JPH1074A - 魚粉製造方法及びその設備 - Google Patents

魚粉製造方法及びその設備

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JPH1074A
JPH1074A JP8175776A JP17577696A JPH1074A JP H1074 A JPH1074 A JP H1074A JP 8175776 A JP8175776 A JP 8175776A JP 17577696 A JP17577696 A JP 17577696A JP H1074 A JPH1074 A JP H1074A
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清彦 澤
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 魚及び/又は魚腸骨を主とする水産物原料か
ら魚粉を製造する方法及びその設備の提供。 【解決手段】 魚及び/又は魚腸骨を主とする水産物原
料を脱水・加熱・乾燥・粉砕の処理を施すことにより魚
粉を製造する方法であって、該脱水・加熱・乾燥・粉砕
の一連の処理を密閉型2軸スクリュウ押出機を使用して
1工程で行うことを特徴とする魚粉製造方法及び魚粉製
造設備。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚及び/又は魚腸
骨を主とする水産物原料から魚粉を製造する方法及びそ
の設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の魚粉を製造する従来の技術とし
ては、図5に示すものが知られている。図を参照しつつ
概要を説明すると、まず、原料としては高級品質の魚粉
を製造する場合は主として丸ごとの魚が使われ、中,低
級品質の魚粉を製造する場合は主として魚腸骨(魚の
頭,骨,エラ等のいわゆる「アラ」と内蔵その他の残
滓)が使われる。それぞれ単独で使われることもある
が、一般には両者を適当な割合で混ぜて使われることも
多い。このような原料は、受入ホッパーに投入された
後、クラッシャー100で粗破砕されて原料タンク10
1に貯溜され、その後定量的に払い出されてコンベヤ1
02を介して、蒸煮装置(以下「クッカー」と称する)
104に直接又は近接して配置されたオートフィーダ1
03に供給される。
【0003】オートフィーダ103内の原料は、クッカ
ー104に連続的に供給されるが、クッカー104内の
原料の滞留状況に応じてその供給量を自動的に調節でき
るようにされている。クッカー104に供給された時点
での原料の油水分値は、通常70%以上である。クッカ
ー104は、一般に内部に掻取・攪拌のための回転翼が
装備された構造をしており、蒸気が吹き込まれて原料が
加熱される。
【0004】蒸煮された原料は、コンベヤ105を介し
て脱水機106に供給される。脱水機106は、一般に
一軸式のスクリュウプレスが使われることが多く、スク
リュウのピッチを下流側ほど細くし各ピッチ間の容積を
順次小さくすることによって、スクリュウの下流側ほど
原料が圧縮されるような構造とされている。また、スク
リュウを囲むケーシングには、原料が圧縮されることに
よって分離した油水分(以下「プレスウォータ」と称す
る)を排出する穴が設けられており、スクリュウの回転
によって原料を下流へ搬送・圧縮しながら固液を連続的
に分離できるようにされている。
【0005】脱水機106から排出された原料は、別工
程でプレスウォータ,血水等を処理して回収された固形
分と共にミキシングコンベヤ107を介して乾燥機10
8に供給されるが、この時点の原料は、ほぼ55〜65
%と依然として相当高い油水分値のケーキ状である。そ
れ故、後続の乾燥工程での乾燥効率を上げるために、そ
の原料を一旦図示していない粗砕機等に通して、予備粉
砕することが多い。乾燥機108は、一般に回転ドラム
式のものが使用されることが多く、外熱により又は熱風
の吹き込みにより、油水分値55〜65%程度の原料を
製品としての魚粉に要求される油水分値の許容値(通常
は油分5〜10%,水分10〜20%以下)まで乾燥さ
れる。
【0006】乾燥された原料は、製品粒度を整えるため
にコンベヤ109を介して粉砕機110で細かく粉砕さ
れた後、振動フルイ式等のシフター111で所定の粒度
以下に選別された原料処理品が製品魚粉となる。なお、
原料タンク101や脱水機106等から回収された液状
物(血水及びプレスウォータ)は、別工程によって、さ
らに固形分,魚油及びソリュブル(水溶性蛋白等を含む
有用濃縮液)として回収される。なお、プレスウォータ
から固形分,魚油を分離した残液をスティックウォータ
と呼び、これからさらに水分を蒸発させた濃縮液がソリ
ュブルである。
【0007】上記固形分,魚油及びソリュブルの具体的
な回収システムを構成する主要な機器としては、図に示
すように血水タンク・ピット112,スクリーンセパレ
ータ113,プレスウォータ中間タンク114,デカン
タ115,プレスウォータタンク116,油水分離機1
17,スティックウォータタンク118,濃縮缶11
9,ソリュブルタンク120,ソリュブル添加タンク1
21,魚油タンク122が配置されている。
【0008】なお、図5の破線で示すように主プロセス
及び血水・プレスウォータ処理プロセスの両者において
ほとんどの機器,タンク類から臭気が発生すると共に、
原料中の水分によるプロセス廃水や機洗水,床洗水等の
汚水が大量に発生する。このため、各機器から発生する
高濃度臭気ガス及びプラント室内換気による低濃度臭気
