JPH1076706A - 露光用ヘッドおよび印刷装置 - Google Patents

露光用ヘッドおよび印刷装置

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JPH1076706A
JPH1076706A JP18352397A JP18352397A JPH1076706A JP H1076706 A JPH1076706 A JP H1076706A JP 18352397 A JP18352397 A JP 18352397A JP 18352397 A JP18352397 A JP 18352397A JP H1076706 A JPH1076706 A JP H1076706A
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JP
Japan
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exposure
exposure head
light
light source
semiconductor light
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JP18352397A
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English (en)
Inventor
Masao Gomi
正男 五味
Fumitaka Murayama
文孝 村山
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Original Assignee
Cycolor System Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイカラーメディアなどの感光性のメディア
に対し、LEDから放射された光をレンズ系を用いずに
集光可能とし、小型で高解像度のカラー画像を印刷でき
る露光用ヘッドおよび印刷装置を提供する。 【解決手段】 LEDチップ31〜33が配置されたL
EDパネル30に遮光パネル25および前面パネル22
を積層し、遮光パネル25の収納開口29に収納された
LEDチップを収納可能とする。そして、前面パネル2
2の微細開口21を介してLED31〜33から放射さ
れた光をドット毎に集光可能とする。これにより、大型
で高価なレンズ系を省略できる。さらに、レンズ系によ
る光の損失も防止できるので、小型で安価であり、さら
に高画質の画像を短時間で印刷できる露光用ヘッド20
を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サイカラーメディ
アなどの感光性の用紙に画像を形成し出力する露光ヘッ
ドおよび印刷装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カラー写真やカラープリントを作成する
1つの方法として、感光性の用紙を露光して絵や文字と
いった画像を形成する方法がある。感光性の用紙には、
一枚の支持体に感色性の異なる感光乳剤を三層重ねて感
光材とした多層乳剤発色現象法を用いたものや、各乳剤
層に色素と現像主剤を含んだフィルムを用いて露光と同
時に現像できるようにしたものもある。また、図1に示
したサイカラーメディア1と称される感光性用紙が開発
されており、各々異なる発色物質とフォトイニシエータ
を含んだマイクロカプセル(サイリス)3a、3bおよ
び3cを感光材として用いたものがある。このサイカラ
ーメディア1は、薄いポリエステルなどの支持体2の表
面に非常に小さなサイリスが無数に備えた感光材の層4
がコーディングされており、これらに光を当ててサイリ
スを硬化させることにより特定の色のサイリスのみを活
性化したのち、圧力をかけてつぶし、現像することによ
り所定の色の画像を形成することができるようにしてい
る。他の感光性用紙においても、発色の原理は異なる
が、画像の色、あるいはその補色の露出光を照射して感
光性用紙を露光し、画像を形成する必要がある。
【0003】感光性用紙を露光する方法としては、白色
光をフィルターなどで3原色に分離して、それぞれの原
色で画像を形成したのち、これらを組み合わせて所定の
色の画像あるいはその補色の画像を感光性用紙の上に形
成する方法が多く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これに対し、近年、特
開平5−211666号、あるいは特開平5−2782
60号公報に開示されているように、赤、緑および青の
光を発するLEDやレーザーを発光源として用い、これ
らの発光源を制御することにより感光性用紙上に所定の
色の画像を合成し露光する技術が開発されている。しか
しながら、特開平5−211666号あるいは特開平5
−278260号公報に開示されたLEDやレーザーを
光源として用いた露光装置においては、LEDやレーザ
ー光源から出射された光をメディア上に集光するために
レンズ系が採用されており、ドット単位で色彩の制御を
行うために走査光学系やマイクロレンズアレイといった
高価で設置スペースの大きな光学系が必要となってい
る。さらに、この走査光学系を構成するレンズ群やマイ
クロレンズアレイは光の伝達に伴う損失があるのでLE
Dやレーザー光源から出射された光の一部しか感光性用
紙(メディア)に到達しない。このため、感光材を露光
するのにLEDでは十分な光量が得られなかったり、あ
るいは、十分な露光時間を確保するために印刷速度を遅
く、印刷時間を長くしなければならなかった。また、レ
ンズを用いた光学系は設置スペースが大きく、さらに、
高価であり、印刷装置が大型で高価になってしまう。
【0005】そこで、本発明においては、高価で大型に
なる光学系を用いずにLEDなどの半導体光源から放射
された光を感光性用紙上に集光し、高強度の光を用いて
感光性用紙上に画像を形成できる小型で安価な露光用ヘ
ッドおよび印刷装置を提供することを目的としている。
【0006】また、半導体光源から高強度の露出光が得
られるようになれば、露光用ヘッドをコンパクトにでき
ると共に、色別の光源を設けて露光時間を制御できる。
そこで、色毎に露光特性の異なる感光材を備えた感光性
用紙に対して、適当な露光時間を設定できる露光用ヘッ
ドを提供することも本発明の目的としている。そして、
