応は、通常溶媒の存在下に実施され
る。溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものが用
いられ、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタ
ン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒;ジメト
キシエタン、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフ
ランなどのエ−テル系溶媒などが使用でき、これらは必
要に応じて2種以上の混合物として用いることもでき
る。溶媒の使用量は、その種類によって異なるが、式
(IV) で表わされる2−アザビシクロ[2.2.1]ヘ
プタ−5−エン−3−オンに対して通常0.1〜100
0重量倍、好ましくは1〜100重量倍である。
【0058】また、前記反応は、窒素、アルゴンなどの
不活性ガス雰囲気下で実施することが望ましい。前記2
−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−
オンと、前記一般式(V)で表わされる化合物との反応
は、通常、前記一般式(V)で表わされる化合物を仕込
んだ攪拌装置付きの反応容器内に、2−アザビシクロ
[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−オンと有機リチ
ウム化合物の混合物を添加することによって実施され
る。また、2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5
−エン−3−オンと有機リチウム化合物を予め仕込んだ
攪拌装置付きの反応容器内に、一般式(V)で表わされ
る化合物を添加することによって実施してもよい。この
際、一般式(V)で表わされる化合物は、そのままの形
で用いてもよいし、前記溶媒に溶解させた後に用いても
よい。
【0059】反応温度は、−120〜0℃の範囲から選
択されるが、好ましくは−90〜−30℃の範囲であ
る。
【0060】また、反応時間は、反応条件により異なる
が、通常10分から24時間である。
【0061】前記2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプ
タ−5−エン−3−オンは公知化合物であり、例えば、
文献記載の方法〔J.Org.Chem.39、564
(1974年)〕により得ることができる。また、2−
アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−オ
ンとして光学活性体を使用することも可能である。
【0062】前記一般式(V)中のR1 としては、一般
式(I)および一般式(II)中のR1 と同様の基が例示
される。
【0063】また、一般式(V)中のXは、塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子を示す。
【0064】一般式(V)で表わされる化合物の具体例
を次に例示する。R1 が式:R6 −SO2 −で表わされ
る基であり、R6 が芳香族炭化水素の場合には、例えば
ベンゼンスルホニルクロリド、トルエンスルホニルクロ
リド、p−メトキシベンゼンスルホニルクロリド、o−
メトキシベンゼンスルホニルクロリド、o−ニトロベン
ゼンスルホニルクロリド、p−ニトロベンゼンスルホニ
ルクロニド、p−クロロベンゼンスルホニルクロリド、
o−クロロベンゼンスルホニルクロリド、p−ブロモベ
ンゼンスルホニルクロリド、p−フルオロベンゼンスル
ホニルクロリド、2,5−ジクロロベンゼンスルホニル
クロリドなどがあげられる。また、R1 が式:R6 −S
2 −で表わされる基であり、R6 が脂肪族炭化水素の
場合には、例えば、メタンスルホニルクロリド、トリフ
ルオロメタンスルホニルクロリド、エタンスルホニルク
ロリド、β−クロロエタンスルホニルクロリド、ter
t−ブタンスルホニルクロリド、n−ヘキサンスルホニ
ルクロリド、シクロプロパンスルホニルクロリド、シク
ロヘキサンスルホニルクロリドなどがあげられる。
【0065】また、R1 が式:
【0066】
【化27】
【0067】(式中、R4 およびR5 は、前記定義のと
おりである)で表わされる基である場合の具体例として
は、例えばジメチルホスホリルクロリド、ジエチルホス
ホリルクロリド、ジブチルホスホリルクロリド、ジフェ
ニルホスホリルクロリド、ジトリルホスホリルクロリド
などがあげられる。
【0068】一般式(V)で表わされる化合物は、式
(IV)で表わされる2−アザビシクロ[2.2.1]ヘ
プタ−5−エン−3−オンに対して、通常0.5〜2.
