JPH1075431A - Ｔｖオーダリングシステムとそのための装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、一方通行的に提供されていたテレ
ビ情報を利用しつつ、詳細情報の取得や商品の発注を効
率的に行わしめる手段を提供することを目的としてい
る。 【解決手段】 情報取得や商品発注を行うためのオーダ
リング情報を、テレビ信号に挿入して視聴者に伝送する
オーダリング情報挿入手段と、受信されたテレビ信号か
ら上記挿入されたオーダリング情報を分離して保持する
オーダリング情報分離保持手段とを有し、視聴者が当該
分離されたオーダリング情報に基づいて通信チャンネル
を使ってオーダするようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、商用の地上波ＴＶ
放送や今後発展が期待される衛星放送、ＣＡＴＶなどか
ら、商品の詳細情報を取得したり、商品を発注する処理
を実現するＴＶオーダリングシステムとそのための装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、商用ＴＶ放送を利用して商品を発
注するサービスとしては、テレビを通じて紹介された商
品を電話をして発注するテレビショッピングが公知であ
る。また、商品その他の詳細情報の取得を目的としたサ
ービスとしては電話などの通信回線からアクセスするビ
デオテックスサービス（キャプテン）や電話回線でリク
エストした情報を衛星回線などの放送経由で受信する方
式（特開平７−１６２８３４号）が公知である。さら
に、最近では、テレビ信号の垂直帰線消去期間を利用し
て情報提供する文字放送や、インターネットのＷＷＷ
（ワールド・ワイド・ウェッブ）アドレスを垂直帰線消
去期間を利用して伝送し、テレビチューナ内蔵型パソコ
ンからＷＷＷサーバにアクセスするインターキャストな
どが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
各公知例においては以下のような欠点があった。 （１）テレビショッピングにおいては、表示された商品
を発注する際、テレビ受像機に表示された注文先電話番
号をいったんメモするなどしなければならないといった
わずらわしさがあるため、視聴者にとってはショピング
のチャンスを逸することが多々あった。 （２）ビデオテックスなどによる商品その他の詳細情報
取得においては、利用者自らが取得したい情報が何であ
るかといった明白な目的意識がないとアクセスが開始さ
れなかった。

【０００４】また、 （３）文字放送やインターキャストでは情報を垂直帰線
消去期間の限られた部分に挿入して伝送しているため、
たとえば、１５秒のＣＭ（コマーシャル）など、短時間
内で送る情報量に限界があった。

【０００５】特に、 （４）商用ＴＶ放送における通常のＣＭは、番組の合間
の短時間内に単なる垂れ流し的情報として提供され、直
接的に詳細情報取得や商品の発注には結びつかず、スポ
ンサーにとっては多大な経費の割に効果が限定されてい
た。

【０００６】本発明は、既存のＴＶ放送システムの枠を
考慮しつつ、従来の垂れ流し的、または、一方通行的に
提供されていたテレビ情報を利用しつつ、詳細情報の取
得や商品の発注をより効率的に行わしめる手段を提供す
ることを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明においては、既存
の商用テレビ放送に影響をあたえることなく上記目的を
達成するため、以下の手段を有する。

【０００８】まず、オーダリング情報は、オーダリング
情報の有無を判別する「判別情報」と、各オーダ先を識
別するための「ＩＤ情報」、更に、内容を表す「コンテ
ンツ情報」で構成される。 （１）放送局およびテレビ映像を作成するプロダクショ
ンを含めた送信側では、本発明による「オーダリング情
報」が挿入されているか否かを判別する「判別情報」
と、判別情報を識別して詳細情報の請求や発注情報など
を行うための電話番号に相当する「ＩＤ情報」と、詳細
情報の請求や発注方法などをガイドする「コンテンツ情
報」とで構成される「オーダリング情報」を、すでに放
送局などでの用途が決まっている垂直帰線消去期間（１
Ｈ〜２１Ｈ）に挿入するのではなく、２２Ｈからの映像
信号期間に表示画面に対する影響を最小限にして挿入す
るオーダリング情報挿入装置を有し、（２）受信側で
は、この「オーダリング情報」を、「判別情報」の有無
に基づいて自動的に分離して保持し、さらに、視聴者の
指示により、「コンテンツ情報」の表示や、さらには、
詳細情報の請求や商品の発注を「ＩＤ情報」により電話
回線などの通信回線やＣＡＴＶの上りチャンネルなど
（電話回線などの通信回線やＣＡＴＶの上りチャンネル
などを総称して通信チャンネルという）を介して行うこ
とを可能にするオーダリング装置を有する。