カラーバランスが良く、色の歪みなども少ない高画質の
画像を高速で形成できる安価で小型の露光用ヘッドおよ
び印刷装置を提供することも本発明の目的としている。
例えば、先に説明したサイカラーメディアでは、感光材
の露光特性が色によって異なっている場合もあるが、こ
のようなメディアに対してもカラーバランスが良く、色
の歪みなども少ない画像を形成し、高品質のカラープリ
ントを作成できる露光用ヘッドおよび印刷装置を提供す
ることを目的としている。
【0007】さらに、LEDなどの半導体光源の固体差
に起因する色むらなどを防止でき、カラーバランスが良
く、歪みのない画像を感光性用紙上に形成できる露光用
ヘッドおよび印刷装置を提供することも本発明の目的と
している。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の露光
用ヘッドは、感光性用紙に画像を形成するための露出光
を照射可能な複数の半導体光源が配置された光源部と、
半導体光源と対応した位置に複数の微細開口が形成され
た前面部を有しており、さらに、半導体光源と対応した
位置に半導体光源を収納可能な大きさの複数の収納開口
を備えた遮光部を設け、前面部と光源部を遮光部を挟ん
で積層することにより、前面部が光源部に取り付けられ
た露光用ヘッドを実現している。すなわち、本発明の露
光用ヘッドは、半導体光源から出射された露出光をドッ
ト(画素)単位で感光性用紙に照射できる微細開口が形
成された前面部が、光源部に対し遮光部を挟んで感光性
用紙に面するように積層されている。このため、レンズ
系を用いることなく半導体光源から出射された露出光を
画素単位で感光性用紙に対し直に照射できる。従って、
LEDや半導体レーザーなどの半導体光源を、感光性用
紙に対し殆ど距離なくベアチップの状態で対峙させて露
光できる。このため、半導体光源から出射された露出光
が直に感光性用紙に照射されるので、減衰の少ない高強
度の露出光により感光性用紙に画像を形成できる。ま
た、前面部によって感光性用紙は半導体光源と直に接触
しないので、半導体光源や光源部の故障や劣化を阻止で
きる。
【0009】本発明の露光用ヘッドは、LEDなどの半
導体光源からの光を、マイクロレンズアレイや走査光学
系といったレンズ系を用いずに感光性用紙上に集光でき
るので、露光用ヘッドを小型化でき、また、低価格で提
供できる。さらに、半導体光源から出射された露出光を
直に感光性用紙に照射でき、レンズ系による減衰のない
高強度の光が用いられるので、高速で感光性用紙に印刷
できる。また、レンズ系による減衰がないので、レーザ
ーに比べて光量が少ないLEDを半導体光源として用い
ても十分な強度の露出光が得られる。従って、本発明に
より、LEDまたは半導体レーザーなどの半導体発光素
子のうち、特に、LEDを半導体光源として採用した、
低価格で、十分な露光強度が得られる小型の露光用ヘッ
ドを提供できる。
【0010】光源部としては、面発光レーザーのように
複数の半導体光源が1チップに作り込まれたものも採用
可能である。しかしながら、現状では、それぞれの半導
体光源としてLEDや半導体レーザー素子などの半導体
発光素子を用いた方が低価格で、また、歩留りが良く品
質の高い露光用ヘッドを提供できる。本発明の露光用ヘ
ッドは、スペーサとしての機能を果たす遮光部を設けて
あるので、これらの半導体光源を1つ1つ、あるいはグ
ループ化して遮光部の収納開口に収納し、これを挟んで
光源部と前面部を積層できる。
【0011】また、収納開口に収納された半導体光源か
ら出射された露出光は、その半導体光源に対応した微細
開口からのみ感光性用紙に向かって照射される。従っ
て、隣接する半導体光源から出射された露出光による影
響を阻止できるので、他の半導体光源からの光が微細開
口を通してメディアに対し照射されたことに起因する色
の滲みなどを防止できる。さらに、収納開口内の半導体
光源からの露出光は、その半導体光源に対応した微細開
口からのみ露出光が照射されるので、露出光の強度をさ
らに向上でき、コントラストも高くできる。このため、
いっそう解像度が高く品質の良い印刷ができる。さら
に、収納開口の内面を金属面や鏡面などの反射性にする
ことにより、露出光の損失を防止し、微細開口から照射
される露出光の強度を上げることができる。
【0012】このように、遮光部は、収納開口の内部に
LEDなどの半導体光源を収納して光源部と前面部を積
層可能にするスペーサとしての機能の他に各半導体光源
を光学的に分離する機能を備えている。また、収納開口
をLEDなどの半導体光源にボンディングワイヤーを設
置する空間としても利用できる。このため、遮光部を採
用することにより、半導体光源やボンディングワイヤー
を傷つけることなく収納し、半導体光源を感光性用紙に
接近させて露光できるコンパクトな露光用ヘッドを提供
できる。
【0013】さらに、露光用ヘッドの前面部の感光性用
紙に面した表面を黒色あるいは明度の低い非反射性にす
ることにより、感光性用紙と前面部における露出光の反
射による影響を抑止でき、色の滲みなどを抑えた、より
品質の高い印刷ができる。
【0014】また、収納開口を備えた遮光部は、露光用
ヘッドを支持する適度な強度を持たせることが可能であ
り、前面部および光源部を遮光部に取りつけて支持する
ことができる。遮光部を支持部材とすることにより、光
源部の厚さが変動してしまう場合でも、前面部と感光性
用紙の距離を適性に制御できる。従って、露光用ヘッド
を走査方向に動かすヘッド送り装置を備えた印刷装置に
おいては、遮光部を保持して露光用ヘッドを移動するこ
とが望ましく、光源部の厚さが異なる露光用ヘッドであ
っても前面部と感光性用紙との距離をほぼ一定に保つこ
とができる。
【0015】本発明は、感光性用紙の紙送り方向と直交
する走査方向にLEDなどの半導体光源が並び、走査方
向のドットをそれぞれ半導体光源で露光する固定式の露
光用ヘッドにも適用できる。また、露光用ヘッドを走査
方向に移動し露光を行うシリアルプリンターの露光用ヘ
ッドにも適用できる。特に、走査型の露光用ヘッドにお
いては、露光用ヘッドが移動して(移動しながら、ある
いは移動と停止を繰り返しながら)露光する際に感光性
用紙の同じ箇所に露出光が照射できるように適当な間隔
で半導体光源を配置することが可能であり、LEDなど
の半導体発光素子が容易に取付でき、収納開口も強度を
保持し、光学的な分離が確実にできる適当な間隔で配置
することができる。