0モル倍、好ましくは0.9〜1.2モル倍の範囲で使
用される。
【0069】反応終了後、一般式(II) で表わされるビ
シクロアミド誘導体の分離精製は、通常の方法によって
行なわれる。例えば、反応混合物を酢酸、希硫酸、塩化
アンモニウム水溶液などを用いて中和した後、酢酸エチ
ル、クロロホルム、トルエンなどの有機溶媒により抽出
し、得られた抽出液から溶媒を留去することによって一
般式(II) で表わされるビシクロアミド誘導体を単離す
ることができる。また、得られたビシクロアミド誘導体
は、必要に応じてカラムクロマトグラフィ−、再結晶等
の手段により純度を高めることができる。
【0070】本発明の方法によれば、一般式(II) で表
わされるビシクロアミド誘導体を収率よく得ることがで
きる。
【0071】前記ビシクロアミド誘導体(II)の代表例
としては、例えば、一般式(II−1):
【0072】
【化28】
【0073】(式中、R2 は炭素原子および水素原子以
外の原子を含有する置換基を有していてもよい芳香族炭
化水素基を示す)で表わされるN−スルホニルビシクロ
アミド誘導体、一般式(II−2):
【0074】
【化29】
【0075】(式中、R3 は置換基を有していてもよい
飽和脂肪族炭化水素基を示す)で表わされるN−スルホ
ニルビシクロアミド誘導体、一般式(II−3):
【0076】
【化30】
【0077】(式中、R4 およびR5 はそれぞれ置換基
を有していてもよい芳香族炭化水素基または置換基を有
していてもよい飽和脂肪族炭化水素基を表す)で表わさ
れるN−ホスホリルビシクロアミド誘導体などがあげら
れる。
【0078】一般式(II−1)で表わされるN−スルホ
ニルビシクロアミド誘導体において、R2 が表す芳香族
炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル
基、アントリル基、フェナントリル基などのアリール
基;ベンジル基;フェネチル基などのアラルキル基など
があげられる。これらの基は炭素および水素以外の原子
を含有する置換基を有していてもよく、かかる置換基と
しては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子
などのハロゲン原子;ニトロ基;メトキシ基、エトキシ
基などのアルコキシ基;ベンジルオキシ基などのアラル
キルオキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基などのアルコキシカルボニル基;シアノ基;アセ
チル基、プロピオニル基などのアシル基;トリメチルシ
リルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基など
のシリルオキシ基;メトキシカルボニルオキシ基、t−
ブトキシカルボニルオキシ基などのアルコキシカルボニ
ルオキシ基などがあげられる。
【0079】また、一般式(II−2) で表わされるN−
スルホニルビシクロアミド誘導体において、R3 が表す
飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エ
チル基、tert−ブチル基、ヘキシル基などのアルキ
ル基;シクロプロピル基、シクロヘキシル基などのシク
ロアルキル基などがあげられる。飽和脂肪族炭化水素基
が有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原
子;ニトロ基;メトキシ基、エトキシ基などのアルコキ
シ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基;メ
トキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などのアル
コキシカルボニル基;シアノ基;アセチル基、プロピオ
ニル基などのアシル基;トリメチルシリルオキシ基、t
−ブチルジメチルシリルオキシ基などのシリルオキシ
基;メトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボ
ニルオキシ基などのアルコキシカルボニルオキシ基など
があげられる。
【0080】一般式(II−3)で表わされるN−ホスホ
リルビシクロアミド誘導体におけるR4 およびR5 は、
前記定義のとおりである。
【0081】ここで、一般式(II−1)で表わされるN
−スルホニルビシクロアミド誘導体の具体例としては、
例えば、2−(N−ベンゼンスルホニル)−2−アザビ
シクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−オン、2
−(N−o−ニトロベンゼンスルホニル)−2−アザビ
シクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−オン、2
−(N−p−ニトロベンゼンスルホニル)−2−アザビ
シクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−オン、2
−(N−p−クロロベンゼンスルホニル)−2−アザビ
シクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−オン、2
−(N−o−クロロベンゼンスルホニル)−2−アザビ
シクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−オン、2
−(N−p−ブロモベンゼンスルホニル)−2−アザビ
シクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−オン、2
−(N−p−フルオロベンゼンスルホニル)−2−アザ
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−オン、
2−(N−p−メトキシベンゼンスルホニル)−2−ア
ザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−オ
ン、2−(N−o−メトキシベンゼンスルホニル)−2
−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−
オン、2−(N−2,5−ジクロロベンゼンスルホニ
ル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エ
ン−3−オンなどがあげられる。
【0082】また、一般式(II−2) で表わされるN−
スルホニルビシクロアミド誘導体の具体例としては、例
えば、2−(N−メタンスルホニル)−2−アザビシク
ロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−オン、2−
(N−トリフルオロメタンスルホニル)−2−アザビシ
クロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−オン、2−
(N−エタンスルホニル)−2−アザビシクロ[2.
2.1]ヘプタ−5−エン−3−オン、2−(N−β−
クロロエタンスルホニル)−2−アザビシクロ[2.
2.1]ヘプタ−5−エン−3−オン、2−(N−te
rt−ブタンスルホニル)−2−アザビシクロ[2.
2.1]ヘプタ−5−エン−3−オン、2−(N−n−
ヘキサンスルホニル)−2−アザビシクロ[2.2.
1]ヘプタ−5−エン−3−オン、2−(N−シクロプ
ロパンスルホニル)−2−アザビシクロ[2.2.1]
ヘプタ−5−エン−3−オン、2−(N−シクロヘキサ
ンスルホニル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプ
タ−5−エン−3−オンなどがあげられる。
【0083】一般式(II−3)で表わされるN−ホスホ
リルビシクロアミド誘導体の具体例としては、例えば、
2−(N−ジメチルホスホリル)−2−アザビシクロ
[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−オン、2−(N
−ジエチルホスホリル)−2−アザビシクロ[2.2.
