JPH1072407A - クロロギ酸エステルの製造方法 - Google Patents

クロロギ酸エステルの製造方法

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JPH1072407A
JPH1072407A JP8229633A JP22963396A JPH1072407A JP H1072407 A JPH1072407 A JP H1072407A JP 8229633 A JP8229633 A JP 8229633A JP 22963396 A JP22963396 A JP 22963396A JP H1072407 A JPH1072407 A JP H1072407A
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catalyst carrier
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lithium aluminate
chloroformate
catalyst
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JP8229633A
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Kyoji Odan
恭二 大段
Tokuo Matsuzaki
徳雄 松崎
Mikio Hidaka
幹雄 日高
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、白金族金属もしくはその化合物が
触媒担体に担持された固体触媒の存在下で、一酸化炭素
と亜硝酸エステルとを反応させてクロロギ酸エステルを
製造する方法において、実用的な反応条件で、クロロギ
酸エステルを高い生成速度及び高い選択率で製造できる
方法を提供することを課題とする。本発明は、また、前
記の固体触媒の耐久性を高めて、クロロギ酸エステルを
長期間安定して製造できる方法を提供することも課題と
する。 【解決手段】 本発明の課題は、白金族金属もしくはそ
の化合物が触媒担体に担持された固体触媒の存在下で、
一酸化炭素と亜硝酸エステルとを反応させてクロロギ酸
エステルを製造する方法において、触媒担体として、平
均細孔径が40〜1000Åの範囲内にあり、かつ細孔
容積が0.2〜1.5mL/gの範囲内にある、スピネ
ル型構造を有する多孔質リチウム・アルミネート触媒担
体を用いることを特徴とするクロロギ酸エステルの製造
方法によって達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一酸化炭素と亜硝
酸エステルと塩素化合物とを反応させてクロロギ酸エス
テルを製造する方法に関する。更に詳しくは、触媒担体
に白金族金属を含む触媒組成物を担持させた固体触媒の
存在下で、一酸化炭素と亜硝酸エステルと塩素化合物と
を反応させてクロロギ酸エステルを製造する方法の改良
に関するものである。クロロギ酸エステルは、炭酸エス
テルやポリカーボネートの製造原料、あるいは医農薬、
染料等の化学薬品の製造原料として有用な化合物であ
る。
【0002】
【従来の技術】クロロギ酸エステルの製造方法として
は、ホスゲンとアルコールを反応させる方法が古くから
知られ実際に利用されているが、ホスゲンの毒性が極め
て強いことや、反応中に腐食性の強い塩素が遊離するこ
とから、このホスゲンを用いる方法は工業的に好ましい
とは言えない。このため、ホスゲンを用いないクロロギ
酸エステルの製造方法として、一酸化炭素と塩素化合物
(塩化水素、塩素又は塩化ニトロシル)と亜硝酸エステ
ルとを、白金族金属もくはその化合物がアルミナ、シリ
カゲル、活性炭等の触媒担体に担持された固体触媒の存
在下で反応させる方法が開示されている(特開平6−3
06016号公報、同6−306017号公報)。しか
しながら、この方法においては、実用的な反応条件(例
えば、SV3000hr-1、圧力3kg/cm2G)で
クロロギ酸エステルの生成速度や選択率が十分に高いと
は言えず、触媒寿命についても満足できるものではなか
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、白金族金属
もしくはその化合物が触媒担体に担持された固体触媒の
存在下で、一酸化炭素と塩素化合物と亜硝酸エステルと
