JPH107647A - 新規なチオ尿素誘導体又はその塩 - Google Patents

新規なチオ尿素誘導体又はその塩

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JPH107647A
JPH107647A JP8164233A JP16423396A JPH107647A JP H107647 A JPH107647 A JP H107647A JP 8164233 A JP8164233 A JP 8164233A JP 16423396 A JP16423396 A JP 16423396A JP H107647 A JPH107647 A JP H107647A
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JP
Japan
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group
compound
amino
ethyl
hydroxy
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Withdrawn
Application number
JP8164233A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Maruyama
龍也 丸山
Kenichi Onda
健一 恩田
Norio Seki
規夫 関
Tetsuo Matsui
哲夫 松井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
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Publication of JPH107647A publication Critical patent/JPH107647A/ja
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
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  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インスリン分泌促進作用とインスリン感
受性増強作用を併せ持ち、さらに選択的なβ3受容体刺
激作用を有する、糖尿病の治療剤の創製。 【解決手段】 下記一般式(I)で示されるチオ尿素誘
導体又はその塩。 【化1】 (但し、式中の記号は以下の意味を有する。 R1、R2:同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原
子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル
基、低級アルコキシ基、低級アシルアミノ基、低級アル
キルスルホニルアミノ基、低級アルコキシカルボニルア
ミノ基、N’−低級アルキルウレイド基又はこれらの基
で置換されていてもよい低級アルキル基、 R3:水素原子又は低級アルキル基、 A:単結合、低級アルキレン基又は低級アルケニレン
基、 B環:置換基を有していてもよいアリール基又はシクロ
アルキル基。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬、特に新規な
チオ尿素誘導体又はその塩及びそれらを有効成分とする
糖尿病治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】糖尿病は、持続的高血糖状態を伴う疾患
であり、多くの環境因子と遺伝的因子とが作用した結果
生じるといわれている。血糖の主要な調整因子はインス
リンであり、高血糖はインスリン欠乏あるいはその作用
を阻害する緒因子(例えば、遺伝的素因、運動不足、肥
満、ストレス等)が過剰となって生じることが知られて
いる。
【0003】糖尿病には主として2つの種類があり、自
己免疫疾患による膵インスリン分泌機能の低下によって
生じるインスリン依存性糖尿病(IDDM)と持続的な
高インスリン分泌に伴う膵疲弊による膵インスリン分泌
機能の低下が原因であるインスリン非依存性糖尿病(N
IDDM)とに分けられる。日本人の糖尿病患者の95
%以上はNIDDMといわれており、生活様式の変化に
伴い患者数の増加が問題となっている。糖尿病の治療
は、軽症においては食事療法、運動療法及び肥満の改善
等が主として行われ、更に進行すると、経口糖尿病薬
(例えば、スルホニルウレア剤等のインスリン分泌促進
剤、インスリンの感受性を増強するインスリン感受性増
強剤等)の投与が行われ、更に重症の場合はインスリン
製剤の投与が行われている。しかしながら、より高度な
血糖管理が可能な薬剤の創製が切望されており、新たな
メカニズムを有する有用性の高い糖尿病治療薬の開発が
望まれている。
【0004】一方、米国特許4,396,627号及び
同4,478,849号には、フェニルエタノールアミ
ン誘導体が記載されており、これらの化合物は抗肥満
薬、抗高血糖症薬として有用であることが開示されてい
る。これらの化合物の作用は、β3受容体刺激作用によ
ると報告され、β3受容体刺激作用としては、抗肥満作
用、抗高脂血作用(例えば、トリグリセライド低下作
用、コレステロール低下作用、HDLコレステロール上
昇作用等)が挙げられる。ここでβ−アドレナリン受容
体はβ1、β2、β3のサブタイプに分類され、β1受容体
の刺激は心拍数の増加を引き起こし、β2受容体の刺激
は筋肉中でのグリコーゲンの分解を刺激しこれによって
グリコーゲンの合成を阻害し、筋肉振戦等の作用を生じ
ることが知られている。しかしながら、これらの初期の
β3受容体作動薬は、心拍数の増加や筋肉振戦等のβ1
容体及びβ2受容体刺激に基づく作用をも有しており、
副作用の点で問題があった。又、最近β受容体には種差
が存在することが確認され、従来ラット等の齧歯類にて
β3受容体選択性が確認された化合物であっても、ヒト
においてはβ1及びβ2受容体刺激作用に基づく作用が確
認されたことが報告されている。
【0005】このような点から、最近はヒトの細胞ある
いはヒトの受容体を発現させた細胞を用いて、ヒトにお
いてβ3受容体選択的な刺激作用を有する化合物の研究
が進められている。例えば、特開平7−10827号公
報には、下記一般式で示される置換フェニルスルホンア
ミド誘導体が記載され、ヒトにおいてβ3受容体に選択
的に刺激作用を有することより、肥満症、高血糖症等に
有用であることが記載されている。しかしながら、これ
らの化合物のインスリン分泌促進作用並びにインスリン
感受性増強作用については具体的に開示がない。
【0006】
【化2】 (式中の記号は上記公報参照。)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、いまな
お、臨床的に有用性の高い新しいタイプの糖尿病治療剤
の創製が切望されている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、インスリ
ン分泌促進作用とインスリン感受性増強作用を併せ持つ
化合物を鋭意探索したところ、新規なチオ尿素誘導体が
良好なインスリン分泌促進作用とインスリン感受性増強
作用の両作用、さらには選択的なβ3受容体刺激作用を
有することを見いだし本発明を完成した。すなわち、本
発明は、インスリン分泌促進作用とインスリン感受性増
強作用を併せ持ち、さらに選択的β3受容体刺激作用に
基づく抗肥満作用及び抗高脂血症作用をも併せ持つこと
から、糖尿病の治療に有用な、下記一般式(I)で示さ
れるチオ尿素誘導体又はその塩に関する。また、当該チ
オ尿素誘導体を含有する医薬、殊に、当該チオ尿素誘導
体を有効成分とする糖尿病治療剤に関する。
【0009】
【化3】
【0010】(但し、式中の記号は以下の意味を有す
る。 R1、R2:同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原
子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル
基、低級アルコキシ基、低級アシルアミノ基、低級アル
キルスルホニルアミノ基、低級アルコキシカルボニルア
ミノ基、N’−低級アルキルウレイド基、又はこれらの
基で置換されていてもよい低級アルキル基、 R3:水素原子又は低級アルキル基、 A:単結合、低級アルキレン基又は低級アルケニレン
基、 B環:置換基を有していてもよいアリール基又はシクロ
アルキル基。)
【0011】
【発明の実施の形態】一般式(I)の化合物をさらに説
明すると、次の通りである。本明細書の一般式の定義に
おいて、「低級」なる用語は、特に断らない限り、炭素
数が1乃至6個の直鎖状又は分岐状の炭素鎖を意味す
る。
【0012】従って、「低級アルキル基」とは、炭素数
が1〜6個の直鎖又は分岐のアルキル基であり、具体的
には、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル
基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチ
ルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプ
ロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペ
ンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル
基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチ
ル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブ
チル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチル
ブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、
1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリ
メチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル
基、1−エチル−2−メチルプロピル基等が挙げられ
る。
【0013】「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。「低級アル
コキシ基」とは、炭素数が1〜6個のアルコキシ基であ
り、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロ
ポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブト
キシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ(アミ
ルオキシ)基、イソペンチルオキシ基、tert−ペン
チルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2−メチルブト
キシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、1−エチルプ
ロポキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