1]ヘプタ−5−エン−3−オン、2−(N−ジブチル
ホスホリル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ
−5−エン−3−オン、2−(N−ジフェニルホスホリ
ル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エ
ン−3−オン、2−(N−ジトリルホスホリル)−2−
アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−オ
ンなどがあげられる。
【0084】かくして得られるシクロペンテンカルボキ
サミド誘導体は、各種抗ウイルス剤の合成中間体として
有用である。
【0085】例えば、式:
【0086】
【化31】
【0087】で表わされるスキームにおいて、一般式
(I)中のR1 がo−ニトロベンゼンスルホニル基であ
り、Yが2−ホルミルアミノ−6−クロロプリン−4−
イル基である、式(A)で表わされる化合物の場合、2
位のアミノ基を保護した後、カルボキサミドをN−メチ
ル化し、メタノール中で、水素化ホウ素ナトリウムを用
いて還元後、脱保護することにより、式(B)で表わさ
れる化合物とすることができる。式(B)で表わされる
化合物は、特開平2−45486号公報に記載された方
法に従い、シクロプロピルアミンと反応させることによ
り、式(C)で表わされる抗ウイルス活性を有するカル
ボサイクリックヌクレオシドに誘導できる。また、式
(B)で表わされる化合物は、J. Org. Chem., 59 巻、
4719ページ、1994年に記載された方法に従い、アルカリ
で処置することにより、抗ウイルス活性を有する式
(D)で表わされるカルボヴィアに誘導できる。
【0088】
【実施例】以下、実施例および参考例により本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によ
りなんら限定されるものではない。
【0089】実施例12-(N-o-ニトロベンゼンスルホニル)-2-アザビシクロ
[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3- オンの合成 2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5- エン-3- オン
1.09g(10mmol)をテトラヒドロフラン31mlに溶解させ、
得られた溶液に、アルゴン雰囲気下、−75℃〜−70℃に
て、n-ブチルリチウムのn-ヘキサン溶液(1.56M) 6.41ml
(n−ブチルリチウムとして10mmol) を加え、同温度で
約30分撹拌した。得られた混合物に、o-ニトロベンゼン
スルホニルクロリド 2.44g (11mmol) をテトラヒドロフ
ラン4mlに溶解した溶液を−75℃〜−70℃にて約1
時間かけて滴下し、次いで、−75℃で約2 時間撹拌し
た。得られた反応混合物に酢酸0.12g (2mmol) を加えて
中和し、トルエン50mlで希釈した後10%食塩水50mlで洗
浄し、次いで減圧下に溶媒を留去して2-(N-o- ニトロベ
ンゼンスルホニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプ
タ-5- エン-3- オン 2.44g (8.3mmol)を得た。収率は8
3%であった。この化合物の物性値を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3 、300MHz) δ(pp
m):2.32(1H,m)、 2.58(1H,d)、 3.44(1H,m)、 5.23(1H,
m)、 6.66(1H,m)、7.04(1H,m)、 7.78(3H,m)、 8.35(1H,m)
【0090】実施例22-(N-p- トルエンスルホニル)-2-アザビシクロ[2.
2.1]ヘプタ-5- エン-3- オンの合成 2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5- エン-3- オン
1.09g(10mmol)をテトラヒドロフラン20mlに溶解させ、
得られた溶液にアルゴン雰囲気下、−75℃でn-ブチルリ
チウムのn-ヘキサン溶液(1.60M) 7.50ml (n−ブチルリ
チウムとして12mmol) を加え、同温度で約1時間撹拌し
た。得られた混合物にp-トルエンスルホニルクロリド
2.29g(12mmol)を加え、−75℃で約 3.5時間撹拌した。
得られた反応混合物に5%硫酸20mlを加え、酢酸エチル
40mlで抽出した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液20mlおよび飽和食塩水20mlで順次洗浄した
後、減圧下に溶媒を留去して、2-(N-p- トルエンスルホ
ニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5- エン-3
- オン 2.89g (8.0mmol)を得た。収率は80%であっ
た。この化合物の物性値を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3 、300MHz) δ(pp
m):2.42(5H,m)、 3.37(1H,m)、 5.04(1H,m)、 6.37(1H,
m)、6.64(1H,dd,J=5.3Hz,2.1Hz)、 7.28(2H,d,J=8.1Hz)、
7.79(2H,d,J=8.3Hz)
【0091】実施例32-(N- ベンゼンスルホニル)-2-アザビシクロ[2.2.
