JPH1072373A - 懸濁液中における包接化合物の安定化方法 - Google Patents
懸濁液中における包接化合物の安定化方法Info
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- JPH1072373A JPH1072373A JP24714596A JP24714596A JPH1072373A JP H1072373 A JPH1072373 A JP H1072373A JP 24714596 A JP24714596 A JP 24714596A JP 24714596 A JP24714596 A JP 24714596A JP H1072373 A JPH1072373 A JP H1072373A
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Abstract
液剤を安定化させる。 【解決手段】 本発明は、包接化合物の懸濁液剤を安定
化させるためのものである。この包接化合物は、テトラ
キスフェノール系化合物をホスト化合物とし、5−クロ
ロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンをゲス
ト化合物とする。そして、包接化合物の懸濁液の分散媒
体は、例えば、水が用いられる。そして、懸濁液に界面
活性を有するカルボン酸系化合物やスルフォン酸系化合
物を添加することにより、包接化合物の結晶形の変化、
ゲスト化合物の溶出を防止できる。それにより、包接化
合物の懸濁液剤の安定化を図ることができる。
Description
ラキスフェノール系化合物からなる包接化合物の懸濁液
において包接化合物を安定化させる懸濁液中の包接化合
物の安定化方法に関する。
ホスト分子間の空孔にゲスト分子が入り込んだ結晶状の
粉末であり、本技術は、毒性軽減、化学的安定化、残効
性の付与等に応用されている。具体的には、水溶性殺菌
剤である5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン
−3−オン(CMI)の低毒性化、分離、徐放化を目的
に、ホスト化合物をテトラキス(ヒドロキシフェニル)
エタン(特開平5−4978)、1,1,6,6−テト
ラフェニル−2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール
(特開平3−49907)、1,1’−ビ−2−ナフト
ール(特公平3−33121)、1,1−ジ(4−ヒド
ロキシフェニル)−シクロヘキサン(特公平2−570
46)とした包接化合物が知られている。
スト化合物とするジアルキルスルフォキシド類の光学分
割方法(特公平5−21104)、1,1,6,6−テ
トラフェニル−2,4−ヘキサジイン−1,1−ジオン
をホスト化合物とする3−ピコリンの分別回収方法(特
公平5−19548)などが知られている。そして、包
接化合物の使用形態には粉剤、錠剤、液剤などがあり、
液剤の一つとして懸濁液剤がある。
ホストとする包接化合物の多くは、結晶性微粉末であ
り、これら包接化合物の取り扱いに際し、微粉末の飛散
による作業環境の汚染や、計量等の作業における作業性
の悪さを、懸濁液剤とすることにより解消することがで
きる。
剤には、一般に以下のような問題点がある。すなわち、
懸濁液剤中に分散している粒子が分散媒体に対してある
程度の溶解度を持つ場合、温度変化により結晶成長等の
変化に由来する分散粒子の沈殿、凝集を生じ、製剤の悪
化を生じる。
ー添加などの技術が提案されている。また、3−イソチ
アゾロン類を代表するCMIの水中に於ける安定化に
は、CMIをカルシウムやマグネシウム等の金属塩の錯
塩としたり、トリアゾール類やニトロアルコール類を添
加する等の種々の技術が考案されている。
物とし、テトラキスフェノール系化合物をホスト化合物
とする包接体とすることも、CMIの安定化方法の一つ
である。しかし、CMIの包接体を懸濁液剤とした場合
には、必ずしも包接体が安定ではなく、包接体から分散
媒体へのCMIの溶出に由来すると思われる包接体の結
晶変化や、溶出したCMIの分解が生じるといった問題
がある。そして、CMIの包接体から分散媒体にCMI
が飽和状態となるまで溶出しても、溶出したCMIが分
解することにより、さらにCMIが溶出することにな
り、包接体が安定しない。
であり、包接体懸濁液を物理、化学的に安定化させる懸
濁液中における包接化合物の安定化方法を提供するもの
である。
懸濁液中における包接化合物の安定化方法は、下記一般
式(1)で表されるテトラキスフェノール系化合物をホ
スト化合物とし、5−クロロ−2−メチル−4−イソチ
アゾリン−3−オンをゲスト化合物とする包接化合物の
少なくとも一種を分散媒体に分散させ、かつ、上記分散
媒体に界面活性を有するカルボン酸系化合物及びスルフ
