JPH1073755A - 変位鏡装置 - Google Patents
変位鏡装置Info
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- JPH1073755A JPH1073755A JP23203296A JP23203296A JPH1073755A JP H1073755 A JPH1073755 A JP H1073755A JP 23203296 A JP23203296 A JP 23203296A JP 23203296 A JP23203296 A JP 23203296A JP H1073755 A JPH1073755 A JP H1073755A
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Abstract
を実現し高速制御が可能な変位鏡装置を提供する。 【解決手段】 一端に反射鏡102を付着した圧電アク
チュエータ101の他端に重り(平衡質量)103を付
着し、この圧電アクチュエータを長手方向の一点(以
下、固定点)において支持枠104により固定し、反射
鏡の質量Mと固定点から反射鏡までの距離Lの積ML
と、重りの質量M′と固定点から重りまでの距離L′の
積M′L′を等しく設定する(ML=M′L′)。反射
鏡に掛る力の反作用と重りに掛る力の反作用が、その固
定点上で互いに打ち消し合い、結果として固定点あるい
はこれを保持するマウントには力が加わらない結果、振
動の誘発が防がれる。
Description
などにおいて光路長を電気的に変化させる目的で用いら
れる変位鏡装置に関し、特に圧電アクチュエータの一端
に鏡を付着し、その圧電アクチュエータに印加する電圧
によって鏡の位置を変える変位鏡装置に関する。本発明
は、比較的に高速に光路長を変える際に、有限の質量を
有する鏡の運動に不可避的に伴う振動を抑制すること
で、安定な光路長変化を実現可能にしたものである。
長が高精度に制御された干渉計や光共振器の応用が隆盛
してきている。例えば、測定用干渉系では、外乱に抗し
て光路長差が長時間一定に保たれれば、実質的測定時間
が増し、ひいては精度・感度が向上する。このために、
干渉信号を変位鏡装置に帰還して、光路長差を動的に安
定化する。また、変位鏡装置をレーザ共振器に装着する
ことで、波長の安定化、またはパルス発振の場合にはパ
ルスの繰り返し周期の安定化が行われる。これらの場
合、前者(波長の安定化)では、基準となるファブリ・
ペロ共振器あるいはガス吸収セルに対し、後者(パルス
発振)では高安定度発振器に対して、レーザ発振光を適
当に比較することで誤差信号を得、それを変位鏡装置に
帰還する。
外部の共振器内にレーザ光を入射し、効率良く波長変換
を行う方式が盛んであり、この場合、レーザ光を外部共
振器に蓄積し、最大の効率を得るためには元のレーザ共
振器または外部共振器のいずれか一方に変位鏡装置を装
備し、共振器の固有モード周波数の整合を動的にとるこ
とが必要である。より簡易に波長変換光のみを外部共振
器に蓄積する場合でも、パルス光を用いる場合には、変
位鏡装置を用いて共振器周回時間の整合をとることが必
要である。特に、産業上重要とみられている高調波発生
の場合には、連続光を用いる場合であっても共振器周波
数安定化が不可避となる。
ータの一端面に鏡を付着し、他端をケースに固定した装
置が用いられている。図5は、この従来例の変位鏡装置
の構成を示す図であり、鏡の方位を調整するためのマウ
ントに変位鏡装置を装着した状態を示す。
素子からなる圧電アクチュエータ401、圧電アクチュ
エータ401の一端に固着した反射鏡402、圧電アク
チュエータ401の他端を固定して支持するシリンダ状
の外筒405とにより構成される。この変位鏡装置全体
が装着されるマウントは、例えば、機器本体の床に固定
されるマウント固定部420、マウント可動部421、
鏡402の方位を調整するためのマウント調整ノブ42
2,423とを有する。
御電圧を重畳して圧電アクチュエータ401に印加する
ことにより、反射鏡402が外筒405に対し、その制
御電圧に概ね比例して平行に変位する。反射鏡402に
ほぼ垂直に入射する光線の光路長は、その反射鏡402
の変位量に相応して変化し、その結果、制御電圧により
光路長を変化させる機能が実現される。
た従来の変位鏡装置には、以下の問題がある。
ので、反射鏡402の変位を生ぜしむるために圧電アク