【０００９】本発明においては、オーダリング情報を垂
直帰線消去期間ではなく映像信号期間に挿入しているた
め、各種の放送局内制御やテレビ信号規格との関連によ
る制約、および、挿入情報量の制限など、各種の制約か
ら大きく開放された形で、従来、垂れ流し的であったＣ
Ｍに代表される各種の一方向性の情報を、視聴者の瞬時
の指示により詳細情報の取得や商品発注などにつなげら
れることができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について図
面を参照して説明する。図１は本発明の全般を説明する
ための一実施例である。

【００１１】図１で、１はテレビ放送を発信するテレビ
放送局、２１は本発明の中心をなすオーダリング装置、
２２はテレビ受像機、２３はリモコンなどの指示器、２
４は電話などの通信端末（終端装置）、３は通信回線、
４は詳細情報の提供や発注を受け付ける情報提供者であ
る。なお、上記テレビ放送局１が本発明にいう送信側装
置に該当し、上記オーダリング装置２１とテレビ受像機
２２とが本発明にいう受信側装置に該当する。

【００１２】以下、ここでは、テレビのＣＭに本発明を
適用した場合を想定して説明する。本発明によるオーダ
リング情報は、ＣＭ映像作成時にＣＭ映像の映像信号期
間に挿入される。これらは一般的にプロダクションで作
成され、テレビ放送局１から各テレビ番組にＣＭとして
挿入されて各家庭に送信される。

【００１３】各家庭では、受信されたテレビ信号の中か
らオーダリング装置２１でＣＭ映像に挿入されたオーダ
リング情報がその先頭の判別情報の有無に基づき自動的
に分離されると同時にその有無がたとえば画面の一部に
表示される。視聴者はその表示により、リモコン２３な
どの指示でコンテンツ情報をテレビ受像機画面２２へ表
示し、さらには詳細情報の要求および取得、各種商品の
発注などを通信端末２４および通信回線３経由で情報提
供者４側との通信により行うことができる。

【００１４】図２は本発明を実現するためのオーダリン
グ情報の一構成例を示す。送信側で映像信号期間に挿入
された制御信号を、受信側で通常の映像信号と区別する
方法としては、「色信号Ｃがあるのに輝度信号Ｙがない
（Ｙ＝０）という通常の映像信号ではあり得ない条件を
持つ」サブキャリアで変調された「１」、「０」波形を
用いて実現できる方法が公知である。（「ＥＤＴＶ−２
識別信号」テレビジョン学会 Vol.49,No.9,pp.1132
〜1135，1995) ここでは同様な方法によりＣＭオーダリ
ング情報を伝送する例を示す。

【００１５】当該ＥＤＴＶ−２では、上記の原理に基づ
いた２７ビットの情報を各フィールドの画像エリアの上
部である水平走査線２２ライン（以後、水平走査線（ラ
イン）をＨで表す）と２８５Ｈに挿入して伝送する。即
ちテレビ信号は１フレーム（３０フレーム／１秒）５２
５本の走査線で構成されており、さらに、１フレームは
２６２．５本の第一フィールドと第二フィールドで構成
されている。したがって、垂直帰線消去期間は１フレー
ムに２回あって各垂直帰線消去期間のほぼ同じ位置、す
なわち第一フィールドの２２Ｈと第二フィールドの２８
５ＨにＥＤＴＶ−２では制御信号を挿入している。そこ
で、本実施例のオーダリング情報は各フィールドの２３
Ｈ以降と２８６Ｈ以降のラインに挿入することにする。