ガスをそれぞれ無公害化処理する脱臭設備を設けると共
に、汚水についても下水放流可能なように汚水処理設備
が設けられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の魚粉製
造技術では、原料の蒸煮(供給も含む)から粉砕に至る
工程にオートフィーダ103,クッカー104,脱水機
106,乾燥機108及び粉砕機110が単独に設置さ
れており、しかも各装置間の原料受け渡しのためにコン
ベヤ等の搬送装置が複数設置されているため、魚粉製造
プラント設備しては複雑で、設備据付専有面積も広大で
あった。また、脱水機106での油水分の分離は、一軸
式スクリュウプレスによる圧縮作用のみによるものであ
るため、原料である魚体(魚腸骨も含む)の細胞内にあ
る油水分まで絞り出すことには限界がある。しかも、一
軸スクリュウでは、油水分値の高い(50%以上の)原
料になると、スクリュウと原料が共廻りを起こし原料が
進まなくなるため、急激に高い圧縮比をつけたり高速で
運転することは困難である。そこで、従来では乾燥機1
08で油水分値を製品魚粉に求められる値まで下げるた
めに、大型の乾燥機108が採用されている。
【0010】このように各種処理機器の個別配置のため
に、設備専有面積の広大化,作業(メンテナンスも含め
て)の煩雑化,エネルギーの高コスト化という問題を避
けられなかった。加えて、全工程中の特にクッカー10
4,脱水機106,乾燥機108とその関連機器で発生
する高濃度で多量の嫌悪な臭気及び数多くの複雑な機器
レイアウトによる臭気発生源の広がりからプラント全体
として発生する悪臭が大きな問題となっている。つまり
従来から、この問題を解消しようとして大がかりな脱臭
装置を設置(追加,改修を含む)しているが、許容され
る設備コストの範囲内では限界があり、依然として臭気
公害が続いている状況にある。
【0011】そこで、本発明のうち請求項1記載の発明
は、魚及び/又は魚腸骨を主とする水産物原料を脱水・
加熱・乾燥・粉砕の処理を施すことにより魚粉を連続的
に製造するに当たり、製造工程の統合簡素化により各種
処理機器全体の設置面積を小さくし、省力化,省エネル
ギー化,メンテナンス性の向上を図ると共に、その統合
簡素化された製造工程を閉鎖系として、臭気の最大発生
源である脱水・加熱・乾燥処理部での臭気の拡散を抑え
集中排気により臭気公害の未然防止化を図ることができ
る魚粉製造方法を提供することを目的とする。
【0012】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明の目的に加えて、特に初期脱水率を高めて加熱
乾燥効果に優れた魚粉製造方法を提供することを目的と
する。また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明の目的に加えて、含水率が高い原料を処理する場合の
最適な魚粉製造方法を提供することを目的とする。ま
た、請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の目的
に加えて、特に脱水と加熱・乾燥・粉砕とに別けて独立
に最適な条件で運転可能な魚粉製造方法を提供すること
を目的とする。また、請求項5記載の発明は、請求項2
記載の発明の目的に加えて、既存機種としての常温脱水
機をそのまま利用できる魚粉製造方法を提供することを
目的とする。
【0013】また、請求項6記載の発明は、請求項1記
載の発明の目的に加えて、スクリュウのフィード部での
原料の噛込力及び搬送能力の強化した魚粉製造方法を提
供することを目的とする。また、請求項7記載の発明
は、請求項4記載の発明の目的に加えて、スクリュウの
フィード部での原料の噛込力及び搬送能力の強化した魚
粉製造方法を提供することを目的とする。
【0014】また、請求項8記載の発明は、魚及び/又
は魚腸骨を主とする水産物原料を脱水・加熱・乾燥・粉
砕の処理を施すことにより魚粉を連続的に製造するに当
たり、製造工程の統合簡素化により各種処理機器全体の
設置面積を小さくし、省力化,省エネルギー化,メンテ
ナンス性の向上を図ると共に、その統合簡素化された製
造工程を閉鎖系として、臭気の最大発生源である脱水・
加熱・乾燥処理部での臭気の拡散を抑え集中排気により
臭気公害の未然防止化を図ることができる魚粉製造設備
を提供することを目的とする。
【0015】また、請求項9記載の発明は、請求項8記
載の発明の目的に加えて、特に効果的な脱水機能を付与
することのできる魚粉製造設備を提供することを目的と
する。また、請求項10記載の発明は、請求項9記載の
発明の目的に加えて、特に効果的な脱気機能を付与する
ことのできる魚粉製造設備を提供することを目的とす
る。また、請求項11記載の発明は、請求項9又は請求
項10に記載の発明の目的に加えて、特に効果的な粉砕
機能を付与することのできる魚粉製造設備を提供するこ
とを目的とする。また、請求項12記載の発明は、請求
項8記載の発明の目的に加えて、特に初期脱水率を高め
て加熱乾燥効果に優れた魚粉製造設備を提供することを
目的とする。また、請求項13記載の発明は、請求項1
2記載の発明の目的に加えて、含水率が高い原料を処理
する場合に最適な魚粉製造設備を提供することを目的と
する。
【0016】また、請求項14記載の発明は、請求項8
記載の発明の目的に加えて、さらに請求項12及び請求
項13に記載の発明の効果を同時に発揮しうるような魚
粉製造設備を提供することを目的とする。また、請求項
15記載の発明は、請求項12乃至請求項14のいずれ
