JPH1075971A - 眼用レンズの製造方法 - Google Patents

眼用レンズの製造方法

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JPH1075971A
JPH1075971A JP23160396A JP23160396A JPH1075971A JP H1075971 A JPH1075971 A JP H1075971A JP 23160396 A JP23160396 A JP 23160396A JP 23160396 A JP23160396 A JP 23160396A JP H1075971 A JPH1075971 A JP H1075971A
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ophthalmic lens
gas
bath
solvent bath
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Kazuhiko Nakada
和彦 中田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 残留モノマーや不純物の除去が、短時間で、
容易且つ確実に行なわれ得る眼用レンズの製造方法を提
供すること。 【解決手段】 アクリレート系モノマー等を重合して得
られる重合体からなるレンズブランクを溶剤浴中に浸漬
して、該レンズブランク中に含まれる残留モノマーや不
純物の溶出処理を行なう工程を含む眼用レンズの製造方
法において、前記溶出処理を実施する一方、前記溶剤浴
中に気体を導入せしめ、生じた気泡にて該溶剤浴の溶剤
を気泡処理することにより、該溶剤中に溶出された成分
の少なくとも一部を該気泡に捕捉せしめて該溶剤浴上方
の雰囲気中に取り出し、そして該溶剤浴上方の雰囲気を
排気することによって、前記溶出成分を除去せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、眼用レンズの製造方法に係り、
具体的には、医療用の眼科レンズ、例えばコンタクトレ
ンズや眼内レンズ等の眼用レンズの製造に際して採用さ
れる溶出処理工程に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、この種の眼用レンズは、メチル
メタクリレートや2−ヒドロキシエチルメタクリレート
の如きアクリレート系モノマー等の、所定の眼用レンズ
形成モノマーを重合して得られる重合体を用いて製造さ
れてきているが、そのような合成重合体には、一般に、
未重合のモノマーや触媒残渣、重合媒体等の不純物が残
留し、そのために、重合して得られる重合体をレンズ材
料として用い、それをそのまま商品(レンズ)にしたり
すると、安全性に問題を生じるようになる。尤も、重合
時における重合条件の検討等によって、未反応のモノマ
ーが残留しないようにしたり、触媒残渣等の不純物が生
成されないようにすることを試みても、それによって低
減せしめられる残留モノマー量や不純物量には限界があ
り、それらの存在は無視し得ないものであった。
【0003】このため、眼用レンズの安全性を確保する
上において、それを与えるレンズ材料から、上記のよう
な残留モノマーや不純物を除去することが必要とされ、
従来から、所定の眼用レンズ形成モノマーを重合して得
られた重合体にて構成される眼用レンズ若しくはそれを
与える眼用レンズ素材の形態において、それを所定の溶
剤浴中に浸漬して、加熱せしめることにより、該眼用レ
ンズ若しくは該眼用レンズ素材中に含まれる残留モノマ
ーや不純物の溶出処理を行なう工程が採用されてきてい
るが、そのような重合体より残留モノマーや不純物を溶
出させる処理には、大量の溶出処理溶剤を必要とした
り、時間がかかったり、また、それらの溶出量にも限界
があったのであり、更に溶出時間の短縮のために、加熱
温度を高めたりすると、それによって眼用レンズや眼用
レンズ素材に少なからぬ悪影響をもたらす恐れもあった
のである。
【0004】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その課題とするところ
は、残留モノマーや不純物の除去が、少量の溶剤で、し