【0016】さらに、本発明の露光用ヘッドは半導体発
光素子を採用することにより、色毎に特性の異なる半導
体光源群を露光用ヘッドに配置できる。このため、色毎
に露光特性の異なる感光性用紙に対して、その特性に適
した露出光を照射する半導体光源を配置してカラーバラ
ンスの良い印刷ができる。また、本発明の露光用ヘッド
は、半導体発光素子から照射される露出光の強度を確保
できるので、その強度の制御範囲も広くなり、この点で
も色毎に露光特性の異なる感光性用紙に対し色調の調整
が容易であり、色の歪みなども少ない高画質の画像を形
成することができる。
【0017】また、走査型の露光用ヘッドであれば、感
光性用紙の各ドットを同一の半導体光源から照射された
露出光によって露光するように配置できる。このため、
半導体光源に固体差があっても、それによる色むらなど
は発生せず、カラーバランスの良い高画質の画像を感光
性用紙に形成できる。従って、走査方向にドット毎に異
なる半導体光源で露光する際に必要になる半導体光源の
固体差を吸収するための回路や機構は不要である。さら
に、半導体光源の特性の管理も緩和できるので、高品質
の印刷ができる露光用ヘッドを低価格で提供できる。従
って、本発明の露光用ヘッドを採用することにより高品
質の印刷ができる低価格でコンパクトな印刷装置を提供
できる。
【0018】また、走査型の露光用ヘッドは、異なった
色の露出光をそれぞれ照射可能な複数の半導体光源群を
適当な間隔を開けて配置し、これらによって感光性用紙
の同じ箇所(ドット)に露出光を照射できる。従って、
フルカラー印刷が可能であり、また、これら半導体光源
群を複数の半導体光源で構成することにより、1つの半
導体光源では十分な光量が得られないときでも、1つの
ドットを同色の複数の半導体光源で露光することができ
る。従って、露光に十分な光量を確保でき、LEDなど
の光量は若干低いが安価に供給可能な半導体光源を用い
ても十分な強度の露出光を確保できる露光用ヘッドを構
成できる。このような光源部に、赤、緑および青、また
は、シアン、マゼンダおよびイエローのいずれかの原色
グループのそれぞれを照射可能なLEDを半導体光源と
して配置することにより、小型で高性能のカラー印刷用
の露光用ヘッドを安価に提供することができる。
【0019】従って、本発明の露光用ヘッドと、感光性
用紙を露光用ヘッドに対し紙送りする紙送り手段とを設
けることにより、高速で高画質のプリントが得られる小
型の印刷装置を低価格で提供することができる。また、
本発明の印刷装置は、色毎に露光特性の異なる感光材を
備えた感光性用紙に対してもカラーバランスが良く、色
の歪みなども少ない高品質の印刷ができる。さらに、ヘ
ッド送り装置と同期して走査方向に移動しながら加圧現
像を行う回転体を備えた現像装置を設けることにより、
サイカラーメディアに対してフルカラー印刷ができる印
刷装置を提供できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図2に、本発明の印刷装置の概要
を示してあり、図3に、本例の印刷装置の概略構成を断
面を用いて示してある。本例の印刷装置10は、シリア
ルタイプのプリンターであり、感光性用紙1を一定方向
(紙送り方向)Yに送る紙送りローラー11と、紙送り
方向Yに直交する走査方向Xに往復移動して感光性用紙
1を露光し、画像を形成する露光用ヘッド20と、この
露光用ヘッド20を保持しながら走査方向Xに延びたシ
ャフト12を移動可能なキャリッジ13を備えている。
キャリッジ13は、不図示のタイミングベルトなどによ
ってキャリッジ駆動用のモータにより走査方向Xに一定
スピードで往復移動できるようになっている。
【0021】本例の印刷装置10は、感光性用紙として
図1に示したサイカラーメディア1を使用できるもので
あり、サイカラーメディア1を露光してカラー印刷がで
きるようになっている。サイカラーメディア1は、上述
したように、発色剤を含有したサイリス(マイクロカプ
セル)が薄いポリエステルなどの支持体の表面に無数に
コーディングされてたメディアであり、高解像度で独特
の光沢を備えた写真に近い美しいイメージを形成するこ
とができる。また、保存のためにラミネートなどは不要
であり、非常に耐久性の高い印刷結果を得ることができ
る。このようなサイカラーメディア1を印刷するには、
図3に示すように、まず、サイカラーメディア1に対
し、露光用ヘッド20を用いて形成したい画像にマッチ
した波長の露出光を照射する。この露出光によって、露
出光の波長と補色の発色物質(ルーコダイ)を内部に含
んだサイリスが硬化し、サイリスの内部に含まれたルー
コダイが不活性化される。
【0022】露光用ヘッド20によって露光された領域
は紙送りローラー11で紙送り方向Yに送られ、次の領
域が露光用ヘッド20に対し紙送りされる。一方、露光
済の領域は、露光用ヘッド20と共にキャリッジ13で
走査方向Xに動かされる現像ボール14によってサイリ
スが加圧される。露出光によって不活性化された以外の
活性状態のサイリスは現像ボール14によって加圧され
ると潰れ、ルーコダイが透明なポリエステルに形成され
た受像層と化学反応を起し所望の色に発色する。本例の
印刷装置10においては、現像ボール14によってサイ
カラーメディア1を現像すると共に、ヒーター15によ
ってメディア1を加熱し早期に発色を安定させ、ほぼ発
色が完了した状態で印刷装置から印刷済のサイカラーメ
ディア1を出力できるようにしている。
【0023】さらに、本例の印刷装置10は、紙送りロ
ーラー11aおよびサブローラー11bによってメディ
ア1を挟み込みながら所定のタイミングで方向Yに確実
に紙送りできるようになっている。また、露光用ヘッド
20を走査方向Xに動かすキャリッジ13は、同時に現
像ボール14も搭載できるようになっており、キャリッ
ジ13のメディア1が送られている側(上流側)13a
に露光用ヘッド20が搭載され、紙送りローラー11a
および11bを挟んで下流側13bに現像ボール14が
搭載されている。このため、キャリッジ13は、露光用
ヘッド20の荷重を主に受ける主シャフト12aと、現
像ボール14からの荷重に主に受けるサブシャフト12
bに支持されており、これらのシャフト12aおよび1
2bを滑りながら走査方向に動き、露光用ヘッド20お
よび現像ボール14を移動できるようになっている。キ
ャリッジ13には、現像ボール14を収納するハウジン
グ16が設けられており、このハウジング16内のコイ