かに記載の発明の目的に加えて、スクリュウのフィード
部での原料の噛込力及び搬送能力の強化した魚粉製造設
備を提供することを目的とする。また、請求項16記載
の発明は、請求項8記載の発明の目的に加えて、特に脱
水と加熱・乾燥・粉砕とに分けて独立に最適な条件で運
転可能な魚粉製造設備を提供することを目的とする。ま
た、請求項17記載の発明は、請求項16記載の発明の
目的に加えて、さらに原料の噛込・搬送及び圧縮能力を
高めて処理量を増加できる魚粉製造設備を提供すること
を目的とする。また、請求項18記載の発明は、請求項
16,17記載の発明の目的に加えて、さらに均一攪
拌,粉砕及びセルフクリーニング能力に優れた魚粉製造
設備を提供することを目的とする。さらに、請求項19
記載の発明は、請求項16乃至18のいずれかに記載の
発明の目的に加えて、さらに原料の噛込・搬送能力を高
めて処理量を増加できる魚粉製造設備を提供することを
目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明のうち、請求項1記載の発明は、魚及び/又は魚腸
骨を主とする水産物原料を脱水・加熱・乾燥・粉砕の処
理を施すことにより魚粉を製造する方法において、該脱
水・加熱・乾燥・粉砕の一連の処理を密閉型2軸スクリ
ュウ押出機を使用して1工程で行うことを特徴とする。
このように特殊の装置の使用により製造工程を統合簡素
化して魚粉を連続的に製造する方法としたので、魚粉製
造設備の専有敷地面積を小さくし、省力化,省エネルギ
ー化,メンテナンス性の向上を図ると共に、その統合簡
素化された製造工程を閉鎖系として、臭気の最大発生源
である脱水・加熱・乾燥処理部での臭気の拡散を抑え集
中排気及び効率のよい脱臭処理により臭気公害の未然防
止化を図ることができる。
【0018】また、請求項2記載の発明は、上記脱水・
加熱・乾燥・粉砕工程内の脱水処理として、常温脱水し
た後加熱脱水することを特徴とする。これにより、請求
項1記載の発明の効果に加えて、特に初期脱水率を高め
て加熱乾燥効果に優れた魚粉製造方法とすることができ
る。
【0019】また、請求項3記載の発明は、上記2軸ス
クリュウ押出機として、2段式異径2軸スクリュウ押出
機を使用することを特徴とする。これにより、請求項1
記載の発明の効果に加えて、含水率が高い原料を処理す
る場合の最適な魚粉製造方法とすることができる。
【0020】また、請求項4記載の発明は、上記2軸ス
クリュウ押出機として、2段式タンデム押出機を使用
し、1段目の押出機で脱水処理を行うことを特徴とす
る。これにより、請求項1記載の発明の効果に加えて、
特に脱水と加熱・乾燥・粉砕とに別けて独立に最適な条
件で運転可能な魚粉製造方法とすることができる。
【0021】また、請求項5記載の発明は、上記脱水・
加熱・乾燥・粉砕工程内の加熱脱水処理部以後の一連の
処理を2軸スクリュウ押出機を使用して行うことを特徴
とする。これにより、請求項2記載の発明の効果に加え
て、既存機種の常温脱水機をそのまま利用できる魚粉製
造方法とすることができる。
【0022】また、請求項6記載の発明は、上記2軸ス
クリュウ押出機の原料供給口から常温脱水処理部に相当
するスクリュウ形状を不完全噛合形としたことを特徴と
する。これにより、請求項1記載の発明の効果に加え
て、スクリュウのフィード部での原料の噛込力及び搬送
能力が強化された魚粉製造方法とすることができる。ま
た、請求項7記載の発明は、上記多段式タンデム押出機
のうち、少なくとも1段目を異方向回転型2軸スクリュ
ウ押出機とし、且つその押出機の原料供給口から常温脱
水処理部に相当するスクリュウ形状を不完全噛合形とし
たことを特徴とする。これにより、請求項4記載の発明
の効果に加えて、スクリュウのフィード部での原料の噛
込・搬送能力及び圧縮・脱水能力が強化された魚粉製造
方法とすることができる。
【0023】また、請求項8記載の発明は、魚及び/又
は魚腸骨を主とする水産物原料を脱水・加熱・乾燥・粉
砕の処理を施すことにより魚粉を製造する設備であっ
て、少なくとも該水産物原料の脱水・加熱・乾燥・粉砕
処理を1工程で行うための密閉型2軸スクリュウ押出機
を主要機器として配置したことを特徴とする。このよう
に特殊の装置の使用により製造工程を統合簡素化して魚
粉を連続的に製造する設備としたので、設備の専有敷地
面積を小さくし、省力化,省エネルギー化,メンテナン
ス性の向上を図ると共に、その統合簡素化された製造工
程を閉鎖系として、臭気の最大発生源である脱水・加熱
・乾燥処理部での臭気の拡散を抑え集中排気及び効率の
よい脱臭処理により臭気公害の未然防止化を図ることが
できる。
【0024】また、請求項9記載の発明は、上記2軸ス
クリュウ押出機の少なくとも一か所に、多孔円筒形脱水
バレルを含む脱水口を設けたことを特徴とする。これに
より、請求項8記載の発明の効果に加えて、特に効果的
な脱水機能を付与された魚粉製造設備とすることができ
る。
【0025】また、請求項10記載の発明は、上記2軸
スクリュウ押出機の乾燥部に相当する位置に、ベントバ
レルを含む脱気口を設けたことを特徴とする。これによ
り、請求項9記載の発明の効果に加えて、特に効果的な
脱気機能を付与された魚粉製造設備とすることができ
る。
【0026】また、請求項11記載の発明は、上記2軸
スクリュウ押出機の粉砕部に相当する位置のスクリュウ
本体にニーディングディスクを組み込んだことを特徴と
する。これにより、請求項9又は請求項10に記載の発
明の効果に加えて、特に高性能の効果的な粉砕機能を付
与された魚粉製造設備とすることができる。