チュエータ401が力を発生する際、ニュートンの第3
法則により、必然的に外筒405側にも力が加わること
となる。急速に変化する制御電圧に応答して反射鏡40
1が変位する場合には、この外筒側に加わる力の変化も
急速となり、その結果、外筒405に振動を誘発するこ
ととなる。この外筒405の振動は、さらに外筒405
が接しているマウント(420〜423)に伝搬して行
く。
問題となる。マウントは、鏡の方位を調整する機能を持
たせるために、常に、図5に示した様に、マウント固定
部420と、マウント可動部421の2つの部分から構
成されており、マウント可動部421はマウント固定部
421にスプリング(図示しない)で圧着されている。
これらマウント固定部420とマウント可動部421と
の間隙の傾斜を、マウント調整ノブ422,423によ
って変化することで、外筒405と圧電アクチュエータ
401を介して、鏡402の方位角と仰角を調整できる
ようになっている。マウント固定部402は上記のよう
に床に固定されており、一方、変位鏡装置はマウント可
動部421に装着される。
動部421の相互運動を無視して考察すると、変位鏡装
置が装着されたマウントを、マウント可動部421と変
位鏡装置の合計の質量を荷った倒立振り子と見做すこと
ができる。鏡402の方位を調整する機能を持たせない
場合、換言すると、マウント固定部420に直接変位鏡
装置を固着した場合でも、この倒立振り子に対応する振
動モードは常に残存する。
の初期調整、また、経年変化に対応した再調整のため
に、鏡402の方位を調整する余地を残すことが必要で
ある。この場合、外筒405の上記振動モードに加え
て、マウント固定部420とマウント可動部421のス
プリングを介した相互運動に伴う振動モードが併存する
こととなる。
とにより、こうした振動モードを調べた例を示す。ここ
では、マウント固定部420が固着されている床に振動
を与えた時の、マウント上の鏡402の振れ幅の相対値
(dB)を、与えた振動の周波数(Hz)の関数として
示してある。図6中、25Hzと50Hzの振動のピー
クは、電源周波数に由来し、周辺の床振動を拾ったもの
で、マウントの共鳴特性に係るものではない。周波数が
最低の共鳴ピークは、図6中の220Hzに現れてい
る。これが、上記の倒立振り子としての振動モードに対
応する。より高い共鳴周波数としては、700Hz,
2.5kHz,4kHz,5kHzなどが明瞭に現れて
おり、これらはマウント固定部420とマウント可動部
421の相互運動に由来する振動モードである。
置では、制御電圧変化に追随して反射鏡402が変位す
る場合、外筒405に振動が誘発され、この振動がマウ
ントに伝播するので、その結果、図6で観測したような
マウントの共鳴振動が励起されるに至る。この共鳴振動
により、変位鏡装置において、反射鏡変位の制御電圧に
対する応答特性上に、複雑な起伏、いわゆるアバレが生
ずる。
示す図であり、制御電圧として、正弦波電圧を、圧電ア
クチュエータ端で一定振幅となるように給電した際の、
反射鏡変位の振幅(相対値)と位相角(度)を、その正
弦波周波数(Hz)について示した。図7中、右端付
近、8kHz周りに見られる振幅カーブ上のピークは、
弾性体としての圧電アクチュエータに質量有限の反射鏡
が付着されることで構成されるばね振り子としての共鳴
である。この共鳴周波数f0 は、付着された質量m、圧
電アクチュエータ材料のヤング率E、圧電アクチュエー
タの断面積Sおよび同長さlを用いて、
回転する。この性質により、この変位鏡装置によって光
路長の制御を行い得る周波数帯域の上限は、上記共鳴周
波数f0 により限られる。何となれば、周波数f<f0
で負帰還がかかるように設定された制御系は、周波数f
がf0 を越えると正帰還に転じてしまい不安定となるか
らである。従って、f0 での帰還利得が1を越えないよ
うに、周波数とともに利得が減る回路、典型的には積分
器、または低域濾過器(ローパス・フィルタ)を制御系
に含めることが一般に行われる。
f<f0 の範囲に小さな共鳴特性が現れていることに注
目されたい。これらは、反射鏡の変位に伴なう振動によ
り、マウントの共鳴が励振された結果に他ならない。図
6の振動モードに対応する周波数に共鳴特性が見られる
ことにより、この解釈が裏付けられるであろう。
系の設計を複雑にする。例えば、図7の場合には、倒立
振り子としての220Hzの共鳴に、10度程度の位相
の回転が付随している。もし、圧電アクチュエータの静