ルバネ17とコイルバネ17の力を現像ボール14に伝
達するサポート18が収納されいる。このため、キャリ
ッジ13が走査方向に移動すると、現像ボール14が回
転しながらメディア1をプラテンとしての機能も備えた
ヒーター15に向かって一定の圧力で押圧できるように
なっている。
【0024】図4に、本例の印刷装置10の露光用ヘッ
ド20の周辺を拡大して示してある。また、図5に、そ
の露光用ヘッド20の構成を展開図を用いて示してあ
る。本例の露光用ヘッド20は、上述したようにキャリ
ッジ13に現像ボール14と共に搭載され、シャフト1
2aおよび12bに沿って走査方向Xに移動しながら、
あるいは移動と停止を繰り返しながらメディア1を露出
し、画像を形成できる走査型の露光用ヘッドである。本
例の露光用ヘッド20は、図5に示すように、複数のL
ED31〜33が搭載されたLED基板30と、直径
0.3〜0.1mm程度の微細開口(マイクロアパーチ
ャ)21の形成された前面パネル22と、LED基板3
0と前面パネル22との間に位置する遮光パネル25の
3層が積層された構成となっており、LED基板30が
光源部となってLED31〜33から出射された露出光
を前面部である前面パネル22の微細開口21を介して
メディア1に照射できるようになっている。
【0025】光源部であるLED基板30には、図6に
LED基板30の表面35を拡大して示すように、半導
体光源である複数のLED31〜33が規則正しく配置
されている。本例の露光用ヘッド20は、サイカラーメ
ディア1に対しカラープリントが可能なものであり、そ
のため、1つの原色グループ(3原色)である赤色
(R)のLED31と、緑色(G)のLED32と、青
色(B)のLED33が基板の表面35に配置されてい
る。また、それぞの色のLED31〜33はグループと
なっており、それぞれの色毎に複数のLEDが配置され
ており、例えば、赤色のLED31は4個がLED基板
の表面35のほぼ中央に一列に配置されている。また、
緑色のLED32と、青色のLED33は、それぞれ6
個が赤色のLED31を挟んで表面35の両側に配置さ
れている。
【0026】さらに、これら複数のLED31〜33
は、それぞれの間隔が画素(ドット)距離の整数倍とな
るようにLED基板の表面35に配置されている。従っ
て、露光用ヘッド20が走査方向Xに移動する距離と、
メディア1が紙送り方向Yに移動する距離とに基づきL
ED31〜33の発光するタイミングを制御することに
より、メディア1の表面の所定のドット(同一のドッ
ト)に対しこれらのLED31〜33からの出射光(露
出光)をそれぞれ照射することができる。このように、
本例の露光用ヘッド20は、走査型であるので、LED
を適当な間隔を開けて配置できる。従って、後述する適
当な大きさの収納開口を適当なピッチで形成することが
できる。
【0027】一方、本例の露光用ヘッド20は、複数の
LED31〜33が配置されており、これらがメディア
1の表面(印刷する領域)を走査するように露光用ヘッ
ド20が動けるようにする必要がある。すなわち、LE
Dパネル30に配置されたLED31〜33の縦横の幅
分だけ印刷する面積に対し余分に動かす必要がある。従
って、LED31〜33は、可能な限り小さな面積でL
EDパネル30の表面35に配置することが望ましい。
このため、本例においては、LED31〜33を千鳥状
に配置することにより、LED31〜33の相互間の距
離を確保しながらLED31〜33の配置面積を小さく
している。また、このような千鳥状の配置を採用するこ
とにより、後述する収納開口29同士の隙間も十分に確
保することができるので、遮光パネル25の収納開口2
9の配置も簡単になる。
【0028】図7に、このようなLED基板30と、前
面パネル22の間に位置し、スペーサとしての機能も果
たす遮光パネル25の構成を示してある。本例の遮光パ
ネル25は、厚さ0.3mm程度のステンレススチール
製の板材で構成されており、LED基板30の表面35
と対峙する平面部26と、この平面部26の縁から遮光
パネル25をキャリッジ13に固定できるように延びた
支持部27と、平面部26からメディア1が送られてく
る上流方向に1/4円状に延びたケーブル支持部28と
から主に構成されている。平面部26には、LED基板
30の表面に設けられたLED31〜33の配置に対応
して複数の楕円状の開口29が形成されており、平面部
26の下面26aにLED基板30が接着されると図8
に示すように、遮光パネル25の開口29のそれぞれ
に、LED31〜33が1つ1つ収まるようになってい
る。このため、遮光パネル25に設けられた収納用の開
口29は、LEDチップ31〜33の大きさに合わせて
形成されており、本例においては、LEDチップ31〜
33が一辺がほぼ0.3mmの方形なので、1〜2mm
程度の楕円状の収納開口29を設けて、LEDチップ3
1〜33と共にこれらのLEDチップ31〜33に電力
を供給するボンディングワイヤー34も収納開口29に
収納できるようにしている。収納開口29の形状はもち
ろん楕円に限定されるものではなく、LEDパネルの表
面35に設置されたLEDチップ31〜33の大きさは
配線方法およびボンディングワイヤー34の取りつけ方
によって円形や長方形などさまざまな形状を採用するこ
とが可能である。また、本例では走査方向に長い収納開
口29を形成してあるが、この向きはボンディングワイ
ヤー34の取りつけ方などによって左右されるものであ
り、本例に限定されるものではない。
【0029】また、本例の露光用ヘッド20において
は、遮光パネル25が強度部材(支持部材)となってお
り、この遮光パネル25の平面部26の下面26aにL
ED基板30が接着され、上面26bに前面パネル22
が接着される。そして、遮光パネル25が側面を形成す
る支持部27によってキャリッジ13に固定され、これ
によって露光用ヘッド20がキャリッジ13に固定でき
るようになっている。キャリッジ13の側面には、図5
に示すように、支持部27の穴27eと噛み合うように
突起13eが設けてあり、遮光パネル25を簡単に固定
できるようになっている。また、キャリッジ13に対
し、露光用ヘッド20の位置決めを行い易いように、キ
ャリッジ13にメディア1の側に向かって突き出た突起
13cおよび13dが用意されている。そして、この突
起13cおよび13dを平面部26の穴26cおよび2