【0014】「低級アシルアミノ基」とは、アミノ基中
の水素原子1個が低級アシル基で置換された基(RCO
NH−)を意味し、ホルムアミド基、アセトアミド基、
プロピオンアミド基、バレロアミド基、ピバロイルアミ
ド基等が挙げられる。
【0015】「低級アルキルスルホニルアミノ基」と
は、アミノ基中の水素原子1個が低級アルキルスルホニ
ル基で置換された基(RSO2NH−)を意味し、又、
「低級アルキルスルホニル基」とは、上記低級アルキル
基を有するスルホニル基を意味する。従って、「低級ア
ルキルスルホニルアミノ基」としては、具体的には、例
えば、メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルア
ミノ基、プロピルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
【0016】「低級アルコキシカルボニルアミノ基」と
は、アミノ基中の水素原子1個が低級アルコキシカルボ
ニル基で置換された基(RO−CONH−)を意味し、
又、「低級アルコキシカルボニル基」とは、上記低級ア
ルコキシ基で置換されたカルボニル基を意味する。従っ
て、「低級アルコキシカルボニルアミノ基」としては、
具体的には例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エト
キシカルボニルアミノ基、プロポキシカルボニルアミノ
基、イソプロポキシカルボニルアミノ基、ブトキシカル
ボニルアミノ基、イソブトキシカルボニルアミノ基、s
ec−ブトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキ
シカルボニルアミノ基、ペンチルオキシカルボニルアミ
ノ基、イソペンチルオキシカルボニルアミノ基、ネオペ
ンチルオキシカルボニルアミノ基、tert−ペンチル
オキシカルボニルアミノ基、ヘキシルオキシカルボニル
アミノ基等を挙げることができる。
【0017】「N’−低級アルキルウレイド基」とは、
ウレイド基のN’位の水素原子1個が上記低級アルキル
で置換された基(R−NH−CO−NH−)を意味し、
具体的には例えば、N’−メチルウレイド基、N’−エ
チルウレイド基、N’−プロピルウレイド基等が挙げら
れる。
【0018】R1、R2の「ハロゲン原子、水酸基、シア
ノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、低級アルコキ
シ基、低級アシルアミノ基、低級アルキルスルホニルア
ミノ基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、N’−低
級アルキルウレイド基で置換されていてもよい低級アル
キル基」は未置換の低級アルキル基又は低級アルキル基
の任意の水素原子がハロゲン原子、水酸基、シアノ基、
ニトロ基、トリフルオロメチル基、低級アルコキシ基、
低級アシルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ
基、低級アルコキシカルボニルアミノ基又はN’−低級
アルキルウレイド基で置換された基を意味し、また、置
換基の数は限定されない。
【0019】「低級アルキレン基」としては、炭素数が
1乃至6個のアルキレン基が好適であり、具体的には、
メチレン基、エチレン基、メチルメチレン基、トリメチ
レン基、プロピレン基、2−プロピレン基、ジメチルメ
チレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン
基、2−メチルトリメチレン基、3−メチルトリメチレ
ン基、1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン基、
2,2−ジメチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレ
ン基、エチルメチルメチレン基、ペンタメチレン基、1
−メチルテトラメチレン基、2−メチルテトラメチレン
基、3−メチルテトラメチレン基、4−メチルテトラメ
チレン基、1,1−ジメチルトリメチレン基、2,2−
ジメチルトリメチレン基、3,3−ジメチルトリメチレ
ン基、1,3−ジメチルトリメチレン基、2,3−ジメ
チルトリメチレン基、1,2−ジメチルトリメチレン
基、1,1,2−トリメチルエチレン基、ジエチルメチ
レン基、ヘキサメチレン基、1−メチルペンタメチレン
基、1,1−ジメチルテトラメチレン基、2,2−ジメ
チルテトラメチレン基等が挙げられる。好ましくは、炭
素数1乃至3個のアルキレン基であり、特に好ましく
は、メチレン基、エチレン基、メチルメチレン基であ
る。
【0020】「低級アルケニレン基」としては炭素数が
2乃至6個の直鎖又は分岐状のアルケニレン基が好適で
あり、具体的にはビニレン基、プロペニレン基、ブテニ
レン基、メチルプロペニレン基、エチルプロペニレン
基、ジメチルビニレン基、ペンテニレン基、メチルブテ
ニレン基、ジメチルプロペニレン基、エチルプロペニレ
ン基、ヘキセニレン基、ジメチルブテニレン基、メチル
ペンテニレン基等が挙げられる。
【0021】「アリール基」は、芳香族炭化水素基を意
味し、炭素数6乃至14個のアリール基が好ましく、具
体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェ
ニル基、ナフチル基、インデニル基、アントリル基、フ
ェナントリル基等が挙げられる。これらのうちフェニル
基又はナフチル基が特に好ましい。「シクロアルキル
基」としては、炭素数が3〜8個のものが好ましく、具
体的には例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル
基、シクロオクチル基等が挙げられる。
【0022】又、「置換基を有していてもよいアリール
基又はシクロアルキル基」の置換基としては、通常用い
られる置換基であればいずれでもよく、1乃至複数個の
置換基を有してもよい。好ましい置換基としては、低級
アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、ハ
ロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオ
ロメチル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボ
ニル基、カルボキシル基、低級アシル基、カルバモイル
基(NH2CO−)、モノ−若しくはジ−低級アルキル
カルバモイル基、スルファモイル基(NH2SO2−)、
モノ−若しくはジ−低級アルキルスルファモイル基、低
級アシルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、
低級アルコキシカルボニルアミノ基、N’−低級アルキ
ルウレイド基、アミノ基、モノ−若しくはジ−低級アル
キルアミノ基、メチレンジオキシ基(−O−CH2−O
−)、エチレンジオキシ基(−O−CH2CH2−O−)
等が挙げられる。
【0023】ここで、「低級アルケニル基」とは炭素数
が2〜6個の直鎖又は分岐状のアルケニル基を意味し、
具体的にはビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イ
ソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3
−ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メ
チルアリル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メ
チルアリル基、1,1−ジメチルビニル基、1−ペンテ
ニル基等を挙げることができる。
【0024】「低級アルキニル基」とは炭素数が2〜6
個の直鎖又は分岐状のアルキニル基を意味し、具体的に
はエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、
1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1
−メチル−2−プロピニル基、1−ペンチニル基等を挙
げることができる。
【0025】「低級アシル基」としては、ホルミル基、
アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリ
ル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘ
キサノイル基等が挙げられる。
【0026】「モノ−若しくはジ−低級アルキルカルバ
モイル基」とは、カルバモイル基中の水素原子1乃至2
個が上記低級アルキル基で置換されたカルバモイル基を
意味し、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル
基、プロピルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基
等が挙げられる。
【0027】「モノ−若しくはジ−低級アルキルスルフ
ァモイル基」とは、スルファモイル基中の水素原子1乃
至2個が上記低級アルキル基で置換されたスルファモイ
ル基を意味し、メチルスルファモイル基、エチルスルフ
ァモイル基、プロピルスルファモイル基、ジメチルスル
ファモイル基等が挙げられる。
【0028】「モノ−若しくはジ−低級アルキルアミノ
基」とは、アミノ基中の水素原子1乃至2個が上記低級
アルキル基で置換されたアミノ基を意味し、具体的に
は、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピ
ルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ
プロピルアミノ基等が挙げられる。
【0029】本発明化合物(I)は、1個乃至複数個の
不斉炭素原子を有する場合があり、これに基づく(R)
体、(S)体等の光学異性体、ラセミ体、ジアステレオ
マー等が存在する。また、置換基の種類によっては、二
重結合を有するので、(Z)体、(E)体等の幾何異性
体が存在する。本発明は、これらの異性体の分離された
ものあるいは混合物を全て包含する。さらに、本発明に
は化合物(I)の水和物、エタノール等の溶媒和物や結
晶多形の物質も包含される。本発明化合物(I)は酸と
塩を形成する場合がある。かかる塩としては塩酸、臭化
水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸
や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、
コハク酸、フマール酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、
クエン酸、酒石酸、炭酸、ピクリン酸、メタンスルホン
酸、エタンスルホン酸、グルタミン酸等の有機酸との酸
付加塩を挙げることができる。
【0030】(製造法)本発明化合物及びその塩は、そ
の基本骨格あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用
し、種々の合成法を適用して製造することができる。以
下にその代表的な製造法について説明する。
【0031】(第一製法) 第一工程
【0032】
【化4】
【0033】(式中、R1a、R2aはそれぞれR1、R2
び水酸基の保護基を示し、R’は水素原子又はアミノ基