かも短時間で、容易且つ確実に行なわれ得る眼用レンズ
の製造方法を提供することにあり、ひいては安全な眼用
レンズを提供することにある。
【0005】
【解決手段】そして、本発明は、かくの如き課題を解決
するために、眼用レンズ形成モノマーを重合して得られ
た重合体にて構成される眼用レンズ若しくはそれを与え
る眼用レンズ素材を溶剤浴中に浸漬して、該眼用レンズ
若しくは該眼用レンズ素材中に含まれる残留モノマーや
不純物の溶出処理を行なう工程を含む眼用レンズの製造
方法において、前記溶出処理を実施する一方、前記溶剤
浴中に気体を導入せしめ、生じた気泡にて該溶剤浴の溶
剤を気泡処理することにより、該溶剤中に溶出された成
分の少なくとも一部を該気泡に捕捉せしめて該溶剤浴上
方の雰囲気中に取り出し、そして該溶剤浴上方の雰囲気
を排気することによって前記溶出成分を除去せしめるこ
とを特徴とする眼用レンズの製造方法を、その要旨とす
るものである。
【0006】従って、このような本発明手法によれば、
眼用レンズやそれを与える眼用レンズ素材(以下、レン
ズ材と総称する)を、所定の溶剤浴に浸漬して、溶出処
理を実施すると共に、その溶剤浴に気体を導入せしめ
て、気泡処理を行なうことによって、かかる溶剤浴の溶
出溶剤中に溶出された成分(残留モノマーや不純物等)
が、効果的に系外に除去せしめられることとなるのであ
る。即ち、導入された気体にて生じる気泡が溶出溶剤と
接触することにより、前記した溶出処理によって該溶剤
中に溶出せしめられた残留モノマーや不純物等が溶剤と
共に気化して、かかる気泡中に捕捉され、一定の分圧で
含まれるようになるのであり、それ故に、そのような気
泡が溶剤浴外に取り出されることにより、溶出溶剤中の
残留モノマーや不純物の濃度が、効果的に低下せしめら
れ得るのである。
【0007】要するに、気体の導入にて生じた気泡に順
次接触せしめられることによって、溶出溶剤中の残留モ
ノマーや不純物の濃度が低下せしめられることにより、
レンズ材中の残留モノマーや不純物等が溶出せしめられ
た溶剤中で飽和状態になることがなくなり、以てかかる
レンズ材から、それら残留モノマーや不純物等が更に溶
剤中に溶出され易くなるのであって、それら残留モノマ
ーや不純物のレンズ材からのより一層の除去が可能とな
るのである。
【0008】なお、このような本発明手法において、レ
ンズ材を溶出処理するための溶剤としては、一般に、
水、アルコール類及びケトン類からなる群より選ばれた
少なくとも1種が用いられることとなるのであり、また
気体としては、酸素ガス若しくは窒素ガス又はそれらの
混合ガスである、例えば空気或いは水蒸気が用いられる
こととなる。
【0009】また、本発明の好ましい態様の一つによれ
ば、前記溶出処理に際し、前記溶剤浴の溶剤が加熱され
て、35〜100℃の温度とされることとなる。このよ
うな溶剤浴の溶剤温度を採用することにより、レンズ材
からの残留モノマーや不純物の溶出を効果的に行ない得
るのである。
【0010】さらに、本発明の望ましい他の態様によれ
ば、気体は、溶剤浴中の溶剤の100ml当たり10〜
1000ml/分の割合において導入され、これによっ
て、溶出処理と気泡処理とが、同時に効果的に進行せし
められることとなる。
【0011】そして、このように、本発明に従って溶剤
浴の溶剤中に気体が導入せしめられることに伴って、溶
剤は気化され、気泡と共に系外に取り出されるようにな
るところから、かかる溶剤の新たな量が、その気化量に
対応して、溶剤浴に追加されるようにされ、以て溶剤浴
中の溶剤量は、常に所定量となるように維持され、以て
有効な溶出処理と気泡処理が行なわれ得るようになって
いる。
【0012】また、そのような気体の導入による溶剤の
気化量としては、好ましくは、溶剤浴における当初溶剤
量の10容量%以上の割合となるようにされ、これによ
り、溶剤中の残留モノマーや不純物が効果的に除去せし
められるのである。
【0013】
【発明の実施の形態】ところで、本発明において、レン
ズ材、即ち眼用レンズやそれを与える眼用レンズ素材を
構成する重合体としては、従来と同様な眼用レンズ形成
モノマーを従来と同様な重合手法に従って重合して得ら
れる合成重合体の何れもが、対象とされるものである。
例えば、メチルメタクリレート等を主成分とする重合成