6dに通して露光用ヘッド20をキャリッジ13に取り
つけることにより、露光用ヘッド20のキャリッジ13
に対する走査方向Xあるいは紙送り方向Yに対する相対
位置をほぼ一定に保つことができるようになっている。
【0030】また、本例の露光用ヘッド20において
は、遮光パネル25を支持部材として、すなわち、遮光
パネル25を介してLEDパネル30をキャリッジ13
に取りつけることにより、メディア1の方向の前面パネ
ル22の位置およびLED31〜33の位置(メディア
1と前面パネル22、あるいはLED31〜33のギャ
ップ)をキャリッジ13に対し一定に保つことができ
る。本例の露光用ヘッド20は、LED31〜33から
出射された露出光をレンズ系などを介さずに直にメディ
ア1に照射できるようにしてあるので、LEDはベアチ
ップ状態でできるかぎりメディア1に近づけることが望
ましい。しかしながら、LEDパネル30は、製造過程
やLED31〜33を取りつける過程によって供給され
る厚みに固体差がある。このため、キャリッジ13にL
EDパネル30を直に装着するようにしたのでは、LE
Dパネル30の固体差(厚みの差)を吸収できるような
サイズのギャップをメディア1との間に設けておく必要
がある。また、LEDパネル30によってギャップの値
も変わってしまう。
【0031】これに対し、本例の露光用ヘッド20にお
いては、遮光パネル25にLEDパネル30の表面35
を接着などによって固定してあるので、LEDパネル3
0の厚みに固体差があってもLEDパネル30の表面3
5とメディア1との距離を一定に保つことができる。従
って、LED31〜33とメディア1との距離を最小限
にでき、ほぼ一定に保持することが可能である。このた
め、より解像度の高い画像を安定してメディア1に形成
できる露光用ヘッド20を実現できる。
【0032】さらに、遮光パネル25には、ケーブル支
持部28が形成されており、このケーブル支持部28に
よってLEDパネル30から延びたプリントケーブル3
8を支持できるようになっている。本例の露光用ヘッド
20は、キャリッジ13によって走査方向に移動するの
で、この露光用ヘッド20に対する印刷データは露光用
ヘッド20と共に動くフレキシブルなプリントケーブル
38を介して伝達される。そこで、本例においては、遮
光パネル25のケーブル支持部28にプリントケーブル
38自身を接着などによって固定し、露光用ヘッド20
が移動する際にプリントケーブル38自身も移動できる
ようにして、プリントケーブル38とLEDパネル30
の接続部分に無理な力がかからないようにしている。こ
れにより、プリントケーブル38とLEDパネル30と
の接続が切れたり、プリントケーブル内でケーブルが断
線するような事態を未然に防止している。
【0033】このように、本例の露光用ヘッド20にお
いては、遮光パネル25に下面26aからLEDパネル
30が装着され、上面26bには微細開口の形成された
前面パネル22が装着され、さらに、ケーブル支持部2
8にフレキシブルケーブル38が装着されるようになっ
ている。従って、遮光パネル25に露光用ヘッド20を
構成する全ての部品を予め組み立てておくことが可能で
あり、キャリッジ13に遮光パネル25を装着するだけ
で露光用ヘッド20を印刷装置10に組み込むことがで
きる。また、キャリッジ13に対するそれぞれの位置が
遮光パネル25を装着するだけでほぼ一定に設定できる
ようになっているので、印刷装置10の組立も簡単とな
り、部品の位置精度も高くできる。さらに、LEDパネ
ル30などに障害が発生した場合であっても、露光用ヘ
ッドごと簡単に交換することが可能であり、メンテナン
ス性の良い印刷装置を提供することができる。さらに、
遮光パネル25によって後述するようにLEDチップ3
1〜33の間の露出光の干渉を防止することができ、ま
た、メディア1に照射される露出光の強度を向上でき、
高品質の印刷が行える。
【0034】図9に、遮光パネル25にLEDパネル3
0および前面パネル22が組み立てられた様子を模式的
に示してある。本例の前面パネル22は金属性の板材を
用いており、上述したように、LEDチップ31〜33
から出射された露出光をメディア1に対しドット(画
素、ピクセル)単位で照射できるようにマイクロアパー
チャー(微細開口)21がLEDチップ31〜33の配
置に対応して形成されている。このような微細開口21
を介して露出光をメディアに照射することにより、レン
ズ光学系を用いずにLEDから出射された光をドット単
位に集光することができる。従って、レンズ光学系のス
ペースが不要になるので、LED31〜33をメディア
1に対し非常に接近した位置に配置することが可能であ
り、さらに、レンズ光学系による光量のロスもなくなる
ので強度の高い光をメディア1に照射することができ
る。また、複雑で高価であり、さらにスペースをとるレ
ンズ光学系を用いなくて良いので、小型で高性能の露光
用ヘッドおよび印刷装置を非常に低価格で提供すること
が可能になる。特に、本例の露光用ヘッド20は、走査
方向に移動できる走査型の露光用ヘッドであるので、レ
ンズ光学系を省くことにより重量およびサイズともに減
少し、キャリッジ13の負荷を低減できる。このため、
キャリッジ13を駆動するためのモーターを小型化で
き、その一方で駆動負荷が小さいので位置精度を上げる
ことができる。従って、本例の露光用ヘッド20を採用
することにより、この点でも小型で高画質の印刷が可能
な印刷装置を提供することができる。
【0035】さらに、本例の露光用ヘッド20において
は、前面パネル22の感光性用紙に面する表面23に黒
色のコーディングを施してある。このような非反射性の
表面23を設けておくことにより、微細開口21から出
射された露出光の一部が感光性用紙の表面で反射されて
も、その反射光が前面パネルの表面23で再度反射され
て感光性用紙に照射され、他のドットに影響を与える確
立が小さくなる。従って、微細開口21から出射された
露出光が目的とするドット以外の他のドットに影響を与
えることを防止できるので、色の滲みやぼけなどを抑止
でき、さらに、解像度の高い品質の良い印刷が行える。
前面パネル22の表面色は黒色が望ましいが、他の明度
の低い色であっても十分な効果が認められる。
【0036】また、本例においては、内面29aが金属
面となる反射性能の持った遮光パネル25を採用してお
り、その収納開口29に個々のLEDチップ31〜33
を収納している。このため、LEDチップ31〜33か