の保護基を示す。又、R3は前記の意味を示す。)
【0034】本工程はエポキシド化合物(II)とアミ
ン化合物(III)とを反応させることにより、化合物
(IV)を合成する工程である。本反応によりエポキシ
ド化合物(II)及びアミン化合物(III)をそのま
まで、或いは極性溶媒中の溶液として、i)加熱下乃至
加熱還流下、好ましくは30〜150℃で、1〜24時
間加熱してカップリングし、さらにii)金属還元ある
いは接触還元等の還元反応により化合物(IV)を得る
ことができる。極性溶媒としては例えばメタノール、ア
セトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキ
シド又はN−メチルピロリドンが挙げられる。また、エ
ポキシド化合物(II)にアミン化合物(III)の
塩、例えばトリフルオロ酢酸塩又は塩酸塩を用いて合成
することもできる。この際、重炭酸ナトリウム又はジイ
ソプロピルエチルアミンのような塩基を反応混合物に添
加してもよく、また、再結晶化、粉砕、分取薄層クロマ
トグラフィー、W.C.Stillら、J.Org.C
hem.43、2923(1978)に記載されている
ようなシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー、中圧
液体クロマトグラフィー及びHPLCにより、望ましく
ない副生成物質を除き生成物質を精製することもでき
る。HPLCで生成される化合物は、対応する塩として
単離することができる。
【0035】ここで、本工程において原料化合物である
エポキシド化合物(II)、アミン化合物(III)は
当業者に公知の方法により調製することができる。更に
本工程においてはアミン化合物(III)のアミノ基が
保護されていないもの(R’=H)をそのまま、i)、
ii)の工程を経てからのち、アミノ基を保護し、化合
物(IV)を製造してもよく、また、アミン化合物(I
II)のアミノ基を保護した後に、i)、ii)の工程
を経て化合物(IV)を製造してもよい。
【0036】第二工程
【0037】
【化5】
【0038】(式中、R1、R2、R3、R1a、R2a
R’、A及びB環は前記の意味を示す。)
【0039】本工程は化合物(IV)とイソチオシアネ
ート化合物(V)より本発明化合物(I)を合成する工
程である。化合物(IV)及びイソチオシアネート化合
物(V)を不活性溶媒中、加熱下乃至加熱還流下で縮合
反応に付した後、所望により保護基の除去を行い、本発
明化合物(I)を得ることができる。
【0040】前記不活性溶媒としては、例えばジメチル
ホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、テト
ラクロロエタン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ク
ロロホルム、四塩化炭素、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、酢酸エチ
ル、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、ジメチルス
ルホキシド等やこれらの混合溶媒が挙げられ、種々の反
応条件に応じて適宜選択される。
【0041】R1a、R2aの水酸基の保護基は当業者が通
常使用する水酸基の保護基を意味し代表的なものとして
は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロ
ポキシ基、tert−ブチルオキシ基、メトキシメトキ
シ基、メトキシエトキシ基等の低級アルコキシ基、ベン
ジルオキシ基等のアリールメトキシ基、ベンゾイルオキ
シ基若しくは低級アルカノイルオキシ基等のアシルオキ
シ基、トリアルキルシリル基等が挙げられる。
【0042】R’のアミノ基の保護基は当業者が通常使
用するアミノ基の保護基を意味し、代表的なものとして
はアシル系アミノ基の保護基としてホルミル基、アセチ
ル基、プロピオニル基等の低級アルカノイル基、メトキ
シカルボニル基、エトキシカルボニル基、BOC等の低
級アルコキシカルボニル基、メタンスルホニル基、エタ
ンスルホニル基等の低級アルカンスルホニル基、メトキ
シアセチル基、メトキシプロピオニル基、ベンゾイル
基、ベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジル
オキシカルボニル基等の脂肪族アシル基が、あるいはチ
エニルアセチル基、チアゾリルアセチル基、テトラゾリ
ルアセチル基等の複素環低級アルカノイル基、アゾリル
グリオキシロイル基、チエニルグリオキシロイル基等の
複素環アシル基が挙げられる。また、アラルキル系アミ
ノ基の保護基としてベンジル基、p−ニトロベンジル
基、ベンズヒドリル基、トリチル基等が挙げられる。さ
らに、トリメチルシリル基等のトリ低級アルキルシリル
基が挙げられる。
【0043】本製法における保護基の除去は常法に従え
ばよく、例えば、水酸基の保護基の除去は、以下のよう
に行うことができる。
【0044】1)接触還元:本方法は、パラジウム−炭
素、水酸化パラジウム−炭素又はラネーニッケル等の触
媒存在下、氷冷下乃至加温下で行うことができる。 2)酸あるいは塩基存在下での加水分解:本方法は炭酸
ナトリウム、水素化ナトリウム等の塩基又はトリフルオ
ロ酢酸、塩酸等の酸の存在下で加水分解する常法が適用
でき、氷冷下乃至100℃の温度条件下で実施するのが
好適である。 3)液安還元:本方法は水酸基の保護基を有する化合物
を液体アンモニア中に加え、次いで金属ナトリウムを添
加し、撹拌することにより行うことができる。 4)脱シリル化反応:本方法は、水酸基の保護基を有す
る化合物を前記不活性溶媒中、テトラノルマルブチルア
ンモニウムフルオリド等の有機フッ素化合物あるいはフ
ッ化ナトリウムフッ化カリウム、フッ化水素酸等の無機
フッ素化合物と反応させることにより行うことができ
る。
【0045】アミノ基の保護基の除去は、例えば保護基
がトリ低級アルキルシリル基などであるときは、水で処
理することにより容易に行うことができる。また、ベン
ズヒドリル基、p−メトキシベンジル基、トリチル基、
tert−ブトキシカルボニル基、ホルミル基などの保
護基であるときは、ギ酸、トリフルオロ酢酸、トリフル
オロ酢酸−アニソール混液、臭化水素酸−酢酸混液、塩
酸−ジオキサン混液などの酸で処理することにより容易
に除去される。
【0046】このようにして製造された本発明化合物
(I)は、遊離のまま、あるいは常法による造塩処理を
施し、その塩として単離・精製される。単離・精製は抽
出、濃縮、留去、結晶化、濾過、再結晶、各種クロマト
グラフィー等の通常の化学操作を適用して行われる。
【0047】各種の異性体は異性体間の物理化学的な差
を利用して常法により単離できる。例えば、ラセミ化合
物は一般的なラセミ分割法により(例えば、一般的な光
学活性酸(酒石酸等)とのジアステレオマー塩に導き、
光学分割する方法等)立体化学的に純粋な異性体に導く
ことができる。又、ジアステレオマーの混合物は常法、
例えば分別結晶化又はクロマトグラフィー等により分離
できる。又、光学活性な化合物は適当な光学活性な原料
を用いることにより製造することもできる。
【0048】
【発明の効果】本発明の一般式(I)で示されるチオ尿
素誘導体又はその塩は、インスリン分泌促進作用とイン
スリン感受性増強作用を併せ持ち、さらに選択的なβ3
受容体刺激作用を有することより、糖尿病の治療剤とし
て有用である。
【0049】本発明化合物は、後記耐糖能試験及びイン
スリン抵抗性モデル動物における血糖低下試験において
確認されたように、良好なインスリン分泌促進作用とイ
ンスリン感受性増強作用を併せ持ち、糖尿病においてそ
の有用性が期待されるものである。本発明化合物のイン
スリン分泌促進作用及びインスリン感受性増強作用発現
のメカニズムは、β3受容体刺激作用が関与している可
能性も考えられるが、その他のメカニズムによるもので
ある可能性も有り、その詳細は未解明である。
【0050】本発明化合物のβ3受容体刺激作用は、ヒ
トにおいてβ3受容体に選択的である。β3受容体の刺激
は脂肪分解(脂肪組織トリグリセライドのグリセロール
と遊離脂肪酸とへの分解)を刺激し、これによって脂肪
塊の消失を促進することが知られている。従って本発明
化合物は、β3受容体刺激による抗肥満作用、抗高脂血
作用(例えば、トリグリセライド低下作用、コレステロ
ール低下作用、HDLコレステロール上昇作用等)を有
し、肥満症、高脂血症(例えば高トリグリセライド血
症、高コレステロール血症、低HDL血症等)の予防・
治療剤として有用である。これらの疾患は、糖尿病にお
ける増悪因子であることが知られており、これらの疾患
の改善は糖尿病の予防・治療にも有用である。また、本
発明化合物は、肥満症、高脂血症の症状を低減すること
により症状の改善の図れるその他の疾患、例えば、動脈
硬化症、心筋梗塞、狭心症等の虚血性心疾患、脳梗塞等
の脳動脈硬化症或いは動脈瘤等の予防・治療剤としても
有用である。
【0051】さらに、本発明化合物の選択的β3受容体
刺激作用は、β3受容体の刺激により改善することが提
唱されているいくつかの疾患の予防・治療にも有用であ
る。これらの疾患の例を以下に示す。β3受容体は非括
約筋性平滑筋収縮の運動性を媒介することが提唱されて
おり、選択的β3受容体刺激作用は心臓血管作用を伴う
ことなく腸運動性の薬理的制御を助けると考えられるこ
とより、腸運動の異常により生じる疾患、例えば、過敏
性腸症候群のような種々の胃腸疾患の治療に有用である
可能性を有する。また、消化性潰瘍、食道炎、胃炎及び
十二指腸炎(H.pyloriにより誘発されるものを
含む)、腸潰瘍(炎症性腸疾患、潰瘍性結腸炎、クロー
ン病及び直腸炎)及び胃腸潰瘍の治療に有用である。さ
らにβ3受容体は、肺におけるある種の感覚繊維の神経
ペプチドの放出の阻害に作用を及ぼすことが示されてい
る。感覚神経は咳を含めた気道の神経原性炎症に重要な
役割を演じるので、本発明の特異的β3作動薬は喘息の
ような神経原性炎症の治療に有用であってしかも心肺系
への作用が少ない。
【0052】β3アドレナリン受容体はさらに脳におけ
るβ3受容体の刺激により選択的抗鬱作用を生じ得るの
で、従って本発明の化合物は抗鬱薬として有用である可
能性を有する。本発明化合物のβ受容体に対する作用は
ヒトの細胞を用いた実験によって、β3受容体選択的で
あることを確認しており、他のβ受容体刺激に起因する
副作用は低いかもしくは有しないものである。
【0053】本発明化合物の効果は以下の試験により確
認された。
【0054】1.kkマウス(インスリン抵抗性モデ
ル:肥満、高血糖)における血糖低下試験 雄性kkマウス(血糖値200mg/dl以上)を用い
て、摂食下で血糖値を測定後、無作為に群分けした。被
験薬物は1日1回、4日間、強制経口投与もしくは皮下
投与し、最終投与後15〜18時間後の血糖値を投与前
値と比較した(n=6)。血糖値はマウスの尾静脈よ
り、ガラス毛細管(ヘパリン処理済み)を用いて採血
し、除タンパク処理後、上清中のグルコース量(mg/
dl)をグルコースオキシターゼ法により比色定量し
た。本発明化合物は経口投与、皮下投与のいずれにおい
ても、比験薬物投与前に比して有意に血糖値を低下させ
た。この結果より、本発明化合物が良好なインスリン感
受性増強作用を有することが示された。
【0055】2.正常ラットにおける耐糖能試験 7週齢の雄性SD系ラットを用いて、一昼夜絶食後、無