を反応させてクロロギ酸エステルを製造する方法におい
て、実用的な反応条件でクロロギ酸エステルを高い生成
速度及び高い選択率で製造できる方法を提供することを
課題とする。本発明は、また、前記の固体触媒の耐久性
を高めて、クロロギ酸エステルを長期間安定して製造で
きる方法を提供することも課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、白金族
金属もしくはその化合物が触媒担体に担持された固体触
媒の存在下で、一酸化炭素と塩素化合物と亜硝酸エステ
ルとを反応させてクロロギ酸エステルを製造する方法に
おいて、触媒担体として、平均細孔径が40〜1000
Åの範囲内にあり、かつ細孔容積が0.2〜1.5mL
/gの範囲内にある、スピネル型構造を有する多孔質の
リチウム・アルミネート触媒担体を用いることを特徴と
するクロロギ酸エステルの製造方法によって達成され
る。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳しく説明する。
本発明で使用されるスピネル型構造を有する多孔質のリ
チウム・アルミネート触媒担体は、平均細孔径が40〜
1000Åの範囲内にあり、かつ細孔容積が0.2〜
1.5mL/gの範囲内にあるものである。
【0006】このリチウム・アルミネート触媒担体は、
組成式 LiX Al5 (15+X)/2(但し、xは0.5〜1.5、
好ましくは0.7〜1.3、更に好ましくは0.7〜
1.0) で表される化合物であることが好ましい。そして、この
多孔質リチウム・アルミネート触媒担体は、X線回折に
よれば、LiAl5 8 で表される化合物の結晶構造に
起因する回折線のみが現れるか、あるいはLiAl5
8 で表される化合物の結晶構造に起因する回折線とLi
AlO2 で表される化合物の結晶構造に起因する回折線
とが現れる化合物である。
【0007】また、本発明のリチウム・アルミネート触
媒担体は、その比表面積(BET比表面積)が30〜3
00m2 /g、特に50〜200m2 /gの範囲のもの
であることが好ましい。
【0008】前記のリチウム・アルミネート触媒担体
は、(1)比表面積が30m2 /g以上、好ましくは3
0〜300m2 /gのアルミナ粒子をリチウム塩水溶液
に浸した後、これを乾燥し、次いで500℃以上の温度
で焼成する方法、又は(2)アルミナゾルとリチウム塩
水溶液を混合した後、これを乾燥し、次いで500℃以
上の温度で焼成する方法によって製造することができ
る。
【0009】本発明の多孔質リチウム・アルミネート触
媒担体は、例えば、第1の方法により次のように製造さ
れる。即ち、まず、硝酸リチウム、水酸化リチウム等の
リチウム塩を水に溶解させてリチウム塩水溶液(リチウ
ム塩濃度1〜5モル/L、好ましくは1.5〜3モル/
L)を調製する。そして、このリチウム塩水溶液に、ア
ルミナ粒子中のアルミニウム成分に対してリチウム成分
が約1/5(原子比)になるように、前記のアルミナ粒
子(市販されている)を浸漬し、次いでロータリーエバ
ポレーターなどで水を蒸発させて、アルミナ粒子にリチ
ウム塩水溶液を吸着(あるいは付着)させる。その後、
このアルミナ粒子を乾燥し(例えば110℃で10時
間)、次いで500℃以上、好ましくは700〜100
0℃の温度で焼成することにより、リチウム塩の分解を
経て、本発明のスピネル型構造を有する多孔質リチウム
・アルミネート触媒担体を得ることができる。なお、本
発明の多孔質リチウム・アルミネート触媒担体は、製造
途中あるいは製造後に、必要であれば篩などを用いて適
宜整粒することができる。
【0010】また、本発明の多孔質リチウム・アルミネ
ート触媒担体は、例えば、第2の方法により次のように
製造される。即ち、アルミナゾルと前記のリチウム塩水
溶液を、アルミナゾル中のアルミニウム成分に対してリ
チウム成分が約1/5(原子比)になるような量で混合
し、次いでロータリーエバポレーターなどで水を蒸発さ
せる。その後、得られたアルミナゾルとリチウム塩の混
合物を乾燥し(例えば110℃で10時間)、次いで5
00℃以上、好ましくは700〜1000℃の温度で焼
成することにより、リチウム塩の分解を経て、本発明の
スピネル型構造を有する多孔質リチウム・アルミネート
触媒担体を得ることができる。なお、前記の乾燥の前
に、アルミナゾルとリチウム塩の混合物を押し出し成型