ォン酸系化合物のうちの少なくとも一種を上記分散媒体
に添加することを特徴とするものである。
を表し、R1〜R8はそれぞれ水素原子、低級アルキル
基、ハロゲン原子、低級アルコキシ基又は置換されてい
てもよいフェニル基からなる群から選ばれるいずれか一
種を示す。)
ボン酸系化合物及びスルフォン酸系化合物のうちの少な
くとも一種の分散媒体への添加により、上記包接化合物
からの上記ゲスト化合物の溶出を抑制するとともに、分
散媒体に分散された状態の包接化合物の結晶を安定化す
ることができる。
おける包接化合物の安定化方法は、上記分散媒体が水で
あることを特徴とするものである。上記構成によれば、
分散媒体を水とすることにより、包接化合物の懸濁液が
引火性を有するようなことがなく、包接化合物の懸濁液
の取り扱いを容易なものとすることができる。
例の懸濁液中における包接化合物の安定化方法を説明す
る。この一例の懸濁液中における包接化合物の安定化方
法は、下記一般式(1)で示すホスト化合物とゲスト化
合物としての5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾ
リン−3−オンとからなる一種以上の包接化合物の微粉
末を分散媒体に分散させた懸濁液中に界面活性を有する
カルボン酸系化合物及びスルフォン酸系化合物のうちの
少なくとも一種を共存させることにより包接体の粒子変
化を防止し、しかも、ゲスト化合物の包接体からの溶出
を防ぐものである。
を表し、R1〜R8はそれぞれ水素原子、低級アルキル
基、ハロゲン原子、低級アルコキシ基又は置換されてい
てもよいフェニル基からなる群から選ばれるいずれか一
種を示す。)
ては、具体的に、例えば、1,1,2,2−テトラキス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−
テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エ
タン、1,1,2,2−テトラキス(3−ブロモ−4−
ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラ
キス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エ
タン、1,1,2,2−テトラキス(3−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テ
トラキス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1,2,2−テトラキス(3、5−ジクロロ−
4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テ
トラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エ
タン、1,1,2,2−テトラキス(3、5−ジフルオ
ロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2
−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3、5−ジ
メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,
2,2−テトラキス(3−クロロ−5−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキ
ス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、1,1,2,2−テトラキス〔4−ヒドロ
キシ−3−フェニル)フェニル〕エタン、1,1,−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−ビス(3−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3,
3−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1,3,3−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1,1,3,3−テトラキス(3−クロロ−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラ
キス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−フルオロ−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−
テトラキス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−フ
ェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,
4,4−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、1,1,4,4−テトラキス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、1,1,4,4−テトラキス(3−クロロ−4−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキ
ス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、1,1,4,4−テトラキス(3−フルオロ−4−
ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラ
キス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)
ブタン等を挙げることができる。
記のように5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリ
ン−3−オン(CMI)が用いられる。そして、懸濁液
においては、ホスト化合物の異なる二種以上の包接化合
物を混合して調製しても良いし、上述の包接化合物に上
述の包接化合物以外の化合物を混合して調製しても良
い。
含有量は、通常0.1重量%〜70重量%であり、好ま
しくは1重量%〜40重量%である。また、上述の包接
化合物を分散させる分散媒体としては、毒性や引火性等
の危険性の面から水が最も望ましいが、必要に応じてパ
ラフィン系炭化水素、シクロパラフィン系炭化水素、芳
香族系炭化水素等の鉱物油、コーン油、大豆油等の植物
油、アルコール、エーテル、エステル系等の中で上記包
接化合物を溶解しない有機溶媒等も使用することが可能
である。
30重量%〜99重量%である。界面活性を有する上記
カルボン酸系化合物及びスルフォン酸系化合物として
は、一般に湿潤剤、分散剤として用いられているポリカ
ルボン酸系化合物及びスルフォン酸系化合物を用いるこ
とができ、例えば、ナフタレンスルフォン酸塩のホルマ
リン縮合物、アルキルナフタレンスルフォン酸塩のホル
マリン縮合物、ポリスチレンスルフォン酸塩、ポリアク
リル酸塩、ジイソブチレンとマレイン酸の共重合物の塩
等のポリカルボン酸塩が挙げられる。
ましい。また、上述の懸濁液には、必要に応じ懸濁安定
化剤、pH調節剤、凝固点降下剤、消泡剤、比重調節剤
等を添加することができる。上記懸濁液安定化剤として
は、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセル
ロース、ポリビニルアルコール、グアーガム、キサンタ
ンガム、ナトリウム系モンモリロナイト、シリカ等が挙
げられれ、特にキサンタンガムや微量のアルカリ金属塩
を添加したモンモリロナイトが有用である。
マグネシウムなどの多価金属や他成分を含有することに
よっては当初の物性が得られないこともあり、上述の各
成分となる化合物において、一般名が同じでも、化合物
を製造するメーカーが異なる場合に、懸濁液の物性が異
なる可能性がある。
法により行うことができ、例えば、上述の懸濁液の各成
分を十分混合した後、湿式粉砕機で微粉砕する方法や、
上記包接化合物を予めジェットミル等の乾式粉砕機で粉
砕し、次いで他の成分を添加し、十分混合する方法など
により懸濁液を調製することができる。なお、懸濁液中
の包接化合物の平均粒径はおおよそ10ミクロン以下、
好ましくは5ミクロン以下である。
濁液に、潤滑剤、分散剤としても用いられ、界面活性を
有するカルボン酸系化合物及びスルフォン酸系化合物の
少なくとも一種を添加することにより、懸濁液中の上記
包接化合物の結晶成長等の結晶形の変化と、上記包接化
合物におけるゲスト化合物の溶出とを防ぐことができ
る。
説明する。 (実施例1)ホスト化合物1,1,2,2−テトラキス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン(TEP)とゲスト
化合物CMIの包接化合物45g、水249g、界面活
性を有するポリカルボン酸系化合物としてOROTAN
731SD(ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会
社)6gを混合し、粉砕機のDISPERMAT SL
(3000rpm、30分)で粉砕した。この粉砕物1
50gに予め調製しておいた懸濁安定化剤(キサンタン
ガム)としてのロードポール−23(ローヌ・プーラン
ジャパン株式会社)の0.46%水溶液を150g加
え、再び十分攪拌し、ポリカルボン酸系化合物としてO
ROTAN731SDを1.0重量%含み、包接化合物
を7.5重量%含む懸濁液300gを得た。