作為に群分けし、oralglucose tolerance test(OGT
T)を行った(n=4)。被験化合物は、グルコース
(2g/kgを経口投与)の投与30分前に経口投与あ
るいは皮下投与した。血糖値はラットをペントバルビタ
ール(65mg/kg)麻酔下で、ヘパリン処理したガ
ラスシリンジを用いて腹大静脈より採血し、除タンパク
処理後、上清中のグルコース量(mg/dl)をグルコ
ースオキシダーゼ法により比色定量した。血中インスリ
ン値は、血漿中のインスリン量(ng/ml)をRadioi
munoassay(RIA)法により定量した。本発明化合物
を経口投与あるいは皮下投与した群においては、薬剤未
処理群に比して血中インスリン値の有意な増加が観察さ
れた。また、グルコース投与後の血糖値の上昇も有意に
抑制された。これらの結果より、本発明化合物は良好な
インスリン分泌促進作用を有し、また、良好な高血糖抑
制作用を有することが示された。
【0056】3.ヒトβ3、β2及びβ1−受容体刺激試
ヒトβ3−刺激作用はSK−N−MC細胞系(perm
anentにヒトβ3及びヒトβ1受容体を発現した細胞
を購入)を用い、ヒトβ2、β1−刺激作用はCHO細胞
系(ヒトβ2、β1受容体をそれぞれ強制発現させた細胞
を購入)を用いて検討した。化合物(10-10〜10-4
M)の刺激作用は、各細胞を24wellプレート上に
105個/wellで培養し、2日後subconfluentな状
態で、cyclic AMP(cAMP)の産生活性を指標に
検討した。なおヒトβ3−刺激作用は、β1−blocker
(CGP20712A、10-6M)存在下で検討した。
各細胞中のcAMP産生量(pmol/ml)は、12
5I−cAMPを用いてRIA法により測定した。各化
合物の作用強度は、得られた用量反応曲線からpD2値
及び最大活性(I.A.(%)、isoproterenolの最大
反応を100%とする)を算出し比較した。本発明化合
物は、ヒトβ3受容体に対して選択的に刺激作用を有す
ることが確認された。
【0057】本発明化合物又はその塩の一種又は二種以
上を有効成分として含有する医薬組成物は、通常の製薬
学的に許容される担体を用いて調製される。本発明にお
ける医薬組成物の投与は経口投与又は注射剤、座剤、経
皮剤、吸入剤若しくは膀胱注入等による非経口投与のい
ずれの形態であってもよい。投与量は症状、投与対象の
年令、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定さ
れるが、通常経口投与の場合成人1日当たり0.01m
g/kg乃至100mg/kg程度であり、これを一回
で、あるいは2〜4回に分けて投与する。また、症状に
よって静脈投与される場合は、通常成人1回当たり、
0.001mg/kg乃至10mg/kgの範囲で1日
に1回乃至複数回投与される。製剤用の担体としては固
体又は液体状の非毒性医薬用物質が挙げられる。
【0058】本発明による経口投与のための固体組成物
としては、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が
用いられる。このような固体組成物においては、ひとつ
又はそれ以上の活性物質が、少なくともひとつの不活性
な希釈剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒド
ロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプ
ン、ポリビニルピロリドン、寒天、ペクチン、メタケイ
酸アルミン酸マグネシウム、アルミン酸マグネシウムと
混合される。組成物は、常法に従って、不活性な希釈剤
以外の添加剤、例えばステアリン酸マグネシウムのよう
な潤滑剤や繊維素グリコール酸カルシウムのような崩壊
剤、ラクトースのような安定化剤、グルタミン酸又はア
スパラギン酸のような溶解補助剤を含有していてもよ
い。錠剤又は丸剤は必要によりショ糖、ゼラチン、ヒド
ロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースフタレートなどの糖衣又は胃溶性若しくは腸
溶性物質のフィルムで被膜してもよい。
【0059】経口投与のための液体組成物は、薬剤的に
許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリ
キシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈
剤、例えば精製水、エタノールを含む。この組成物は不
活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘
味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性又は非
水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を包含する。水性の溶液
剤、懸濁剤としては、例えば注射剤用蒸留水及び生理食
塩水が含まれる。非水溶性の溶液剤、懸濁剤としては、
例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、カカオバター、オリーブ油、ゴマ油のような植物
油、エタノールのようなアルコール類、アラビアゴム、
ポリソルベート80(商品名)等がある。このような組
成物は、さらに等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分
散剤、安定化剤(例えば、ラクトース)、溶解補助剤
(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸)のような補
助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保管フ
ィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無
菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し、
使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用す
ることもできる。
【0060】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に
説明する。本発明化合物は、下記実施例に記載の化合物
に限定されるものではなく、また、前記一般式(I)に
示される化合物、その塩、その水和物、その幾何並びに
光学異性体、結晶多形の全てを包含するものである。さ
らに、本発明で使用される原料が新規な場合は、参考例
として説明する。
【0061】(参考例1)(S)−2−フェノキシメチ
ルオキシラン7.71g、2−(4−ニトロフェニル)
エチルアミン塩酸塩10.34g及びトリエチルアミン
5.20gの2−プロパノール100mlの溶液を9時
間加熱還流した。溶媒を留去し、酢酸エチルで希釈後、
水、続いて飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロ
ホルム:メタノール=10:1)で精製し、(S)−1
−フェノキシ−3−[[2−(4−ニトロフェニル)エ
チル]アミノ]−2−プロパノール6.35gを得た。
【0062】質量分析値(m/z):317[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:2.78−3.01(6H,m),3.97(2
H,d,J=4.9Hz),4.01−4.05(1
H,m),6.89(2H,d,J=7.9Hz),
6.96(1H,t,J=7.3Hz),7.27(2
H,d,J=7.3Hz),7.37(2H,d,J=
9.2Hz),8.15(2H,d,J=8.6H
z)。
【0063】(参考例2)(S)−1−フェノキシ−3
−[[2−(4−ニトロフェニル)エチル]アミノ]−
2−プロパノール6.35gのテトラヒドロフラン10
0mlの溶液に、ジt−ブチルジ炭酸エステル4gを加
えた。反応混合物を室温下2時間半撹拌後、溶媒を留去
して、(S)−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシ
プロピル)−N−[2−(4−ニトロフェニル)エチ
ル]カルバミン酸 t−ブチルエステル7.94gを得
た。
【0064】質量分析値(m/z):417[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.44(9H,s),2.91−3.05(2
H,m),3.40−3.60(4H,m),3.85
−4.00(2H,m),4.10−4.20(1H,
m),6.90(2H,d,J=8.0Hz),6.9
8(1H,t,J=7.0Hz),7.09−7.32
(4H,m),8.15(2H,d,J=8.8H
z)。
【0065】(参考例3)(S)−N−(2−ヒドロキ
シ−3−フェノキシプロピル)−N−[2−(4−ニト
ロフェニル)エチル]カルバミン酸 t−ブチルエステ
ル7.94gのエタノール100mlの溶液に、10%
パラジウム−炭素0.8gを加えた。反応混合物を室温
で常圧水素雰囲気下、2時間撹拌した。不溶物を濾過し
て除いた後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム:
メタノール=30:1)で精製し、(S)−N−(2−
ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−N−[2−
(4−アミノフェニル)エチル]カルバミン酸 t−ブ
チルエステル5.15gを得た。
【0066】質量分析値(m/z):386(M+) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.46(9H,s),2.67−2.80(2
H,m),3.30−3.48(4H,m),3.57
(2H,brs),3.82−4.00(2H,m),
4.06−4.20(2H,m),6.61(2H,
d,J=8.0Hz),6.87−7.00(5H,
m),7.25−7.32(2H,m)。
【0067】(参考例4)(S)−N−(2−ヒドロキ
シ−3−フェノキシプロピル)−N−[2−(4−アミ
ノフェニル)エチル]カルバミン酸 t−ブチルエステ
ル0.50gとイソチオシアン酸フェニル0.19gの
トルエン10mlの溶液を100℃で7時間加熱した。
溶媒を留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(溶出液;クロロホルム:メタノール=3
0:1)で精製し、(S)−1−[4−[2−[N−t
−ブトキシカルボニル−N−(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニル]−3−
フェニルチオ尿素0.35gを得た。
【0068】質量分析値(m/z):522[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.46(9H,s),2.80−2.95(2
H,m),3.36−3.55(4H,m),3.85
−4.05(3H,m),4.05−4.15(1H,
m),6.89(2H,d,J=8.0Hz),6.9
6(1H,t,J=7.2Hz),7.15−7.25
(2H,m),7.26−7.45(9H,m),7.
