JP2001504125A - シクロプロピルアミンの製造法 - Google Patents
シクロプロピルアミンの製造法Info
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Abstract
(57)【要約】
ハロゲン化アルキルマグネシウムまたは亜鉛アルキル化合物、およびオルソメタレートを作用させながら、カルボン酸アミドをオレフィンと反応させることによるシクロプロピルアミンの製造法。
Description
【発明の詳細な説明】
シクロプロピルアミンの製造法
本発明はカルボキシアミド類およびオレフィン類からシクロプロピルアミン類
を製造する方法に関する。
重要な生物活性をもったシクロプロパン誘導体の中でシクロプロピルアミン類
は最も重要である。幾つかのアミノシクロプロパンカルボン酸は天然に得られる
。最近多くのシクロプロピルアミン類は新規医薬品をつくる骨格化合物として使
用されて来た(Pharmakologie und Toxikologie
,Wissenschaftsverlag Mannheim、1993年発
行、655頁参照)。シクロプロパンアミノ酸は例えば薬学および穀物保護の分
野における酵素阻害剤として、また他の用途において興味がもたれている。さら
にキーとなる位置にシクロプロピルアミン類を導入することにより、ペプチド鎖
の二次および三次構造を目標通りに変性することができる。シクロプロピル基を
導入することにより、問題とされるペプチドの中心に潜在的な不安定性がつくら
れ、この中心は受容体および酵素の求電子または求核中心と反応することができ
る(J.Org.Chem.誌、54巻、5866頁(1989年))。この目
的のためには例えば重要な蛋白質生成アミノ酸であるバリンの代わりに、固定し
た立体配座をもったシクロプロパン同族列の2,3−メタノバリンが製造されて
いる(上記文献参照)。
他の生物活性をもったアミン、例えばアセチルコリンおよび2,5−
ジメトキシ−4−メチルアンフェタミンに対しても、固定した立体配座をもった
シクロプロパン同族列、即ちそれぞれシス−およびトランス−ジアステレオマー
を合成し、受容体の幾何学的形状およびその作用機構を研究することができる(
J.Med.Chem.誌、17巻、1100頁(1974年);18巻、10
27頁(1975年);22巻、458頁(1979年);25巻、526頁(
1982年);26巻、817頁(1983年)、およびChem.Pharm
.Bull.誌、27巻、1893頁(1979年))。
アミノシクロプロパン誘導体を製造する従来公知の最も重要な方法は総説にま
とめられている(The Chemistry of the Cyclopr
opyl Group,Wiley Interscience、1987年発
行、1342〜1454頁)。しかしこれらの中の二三の方法だけが異なった置
換基をもったシクロプロピルアミン類を製造するために一般的に使用されている
。
従って広い範囲のシクロプロピルアミンを製造するための一般的に適用でき、
迅速で廉価な方法がなお必要とされている。
従って本発明においては、式(I)
但し式中
R1は水素、随時置換基をもったC1〜C6−アルキル、随時置換基をもっ
たC2〜C6−アルケニル、随時置換基をもったC3〜C7−シクロアルキル(アル
ケニル)、随時置換基をもったC6〜C10−アリール
または随時置換基をもったC7〜C12−アラルキルを表し、
R2およびR3は互いに独立してそれぞれ随時置換基をもったC1〜C6−ア
ルキル、随時置換基をもったC2〜C6−アルケニル、随時置換基をもったC5〜
C7−シクロアルキル(アルケニル)、随時置換基をもったC6〜C10−アリール
または随時置換基をもったC7〜C12−アラルキルを表し、
R4およびR5は互いに独立して、またR1とも独立してそれぞれR1で定義
された意味を有し、ここでR4はさらにN(H)(C1〜C6−アルキル)または
O−C1〜C8−アルキルを表すか、或いはR4およびR5は一緒になって式(II
)〜(V)の架橋を表し、ここで
mは2〜5の整数であり、
nおよびpまたはp’は互に独立して0または1〜4の整数を表し、