【0027】また、請求項12記載の発明は、上記2軸
スクリュウ押出機の脱水部を上流側から下流側にかけて
常温脱水ゾーンと加熱脱水ゾーンとに分け、それぞれの
ゾーンに多孔円筒形脱水バレルを含む脱水口を設けたこ
とを特徴とする。これにより、請求項8記載の発明の効
果に加えて、特に初期脱水率を高めて加熱乾燥効果に優
れた魚粉製造設備とすることができる。
【0028】また、請求項13記載の発明は、上記2軸
スクリュウ押出機として、上流側のバレル径が大きく下
流側のバレル径が小さい2段式異径2軸スクリュウ押出
機としたことを特徴とする。これにより、請求項12記
載の発明の効果に加えて、含水率が高い原料を処理する
場合に最適な魚粉製造設備とすることができる。
【0029】また、請求項14記載の発明は、上記2軸
スクリュウ押出機として、上流側から下流側にかけて1
段,2段,3段の順にバレル径が小さく、且つ1段目の
大径部が常温脱水ゾーン、2段目の中径部が加熱脱水ゾ
ーンに区画されると共に、それぞれのゾーンに脱水バレ
ルを含む脱水口を設けてなる3段式異径2軸スクリュウ
押出機としたことを特徴とする。これにより、請求項6
記載の発明の効果に加えて、さらに請求項12及び請求
項13に記載の発明の効果を同時に発揮しうるような魚
粉製造設備とすることができる。
【0030】また、請求項15記載の発明は、上記2軸
スクリュウ押出機として、その原料供給口から常温脱水
処理部に相当するスクリュウ形状を不完全噛合形とした
ことを特徴とする。これにより、請求項12乃至請求項
14のいずれかに記載の発明の効果に加えて、スクリュ
ウのフィード部での原料の噛込力及び搬送能力が強化さ
れた魚粉製造設備を提供することができる。
【0031】また、請求項16記載の発明は、上記2軸
スクリュウ押出機として、大径バレルを有する上流側の
2軸スクリュウ押出機と小径バレルを有する下流側の2
軸スクリュウ押出機をタンデム方式に配置すると共に、
上流側の押出機の出口と下流側の押出機の入口を連結し
てなる多段式タンデム押出機であって、少なくとも1段
目押出機に脱水バレルを含む脱水口を設けたことを特徴
とする。これにより、請求項8記載の発明の効果に加え
て、特に脱水と加熱・乾燥・粉砕とに分けて独立に最適
な条件で運転可能な魚粉製造設備とすることができる。
また、請求項17記載の発明は、上記多段式タンデム押
出機のうち、少なくとも1段目押出機が異方向回転型2
軸スクリュウ押出機であることを特徴とする。これによ
り、請求項16記載の発明の効果に加えて、さらに原料
の噛込・搬送能力及び圧縮・脱水能力を高めて処理量を
増加できる魚粉製造設備とすることができる。
【0032】また、請求項18記載の発明は、上記多段
式タンデム押出機として、1段目をバレル径の大きい異
方向回転型2軸スクリュウ押出機とし、2段目をバレル
径の小さい同方向回転型2軸スクリュウ押出機としたこ
とを特徴とする。これにより、請求項16,17記載の
発明の効果に加えて、さらに均一攪拌,粉砕及びセルフ
クリーニング能力に優れた魚粉製造設備とすることがで
きる。さらに、請求項19記載の発明は、上記多段式タ
ンデム押出機のうち、少なくとも1段目の押出機の原料
供給口から常温脱水処理部に相当するスクリュウ形状を
不完全噛合形としたことを特徴とする。これにより、請
求項16乃至請求項18のいずれかに記載の発明の効果
に加えて、さらに原料の噛込・搬送能力を高めて処理量
を増加できる魚粉製造設備を提供することを目的とす
る。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係る魚粉製造
方法及びその設備を系統的に示す概略説明図である。
【0034】図1において、本発明の魚粉製造方法の実
施に適した設備は、原料受入・処理設備A,主処理設備
B,魚粉製品成分調整設備C,製品貯蔵場D及び廃液・
臭気ガス処理設備Eから構成される。まず、原料受入・
処理設備Aについて説明すると、丸ごとの魚や魚腸骨を
主とする水産物原料(以下単に「原料」という)は、原
料受入れ装置1に一旦集められた後、スクリュウコンベ
ヤ2を介して破砕装置3に定量投入される。投入時点で
の原料の油水分値は一般に約75%前後である。破砕装
置3で適度に小さく砕かれた原料は、ポンプ4を介して
定量づつ異物除去装置5まで輸送される。異物除去装置
5では、主に鉄片類が除かれ、搬送ライン22を介して
設備外の廃棄物処分場まで運ばれる。鉄片類が除かれた
原料は、ポンプ6を介して定量づつ主処理設備であるエ
クセルーダ(本発明の2軸スクリュウ押出機)7まで輸
送される。
【0035】次に、本発明の最大の特徴部分でもある主
処理設備B、つまりエクセルーダ7について詳しく説明
する。エクセルーダ7は、原料の供給口及び排出口以外
は密閉構造の外枠(図2(a)(b)のバレルに相当)
内に図2〜図4の側面模式図で示す一対の噛合スクリュ
ウが平行に装備されて回転するように構成された2軸ス
クリュウ押出機であるが、いずれの2軸スクリュウ押出
機についても、少なくとも原料の確実安定した噛込・搬
送機能,有効な加熱機能,効率的な脱水機能,効率的な
加熱乾燥・粉砕機能を発揮できるよう工夫されている。
なお、図2(b)は、図2(a)のA−A矢視断面模式
図である。
【0036】即ち、2軸スクリュウ押出機の基本構成と
しては、上記各機能を発揮させられるようセグメント方
式のスクリュウを採用し、スクリュウの圧縮部,減圧部
及び混練部等が最適な形状になるよう組み立てられてい
る。図2(a)においてスクリュウとしては、同方向回
転完全噛合型のものを基本とするが、異方向回転完全噛
