JPH10158233A - 新規なグアニジン誘導体又はその塩 - Google Patents

新規なグアニジン誘導体又はその塩

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JPH10158233A
JPH10158233A JP8318321A JP31832196A JPH10158233A JP H10158233 A JPH10158233 A JP H10158233A JP 8318321 A JP8318321 A JP 8318321A JP 31832196 A JP31832196 A JP 31832196A JP H10158233 A JPH10158233 A JP H10158233A
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JP
Japan
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group
compound
action
formula
acid
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Application number
JP8318321A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Maruyama
龍也 丸山
Takayuki Suzuki
貴之 鈴木
Tetsuo Matsui
哲夫 松井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インスリン分泌促進作用とインスリン感
受性増強作用を併せ持ち、さらに選択的なβ3受容体刺
激作用を有する、糖尿病の治療剤の創製。 【解決手段】 下記一般式(I)で示されるグアニジン
誘導体又はその塩。 【化1】 (但し、式中の記号は以下の意味を有する。 A環:置換されていてもよいアリール基、 R:シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、低級アルカ
ンスルホニル基又はスルファモイル基。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬、特に新規な
グアニジン誘導体又はその塩及びそれらを有効成分とす
る糖尿病治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】糖尿病は、持続的高血糖状態を伴う疾患
であり、多くの環境因子と遺伝的因子とが作用した結果
生じるといわれている。血糖の主要な調整因子はインス
リンであり、高血糖はインスリン欠乏あるいはその作用
を阻害する緒因子(例えば、遺伝的素因、運動不足、肥
満、ストレス等)が過剰となって生じることが知られて
いる。
【0003】糖尿病には主として2つの種類があり、自
己免疫疾患による膵インスリン分泌機能の低下によって
生じるインスリン依存性糖尿病(IDDM)と持続的な
高インスリン分泌に伴う膵疲弊による膵インスリン分泌
機能の低下が原因であるインスリン非依存性糖尿病(N
IDDM)とに分けられる。日本人の糖尿病患者の95
%以上はNIDDMといわれており、生活様式の変化に
伴い患者数の増加が問題となっている。糖尿病の治療
は、軽症においては食事療法、運動療法及び肥満の改善
等が主として行われ、更に進行すると、経口糖尿病薬
(例えば、スルホニルウレア剤等のインスリン分泌促進
剤、インスリンの感受性を増強するインスリン感受性増
強剤等)の投与が行われ、更に重症の場合はインスリン
製剤の投与が行われている。しかしながら、より高度な
血糖管理が可能な薬剤の創製が切望されており、新たな
メカニズムを有する有用性の高い糖尿病治療薬の開発が
望まれている。
【0004】一方、米国特許4,396,627号及び
同4,478,849号には、フェニルエタノールアミ
ン誘導体が記載されており、これらの化合物は抗肥満
薬、抗高血糖症薬として有用であることが開示されてい
る。これらの化合物の作用は、β3受容体刺激作用によ
ると報告されている。β3受容体刺激作用としては、一
般に抗肥満作用、抗高脂血作用(例えば、トリグリセラ
イド低下作用、コレステロール低下作用、HDLコレス
テロール上昇作用等)が知られている。ここでβ−アド
レナリン受容体はβ1、β2、β3のサブタイプに分類さ
れ、β1受容体の刺激は心拍数の増加を引き起こし、β2
受容体の刺激は筋肉中でのグリコーゲンの分解を刺激し
これによってグリコーゲンの合成を阻害し、筋肉振戦等
の作用を生じることが知られている。しかしながら、こ
れらの初期のβ3受容体作動薬は、心拍数の増加や筋肉
振戦等のβ1受容体及びβ2受容体刺激に基づく作用をも
有しており、副作用の点で問題があった。又、最近β受
容体には種差が存在することが確認され、従来ラット等
の齧歯類にてβ3受容体選択性が確認された化合物であ
っても、ヒトにおいてはβ1及びβ2受容体刺激作用に基
づく作用が確認されたことが報告されている。
【0005】このような点から、最近はヒトの細胞ある
いはヒトの受容体を発現させた細胞を用いて、ヒトにお
いてβ3受容体選択的な刺激作用を有する化合物の研究
が進められている。例えば、特開平7−10827号公
報には、下記一般式で示される置換フェニルスルホンア
ミド誘導体が記載され、ヒトにおいてβ3受容体に選択
的に刺激作用を有することより、肥満症、高血糖症等に
有用であることが記載されている。しかしながら、これ
らの化合物のインスリン分泌促進作用並びにインスリン
感受性増強作用については具体的に開示がない。
【0006】
【化2】 (式中の記号は上記公報参照。)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、いまな
お、臨床的に有用性の高い新しいタイプの糖尿病治療剤
の創製が切望されている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、インスリ