【００１６】各ラインの２７ビットのうち、たとえば、
はじめの３ビットをオーダリング情報があるか否かを判
別するための判別情報とし、次の２バイトに相当する１
６ビットをＩＤ情報とコンテンツ情報に割り当て、残り
の８ビットをＣＲＣなどの誤り訂正符号とする。このよ
うにすると各ラインごとに２バイトの情報を利用するこ
とができる。画面への影響を最小限にするために、オー
バスキャン部分に相当する画面の上下３ラインずつ、即
ち、各フレームの１２ライン（２３Ｈ、２４Ｈ、２５
Ｈ、２６０Ｈ、２６１Ｈ、２６２Ｈ、２８６Ｈ、２８７
Ｈ、２８８Ｈ、５２３Ｈ、５２４Ｈ、５２５Ｈ）を利用
すると、合わせて２バイト×１２＝２４バイト／フレー
ムの情報を伝送できる。１秒当たり３０フレームでは２
４バイト×３０フレームで７２０バイト、１５秒ＣＭで
は７２０×１５＝１０８００バイトの情報が伝送可能と
なる。オーダ先電話番号やＩＰアドレスなどのＩＤ情報
を初めのラインの２バイト、終了情報を最後のラインの
２バイトに割り当てると、その間の１０７９６バイト
（２バイト／１漢字とすると５３９８漢字相当）はコン
テンツ情報として情報提供者であるＩＰが自由に利用す
ることができる。

【００１７】本実施例では、画面の上下３ラインにオー
ダリング情報を挿入する例を示したが、ワイドテレビの
一方式として採用されていると同様な、上下部分の映像
をカットする表示方法を前提とすれば、挿入するライン
を増やすことによりさらに多くの情報を送ることができ
る。このようにしてＣＭ映像へ挿入して提供するコンテ
ンツ情報で間に合わない詳細情報に関しては、電話番号
やＩＰアドレスなどのＩＤ情報を利用して電話回線やＣ
ＡＴＶ上り回線経由でオーダを行い、情報提供者から電
話回線やＣＡＴＶの下り回線経由で取得する事ができ
る。

【００１８】図３は情報提供側である放送局または映像
作成を行うプロダクションでのオーダリング情報挿入装
置の一構成例を示す。１１はオーダリング情報挿入装
置、１１１は映像信号から所定の水平走査ラインを抜き
出す検出部、１１２は挿入制御部、１１３はパターン発
生器、１１４は変調器、１１５は変調波挿入部である。

【００１９】オーダリング情報を挿入すべき映像信号が
オーダリング情報挿入装置１１に入力されたとき、ま
ず、検出部１１１で所定の水平走査ラインを検出する。
検出信号は挿入制御部１１２に送られ、タンミング情報
となる。前もって設定されたオーダリング情報はパター
ン発生器１１３で「１」、「０」からなるパターンとな
り、さらに、挿入制御部１１２からのタンミング情報を
受けた変調器１１４で位相変調（たとえば１：０°、
０：１８０°、Ｙ＝０、サブキャリア：３．５８ＭＨ
ｚ）されたカラー信号（Ｃ）として変調波挿入部１１５
で所定のラインに挿入される。このような手順により、
オーダリング情報は、図２で説明した２７ビットパター
ンの輝度成分のない変調されたカラー信号として各家庭
に送信される。

【００２０】図４は家庭におけるオーダリング装置の一
構成例を示す。オーダリング装置の構成としては、受信
したテレビ電波から番組選択機能とベースバンドの映像
信号への変換機能を有するチューナとの組み合わせによ
りいくつかの構成が考えられるが、ここでは装置コスト
を最小にする立場からテレビ受像機のチューナ機能を利
用する、テレビ受像機のモニタ出力利用型について説明
する。