合型のものや不完全又は部分噛合型のものでも可能であ
る。また、スクリュウのリード又は条数は、脱水のため
の圧縮や脱水後の原料容積の減少等を考慮して適宜変更
できるようにされている。また、加熱乾燥のための昇
温,内圧保持及び粉砕化のためにスクリュウ内原料の充
満度をスクリュウパターンにより調整可能とされてい
る。また、脱水後の原料の特性によってはスクリュウの
先端側にニーディングディスク34(図2(c),
(d)参照)をセットすることが効果的である。なお、
図2(f)〜(i)はスクリュウセグメントの一例を示
したものであり、(f),(h)は上面図、(g),
(i)は側面図である。
【0037】バレルは分割式とし、各分割バレルを電気
ヒータ,蒸気その他の加熱手段で加熱し、かつ分割バレ
ルごとのいわば加熱ゾーン制御ができる構成としてい
る。スクリュウは、相対的にリードの大きいスクリュウ
部からなる1次脱水ゾーンP1、リードが中程度のスク
リュウ部からなる2次脱水ゾーンP2、リードの小さい
スクリュウ部からなる加熱乾燥・粉砕ゾーンP3に区画
され、各ゾーン毎に先端に向かってリードを段階的に小
さくして適当な圧縮を与える。バレル温度は、一般に1
次脱水ゾーンP1では常温、2次脱水ゾーンでは100
〜150°Cに加熱し、加熱乾燥・粉砕ゾーンでは15
0〜200°Cに加熱制御されるが、原料・製品によっ
て最適温度に調整する。また、1次脱水ゾーンP1及び
2次脱水ゾーンP2にはそれぞれ、多孔円筒形の脱水バ
レル31、脱水バレル32が設けられ、さらに加熱乾燥
ゾーンP3には必要に応じて図2(e)に示すように脱
気口33を有するベントバレルが設けられている。な
お、「多孔」の形態としては、丸穴に限られず、細長ス
リット,異形スリット等の各種形状の通し孔が含まれ
る。
【0038】上記のように構成された2軸スクリュウ押
出機の原料供給口30に投入された原料は、一対の噛合
った2軸スクリュウにより強い搬送作用を受けるため、
大きな圧縮比を確保できると共に、高速回転が可能とな
り、スクリュウの直径当たりの処理量を増加することが
できる。1次脱水ゾーンP1での圧縮作用により、原料
中の油水分(主に魚体に付着していた油水分や遊離油水
分)が脱水バレル31から排出される。また、2次脱水
ゾーンP2における加熱下での圧縮作用により、原料中
の油水分(主に遊離油水分や魚体内部の結合油水分や油
脂類)が脱水バレル32から排出される。なお、1次脱
水ゾーンP1の分割バレルも加熱しておくことは可能で
あるが、油水分をある程度減らしてから加熱した方が加
熱効率が良く、また脱水効率の面でも好ましい。
【0039】脱水ゾーンを通過した原料はケーキ状とな
っており、このケーキ状原料は、加熱乾燥・粉砕ゾーン
P3における加熱バレルからの受熱とスクリュウの高剪
断力による自己発熱の下での圧縮作用により、残留油水
分が効率良く気化・圧縮される。こうした状態の原料
は、特殊な異形スクリュウの一種であるニーディングデ
ィスク34による攪拌・剪断・混練作用を受けて微粉砕
される。そして、排出口35から外部に吐出されること
により、減圧膨化作用を受けて効果的な乾燥・粉末化が
促進される。なお、スクリュウ内に減圧部を設けてバレ
ルのベント口33から真空脱気する構成にすることによ
り、加熱乾燥効果をさらに高めることも可能である。
【0040】次に、2軸スクリュウ押出機の変形構成に
ついて説明する。図3は、異径バレル形2軸スクリュウ
押出機の側面模式図である。この形式の押出機では、2
軸の中心距離が一定という条件下でスクリュウ圧縮比を
できるだけ大きくするために、1次脱水ゾーンP1及び
2次脱水ゾーンP2のバレル内径より加熱・乾燥・粉砕
ゾーンP3のバレル内径を小さくしている点に特徴があ
る。この形式の押出機では、スクリュウ圧縮比がかなり
大きくとれるため、高含水率の原料のように脱水後の原
料容積が大きく減少する場合の脱水・加熱乾燥に有効で
ある。
【0041】なお、2段に限られず、供給口30から排
出口35に向けてバレル径を3段で徐々に小さく変化さ
せることも可能である。この場合は、急激なバレル径の
変化が緩和されるため、常温脱水及び加熱脱水という2
段脱水をより効果的に行うことができる。また、1次脱
水ゾーンP1に相当する部分を2軸スクリュウ押出機以
外の常温連続脱水機を接続して使用することも可能であ
る。例えば、図3(b)に示すように、2次脱水ゾーン
P2に設けた入口40と連続脱水機41の出口42とを
ベンド43で接続した構成である。この構成例によれ
ば、既存の脱水専用機の使用により1次脱水効率を向上
させることができ、その分異径バレル形2軸押出機の加
熱乾燥・粉砕能力も向上させることができる。また、脱
水工程の運転の自由度を向上できるという利点もある。
【0042】次に図4は、2段式タンデム2軸スクリュ
ウ押出機の側面模式図である。この形式の押出機は、ス
クリュウ圧縮比を大きくするのと同等の効果をもち、か
つ機能を分離して制御することが有効とされる機能に分
けて、その機能ごとに対応した押出機を接続して構成し
たものである。具体的には、図4(a)に示すように、
第1段押出機51をバレル径の大きい脱水専用機部と
し、第2段押出機52をバレル径の小さい加熱・乾燥・
粉砕機部とする構成例である。なお、56,57は第1
段押出機51に設けられた脱水バレルであり、出口53
と第2段押出機52の入口54はベンド55で接続され
ている。58は第2段押出機の先端部に設けられたニー
ディングディスクである。
【0043】また、第1段押出機としては、2台の押出
機を並列使用し、それぞれの排出材料を集合して第2段