分から得られる、硬質レンズを与える重合体や、シロキ
サニルメタクリレート、シロキサニルスチレン、フルオ
ロアルキルメタクリレート、フルオロアルキルスチレン
等を主成分とする重合成分から得られる、通気性の硬質
レンズを与える重合体、更にはヒドロキシエチルメタク
リレート、N−ビニルピロリドン、ジメチルアクリルア
ミド等を主成分とする重合成分から得られる、含水性の
軟質レンズを与える重合体等が対象とされるが、特にア
クリレート系モノマーを重合してポリマーにすると、そ
の未重合のモノマーが残留し易く、そのために、そのよ
うなポリマーに対して、本発明が有利に適用されること
となる。
【0014】また、そのような重合体を得るための重合
形式としては、一般に塊状重合法が採用されるものであ
るが、その他、型内で溶剤を用いて溶液重合を行ない、
最終的なレンズ形状に近い形状のレンズ素材を得る重合
形式等、公知の各種の重合形式が採用され得、そのよう
な重合形式に従って得られる重合体に対して、本発明は
有効に適用され得るものである。
【0015】何れにしても、そのようにして得られる重
合体には、未重合のモノマーが残留し、また触媒残渣や
重合媒体として用いた溶剤が残留すること等による不純
物が存在するのであって、それ故に、そのような重合体
から、目的とする眼用レンズを製造するに際しては、眼
用レンズの最終形状に至る前の眼用レンズ素材に対し
て、或いは最終形状の眼用レンズに対して、本発明に従
う溶出処理を施す必要があるのであり、それによって、
そのような眼用レンズ素材若しくは眼用レンズから、残
留モノマーや不純物が効果的に除去せしめられるのであ
る。
【0016】なお、眼用レンズを含水性の重合体材料に
て構成する場合にあっては、従来から、かかる重合体材
料に対して水和処理が必須とされているところから、そ
のような水和処理操作と同時に、本発明に従う溶出処理
操作が実施されるようにすれば、短時間の処理にて、容
易且つ確実に残留モノマーや不純物の除去が行なわれ得
る特徴がある。なお、ここで、含水性とは、含水率が5
%以上であることを意図しているものである。しかも、
そのような含水性材料であって、それが型内で溶剤を使
用する溶液重合にて形成されたものである場合において
は、本発明を適用することにより、それからの未重合成
分や不純物の除去が、最も有効に為され得るのである。
【0017】ところで、かくの如き重合体にて構成され
るレンズ材に含まれる残留モノマーや不純物を除去する
ために、本発明に従う溶出処理工程においては、そのよ
うなレンズ材が、所定の溶剤浴中に浸漬され、かかるレ
ンズ材から溶剤中に残留モノマーや不純物の溶出が行な
われるのである。なお、ここで溶剤浴として用いられる
溶剤としては、真水、蒸留水や生理食塩水等の水;メタ
ノール、エタノール、ヘキサノール等のアルコール類;
アセトン等のケトン類のうちの少なくとも1種が用いら
れることとなる。また、この溶出処理の速度を速めるた
めに、溶剤浴の溶剤を加熱せしめることが望ましく、そ
の加熱の方法としては、電気加熱、液浴加熱、ガス加熱
等の公知の加熱手法が採用され得、それによって35〜
100℃程度の溶剤温度とされる。この溶剤温度が35
℃未満では、加熱による効果が充分でなく、また100
℃を越えるようになると、レンズ材に悪影響をもたらす
恐れが生じるからである。
【0018】そして、本発明は、かかる溶出処理を行な
うと共に、レンズ材を浸漬せしめた溶剤浴中に、所定の
気体を導入して、それによって生じた気泡にて、該溶剤
浴の溶剤を気泡処理するようにしたものである。即ち、
かかる気体の導入によって生じた気泡と溶剤とが接触す
ることにより、レンズ材から溶剤中に溶出された成分
(残留モノマーや不純物)の少なくとも一部が気化し
て、該気泡に捕捉されるようになるのであり、そして、
そのような気泡が浮上して、溶剤浴表面から放出される
ことにより、溶剤浴上方の雰囲気中に溶剤中の溶出成分
が取り出されるようになるのである。
【0019】従って、かかる溶剤浴上方の雰囲気を排気
することによって、溶出成分たる残留モノマーや不純物
は効果的に系外に除去せしめられることとなるのであ
り、以てレンズ材より溶出される残留モノマーや不純物
等が、溶出溶剤中において飽和状態になることがなくな
り、かかるレンズ材より、更に溶剤中に溶出され易くな
