JPH1074472A - 低反射導電性積層膜および陰極線管 - Google Patents

低反射導電性積層膜および陰極線管

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JPH1074472A
JPH1074472A JP23237296A JP23237296A JPH1074472A JP H1074472 A JPH1074472 A JP H1074472A JP 23237296 A JP23237296 A JP 23237296A JP 23237296 A JP23237296 A JP 23237296A JP H1074472 A JPH1074472 A JP H1074472A
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秀紀 堀越
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陰極線管フェースパネルなどに用いて優れた
帯電防止性、電磁波遮蔽性、反射防止性および防眩性を
有する低反射導電性積層膜を得る。 【解決手段】 この低反射導電性積層膜を、少なくとも
1種の金属を10重量%以上含有する透明導電層1と、
該透明導電層1の外層および/または内層に形成され、
この透明導電層1の屈折率と異なる屈折率を有する少な
くとも1層の透明性反射防止層2と、最外層に形成され
た透明性凹凸層3とを含む構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた帯電防止効
果、電磁波遮蔽効果、反射防止効果および防眩効果を発
揮する低反射導電性積層膜、およびこの積層膜をフェー
スパネル面上に成膜した陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】TVブラウン管やコンピュータディスプ
レイとして用いられている陰極線管は、赤色、緑色、青
色に発光する蛍光面に電子ビームを射突させることによ
って文字や画像を映し出させるものであるから、フェー
スパネル面に発生する静電気により埃が付着して視認性
が低下する他、電磁波を輻射して周囲に悪影響を及ぼす
などの問題点を有している。
【0003】そこで、最近、帯電防止、電磁波遮蔽およ
び反射防止を目的として、平均粒径2〜200nmの金
属微粒子からなる透明導電膜と、この透明導電膜上に形
成され、かつこの透明導電膜の屈折率より小さい屈折率
を有する平滑状または凹凸状の透明被膜とから構成され
た透明導電性被膜を、陰極線管のフェースパネル面上に
成膜することが提案されている(特開平8−77832
号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記透
明導電性被膜のうち、平滑状の透明被膜を有する透明導
電性被膜およびこの透明導電性被膜が成膜された陰極線
管にあっては、電磁波遮蔽効果は期待できるものの、反
射防止効果が不十分であり、特に外光の表面反射による
眩光(グロス)の問題が解決できず、外部光源光の映り
込みによって視認性が悪く、眩しいため目を疲労させ易
いなどの問題があり、また凹凸状の透明被膜を有する透
明導電性被膜およびこの透明導電性被膜が成膜された陰
極線管にあっては、電磁波遮蔽効果は期待できるもの
の、透明被膜はスプレーにより形成されるので膜厚が一
定とならないために層間反射の防止効果が不十分とな
り、ヘーズ(透過画像が白化して見える現象)が生じ、
層間反射によって画像が不自然に着色して演色性が低下
し、結局、視認性が低下するという問題があった。
【0005】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、従ってその目的は、帯電防止性、
電磁波遮蔽性、反射防止性に加えて防眩性にも優れた低
反射導電性積層膜、およびこれを用いた陰極線管を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明は、請求項1において、基材上に形成される
低反射導電性積層膜であって、この低反射導電性積層膜
は、少なくとも1種の金属を10重量%以上含有する透
明導電層と、該透明導電層の外層および/または内層に
形成され、この透明導電層の屈折率と異なる屈折率を有
する少なくとも1層の透明性反射防止層と、最外層に形
成された透明性凹凸層3を含むことを特徴とする低反射
導電性積層膜を提供する。以下、本発明の低反射導電性
積層膜を「本積層膜」という。
【0007】請求項2において、本積層膜中の前記少な
くとも1種の金属は銀であることが好ましい。請求項3
において、本積層膜を構成する少なくとも1層には着色
材が含有されていることが好ましい。請求項4におい
て、前記着色材は少なくとも青色系、紫色系、または黒
色系であることが好ましい。
【0008】本発明はまた、請求項5において、前記の
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の低反射導電
性積層膜がフェースパネルの前面に形成された陰極線管
を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳し
く説明する。図1は、本発明の好ましい一実施形態であ
る低反射導電性積層膜(本積層膜)を示している。図1
において、本積層膜10は、陰極線管のフェースパネル
Bの前面に形成されていて、フェースパネルBの側から
順に、金属を10重量%以上含有する透明導電層1と、
その外層に透明導電層1と異なる屈折率を有する反射防
止層2が形成され、最外層には、透明性の凹凸層3が形
成されてなっている。