ら出射された光は、収納開口29の内面29aで反射さ
れ、そのほぼ全てがアパーチャー21を介してメディア
1に照射される。従って、小径のアパーチャーを集光系
として用いても、LEDから出射された光のほぼ全てを
アパーチャーを介してメディアに照射できるので、十分
な光量を確保することができる。
【0037】また、それぞれのLEDチップ31〜33
が反射性の内面29aで区切られた独立した収納開口2
9に収納されるので、相互のLEDから出射された光の
干渉はなく、オンオフのコントラストが非常に高い(ほ
とんど無限大)光によってメディア1を露光することが
できる。このため、複数のLEDチップ31〜33をア
レイ状に配置した露光用ヘッドにおいても、他のLED
チップに対応したアパーチャーを通して露出光がメディ
アに照射されることはなく、コントラストが高く、色の
滲みやぼけのない画像を形成できる。
【0038】図10および図11を用いてさらに詳しく
説明する。図10に、本例の遮光パネル25を用いた露
光用ヘッド20から露出光5が出射される様子を模式的
に示してある。また、図11に、遮光パネルのない露光
用ヘッドを用いた例を模式的に示してある。LEDパネ
ル30に装着されたLEDのベアチップ31〜33から
はあらゆる方向に光50が照射される。図10に示すよ
うに、本例の露光用ヘッド20においては、LED31
〜33から照射された光50が収納開口29の内壁29
aによって反射されるため、収納開口29内の光強度が
増する。従って、LED31〜33から出射された光は
ほとんどロスなく、微細開口21を通ってメディア1に
出射され、強度の高い露出光5を得ることができる。
【0039】これに対し、図11に示したような遮光パ
ネルのない露光用ヘッドにおいては、LED31〜33
から照射された光が前面パネル21とLEDパネル30
との隙間に散乱してしまう。このため、LEDチップか
ら照射された光のごく一部しかメディア1の特定のドッ
トを露光のために用いることができず、また、他のLE
Dチップに対応した微細開口から光が漏れるので露光の
際のコントラストが低下し、画質も劣ってしまう。
【0040】もちろん、図11に示したようにメディア
1とLEDチップ30との間に前面パネル22を設ける
ことにより、メディア1とLED31〜33あるいはボ
ンディングワイヤーとの干渉を防止できるので、メディ
ア1に対しLED31〜33を非常に接近した状態で露
光できる。このため、レンズ系を省いて小型で軽量の信
頼性の高い露光用ヘッドを提供できる。特に、半導体光
源として指向性に優れた半導体レーザーを用いる場合は
十分な強度の露出光を得ることができる。また、面発光
レーザーなどの複数の光源が1チップ化された光源部を
採用する場合には、光源部の表面を微細開口の形成され
た前面パネル22で保護することで高解像度の画像を形
成できる露光用ヘッドを提供できる。
【0041】本例においては、遮光パネル25が前面パ
ネル22とLEDパネル30との間のスペーサとしての
機能を備えており、また、遮光パネル25を設けること
により、それぞれのLEDチップ31〜33を個別の区
画で囲うことができる。このため、本例の露光用ヘッド
20は、半導体レーザーなどに比べて低価格のLEDチ
ップを用い、LEDチップからの光を効率良くメディア
1に照射することが可能なので、低価格でコントラスト
が高く、高解像度の画像が形成可能な高性能の露光用ヘ
ッドを実現できる。さらに、前面パネル22によって、
収納開口29の区画内に収納されたLEDチップや配線
が保護できるので、信頼性の高い露光用ヘッド20を提
供することができる。
【0042】このように本例の露光用ヘッド20および
印刷装置10においては、微細開口21を備えた前面パ
ネル22を採用することにより、LEDチップをメディ
ア1に対してほとんど隙間(ギャップ)なくベアチップ
状態で面するようにして、高強度の露出光が得られるよ
うにしている。従って、多数のLEDチップを走査方向
Xにアレイ状に並べ、走査方向のドットを別々のLED
で露光して画像形成を同時に行える露光用ヘッドを提供
することも可能である。しかしながら、LEDチップの
特性はかなり固体差があるので、何らかの機能あるいは
回路を付加して個々のチップから出射される光の光度差
(光量差)を吸収(補正)する必要がある。従って、高
画質の画像を形成するためには、複雑で高価な機構ある
いは回路が必要となる。従って、印刷装置に、そのよう
な機構あるいは回路を組み込むと大型で高価になってし
まい、小型で低価格の印刷装置を実現するのが難しくな
る。また、また、光量を補正する回路や機構は調整も難
しく、この点でも、組み立て工程などの手間や時間を考
慮すると製造コストが上昇してしまう。
【0043】これに対し、本例の露光用ヘッド20は、
走査方向Xに移動し露光を行う走査型の露光用ヘッドで
あり、さらに、同一のLEDチップによってメディアの
印刷を行う範囲の全ドットを露光することが可能であ
る。すなわち、LED31〜33は、露光用ヘッドが移
動し露光する際に、印刷を行う範囲の同一のドットに各
々のLED31〜33が面して露出光を照射できるよう
に配置されている。従って、印刷を行う範囲のドット
は、露光用ヘッドに設けられた全てのLED31〜33
によって露光される(もちろん、印刷する色や階調レベ
ルによって全てのドットが全てのLEDからフルパワー
の露出光を照射されるわけではないが)ので、LEDチ
ップの固体差によってドット毎に色むらや歪みなどが発
生するとはなく、非常にクリアーで綺麗な画像を得るこ
とができる。また、本例の露光用ヘッド20を採用する
ことにより、LEDの固体差を吸収するための機構や回
路も不要なので、小型化で低価格の印刷装置を提供でき
る。
【0044】さらに、感光性のメディアを高速で現像す
るためには、強度の高い露出光を用いるとが望ましい
が、強力な光源を使用するためには大きな電源容量が必
要となり、パソコンなどの家庭用あるいはオフィース用
などの機器と共に使用することができない。これに対
し、本例の露光用ヘッドおよび印刷装置は、レンズ系を
省いて露出光の強度をアップできるようにしている。さ
らに、LEDという小型で省電力型の半導体光源を採用
して低消費電力で高解像度の画像を比較的高速で形成で
きるようにしている。また、露光用ヘッドを移動させな
がらメディアを露光するようにしているので、同時に点