68(1H,s),7.73(1H,s)。
【0069】(参考例5)参考例4と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−[2−ヒドロキシ−3−(4−メトキシメトキ
シフェノキシ)プロピル]アミノ]エチル]フェニル]
−3−フェニルチオ尿素を得た。
【0070】質量分析値(m/z):582[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.46(9H,s),2.80−2.90(2
H,m),3.35−3.50(5H,m),3.47
(3H,s),3.75−4.00(3H,m),4.
00−4.10(1H,m),5.10(2H,s),
6.81(2H,d,J=9.3Hz),6.97(2
H,d,J=9.3Hz),7.15−7.43(9
H,m),7.65−7.75(2H,m)。
【0071】(参考例6)参考例4と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−3−(4−クロロフェニ
ル)チオ尿素を得た。
【0072】質量分析値(m/z):556[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.46(9H,s),2.84−2.94(2
H,m),3.37−3.54(4H,m),3.70
−4.00(3H,m),4.00−4.20(1H,
m),6.88(2H,d,J=8.0Hz),6.9
7(1H,t,J=7.2Hz),7.55−7.70
(10H,m),7.56(1H,s),7.65(1
H,s)。
【0073】(参考例7)参考例4と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−3−(3−クロロフェニ
ル)チオ尿素を得た。
【0074】質量分析値(m/z):556[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.46(9H,s),2.80−2.95(2
H,m),3.40−3.60(4H,m),3.80
−4.00(3H,m),4.00−4.10(1H,
m),6.88(2H,d,J=8.0Hz),6.9
7(1H,t,J=7.2Hz),7.20−7.40
(9H,m),7.44(1H,s),7.60(1
H,s),7.71(1H,s)。
【0075】(参考例8)参考例4と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−3−(2−クロロフェニ
ル)チオ尿素を得た。
【0076】質量分析値(m/z):556[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.46(9H,s),2.75−2.95(2
H,m),3.25−3.55(4H,m),3.80
−4.00(3H,m),4.05−4.16(1H,
m),6.89(2H,d,J=8.4Hz),6.9
5−7.00(1H,m),7.15−7.40(10
H,m),7.71(1H,s),7.75(1H,
s)。
【0077】(参考例9)参考例4と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−3−(4−メトキシフェ
ニル)チオ尿素を得た。
【0078】質量分析値(m/z):552[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.46(9H,s),2.80−2.95(2
H,m),3.35−3.55(4H,m),3.82
(3H,s),3.80−4.00(3H,m),4.
05−4.15(1H,m),6.86−7.00(6
H,m),7.13−7.20(2H,m),7.24
−7.34(5H,m),7.51(1H,s),7.
57(1H,s)。
【0079】(参考例10)参考例4と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−3−(3,4−ジメトキ
シフェニル)チオ尿素を得た。
【0080】質量分析値(m/z):581(M+) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.46(9H,s),2.78−2.94(2
H,m),3.36−3.54(4H,m),3.88
(3H,s),3.89(3H,s),3.85−4.
15(3H,m),6.84−6.92(4H,m),
6.92−7.00(2H,m),7.14−7.34
(6H,m),7.57(1H,s),7.60(1
H,s)。
【0081】(参考例11)参考例4と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−3−(4−ニトロフェニ
ル)チオ尿素を得た。
【0082】質量分析値(m/z):567[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.47(9H,s),2.85−3.00(3
H,m),3.35−3.62(3H,m),3.80
−4.05(3H,m),6.86(2H,d,J=
7.6Hz),6.97(1H,t,J=7.2H
z),7.20−7.32(6H,m),7.71(2
H,d,J=8.8Hz),7.84(1H,s),
7.99(1H,s),8.16(2H,d,J=8.
8Hz)。
【0083】(参考例12)参考例4と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−3−(4−シアノフェニ
ル)チオ尿素を得た。
【0084】質量分析値(m/z):547[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.47(9H,s),2.85−3.00(2
H,m),3.30−3.60(4H,m),3.75
−4.05(4H,m),6.86(2H,d,J=
7.8Hz),6.98(1H,t,J=7.5H
z),7.18−7.29(6H,m),7.57(2
H,d,J=8.3Hz),7.65(2H,d,J=
8.6Hz),7.71(1H,s),7.84(1
H,s)。
【0085】(参考例13)参考例4と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−3−(4−フルオロフェ
ニル)チオ尿素を得た。
【0086】質量分析値(m/z):540[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:1.46(9H,s),2.72−2.80(2
H,m),3.34−3.46(4H,m),3.80
−3.90(2H,m),3.93−4.03(1H,
m),5.12−5.21(1H,m),6.90−
6.95(3H,m),7.10−7.19(4H,
m),7.26−7.30(2H,m),7.35−
7.40(2H,m),7.43−7.48(2H,
m),9.66(1H,s),9.72(1H,s)。
【0087】(参考例14)参考例4と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−3−(4−ブロモフェニ
ル)チオ尿素を得た。
【0088】質量分析値(m/z):600[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.46(9H,s),2.80−2.95(2
H,m),3.36−3.57(4H,m),3.80
−4.00(2H,m),4.00−4.08(1H,
m),6.88(2H,d,J=8.4Hz),6.9
7(1H,t,J=7.2Hz),7.20−7.32
(8H,m),7.48(2H,d,J=8.8H
z),7.57(1H,s),7.69(1H,s)。
【0089】(参考例15)参考例4と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−3−(4−ヨードフェニ
ル)チオ尿素を得た。
【0090】質量分析値(m/z):648[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.46(9H,s),2.80−2.95(2
H,m),3.35−3.57(4H,m),3.80
−4.00(3H,m),4.00−4.10(1H,
m),6.88(2H,d,J=8.0Hz),6.9
7(1H,t,J=7.2Hz),7.17(2H,
d,J=8.4Hz),7.20−7.32(6H,
m),7.58(1H,s),7.67(2H,d,J
=8.4Hz),7.72(1H,s)。
【0091】(参考例16)参考例4と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−3−(4−メトキシカル
ボニルフェニル)チオ尿素を得た。
【0092】質量分析値(m/z):580[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.46(9H,s),2.80−2.96(2
H,m),3.36−3.60(4H,m),3.84
−4.00(2H,m),3.91(3H,s),4.
00−4.04(1H,m),6.88(2H,d,J
=8.0Hz),6.97(1H,t,J=7.2H
z),7.22−7.32(6H,m),7.53(2
H,d,J=8.4Hz),7.71(1H,s),
7.77(1H,s),8.03(2H,d,J=8.
0Hz)。
【0093】(参考例17)参考例4と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−3−(4−スルファモイ
ルフェニル)チオ尿素を得た。
【0094】質量分析値(m/z):601[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:1.46(9H,s),2.75−2.90(2
H,m),3.20−3.55(4H,m),3.88
−3.97(2H,m),4.05−4.15(1H,
m),6.47(2H,s),6.88−6.97(3
H,m),7.12−7.44(6H,m),7.73
(2H,d,J=8.0Hz),7.87(2H,d,
J=8.8Hz),9.32(2H,brs)。
【0095】(参考例18)参考例4と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−3−(1−ナフチル)チ
オ尿素を得た。
【0096】質量分析値(m/z):572[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.45(9H,s),2.75−2.90(2
H,m),3.34−3.50(4H,m),3.80
−4.10(4H,m),6.87(2H,d,J=
8.0Hz),6.94(1H,t,J=7.2H
z),7.10−7.70(8H,m),7.85−
7.95(3H,m),8.00−8.05(1H,
m)。
【0097】(参考例19)参考例4と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−3−ベンジルチオ尿素を
得た。
【0098】質量分析値(m/z):536[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.42(9H,s),2.75−2.93(2
H,m),3.40−3.50(4H,m),3.49
(2H,d,J=7.6Hz),3.80−4.00
(2H,m),4.00−4.10(1H,m),4.