【0010】本積層膜10は、金属を10重量%以上含
有する透明導電層1が積層されているので導電性であ
り、帯電が防止されると共に、陰極線管からフェースパ
ネルBを貫通して輻射される電磁波を効果的に遮断する
ことができる。
【0011】また本積層膜10は、透明導電層1の外層
に、屈折率が透明導電層1と異なるSiO2 を主成分と
する適切な厚みの反射防止層2が形成されている。一般
に、薄膜積層体における層間反射は視角に応じて着色し
て見えるため、透過画像のノイズとなって視認性を低下
し、また透過画像の自然な色相を損ない、演色性を劣化
させるのであるが、本積層膜の反射防止層2は、入射し
た外光の層間における反射を干渉によって効果的に打ち
消し、透過画像の視認性と演色性を改善している。
【0012】更に本積層膜10は、最外層が透明性凹凸
層3で形成されているので、膜表面における外光の直接
反射光が散乱され、グロス(光沢)が減少し、光源の映
り込みなどが消えて眩しさが減る、いわゆる防眩性が付
与されている。この透明性凹凸層3もSiO2 を主成分
として形成され、屈折率が透明導電層1のそれと異なっ
ているので、この透明性凹凸層3も層間反射の防止に寄
与することができる。
【0013】本積層膜10は、例えば下記の塗布方法に
よって、陰極線管フェースパネルBの前面に形成するこ
とができる。すなわち、コロイド状の金属微粒子を含む
透明導電塗料を調製し、例えばスピンコータなどを用い
て陰極線管フェースパネルBの前面に塗布する。次いで
テトラエトキシシランなど焼付けによってSiO2 被膜
を形成する低屈折率反射防止塗料をこの上に塗布し、更
にこの上に同様な組成の低屈折率反射防止塗料を粘度を
調整した上で、スプレーなどによって吹き付けて凹凸面
を形成し焼き付ける。
【0014】本積層膜は、前記のように塗装技術によっ
てフェースパネル上に容易に形成することができるの
で、PVD法やCVD法を用いる従来の導電性被膜の形
成技術に比べ、設備も工程も格段に簡易化することがで
きる。
【0015】以下、本積層膜について更に詳しく説明す
る。透明導電層1は、基本的に少なくとも1種の金属を
10重量%以上含有している必要がある。10重量%未
満では導電性が不足し、帯電防止には有効であるとして
も、十分な電磁波遮蔽効果を得ることができないからで
ある。この金属は、透明導電層1の中で、微粒子の状態
で存在していてもよく、または微粒子が融解し、微粒子
相互が融着された薄膜の状態で存在していてもよい。ま
たは、微粒子と上記薄膜とが混在した状態で存在してい
てもよい。いずれの場合も、透明導電層1は、金属を含
有した状態で実用的な透明性を保持している必要があ
る。
【0016】透明導電層1の膜厚は、透明度を確保する
観点から1μm以下とすることが好ましい。特に、その
外層に反射防止層2を積層することによって効果的な反
射防止効果を得ようとすれば、膜厚は、0.2μm以下
とすることが更に好ましい。
【0017】透明導電層1は帯電防止に加えて電磁波遮
蔽の目的で使用するものであるから、遮蔽すべき電磁波
の周波数に対応した膜特性の設計が必要となる。一般
に、電磁波遮蔽効果は、下記の式1によって表される。
【0018】式1: S(dB)=50+10log(1/ρf)+1.7√
f/ρ 式中、S(dB)は電磁波遮蔽効果、ρ(Ω・cm)は
導電膜の体積固有抵抗、f(MHz)は電磁波周波数、
t(cm)は導電膜の膜厚を表す。
【0019】膜厚tは、透明度を確保する観点から1μ
m(1×10-4cm)以下とすることが好ましいので、
式1は近似的に下記の式2で表すことができる。 式2: S(dB)=50+10log(1/ρf)
【0020】すなわち、透明導電層1の体積固有抵抗値
(ρ)は、できるだけ小さいほうが広範な周波数の電磁
波に対してより大きい遮蔽効果を現すことがわかる。一
般に、電磁波遮蔽効果は、S>30dBであれば有効、
更にS>60dBであれば優良とみなされる。規制対象
となる電磁波の周波数は一般に10kHz〜1000M
Hzの範囲とされるので、1μm以下の膜厚で良好な電
磁波遮蔽効果を得るには、透明導電層1の体積固有抵抗
値(ρ)を103 Ω・cm以下とすることが望ましい。
この値は、透明導電層1中の金属含有量を10重量%以
上とすることによって達成することができる。
【0021】透明導電層1に好適に用いることができる
金属の例としては、例えば銀、金、銅、白金、ニッケル
などを挙げることができる。特に、コロイド状分散液と
して比較的容易かつ安価に入手可能であり、導電性が良
好で光学特性にも優れた銀を用いることが好ましい。ま
た、これら金属の2種以上を組み合わせて用いることも
できる。金属を組み合わせて用いる場合であっても、そ
の内の少なくとも1種は銀とすることが好ましい。いず
れの場合においても、可視光の波長帯域である400n
m〜800nmの範囲内において透明性が高く、特定波
長の吸収が少なく、従って透過画像の色相が自然で、し
かも良好な導電性が得られるように選択されるべきであ
る。
【0022】前記の金属として例えば銀を用いる場合、
銀単独では、400nm〜530nmの短波長可視光帯
域に吸収があるために、透過画像の色相が黄色味を帯び
て不自然に見える場合がある。この場合には、例えば透
明導電層1を構成する金属として銀と金とを組み合わせ
て用いることによって、自然な透過画像の色相が得られ
るようになる。金は、比較的長波長の可視光帯域に吸収
があるので、これを銀と組み合わせて用いることによっ
て、可視光の全波長帯域にわたって光の透過スペクトル
を平坦化させることができるからである。
【0023】透明導電層1の金属として銀と金とを用い
る場合、その混合割合は、銀:金の重量比で、99.