のマヨネーズ瓶に入れ、50℃の恒温槽に一ヶ月間静置
した後、試料を光学顕微鏡で観察し、結晶形の変化を観
察、判定した。また、調製直後の懸濁液を室温で減圧乾
燥して、熱分析(TG)を行うとともに、50℃の恒温
槽に一ヶ月間静置した懸濁液を室温で減圧乾燥して、熱
分析(TG)を行った。
てのOROTAN731SDに代えて界面活性を有する
スルフォン酸系化合物(ナフタレンホルマリン縮合物)
としてのニューカルゲンPS−P(竹本油脂株式会社)
を用い、上記実施例1と同様の手順で、スルフォン酸系
化合物としてニューカルゲンPS−Pを1.0重量%含
み、包接化合物を7.5重量%含む懸濁液300gを得
た。そして、実施例1と同様の条件で、この懸濁液を一
ヶ月間静置した後、試料を光学顕微鏡で観察し、結晶形
の変化を観察、判定した。
てのOROTAN731SDに代えて界面活性を有する
ポリカルボン酸系化合物としてのポリテイA−530
(ライオン株式会社)を用い、上記実施例1と同様の手
順で、ポリカルボン酸系化合物としてポリテイA−53
0を2.5重量%含み、包接化合物を7.5重量%含む
懸濁液300gを得た。そして、実施例1と同様の条件
で、この懸濁液を一ヶ月間静置した後、試料を光学顕微
鏡で観察し、結晶形の変化を観察、判定した。
てのOROTAN731SDに代えて界面活性を有する
スルフォン酸系化合物(アルキルメチルタウリン系)と
してのポリタックTE−P(ライオン株式会社)を用
い、上記実施例1と同様の手順で、スルフォン酸系化合
物としてポリタックTE−Pを4.0重量%含み、包接
化合物を7.5重量%含む懸濁液300gを得た。そし
て、実施例1と同様の条件で、この懸濁液を一ヶ月間静
置した後、試料を光学顕微鏡で観察し、結晶形の変化を
観察、判定した。
てのOROTAN731SDに加えて界面活性を有する
ポリカルボン酸系化合物としてのポリテイA−530を
用い、上記実施例1と同様の手順で、ポリカルボン酸系
化合物としてOROTAN731SDを1.0重量%含
むとともにポリテイA−530を0.5重量%含み、包
接化合物を7.5重量%含む懸濁液300gを得た。そ
して、実施例1と同様の条件で、この懸濁液を一ヶ月間
静置した後、試料を光学顕微鏡で観察し、結晶形の変化
を観察、判定した。
ポール−23(キサンタンガム)に代えてKIA112
(ラムザンガム、三晶株式会社)を用い、上記実施例1
と同様の手順で、ポリカルボン酸系化合物としてORO
TAN731SDを0.5重量%含み、包接化合物を
7.5重量%含む懸濁液300gを得た。そして、実施
例1と同様の条件で、この懸濁液を一ヶ月間静置した
後、試料を光学顕微鏡で観察し、結晶形の変化を観察、
判定した。
ポール−23(キサンタンガム)に代えてKIA112
(ラムザンガム)を用い、上記実施例1と同様の手順
で、ポリカルボン酸系化合物としてOROTAN731
SDを2.0重量%含み、包接化合物を7.5重量%含
む懸濁液300gを得た。そして、実施例1と同様の条
件で、この懸濁液を一ヶ月間静置した後、試料を光学顕
微鏡で観察し、結晶形の変化を観察、判定した。
てのOROTAN731SDに代えてスルフォン酸系化
合物としてのニューカルゲンPS−Pを用い、かつ、懸
濁安定化剤として、ロードポール−23に代えてKIA
112を用い、上記実施例1と同様の手順で、スルフォ
ン酸系化合物としてニューカルゲンPS−Pを2.0重
量%含み、包接化合物を7.5重量%含む懸濁液300
gを得た。そして、実施例1と同様の条件で、この懸濁
液を一ヶ月間静置した後、試料を光学顕微鏡で観察し、
結晶形の変化を観察、判定した。
てのOROTAN731SDに代えてポリカルボン酸系
化合物としてのポリテイA−530を用い、かつ、懸濁
安定化剤として、ロードポール−23に代えてKIA1
12を用い、上記実施例1と同様の手順で、ポリカルボ
ン酸系化合物としてポリテイA−530を2.0重量%
含み、包接化合物を7.5重量%含む懸濁液300gを
得た。そして、実施例1と同様の条件で、この懸濁液を
一ヶ月間静置した後、試料を光学顕微鏡で観察し、結晶
形の変化を観察、判定した。
行った。 (比較例1)ポリカルボン酸系化合物としてのOROT
AN731SDと懸濁安定化剤としてのロードポール−
23を無添加として、上記実施例1と同様の手順で、包
接化合物を7.5重量%含み、かつ、ポリカルボン酸系
化合物及びスルフォン酸系化合物と懸濁安定化剤とを含
まない懸濁液300gを得た。そして、実施例1と同様
の条件で、この懸濁液を一ヶ月間静置した後、試料を光
学顕微鏡で観察し、結晶形の変化を観察、判定した。ま
た、調製直後の懸濁液を室温で減圧乾燥して、熱分析
(TG)を行うとともに、50℃の恒温槽に一ヶ月間静
置した懸濁液を室温で減圧乾燥して、熱分析(TG)を
行った。
てのOROTAN731SDと懸濁安定化剤としてのロ
ードポール−23を無添加として、上記実施例1と同様