1]ヘプタ-5- エン-3-オンの合成 2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5- エン-3- オン
1.09g(10mmol)をテトラヒドロフラン20mlに溶解させ、
得られた溶液にアルゴン雰囲気下、−75 ℃でn-ブチル
リチウムのn-ヘキサン溶液 (1.60M)7.50ml (n−ブチル
リチウムとして12mmol) を加え、同温度で約1時間撹拌
した。得られた混合物にベンゼンスルホニルクロリド
2.12g(12mmol)を加え、−75℃で約3.5時間撹拌し
た。得られた反応混合物に5%硫酸20mlを加え、酢酸エ
チル40mlで抽出した。得られた有機層から溶媒を留去し
た後の残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[
展開溶媒: ヘキサン:酢酸エチル=2:1( 容量比)]で精製
して、2-(N- ベンゼンスルホニル)-2-アザビシクロ
[2.2.1]ヘプタ-5- エン-3- オン 1.82g (7.3mmo
l)を得た。収率は73%であった。この化合物の物性値
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3 、 300MHz) δ(pp
m):2.18(1H,m)、 2.43(1H,d)、 3.39(1H,m)、 5.05(1H,
m)、 6.62(1H,m)、7.56(3H,m)、 7.92(2H,m)
【0092】実施例42-(N-p- クロロベンゼンスルホニル)-2-アザビシクロ
[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3- オンの合成 2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5- エン-3- オン
6.46g(50mmol)をテトラヒドロフラン100ml に溶解さ
せ、得られた溶液にアルゴン雰囲気下、−75℃でn-ブチ
ルリチウムのn-ヘキサン溶液 (1.60M)37.5ml (n−ブチ
ルリチウムとして60mmol) を加え、同温度で約1時間撹
拌した。得られた混合物にp-クロロベンゼンスルホニル
クロリド 12.66g(60mmol) を加え、−75℃で約3時間
撹拌した。得られた反応混合物に5%硫酸40mlを加え、
酢酸エチル100ml で抽出した。得られた有機層を飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液40mlおよび飽和食塩水40mlで順
次洗浄した後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[ 展開溶媒:
ヘキサン:酢酸エチル=2:1( 容量比)]で精製し、次い
で、ジイソプロピルエーテルから再結晶することによ
り、 2-(N-p-クロロベンゼンスルホニル)-2-アザビシク
ロ[2.2.1]ヘプタ-5- エン-3- オン 9.79g (34.5
mmol) を得た。収率は69%であった。この化合物の物
性値を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3 、300MHz) δ(pp
m):2.21(1H,m)、 2.44(1H,d)、 3.40(1H,m)、 5.06(1H,
m)、 6.41(1H,m)、6.67(1H,m)、 7.47(2H,m)、 7.85(2H,m)
【0093】実施例52-(N-2,5- ジクロロベンゼンスルホニル)-2-アザビシク
ロ[2.2.1]ヘプタ-5- エン-3- オンの合成 実施例4において、p-クロロベンゼンスルホニルクロリ
ド 12.66g (60mmol)に代えて2,5-ジクロロベンゼンスル
ホニルクロリド 15.03g (60mmol)を用いたこと以外は実
施例4と同様の操作を行い、得られた有機層から溶媒を
留去した後の残留物をジイソプロピルエーテルと酢酸エ
チルの混合液から再結晶することにより、 2-(N-2,5-ジ
クロロベンゼンスルホニル)-2-アザビシクロ[2.2.
1]ヘプタ-5- エン-3- オン 11.89g (37.5mmol)を得
た。収率は75%であった。この化合物の物性値を以下
に示す。1 H−NMR(CDCl3 、300MHz) δ(pp
m):2.27(1H,d)、 2.53(1H,d)、 3.44(1H,m)、 5.23(1H,
m)、 6.69(1H,m)、6.99(1H,m)、 7.48(2H,m)、 8.19(1H,d)
【0094】実施例62-(N-p- メトキシベンゼンスルホニル)-2-アザビシクロ
[2.2.1]ヘプタ-5- エン-3- オンの合成 実施例4において、p-クロロベンゼンスルホニルクロリ
ド 12.66g (60mmol)に代えてp-メトキシベンゼンスルホ
ニルクロリド 12.40g (60mmol)を用いたこと以外は実施
例4と同様の操作を行い、得られた有機層から溶媒を留
去した後の残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー[ 展開溶媒: ヘキサン:酢酸エチル=3:1( 容量比)]で
精製し、次いで、ジイソプロピルエーテルから再結晶す
ることにより、2-(N-p- メトキシベンゼンスルホニル)-
2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5- エン-3- オン
8.66g(31.0mmol) を得た。収率は62%であった。この
化合物の物性値を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3 、300MHz) δ(pp
m):2.17(1H,m)、 2.43(1H,m)、 3.37(1H,m)、 3.87(3H,
s)、 5.03(1H,m)、6.36(1H,m)、 6.63(1H,m)、 6.94(2H,m)、
7.83(2H,m)
【0095】実施例72-(N-p- ニトロベンゼンスルホニル)-2-アザビシクロ
[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3- オンの合成 実施例4において、p-クロロベンゼンスルホニルクロリ
ド 12.66g (60mmol)に代えてp-ニトロベンゼンスルホニ
ルクロリド 13.30g (60mmol)を用いたこと以外は実施例
4と同様の操作を行い、得られた有機層から溶媒を留去