灯するLEDの数は、走査方向にアレイ状にLEDを配
置した場合より小さく、この面でも消費電力を低減でき
ている。
【0045】LEDは、安価で信頼性も高い半導体光源
であるが、半導体レーザーに比べると光量は少ない。ま
た、緑色および青色のLEDの発光効率は赤色のLED
と比較して低く、従来サイカラーメディア1を露光する
ためには緑色および青色に対しては半導体レーザーの採
用が主に検討されていた。近年、GaN(青色LED)
およびGaP(緑色LED)といった高輝度LEDが開
発された。さらに、本例においては、図6に示したよう
に、LEDパネル30に同一色のLED31〜33を複
数配置し、同一色の半導体光源群を複数のLEDによっ
て構成できるようにしている。従って、個々のLEDで
は色毎(原色毎)の光量が若干不足する場合でも、色毎
に複数のLEDからの露出光を同一のドットに照射でき
るので、本例の露光用ヘッド20を用いてサイカラーメ
ディア1を露光するのに十分な強度の露出光が得られ
る。
【0046】また、本例の露光用ヘッド20は、メディ
ア1に対しベアチップ状態で非常に接近してLEDから
の露出光を照射できるので、個々のLEDからの光量を
十分に確保でき、さらに、1つのLEDでは光量が不足
する場合は複数のLEDで光量を補うことができる。従
って、各色の露出光のエネルギー(光量)に余裕を持た
せることができ、露出光のエネルギーを適当に制御する
ことが可能になる。これは多階調の印刷を行う際に好都
合である。さらに、各色毎に露光特性の異なる感光材が
塗布されたメディアに対しても各色毎に露出光のエネル
ギーを制御できるのでカラーバランスが良く、色の歪み
などの少ない高画質の印刷ができる。また、メディアの
ロット毎に露光特性が異なる場合もあり、このようなメ
ディアに対しても、露出光の光量(エネルギー)に余度
を設けられるので、他の色の露光特性に影響を与えるこ
となくカラーバランスを調整することができる。
【0047】走査方向にアレイ状に多数のLEDを並べ
て複数のドットを同時に露光する固定型の露光用ヘッド
も可能であることは上述した通りである。しかしなが
ら、同一色を露光するために複数のLEDを用いること
を考えると、多数のLEDが必要となり、それらを集積
化しても非常に大きな露光用ヘッドになって印刷装置を
小型化するのは難しい。さらに、多数のLEDを用いる
ことにより、それぞれのLEDの固体差を取り除くこと
がますます難しくなり、回路規模が大きく、高価で調整
に手間のかかる装置が必要になってしまう。また、多数
のLEDを同時に点灯することにより消費電力も増加す
る。
【0048】本例の露光用ヘッド20は走査方向に移動
し露光する走査型を採用しているので、少量のLEDに
よって同一のドットに対し複数にわたり露出光を照射す
ることができる。従って、露光用ヘッド20を小さくで
き、また、消費電力も非常に小さくて済み、さらに、固
体差の影響を取り除くことも容易であることは上述した
通りである。
【0049】なお、本例においては、シアン、マゼンダ
およびイエローを3原色としたサイカラーメディアに対
応して、赤、緑および青のLEDを用いた露光用ヘッド
を例に説明しているが、シアン、マゼンダおよびイエロ
ーの波長の光を出射するLEDを用いることももちろん
可能である。また、LEDに限らず、面発光レーザーな
どの半導体レーザーあるい他の半導体光源を用いること
ももちろん可能である。また、本例では、ステンレスス
チール製の遮光パネルを採用しているが、アルミニウム
などの他の金属あるいはプラスチックなどの樹脂を用い
て遮光パネルを構成することも可能である。この際、半
導体光源からの光を効率良くメディアに照射するために
は、収納開口の内壁は反射率の高い鏡面や金属面などに
することが望ましい。さらに、上述したように、本発明
の露光用ヘッドおよび印刷装置は、サイカラーメディア
に限定されることなく、他の感光性用紙に画像を形成す
る露光用ヘッドおよび印刷装置に対しても同様に適応で
きることはもちろんである。
【0050】このように、本例の露光用ヘッドおよびプ
リンターは、サイカラーメディアなどの感光性の用紙を
用いてフルカラー印刷ができるコンパクトで低消費電力
のプリンターなどの印刷装置に好適な露光用ヘッドおよ
びそれを用いた印刷装置であり、パソコン本体にビルト
インしたり、ノート型やPDAなどの携帯型のコンピュ
ータと共に持ち運んで使用できる小型のカラー印刷装置
に好適なものである。
【0051】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、微細開口の形成された前面パネルを用いてLEDな
どの半導体光源から出射された光をサイカラーメディア
などの感光性用紙上に集光できるようにしている。この
ため、大きく高価なレンズ光学系を省くことが可能であ
り、露出用の光の強度を大幅に向上できると共に、感光
性のメディアに高解像度の画像を形成できる小型の露光
用ヘッドおよび印刷装置を低価格で提供することができ
る。さらに、本発明においては、走査方向に移動する走
査型の露光用ヘッドを採用しており、LEDなどの安価
な半導体光源を用いてカラーバランスが良く、色の歪み
なども少ない高画質の画像を高速で印刷できる小型の露
光用ヘッドおよび印刷装置を低コストで提供できるよう
にしている。従って、本発明の露光用ヘッドおよび印刷
装置により、パソコンなどと共に家庭やオフィースで手
軽に使用でき、さらに、携帯にも適した小型・軽量で消
費電力が低く、さらに、高画質のカラー画像を印刷でき
るカラー印刷装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】サイカラーメディアの概要を拡大して示す図で
ある。
【図2】本発明に係る印刷装置の概略構成を模式的に示
す図である。
【図3】図2に示す印刷装置の構成を示す断面図であ
る。
【図4】図2に示す印刷装置の露光用ヘッドの概要を拡
大して示す斜視図である。
【図5】図4に示す露光用ヘッドの構成を示す展開斜視
図である。
【図6】図5に示すLEDパネルの表面の配置を拡大し
て示す図である。
【図7】図5に示す遮光パネルの概要を示す図であり、
図7(a)は遮光パネルの平面図であり、図7(b)は
遮光パネルの側面図である。
【図8】遮光パネルにLEDパネルが取りつけられた状
態を模式的に示す斜視図である。
【図9】遮光パネルに前面パネルが取りつけられた状態
を模式的に示す斜視図である。