の手順で、包接化合物を7.6重量%含み、かつ、ポリ
カルボン酸系化合物及びスルフォン酸系化合物を含まな
い懸濁液300gを得た。そして、実施例1と同様の条
件で、この懸濁液を一ヶ月間静置した後、試料を光学顕
微鏡で観察し、結晶形の変化を観察、判定した。
てのOROTAN731SDに代えてスルフォン酸系化
合物としての1−ナフタレンスルフォン酸Naを用い、
上記実施例1と同様の手順で、界面活性を持たないスル
フォン酸系化合物として1−ナフタレンスルフォン酸N
aを2.0重量%含み、かつ、包接化合物を7.5重量
%含む懸濁液300gを得た。
てのOROTAN731SDに代えてスルフォン酸系化
合物としての2−ナフタレンスルフォン酸Naを用い、
上記実施例1と同様の手順で、界面活性を持たないスル
フォン酸系化合物として2−ナフタレンスルフォン酸N
aを2.0重量%含み、かつ、包接化合物を7.5重量
%含む懸濁液300gを得た。
てのOROTAN731SDに代えて界面活性を持たな
いスルフォン酸系化合物としてのベンゼンスルフォン酸
Naを用い、上記実施例1と同様の手順で、スルフォン
酸系化合物としてベンゼンスルフォン酸Naを2.0重
量%含み、かつ、包接化合物を7.5重量%含む懸濁液
300gを得た。
てのOROTAN731SDに代えて界面活性を有する
スルフォン酸系化合物としてのニューカルゲンPS−P
と、アルキルエーテルサルフェート系化合物であるニュ
ーカルゲンLX−C(竹本油脂株式会社)を用い、上記
実施例1と同様の手順で、スルフォン酸系化合物として
ニューカルゲンPS−Pを1.0重量%含むとともにア
ルキルエーテルサルフェート系化合物であるニューカル
ゲンLX−Cを0.3重量%含み、かつ、包接化合物を
7.5重量%含む懸濁液300gを得た。そして、実施
例1と同様の条件で、この懸濁液を一ヶ月間静置した
後、試料を光学顕微鏡で観察し、結晶形の変化を観察、
判定した。
る光学顕微鏡での観察、判定結果を表1及び表2に示
す。
物の懸濁液に湿潤剤や分散剤として用いられるポリカル
ボン酸系化合物やスルフォン酸系化合物を添加した実施
例1〜9においては、50℃で一ヶ月経過しても結晶形
の変化は認められないが、上記包接化合物の懸濁液にポ
リカルボン酸系化合物やスルフォン酸系化合物を添加し
なかった比較例1及び比較例2においては、結晶形が変
化し、元の微粉状の結晶が、針状の結晶に成長してい
た。
ルボン酸系化合物やスルフォン酸系化合物を添加するこ
とにより、結晶の粒子形の変化を防止できることがわか
る。また、実施例5に示すように二種のポリカルボン酸
系化合物を添加したものについても、結晶の粒子形の変
化を防止できることが確認できた。
面活性を持たない芳香族系のスルフォン酸であるベンゼ
ンスルフォン酸Na及びナフタレンスルフォン酸では、
結晶の粒子形が針状に変化したことが認められ、結晶の
粒子系の変化を抑制する効果が認められなかった。ま
た、実験例6〜9に示すように懸濁安定化剤の種類を変
更しても、結晶の粒子形の変化を防止できたが、比較例
6に示すようにスルフォン酸系化合物に加えて他の化合
物を添加することにより結晶の粒子形の変化を防止でき
ない場合があった。
活性を有するカルボン酸系化合物やスルフォン酸系化合
物を添加するものとしても、懸濁液中に成分によって
は、結晶形の粒子形の変化を防止できない可能性もあ
り、懸濁液に添加される各種添加剤を選択する際に注意
する必要がある。
の懸濁液の熱分析結果を示すグラフである。図1及び図
2は、実施例1のカルボン酸系化合物としてのOROT
AN731SDが添加された懸濁液を熱分析した結果を
示すものである。そして、図1は調製直後の懸濁液の熱
分析結果であり、図2は50℃で一ヶ月経過した懸濁液
の熱分析結果である。
ン酸系化合物及びスルフォン酸系化合物を添加されなか
った懸濁液を熱分析した結果を示すものである。そし
て、図3は調製直後の懸濁液の熱分析結果であり、図4
は50℃で一ヶ月経過した懸濁液の熱分析結果である。
また、図1〜図4において、符号aで示される曲線はT
G曲線を示し、符号bで示される曲線はDTA曲線を示
す。
示される降下部分は、ゲスト化合物であるCMIに由来
するものであり、符号Tで示される降下部分はホスト化
合物であるTEPに由来するものである。図1及び図2
の熱分析結果に示されるように、実施例1のポリカルボ
ン酸系化合物を添加された包接化合物の懸濁液では、調
製直後と50℃で一ヶ月経過した後とで、TG曲線及び
DTA曲線にほとんど変化が認められず、懸濁液中の包
接化合物が安定な状態であったことを示している。
るように、比較例1のポリカルボン酸系化合物及びスル
フォン酸系化合物無添加の包接化合物の懸濁液では、調
製直後と50℃で一ヶ月経過した後とで、TG曲線及び
DTA曲線に変化が認めら、特に、CMIに由来するT