した後の残留物をジエチルエーテルと酢酸エチルの混合
液を用いて2回再結晶することにより2-(N-p- ニトロベ
ンゼンスルホニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプ
タ-5- エン-3- オン 10.45g(35.5mmol) を得た。収率は
71%であった。この化合物の物性値を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3 、300MHz) δ(pp
m):2.22(1H,m)、 2.43(1H,m)、 3.39(1H,m)、 5.07(1H,
m)、 6.40(1H,m)、6.68(1H,m)、 8.08(2H,m)、 8.26(2H,m)
【0096】実施例82-(N- トリフルオロメタンスルホニル)-2-アザビシクロ
[2.2.1]ヘプタ-5- エン-3- オンの合成 2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5- エン-3- オン
1.09g(10mmol)をテトラヒドロフラン31mlに溶解させ、
得られた溶液に、アルゴン雰囲気下、−75℃〜-70 ℃に
て、n-ブチルリチウムのn-ヘキサン溶液(1.56M) 6.41ml
(n−ブチルリチウムとして10mmol) を加え、同温度で
約30分撹拌した。得られた混合物に、トリフルオロメタ
ンスルホニルクロリド1.85g(11mmol) をテトラヒ
ドロフラン4ml に溶解した溶液を−75℃〜−70℃に
て約1時間かけて滴下し、次いで、−75℃で約2 時間
撹拌した。得られた反応混合物に酢酸0.12g (2mmol) を
加えて中和し、酢酸エチル50mlで希釈した後、10%食
塩水50mlで洗浄し、次いで減圧下に溶媒を留去して2−
(N−トリフルオロメタンスルホニル)-2-アザビシクロ
[2.2.1]ヘプタ-5- エン-3- オン1.72g
(7.5mmol) を得た。収率は75%であった。この化
合物の物性値を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3 、300MHz) δ(pp
m):2.24(1H,m)、 2.45(1H,m)、 3.41(1H,m)、 5.03(1H,
m)、 6.38(1H,m)、 6.65(1H,m)
【0097】実施例92−(N−ジフェニルホスホリル)−2−アザビシクロ
[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−オンの合成 2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3
−オン1.05g(9.6mmol)をテトラヒドロフ
ラン20mlに溶解させ、得られた溶液に、アルゴン雰
囲気下で、−78℃にて、n−ブチルリチウムのn−ヘ
キサン溶液(1.56M)6.73ml(n−ブチルリ
チウムとして10.5mmol)を加え、同温度で約3
0分間攪拌した。得られた混合物を、氷冷下、ジフェニ
ルホスホリルクロリド2.17ml(10.5mmo
l)をテトラヒドロフラン10mlに溶解した溶液中に
滴下し、5分間攪拌した。
【0098】得られた反応混合物に、氷冷下、飽和塩化
アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、硫酸
マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。得ら
れた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[展
開溶媒:酢酸エチル:ヘキサン=1:3(容量比)]で
精製後、得られる結晶性物質をヘキサン−酢酸エチルで
再結晶することにより、2−ジフェニルホスホリル−2
−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−
オン2.12gを得た(収率88%)。この混合物の物
性値を以下に示す。 融点:51℃1 H−NMRスペクトル(CDCl3 、300MHz)
δ(ppm):2.08〜2.18(2H,m)、 3.34〜3.36(1H,
m)、 4.86〜4.92(1H,m)、6.45〜6.56(2H,m)、 7.14〜7.40
(10H,m)
【0099】実施例10(±)−2−ホルミルアミノ−6−クロロ−9−〔c−
4−(N−o−ニトロベンゼンスルホニル)カルバモイ
ルシクロペント−2−エン−γ−1−イル〕−9H−プ
リンの合成 2−ホルミルアミノ−6−クロロプリンと水酸化テトラ
ブチルアンモニウムから調製した2−ホルミルアミノ−
6−クロロプリンのテトラブチルアンモニウム塩2.6
3g(6.0mmol)をテトラヒドロフラン20ml
に溶解し、酢酸パラジウム56.0mg(0.25mm
ol)およびトリイソプロピルホスファイト360mg
(1.75mmol)を加え、窒素雰囲気下で、50℃
で30分間攪拌した。
【0100】得られた混合物に、実施例1で得られた2
−(N−o−ニトロベンゼンスルホニル)−2−アザビ
シクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−オン1.
47g(5.0mmol)を室温で2時間かけて滴下
し、その後1時間攪拌した。得られた反応混合物に酢酸
を加えて中和した後、減圧下に溶媒を留去した。得られ
た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶
媒:クロロホルム:メタノール=15:1(容量比)〕
で精製して、(±)−2−ホルミルアミノ−6−クロロ
−9−〔c−4−(N−o−ニトロベンゼンスルホニ
ル)カルバモイルシクロペント−2−エン−γ−1−イ
ル〕−9H−プリン1.11gを得た(収率45%)。
【0101】この化合物の物性を以下に示す。1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ,300MH
z) δ(ppm):1.89(1H,ddd,J=1
4.0Hz,5.0Hz,5.0Hz)、2.52(1
H,ddd,J=14.0Hz,8.9Hz,8.9H
z)、3.53(1H,m)、5.36(1H,m)、
5.85(1H,m)、5.93(1H,m)、7.6
〜7.8(3H,m)、7.85(1H,s)、7.9
〜8.0(1H,m)、9.08(1H,d,J=9.