るのであって、それ故に、レンズ材からの残留モノマー
や不純物の溶出が効果的に為され得ることとなるのであ
る。
【0020】なお、このような溶出溶剤中に導入される
気体としては、かかる溶剤中に浸漬されているレンズ材
に悪影響をもたらすものでないことは勿論、そのような
溶剤に溶解されることのない気体であれば、何れをも使
用可能であるが、好ましくは酸素ガス若しくは窒素ガ
ス、又はそれらの混合ガス、例えば空気が好適に用いら
れ、また水蒸気も同様に好適に用いられることとなる。
そして、そのような気体は、有利には、微細な気泡状態
として溶剤中に導入せしめられ、溶剤との間において、
効果的な接触が為され得ることとなるが、また、そのよ
うな気体の導入量としては、一般に、溶剤浴中の溶剤の
100ml当たり10〜1000ml/分の割合とされ
ることとなる。かかる気体の導入速度が、10ml/分
未満となると、充分な効果が得られ難く、また1000
ml/分を越えるようになると、溶剤自体の気化速度が
著しく増大して、気体と共に急激に排気されてしまい、
結果的に、効果的な溶出処理を行なうことが困難となる
からである。
【0021】また、このような気体の導入によって、溶
出溶剤は気化し、溶剤浴中の溶剤量が減少するようにな
るところから、そのような気体の導入に伴って気化せし
められる量に対応して、溶剤の新たな量が溶剤浴に追加
され、それによって溶剤浴には、常に所定量の溶剤が存
在する状態下において、溶出処理と気泡処理が進行せし
められるようにすることが望ましい。溶剤浴中の溶剤量
が減少すると、それに溶出される残留モノマーや不純物
の溶出量も減少するようになるからである。
【0022】そして、このような本発明に従う溶出処理
と気泡処理によって気化せしめられる溶剤の量は、溶剤
浴における当初溶剤量の10容量%以上の割合となるよ
うにすることが望ましく、より好ましくは15容量%以
上の溶剤が、気体の導入によって気化せしめられるよう
にすることが、望ましいのである。気化溶剤には、残留
モノマーや不純物が含まれており、それらを除去するた
めには、溶剤もある程度気化せしめることが望ましいの
である。
【0023】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更
に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、その
ような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるも
のでないことは、言うまでもないところである。また、
本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した発
明の実施の形態における記述以外にも、本発明の趣旨を
逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々
なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、
理解されるべきである。
【0024】実施例 1 2−ヒドロキシエチルメタクリレート:99.8重量部
とエチレングリコールジメタクリレート:0.2重量部
からなるモノマー混合物を重合容器に投入し、更に重合
開始剤として2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)の0.1重量部を加えて、溶解せしめ
た。次いで、この重合容器を恒温水槽中に浸漬し、30
℃×24時間、次いで40℃×16時間、更に50℃×
8時間の加熱重合を行ない、更に循環乾燥器内におい
て、50℃×5時間保持した後、120℃まで10℃/
1.5時間の昇温速度にて昇温した後、120℃で3時
間保持することにより、塊状重合方式による重合を完結
せしめた。
【0025】かくして得られた共重合体を重合容器から
取り出し、それを直径:14mm、厚み:0.2mmに
切削して、レンズ素材(レンズブランク)200枚を作
製した。
【0026】次いで、三つ口丸底フラスコに分液ロー
ト、温度計、及びト字管を取り付け、更に冷却器を接続
した後、かかるフラスコ内に、上記のレンズ素材100
枚を、蒸留水:100mlと共に投入し、そして93℃