ン分泌促進作用とインスリン感受性増強作用を併せ持つ
化合物を鋭意探索したところ、新規なグアニジン誘導体
が良好なインスリン分泌促進作用とインスリン感受性増
強作用の両作用、さらには選択的なβ3受容体刺激作用
を有することを見いだし本発明を完成した。すなわち、
本発明はインスリン分泌促進作用とインスリン感受性増
強作用を併せ持ち、さらに選択的β3受容体刺激作用に
基づく抗肥満作用及び抗高脂血症作用をも併せ持つこと
から、糖尿病の治療に有用な、下記一般式(I)で示さ
れるグアニジン誘導体又はその塩に関する。また、当該
グアニジン誘導体を含有する医薬、殊に、当該グアニジ
ン誘導体を有効成分とする糖尿病治療剤に関する。
【0009】
【化3】
【0010】(但し、式中の記号は以下の意味を有す
る。 A環:置換されていてもよいアリール基、 R:シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、低級アルカ
ンスルホニル基又はスルファモイル基。)
【0011】
【発明の実施の形態】一般式(I)の化合物をさらに説
明すると、次の通りである。本明細書の一般式の定義に
おいて、「低級」なる用語は、特に断らない限り、炭素
数が1乃至6個の直鎖状又は分岐状の炭素鎖を意味す
る。
【0012】「アリール基」は、芳香族炭化水素基を意
味し、炭素数6乃至14個のアリール基が好ましく、具
体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェ
ニル基、ナフチル基、インデニル基、アントリル基、フ
ェナントリル基等が挙げられる。これらのうちフェニル
基又はナフチル基が特に好ましい。「置換されていても
よいアリール基」の置換基としては、通常用いられる置
換基であればいずれでもよく、1乃至複数個の置換基を
有してもよい。好ましい置換基としては、低級アルキル
基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、ハロゲン原
子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル
基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、
カルボキシル基、低級アシル基、カルバモイル基(NH
2CO−)、モノ−若しくはジ−低級アルキルカルバモ
イル基、スルファモイル基(NH2SO2−)、モノ−若
しくはジ−低級アルキルスルファモイル基、低級アシル
アミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、低級アル
コキシカルボニルアミノ基、N’−低級アルキルウレイ
ド基、アミノ基、モノ−若しくはジ−低級アルキルアミ
ノ基、メチレンジオキシ基(−O−CH2−O−)、エ
チレンジオキシ基(−O−CH2CH2−O−)等が挙げ
られる。
【0013】「低級アルキル基」とは、炭素数が1〜6
個の直鎖又は分岐のアルキル基であり、具体的には、例
えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、te
rt−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペ
ンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル
基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル
基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル
基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、
1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル
基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチ
ル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブ
チル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、
1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリ
メチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル
基、1−エチル−2−メチルプロピル基等が挙げられ
る。
【0014】「低級アルケニル基」とは炭素数が2〜6
個の直鎖又は分岐のアルケニル基を意味し、具体的には
ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニ
ル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル
基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチルアリル
基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチルアリル
基、1,1−ジメチルビニル基、1−ペンテニル基等を
挙げることができる。「低級アルキニル基」とは炭素数
が2〜6個の直鎖又は分岐のアルキニル基を意味し、具
体的にはエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニ
ル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル
基、1−メチル−2−プロピニル基、1−ペンチニル基
等を挙げることができる。「ハロゲン原子」とは、フッ
素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味す
る。