【００２１】図４で２１、２２、２４は、それぞれ、図
１のオーダリング装置、テレビ受像機、電話などの通信
端末である。２１１はリモコンのセンサ部、２１２はリ
モコンからの指示に基づく制御部、２１３はオーダリン
グ情報を分離する分離部、２１４はＩＤ情報とコンテン
ツ情報を蓄積する蓄積部、２１５はコンテンツ情報を映
像の形で表示するための挿入部、２１６は詳細情報取得
のためにＩＤ情報に基づき情報提供者との通信を行う通
信部である。

【００２２】テレビ受像機２２からモニタアウトされた
ベースバンドの映像信号は分離部２１３に入力され、各
フレームの１２ライン（２３Ｈ、２４Ｈ、２５Ｈ、２６
０Ｈ、２６１Ｈ、２６２Ｈ、２８６Ｈ、２８７Ｈ、２８
８Ｈ、５２３Ｈ、５２４Ｈ、５２５Ｈ）について、図２
で示した１ビット、２ビット、３ビットの３ビットから
なる判別情報の有無がチェックされ、判別情報がある場
合にはそれぞれのラインからＩＤ情報とコンテンツ情報
が分離され、蓄積部２１４に蓄えられると同時に「オー
ダリング情報あり」のインジケータ表示を挿入部２１５
を経由して画面の一部に行う。たとえば、１５秒ＣＭ全
期間にオーダリング情報が挿入されているのであれば、
前述したように１０８００バイトの情報が蓄積部２１４
に保持される。このようにして分離・保持されたオーダ
リング情報は、視聴者がインジケータ表示を見てリモコ
ンなどで内容表示を指示すれば、リモコンのセンサ部２
１１からの指示信号により、制御部２１２から制御さ
れ、挿入部２１５で文字情報などのコンテンツ情報が所
定の映像変換処理を経て映像信号に挿入され、テレビ受
像機２２の画面に表示される。表示されたオーダリング
情報に基づき、視聴者がさらに詳細情報を取得する指示
を出した場合には、その指示がリモコンのセンサ部２１
１経由で制御部２１２に入り、通信部２１６から通信端
末２４を経由して情報提供者（ＩＰ）に発信される。Ｉ
Ｐからは通信端末２４経由で詳細情報が取得され、通信
部２１６と蓄積部２１４とを経由して、挿入部２１５で
再び映像信号に挿入されてテレビ受像機２２に表示され
る。その後のＩＰとのやりとりや最終的な発注なども所
定の通信チャンネルを介して同様にして通信部経由で行
われる。

【００２３】なお、上記の説明では一つのＣＭに対する
場合を説明したが蓄積部の容量を十分にとれば、複数の
ＣＭに対するオーダリング情報を取り込んでおき、自分
の好きな時間にオーダを出すことも可能である。また、
本実施例としてＣＭを利用したＴＶオーダリングを説明
したが、通常の番組の中に本発明によるオーダリング情
報を挿入することにより、番組に関連したＴＶオーダリ
ングを実現することもできる。

【００２４】以上では、テレビ受像機のモニタ出力とラ
イン入力とを利用する方法を説明したが、本構成のオー
ダリング装置は、通常のチューナ機能付ＶＴＲ出力と組
み合わせて番組選択とベースバント信号への変換をＶＴ
Ｒで行い、その出力を利用することもできる。また、自
前のチューナ機能を持てばチューナ機能内蔵型にするこ
とも可能であるし、最近のテレビチューナ機能内蔵型の
パーソナルコンピュータと組み合わせて本発明によるオ
ーダリングを実現すれば、テレビ受像機画面とは別のパ
ソコン画面上で本発明によるＴＶオーダリングシステム
を実現することも可能である。