5Hz)、10.94(1H,d,J=9.5Hz)、
12.35(1H,brs)
【0102】高分解能マススペクトル:m/z C1814ClN7 6 S(M+ ) 計算値:491.8714 実測値:491.5225
【0103】実施例11(±)−6−クロロ−9−〔c−4−(N−p−トルエ
ンスルホニル)カルバモイルシクロペント−2−エン−
γ−1−イル〕−9H−プリンの合成 水素化ナトリウム(鉱油中、60%)48mg(1.2
mmol)をジメチルホルムアミド4mlに懸濁させ、
得られた懸濁液に、アルゴン雰囲気下、6−クロロプリ
ン154mg(1mmol)をジメチルホルムアミド4
mlに溶解した溶液を滴下し、60℃で30分攪拌し
た。得られた混合物に、氷冷下、テトラキス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウム115.6mg(0.1m
mol)を無水テトラヒドロフラン4mlに溶解した溶
液を滴下し、次いで実施例2で得られた2−(N−p−
トルエンスルホニル)−2−アザビシクロ[2.2.
1]ヘプタ−5−エン−3−オン131.5mg(0.
5mmol)をジメチルホルムアミド4mlに溶解した
溶液を滴下し、同温度で30分間攪拌した。得られた反
応混合物に酢酸を加えて中和した後、減圧下に溶媒を留
去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー[展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=1:3(容
量比)]で精製して、(±)−6−クロロ−9−〔c−
4−(N−p−トルエンスルホニル)カルバモイルシク
ロペント−2−エン−γ−1−イル〕−9H−プリン9
7mgを得た。収率は47%であった。
【0104】この化合物の物性値を以下に示す。 融点:243℃1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ,500MH
z) δ(ppm):2.04(1H,dt,J=1
4.3Hz,4.8Hz)、2.38(3H,s)、
2.75(1H,dt,J=14.3Hz,8.8H
z)、3.70(1H,m)、5.73(1H,m)、
6.10(1H,m)、6.18(1H,m)、7.3
9(2H,d)、7.79(2H,d)、8.31(1
H,s)、8.75(1H,s)、12.35(1H,
s) 高分解能マススペクトル:m/z C1816ClN5 3 S(M+ ) 計算値:417.0663 実測値:417.0635
【0105】実施例12(±)−2−アミノ−6−クロロ−9−〔c−4−(N
−p−トルエンスルホニル)カルバモイルシクロペント
−2−エン−γ−1−イル〕−9H−プリンの合成 アルゴン雰囲気下、実施例2で得られた2−(N−p−
トルエンスルホニル)−2−アザビシクロ[2.2.
1]ヘプタ−5−エン−3−オン131.5mg(0.
5mmol)に、2−アミノ−6−クロロプリンと水酸
化テトラブチルアンモニウムから調製した2−アミノ−
6−クロロプリンのテトラブチルアンモニウム塩20
5.29mg(0.5mmol)、テトラキス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム115.5mg(0.1
mmol)およびジメチルホルムアミド6mlを加え、
得られた混合物を室温で24時間攪拌した。得られた反
応混合物に酢酸を加えて中和した後、減圧下に溶媒を留
去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー[展開溶媒:クロロホルム:メタノール=12:
1(容量比)]で精製して、(±)−2−アミノ−6−
クロロ−9−〔c−4−(N−p−トルエンスルホニ
ル)カルバモイルシクロペント−2−エン−γ−1−イ
ル〕−9H−プリン67mgを得た。収率は31%であ
った。
【0106】この化合物の物性値を以下に示す。1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ,500MH
z) δ(ppm):1.92(1H,dt,J=1
4.3Hz,5.1Hz)、2.38(3H,s)、
2.65(1H,dt,J=14.3Hz,9.2H
z)、3.64(1H,m)、5.43(1H,m)、
6.01(1H,m)、6.12(1H,m)、6.8
9(2H,s)、7.38(2H,d,J=8.0H
z)、7.78(2H,d,J=8.0Hz)、8.3
0(1H,s)、12.35(1H,brs) 高分解能マススペクトル:m/z C1817ClN6 3 S(M+ ) 計算値:432.0768 実測値:432.0777
【0107】実施例13(±)−6−クロロ−9−〔c−4−(N−ジフェニル
ホスホリル)カルバモイルシクロペント−2−エン−r
−1−イル〕−9H−プリンの合成 水素化ナトリウム(鉱油中、60%)22mg(0.5
5mmol)をN−メチルピロリドン1mlに懸濁さ
せ、得られた懸濁液に、アルゴン雰囲気下で、6−クロ
ロプリン85mg(0.55mmol)をN−メチルピ
ロリドン1mlに溶解した溶液を0℃で滴下し、60℃
で1時間攪拌した。得られた混合物に、氷冷下、酢酸パ
ラジウム11mg(0.05mmol)を無水テトラヒ
ドロフラン0.5mlに溶解した溶液およびトリイソプ
ロピルホスファイト0.074ml(0.3mmol)
を滴下し、次いで実施例9で得られた2−(N−ジフェ
ニルホスホリル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘ
プタ−5−エン−3−オン163mg(0.5mmo
l)をN−メチルピロリドン1mlに溶解した溶液を滴
下し、室温で1時間攪拌した。得られた反応混合物に酢
酸を加えて中和した後、減圧下に溶媒を留去した。得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[展開
溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=1:5(容量比)]で精
製して、(±)−6−クロロ−9−〔c−4−(N−ジ
フェニルホスホリル)カルバモイルシクロペント−2−
エン−γ−1−イル〕−9H−プリン137mgを得
た。収率は55%であった。
【0108】この化合物の物性値を以下に示す。1 H−NMRスペクトル(CDCl3 、300MHz)
δ(ppm):2.22(1H,dt,J=5.22
Hz,15.11Hz)、2.92(1H,dt,J=
9.62Hz,15.11Hz)、3.66〜3.77
(1H,m)、5.66〜5.75(1H,m)、5.