【0015】「低級アルコキシ基」とは、炭素数が1〜
6個のアルコキシ基であり、メトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブ
トキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ
基、ペンチルオキシ(アミルオキシ)基、イソペンチル
オキシ基、tert−ペンチルオキシ基、ネオペンチル
オキシ基、2−メチルブトキシ基、1,2−ジメチルプ
ロポキシ基、1−エチルプロポキシ基、ヘキシルオキシ
基等が挙げられる。「低級アルコキシカルボニル基」と
は、上記低級アルコキシ基で置換されたカルボニル基を
意味し、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニ
ル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル
基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキ
シカルボニル基等が挙げられる。
【0016】「低級アシル基」としては、ホルミル基、
アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリ
ル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘ
キサノイル基等が挙げられる。「モノ−若しくはジ−低
級アルキルカルバモイル基」とは、カルバモイル基中の
水素原子1乃至2個が上記低級アルキル基で置換された
カルバモイル基を意味し、メチルカルバモイル基、エチ
ルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ジメチル
カルバモイル基等が挙げられる。「モノ−若しくはジ−
低級アルキルスルファモイル基」とは、スルファモイル
基中の水素原子1乃至2個が上記低級アルキル基で置換
されたスルファモイル基を意味し、メチルスルファモイ
ル基、エチルスルファモイル基、プロピルスルファモイ
ル基、ジメチルスルファモイル基等が挙げられる。
【0017】「低級アシルアミノ基」とは、アミノ基中
の水素原子1個が低級アシル基で置換された基(R
ONH−;Rは低級アルキル基、以下同様)を意味
し、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオンアミ
ド基、バレロアミド基、ピバロイルアミド基等が挙げら
れる。「低級アルキルスルホニルアミノ基」とは、アミ
ノ基中の水素原子1個が低級アルキルスルホニル基で置
換された基(RSO2NH−)を意味し、又、「低級
アルキルスルホニル基」とは、上記低級アルキル基を有
するスルホニル基を意味する。「低級アルコキシカルボ
ニルアミノ基」とは、アミノ基中の水素原子1個が低級
アルコキシカルボニル基で置換された基(RO−CO
NH−)を意味し、具体的には例えば、メトキシカルボ
ニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、プロポキ
シカルボニルアミノ基、イソプロポキシカルボニルアミ
ノ基、ブトキシカルボニルアミノ基、イソブトキシカル
ボニルアミノ基、sec−ブトキシカルボニルアミノ
基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、ペンチル
オキシカルボニルアミノ基、イソペンチルオキシカルボ
ニルアミノ基、ネオペンチルオキシカルボニルアミノ
基、tert−ペンチルオキシカルボニルアミノ基、ヘ
キシルオキシカルボニルアミノ基等を挙げることができ
る。
【0018】「N’−低級アルキルウレイド基」とは、
ウレイド基のN’位の水素原子1個が上記低級アルキル
で置換された基(R−NH−CO−NH−)を意味
し、具体的には例えば、N’−メチルウレイド基、N’
−エチルウレイド基、N’−プロピルウレイド基等が挙
げられる。「モノ−若しくはジ−低級アルキルアミノ
基」とは、アミノ基中の水素原子1乃至2個が上記低級
アルキル基で置換されたアミノ基を意味し、具体的に
は、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピ
ルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ
プロピルアミノ基等が挙げられる。「低級アルカンスル
ホニル基」としては、具体的には、例えば、メチルスル
ホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基
等が挙げられる。
【0019】本発明化合物(I)は、1個乃至複数個の
不斉炭素原子を有する場合があり、これに基づく(R)
体、(S)体等の光学異性体、ラセミ体、ジアステレオ
マー等が存在する。また、置換基の種類によっては、二
重結合を有するので、(Z)体、(E)体等の幾何異性
体が存在する。本発明は、これらの異性体の分離された
ものあるいは混合物を全て包含する。さらに、本発明に
は化合物(I)の水和物、エタノール等の溶媒和物や結
晶多形の物質も包含される。本発明化合物(I)は酸と
塩を形成する場合がある。かかる塩としては塩酸、臭化
水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸
や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、
コハク酸、フマール酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、
クエン酸、酒石酸、炭酸、ピクリン酸、メタンスルホン
酸、エタンスルホン酸、グルタミン酸等の有機酸との酸
付加塩を挙げることができる。
【0020】(製造法)本発明化合物及びその塩は、そ
の基本骨格あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用
し、種々の合成法を適用して製造することができる。以