してペレット状とした後、焼成を行うこともできる。ま
た、この方法においても、第1の方法の場合と同様に適
宜整粒することができる。
【0011】本発明の多孔質リチウム・アルミネート触
媒担体は、その上に白金族金属もしくはその化合物、及
び必要に応じて副成分を一酸化炭素と塩素化合物と亜硝
酸エステルを原料とするクロロギ酸エステルの製造にお
いて、優れた特性を有する触媒となる。白金族金属もし
くはその化合物及び副成分等の触媒成分は、含浸法、蒸
発乾固法等の公知の方法によって担持される。なお、こ
れら触媒成分が担持された多孔質リチウム・アルミネー
ト触媒担体の細孔特性及び比表面積は、担持前と実質的
に同一である。
【0012】前記の白金族金属としては、パラジウム、
白金、ルテニウム、ロジウム等を挙げることができる。
また、白金族金属の化合物としては、これら白金族金属
のハロゲン化物(塩化物、臭化物等)、無機酸塩(硝酸
塩、硫酸塩、リン酸塩等)、有機酸塩(酢酸塩、安息香
酸塩等)を挙げることができる。白金族金属の化合物を
具体的に挙げれば、ハロゲン化物としては、塩化パラジ
ウム、臭化パラジウム、テトラクロロパラジウム酸リチ
ウム、テトラクロロパラジウム酸ナトリウム、テトラク
ロロパラジウム酸カリウム、塩化白金、塩化ルテニウ
ム、塩化ロジウム、臭化ロジウム等が挙げられ、無機酸
塩としては、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、リン酸
パラジウム、硝酸ロジウム、硫酸ロジウム等が挙げら
れ、有機酸塩としては、酢酸パラジウム、安息香酸パラ
ジウム、酢酸ロジウム等が挙げられる。白金族金属もし
くはその化合物では白金族金属化合物が好ましく、白金
族金属化合物の中では、パラジウム、ルテニウム、ロジ
ウムのハロゲン化物及び硫酸塩が好ましい。その中でも
塩化パラジウムが特に好ましい。多孔質リチウム・アル
ミネート触媒担体への白金族金属もしくはその化合物の
担持量は、白金族金属換算量として、触媒担体に対して
通常0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜2重量%
である。
【0013】本発明では、白金族金属もしくはその化合
物以外に、副成分として各種の触媒成分を併用すること
ができる。このような触媒成分としては、例えば、鉄、
銅、ビスマス、コバルト、ニッケル及びスズなどから選
ばれる少なくとも1種の金属の化合物、例えば、ハロゲ
ン化物(塩化物、臭化物等)、無機酸塩(硝酸塩、硫酸
塩、リン酸塩等)、有機酸塩(酢酸塩等)が挙げられ
る。また、バナジウム、モリブデン、タングステン等の
化合物、例えば酸化物、金属酸塩も挙げられる。具体的
には、例えば、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化
タングステン等の酸化物や、バナジン酸アンモニウム、
モリブデン酸アンモニウム、タングステンアンモニウム
等の金属酸塩も挙げることができる。更に、ランタン、
セリウム、プラセオジム、ネオジウム、プロメチウム、
サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウ
ム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム等のランタ
ノイド系金属の化合物、例えば、酸化物、ハロゲン化物
(塩化物、臭化物等)、無機酸塩(硝酸塩、炭酸塩等)
も挙げることができる。多孔質リチウム・アルミネート
触媒担体への副成分の担持量は、白金族金属1グラム原
子当量に対して通常0.1〜50グラム原子当量、好ま
しくは0.5〜20グラム原子当量である。
【0014】亜硝酸エステルとしては公知のものを使用
することができる。その例としては、亜硝酸メチル、亜
硝酸エチル、亜硝酸n(又はi−)プロピル、亜硝酸n
(又はi−、sec−)ブチル等の炭素数1〜4の亜硝
酸アルキルエステルや、亜硝酸シクロペンチル、亜硝酸
シクロヘキシル等の炭素数5〜8の亜硝酸シクロアルキ
ルエステルや、亜硝酸ベンジル、亜硝酸フェネチル等の
亜硝酸アラルキルエステルを挙げることができる。
【0015】これらの亜硝酸エステルは、例えば、亜硝
酸ナトリウム水溶液の硝酸もしくは硫酸分解により一酸
化窒素(NO)と二酸化窒素(NO2 )との混合ガスを
発生させ、次いで混合ガス中の一酸化窒素の一部を分子