87(1H,dt,J=2.20Hz,5.50H
z)、5.98(1H,dt,J=2.20Hz,5.
22Hz)、7.10〜7.34(10H,m)、8.
16(1H,s)、8.93(1H,s)、9.80〜
9.83(1H,m) 高分解能マススペクトル:m/z C2319ClN5 4 P(M+ ) 計算値:495.0863 実測値:495.0878
【0109】参考例1(±)−2−アミノ−6−クロロ−9−〔c−4−ヒド
ロキシメチルシクロペント−2−エン−γ−1−イル〕
−9H−プリン(化合物(B))の合成 水素化ナトリウム(鉱油中、60%)440mg
(11.0mmol)を無水テトラヒドロフラン50m
lに懸濁させ、得られた懸濁液に実施例10で得た
(±)−2−ホルミルアミノ−6−クロロ−9−〔c−
4−(N−o−ニトロベンゼンスルホニル)カルバモイ
ルシクロペント−2−エン−γ−1−イル〕−9H−プ
リン2.46g(5.0mmol)を加え、氷冷下1時
間攪拌した。この混合物に二炭酸二tert−ブチル
2.18g(10.0mmol)を加え、室温で2時間
および50℃で3時間攪拌した。冷後、この混合物にヨ
ウ化メチル7.60g(50mmol)を加えてさらに
一夜攪拌した。得られた反応混合物を水にあけ、酢酸エ
チルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、溶
媒を減圧留去し、(±)−2−(N−tert−ブトキ
シカルボニル−N−ホルミル)アミノ−6−クロロ−9
−〔c−4−(N−メチル−N−o−ニトロベンゼンス
ルホニル)カルバモイルシクロペント−2−エン−γ−
1−イル〕−9H−プリンの粗生成物5.51gを得
た。この化合物は精製せずに次の反応に用いた。
【0110】 の粗生成物をメタノール100ml
に溶解し、−20℃に冷却して攪拌しながら水素化ホウ
素ナトリウム0.19g(5.0mmol)を内温が0
℃を越えないように少量ずつ加えた。得られた混合物を
室温で8時間攪拌した後、5%硫酸水溶液を加えて中和
した後、溶媒を減圧留去した。残渣に水を加え、酢酸エ
チルで抽出した後、有機層を減圧濃縮し粗生成物5.8
gを得た。
【0111】 で得られた粗生成物を90%酢酸水
溶液10mlに溶解し、50℃で8時間攪拌した。冷
後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー[展開溶媒:クロロホルム:メタ
ノール=40:1(容量比)]で精製して、(±)−2
−アミノ−6−クロロ−9−〔c−4−ヒドロキシメチ
ルシクロペント−2−エン−γ−1−イル〕−9H−プ
リン0.19gを得た(収率72%)。この化合物は物
性値から既知化合物と同定した。 融点:160〜162℃1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ,300MH
z)δ(ppm):1.88(1H,ddd,J=1
3.7Hz,5.5Hz,5.5Hz)、2.62(1
H,ddd,J=13.7Hz,8.8Hz,8.8H
z)、2.87(1H,m)、3.44(2H,m)、
4.78(1H,dd,J=5.2Hz,5.2H
z)、5.44(1H,m)、5.89(1H,m)、
6.13(1H,m)、6.86(2H,brs)、
7.38(2H,d,J=8.0Hz)、7.78(2
H,d,J=8.0Hz)、8.02(1H,s)13 C−NMRスペクトル(DMSO−d6 ,75MH
z)δ(ppm):160.0、154.0、149.
7、141.6、139.2、129.6、123.
9、64.1、59.5、48.1、34.3 MS(EI、m/z):265、267(m+ )
【0112】比較例12−(N−p−トルエンスルホニル)−2−アザビシク
ロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−オンの合成 水素化ナトリウム(鉱油中、60%)240mg(6.
0mmol)を無水エーテル50mlに懸濁させ、得ら
れた懸濁液に2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−
5−エン−3−オン545mg(50mmol)を加
え、室温で1時間攪拌した。この混合物に塩化p−トル
エンスルホニル1.14g(6.0mmol)を加え、
室温で一晩攪拌した。得られた反応混合物から固体を濾
別した後、濾液から溶媒を留去し、得られた残留物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、2−
(N−p−トルエンスルホニル)−2−アザビシクロ
〔2.2.1〕ヘプタ−5−エン−3−オン605mg
(2.3mmol)を得た。収率は46%であった。
【0113】比較例22−(N−o−ニトロベンゼンスルホニル)−2−アザ
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−オンの
合成 2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3
−オン 1.09g(10mmol)を比較例1と同様
の条件でo−ニトロベンゼンスルホニルクロリド 2.