下にその代表的な製造法について説明する。
【0021】第一工程
【化4】 (式中、R及びA環は前記の意味を示す。R’はアミノ
基の保護基を示す。)
【0022】本工程は化合物(II)と化合物(II
I)とを反応させ、化合物(IV)を合成する工程であ
る。本反応は化合物(II)及び化合物(III)をそ
のままで、あるいは極性溶媒中、室温下乃至加熱下、加
熱下乃至加熱還流下、カルボジイミド系の縮合剤[例え
ば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DC
C)、1−エチル−3−(3−(N,N−ジメチルアミ
ノ)プロピル)カルボジイミド等]の存在下で反応に付
し、化合物(IV)を得る反応である。
【0023】極性溶媒としては例えばメタノール、アセ
トニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシ
ド又はN−メチルピロリドンが挙げられる。R’のアミ
ノ基の保護基は当業者が通常使用するアミノ基の保護基
を意味し、代表的なものとしてはホルミル基、アセチル
基、プロピオニル基、メトキシアセチル基、メトキシプ
ロピオニル基、ベンゾイル基、チエニルアセチル基、チ
アゾリルアセチル基、テトラゾリルアセチル基、チアゾ
リルグリオキシロイル基、チエニルグリオキシロイル基
等のアシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基、tert−ブトキシカルボニル基等の低級アル
コキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、p
−ニトロベンジルオキシカルボニル基等のアラルキルオ
キシカルボニル基、メタンスルホニル基、エタンスルホ
ニル基等の低級アルカンスルホニル基、ベンジル基、p
−ニトロベンジル基、ベンズヒドリル基、トリチル基等
のアラルキル基、トリメチルシリル基等のトリ低級アル
キルシリル基などが挙げられる。
【0024】第二工程
【化5】 (式中、R、R’及びA環は前記の意味を示す。)
【0025】本工程は化合物(IV)の保護基を除去す
ることにより、本発明化合物(I)を合成する工程であ
る。本工程における保護基の除去は常法に従えばよく
例えばアミノ基の保護基の除去は、i)ベンズヒドリル
基、p−メトキシベンジル基、トリチル基、tert−
ブトキシカルボニル基、ホルミル基などの保護基である
ときは、ギ酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸−
アニソール混液、臭化水素酸−酢酸混液、塩酸−ジオキ
サン混液などの酸で処理する方法、ii)ベンジル基、
p−ニトロベンジル基、ベンズヒドリル基、トリチル基
などであるときは、パラジウム−炭素又は水酸化パラジ
ウム−炭素を用いる接触還元方法、iii)保護基がト
リ低級アルキルシリル基などであるときは、水で処理す
る方法、フッ素化物アニオン(テトラノルマルブチルア
ンモニウムフルオリド、フッ化ナトリウム、フッ化カリ
ウム、フッ化水素酸)等により容易に除去される。
【0026】(製造中間体の製造法) 第一工程
【化6】 (式中、R’は前記の意味を示す。R’’は水素原子又
はアラルキル系のアミノ基の保護基を示す。)
【0027】本工程はi)エポキシド化合物(V)とア
ミン化合物(VI)とを反応させることにより、化合物
(VII)を合成し、ii)場合により保護化を行い、
化合物(VIII)を合成する工程である。本反応i)
によりエポキシド化合物(V)及びアミン化合物(V
I)をそのままで、あるいは前記極性溶媒中の溶液とし
て、加熱下乃至加熱還流下、好ましくは30〜150℃
で、1〜24時間加熱してカップリングし、化合物(V
II)を得ることができる。
【0028】また、エポキシド化合物(V)にアミン化
合物(VI)の塩、例えばトリフルオロ酢酸塩又は塩酸
塩を用いて合成することもできる。この際、重炭酸ナト
リウム又はジイソプロピルエチルアミンのような塩基を
反応混合物に添加してもよく、また、再結晶化、粉砕、
分取薄層クロマトグラフィー、W.C.Stillら、
J.Org.Chem.43、2923(1978)に
記載されているようなシリカゲルフラッシュクロマトグ
ラフィー、中圧液体クロマトグラフィー及びHPLCに
より、望ましくない副生成物質を除き生成物質を精製す
ることもできる。HPLCで生成される化合物は、対応
する塩として単離することができる。本工程においてエ
ポキシド化合物(V)、アミン化合物(VI)は当業者
に公知の方法により調製することができる。また、
R’’が水素原子の場合には、上記ii)で示す化合物
(VII)より保護化を行い、化合物(VIII)を合
成する。ここで、本工程のアラルキル系のアミノ基の保
護基としては、ベンジル基、p−ニトロベンジル基、ベ
ンズヒドリル基等が挙げられる。
【0029】第二工程
【化7】 (式中、R’は前記の意味を示す。)
【0030】本工程は化合物(VIII)を還元反応さ
せることにより化合物(IX)を合成する工程である。
還元反応は金属還元あるいは接触還元等により行うこと
ができ、前記極性溶媒中の溶液として化合物(VII
I)より化合物(IX)を得ることができる。
【0031】第三工程
【化8】 (式中、R’及びA環は前記の意味を示す。)
【0032】本工程は化合物(IX)とイソチオシアネ
ート化合物(X)とを反応させることにより化合物(I
I)を合成する工程である。化合物(IX)とイソチオ
シアネート化合物(X)より化合物(II)を合成する
反応は不活性溶媒中、加熱下乃至加熱還流下で縮合反応
に付すことにより行うことができる。
【0033】前記不活性溶媒としては、例えばジメチル
ホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、テト
ラクロロエタン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ク