押出機に供給する構成とすることも可能であり、これに
より、1ユニットのエクセルーダで含水率の高い原料を
大量に処理する必要が生じた場合でも、1段目押出機を
極端に大径とすることなく押出機の製作,運転等の面で
最適の条件のものを選択することができる。なお、運転
の制御性,操作性等の観点からすると、並列使用する押
出機の台数としては2台が有利であるといえるが、もち
ろんこれに限定されず、2以上の複数台の使用も可能で
ある。
【0044】この構成であれば、第1段押出機51を常
温〜加熱温度域で運転するに当たり、スクリュウの回転
数,圧縮比を含めて脱水に最適な運転条件とすることが
できる。また、第2段押出機52では、第1段押出機5
1での脱水により容積が大巾に減少した原料が供給され
るため、この原料に適した運転条件とすることができ、
効果的な加熱・乾燥・粉砕を安定して行うことができ
る。つまり、第1段押出機51,第2段押出機52共
に、必要な機能の発揮に最適なスクリュウ径の下での圧
縮比,回転数等の調整によってバレル内原料の充満度,
温度,圧力等の制御がより正確に行える構成とされてい
る。
【0045】なお、図4(b)に示すように、第1段押
出機51と第2段押出機52との接続部にベント口60
を設けて水蒸気を除去できるよう構成とすることによ
り、第2段押出機52の吐出部での減圧脱気による効果
との相乗効果で加熱乾燥・粉砕をより効率の良いものと
することができる。
【0046】さて、上記のエクセルーダ7で加熱・脱液
・粉砕処理された原料は、密閉型スクリュウコンベヤ8
を介して乾燥・冷却装置11に運ばれる。コンベヤ8内
の原料中の油分は約4%、水分は約20%であり、製品
としての魚粉の許容油水分値にほぼ達するが、運転条件
によっては多少の変動があることや、積極的に製品の油
水分値の調整を行って製品の保存性を高める等の高品位
化を図るための手段として、乾燥・冷却装置11の設置
は有効である。成分調整された製品は、異物除去装置1
1に運ばれて、鉄粉,布,プラスチック片,繊維屑等の
夾雑物が除去された後、密閉型パイプコンベヤ12を介
して袋詰装置13に送られ、袋詰めされた後、製品貯蔵
場14に保管され、順次出荷される。
【0047】一方、2軸スクリュウ押出機のベントバレ
ル等の脱気口から排出される高濃度の臭気ガスは、局所
吸引された後、配管28を経て配管25に導かれる。ま
た、2軸スクリュウ押出機の脱水バレルから排出された
プレスウォータは配管24を経て廃液・臭気ガス処理設
備E内の焼却炉16に供給される。また、乾燥・冷却装
置9の配管26から導出された蒸発水及びキャリアガス
(空気)は、配管28から送られてくる高濃度臭気ガス
と共に、配管25を経て焼却炉16に供給される。ま
た、原料受入れ装置1の配管20から排出される血水分
はシフター15で固液分離された後、固形分については
エクセルーダ7に投入される原料と混合され、液分につ
いては配管23を経て焼却炉16に供給される。こうし
て、焼却炉16に供給された油水分,蒸発水を含む高濃
度臭気ガス及び血水分離液分は一括して効率的に無害化
処理される。なお、プロセス機器から直接発生する高濃
度臭気ガス・水蒸気以外のプラント内各処理室の換気に
よる低濃度臭気ガスは、別途ダクト吸引して専用の脱臭
装置にて処理された後、大気に放出される。
【0048】なお、2軸スクリュウ押出機の脱水バレル
から排出されたプレスウォータについては、従来のよう
に油水分離機(図5の117)を含むプレスウォータ処
理工程にかけて回収した魚油を燃料等に有効利用し、廃
液分は汚水処理装置で無害化処理した後放流することも
可能である。但し、有効利用できる割合に比べ魚油回収
のための設備及び汚水処理装置が複雑で高価なものとな
るが、本発明のように焼却処理すれば、より装置経済性
を高めることができるという利益が得られる。
【0049】上述したように、図示の魚粉製造設備によ
れば、エクセルーダ7単独で図5に示す従来のクッカー
104,脱水機106,乾燥機108,粉砕機110及
びこの間のコンベヤ等の搬送装置による機能を発揮させ
ることができるので、設備の専有敷地面積を大巾に小さ
くすることができ、また省力化,省エネルギー化,メン
テナンスも含めた作業性能の向上を図ることができる。
また、魚粉の製造工程中、臭気の最大発生源である脱水
・加熱・乾燥・粉砕工程で発生する臭気は、密閉型エク
セルーダ7の一か所から高濃度の臭気ガスとして局所吸
引された後、焼却炉16で完全燃焼される。従って、臭
気公害の発生を未然に防止することができ、また焼却炉
16としては、コンパクトな専用の焼却炉を用意すれば
よいので、経済的でもある。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1記載の発明は、魚及び/又は魚腸骨を主とする水産
物原料を脱水・加熱・乾燥・粉砕の処理を施すことによ
り魚粉を製造する方法において、該脱水・加熱・乾燥・
粉砕の一連の処理を密閉型2軸スクリュウ押出機を使用
して1工程で行うものである。即ち、従来の製造工程を
統合簡素化して魚粉を連続的に製造する方法としたの
で、魚粉製造設備の専有敷地面積を小さくし、省力化,
省エネルギー化,メンテナンス性の向上を図ることがで
きる。また、その統合簡素化された製造工程を閉鎖系と
して、臭気の最大発生源である脱水・加熱・乾燥処理部
での臭気の拡散を抑え集中排気及び効率のよい脱臭処理
により臭気公害の未然防止化を図ることができる。
【0051】また、請求項2記載の発明によれば、請求
項1記載の発明の効果に加えて、特に初期脱水率を高め