87(1H,d,J=7.2Hz),6.23(1H,
brs),6.88(2H,d,J=8.4Hz),
6.97(1H,t,J=7.2Hz),7.08−
7.44(13H,m),7.64(1H,s)。
【0099】(参考例20)参考例4と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−3−(2−フェニルエチ
ル)チオ尿素を得た。
【0100】質量分析値(m/z):550[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.46(9H,s),2.86−2.94(4
H,m),3.34−3.54(4H,m),3.82
−4.02(5H,m),4.04−4.12(1H,
m),5.94(1H,brs),6.90(4H,
d,J=8.4Hz),6.98(1H,t,J=7.
2Hz),7.05−7.34(9H,m),7.54
(1H,s)。
【0101】(参考例21)参考例4と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−3−シクロヘキシルチオ
尿素を得た。
【0102】質量分析値(m/z):528[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.05−1.20(2H,m),1.45(9
H,s),1.30−1.70(6H,m),2.00
−2.10(2H,m),2.70−3.00(3H,
m),3.25−3.60(4H,m),3.80−
4.00(2H,m),4.05−4.15(1H,
m),4.20−4.35(1H,m),5.83(1
H,d,J=8.0Hz),6.90(2H,d,J=
7.6Hz),6.98(1H,t,J=7.2H
z),7.00(2H,d,J=8.0Hz),7.1
5−7.32(5H,m),7.39(1H,s)。
【0103】(参考例22)参考例4と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−3−(3,4,5−トリ
メトキシフェニル)チオ尿素を得た。
【0104】質量分析値(m/z):611[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.46(9H,s),2.70−2.95(2
H,m),3.40−3.50(4H,m),3.84
(6H,s),3.85(3H,s),3.90−4.
20(3H,m),6.62(2H,s),6.87−
7.00(3H,m),7.15−7.35(6H,
m),7.62(1H,brs),7.66(1H,
s)。
【0105】(参考例23)参考例4と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−3−(4−ジメチルアミ
ノフェニル)チオ尿素を得た。
【0106】質量分析値(m/z):564(M+) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.46(9H,s),2.70−2.85(2
H,m),2.98(6H,s),3.30−3.60
(4H,m),3.80−4.15(4H,m),6.
72(2H,d,J=8.8Hz),6.89(2H,
d,J=8.0Hz),6.96(1H,t,J=7.
2Hz),7.10−7.20(4H,m),7.25
−7.35(4H,m),7.44(1H,s),7.
54(1H,s)。
【0107】(参考例24)参考例4と同様にして、
(S)−3−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−1−(3−メトキシフェ
ニル)チオ尿素を得た。
【0108】質量分析値(m/z):552[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:1.38(9H,s),2.74−2.79(2
H,m),3.05−3.17(1H,m),3.38
−3.43(3H,m),3.73(3H,s),3.
83−3.88(2H,m),3.97−4.00(1
H,m),5.14−5.19(1H,m),6.69
(1H,dd,J=8.0,2.0Hz),6.90−
6.94(3H,m),7.01(1H,dd,J=
8.0,1.6Hz),7.12−7.14(2H,
m),7.18−7.30(4H,m),7.38−
7.40(2H,m),9.72(2H,s)。
【0109】(参考例25)参考例4と同様にして、
(S)−3−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−1−(2−メトキシフェ
ニル)チオ尿素を得た。
【0110】質量分析値(m/z):552[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:1.37(9H,s),2.49−2.51(2
H,m),3.04−3.17(1H,m),3.38
−3.44(3H,m),3.83−3.85(5H,
m),3.98(1H,brs),5.14−5.19
(1H,m),6.90−6.94(4H,m),7.
04−7.06(1H,m),7.12−7.16(3
H,m),7.26−7.30(2H,m),7.43
(2H,d,J=8.0Hz),7.95(1H,d,
J=7.6Hz),9.07(1H,s),9.89
(1H,s)。
【0111】(参考例26)参考例4と同様にして、
(S)−3−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−1−(3−ニトロフェニ
ル)チオ尿素を得た。
【0112】質量分析値(m/z):567[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:1.38(9H,s),2.77−2.80(2
H,m),3.06−3.17(1H,m),3.37
−3.44(3H,m),3.82−3.87(2H,
m),3.99(1H,brs),5.15−5.18
(1H,m),6.91−6.94(3H,m),7.
16−7.19(2H,m),7.28(2H,t,J
=8.4Hz),7.38−7.40(2H,m),
7.60(1H,t,J=8.0Hz),7.90(1
H,dd,J=8.0,2.0Hz),7.95(1
H,dd,J=8.0,2.0Hz),8.56(1
H,t,J=2.0Hz),10.05(1H,s),
10.08(1H,s)。
【0113】(参考例27)参考例4と同様にして、
(S)−3−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−1−(2−ニトロフェニ
ル)チオ尿素を得た。
【0114】質量分析値(m/z):567[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:1.37−1.38(9H,m),2.77−2.
81(2H,m),3.10−3.18(1H,m),
3.40−3.48(3H,m),3.82−3.88
(2H,m),3.8−4.0(1H,m),5.15
−5.18(1H,m),6.90−6.94(3H,
m),7.18−7.19(2H,m),7.26−
7.31(2H,m),7.39−7.43(3H,
m),7.67−7.76(2H,m),8.00(1
H,dd,J=8.4,1.6Hz),9.84(1
H,s),10.34(1H,s)。
【0115】(参考例28)参考例4と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−3−(4−トルイル)チ
オ尿素を得た。
【0116】質量分析値(m/z):536[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:1.38(9H,s),2.28(3H,s),
2.74−2.78(2H,m),3.05−3.17
(1H,m),3.36−3.44(3H,m),3.
82−3.87(2H,m),3.98(1H,br
s),5.13−5.17(1H,m),6.90−
6.94(3H,m),7.12−7.14(4H,
m),7.26−7.40(6H,m),9.60(1
H,s),9.61(1H,s)。
【0117】(参考例29)参考例4と同様にして、
(S)−3−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−1−(2,3,4,5,
6−ペンタフルオロフェニル)チオ尿素を得た。
【0118】質量分析値(m/z):FABMS[Ne
g]610[(M−H)-] 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:1.37−1.38(9H,m),2.77−2.
81(2H,m),3.04−3.18(1H,m),
3.37−3.44(3H,m),3.83−3.86
(2H,m),3.99(1H,brs),5.14−
5.18(1H,m),6.90−6.94(3H,
m),7.19−7.20(2H,m),7.26−
7.30(2H,m),7.37−7.40(2H,
m),9.37(1H,s),10.26(1H,
s)。
【0119】(参考例30)参考例4と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−3−(3,4−メチレン
ジオキシベンジル)チオ尿素を得た。
【0120】質量分析値(m/z):580[(M+
H)+] 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:1.37(9H,s),2.74−2.78(2
H,m),3.04−3.17(1H,m),3.37
−3.42(3H,m),3.81−3.87(2H,
m),3.98(1H,brs),4.62−4.63
(2H,d,J=5.2Hz),5.13−5.18
(1H,m),5.99(2H,s),6.81−6.
94(6H,m),7.12−7.14(2H,m),
7.26−7.33(4H,m),7.99(1H,
s),9.50(1H,s)。
【0121】(実施例1)(S)−1−[4−[2−
[N−t−ブトキシカルボニル−N−(2−ヒドロキシ
−3−フェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニ
ル]−3−フェニルチオ尿素0.33gのメタノール1
0mlの溶液に4N塩化水素−酢酸エチル溶液10ml
を加えた。反応混合物を室温下、1時間撹拌後、溶媒を
留去した。得られた残渣をエタノール−メタノールから
再結晶して、(S)−1−[4−[2−[(2−ヒドロ
キシ−3−フェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェ
ニル]−3−フェニルチオ尿素 塩酸塩0.17gを得
た。
【0122】融点 214−217℃ 元素分析値 (C242832SClとして) C(%) H(%) N(%) S(%) Cl(%) 理論値 62.94 6.16 9.17 7.00 7.74 実験値 62.87 6.03 9.19 6.85 7.63
【0123】(実施例2)実施例1と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[[2−ヒドロキシ−3−
(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピル]アミノ]エチ
ル]フェニル]−3−フェニルチオ尿素 塩酸塩を得
た。
【0124】融点 171−175℃ 核磁気共鳴スペクトル(TMS内部標準) δ:2.91−3.06(3H,m),3.10−3.