電容量に対して駆動増幅器の出力インピーダンスが高い
結果、既にこの周波数近傍で180度に近い位相の周り
が制御系に存した場合、上の共鳴に伴う位相回転が一転
して系を不安定化することともなりかねない。図7の場
合、同様の懸念は、さらに2.5kHz,4kHz,5
kHzなどの共鳴に伴ってある。しかも周波数が高いほ
ど、静電容量負荷に由来する制御系の元々の位相の周り
が大きいので、共鳴に伴なう位相の回転による不安定化
の起きる危険は増すのである。
回転が180度を越える可能性のある周波数の全てにお
いて帰還利得を1未満に抑える方策を採ることが必要で
ある。最も簡易な方法は、帰還利得を全周波数に亙って
一様に減らすことであるが、これは制御系の性能自体の
低下に通ずる。より良い方策としては、低域濾過器等を
用いて問題となる共鳴周波数での帰還利得を減らすこと
が考えられるが、制御系の応答を犠牲にすることは免れ
ない。根本的対策としては、図7のような詳細な応答特
性を測定し、その逆特性の等価器を設計して制御系内に
挿入することが考えられる。これは原理的には可能であ
るが、実用的とは言い難い。まず、マウントの共鳴特性
は一般にマウントの仕様と認められていないので、現状
では、カタログデータとして入手できず、また個体毎の
偏差についても何ら保証されていない。また、共鳴特性
は元来、フレームやスプリングの弾性体としての性質に
由来する特性なので、温度変化や経年変化を蒙る可能性
が多分にある。従って上記のような等価器は、その設計
が容易でない上に、構築した等価器が逆特性を維持し続
ける保証も無いのである。
に考察の対象を限って来たが、実は問題をこのように局
限化することは必ずしも許されない。なぜならば、変位
鏡装置を用いる干渉計や光共振器は、一般に変位鏡装置
以外にも鏡等の光学部品を含み、それらを保持するマウ
ントにも上述と同様の共鳴特性がある。一旦変位鏡装置
からマウントに伝播した振動は、床を伝わってこれらの
他のマウントにも達し、それらの共鳴振動を誘起する可
能性がある。現に、上の図6で、床を通じた励起によっ
て、マウントの共鳴特性を測定していたことを想起され
たい。振動が床を伝わってマウントに達し、その共鳴振
動を誘起するからこそ、このような測定が行えるのであ
る。そもそも変位鏡装置を用いる目的は、干渉計や光共
振器の光路長の制御のためであり、この光路長は変位鏡
以外の鏡等の光学部品の変位によっても当然変化する。
従って、もし、図7のようにして、干渉計や光共振器の
総体としての光路長の応答特性を測定したならば、変位
鏡装置の振動の影響の及ぶ限りのマウントの共鳴特性が
全て混在して現れて来るのである。これらを全て勘案し
て逆特性を与える等価器を設計・維持することは、全く
非現実的と言わざるを得ない。
わりにくくすれば、こうした問題を緩和できる。この着
眼に立って、変位鏡装置を、振動遮断材料、例えば防振
ゴム等を介して、マウントに装着することが考えられ
る。ところが、こうした材料は数kHz以上の周波数に
は有効であるものの、それ以下の低周波における効果は
小さい。また、突発的あるいは経年的変形によって変位
鏡装置の方位が変化してしまう危惧を増し、かえって変
位鏡装置を用いる干渉計や光共振器の長期的安定性の低
下を招く結果となることが避けられなかった。
器を、剛性の高い構造とする対策もとられてきた。例え
ば、図5のマウント固定部420は底面のみで床に固着
されているが、これを上面でも不動面に固着される構造
に替えることで剛性を向上できる。しかし、こうした方
法は、装置の長大化・高価格化を来たし、それゆえ、近
年の光学機器の軽量・小型・低価格化の要請に逆行す
る。また剛性を増せば共鳴周波数は高周波側にシフトす
るが、共鳴現象自体が無くなるわけではなく、畢竟、問
題の根本的解決とは言い難かったのである。
は、不可避的に振動を惹起し、(1)自身の応答特性に
アバレを生じる結果、高速制御を阻み、また(2)床を
通じて伝播する振動により、光学系の他部分にも振動を
誘発する、という解決すべき課題があった。
題を解決して、振動を惹起することが無く、安定な光路
長変化を実現し、高速制御が可能な変位鏡装置を提供す
ることを目的とする。
動を惹起することが無く、安定な光路長変化を実現し、
高速制御が可能な変位鏡装置を実現するため、比較的高
速に光路長を変える際に、有限の質量を有する鏡の運動
に不可避的に伴う振動を抑制できるようにした。
クチュエータの一端に鏡を付着し、上記圧電アクチュエ