て加熱乾燥効果に優れた魚粉製造方法とすることができ
る。また、請求項3記載の発明によれば、請求項1記載
の発明の効果に加えて、含水率が高い原料を処理する場
合の最適な魚粉製造方法とすることができる。また、請
求項4記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果
に加えて、特に脱水と加熱・乾燥・粉砕とに別けて独立
に最適な条件で運転可能な魚粉製造方法とすることがで
きる。また、請求項5記載の発明によれば、請求項2記
載の発明の効果に加えて、既存機種の常温連続脱水機を
そのまま利用できる魚粉製造方法とすることができる。
【0052】また、請求項6記載の発明によれば、請求
項1乃至請求項5のいずれかに記載の発明の効果に加え
て、スクリュウのフィード部での原料の噛込力及び搬送
能力が強化された魚粉製造方法とすることができる。ま
た、請求項7記載の発明によれば、請求項4記載の発明
の効果に加えて、スクリュウのフィード部での原料の噛
込・搬送能力及び圧縮・脱水能力が強化された魚粉製造
方法とすることができる。
【0053】また、請求項8記載の発明は、魚及び/又
は魚腸骨を主とする水産物原料を脱水・加熱・乾燥・粉
砕の処理を施すことにより魚粉を製造する設備であっ
て、少なくとも該水産物原料の脱水・加熱・乾燥・粉砕
処理を1工程で行うための密閉型2軸スクリュウ押出機
を主要機器として配置したものである。即ち、このよう
に特殊の装置の使用により製造工程を統合簡素化して魚
粉を連続的に製造する設備としたので、設備の専有敷地
面積を小さくし、省力化,省エネルギー化,メンテナン
ス性の向上を図ることができる。また、その統合簡素化
された製造工程を閉鎖系として、臭気の最大発生源であ
る脱水・加熱・乾燥処理部での臭気の拡散を抑え集中排
気及び効率のよい脱臭処理により臭気公害の未然防止化
を図ることができる。
【0054】また、請求項9記載の発明によれば、請求
項8記載の発明の効果に加えて、特に効果的な脱水機能
を付与された魚粉製造設備とすることができる。また、
請求項10記載の発明によれば、請求項9記載の発明の
効果に加えて、特に効果的な脱気機能を付与された魚粉
製造設備とすることができる。また、請求項11記載の
発明によれば、請求項9又は請求項10に記載の発明の
効果に加えて、特に高性能の効果的な粉砕機能を付与さ
れた魚粉製造設備とすることができる。また、請求項1
2記載の発明によれば、請求項8記載の発明の効果に加
えて、特に初期脱水率を高めて加熱乾燥効果に優れた魚
粉製造設備とすることができる。また、請求項13記載
の発明によれば、請求項12記載の発明の効果に加え
て、含水率が高い原料を処理する場合に最適な魚粉製造
設備とすることができる。
【0055】また、請求項14記載の発明によれば、請
求項8記載の発明の効果に加えて、さらに請求項12及
び請求項13に記載の発明の効果を同時に発揮しうるよ
うな魚粉製造設備とすることができる。また、請求項1
5記載の発明によれば、請求項12乃至請求項14のい
ずれかに記載の発明の効果に加えて、スクリュウのフィ
ード部での原料の噛込力及び搬送能力が強化された魚粉
製造設備とすることができる。また、請求項16記載の
発明によれば、請求項8記載の発明の効果に加えて、特
に脱水と加熱・乾燥・粉砕とに分けて独立に最適な条件
で運転可能な魚粉製造設備とすることができる。また、
請求項17記載の発明によれば、請求項16記載の発明
の効果に加えて、さらに原料の噛込・搬送能力及び圧縮
・脱水能力を高めて処理量を増加できる魚粉製造設備と
することができる。
【0056】また、請求項18記載の発明によれば、請
求項16,17記載の発明の効果に加えて、さらに均一
攪拌,粉砕及びセルフクリーニング能力に優れた魚粉製
造設備とすることができる。さらに、請求項19記載の
発明によれば、請求項16乃至請求項18のいずれかに
記載の発明の効果に加えて、さらに原料の噛込・搬送能
力を高めて処理量を増加できる魚粉製造設備とすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る魚粉製造方法及びその設備を系統
的に示す概略説明図である。
【図2】2軸スクリュウ押出機を示す側面模式図であ
り、(a)はその基本構成図、(b)は(a)のA−A
矢視断面模式図、(c)はニーディングディスクの平面
図、(d)はその正面図である。また、(e)は2軸ス
クリュウ押出機の変形要部構成図であり、(f)はスク
リュウセグメントの正面図、(g)はその側面図、
(h)は他のスクリュウセグメントの正面図、(i)は
その側面図である。
【図3】異径バレル2軸スクリュウ押出機を示す側面模
式図であり、(a)はその基本構成図、(b)は変形構
成図である。
【図4】2段式2軸スクリュウ押出機を示す側面模式図
であり、(a)はその基本構成図、(b)は変形要部構
成図である。
【図5】従来の魚粉製造設備のフローシートを示す説明
図である。
【符号の説明】
1 原料受入れ装置 3 粉砕装置 5,11 異物除去装置 7 エクセルーダ 9 乾燥装置 13 袋詰装置 15 シフター 16 焼却炉 30 供給口 31,32,45,46,56,57 脱水バレル 33,60 ベント口 34,58 ニーディングディスク 35 排出口 41 連続脱水機 51 第1段押出機 52 第2段押出機 A 原料受入れ・処理設備 B 主処理設備 C 魚粉製品成分調整設備 D 製品貯蔵場 E 廃液・臭気ガス処理設備 P1 1次脱水ゾーン P2 2次脱水ゾーン P3 乾燥・粉砕ゾーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤 清彦 兵庫県神戸市東灘区住吉山手5丁目12−3 (72)発明者 森 ▲隆▼ 石川県金沢市大桑町カ345番地