9:0.1〜0.1:99.9の範囲内とすることが好
ましい。しかし、より平坦に補正された光透過スペクト
ルを得るためには、銀:金の重量比で、99:1〜5
0:50の範囲内とすることが更に好ましい。
【0024】透明導電層1に含まれる金属が微粒子の状
態である場合、その金属微粒子の平均粒径は、0.05
μm以下であることが好ましい。平均粒径が0.05μ
mを越えると、透明導電層としたときに可視光の吸収が
増大し、透明性と導電性とを共に満足する透明導電層が
得難くなる可能性があるからである。
【0025】本積層膜において、透明導電層1は、前記
の金属に加えて、可視光の波長帯域(400nm〜80
0nm)で透明性を有する無機物微粒子を含んでいても
よい。これを含むことによって、低反射導電性積層膜の
透明性が更に改善される場合がある。透明性無機物微粒
子を加える場合は、透明導電層1の導電性を損なわない
ために、導電性を有するものを選択することが好まし
い。また、透明性無機物微粒子の平均粒径は0.1μm
以下とすることが好ましい。
【0026】この目的に使用できる透明性無機物微粒子
の例としては、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、
セリウム、チタン、イットリウム、亜鉛、マグネシウ
ム、インジウム、錫、アンチモン、ガリウムなどの酸化
物、複合酸化物、または窒化物などを挙げることができ
る。特に、導電性を有する透明性無機物微粒子の例とし
ては、インジウム、錫などの酸化物、複合酸化物、アン
チモンドープ酸化錫などを挙げることができる。
【0027】透明導電層1は、被膜を形成し、または膜
強度を向上させるためにバインダーを含有していてもよ
い。用いることができるバインダーの例としては、例え
ばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メ
ラミン樹脂、ウレタン樹脂、ブチラール樹脂、紫外線硬
化樹脂などの有機系合成樹脂、ケイ素、チタン、ジルコ
ニウムなどの金属アルコキシドの加水分解物、またはシ
リコーンモノマー、シリコーンオリゴマーなどの有機・
無機系バインダーなどを挙げることができる。
【0028】特に金属が微粒子の状態で存在する場合、
前記のバインダーと金属との結着力を高めるために、金
属の表面は、シリコーンカップリング剤、チタネートカ
ップリング剤などのカップリング剤や、カルボン酸塩、
ポリカルボン酸塩、リン酸エステル塩、スルホン酸塩、
ポリスルホン酸塩などの親油化表面処理剤で処理されて
いてもよい。
【0029】本積層膜を陰極線管フェースパネルBなど
の透明基材上に形成する場合、例えば、透明導電層1
は、以下の方法により基材上に形成することができる。
すなわち、例えば平均粒径が0.05μm以下である金
属微粒子を含むコロイド状分散液、例えば銀コロイド液
を調製し、かつこれに必要に応じて着色材、透明性無機
物微粒子および/またはバインダーなどを添加して、超
音波分散機やサンドミルなどの通常用いられる分散技術
により均一に分散させることによって透明導電塗料を調
製する。この透明導電塗料を、前記の透明基材上に、乾
燥後の透明導電層1中の前記金属の割合が10重量%以
上となるように均一に塗布し、乾燥し、例えば150℃
で1時間、焼付けることによって透明導電層1を形成す
ることができる。
【0030】また前記の透明導電塗料を透明基材に塗布
するには、スピンコート、ロールコート、ナイフコー
ト、バーコート、スプレーコート、ディッピング、メニ
スカスコートなど公知の薄膜塗布技術を用いることがで
きる。広い面積にきわめて薄い塗膜を均一に形成するに
は、スピンコーティング技術を用いることが特に好まし
い。
【0031】本積層膜10においては、透明導電層1の
外層および/または内層に少なくとも1層の反射防止層
2が積層されている。この反射防止層2について詳しく
説明する。この反射防止層2は、例えばケイ素、アルミ
ニウム、ジルコニウム、セリウム、チタン、イットリウ
ム、亜鉛、マグネシウム、インジウム、錫、アンチモ
ン、ガリウムなどの酸化物、複合酸化物、または窒化物
など、または焼付けによってこれらを生成することがで
きる前駆体を主成分として含む塗料(反射防止塗料)を
用いて膜厚が均一な膜を形成し、透明導電層1と同時に
または別途に焼付けることによって形成することができ
る。
【0032】本積層膜10は、反射防止層2が透明導電
層1の外層にのみ形成されたものに限定されない。反射
防止層2は、透明導電層1の外層ばかりでなく、内層
(すなわち、基材Bと透明導電層1との間)および/ま
たは外層に形成されていてもよい。透明導電層より外層