状酸素で酸化して、NO/NO2 =1/1のNOX ガス
を得た後、これにアルコールを接触させる方法、あるい
は一酸化炭素、塩素化合物及び亜硝酸エステルからクロ
ロギ酸エステルを製造する反応で副生する一酸化窒素を
回収して、これに分子状酸素とアルコールを接触させる
方法などにより得ることができる。工業的には、後者の
方法により亜硝酸エステルを製造して、連続的にクロロ
ギ酸エステルの製造と亜硝酸エステルの製造を行うこと
が好ましい。また、亜硝酸エステルは、アルコールと前
記のNOX ガスを接触させる方法や、アルコールと硝酸
と一酸化炭素を接触させる方法によっても得られるの
で、反応器に、アルコール、前記のNOX ガス、一酸化
炭素及び塩素化合物を供給するか、又はアルコール、硝
酸、一酸化炭素及び塩素化合物を供給して、亜硝酸エス
テルの製造とクロロギ酸エステルの製造を連続して行う
ことも可能である。
【0016】塩素化合物としては、塩化水素、塩素又は
塩化ニトロシルが使用される。これらの塩素化合物は、
通常、一酸化炭素、塩素化合物及び亜硝酸エステル、更
には窒素ガス等の不活性ガスを含む原料ガスとして反応
器に供給される。原料ガス中の塩素化合物1モルに対し
て、亜硝酸エステルは0.1〜100モル、好ましくは
0.5〜50モル存在させるのが好ましく、一酸化炭素
は1〜100モル、好ましくは0.5〜50モル存在さ
せるのが好ましい。また、原料ガス中の塩素化合物の濃
度は0.1〜50容量%、特に0.5〜10容量%であ
ることが好ましい。
【0017】原料ガス中の亜硝酸エステルの濃度は、安
全上及び反応効率の観点から、5〜20容量%であるこ
とが好ましい。また、原料ガス中の一酸化炭素の濃度は
80容量%まで可能であるが、工業的には3〜20容量
%とすることが好ましい。なお、一酸化炭素は、亜硝酸
エステル1モルに対して0.1〜10モル、特に0.2
5〜5モル存在させることが好ましい。
【0018】本発明の反応は、20〜200℃、好まし
くは30〜140℃、更に好ましくは40〜100℃の
反応温度で、常圧下もしくは1〜20kg/cm2 Gの
加圧下で行われる。このとき、原料ガスは、通常500
〜20000hr-1の空間速度で反応器に供給される。
なお、本発明の反応は、気相又は液相で、バッチ式又は
連続式のいずれの方法でも行うことができ、触媒は固定
床、流動床などの任意の形態で反応系に存在させること
ができる。工業的には気相連続式の製造プロセスが有利
で、例えば、前記の多孔質リチウム・アルミネート触媒
担体に白金族金属もしくはその化合物が担持された固体
触媒が充填された反応器に、前記の原料ガスを供給する
方法で行うことが好ましい。
【0019】本発明の反応により、目的のクロロギ酸エ
ステルが生成し、同時に一酸化窒素や微量の炭酸エステ
ルなどが副生する。クロロギ酸エステルは、反応器から
取り出される、これらの生成物や未反応の原料を含む反
応ガスを凝縮させた後、蒸留などの方法を利用して分離
精製される。
【0020】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明する。なお、クロロギ酸メチルの空時収量及
び選択率は次式により求めた。
【0021】
【数1】
【0022】
【数2】
【0023】
【数3】
【0024】実施例1 〔触媒担体の製造〕硝酸リチウム水溶液(濃度1.96
モル/L)60mLに、市販アルミナ触媒担体(球状、
平均粒径2mm、比表面積193m2 /g)30gを1
時間浸漬し、その後、ロータリーエバポレーターを用い
て水分を蒸発させた。次いで、残留物を空気中で110
℃で10時間乾燥させて、硝酸リチウム付着アルミナ成
形体を得た。この硝酸リチウム付着アルミナ成形体を、
空気中、350℃で1時間、500℃で5時間、そして
800℃で5時間焼成して、Li/Al(原子比)=1
/5のリチウム・アルミネート(LiAl5 8 )を得
た。
【0025】得られたリチウム・アルミネートのX線回
折測定を行ったところ、図1に示されるX線回折チャー
ト(CuKα線)から、生成したリチウム・アルミネー
トはスピネル型構造を有していることが確認された。ま
た、このリチウム・アルミネートの細孔分布と平均細孔
径を水銀圧入法により測定したところ、平均細孔径は2
48Åであった。なお、細孔容積は0.48mL/gで
あった。BET比表面積を測定したところ、57m2
gであった。