ここでn+pの和は少なくとも2、最高6であり、n+p’の和は少なく
とも1、最高4であり、
R6はR1とは独立してR1で定義された意味を有し、R5およびR6は一緒
になって−CH2−CH2−を表すことができ、
R7はR1とは独立してR1で定義された意味を有するが、水素を
表すことはなく、
式(IV)においては、互いに独立して1〜2個のCH2基は随時C1〜C4
−アルキル、C2〜C6−アルケニル、C3〜C7−シクロアルキル(アルケニル
)、C6〜C10−アリール、またはC7〜C12−アラルキルによって随時置換され
ていることができる、
のシクロプロピルアミン類の製造法において、式
但し式中R1、R2およびR3はそれぞれ式(I)で定義された意味を有す
る、
のカルボキシアミドを式
但し式中R4、R5およびR6はそれぞれ式(I)で定義された意味を有す
る、
のオレフィンと、式
R8−X (VIII)
但し式中
R8は直鎖または分岐鎖のC1〜C6−アルキル、またはC5〜C7−シクロ
アルキルを表し、
XはMgCl、MgBr、MgI、ZnCl、ZnBr、ZnIまたはZ
nR8を表す、
のハロゲン化アルキルマグネシウムまたは亜鉛アルキル化合物、および
式(IX)
但し式中
R9は直鎖または分岐鎖のC1〜C6−アルキル、C5〜C7−シクロアルキ
ルまたはC6〜C10−アリールを表し、
YはTi、ZrまたはV=Oを表し、
Zは塩素、臭素またはC1〜C4−アルキルを表し、
YがTiまたはZrの場合にはqは3または4、rは0または1、q+r
の和は4を表し、YがV=Oの場合にはqおよびrはそれぞれ0を表すものとす
る、
のオルソメタレートの作用下において反応させることを特徴とする方法が提供さ
れる。
基R1〜R7がアルキルおよびアルケニルを表す場合には、これらの基は炭素原
子数が許す限り直鎖または分岐鎖であることができ、アラルキル基のアルキル部
分についても同様である。
基R1〜R7が置換されたアルキル、アルケニル、シクロアルキル(アルケニル
)、アリールおよびアラルキル基を表す場合には、適当な置換基は例えばハロゲ
ン、C1〜C4−ハロアルキル、C1〜C6−アルコキシ、トリ−C1〜C4−アルキ
ルシリロキシ、ジ−C1〜C4−アルキルアミノ、ジ−C6〜C10−アリールアミ
ノ、ジ−C7〜C12−アリールアルキルアミノ、およびC6〜C10−Ar−C1〜
C4−アルキルである。これらの置換基の中で例えば最高4個の同一または異な
った置換基が存在することができる。
R1は好ましくは水素または随時弗素および/または塩素で置換され
たC1〜C4−アルキルを表す。
R2およびR3は好ましくは同一であり、また好ましくは置換されていないC1
〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、フェニルまたはベンジルを表す。
R4は好ましくは水素、随時弗素および/または塩素で置換されたC1〜C4−
アルキル、随時弗素および/または塩素で置換されたC2〜C4−アルケニルまた
は随時弗素、トリフルオロメチルおよび/または塩素で置換されたフェニルを表
す。
R5は好ましくは水素、随時弗素および/または塩素で置換されたC1〜C4−
アルキル、またはフェニルを表す。
またR4およびR5に対しては、これらが一緒になって上記式(II)〜(IV
)の架橋を表すことが好ましく、ここでmは好ましくは3または4、nおよびp
またはp’は互いに独立して1または2を表し、R7は好ましくは置換されてい
ないC1〜C4−アルキル、フェニルまたはベンジルを表す。
R6は好ましくは水素を表すか、またはR5と一緒になって−CH2−CH2−を
表す。
R8およびR9は互いに独立してそれぞれエチル、i−プロピル、n−ブチル、
またはC5〜C7−シクロアルキルであることが好ましい。
Xは好ましくはMgBrまたはZnR8を表す。
本発明方法によれば、カルボキシアミドとしてはジメチル−またはジベンジル
フォルムアミドを、オレフィンとしては1,3−ブタジエン、スチレンまたはN
−ベンジル−3−ピロリンを、式(VIII)の化合物としては臭化n−もしく
はi−プロピル−もしくはn−ブチル−マグ