に形成される反射防止層は、その屈折率を透明導電層の
それより小さいものとし、透明導電層より内層に形成さ
れる反射防止層は、その屈折率を透明導電層のそれより
大きいものとすることが好ましい。また、透明導電層に
形成される反射防止層は必ずしも1層に限定されるもの
ではなく、多層であってもよく、例えば最外層に向かっ
て次第に屈折率が低下する複数の反射防止層が形成され
ていてもよい。
【0033】一般に、多層薄膜における界面反射防止能
は、薄膜の屈折率と膜厚、および積層薄膜数により決定
される。屈折率が相対的に高い透明導電層1を内層と
し、この外側に屈折率が低い反射防止層2が形成される
場合は、防止しようとする反射光の波長をλとすると
き、透明導電層1,反射防止層2のそれぞれの光学的膜
厚をλ/4,λ/4、またはλ/2,λ/4とすること
によって効果的に反射防止が達成される。
【0034】また、例えば本発明の低反射導電性積層膜
が、内層から順に、屈折率が透明導電層より高い反射防
止層、透明導電層、屈折率が透明導電層より低い反射防
止層の3層から形成されている場合は、それぞれの光学
的膜厚をλ/4,λ/2,λ/4とすることによって効
果的に反射を防止することができる。
【0035】この反射防止層2はまた、透明導電層1の
反射防止と保護とを兼ねる、表面硬度が高いハードコー
ト層として形成することもできる。この反射防止性ハー
ドコート層を形成することができる物質の例として、例
えば下式 M(OR)m n において、MがSi,TiまたはZrであり、RがC1
〜C4 のアルキル基であり、mが1〜4の整数であり、
nが1〜3の整数であり、かつm+nが4である化合
物、またはその部分加水分解物の1種またはそれ以上の
混合物を挙げることができる。この化合物の例として
は、例えばテトラエトキシシラン(Si(OC
254 )が膜強度および反射防止性の点から好適に用
いられる。
【0036】この反射防止性ハードコート層は、前記の
透明導電層1と異なる屈折率に設定できるのであれば、
前記の反射防止層2を形成する金属酸化物、複合酸化
物、または窒化物など、または焼付けによってこれらを
生成することができる前駆体などを含んでいてもよい。
【0037】本積層膜は、最外層が透明性凹凸層3から
なっている。この透明性凹凸層3は、断面形状が凹凸と
なるように形成された透明材の層である。この透明性凹
凸層3は、凹凸面によって外光の反射を散乱させ、室内
照明光源などの映り込みを防止する防眩効果を現す。十
分な防眩性を得るためには、グロス値(光沢度)を平坦
面のグロス値より10%〜40%、好ましくは20%〜
40%の範囲内で低下させるように凹凸面を形成するこ
とが好ましい。グロス値が40%を越えて低下すると、
これに伴ってヘーズ値が3%以上となることが多く、こ
の場合には膜面が白味を帯びて透過画像の解像度などが
低下する弊害が生じる。
【0038】透明性凹凸層3の凹凸面の形状は、目的に
応じて、外光の映り込みが少なく、かつ透過画像が鮮明
に見えるように適宜に選択することができる。代表的な
形状としては、例えば面上に多数の半球状または角錘状
突起または凹陥が規則的または不規則的に分布した形
状、多数の畝状の凹凸が簾状にまたは波形に配列された
形状、平面に規則的または不規則的な溝が多数形成され
た形状などを挙げることができる。
【0039】前記のいずれの形状であっても、グロス値
の低下を20%〜40%の範囲内とするためには、凹凸
の高低差(凸部の山頂と凹部の谷底の高低差)は、平均
で0.01μm〜1μmの範囲内とすることが好まし
い。この高低差が0.01μm未満の場合は、実質的に
平坦面と同等となって十分な防眩効果を得ることができ
ない。また、高低差が1μmを越えると、ヘーズが増大
し、透過画像の解像度を低下させることになる。
【0040】反射防止層2の上面に透明性凹凸層3を形
成するには、例えば、反射防止層上に、粘度を適当に調
整した透明性塗料をスプレーしてディスクリート層(微
粒層)を形成し、焼き付ける方法を用いることができ
る。また、例えば透明性微粒子、例えばSiO2 微粒子
と溶剤を含む透明性塗料を反射防止層上に均一な厚みに
塗布し、溶剤を揮発させて透明性微粒子による凹凸を形
成してもよい。更に、型押し技術またはエッチング技術
によって、平坦な透明最外層の表面に凹凸を形成するこ
ともできる。
【0041】透明性凹凸層3の屈折率を透明導電層1と
異なる屈折率に設定すれば、この透明性凹凸層3は、外
光反射の散乱ばかりでなく、層間反射の防止にも有効と
なる。また、この透明性凹凸層3も反射防止層2と同様
にハードコート性とすることが膜強度および反射防止性
の点から好ましい。これらの観点から、透明性凹凸層3