ータに印加する電圧によって上記鏡の位置を変える変位
鏡装置において、残り端に重りを付着した上記圧電アク
チュエータを、長手方向の1点において固定し、上記鏡
の質量と上記1点から上記鏡までの距離との第1の積
と、上記重りの質量と上記1点から上記重りまでの距離
との第2の積を等しくした。
ータに上記鏡を付着する第1の器具と、上記圧電アクチ
ュエータに上記重りを付着する第2の器具とを備え、上
記鏡の質量に代えて上記鏡と上記第1の器具の質量の合
計を、上記重りの質量に代えて上記重りと上記第2の器
具の質量の合計を、上記第1及び第2の積の計算に用い
た。
ータが、上記1点で接合された別個の圧電アクチュエー
タからなり、各圧電アクチュエータが個別に駆動される
ようにした。
記圧電アクチュエータを固定する支持枠と、この支持枠
を介して上記圧電アクチュエータを保持する外筒と、こ
の外筒を介して変位鏡装置全体が装着されるマウントと
を有し、このマウントと上記外筒との結合点と上記支持
枠が整列するように形成して、上記マウントによる保持
面上に変位鏡装置の重心がほぼ乗るようにした。
を付着した圧電アクチュエータの他端に重り(平衡質
量)を付着し、この圧電アクチュエータを長手方向の一
点(以下、固定点)において固定し、反射鏡の質量Mと
固定点から反射鏡までの距離Lの積MLと、重りの質量
M′と固定点から重りまでの距離L′の積M′L′を等
しくしたので(ML=M′L′)、反射鏡に掛る力の反
作用と重りに掛る力の反作用が、その固定点上で互いに
打ち消し合い、結果として固定点あるいはこれを保持す
るマウントには力が加わらない結果、振動の誘発が防が
れる。また、固定点に対して反射鏡側の圧電アクチュエ
ータの部分と、同じく重り側の圧電アクチュエータの部
分を別々の圧電アクチュエータによって構成することも
できるが、この場合は、2つの圧電アクチュエータを並
列に接続し、同一の制御電圧が給電されるように構成す
る。以上により、振動を惹起することが無く高速制御可
能な変位鏡装置の実現が可能となる。
施の形態を詳細に説明する。
基本構成を示し、変位鏡装置を鏡の方位を調整するため
のマウントに装着した状態を示す。
チュエータ101、反射鏡102、平衡質量(重り)1
03、支持枠104、および外筒105により構成され
る。支持枠104は外筒105の内周面に固定してい
る。この変位鏡装置全体が装着されるマウントは、例え
ば、マウント固定部120、マウント可動部121、鏡
の方位を調整するためのマウント調整ノブ122,12
3を持つ。
ュエータ101の他端に重りである平衡質量103を付
着し、この圧電アクチュエータ101を長手方向の一点
(以下、固定点)において支持枠104により固定し支
持している。したがって、この場合は、その固定点は厳
密には細い環状の面であり、支持面と称することもでき
る。図1では、典型的な構成として、反射鏡102の質
量(重さ)と平衡質量103の質量とを同一にし、支持
枠104の固定点から反射鏡102までの距離と平衡質
量103までの距離とを同一にした場合を例示している
が、以下に述べる(5)式の条件を満たせば、本発明は
これに限らない。
2の質量およびその圧電アクチュエータ101への付着
に要する器具の質量の合計をM、圧電アクチュエータ1
01を支持する支持面(固定点)と反射鏡102の付着
される端面間の距離をLとする。反射鏡102の変位Δ
Lに対する加速度d2 ΔL/dt2 (tは時間)に伴う
反作用として、支持面には力
に振動を惹起したのは、まさにこの力が存在するためで
あった。
に対し反対側に、距離L′分の圧電アクチュエータ10
1を設置し、その端面に平衡質量103を付着した。こ
の平衡質量103およびその付着に要する器具の質量の
合計をM′とする。平衡質量103の変位ΔL′に伴っ
て、上記支持面には力
面に、以上2つの力の和F+F′が加わることになる。
これら2つの力F,F′が相殺し、支持面に加わる力が
ゼロとなる条件は、
れ長さL,L′分の圧電アクチュエータの部分を同一の
電圧で駆動したときに生じる変位である。従って、それ
らの間に比例関係、ΔL/L=ΔL′/L′が成り立
つ。これを式(4)に用いると、支持面に加わる力をゼ
ロとする条件を、
質量103は等質量であり、それぞれ圧電アクチュエー
タ101の合い対向する端面に直接接着されている。し
たがって、M=M′が成り立っている。また、圧電アク
チュエータ101は支持枠104を貫通し、圧電アクチ