ネシウム、又は塩化もしくは臭化シクロペンチルもしくはシクロヘキシルマグネ
シウムを、またオルソメタレートとしてはテトラエチロキシ−またはテトライソ
プロピロキシチタンを用いることが特に好適である。
本発明方法は、例えば式(IX)のオルソメタレートの溶液を先ず装入し、式
(VII)のオレフィンおよび式(VI)のカルボキシアミドの溶液を加え、次
いで式(VIII)の化合物の溶液を添加することによって行なうことができる
。
本発明方法はまた式(VI)のカルボキシアミド、式(IX)のオルソメタレ
ートおよび式(VII)のオレフィンを含む溶液に、式(VIII)の化合物の
溶液を加えることによって行なうこともできる。
これらの具体化例の他に他の具体化例も実施可能である。
適当な溶媒は例えばジアルキルエーテル類およびテトラヒドロフランのような
エーテル類である。テトラヒドロフラン、およびテトラヒドロフランを少なくと
も70重量%含むテトラヒドロフランとジエチルエーテルとの混合物が好適であ
る。溶媒は水を含まないことが有利である。
式(VI)のカルボキシアミド1モル当たり式(VII)のオレフィンを例え
ば0.7〜5モル使用することができる。この量は0.9〜2.5モルが好適で
ある。
式(VI)のカルボキシアミド1当量当たり式(IX)のオルソメタレートを
例えば0.9〜1.5当量使用することができる。この量は1〜1.3当量が好
適である。
式(VI)のカルボキシアミド1モル当たり(a)Xがハロゲンを含む基を表
す式(VIII)の化合物を、例えば少なくとも2.4モル、または(b)Xが
ZnR8を表す式(VIII)の化合物少なくとも1.
2モルを使用することができる。式(VI)のカルボキシアミド1モル当たり式
(VIII)の化合物の使用量は(a)の場合には2.5〜3.5モルが好適で
あり、(b)の場合には1.5〜2モルが好適である。式(VIII)において
R8がメチルを表すか、および/または式(VIII)においてXがZnR8であ
りR8がメチルの場合には、(a)の場合にはこのような式(VIII)の化合
物を少なくとも3モル、(b)の場合にはこのような式(VIII)の化合物を
少なくとも2モル使用することが一般に有利である。
式(VIII)の化合物は例えば−40〜+67℃で加えることができる。こ
の温度は好ましくは−30〜+30℃である。式(VIII)の化合物の添加終
了後しばらくの間、例えば+10〜+70℃において30分〜5時間の間撹拌を
継続することが有利である。全反応時間(式(VIII)の化合物の添加開始か
らの時間)は例えば1〜24時間であることができる。
反応を終了した反応混合物は種々の方法で回収することができる。例えば反応
生成物を混合物から溜去することができる。又、反応を終了した反応混合物を水
と混合し、僅かに酸性化し、存在する沈澱を濾過して洗滌し、一緒にした有機相
の抽出を行ない、抽出物から溶媒を抜き取り、必要に応じさらに残留物を精製す
ることもできる。また加水分解した後に混合物をアルカリ性にし、水蒸気蒸溜で
反応生成物を分離することもできる。他の回収法も実施可能である。
本発明方法は高度に位置選択性をもち(regioselective)、一
般に式(I)のシクロプロピルアミンの唯一のジアステレオマーが得られる。式
(VII)の環式オレフィン(ここでR4およびR5は
一緒になって式(II)〜(V)の架橋をつくるか、またはR5とR6は一緒にな
って−CH2−CH2−をつくっている)を使用すると、一般に式(I)のエキソ
生成物だけが得られる。ジアステレオマーの混合物が得られる稀な場合には、必
要に応じカラムクロマトグラフ法のような簡単な方法でこれらのジアステレオマ
ーを分離することができる。
本発明方法は一般的に適用することができ、下記実施例から分かるように優れ
た結果を与える。
実施例
実施例 1
エキソ−3−ベンジル−6−N,N−ベンジルアミノ−3−アザビシクロ[3
.1.0]ヘキサン(式(I)においてR1=水素、R2=R3=ベンジル、R4お
よびR5は一緒になって式(IV)においてR6=ベンジルの架橋を表す)の製造
室温、窒素雰囲気下において、乾燥テトラヒドロフラン200ml中に10.