【００２５】

【発明の効果】本発明によれば、従来、垂れ流し的であ
ったＣＭに代表される各種の一方向性の情報を、視聴者
の指示により詳細情報の取得や商品発注などにつなげら
れることになり、視聴者の欲求を瞬時に実現するといっ
た利便性の向上はもちろんのこと、スポンサーや情報提
供者（ＩＰ：Information Provider）など情報提供側に
とっても需要の増大といった多大の効果が期待できる。
またこのような仕掛けによって、番組自体に関する情報
取得などの不可価値はもちろんのこと、番組へのＣＭ挿
入が視聴者に前向きに評価されることになれば、試聴率
の向上や通信回線の需要も増加することになり、今後の
放送と通信の融合も含めたネットワーク社会にとってプ
ラスに働くことになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の全般を説明するための一実施例であ
る。

【図２】本発明実現するためのオーダリング情報の一構
成例を示す。

【図３】情報提供側である放送局または映像作成を行う
プロダクションでのオーダリング情報挿入装置の一構成
例を示す。

【図４】家庭におけるオーダリング装置の一構成例を示
す。

【符号の説明】

１ ：テレビ放送局 ２１ ：オーダリング装置 ２２ ：テレビ受像機 ２３ ：リモコンなどの指示器 ２４ ：通信端末（終端装置） ３ ：通信回線 ４ ：情報提供者 １１ ：オーダリング情報挿入装置 １１１：検出部 １１２：挿入制御部 １１３：パターン発生器 １１４：変調器 １１５：変調波挿入部 ２１１：リモコンのセンサ部 ２１２：制御部 ２１３：分離部 ２１４：蓄積部 ２１５：挿入部 ２１６：通信部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 地上波ＴＶ放送および／または衛星放送
   および／またはＣＡＴＶにおける、テレビを利用するＴ
   Ｖオーダリングシステムにおいて、 当該テレビを利用して情報取得および／または商品発注
   を行うためのオーダリング情報をテレビ信号に挿入して
   各視聴者に伝送するためのオーダリング情報挿入手段が
   送信側装置にもうけられると共に、 受信されたテレビ信号から上記挿入されたオーダリング
   情報を分離して保持するオーダリング情報分離保持手段
   が受信側装置にもうけられ、 上記オーダリング情報をテレビ画面から読取った視聴者
   によって指示された際に、当該分離されたオーダリング
   情報にもとづいて、関連する情報取得および／または商
   品発注が通信チャンネルを使ってオーダされるようにし
   たことを特徴とするＴＶオーダリングシステム
2. 【請求項２】 地上波ＴＶ放送および／または衛星放送
   および／またはＣＡＴＶにおける、テレビを利用するＴ
   Ｖオーダリングシステムに用いられる送信側装置におい
   て、 当該テレビを利用して情報取得および／または商品発注
   を行うためのオーダリング情報を、テレビ信号に挿入し
   て各視聴者に伝送するようにしたオーダリング情報挿入
   手段をそなえたことを特徴とするＴＶオーダリングシス
   テムに用いられる送信側装置。
3. 【請求項３】 地上波ＴＶ放送および／または衛星放送
   および／またはＣＡＴＶにおける、テレビを利用するＴ
   Ｖオーダリングシステムに用いられる受信側装置におい
   て、 オーダリング情報がテレビ信号に挿入されて伝送されて
   きた当該テレビ信号から上記挿入されたオーダリング情
   報を分離して保持するオーダリング情報分離保持手段を
   そなえ、 上記オーダリング情報をテレビ画面から読取った視聴者
   によって指示された際に、当該分離されたオーダリング
   情報にもとづいて、関連する情報取得および／または商
   品発注が通信チャンネルを使ってオーダされるようにし
   た制御部と通信部とをそなえたことを特徴とするＴＶオ
   ーダリングシステムに用いられる受信側装置。