【0026】実施例2〜6 〔触媒担体の製造〕実施例1の方法を用いて、硝酸リチ
ウム水溶液とアルミナ成形体の量を変えることにより、
Li/Al(原子比)が種々の値を示すリチウム・アル
ミネートを得た。得られたリチウム・アルミネートの平
均細孔径、細孔容積及び比表面積を表1に示す。なお、
これらリチウム・アルミネートはX線回折測定によりい
ずれもスピネル型構造を有していることが確認された。
【0027】
【表1】
【0028】実施例7 〔触媒担体の製造〕硝酸リチウム8.115gを純水3
00mLに溶解させて硝酸リチウム水溶液を調製した。
この水溶液を60℃に加熱して、攪拌しながら、Al2
3 としての換算値で20重量%のアルミナゾル(アル
ミナゾル−520;日産化学製)150gを徐々に加
え、1時間攪拌して熟成させた。得られたスラリーをロ
ータリーエバポレーターに移してスラリーから余分の水
分を蒸発させた後、押し出し成型して粒状物を得た。こ
の成型粒状物を、空気中、60℃で16時間、更に11
0℃で10時間乾燥させ、得られた乾燥物を粒径3m
m、長さ4mmの大きさに整粒した。次いで、これを、
空気中、350℃で1時間、500℃で3時間、更に7
00℃で5時間焼成して、Li/Al(原子比)=1/
5のリチウム・アルミネート(LiAl5 8 )を得
た。
【0029】得られたリチウム・アルミネートのX線回
折測定を行ったところ、図2に示されるX線回折チャー
ト(CuKα線)から、生成したリチウム・アルミネー
トはスピネル型構造を有していることが確認された。ま
た、このリチウム・アルミネートの細孔分布と平均細孔
径を水銀圧入法により測定したところ、細孔分布は50
〜250Åの範囲内にあり、平均細孔径は144Åであ
った。なお、細孔容積は0.30mL/gであった。B
ET比表面積を測定したところ、80m2 /gであっ
た。
【0030】実施例8 〔触媒担体の製造〕硝酸リチウムの量を6.492gに
変え、リチウム・アルミネートを得るための最終焼成温
度を800℃に変えたほかは、実施例7と同様にしてL
i/Al(原子比)=0.8/5のリチウム・アルミネ
ート(Li0.8 Al5 7.9 )を得た。得られたリチウ
ム・アルミネートの平均細孔径、細孔容積及び比表面積
を表1に示す。なお、このリチウム・アルミネートはX
線回折測定によりスピネル型構造を有していることが確
認された。
【0031】実施例9 〔固体触媒の製造〕実施例1で得られたリチウム・アル
ミネートに、塩化パラジウムと塩化第二銅のアンモニア
水溶液を含浸させて、触媒担体に対して、塩化パラジウ
ムがその金属換算量として1重量%、塩化第二銅がその
金属換算量として1.2重量%担持されるように、塩化
パラジウムと塩化第二銅を担持した。次いで、空気中
で、これを120℃で乾燥し、更に200℃で焼成し
て、塩化パラジウムと塩化第二銅が担持された固体触媒
を得た。実施例2〜8で得られたリチウム・アルミネー
トについても同様に固体触媒を調製した。なお、パラジ
ウム及び銅の担持量は原子吸光分析により測定した。
【0032】〔クロロギ酸メチルの製造〕固定床気相流
通反応装置を用い、上記の固体触媒の存在下で、一酸化
炭素と塩素と亜硝酸メチルとを反応させてクロロギ酸メ
チルを製造した。反応条件を次に示し、反応結果を表2
に示す。なお、分析はガスクロマトグラフィー及びイオ
ンクロマトグラフィーにより行った。 原料ガス組成 :一酸化炭素10容量%、塩化水素0.5容量%、亜硝酸メ チル10容量%(残余は窒素ガス) 反応温度 :60℃ 反応時間 :10時間 触媒量 :6.7mL 原料ガス供給条件:空間速度3000hr-1(STP換算) 圧力3kg/cm2
【0033】
【表2】
【0034】また、上記の固体触媒の耐久性を確認する
ために、実施例1〜4及び7で得られたリチウム・アル
ミネートを用いて調製した固体触媒について上記の反応
を20日間継続し、実施例8で得られたリチウム・アル
ミネートを用いて調製した固体触媒について上記の反応
を300時間継続したが、添加率及び空時収量の目立っ
た低下はいずれも認められなかった。
【0035】比較例1 〔固体触媒の製造〕γ−アルミナ(比表面積175m2
/g、平均細孔径125Å;水沢化学製)に、塩化パラ
ジウムと塩化第二銅のアンモニア水溶液を含浸させて、
触媒担体に対して、塩化パラジウムがその金属換算量と
して1重量%、塩化第二銅がその金属換算量として1.