00gのN−ベンジル−3−ピロリン(Synth.Commun.誌、20巻
、227頁(1990年))および15.29gのN,N−ジベンジルフォルム
アミド(Houben−Weyl,Methoden der organis
chen Chemie、E/5巻、第2部、ドイツ、Stuttgart、T
hieme−Verlag社1985年発行、972頁)を含む溶液を、無水の
テトラヒドロフラン200ml中に19.29gのテトライソプロピロキシチタ
ンを含む溶液に加える。得られた溶液を−30℃に冷却し、テトラヒドロフラン
中に臭化イソプロピルマグネシウム0.62モルを含む溶液273.8mlを、
鋼製の注射器を用い、この温度で激しく撹拌しながら10分間に
亙って加える。この混合物を−30〜−10℃においてさらに2時間激しく撹拌
し、その後で3時間還流下に加熱する。この間混合物の色は黒褐色に変わり、沈
澱が生じた。反応混合物を室温に冷却し、次いで塩化アンモニウムの飽和水溶液
150mlおよび水100mlをゆっくりと加え、黒色のチタン錯体が分解して
しまうまで(1時間)激しく撹拌する。この時生じた白色の沈澱を濾別し、フィ
ルター・ケーキを100mlのジエチルエーテルで洗滌し、それぞれ200ml
のジエチルエーテルを使用し濾液から生成物を2回抽出する。有機性の抽出物を
一緒にし、硫酸マグネシウム上で乾燥し、回転蒸発器を用いて溶媒を除去する。
極性の不純物を沈澱させるために、200mlの石油エーテルを加え、沈澱から
溶液を濾過し、濾液から溶媒を蒸発させ、次いでこれを精溜する。これによって
二つの溜分、即ち0.07ミリバールで60〜90℃で溜出する未反応のN−ベ
ンジル−3−ピロリン4.59g、および0.07ミリバールで90〜105℃
において溜出する副生物(即ち(E)−及び(Z)−N,N−ジベンジル−(2
−メチルシクロプロピル)−アミン)が得られた。
蒸溜残渣を50mlの石油エーテルと混合し、この混合物をシリカゲルを通し
て濾過した。濾液から石油エーテルを除去した後、9.16g(理論値の39.
6%)の生成物が黄色の粘稠な油として残った。反応させたN−ベンジル−3−
ピロリンを基準にして収率は理論値の73.2%であった。
TLCコントロール(ペンタン/ジエチルエーテル(2:1))はRf=0.