ロロホルム、四塩化炭素、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、酢酸エチ
ル、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、ジメチルス
ルホキシド等やこれらの混合溶媒が挙げられ、種々の反
応条件に応じて適宜選択される。
【0034】このようにして製造された本発明化合物
(I)は、遊離化合物、常法による造塩処理を施したそ
の塩、水和物、エタノールなどの各種溶媒和物、あるい
は結晶多形等として単離・精製される。単離・精製は抽
出、濃縮、留去、結晶化、濾過、再結晶、各種クロマト
グラフィー等の通常の化学操作を適用して行われる。
【0035】各種の異性体は異性体間の物理化学的な差
を利用して常法により単離できる。例えば、ラセミ化合
物は一般的なラセミ分割法により(例えば、一般的な光
学活性酸(酒石酸等)とのジアステレオマー塩に導き、
光学分割する方法等)立体化学的に純粋な異性体に導く
ことができる。又、ジアステレオマーの混合物は常法、
例えば分別結晶化又はクロマトグラフィー等により分離
できる。また、光学活性な化合物は適当な光学活性な原
料を用いることにより製造することもできる。
【0036】
【発明の効果】本発明の一般式(I)で示されるグアニ
ジン誘導体又はその塩は、インスリン分泌促進作用とイ
ンスリン感受性増強作用を併せ持ち、さらに選択的なβ
3受容体刺激作用を有することより、糖尿病の治療剤と
して有用である。
【0037】本発明化合物は、後記耐糖能試験及びイン
スリン抵抗性モデル動物における血糖低下試験において
確認されたように、良好なインスリン分泌促進作用とイ
ンスリン感受性増強作用を併せ持ち、糖尿病においてそ
の有用性が期待されるものである。本発明化合物のイン
スリン分泌促進作用及びインスリン感受性増強作用発現
のメカニズムは、β3受容体刺激作用が関与している可
能性も考えられるが、その他のメカニズムによるもので
ある可能性も有り、その詳細は未解明である。
【0038】本発明化合物のβ3受容体刺激作用は、ヒ
トにおいてβ3受容体に選択的である。β3受容体の刺激
は脂肪分解(脂肪組織トリグリセライドのグリセロール
と遊離脂肪酸とへの分解)を刺激し、これによって脂肪
塊の消失を促進することが知られている。従って本発明
化合物は、β3受容体刺激による抗肥満作用、抗高脂血
作用(例えば、トリグリセライド低下作用、コレステロ
ール低下作用、HDLコレステロール上昇作用等)を有
し、肥満症、高脂血症(例えば高トリグリセライド血
症、高コレステロール血症、低HDL血症等)の予防・
治療剤として有用である。これらの疾患は、糖尿病にお
ける増悪因子であることが知られており、これらの疾患
の改善は糖尿病の予防・治療にも有用である。また、本
発明化合物は、肥満症、高脂血症の症状を低減すること
により症状の改善の図れるその他の疾患、例えば、動脈
硬化症、心筋梗塞、狭心症等の虚血性心疾患、脳梗塞等
の脳動脈硬化症或いは動脈瘤等の予防・治療剤としても
有用である。
【0039】さらに、本発明化合物の選択的β3受容体
刺激作用は、β3受容体の刺激により改善することが提
唱されているいくつかの疾患の予防・治療にも有用であ
る。これらの疾患の例を以下に示す。β3受容体は非括
約筋性平滑筋収縮の運動性を媒介することが提唱されて
おり、選択的β3受容体刺激作用は心臓血管作用を伴う
ことなく腸運動性の薬理的制御を助けると考えられるこ
とより、腸運動の異常により生じる疾患、例えば、過敏
性腸症候群のような種々の胃腸疾患の治療に有用である
可能性を有する。また、消化性潰瘍、食道炎、胃炎及び
十二指腸炎(H.pyloriにより誘発されるものを
含む)、腸潰瘍(炎症性腸疾患、潰瘍性結腸炎、クロー
ン病及び直腸炎)及び胃腸潰瘍の治療に有用である。さ
らにβ3受容体は、肺におけるある種の感覚繊維の神経
ペプチドの放出の阻害に作用を及ぼすことが示されてい
る。感覚神経は咳を含めた気道の神経原性炎症に重要な
役割を演じるので、本発明の特異的β3作動薬は喘息の
ような神経原性炎症の治療に有用であってしかも心肺系
への作用が少ない。
【0040】β3アドレナリン受容体はさらに脳におけ
るβ3受容体の刺激により選択的抗鬱作用を生じ得るの
で、従って本発明の化合物は抗鬱薬として有用である可
能性を有する。本発明化合物のβ受容体に対する作用は
ヒトの細胞を用いた実験によって、β3受容体選択的で
あることを確認しており、他のβ受容体刺激に起因する
副作用は低いかもしくは有しないものである。
【0041】本発明化合物の効果は以下の試験により確
認された。
【0042】1.kkマウス(インスリン抵抗性モデ
ル:肥満、高血糖)における血糖低下試験 雄性kkマウス(血糖値200mg/dl以上)を用い
て、摂食下で血糖値を測定後、無作為に群分けした。被
験薬物は1日1回、4日間、強制経口投与もしくは皮下
投与し、最終投与後15〜18時間後の血糖値を投与前
値と比較した(n=6)。血糖値はマウスの尾静脈よ
り、ガラス毛細管(ヘパリン処理済み)を用いて採血
し、除タンパク処理後、上清中のグルコース量(mg/
dl)をグルコースオキシターゼ法により比色定量し
た。本発明化合物は経口投与、皮下投与のいずれにおい
ても、比験薬物投与前に比して有意に血糖値を低下させ
た。この結果より、本発明化合物が良好なインスリン感
受性増強作用を有することが示された。
【0043】2.正常ラットにおける耐糖能試験 7週齢の雄性SD系ラットを用いて、一昼夜絶食後、無
作為に群分けし、oralglucose tolerance test(OGT
T)を行った(n=4)。被験化合物は、グルコース
(2g/kgを経口投与)の投与30分前に経口投与あ
るいは皮下投与した。血糖値はラットをペントバルビタ
ール(65mg/kg)麻酔下で、ヘパリン処理したガ
ラスシリンジを用いて腹大静脈より採血し、除タンパク
処理後、上清中のグルコース量(mg/dl)をグルコ
ースオキシダーゼ法により比色定量した。血中インスリ