は、反射防止層2を形成したものと同様の塗料、例えば
テトラエトキシシラン塗料を用いて形成することが膜強
度および反射防止性の点から好ましい。
【0042】また、本積層膜10に着色材を添加して透
過光の色相を調整することもできる。色相の調整は、着
色材の光吸収効果により可視光の全波長領域にわたって
光の透過スペクトルが平坦化され、透過画像の色相が自
然な色に改善されるためと考えられる。この着色材は、
本組成物を構成するいずれか1層、または2層以上に含
まれていてもよく、また2種以上の着色材がそれぞれ異
なる層に含まれていてもよい。しかし、透明導電層1中
の金属による色相の歪みを調整することが目的であるか
ら、透明導電層1中に着色材を添加するほうが色相の調
整が容易である。
【0043】用い得る着色材の例としては、モノアゾピ
グメント、キナクリドン、アイアンオキサイド・エロ
ー、ジスアゾピグメント、フタロシアニングリーン、フ
タロシアニンブルー、シアニンブルー、フラバンスロン
エロー、ジアンスラキノリルレッド、インダンスロンブ
ルー、チオインジゴボルドー、ペリノンオレンジ、ペリ
レンスカーレット、ペリレンレッド178、ペリレンマ
ルーン、ジオキサジンバイオレット、イソインドリンエ
ロー、ニッケルニトロソエロー、マダーレーキ、銅アゾ
メチンエロー、アニリンブラック、アルカリブルー、亜
鉛華、酸化チタン、弁柄、酸化クロム、鉄黒、チタンエ
ロー、コバルトブルー、セルリアンブルー、コバルトグ
リーン、アルミナホワイト、ビリジアン、カドミウムエ
ロー、カドミウムレッド、朱、リトポン、黄鉛、モリブ
デートオレンジ、クロム酸亜鉛、硫酸カルシウム、硫酸
バリウム、炭酸カルシウム、鉛白、群青、マンガンバイ
オレット、コバルトバイオレット、エメラルドグリー
ン、紺青、カーボンブラックなどの有機および無機顔
料、ならびにアゾ染料、アントラキノン染料、インジゴ
イド染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キ
ノンイミン染料、メチン染料、キノリン染料、ニトロ染
料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染
料、ナフタルイミド染料、ペリノン染料などの染料を挙
げることができ、好適には青色系、紫色系、または黒色
系着色材、更に好適には黒色系着色材を挙げることがで
きる。これらの着色材は単独で、または2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
【0044】これらの用いられる着色材の種類と量は、
対応する本積層膜の光学的な膜特性に対応して適宜選択
されるべきである。着色材を含む本積層膜において、そ
の吸光度Aは、下記の式で表される。 A=log10(I0 /I)=εCD 式中、I0 は入射光、Iは透過光、Cは色濃度、Dは光
距離、εはモル吸光係数を表す。
【0045】本積層膜においては、一般にモル吸光係数
がε>10の着色材が用いられる。また、着色材の配合
量は、使用する着色材のモル吸光係数に依存して変わる
が、一般に、着色材を配合した積層膜および単層膜の吸
光度Aが0.0004〜3abs.の範囲内となるよう
な量であることが好ましい。これらの条件が満たされな
い場合は透明度および/または調色効果が低下する。
【0046】一般に、透明導電層1の色相を改善する調
色用着色材は透明導電層1内に含まれていることが好ま
しい。着色材を透明導電層1に配合する場合には、その
配合量は、金属の含有量に対して20重量%以下、特に
10重量%以下とすることが好ましい。10重量%を越
えると、導電性の低下が認められ、20重量%を越える
と、電磁波遮蔽効果に支障を来す場合がある。
【0047】本発明の陰極線管は、前記の構成を有する
本積層膜が、フェースパネルの前面に形成されている。
この陰極線管は、フェースパネルの帯電が防止されてい
るので画像表示面に埃などが付着せず、電磁波が遮蔽さ
れるので各種の電磁波障害が防止され、可視光帯域にお
いて透過スペクトルが平坦化され、しかも表面反射や界
面反射が効果的に除去されているので、透過画像が不自
然に着色せず、色彩コントラストが高く、外光の映り込
みがなく、視認性に優れ目に優しいものとなる。
【0048】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に具体的に
説明する。塗料の調製 : 銀コロイド分散液の調製:クエン酸ナトリウム二水和
物(14g)、硫酸第一鉄(7.5g)を溶解した溶液
60gを5℃に保持した状態で、硝酸銀(2.5g)を
溶解した溶液25gを加えて銀コロイドを生成させた。