78のスポットを示した。
実施例 2
(E)−および(Z)−N,N−ジベンジル−(2−フェニルシクロプロピル
)−アミン(式(I)においてR1=水素、R2=R3=ベンジル、R4=フェニル
、R5=水素)の製造
室温、窒素雰囲気下において、ジエチルエーテル中に臭化n−ブチルマグネシ
ウムを2.1モル含む溶液5.95mlを、無水テトラヒドロフラン50ml中
に1.13gのN,N−ジベンジルフォルムアミド、1.14gのテトラエチロ
キシチタンおよび0.78gのスチレンを含む溶液に1時間に亙り加えた。黒色
の反応混合物をさらに1時間室温で撹拌し、30mlの塩化アンモニウム飽和水
溶液および15mlの水と混合し、この間内部温度を10〜20℃に保ち、変色
が起こるまで撹拌を続けた。次いで有機相を分離し、10mlのジエチルエーテ
ルで水性相を抽出し、一緒にした有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下
において溶媒を除去する。
残留物を20gのシリカゲル(ペンタン/ジエチルエーテル(50:1))上
でカラムクロマトグラフにかけ、溜分IおよびIIを得た。
溜分I:(Z)−N,N−ジベンジル−(2−フェニルシクロプロピル)アミ
ン(Rf=0.63)366mg(23.4%)、無色の油。 溜分II:(E)−N,N−ジベンジル−(2−フェニルシクロプロピル)ア
ミン[N,N−ジベンジルトラニルシプロミン]815mg(52.0%)、(
Rf=0.26)、無色の油。
実施例 3
(E)−N,N−ジメチル−(2−エテニルシクロプロピル)−アミン(式(
I)においてR1=水素、R2=R3=メチル、R4=エテニル、R5=水素)の製
造
窒素雰囲気下で内部温度−20〜−10℃において、ジエチルエーテル中に塩
化n−ブチルマグネシウムを2.25モル含む溶液267mlを、無水テトラヒ
ドロフラン600ml中に14.6gのN,N−ジメ
チルフォルムアミド、56.9gのテトライソプロピロキシチタンおよび21.
6gの1,3−ブタジエンを含む、内部温度−20℃に保った溶液に、激しく撹
拌しながら2時間に亙り加えた。黒色の反応混合物をこの温度でさらに1時間撹
拌し、次いでさらに1時間室温で撹拌した。次に0℃に冷却し、20重量%の硫
酸水溶液600mlを注意して加えることにより内部温度5〜10℃で分解させ
た。すべての固体物質が溶解した後、酸性の水性相を分離し、非塩基性の揮発性
有機物質(実質的にテトラヒドロフランおよびイソプロパノール)を除去するた
めに回転蒸発器を用い圧力26ミリバールで50℃において30分間濃縮する。
残った溶液を0℃に冷却し、冷却しながら40重量%の水酸化ナトリウム溶液を
用いpHを12に調節した。生成物(上層)を2回それぞれ100mlのペンタ
ンで抽出し、一緒にした有機性抽出物を炭酸カリウム上で乾燥し、30cmのV
igreaux蒸留塔を用いて溶媒を溜去する。残留物を350ミリバールで蒸
溜すると、無色の油の形で沸点73℃の生成物9.76g=理論値の43.9%
が得られた。
この生成物は不純物として6重量%の(E)−N,N−ジメチル−(2−エチ
ルシクロプロピル)−アミンを含んでいた。この生成物は沸騰ジオキサン(1g
に対し50ml)から再結晶させることにより塩酸
塩としてさらに精製することができる。
実施例4〜8
3−ベンジル−エキソ−6−(N,N−ジベンジルアミノ)−3−アザビシク
ロ[3.1.0]ヘキサンの製造
実施例 4
室温で窒素雰囲気下において、最初メチルトリイソプロポキシチタン(15.
1g)を5分間に亙り、次いでジエチルエーテル中に臭化シクロヘキシルマグネ
シウムを含む溶液(45.23ml、2.1M)を10分間に亙り、無水テトラ
ヒドロフラン(100ml)中にN−ベンジル−3−ピロリン(10.0g)お
よびN,N−ジベンジルフォルムアミド(14.14g)を含む撹拌溶液に加え
た。この混合物を60〜70℃において37時間激しく撹拌する。室温に冷却し
た後、反応混合物に50mlのH2Oを加え、白色の沈澱を濾別し、ジエチルエ
ーテル(50ml)で洗滌する。濾液をMgSO4上で乾燥し、減圧下で溶液を