25(3H,m),3.83−3.91(2H,m),
4.10−4.20(1H,m),5.84(1H,b
rs),6.69(2H,d,J=12.2Hz),
6.78(2H,d,J=12.2Hz),7.11
(1H,t,J=7.3Hz),7.21(2H,d,
J=8.3Hz),7.32(2H,t,J=7.3H
z),7.51−7.57(4H,m),8.80(1
H,brs),8.98(2H,brs),10.27
(2H,d,J=3.4Hz)。
【0125】(実施例3)実施例1と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニル]−3−
(4−クロロフェニル)チオ尿素 塩酸塩を得た。
【0126】融点 211−214℃ 元素分析値 (C242732SCl2として) C(%) H(%) N(%) S(%) Cl(%) 理論値 58.53 5.53 8.53 6.51 14.40 実験値 58.24 5.59 8.42 6.41 14.40
【0127】(実施例4)実施例1と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニル]−3−
(3−クロロフェニル)チオ尿素 塩酸塩を得た。
【0128】融点 154−156℃ 元素分析値 (C242732SCl2として) C(%) H(%) N(%) S(%) Cl(%) 理論値 58.53 5.53 8.53 6.51 14.40 実験値 58.26 5.60 8.43 6.30 14.47
【0129】(実施例5)実施例1と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニル]−3−
(2−クロロフェニル)チオ尿素 塩酸塩を得た。
【0130】融点 157−160℃ 元素分析値 (C242732SCl2として) C(%) H(%) N(%) S(%) Cl(%) 理論値 58.53 5.53 8.53 6.51 14.40 実験値 58.36 5.52 8.44 6.27 14.44
【0131】(実施例6)実施例1と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニル]−3−
(4−メトキシフェニル)チオ尿素 塩酸塩を得た。
【0132】融点 208−212℃ 元素分析値 (C253032SClとして) C(%) H(%) N(%) S(%) Cl(%) 理論値 61.53 6.20 8.61 6.57 7.26 実験値 61.28 6.20 8.51 6.34 7.38
【0133】(実施例7)実施例1と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニル]−3−
(3,4−ジメトキシフェニル)チオ尿素 塩酸塩を得
た。
【0134】融点 202−207℃ 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:2.90−3.10(3H,m),3.14−3.
26(3H,m),3.73(3H,s),3.74
(3H,s),3.94−4.02(2H,m),4.
18−4.26(1H,m),5.90(1H,br
s),6.89−6.98(5H,m),7.17−
7.23(3H,m),7.31(2H,t,J=8.
0Hz),7.49(2H,d,J=8.4Hz),
8.79(1H,brs),8.94(1H,br
s),9.94(1H,s),9.96(1H,s)。
【0135】(実施例8)実施例1と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニル]−3−
(4−ニトロフェニル)チオ尿素 塩酸塩を得た。
【0136】融点 152−154℃ 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:2.91−3.10(3H,m),3.16−3.
28(3H,m),3.94−4.02(2H,m),
4.17−4.25(1H,m),5.90(1H,b
rs),6.94−6.98(3H,m),7.24−
7.34(4H,m),7.53(2H,d,J=8.
8Hz),7.95(2H,d,J=9.2Hz),
8.21(2H,d,J=9.2Hz),8.76(1
H,brs),8.88(1H,brs),10.69
(1H,s),10.95(1H,s)。
【0137】(実施例9)実施例1と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニル]−3−
(4−シアノフェニル)チオ尿素 塩酸塩を得た。
【0138】融点 162−165℃ 元素分析値 (C252742SClとして) C(%) H(%) N(%) S(%) Cl(%) 理論値 62.16 5.63 11.60 6.64 7.34 実験値 61.88 5.71 11.48 6.53 7.29
【0139】(実施例10)実施例1と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニル]−3−
(4−フルオロフェニル)チオ尿素 塩酸塩を得た。
【0140】融点 211−213℃ 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:2.90−3.10(3H,m),3.14−3.
28(3H,m),3.94−4.02(2H,m),
4.16−4.26(1H,m),5.89(1H,b
rs),6.94−6.98(3H,m),7.14−
7.23(4H,m),7.31(2H,t,J=7.
2Hz),7.47−7.54(4H,m),8.74
(2H,brs),10.04(2H,brs)。
【0141】(実施例11)実施例1と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニル]−3−
(4−ブロモフェニル)チオ尿素 塩酸塩を得た。
【0142】融点 179−182℃ 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:2.90−3.10(3H,m),3.14−3.
28(3H,m),3.94−4.02(2H,m),
4.16−4.25(1H,m),5.90(1H,b
rs),6.94−6.98(3H,m),7.23
(2H,d,J=8.0Hz),7.31(2H,t,
J=8.0Hz),7.48−7.56(6H,m),
8.78(1H,brs),8.92(1H,br
s),10.28(1H,s),10.31(1H,
s)。
【0143】(実施例12)実施例1と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニル]−3−
(4−ヨードフェニル)チオ尿素 塩酸塩を得た。
【0144】融点 181−184℃ 元素分析値 (C242732SIClとして) C(%) H(%) N(%) S(%) I(%) Cl(% ) 理論値 49.37 4.66 7.20 5.49 21.73 6.07 実験値 49.46 4.56 7.16 5.48 21.83 6.28
【0145】(実施例13)実施例1と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニル]−3−
(4−メトキシカルボニルフェニル)チオ尿素 塩酸塩
を得た。
【0146】融点 178−181℃ 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:2.90−3.10(3H,m),3.12−3.
28(3H,m),3.83(3H,s),3.94−
4.02(2H,m),4.16−4.26(1H,
m),5.90(1H,d,J=4.4Hz),6.9
4−6.98(3H,m),7.24(2H,d,J=
8.0Hz),7.31(2H,t,J=8.0H
z),7.52(2H,d,J=8.0Hz),7.8
0(2H,dd,J=2.8,8.8Hz),7.91
(2H,d,J=8.8Hz),8.78(1H,br
s),8.91(1H,brs),10.51(1H,
brs),10.65(1H,brs)。
【0147】(実施例14)実施例1と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニル]−3−
(4−スルファモイルフェニル)チオ尿素 塩酸塩を得
た。
【0148】融点 198−200℃ 元素分析値 (C2429442Clとして) C(%) H(%) N(%) S(%) Cl(%) 理論値 53.67 5.44 10.43 11.94 6.60 実験値 53.46 5.44 10.42 11.96 6.79
【0149】(実施例15)実施例1と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニル]−3−
(1−ナフチル)チオ尿素 塩酸塩を得た。
【0150】融点 159−161℃ 元素分析値 (C283032SClとして) C(%) H(%) N(%) S(%) Cl(%) 理論値 66.19 5.95 8.27 6.31 6.98 実験値 66.00 6.00 8.28 6.24 7.06
【0151】(実施例16)実施例1と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニル]−3−
ベンジルチオ尿素 塩酸塩を得た。
【0152】融点 185−187℃ 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:2.88−3.10(3H,m),3.13−3.
27(3H,m),3.93−4.02(2H,m),
4.15−4.24(1H,m),4.73(2H,
d,J=6.0Hz),5.89(1H,d,J=5.
2Hz),6.94−6.98(3H,m),7.21
(2H,d,J=8.4Hz),7.23−7.35
(7H,m),7.44(2H,d,J=8.4H
z),8.28(1H,brs),8.73(1H,b
rs),8.84(1H,brs),9.79(1H,
brs)。
【0153】(実施例17)実施例1と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニル]−3−
(2−フェニルエチル)チオ尿素 塩酸塩を得た。
【0154】融点 183−185℃ 元素分析値 (C263232SClとして) C(%) H(%) N(%) S(%) Cl(%) 理論値 64.25 6.64 8.64 6.60 7.29 実験値 64.11 6.80 8.56 6.52 7.42
【0155】(実施例18)実施例1と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニル]−3−
シクロヘキシルチオ尿素 塩酸塩を得た。
【0156】融点 155−160℃ 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:1.10−1.36(5H,m),1.52−1.
60(1H,m),1.64−1.72(2H,m),
1.84−1.95(2H,m),2.86−3.28
(7H,m),3.97(2H,t,J=4.4H
z),4.15−4.25(1H,m),5.88(1
H,brs),6.93−7.00(3H,m),7.
18(2H,d,J=8.4Hz),7.31(2H,
t,J=8.0Hz),7.44(2H,d,J=8.