の温度で30分間、水浴にて加熱しながら、フラスコ内
の蒸留水中に、空気を、100ml/分の流速にて、
0.5〜1mm程度の大きさの気泡として吹き込むこと
により、レンズ素材:100枚の水和処理と溶出処理を
同時に行なった。なお、この際、フラスコ内の蒸留水が
略一定に保たれるように、蒸発に見合う量の蒸留水を分
液ロートから滴下して、蒸留水の濃縮が生じないように
した。
【0027】そして、かかるフラスコに設けたト字管を
通じて系外に排気される気流を、冷却器にて冷却、捕集
した結果、その捕集された水溶液:20mlには、24
0ppmのモノマーが存在していることを認めた。一
方、フラスコ内の処理液(蒸留水)中に溶出せしめられ
たモノマーは、40ppmと低濃度であった。
【0028】これに対して、上記のレンズ素材100枚
を用い、それを蒸留水:100ml中に投入して、10
0℃で30分間煮沸した場合(空気の吹き込みなし)に
おいては、処理液(蒸留水)中に溶出されたモノマーの
濃度は、52ppmであった。
【0029】実施例 2 メチルメタクリレート:97重量部とエチレングリコー
ルジメタクリレート:3重量部とからなるモノマー混合
物を用い、これに重合開始剤として2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)を0.1重量部加
えて、溶解せしめ、実施例1と同様な重合条件下におい
て、塊状重合を行ない、目的とする眼用レンズ用共重合
体を得た。そして、この得られた共重合体を切削して、
直径:15mm、厚み:2mmのレンズ素材60枚を作
製した。
【0030】次いで、実施例1と同様なフラスコを用
い、その中に上記のレンズ素材30枚を、蒸留水:10
0mlと共に入れ、熱水浴にて、90℃で30分間加熱
しながら、空気を、100ml/分の流速にて、フラス
コ内の蒸留水中に0.5〜1mmの大きさの気泡として
吹き込んだ。なお、この空気の吹き込みにより、蒸発す
るフラスコ内の蒸留水を補償するように、蒸留水を漸次
滴下して、フラスコ内の蒸留水が略一定に保たれるよう
にして、目的とする溶出処理を行なった。
【0031】そして、かかる溶出処理操作において、フ
ラスコ外に取り出される気流を冷却、捕集した結果、そ
の捕集された水溶液:18ml中には、140ppmの
モノマーが含有されていた。一方、フラスコ内の蒸留水
中のモノマー濃度は、10ppmと低濃度であった。
【0032】これに対して、上記のレンズ素材30枚を
蒸留水:100ml中に投入して、空気を吹き込むこと
なく、100℃で30分間の煮沸溶出処理を施した場合
にあっては、処理液中のモノマー濃度は27ppmに過
ぎないものであった。
【0033】実施例 3 トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルアクリレ
ート:29.5重量部、下記の化1にて表されるマクロ
モノマー:40重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート:29.5重量部、エチレングリコールジメタク
リレート:1重量部、及び重合開始剤としての2−ヒド
ロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オ
ン:1重量部からなる重合性組成物と、重合溶媒として
の1−ブタノールとを、62:38の割合(重量基準)
にて混合した後、その得られた混合物を、直径:14m
m、厚み:0.1mmのコンタクトレンズに対応した、
コンタクトレンズ形状を有するポリプロピレン製の鋳型
内に注入した。
【0034】
【化1】
【0035】次いで、この鋳型を恒温槽内に移し、水銀
ランプを用いて波長360nmの照射光を鋳型に30分
間照射し、35℃で光重合を行ない、コンタクトレンズ
形状の重合体を得た。
【0036】かくして得られた重合体を鋳型内から脱離
させて乾燥し、そしてそれを2−プロパノール中に60
分間浸漬させた後、該重合体を、循環乾燥器を用いて、
110℃の温度で60分間乾燥させることにより、目的
とするレンズ素材(レンズブランク)を得た。
【0037】そして、このようにして得られるレンズ素
材35枚を準備し、それらに対して加熱処理を40℃で
1時間行ない、また、蒸留水の代わりに生理食塩水を用