濃縮する。未反応のN−ベンジル−3−ピロリン(1.2g)を減圧下において
油浴の温度120〜140℃で溜去する(0.07ミリバール、沸点範囲55〜
60℃)。残留物は粗製の3−ベンジル−エキソ−6−(N,N−ジベンジルア
ミノ)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンであり、不純物として例えば
ジベンジルフォルムアミドが含まれていた。シリカゲルの層(10g、移動層は
エーテル/ヘキサン1:6)を通して濾過し、得られた溶液を蒸発させて精製を
行ない、僅かに黄色を帯びた粘稠な油として生成物を得た(19.4g、84%
)。
実施例 5
室温において塩化メチルマグネシウムの溶液(3.4ml、テトラヒ
ドロフラン中3M)をN−ベンジル−3−ピロリン(1.48g)およびテトラ
イソプロポキシチタン(2.72ml、9.3ミリモル)をテトラヒドロフラン
中に含む混合物に10分間に亙り滴下して加えた。溶液をさらに10分間撹拌し
た後、テトラヒドロフラン5ml中にジメチルフォルムアミド(2.1g)を含
む溶液を室温において30秒間に亙って加える。次に臭化シクロヘキシルマグネ
シウムの溶液(5.2ml、ジエチルエーテル中1.95M)を2時間に亙って
滴下して加え、この混合物をさらに4時間還流下に加熱する。高温の反応混合物
を水(5ml)と混合し(発熱反応であることに注意)、得られた沈澱を濾斗上
に集め、20mlのジエチルエーテルで洗滌する。一緒にした濾液を減圧下で濃
縮する。未反応のN−ベンジル−3−ピロリン、ジベンジルフォルムアミドおよ
び同定できない化合物を1.3×104ミリバールの減圧下、150℃の浴温に
おいて残留物から溜去する。さらに蒸溜(浴温180〜200℃)を行ない、不
純物としてジベンジルフォルムアミドを含む3−ベンジル−6−(ジベンジルア
ミノ)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(2.62g、1HNMRに
よれば純度90%、収率69%に相当)を僅かに黄色を帯びた粘稠な油として得た
。
実施例 6
室温において塩化メチルマグネシウムの溶液(3.4ml、テトラヒドロフラ
ン中3M)をN−ベンジル−3−ピロリン(1.48g)およびクロロイソプロ
ポキシチタン(2.42g)を4mlの無水テトラヒドロフラン中に含む溶液に
10分間に亙り滴下して加えた。この混合物をさらに10分間撹拌した後、テト
ラヒドロフラン6ml中にジベンジルフォルムアミド(2.1g)を含む溶液を
室温において30秒間に亙っ
て加える。次に臭化シクロヘキシルマグネシウムの溶液(5.2ml、ジエチル
エーテル中1.95M)を2時間に亙って滴下して加え、この混合物をさらに4
時間還流下に加熱する。高温の反応混合物に水(5ml)を加え(発熱反応であ
ることに注意)、生じた沈澱を濾別し、20mlのジエチルエーテルで洗滌する
。一緒にした濾液を減圧下で濃縮し、残留物を1.3×104ミリバールの減圧
下、120〜150℃の浴温において蒸溜し、未反応のN−ベンジル−3−ピロ
リン、ジベンジルフォルムアミドおよび同定できない不純物を除去する。さらに
浴温180〜200℃で主生成物の蒸溜をを行ない、不純物としてジベンジルフ
ォルムアミドを含む3−ベンジル−6−(ジベンジルアミノ)−3−アゾビシク
ロ[3.1.0]ヘキサン(2.52g、1HNMRによれば純度91%、収率
67%に相当)を僅かに黄色を帯びた粘稠な油として得た。
実施例 7
25〜40℃で窒素雰囲気下において、四塩化チタン(0.77ml)をチタ
ンテトライソプロポキシド(6.23ml)に5分間に亙り撹拌しながら加え(
発熱反応であることに注意)、この混合物を短時間(5分間)撹拌しながら80
℃に加熱する。定量的に生成したクロロトリイソプロポキシチタンを室温に冷却
し、室温において無水テトラヒドロフラン(80ml)中にN−ベンジル−3−
ピロリン(5.2g)およびジベンジルフォルムアミド(7.3g)を含む溶液
を5分間に亙って加え、エーテル中に臭化シクロヘキシルマグネシウムを含む溶