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 魚及び/又は魚腸骨を主とする水産物原
    料を脱水・加熱・乾燥・粉砕の処理を施すことにより魚
    粉を製造する方法であって、該脱水・加熱・乾燥・粉砕
    の一連の処理を密閉型2軸スクリュウ押出機を使用して
    1工程で行うことを特徴とする魚粉製造方法。
  2. 【請求項2】 上記脱水・加熱・乾燥・粉砕工程内の脱
    水処理として、常温脱水した後加熱脱水することを特徴
    とする請求項1記載の魚粉製造方法。
  3. 【請求項3】 上記2軸スクリュウ押出機として、多段
    式異径2軸スクリュウ押出機を使用することを特徴とす
    る請求項1記載の魚粉製造方法。
  4. 【請求項4】 上記2軸スクリュウ押出機として、多段
    式タンデム押出機を使用し、1段目の押出機で脱水処理
    を行うことを特徴とする請求項1記載の魚粉製造方法。
  5. 【請求項5】 上記脱水・加熱・乾燥・粉砕工程内の加
    熱脱水処理部以後の一連の処理を2軸スクリュウ押出機
    を使用して行うことを特徴とする請求項2記載の魚粉製
    造方法。
  6. 【請求項6】 上記2軸スクリュウ押出機の原料供給口
    から常温脱水処理部に相当するスクリュウ形状を不完全
    噛合形としたことを特徴とする請求項1記載の魚粉製造
    方法。
  7. 【請求項7】 上記多段式タンデム押出機のうち、少な
    くとも1段目を異方向回転型2軸スクリュウ押出機と
    し、且つその押出機の原料供給口から常温脱水処理部に
    相当するスクリュウ形状を不完全噛合形としたことを特
    徴とする請求項4記載の魚粉製造方法。
  8. 【請求項8】 魚及び/又は魚腸骨を主とする水産物原
    料を脱水・加熱・乾燥・粉砕の処理を施すことにより魚
    粉を製造する設備であって、少なくとも該水産物原料の
    脱水・加熱・乾燥・粉砕処理を1工程で行うための密閉
    型2軸スクリュウ押出機を主要機器として配置したこと
    を特徴とする魚粉製造設備。
  9. 【請求項9】 上記2軸スクリュウ押出機の少なくとも
    一か所に、多孔円筒形脱水バレルを含む脱水口を設けて
    なる請求項8記載の魚粉製造設備。
  10. 【請求項10】 上記2軸スクリュウ押出機の乾燥部に
    相当する位置に、ベントバレルを含む脱気口を設けてな
    る請求項9に記載の魚粉製造設備。
  11. 【請求項11】 上記2軸スクリュウ押出機の粉砕部に
    相当する位置のスクリュウ本体にニーディングディスク
    を組み込んでなる請求項9又は請求項10に記載の魚粉
    製造設備。
  12. 【請求項12】 上記2軸スクリュウ押出機の脱水部を
    上流側から下流側にかけて常温脱水ゾーンと加熱脱水ゾ
    ーンとに分け、それぞれのゾーンに多孔円筒形脱水バレ
    ルを含む脱水口を設けてなる請求項8記載の魚粉製造設
    備。
  13. 【請求項13】 上記2軸スクリュウ押出機が、上流側
    のバレル径が大きく下流側のバレル径が小さい2段式異
    径2軸スクリュウ押出機である請求項12記載の魚粉製
    造設備。
  14. 【請求項14】 上記2軸スクリュウ押出機が、上流側
    から下流側にかけて1段,2段,3段の順にバレル径が
    小さく、且つ1段目の大径部が常温脱水ゾーン、2段目
    の中径部が加熱脱水ゾーンに区画されると共に、それぞ
    れのゾーンに脱水バレルを含む脱水口を設けてなる3段
    式異径2軸スクリュウ押出機である請求項8記載の魚粉
    製造設備。
  15. 【請求項15】 上記2軸スクリュウ押出機として、そ
    の原料供給口から常温脱水処理部に相当するスクリュウ
    形状が不完全噛合形とされてなる請求項12乃至請求項
    14のいずれかに記載の魚粉製造設備。
  16. 【請求項16】 上記2軸スクリュウ押出機が、大径バ
    レルを有する上流側の2軸スクリュウ押出機と小径バレ
    ルを有する下流側の2軸スクリュウ押出機をタンデム方
    式に配置すると共に、上流側の押出機の出口と下流側の
    押出機の入口を連結してなる多段式タンデム押出機であ
    って、少なくとも1段目押出機に脱水バレルを含む脱水
    口を設けてなる請求項8記載の魚粉製造設備。
  17. 【請求項17】 上記多段式タンデム押出機のうち、少
    なくとも1段目押出機が異方向回転型2軸スクリュウ押
    出機である請求項16記載の魚粉製造設備。
  18. 【請求項18】 上記多段式タンデム押出機として、1
    段目がバレル径の大きい異方向回転型2軸スクリュウ押
    出機であり、2段目がバレル径の小さい同方向回転型2
    軸スクリュウ押出機である請求項15記載の魚粉製造設
    備。
  19. 【請求項19】 上記多段式タンデム押出機のうち、少
    なくとも1段目の押出機の原料供給口から常温脱水処理
    部に相当するスクリュウ形状が不完全噛合形とされてな
    る請求項17又は請求項18に記載の魚粉製造設備。
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