4Hz),8.68(2H,brs),9.45(1
H,s)。
【0157】(実施例19)(S)−1−[4−[2−
[N−t−ブトキシカルボニル−N−(2−ヒドロキシ
−3−フェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニ
ル]−3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チオ
尿素0.28gのメタノール5mlの溶液に4N塩化水
素−酢酸エチル溶液5mlを加えた。反応混合物を室温
下、1時間撹拌後、溶媒を留去した。得られた残渣を逆
相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;メタ
ノール:水=1:1)で精製して、(S)−1−[4−
[2−[(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−3−(3,4,5−トリ
メトキシフェニル)チオ尿素 塩酸塩0.10gを得
た。
【0158】質量分析値(m/z):512[(M+H
−HCl)+] 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:2.88−3.25(6H,m),3.64(3
H,s),3.74(6H,s),3.95−4.01
(2H,m),4.15−4.25(1H,m),5.
89(1H,d,J=4.8Hz),6.88(2H,
s),6.94−6.98(3H,m),7.21(2
H,d,J=8.0Hz),7.31(2H,t,J=
8.0Hz),7.47(2H,d,J=8.0H
z),8.76(1H,brs),8.86(1H,b
rs),9.97(2H,s)。
【0159】(実施例20)実施例19と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニル]−3−
(4−ジメチルアミノフェニル)チオ尿素 塩酸塩を得
た。
【0160】質量分析値(m/z):567[(M+H
−HCl)+] 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:2.85−3.10(3H,m),2.93(6
H,s),3.14−3.26(3H,m),3.93
−4.01(2H,m),4.19−4.23(1H,
m),5.88(1H,brs),6.94−6.98
(5H,m),7.20(2H,d,J=8.4H
z),7.28−7.33(4H,m),7.49(2
H,d,J=8.8Hz),8.75(1H,br
s),8.87(1H,brs),9.89(2H,b
rs)。
【0161】(実施例21)実施例19と同様にして、
(S)−3−[4−[2−[(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニル]−1−
(3−メトキシフェニル)チオ尿素 塩酸塩を得た。
【0162】 元素分析値 (C253033SClとして) C(%) H(%) N(%) S(%) Cl(%) 理論値 61.53 6.20 8.61 6.57 7.26 実験値 61.16 6.25 8.52 6.47 7.25 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:2.90−3.09(3H,m),3.17−3.
23(3H,m,),3.73(3H,s),3.94
−4.01(2H,m),4.18−4.25(1H,
m),5.90(1H,d,J=4.8Hz),6.6
9(1H,dd,J=8.0,2.0Hz),6.94
−6.98(3H,m),7.05−7.08(1H,
m),7.20−7.24(3H,m),7.28−
7.33(3H,m),7.50(2H,d,J=8.
4Hz),10.17(1H,s),10.18(1
H,s)。
【0163】(実施例22)実施例19と同様にして、
(S)−3−[4−[2−[(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニル]−1−
(2−メトキシフェニル)チオ尿素 塩酸塩を得た。
【0164】質量分析値(m/z):452[(M+H
−HCl)+] 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:2.94−3.09(3H,m),3.16−3.
24(3H,m),3.83(3H,s),3.96−
4.00(2H,m),4.20−4.24(1H,
m),5.91(1H,brs),6.90−6.98
(5H,m),7.05−7.07(1H,m),7.
13−7.17(1H,m),7.22(2H,d,J
=8.0Hz),7.29−7.34(2H,m),
7.53(2H,d,J=8.0Hz),7.91(1
H,dd,J=7.6,1.2Hz),9.26(1
H,s),10.18(1H,s)。
【0165】(実施例23)実施例19と同様にして、
(S)−3−[4−[2−[(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニル]−1−
(3−ニトロフェニル)チオ尿素 塩酸塩を得た。
【0166】質量分析値(m/z):467[(M+H
−HCl)+] 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:2.96−3.08(3H,m),3.19−3.
24(3H,m),3.94−4.01(2H,m),
4.22(1H,brs),5.90(1H,s),
6.95−6.97(3H,m),7.25−7.33
(4H,m),7.50−7.52(2H,m),7.
59−7.63(1H,m),7.92−7.96(2
H,m),8.70(1H,s),10.52(1H,
s),10.70(1H,s)。
【0167】(実施例24)実施例19と同様にして、
(S)−3−[4−[2−[(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニル]−1−
(2−ニトロフェニル)チオ尿素 塩酸塩を得た。
【0168】質量分析値(m/z):467[(M+H
−HCl)+] 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:2.94−3.09(3H,m),3.16−3.
24(3H,m),3.36−3.39(2H,m),
3.94−4.01(2H,m),4.20−4.25
(1H,m),5.91(1H,brs),6.94−
6.98(3H,m),7.25−7.33(4H,
m),7.39−7.46(1H,m),7.50(2
H,d,J=8.4Hz),7.70(2H,d,J=
4.0Hz),8.01(1H,d,J=8.0H
z),10.09(1H,s),10.60(1H,
s)。
【0169】(実施例25)実施例19と同様にして、
(S)−3−[4−[2−[(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニル]−1−
(4−トルイル)チオ尿素 塩酸塩を得た。
【0170】質量分析値(m/z):436[(M+H
−HCl)+] 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:2.28(3H,s),2.90−3.10(3
H,m),3.17−3.23(3H,m),3.94
−4.01(2H,m),4.17−4.23(1H,
m),5.90(1H,d,J=5.2Hz),6.9
5−6.98(3H,m),7.13(2H,d,J=
8.0Hz),7.21(2H,d,J=8.0H
z),7.31(2H,t,J=8.0Hz),7.3
7(2H,d,J=8.8Hz),7.49(2H,
d,J=8.8Hz),9.93(1H,s),9.9
4(1H,s)。
【0171】(実施例26)実施例19と同様にして、
(S)−3−[4−[2−[(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニル]−1−
(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)チオ
尿素 塩酸塩を得た。
【0172】質量分析値(m/z):512[(M+H
−HCl)+] 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:2.95−3.08(3H,m),3.15−3.
25(3H,m),3.94−4.02(2H,m),
4.20−4.26(1H,m),5.91(1H,b
rs),6.94−6.97(3H,m),7.25−
7.33(4H,m),7.52(2H,d,J=8.
8Hz),9.84(1H,s),10.79(1H,
s)。
【0173】(実施例27)実施例19と同様にして、
(S)−1−[4−[2−[(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニル]−3−
(3,4−メチレンジオキシベンジル)チオ尿素 塩酸
塩を得た。
【0174】質量分析値(m/z):480[(M+H
−HCl)+] 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:2.89−3.09(3H,m),3.15−3.
24(3H,m),3.94−4.01(2H,m),
4.18−4.24(1H,m),4.62(2H,
d,J=5.6Hz),5.99(2H,s),6.8
1(1H,dd,J=7.6,1.2Hz),6.87
(1H,d,J=7.6Hz),6.93−6.97
(4H,m),7.20(2H,d,J=8.0H
z),7.29−7.33(2H,m),7.43(2
H,d,J=8.0Hz),8.26−8.29(1
H,m),9.84(1H,s)。
【0175】表1に、実施例1〜27により得られた化
合物の化学構造式を掲記する。
【0176】
【表1】
【0177】又、表2に化学構造式を掲記する化合物
は、前記実施例若しくは製造法に記載の方法とほぼ同様
にして、又はそれらに当業者に自明の若干の変法を適用
して、容易に製造することができる。なお、表2に掲記
した化合物につき、各種、互変、幾何、光学異性体が存
在する場合があるが、本発明化合物には光学異性体の単
離されたもの、又はその混合物が含まれる。
【0178】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 317/58 C07D 317/58 (72)発明者 松井 哲夫 茨城県つくば市春日2−35−2 エトワー ル春日403

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示されるチオ尿素誘
    導体又はその塩。 【化1】 (但し、式中の記号は以下の意味を有する。 R1、R2:同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原
    子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル
    基、低級アルコキシ基、低級アシルアミノ基、低級アル
    キルスルホニルアミノ基、低級アルコキシカルボニルア
    ミノ基、N’−低級アルキルウレイド基又はこれらの基
    で置換されていてもよい低級アルキル基、 R3:水素原子又は低級アルキル基、 A:単結合、低級アルキレン基又は低級アルケニレン
    基、 B環:置換基を有していてもよいアリール基又はシクロ
    アルキル基。)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のチオ尿素誘導体又はそ
    の塩を含有することを特徴とする医薬。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のチオ尿素誘導体又はそ
    の塩を有効成分とすることを特徴とする糖尿病治療剤。
JP8164233A 1996-06-25 1996-06-25 新規なチオ尿素誘導体又はその塩 Withdrawn JPH107647A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7473711B2 (en) 2004-04-22 2009-01-06 Pfizer Inc. Androgen modulators
US7507860B2 (en) 2004-04-13 2009-03-24 Pfizer Inc. Androgen modulators
US7576128B2 (en) 2004-02-13 2009-08-18 Pfizer Inc. Androgen receptor modulators
US7799823B2 (en) 2005-05-05 2010-09-21 Warner-Lambert Company Llc Androgen modulators

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