ュエータの長手方向の中点で支持枠に接着されている。
そのため、支持枠104と圧電アクチュエータ101の
接着点の張る面である支持面(固定点)から、反射鏡1
02の接着された端面と平衡質量103の接着された端
面までの距離は相等しく、L=L′が成立する。これら
の結果、上式(5)が充たされている。
の外筒105の突起部がマウント可動部121の鏡保持
部に嵌められる形でマウントに装着されている。図1に
示す様に支持枠104と外筒105の突起部が整列する
ように形成すれば、マウントによる保持面上に変位鏡装
置の重心がほぼ乗ることとなり、マウント可動部121
に静的トルクを及ぼすことが避けられる。上式(5)
は、このようにして静的トルクを相殺するための条件を
も与えている。反射鏡102の方向は、マウント調整ノ
ブ122,123によって外筒105の全体の方位角と
仰角を変えることで調整できる。上記のように静的トル
クが相殺されていると、この調整機構に余分な負荷を与
えることが防がれる。
に制御電圧を重畳して圧電アクチュエータ101に印加
することにより、反射鏡102が外筒105に対し、そ
の制御電圧に概ね比例して平行に変位する。同時に平衡
質量103が逆向きに等量だけ変位する。これら2つの
変位を生ぜしむる力の反作用は常に支持枠104上で相
殺される結果、制御電圧による運動に伴って支持枠10
4に加わる力は恒等的にゼロとなっている。従って支持
枠104には何らの振動も誘発されず、振動が外筒10
5ないしマウントに伝播して行くことも当然無い。
置の応答特性を示す図であり、制御電圧として、正弦波
電圧を、圧電アクチュエータ端で一定振幅となるように
給電した際の、反射鏡変位の振幅と位相を、その正弦波
周波数について示したものである。既に図7に示した従
来例の変位鏡装置の応答特性との、直接的な比較を行う
ために、この測定では、従来例と同一の反射鏡102を
使用し、従来例の圧電アクチュエータと同材質、同一断
面積で長さが丁度2倍の圧電アクチュエータ101を長
手方向の中点で支持枠104に接着して変位鏡装置を構
成し、それを装着するマウント(120〜123)も従
来例と同一とした。
長さが2倍となった結果、駆動増幅器(図示しない)に
は2倍の静電容量負荷がかかることになるが、その影響
は、圧電アクチュエータ端で一定振幅となる給電条件で
測定した図2の特性上には現れない。図2中、右端付
近、8kHz周りに見られる振幅カーブ上のピークは、
従来例の個所で既述したように、圧電アクチュエータと
反射鏡とで構成されるばね振り子としての共鳴f0 であ
る。
エータと平衡質量103とで構成されるばね振り子の共
鳴はどうなるのであろうか。実は、その共鳴周波数は反
射鏡102側のばね振り子の共鳴周波数に一致する。こ
れを見るには、上式(1)を求めればよい。上式(5)
が成立しているとき、上式(1)は、支持枠104の両
側の2つのばね振り子に対して等しい共鳴周波数を与え
る。この性質により、平衡質量103の設置が、制御系
に余分の共鳴特性を加えるという副作用は生じないので
ある。
104に加わる力の相殺条件、マウント可動部121へ
の静的トルクの相殺条件、さらに支持枠104の両側の
ばね振り子の共鳴周波数の一致条件の3つを、一挙に与
えていることが分かる。
の共鳴以外には、全く共鳴特性が現れていないことに注
目されたい。これは図7に示した従来の変位鏡装置の特
性と比較して著しい相違である。この結果は、反射鏡1
02の変位が振動を全然伴わずになされており、マウン
ト、または床の共鳴が励振されないという本発明の効果
の発現を示すものに他ならない。こうして本発明の変位
鏡装置では、如何なるマウントに取り付けた状態でも、
同一の応答特性を期待することができる。
実施例を詳細に説明する。
ュエータを用いた本発明の第1の実施例を示す断面図で
あり、既に、本発明の変位鏡装置は、その特性が取り付
けられるマウントに依らないことを示していることを鑑
みて、マウントを省いた変位鏡装置本体のみを示してあ
る。
タ301の両端には、互いに等しい形状・質量となるよ
うに製作した継ぎ手310,311が接着されている。
反射鏡302は反射鏡枠309に固定され、この反射鏡
枠309が継ぎ手310にネジ込まれる。一方、他端の
継ぎ手311には、平衡質量(重り)303がネジ込ま
れる。このように反射鏡302および平衡質量303を
継ぎ手310、311を介して着脱自由に圧電アクチュ
エータ301に付着することで、反射鏡302の交換が