いた他は、実施例1と同様にして水和処理と溶出処理を
同時に行なった。
【0038】その後、かかる処理の施されたレンズ材料
35枚の重量(コンタクトレンズ材料重量)を測定し、
そのレンズ材料35枚を、アセトン:100mlに72
時間浸した後、アセトンに溶けた残留モノマーをアセト
ンを除去することで回収し、その重量(残留モノマー重
量)を測定することにより、残留モノマー率を、下記の
式に従って算出した。 残留モノマー率=〔残留モノマー重量(g)/コンタク
トレンズ材料重量(g)〕×100
【0039】この結果、残留モノマー率は0.01%と
なり、残留モノマーが殆どなく、安全性に優れたもので
あることが分かった。また、アセトン中からは、2−プ
ロパノールは検出されなかった。
【0040】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、眼用レンズ若しくはそれを与えるレンズ素材
から、残留モノマーや不純物の除去が、容易且つ確実な
操作にて、短時間で効果的に行なわれ得るのであり、以
て安全な眼用レンズが有利に得られることとなったので
ある。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 眼用レンズ形成モノマーを重合して得ら
    れた重合体にて構成される眼用レンズ若しくはそれを与
    える眼用レンズ素材を溶剤浴中に浸漬して、該眼用レン
    ズ若しくは該眼用レンズ素材中に含まれる残留モノマー
    や不純物の溶出処理を行なう工程を含む眼用レンズの製
    造方法において、 前記溶出処理を実施する一方、前記溶剤浴中に気体を導
    入せしめ、生じた気泡にて該溶剤浴の溶剤を気泡処理す
    ることにより、該溶剤中に溶出された成分の少なくとも
    一部を該気泡に捕捉せしめて該溶剤浴上方の雰囲気中に
    取り出し、そして該溶剤浴上方の雰囲気を排気すること
    によって前記溶出成分を除去せしめることを特徴とする
    眼用レンズの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記溶剤が、水、アルコール類及びケト
    ン類からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求
    項1記載の眼用レンズの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記気体が、酸素ガス若しくは窒素ガス
    または空気である請求項1又は請求項2記載の眼用レン
    ズの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記気体が、水蒸気である請求項1又は
    請求項2記載の眼用レンズの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記溶出処理に際し、前記溶剤浴の溶剤
    が加熱されて、35〜100℃の温度とされる請求項1
    乃至請求項4の何れかに記載の眼用レンズの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記気体が、前記溶剤の100ml当た
    り、10〜1000ml/分の割合において導入される
    請求項1乃至請求項5の何れかに記載の眼用レンズの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記溶剤の新たな量が、前記気体の導入
    に伴って気化せしめられる量に対応して、前記溶剤浴に
    追加される請求項1乃至請求項6の何れかに記載の眼用
    レンズの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記溶剤浴の溶剤が、前記気体の導入に
    よって、該溶剤浴における当初溶剤量の10容量%以上
    の割合において気化せしめられる請求項1乃至請求項7
    の何れかに記載の眼用レンズの製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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