液(39.2ml、2.1M)を30〜40℃において30分間に亙り加える(
発熱反応)。この混合物を40〜45℃において31時間撹拌し、20mlの水
を反応混合物に加え(発熱反応)、白色の沈澱を濾斗上に集め、
40mlのジエチルエーテルで洗滌する。一緒にした濾液を硫酸マグネシウム上
で乾燥し、溶液を減圧下において濃縮し、減圧下(0.07ミリバール)におい
て沸点範囲55〜60℃、浴温120〜140℃において未反応のN−ベンジル
−3−ピロリン(1.35g)を除去した。残留物は粗製の3−ベンジル−エキ
ソ−6−(N,N−ジベンジルアミノ)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキ
サンであり、不純物として若干のジベンジルフォルムアミドを含んでいた。シリ
カゲル(8.0g)移動相ヘキサン)の層を通して濾過し、得られた溶液を減圧
下において濃縮して精製を行ない、黄色を帯びた粘稠な油として8.35g(7
0%)を得た。
実施例 8
室温で窒素雰囲気下において、無水テトラヒドロフラン(90ml)中にn−
ベンジル−3−ピロリン(87.8g)およびジベンジルフォルムアミド(12
.4g)を含む溶液を5分間に亙り撹拌しながらメチルトリイソプロポキシチタ
ン(13ml)と混合し、次いでジエチルエーテル中に臭化シクロヘキシルマグ
ネシウムを含む溶液(41.5ml、2.0M)を30〜40℃において30分
間に亙り加える(発熱反応に注意)。この混合物を65〜75℃において41時
間激しく撹拌し、25mlの水を反応混合物に加え(発熱反応)、生じた白色の
沈澱を濾別し、30mlのジエチルエーテルで洗滌し、一緒にした濾液を硫酸マ
グネシウム上で乾燥する。この溶液を減圧下において濃縮し、減圧下(0.07
ミリバール、沸点範囲55〜60℃)、浴温120〜140℃において未反応の
N−ベンジル−3−ピロリン(2.6g)を溜去した。残留物は粗製の3−ベン
ジル−エキソ−6−(N,N−ジベンジルアミノ)
−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンであり、不純物として若干のジベン
ジルフォルムアミドを含んでいた。この混合物をシリカゲル(8.0g、移動相
/ヘキサン)の層を通して濾過し、得られた溶液を減圧下において濃縮し、黄色
を帯びた粘稠な油として標記の化合物(13.4g、66%)を得た。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
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Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.式(I) 但し式中 R1は水素、随時置換基をもったC1〜C6−アルキル、随時置換基をもっ たC2〜C6−アルケニル、随時置換基をもったC3〜C7−シクロアルキル(アル ケニル)、随時置換基をもったC6〜C10−アリールまたは随時置換基をもった C7〜C12−アラルキルを表し、 R2およびR3は互いに独立してそれぞれ随時置換基をもったC1〜C6−ア ルキル、随時置換基をもったC2〜C6−アルケニル、随時置換基をもったC5〜 C7−シクロアルキル(アルケニル)、随時置換基をもったC6〜C10−アリール または随時置換基をもったC7〜C12−アラルキルを表し、 R4およびR5は互いに独立してまたR1とも独立してそれぞれR1で定義さ れた意味を有し、ここでR4はさらにN(H)(C1〜C6−アルキル)またはO −C1〜C8−アルキルを表すか、或いはR4およびR5は一緒になって式(II) 〜(V) の架橋を表し、ここで mは2〜5の整数であり、 nおよびpまたはp’は互に独立して0または1〜4の整数を表し、 ここでn+pの和は少なくとも2、最高6であり、n+p’の和は少なく とも1、最高4であり、 R6はR1とは独立してR1で定義された意味を有し、R5およびR6は一緒 になって−CH2−CH2−を表すことができ、 R7はR1とは独立してR1で定義された意味を有するが、水素を表すこと はなく、 