【図10】遮光パネルを備えた露光用ヘッドの構成を示
す断面図である。
【図11】遮光パネルを持たない露光用ヘッドの構成を
示す断面図である。
【符号の説明】
1・・感光性メディア 5・・メディアの露光用の光(露出光) 10・・印刷装置 11・・紙送りローラー 12・・シャフト 13・・キャリッジ 14・・現像ボール 15・・ヒーター 20・・露光用ヘッド 21・・微細開口(マイクロアパーチャー) 22・・前面パネル 23・・前面パネルの表面 25・・遮光パネル 26・・遮光パネルの平面部 27・・遮光パネルの支持部 28・・遮光パネルのケーブル支持部 29・・収納開口 30・・LEDパネル 31〜33・・LEDチップ 34・・ボンディングワイヤー 35・・LEDパネルの表面 38・・フレキシブルケーブル

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光性用紙に画像を形成するための露出
    光を照射可能な複数の半導体光源が配置された光源部
    と、 前記半導体光源と対応した位置に複数の微細開口を備え
    た前面部と、 前記半導体光源と対応した位置に前記半導体光源を収納
    可能な大きさの複数の収納開口を備えた遮光部とを有
    し、 前記光源部に対し前記前面部が感光性用紙に面するよう
    に前記遮光部を挟んで積層されていることを特徴とする
    露光用ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記前面部は、感光
    性用紙に面した非反射性の表面を備えていることを特徴
    とする露光用ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記前面部は、感光
    性用紙に面した黒色の表面を備えていることを特徴とす
    る露光用ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記収納開口は、反
    射性の内面を備えていることを特徴とする露光用ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記遮光部が前記露
    光用ヘッドを支持する強度を備えており、前記前面部お
    よび前記光源部が前記遮光部に支持されていることを特
    徴とする露光用ヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項1において、前記半導体光源は半
    導体発光素子であることを特徴とする露光用ヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記半導体発光素子
    は、赤、緑および青、または、シアン、マゼンダおよび
    イエローのいずれかの原色グループのいずれかの色の露
    出光を照射可能なLEDであることを特徴とする露光用
    ヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項1において、前記露光用ヘッド
    は、感光性用紙の走査方向に相対的に移動し画像を形成
    する走査型の露光用ヘッドであり、 前記半導体光源は、前記露光用ヘッドが移動し露光する
    際に感光性用紙の同じ箇所に露出光を照射できるように
    配置されていることを特徴とする露光用ヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項1において、前記露光用ヘッド
    は、感光性用紙の走査方向に相対的に移動し画像を形成
    する走査型の露光用ヘッドであり、 前記光源部は、異なった色の露出光をそれぞれ照射可能
    な複数の半導体光源群を有し、これら複数の半導体光源
    群は前記露光用ヘッドが移動し露光する際に異なった色
    の露出光を感光性用紙の同じ箇所に照射できるように配
    置されていることを特徴とする露光用ヘッド。
  10. 【請求項10】 請求項9において、前記半導体光源群
    の少なくとも1つは、複数の半導体光源を備えているこ
    とを特徴とする露光用ヘッド。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の露光用ヘッドと、前
    記遮光部を保持して前記露光用ヘッドを感光性用紙の走
    査方向に移動可能なヘッド送り装置とを有することを特
    徴とする印刷装置。
  12. 【請求項12】 請求項11において、感光性用紙を前
    記露光用ヘッドに対し紙送りする紙送り装置を有するこ
    とを特徴とする印刷装置。
  13. 【請求項13】 請求項11において、前記半導体光源
    は、前記露光用ヘッドが移動し露光する際に感光性用紙
    の同じ箇所に露出光を照射できるように配置されている
    ことを特徴とする印刷装置。
  14. 【請求項14】 請求項11において、前記光源部は、
    異なった色の露出光をそれぞれ照射可能な複数の半導体
    光源群を有し、これら複数の半導体光源群は前記露光用
    ヘッドが移動し露光する際に異なった色の露出光を感光
    性用紙の同じ箇所に照射できるように配置されているこ
    とを特徴とする印刷装置。
  15. 【請求項15】 請求項14において、前記半導体光源
    群の少なくとも1つは、複数の半導体光源を備えている
    ことを特徴とする印刷装置。
  16. 【請求項16】 請求項11において、前記ヘッド送り
    装置によって前記露光用ヘッドと同期して走査方向に移
    動しながら感光性用紙を加圧現像可能な回転体を備えた
    現像装置を有することを特徴とする印刷装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6707482B2 (en) 2000-10-19 2004-03-16 Fuji Photo Film Co., Ltd. Exposure head and producing method for a light guiding member thereof
JP2006021384A (ja) * 2004-07-07 2006-01-26 Rohm Co Ltd 画像形成装置

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