可能となる。
枠309の質量の合計Mに等しい質量M′を持つように
製作する。
7ガラス製基板を持つ反射鏡302の質量は、3.93
gであり、アルミ合金製の反射鏡枠309の質量との合
計は、4.93gとなった。ここで、平衡質量の材質を
真ちゅうに選び、外径15mm、内径10mm部分の長
さ4mm、内径8mm部分の長さ1.5mmの段付き中
空円筒に切削加工して、上記質量の合計に等しい質量を
持つ小型の平衡質量303を得た。
7ガラス製基板を持つ反射鏡302の場合、その質量
は、12.27gであり、これをアルミ合金製の反射鏡
枠309の質量と合わせて、13.79gとなった。こ
のとき平衡質量の材質はやはり真ちゅうに選び、外径1
5mm、内径10mm部分の長さ5mm、内径8mm部
分の長さ9mmの段付き中空円筒に切削加工して、質量
の釣り合う小型の平衡質量303を得た。
1は、支持枠304を貫通する形で、自身の長手方向の
中点で接着固定されている。反射鏡302の交換に付随
して、外筒305内に収納された平衡質量303の交換
が必要となるが、そうした際に、圧電アクチュエータ3
01を支持枠304ごと外筒305から引き出すため
に、支持枠304は、外筒305にネジ止めされる。圧
電アクチュエータ301から出るリード線は、給電端子
312にはんだ付けされ、給電端子312は、外筒30
5にネジ止めされる給電端子枠313に取り付けられて
いる。
列したつば305−1が設けられている。このつば30
5−1の外径は、本変位鏡装置を装着する円形鏡用のマ
ウントの、鏡保持部に嵌まる寸法に製作する。つば30
5−1と支持枠304とを整列することで、既に述べた
様に、本変位鏡装置がマウントに及ぼす静的トルクを低
減できる。
1に、5mm角、長さ18mmの積層型の製品を用い、
反射鏡302として第1例の反射鏡(直径20mm、厚
み5mm)を取り付けた状態で、ばね振り子としての共
鳴周波数f0 は、17kHzとなった。この変位鏡装置
をレーザ共振器の光路長制御に用いたところ、マウント
等の共鳴を顧慮することなく、共鳴周波数f0 に対処す
るためだけの簡単な低域濾過器を制御系に挿入すること
で、帯域が5kHzに及ぶ制御効果をあげることができ
た。
施例として、2つの圧電アクチュエータを用いた実施例
を示す断面図である。
支持枠308を使用し、この中仕切りの表裏に、材質、
断面積および長さの等しい2個の圧電アクチュエータ3
06,307が接着固定されている。2つの圧電アクチ
ュエータ306、307から出るリード線は、並列に接
続した上で、給電端子312にはんだ付けされる。支持
枠308は、第1の実施例と同様に、外筒305にネジ
止めされる。
タ306,307に、それぞれ5mm角、長さ10mm
の積層型の製品を用い、反射鏡302として第1例の反
射鏡(直径20mm、厚み5mm)を取り付けた状態で
の、ばね振り子としての共鳴周波数f0 は、17kHz
となった。この変位鏡装置をレーザ共振器の光路長制御
に用いて、第1の実施例と同じ制御効果をあげることが
できた。
振動を全然発生することなく反射鏡の変位を行える。し
たがって、取り付けるマウントによらない応答特性を実
現することができ、光学系の他部分に振動を誘発するお
それも無い。このため、本発明は、干渉計および光共振
器に広く用いることができ、高速の光路長制御を容易に
達成できるので、工業的に大きな効果が得られる。
示す断面図である。
フである。
1の実施例の構成を示す断面図である。
2の実施例の構成を示す断面図である。
る。
例を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 圧電アクチュエータの一端に鏡を付着
し、前記圧電アクチュエータに印加する電圧によって前
記鏡の位置を変える変位鏡装置において、 残り端に重りを付着した前記圧電アクチュエータを、長
手方向の1点において固定し、前記鏡の質量と前記1点
から前記鏡までの距離との第1の積と、前記重りの質量
と前記1点から前記重りまでの距離との第2の積を等し
くしたことを特徴とする変位鏡装置。 - 【請求項2】 前記圧電アクチュエータに前記鏡を付着
する第1の器具と、前記圧電アクチュエータに前記重り
を付着する第2の器具とを備え、 前記鏡の質量に代えて前記鏡と前記第1の器具の質量の
合計を、前記重りの質量に代えて前記重りと前記第2の
器具の質量の合計を、前記第1及び第2の積の計算に用