G曲線の降下部分(C)と、DTA曲線の負のピーク部
分に違いが認められる。このような変化は、一ヶ月経過
した懸濁液中の包接化合物において、CMIの溶出及び
溶出したCMIの分解が起こったことによるものと思わ
れる。
に界面活性を有するカルボン酸系化合物やスルフォン酸
系化合物を添加することにより、結晶の粒子形の変化を
防止できるだけではなく、包接化合物からのゲスト化合
物の溶出を防ぐことができることが確認された。これ
は、包接化合物中のホスト化合物であるテトラキスフェ
ノール系化合物の水酸基とカルボン酸系化合物やスルフ
ォン酸系化合物とが、例えば、水素結合するなどして、
懸濁液中において、包接化合物のまわりをカルボン酸系
化合物やスルフォン酸系化合物が囲んだ状態となり、包
接化合物からのCMIの溶出を阻害し、CMIの溶出が
阻害されることにより、結晶形が維持されるものと思わ
れる。
る包接化合物の安定化方法によれば、テトラキスフェノ
ール系化合物をホスト化合物とし、5−クロロ−2−メ
チル−4−イソチアゾリン−3−オンをゲスト化合物と
する包接化合物の懸濁液に、カルボン酸系化合物及びス
ルフォン酸系化合物のうちの少なくとも一種を添加する
ことにより、懸濁液中において上記包接化合物からの上
記ゲスト化合物の溶出を防止するとともに、上記包接化
合物の結晶の粒子形の変化を防止して、上記包接化合部
の懸濁液を安定化することができる。本発明の請求項2
記載の懸濁液中における包接化合物の安定化方法によれ
ば、上記分散媒体を水とすることにより、取り扱いを容
易なものとすることができる。
ラフである。
ラフである。
ラフである。
ラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるテトラキス
フェノール系化合物をホスト化合物とし、5−クロロ−
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンをゲスト化
合物とする包接化合物の少なくとも一種を分散媒体に分
散させ、かつ、上記分散媒体に界面活性を有するカルボ
ン酸系化合物及びスルフォン酸系化合物のうちの少なく
とも一種を添加することを特徴とする懸濁液中における
包接化合物の安定化方法。 【化1】 (式中、Xは(CH2)nを表し、nは0、1、2又は3
を表し、R1〜R8はそれぞれ水素原子、低級アルキル
基、ハロゲン原子、低級アルコキシ基又は置換されてい
てもよいフェニル基からなる群から選ばれるいずれか一
種を示す。) - 【請求項2】 上記分散媒体が水であることを特徴とす
る請求項1記載の懸濁液中における包接化合物の安定化
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24714596A JPH1072373A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 懸濁液中における包接化合物の安定化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24714596A JPH1072373A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 懸濁液中における包接化合物の安定化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1072373A true JPH1072373A (ja) | 1998-03-17 |
Family
ID=17159109
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24714596A Pending JPH1072373A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 懸濁液中における包接化合物の安定化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1072373A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002316953A (ja) * | 2001-04-18 | 2002-10-31 | Nippon Soda Co Ltd | 分子化合物の製造方法 |
-
1996
- 1996-08-28 JP JP24714596A patent/JPH1072373A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002316953A (ja) * | 2001-04-18 | 2002-10-31 | Nippon Soda Co Ltd | 分子化合物の製造方法 |
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