ン値は、血漿中のインスリン量(ng/ml)をRadioi
munoassay(RIA)法により定量した。
【0044】3.ヒトβ3、β2及びβ1−受容体刺激試
ヒトβ3−刺激作用はSK−N−MC細胞系(perm
anentにヒトβ3及びヒトβ1受容体を発現した細胞
を購入)を用い、ヒトβ2、β1−刺激作用はCHO細胞
系(ヒトβ2、β1受容体をそれぞれ強制発現させた細胞
を購入)を用いて検討した。化合物(10-10〜10-4
M)の刺激作用は、各細胞を24wellプレート上に
105個/wellで培養し、2日後subconfluentな状
態で、cyclic AMP(cAMP)の産生活性を指標に
検討した。なおヒトβ3−刺激作用は、β1−blocker
(CGP20712A、10-6M)存在下で検討した。
各細胞中のcAMP産生量(pmol/ml)は、
125I−cAMPを用いてRIA法により測定した。
各化合物の作用強度は、得られた用量反応曲線からpD
2値及び最大活性(I.A.(%)、isoproterenolの
最大反応を100%とする)を算出し比較した。本発明
化合物は、ヒトβ3受容体に対して選択的に刺激作用を
有することが確認された。
【0045】本発明化合物又はその塩の一種又は二種以
上を有効成分として含有する医薬組成物は、通常の製薬
学的に許容される担体を用いて調製される。本発明にお
ける医薬組成物の投与は経口投与又は注射剤、座剤、経
皮剤、吸入剤若しくは膀胱注入等による非経口投与のい
ずれの形態であってもよい。投与量は症状、投与対象の
年令、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定さ
れるが、通常経口投与の場合成人1日当たり0.01m
g/kg乃至100mg/kg程度であり、これを一回
で、あるいは2〜4回に分けて投与する。また、症状に
よって静脈投与される場合は、通常成人1回当たり、
0.001mg/kg乃至10mg/kgの範囲で1日
に1回乃至複数回投与される。製剤用の担体としては固
体又は液体状の非毒性医薬用物質が挙げられる。
【0046】本発明による経口投与のための固体組成物
としては、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が
用いられる。このような固体組成物においては、ひとつ
又はそれ以上の活性物質が、少なくともひとつの不活性
な希釈剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒド
ロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプ
ン、ポリビニルピロリドン、寒天、ペクチン、メタケイ
酸アルミン酸マグネシウム、アルミン酸マグネシウムと
混合される。組成物は、常法に従って、不活性な希釈剤
以外の添加剤、例えばステアリン酸マグネシウムのよう
な潤滑剤や繊維素グリコール酸カルシウムのような崩壊
剤、ラクトースのような安定化剤、グルタミン酸又はア
スパラギン酸のような溶解補助剤を含有していてもよ
い。錠剤又は丸剤は必要によりショ糖、ゼラチン、ヒド
ロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースフタレートなどの糖衣又は胃溶性若しくは腸
溶性物質のフィルムで被膜してもよい。
【0047】経口投与のための液体組成物は、薬剤的に
許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリ
キシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈
剤、例えば精製水、エタノールを含む。この組成物は不
活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘
味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性又は非
水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を包含する。水性の溶液
剤、懸濁剤としては、例えば注射剤用蒸留水及び生理食
塩水が含まれる。非水溶性の溶液剤、懸濁剤としては、
例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、カカオバター、オリーブ油、ゴマ油のような植物
油、エタノールのようなアルコール類、アラビアゴム、
ポリソルベート80(商品名)等がある。このような組
成物は、さらに等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分
散剤、安定化剤(例えば、ラクトース)、溶解補助剤
(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸)のような補
助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保管フ
ィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無
菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し、
使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用す
ることもできる。
【0048】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に
説明する。本発明化合物は、下記実施例に記載の化合物
に限定されるものではなく、また、前記一般式(I)に
示される化合物、その塩、その水和物、その幾何並びに
光学異性体、結晶多形の全てを包含するものである。さ
らに、本発明で使用される原料が新規な場合は、参考例
として説明する。
【0049】参考例1 (S)−2−フェノキシメチルオキシラン7.71g、
2−(4−ニトロフェニル)エチルアミン塩酸塩10.