44g(11mmol)と反応させたところ、2−(N
−o−ニトロベンゼンスルホニル)−2−アザビシクロ
[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−オン 1.18
g(4.0mmol)を得た。収率は40%であった。
【0114】
【発明の効果】本発明によれば、各種カルボサイクリッ
クヌクレオシドの合成中間体として有用なシクロペンテ
ンカルボキサミド誘導体およびその工業的に有利な製造
方法が提供される。また、本発明によれば、シクロペン
テンカルボキサミド誘導体中間体として有用なN−スル
ホニルビシクロアミド誘導体を工業的に有利に製造する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 311/51 7419−4H C07C 311/51 C07F 9/36 C07F 9/36 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 鳥原 正浩 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2番28号 株 式会社クラレ内 (72)発明者 金平 浩一 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2番28号 株 式会社クラレ内 (72)発明者 玉井 洋進 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2番28号 株 式会社クラレ内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、R1 はアミド基の窒素原子に直接結合する原子
    が硫黄またはリンである電子吸引性基を示し、Yは置換
    されていてもよい核酸塩基の残基を示す)で表わされる
    シクロペンテンカルボキサミド誘導体。
  2. 【請求項2】 Yが置換されていてもよいプリン塩基の
    残基である請求項1記載のシクロペンテンカルボキサミ
    ド誘導体。
  3. 【請求項3】 R1 がスルホニル基である請求項1記載
    のシクロペンテンカルボキサミド誘導体。
  4. 【請求項4】 R1 がホスホリル基である請求項1記載
    のシクロペンテンカルボキサミド誘導体。
  5. 【請求項5】 一般式(II): 【化2】 (式中、R1 はアミド基の窒素原子に直接結合する原子
    が硫黄またはリンである電子吸引性基を示す)で表わさ
    れるビシクロアミド誘導体を、塩基およびパラジウム触
    媒の存在下で、一般式(III) : Y−H (III) (式中、Yは置換されていてもよい核酸塩基の残基を示
    す)で表わされる化合物と反応させることを特徴とする
    一般式(I): 【化3】 (式中、R1 およびYは前記定義のとおりである)で表
    わされるシクロペンテンカルボキサミド誘導体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 Yが置換されていてもよいプリン塩基の
    残基である請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 R1 がスルホニル基である請求項5記載
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 R1 がホスホリル基である請求項5記載
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 有機リチウム化合物の存在下、−120
    〜0℃の温度で、式(IV): 【化4】 で表わされる2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−
    5−エン−3−オンを、一般式(V): R1 −X (V) (式中、R1 はXに直接結合する原子が硫黄またはリン
    である電子吸引性基を示し、Xはハロゲン原子を示す)
    で表わされる化合物と反応させることにより、一般式
    (II): 【化5】 (式中、R1 は前記定義のとおりである)で表わされる
    ビシクロアミド誘導体を得、次いで得られたビシクロア
    ミド誘導体を、塩基およびパラジウム触媒の存在下で、
    一般式(III) : Y−H (III) (式中、Yは置換されていてもよい核酸塩基の残基を示
    す)で表わされる化合物と反応させることを特徴とする
    一般式(I): 【化6】 (式中、R1 およびYは前記定義のとおりである)で表
    わされるシクロペンテンカルボキサミド誘導体の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 Yが置換されていてもよいプリン塩基
    の残基である請求項9記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 R1 がスルホニル基である請求項9記
    載の製造方法。
  12. 【請求項12】 R1 がホスホリル基である請求項9記
    載の製造方法。
  13. 【請求項13】 有機リチウム化合物の存在下、−12
    0〜0℃の温度で、式(IV): 【化7】 で表わされる2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−
    5−エン−3−オンを、一般式(V): R1 −X (V) (式中、R1 はXに直接結合する原子が硫黄またはリン
    である電子吸引性基を示し、Xはハロゲン原子を示す)
    で表わされる化合物と反応させることを特徴とする一般
    式(II): 【化8】 (式中、R1 は前記定義のとおりである)で表わされる
    ビシクロアミド誘導体の製造方法。
  14. 【請求項14】 R1 がスルホニル基である請求項13
    記載の製造方法。
  15. 【請求項15】 R1 がホスホリル基である請求項13
    記載の製造方法。
  16. 【請求項16】 一般式(II−1): 【化9】 (式中、R2 は炭素原子および水素原子以外の原子を含
    有する置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示
    す)で表わされるN−スルホニルビシクロアミド誘導
    体。
  17. 【請求項17】 一般式(II−2): 【化10】 (式中、R3 は置換基を有していてもよい飽和脂肪族炭
    化水素基を示す)で表わされるN−スルホニルビシクロ
    アミド誘導体。
  18. 【請求項18】 一般式(II−3): 【化11】 (式中、R4 およびR5 はそれぞれ置換基を有していて
    もよい芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよ
    い飽和脂肪族炭化水素基を示す)で表わされるN−ホス
    ホリルビシクロアミド誘導体。
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