得られた銀コロイド分散液から遠心分離により水洗し、
不純物を除去した後、38.1gの純水を加えて塗料用
の銀コロイド分散液を調製した。得られた銀コロイド粒
子の粒径は0.005μm〜0.03μmであった。 金コロイド分散液の調製:水酸化カリウム(4g)の
水溶液中にテトラクロロ金酸水和物(2g)とクエン酸
三ナトリウム二水和物(0.025g)とを加えて金コ
ロイドを調製した。得られた金コロイド粒子の粒径は
0.005μm〜0.03μmであった。 低屈折率反射防止塗料の調製: −A;テトラエトキシシラン(0.8g)と0.lN
塩酸(0.8g)とエチルアルコール(98.4g)と
を混合して均一な溶液とした。 −B;テトラエトキシシラン(0.7g)と0.lN
塩酸(0.8g)とエチルアルコール(98.4g)と
を混合して均一な溶液とし、更にカーボンブラック(三
菱化学社製、MA−100)(0.1g)を加え、超音
波分散機(セントラル科学貿易社製「ソニファイヤー4
50」)で均一な分散液とした。 −C;テトラエトキシシラン(3g)と0.lN塩酸
(10g)とエチルアルコール(87g)とを混合して
均一な溶液とした。
【0049】(実施例1)透明導電塗料の調製 : の銀コロイド分散液 13.5g 純水 66.5g ブチルセロソルブ 10.0g IPA 10.0g 上記の成分を配合して得られた混合液を超音波分散機
(セントラル科学貿易社製「ソニファイヤー450」)
で分散し、透明導電塗料を調製した。
【0050】成膜:上記の透明導電塗料を、ブラウン管
のフェースパネル表面にスピンコーターを用いて塗布
し、乾燥後、この塗布面に−Aの低屈折率反射防止塗
料を、同様にスピンコーターを用いて塗布し、更に、透
明性凹凸層を形成するために、−Cの低屈折率反射防
止塗料をスプレーによって噴霧・積層し、次いでこのブ
ラウン管を乾燥機に入れ、150℃で1時間焼付け処理
することにより、最外層に透明性凹凸層(高低差約0.
05μm)が形成された3層構成の本積層膜を形成し、
フェースパネル面に防眩性・反射防止性・高導電性の膜
を有する実施例1の陰極線管を作成した。
【0051】(実施例2)透明導電塗料の調製 : の銀コロイド分散液 13.5g の金コロイド分散液 6.0g 純水 60.5g ブチルセロソルブ 10.0g IPA 10.0g 上記の成分を配合して得られた混合液を実施例1に準じ
て分散し、透明導電塗料を調製した。
【0052】成膜:上記の透明導電塗料を用いた他は実
施例1に準じて、フェースパネル面に防眩性・反射防止
性・高導電性の膜を有する実施例2の陰極線管を作成し
た。なお、透明導電層中の銀と金との重量比は90.
9:9.1である。
【0053】(実施例3)透明導電塗料の調製 : の銀コロイド分散液 13.5g 青色顔料(東洋インキ製造社製,LIONOL BLUE FG-7330) 0.05g 純水 66.5g ブチルセロソルブ 10.0g IPA 10.0g 上記の成分を配合して得られた混合液を実施例1に準じ
て分散し、透明導電塗料を調製した。
【0054】成膜:上記の透明導電塗料を用いた他は実
施例1に準じて、フェースパネル面に防眩性・反射防止
性・高導電性の膜を有する実施例3の陰極線管を作成し
た。
【0055】(実施例4)透明導電塗料の調製 : の銀コロイド分散液 13.5g 紫色顔料(東洋インキ製造社製,LIONOGEN VIOLET R6100) 0.05g 純水 66.5g ブチルセロソルブ 10.0g IPA 10.0g 上記の成分を配合して得られた混合液を実施例1に準じ
て分散し、透明導電塗料を調製した。
【0056】成膜:上記の透明導電塗料を用いた他は実
施例1に準じて、フェースパネル面に防眩性・反射防止
性・高導電性の膜を有する実施例4の陰極線管を作成し
た。
【0057】(実施例5)実施例1における−Aの低
屈折率反射防止塗料を−Bの低屈折率反射防止塗料に
替えた他は実施例1に準じてフェースパネル面に防眩性
・反射防止性・高導電性の膜を有する実施例5の陰極線
管を作成した。
【0058】(実施例6)透明導電塗料の調製 : の銀コロイド分散液 13.5g 紫色顔料(東洋インキ製造社製,LIONOGEN VIOLET R6100) 0.05g の金コロイド分散液 6.0g 純水 60.5g ブチルセロソルブ 10.0g IPA 10.0g 上記の成分を配合して得られた混合液を実施例1に準じ
て分散し、透明導電塗料を調製した。
【0059】成膜:上記の透明導電塗料を用いた他は実
施例1に準じて、フェースパネル面に防眩性・反射防止
性・高導電性の膜を有する実施例6の陰極線管を作成し
た。なお、透明導電層中の銀と金との重量比は90.