式(IV)においては、互いに独立して1〜2個のCH2基は随時C1〜C4 −アルキル、C2〜C6−アルケニル、C3〜C7−シクロアルキル(アルケニル )、C6〜C10−アリール、またはC7〜C12−アラルキルによって随時置換され ていることができる、 のシクロプロピルアミン類の製造法において、式 但し式中R1、R2およびR3はそれぞれ式(I)で定義された意味を有す る、 のカルボキシアミドを式 但し式中R4、R5およびR6はそれぞれ式(I)で定義された意 味を有する、 のオレフィンと、式 R8−X (VIII) 但し式中 R8は直鎖または分岐鎖のC1〜C6−アルキル、またはC5〜C7−シクロ アルキルを表し、 XはMgCl、MgBr、MgI、ZnCl、ZnBr、ZnIまたはZ nR8を表す、 のハロゲン化アルキルマグネシウムまたは亜鉛アルキル化合物、および式(IX ) 但し式中 R9は直鎖または分岐鎖のC1〜C6−アルキル、C5〜C7−シクロアルキ ルまたはC6〜C10−アリールを表し、 YはTi、ZrまたはV=Oを表し、 Zは塩素、臭素またはC1〜C4−アルキルを表し、 YがTiまたはZrの場合にはqは3または4、rは0または1、q+r の和は4を表し、YがV=Oの場合にはqおよびrはそれぞれ0を表すものとす る、 のオルソメタレートの作用下において反応させることを特徴とする方法。 2.基R1〜R7はそれらが置換基をもったアルキル、アルケニル、シクロア ルキル(アルケニル)、アリールおよびアラルキル基を表す場合、ハロゲン、C1 〜C6−アルコキシ、トリ−C1〜C4−アルキルシリロキシ、ジ−C1〜C4−ア ルキルアミノ、ジ−C6〜C10−アリールア ミノ、ジ−C7〜C12−アリールアルキルアミノ、およびC6〜C10−Ar−C1 〜C4−アルキルから成る群から選ばれる同一または相異なる置換基を互いに独 立して最高4個含んでいることを特徴とする請求項1記載の方法。 3.R1は水素または随時弗素および/または塩素で置換されたC1〜C4− アルキルを表し、 R2およびR3は同一であり、それぞれ置換基されていないC1〜C4−アルキ ル、C1〜C4−アルコキシ、フェニルまたはベンジルを表し、 R4は水素、随時弗素および/または塩素で置換されたC1〜C4−アルキル、 随時弗素および/または塩素で置換されたC2〜C4−アルケニルまたは随時弗素 、トリフルオロメチルおよび/または塩素で置換されたフェニルを表し、 R5は水素、随時弗素および/または塩素で置換されたC1〜C4−アルキル、 またはフェニルを表し、 R4およびR5は一緒になって上記式(II)〜(IV)の架橋を表し、ここで mは3または4、nおよびpまたはp’は互いに独立して1または2を表し、 R6は水素を表すか、またはR5と一緒になって−CH2−CH2−を表し、 R7は置換されていないC1〜C4−アルキル、フェニルまたはベンジルを表し 、 R8およびR9は互いに独立してそれぞれエチル、i−プロピル、n−ブチル、 またはC5〜C7−シクロアルキルを表し、 XはMgBrまたはZnR8を表すことを特徴とする請求項1及び2 記載の方法。 4.式(VI)のカルボキシアミド1モル当たり式(VII)のオレフィン を0.7〜5モル使用し、式(VI)のカルボキシアミド1当量当たり式(IX )のオルソメタレートを0.9〜1.5当量使用し、式(VI)のカルボキシア ミド1モル当たり(a)Xがハロゲンを含む基を表す場合式(VIII)の化合 物を少なくとも2.4モル、または(b)XがZnR8を表す場合式(VIII )の化合物を少なくとも1.2モル使用することを特徴とする請求項1〜3記載 の方法。 5.式(VIII)の化合物を−40〜+67℃の温度で加えることを特徴 とする請求項1〜4記載の方法。 6.式(VIII)の化合物の添加完了後、+10〜+70℃において30 分〜5時間の間撹拌を継続することを特徴とする請求項1〜5記載の方法。 7.全反応時間(式(VIII)の添加開始時から)が1〜24時間である ことを特徴とする請求項1〜6記載の方法。
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