いることを特徴とする請求項1に記載の変位鏡装置。 - 【請求項3】 前記圧電アクチュエータが、前記1点で
接合された別個の圧電アクチュエータからなり、各該圧
電アクチュエータが個別に駆動されることを特徴とする
請求項1又は2に記載の変位鏡装置。 - 【請求項4】 前記1点において前記圧電アクチュエー
タを固定する支持枠と、該支持枠を介して前記圧電アク
チュエータを保持する外筒と、該外筒を介して変位鏡装
置全体が装着されるマウントとを有し、該マウントと前
記外筒との結合点と前記支持枠が整列するように形成し
て、前記マウントによる保持面上に変位鏡装置の重心が
ほぼ乗るようにしたことを特徴とする請求項1ないし3
のいずれかに記載の変位鏡装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23203296A JP3596707B2 (ja) | 1996-09-02 | 1996-09-02 | 変位鏡装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23203296A JP3596707B2 (ja) | 1996-09-02 | 1996-09-02 | 変位鏡装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1073755A true JPH1073755A (ja) | 1998-03-17 |
JP3596707B2 JP3596707B2 (ja) | 2004-12-02 |
Family
ID=16932909
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23203296A Expired - Fee Related JP3596707B2 (ja) | 1996-09-02 | 1996-09-02 | 変位鏡装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3596707B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4804706A (en) * | 1985-05-16 | 1989-02-14 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Process for the preparation of maleimide copolymers and thermoplastic resin composition using the same |
JP2001330425A (ja) * | 2000-03-14 | 2001-11-30 | Olympus Optical Co Ltd | 走査機構およびこれを用いた機械走査型顕微鏡 |
JP2007524129A (ja) * | 2004-02-26 | 2007-08-23 | カール・ツァイス・エスエムティー・アーゲー | ハウジング構造体 |
-
1996
- 1996-09-02 JP JP23203296A patent/JP3596707B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|---|---|---|
US4804706A (en) * | 1985-05-16 | 1989-02-14 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Process for the preparation of maleimide copolymers and thermoplastic resin composition using the same |
JP2001330425A (ja) * | 2000-03-14 | 2001-11-30 | Olympus Optical Co Ltd | 走査機構およびこれを用いた機械走査型顕微鏡 |
JP2007524129A (ja) * | 2004-02-26 | 2007-08-23 | カール・ツァイス・エスエムティー・アーゲー | ハウジング構造体 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3596707B2 (ja) | 2004-12-02 |
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