9:9.1である。
【0060】(比較例1)比較のため、透明性凹凸層を
有しない低反射導電性積層膜が形成された陰極線管を作
成した。比較例1の透明導電層は銀からなる。透明導電塗料R1 の調製 : の銀コロイド分散液 15.0g 純水 65.0g ブチルセロソルブ 10.0g IPA 10.0g 上記の成分を配合して得られた配合液を実施例1に準じ
て分散し、透明導電塗料R1 を調製した。
【0061】成膜:上記の透明導電塗料R1 を、スピン
コーターを用いてブラウン管のフェースパネル面に塗布
した。乾燥後、この塗布面に−Aの低屈折率反射防止
塗料を、同様にスピンコーターを用いて塗布し、次いで
このブラウン管を乾燥機に入れ、150℃で1時間焼付
け処理することにより、透明導電層と反射防止層との2
層構成で、表面が平滑面とされた低反射導電性積層膜を
形成し、フェースパネル面に低反射導電性積層膜が形成
された比較例1の陰極線管を作成した。
【0062】(比較例2)比較のため、透明性凹凸層を
有しない低反射導電性積層膜が形成された陰極線管を作
成した。比較例2の透明導電層は銀と金とからなる。透明導電塗料R2 の調製 : の銀コロイド分散液 13.5g の金コロイド分散液 6.0g 純水 60.5g ブチルセロソルブ 10.0g IPA 10.0g 上記の成分を配合して得られた配合液を実施例1に準じ
て分散し、透明導電塗料R2 を調製した。
【0063】成膜:上記の透明導電塗料R2 を用いた他
は実施例1に準じて、フェースパネル面に低反射導電性
積層膜が形成された比較例2の陰極線管を作成した。な
お、透明導電層中の銀と金との重量比は90.9:9.
1である。
【0064】(比較例3)比較のため、透明導電層と低
屈折率の透明性凹凸層とからなり、中間の反射防止層が
省かれた低反射導電性積層膜が形成された陰極線管を作
成した。比較例3の透明導電層は銀からなる。透明導電塗料R3 の調製 : の銀コロイド分散液 15.0g 純水 65.0g ブチルセロソルブ 10.0g IPA 10.0g 上記の成分を配合して得られた配合液を実施例1に準じ
て分散し、透明導電塗料R3 を調製した。
【0065】成膜:上記の透明導電塗料R3 を、スピン
コーターを用いてブラウン管のフェースパネル面に塗布
した。乾燥後、この塗布面に、透明性凹凸層を形成する
ために、−Cの低屈折率反射防止塗料をスプレーによ
って噴霧・積層し、次いで乾燥機に入れ、150℃で1
時間焼付けて、透明性凹凸層(高低差約0.05μm)
が直接透明導電層上に形成された2層構成で、表面が凹
凸面とされた低反射導電性積層膜を形成し、フェースパ
ネル面に低反射導電性積層膜が形成された比較例3の陰
極線管を作成した。
【0066】前記の実施例1〜実施例6、および比較例
1〜比較例3の各試料について、それぞれ評価試験を行
った。その結果を表1に示す。評価項目および試験方法
(試験機器)は下記の通りである。 透過率 :日本分光社製「U-Best 50 」 ヘーズ :東京電色社製「Automatic Haze meter H III DP」 グロス :東京電色社製可変角度光沢計「MODEL TC 108D」入射角60゜ 表面抵抗 :三菱油化社製「ロレスタAP」(4端針法) 反射率 :日本分光社製「U-Best 50 」入射角5゜の正反射 0.5MHz電磁波遮蔽性:前記式1より計算 耐擦傷性 :1kgの荷重下、消しゴムで膜表面を50回往復後、膜表面の擦 傷の状態を目視により評価。 ○;擦傷なし △;やや擦傷あり ×;擦傷多い また、同じく日本分光社製「U-Best 50 」を用いて積層
膜の透過スペクトルを測定した。
【0067】
【表1】
【0068】表1より、透明性凹凸層が形成されている
実施例1〜実施例6の陰極線管は、最外層が平滑な反射
防止層とされている比較例1および比較例2に比べ、グ
ロスが著しく低減され、表面反射が防止された結果、外
光の映り込みが少なくなって防眩性が向上していること
が判る。
【0069】また、透明性凹凸層と透明導電層との間に
反射防止層が積層された実施例1〜実施例6の陰極線管
は、低屈折率の透明性凹凸層と透明導電層のみで中間の
反射防止層が形成されていない比較例3に比べ、ヘーズ
と反射率が大幅に低減され、層間反射が防止された結
果、透過画像の視認性が向上していることが判る。
【0070】更に、積層膜の透過スペクトルの測定結果
より、透明導電層を構成する金属を銀、金とした実施例
2、および着色材をいずれかの層に含む実施例3〜実施
例6は、透明導電層を構成する金属が銀単独、かつ着色
材を含まない実施例1と比較して、可視光の全波長域に
わたって光の透過スペクトルを平坦化させることがで
き、自然な透過画像の色相が得られることも判明した。
【0071】以上説明したように本積層膜は、帯電防止
性および電磁波遮蔽性に優れていると共に、表面反射と
層間反射が共に防止されているので、陰極線管のフェー
スパネルとして好適に用いられるばかりでなく、他の表