34g及びトリエチルアミン5.20gの2−プロパノ
ール100mlの溶液を9時間加熱還流した。溶媒を留
去し、酢酸エチルで希釈後、水、続いて飽和食塩水で洗
浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒
を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶出液;クロロホルム:メタノール=1
0:1)で精製し、(S)−1−フェノキシ−3−
[[2−(4−ニトロフェニル)エチル]アミノ]−2
−プロパノール6.35gを得た。
【0050】参考例2 (S)−1−フェノキシ−3−[[2−(4−ニトロフ
ェニル)エチル]アミノ]−2−プロパノール6.35
gのテトラヒドロフラン100mlの溶液に、ジt−ブ
チルジ炭酸エステル4gを加えた。反応混合物を室温下
2時間半撹拌後、溶媒を留去して、(S)−N−(2−
ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−N−[2−
(4−ニトロフェニル)エチル]カルバミン酸 t−ブ
チルエステル7.94gを得た。
【0051】参考例3 (S)−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピ
ル)−N−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]カル
バミン酸 t−ブチルエステル7.94gのエタノール
100mlの溶液に、10%パラジウム−炭素0.8g
を加えた。反応混合物を室温で常圧水素雰囲気下、2時
間撹拌した。不溶物を濾過して除いた後、溶媒を留去し
た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶出液;クロロホルム:メタノール=30:1)で
精製し、(S)−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキ
シプロピル)−N−[2−(4−アミノフェニル)エチ
ル]カルバミン酸 t−ブチルエステル5.15gを得
た。
【0052】参考例4 (S)−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピ
ル)−N−[2−(4−アミノフェニル)エチル]カル
バミン酸 t−ブチルエステル0.50gとイソチオシ
アン酸フェニル0.19gのトルエン10mlの溶液を
100℃で7時間加熱した。溶媒を留去後、得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ク
ロロホルム:メタノール=30:1)で精製し、(S)
−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニル−N
−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)アミ
ノ]エチル]フェニル]−3−フェニルチオ尿素0.3
5gを得た。
【0053】参考例4と同様にして以下の参考例5〜7
を合成した。 参考例5 (S)−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−3−(1−ナフチル)チ
オ尿素 参考例6 (S)−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−3−(4−メトキシフェ
ニル)チオ尿素 参考例7 (S)−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−3−(3−メトキシフェ
ニル)チオ尿素
【0054】参考例8 (S)−1−[4−[2−[N−t−ブトキシカルボニ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)
アミノ]エチル]フェニル]−3−フェニルチオ尿素
0.40gのジメチルホルムアミド10mlの溶液に1
−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボ
ジイミド塩酸塩0.16gとシアナミド0.06gとジ
イソプロピルエチルアミン0.01gを加えた。反応混
合物を50℃,20時間撹拌後溶媒を留去した。得られ
た残渣に水を加え酢酸エチルを用いて抽出した。有機層
を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
後,溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチル=
1:1)により精製し、(S)−N−シアノ−N’−
[4−[2−[N’’’−t−ブトキシカルボニル−
N’’’−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピ
ル)アミノ]エチル]フェニル]−N’’−フェニルグ
アニジン0.15gを得た。
【0055】参考例8と同様にして以下の参考例9〜1
1を合成した。 参考例9 (S)−N−シアノ−N’−[4−[2−[N’’’−
t−ブトキシカルボニル−N’’’−(2−ヒドロキシ
−3−フェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニ
ル]−N’’−(1−ナフチル)グアニジン 参考例10 (S)−N−シアノ−N’−[4−[2−[N’’’−
t−ブトキシカルボニル−N’’’−(2−ヒドロキシ
−3−フェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニ
ル]−N’’−(4−メトキシフェニル)グアニジン 参考例11 (S)−N−シアノ−N’−[4−[2−[N’’’−
t−ブトキシカルボニル−N’’’−(2−ヒドロキシ
−3−フェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニ
ル]−N’’−(3−メトキシフェニル)グアニジン
【0056】実施例1 (S)−N−シアノ−N’−[4−[2−[N’’’−
t−ブトキシカルボニル−N’’’−(2−ヒドロキシ
−3−フェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニ
ル]−N’’−フェニルグアニジン0.15gにトリフ
ルオロ酢酸5mlを加え,室温で5分間撹拌した。反応
混合物の溶媒を留去後,4N塩化水素−ジオキサン溶液
5mlを加えた。反応混合物を室温下、30分間撹拌
後、溶媒を留去した。得られた残渣をメタノール−水
(2:1)から再結晶して(S)−N−シアノ−N’−
[4−[2−[(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロ
ピル)アミノ]エチル]フェニル]−N’’−フェニル
グアニジン塩酸塩0.05gを得た。
【0057】実施例2 (S)−N−シアノ−N’−[4−[2−[N’’’−
t−ブトキシカルボニル−N’’’−(2−ヒドロキシ
−3−フェノキシプロピル)アミノ]エチル]フェニ
ル]−N’’−フェニルグアニジン0.185gのメタ
ノール10mlの溶液に4N塩化水素−酢酸エチル溶液
5mlを加えた。反応混合物を室温下、17時間撹拌
後、溶媒を留去した。得られた残渣を逆相カラムクロマ
トグラフィー(溶出液;水:メタノール=2:1)で精
製し、(S)−N−カルバモイル−N’−[4−[2−
[(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)アミ
ノ]エチル]フェニル]−N’’−フェニルグアニジン
・2塩酸塩0.10gを得た。
【0058】実施例2と同様にして以下の実施例3〜5
を合成した。 実施例3 (S)−N−カルバモイル−N’−[4−[2−[(2
−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)アミノ]エチ
ル]フェニル]−N’’−(1−ナフチル)グアニジン
・2塩酸塩 実施例4 (S)−N−カルバモイル−N’−[4−[2−[(2
−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)アミノ]エチ
ル]フェニル]−N’’−(4−メトキシフェニル)グ
アニジン・2塩酸塩 実施例5 (S)−N−カルバモイル−N’−[4−[2−[(2
−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)アミノ]エチ
ル]フェニル]−N’’−(3−メトキシフェニル)グ
アニジン・2塩酸塩
【0059】以下表1〜2に、参考例1〜11の物理化
学的性状を、表3に実施例1〜5により得られた化合物
の化学構造式並びに物理化学的性状を示す。表中の記号
は以下の意味を有する。 Rex.No.:参考例番号 Ex. No.:実施例番号 sal.:塩 DATA:物理化学的性状 FS(m/z):質量分析値(m/z) NMR:核磁気共鳴スペクトル[TMSを内部標準と
し、溶媒はCDCl(参考例1−6,8−11)及び
DMSO−d(参考例7,実施例1−5)を用い
た。]
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】又、表4に化学構造式を掲記する化合物
は、前記実施例若しくは製造法に記載の方法とほぼ同様
にして、又はそれらに当業者に自明の若干の変法を適用
して、容易に製造することができる。尚、表4に掲記し
た化合物につき、各種、互変、幾何、光学異性体が存在
する場合があるが、本発明化合物には前記各異性体の単
離されたもの、又はその混合物が含まれる。
【0064】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/24 A61K 31/24 31/275 ADP 31/275 ADP 31/395 31/395 C07C 279/28 C07C 279/28 279/36 279/36 307/04 307/04 311/64 311/64

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示されるグアニジン
    誘導体又はその塩。 【化1】 (但し、式中の記号は以下の意味を有する。 A環:置換されていてもよいアリール基、 R:シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、低級アルカ
    ンスルホニル基又はスルファモイル基。)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のグアニジン誘導体又は
    その塩を含有することを特徴とする医薬。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のグアニジン誘導体又は
    その塩を有効成分とすることを特徴とする糖尿病治療
    剤。
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WO2015002150A1 (ja) 2013-07-03 2015-01-08 株式会社新日本科学 新規化合物,有機カチオントランスポーター3の検出剤及び活性阻害剤

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