2重量%担持されるように、塩化パラジウムと塩化第二
銅を担持した。次いで、空気中で、これを110℃で乾
燥し、更に200℃で焼成して、塩化パラジウムと塩化
第二銅が担持された固体触媒を得た。この触媒の比表面
積は169m2 /gであった。
【0036】〔クロロギ酸メチルの製造〕上記の固体触
媒の存在下で、実施例9と同様に反応させてクロロギ酸
メチルを製造した。反応結果を表2に示す。
【0037】比較例2 〔触媒担体の製造〕Al2 3 としての換算値で20重
量%のアルミナゾル(アルミナゾル−520;日産化学
製)を50℃で加温して熟成させた後、ロータリーエバ
ポレーターで水分を蒸発させた。これを押し出し成型し
て、粒径3mm、長さ4mmの粒状物を得て、この成型
粒状物を、空気中、110℃で10時間乾燥し、更に8
00℃で5時間焼成して、アルミナ担体を得た。
【0038】〔固体触媒の製造〕上記のアルミナ担体を
用い、比較例1と同様にして塩化パラジウムと塩化第二
銅が担持された固体触媒を得た。この触媒の比表面積は
89m2 /gであった。
【0039】〔クロロギ酸メチルの製造〕上記の固体触
媒の存在下で、実施例9と同様に反応させてクロロギ酸
メチルを製造した。反応結果を表2に示す。
【0040】
【発明の効果】本発明により、ホスゲンを用いることな
く、実用的な反応条件でクロロギ酸エステルを高い生成
速度及び高い選択率で製造することができる。更に、本
発明では、固体触媒の耐久性が高いことから、クロロギ
酸エステルを長期間安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られたリチウム・アルミネート
のX線回折チャート(CuKα線)を示す。
【図2】 実施例7で得られたリチウム・アルミネート
のX線回折チャート(CuKα線)を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白金族金属もしくはその化合物が触媒担
    体に担持された固体触媒の存在下で、一酸化炭素と塩素
    化合物と亜硝酸エステルとを反応させてクロロギ酸エス
    テルを製造する方法において、触媒担体として、平均細
    孔径が40〜1000Åの範囲内にあり、かつ細孔容積
    が0.2〜1.5mL/gの範囲内にある、スピネル型
    構造を有する多孔質のリチウム・アルミネート触媒担体
    を用いることを特徴とするクロロギ酸エステルの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 リチウム・アルミネート触媒担体が、L
    X Al5 (15+X)/2(但し、xは0.5〜1.5)で
    表されることを特徴とする請求項1記載のクロロギ酸エ
    ステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 リチウム・アルミネート触媒担体の比表
    面積が、30〜300m2 /gの範囲内にあることを特
    徴とする請求項1記載のクロロギ酸エステルの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 塩素化合物が、塩化水素、塩素又は塩化
    ニトロシルであることを特徴とする請求項1記載のクロ
    ロギ酸エステルの製造方法。
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