示板、例えば液晶表示板、エレクトロルミネッセンス表
示板、プラズマ表示板、電光表示板などにも有利に用い
ることができる。
【0072】
【発明の効果】本積層膜は、基材上に形成される低反射
導電性積層膜であって、この低反射導電性積層膜は、少
なくとも1種の金属を10重量%以上含有する透明導電
層と、該透明導電層の外層および/または内層に形成さ
れ、この透明導電層の屈折率と異なる屈折率を有する少
なくとも1層の透明性反射防止層と、最外層に形成され
た透明性凹凸層とを含むものであるので、これを用いれ
ば、優れた帯電防止性および電磁波遮蔽性を有すると共
に、表面反射と層間反射が効果的に防止され、外光の映
り込みが少なく、ヘーズ値も低下し、視認性の良好な透
過画像表示用の基板を得ることができる。
【0073】また、請求項2において、前記少なくとも
1種の金属は銀であるから、導電性が良好であり、可視
光の波長帯域である400〜800nmの範囲内におい
て透明性が高く、また銀と他の金属とを組み合わせて用
いることによって可視光の全波長帯域にわたって光の透
過スペクトルを平坦化させることができ、自然な透過画
像の色相が得られる。
【0074】更に、請求項3において、本積層膜の少な
くとも1層に着色材を含有させてなるものであるから、
着色材の光吸収効果により、可視光の全波長帯域にわた
って光の透過スペクトルを平坦化させることができ、自
然な透過画像の色相が得られる。
【0075】更に請求項4において、本積層膜の少なく
とも1層に青色系、紫色系、または黒色系の着色材を含
有させてなるものであるから、より効果的に、可視光の
全波長帯域にわたって光の透過スペクトルを平坦化させ
ることができ、自然な透過画像の色相が得られる。
【0076】本発明の陰極線管は、本積層膜がフェース
パネルの前面に形成されてなるものであるので、帯電防
止性および電磁波遮蔽性に優れ、表示面に埃などが付着
し難く、かつ電磁波障害が防止され、しかも反射による
眩しさも軽減され、また透過画像の色相が自然でコント
ラストがよく、鮮明で視認性の良い透過画像を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の低反射導電性積層膜の一実施例を示
す断面図。
【符号の説明】
1……透明導電層 2……透明性反射防止層 3……透明性凹凸層 10…低反射導電性積層膜 B……基材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 一倫 千葉県船橋市豊富町585番地 住友大阪セ メント株式会社新材料事業部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に形成される低反射導電性積層膜
    であって、この低反射導電性積層膜は、少なくとも1種
    の金属を10重量%以上含有する透明導電層と、該透明
    導電層の外層および/または内層に形成され、この透明
    導電層の屈折率と異なる屈折率を有する少なくとも1層
    の透明性反射防止層と、最外層に形成された透明性凹凸
    層とを含むことを特徴とする低反射導電性積層膜。
  2. 【請求項2】 前記少なくとも1種の金属は銀であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の低反射導電性積層膜。
  3. 【請求項3】 少なくとも1層に着色材が含有されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の低反射導電性積層
    膜。
  4. 【請求項4】 前記着色材が少なくとも青色系、紫色
    系、または黒色系であることを特徴とする請求項3に記
    載の低反射導電性積層膜。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の低反射導電性積層膜がフェースパネルの前面に形成
    されてなることを特徴とする陰極線管。
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KR100709866B1 (ko) 2005-08-01 2007-04-23 제일모직주식회사 표시장치용 저반사율의 휘도 향상 광학필름 및 이를 이용한표시장치

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JP2005202389A (ja) * 2003-12-18 2005-07-28 Toppan Printing Co Ltd 反射防止積層体
KR100709866B1 (ko) 2005-08-01 2007-04-23 제일모직주식회사 표시장치용 저반사율의 휘도 향상 광학필름 및 이를 이용한표시장치

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