JPH1076092A - ミシン針 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課 題】針孔への糸通しを容易にするために形成され
るスリットの加工を少なくすると共に、スリットの入口
部分を露出しないようにして手指が傷付くことのないよ
うにし、切欠効果による強度の低下を防ぐ。また縫製
中、糸がスリットに喰い込んで、糸切れを生じたり、目
飛びを生じたりすることのないようにする。 【解決手段】針先部分１５を別体に形成して主軸部１１
の嵌合部１３に嵌合し、ロックナット１９の捩込みによ
り針先部分１５を締着する。針先部分１５の一端より針
孔１６の中間部に開口するスリット１７を形成し、スリ
ット１７の入口は嵌合部１３に嵌合して塞がれるように
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、糸通しが容易なミ
シン針に関する。

【０００２】

【従来技術】この種のミシン針として、図１に示すよう
に針孔１に達するスリット２を形成し、スリット２を通
して糸通しが行えるようにしたミシン針が知られる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述する従来のミシン
針では、スリット加工は針３の取付け部３ａ下から針孔
１に至るまで形成する必要があるうえ、スリット２の入
口部分では切欠き効果により強度が弱く、またスリット
２によって形成される舌片３ｂの先端が尖って糸通し時
に手指を傷付けるおそれがある。

【０００４】本発明は、上記の問題を解消した糸通しの
容易なミシン針を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題の解決手段】本発明のミシン針は、針孔を備え、
縫製時に布を刺通する部分より若干長い針先部分と、針
先部分が嵌合する嵌合部を有し、嵌合部には軸方向に嵌
合溝に達する割り溝が形成される主軸部と、嵌合部に外
嵌し、嵌合溝に嵌合した針先部分を締着する締着手段と
よりなり、針先部分には端面より針孔に達成するスリッ
トが形成されることを特徴とする。

【０００６】本発明のミシン針によれば、糸通しは針先
部分を主軸部より外した状態で端面よりスリットに通し
て針孔への糸通しを行う。ついで針先部分を主軸部の嵌
合部に嵌合後、締着部で嵌合部を締め込み、針先部分を
締着する。スリットは、好ましくは針孔上端より外れた
箇所、すなわち開口が針孔の中間部ないしそれより下方
に位置するようにして形成される。針が降下するとき、
針孔に通された糸は針孔上端に押付けられるが、スリッ
トの切込み口が針孔上端にあると、糸に開口よりスリッ
ト内に喰い込んで糸切れを生じたり、目飛びを生じたり
する。開口が針孔上端に形成されていなければ、こうし
た問題を生じない。

【０００７】

【発明の実施の形態】図２に示すように、大径の主軸部
１１には一側に針株（図示しない）への取付け部１２を
有し、他端部に嵌合部１３を有している。この嵌合部１
３は外径が先細り状をなして外側にネジ（図示省略）が
切られ、かつ軸方向に形成された切込み溝１４により４
つ割りのチャック状をなしている。

【０００８】針先部１５は一端が嵌合部１３に嵌合しう
るように形成され、一端より針孔１６に達し、針孔上端
より外れた針孔中間部に開口を有するようにしてスリッ
ト１７が形成されている。糸通し時においては、主軸部
１１より外した針先部１５の一端より糸をスリット１７
に押通して針孔１６に通す。糸通し後、針先部１５を嵌
合部１３に嵌合し、締着手段としてのロックナット１９
を捩込み締着する。図３は取付け状態を示す。

【０００９】本実施形態のミシン針によれば、スリット
１７の入口は露出しないため、手指が引掛かって傷付け
るおそれがなく、スリットの形成により強度が損なわれ
ることもない。しかもスリットは針先部分にのみ形成す
ればよく、スリットの加工が少なくてすむ。またスリッ
ト１７の針孔１６への開口は針孔中間部に形成されてい
るため、針降下時に糸がスリットに喰い込むことがない
うえ、針先が欠損したときには針先部分のみ交換するこ
とができる。

【００１０】なお縫製中、布に刺し込むのはロックナッ
ト下の針先部分のみであり、ロックナットがあっても縫
製に支承を生じることはない。

【００１１】

【発明の効果】本発明は以上のように構成され、次のよ
うな効果を奏する。請求項１記載のミシン針によれば、
スリットは針先部分にのみ形成されるため、スリット加
工が少なくてすむうえ、スリットの入口は嵌合部に嵌合
して塞がれているため、手指等に触れることがなく、手
指等を傷付けることがない。またスリットの形成により
切欠効果を生じることもなく、したがって強度が損なわ
れることもないし、針先部分のみ交換することができ
る。このことは特殊で高価なミシン針において有効であ
る。

【００１２】請求項２記載のミシン針によれば、縫製
中、糸がスリットに喰いこんで糸切れを生じたり、目飛
びを生じたりすることがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のミシン針の正面図。

【図２】本発明に係わるミシン針の分解図。

【図３】同ミシン針の組み立て図。

【符号の説明】

１１・・主軸部 １２・・取付部 １３・・嵌合部 １４・・切込み溝 １５・・針先部 １６・・針孔 １７・・スリット １９・・ロックナット

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】針孔を備え、縫製時に布を刺通する部分よ
   り若干長い針先部分と、針先部分が嵌合する嵌合部を有
   し、嵌合部には軸方向に嵌合溝に達する割り溝が形成さ
   れる主軸部と、嵌合部に外嵌し、嵌合溝に嵌合した針先
   部分を締着する締着手段とよりなり、針先部分には端面
   より針孔に達成するスリットが形成されることを特徴と
   するミシン針。
2. 【請求項２】スリットの針孔への開口は針孔の上端部以
   外の箇所に形成される請求項１記載のミシン針。