JPH1071422A - 鋼管の製造方法および製造設備列 - Google Patents

鋼管の製造方法および製造設備列

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JPH1071422A
JPH1071422A JP9159655A JP15965597A JPH1071422A JP H1071422 A JPH1071422 A JP H1071422A JP 9159655 A JP9159655 A JP 9159655A JP 15965597 A JP15965597 A JP 15965597A JP H1071422 A JPH1071422 A JP H1071422A
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裕二 橋本
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Akira Yorifuji
章 依藤
Toshio Onishi
寿雄 大西
Nobuki Tanaka
伸樹 田中
Yoshinori Sugie
善典 杉江
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康二 菅野
Masanori Nishimori
正徳 西森
Yoshitomo Okabe
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  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたシーム品質及び表面肌を有する鋼管を
高い生産性でかつ小ロット多品種生産に対応した製造が
できる誘導加熱方式による鋼管の製造方法を提案する。 【解決手段】 帯鋼を予熱し、成形ロール群により連続
的に成形しオープン管とし、該オープン管の両エッジ部
に、誘導加熱によりキュリー点以上、好ましくは1300℃
未満の温度のエッジ予熱および、誘導加熱により1300℃
以上、融点未満の温度域へのエッジ加熱を施したのち、
スクイズロールで衝合圧接し鋼管として125 〜725 ℃で
絞り圧延を施す。その際、圧接後、接合部が1300℃以上
に0.03sec以上または雰囲気中の酸素濃度に応じた時間
保持されるのが好ましい。さらに、前記帯鋼の予熱は80
0 ℃以下、また、エッジ予熱、エッジ加熱および圧接
は、大気より低い酸素濃度雰囲気中で行うのが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼管の製造方法お
よび製造設備列に関し、とくに、固相圧接による鋼管の
製造方法および製造設備列に関する。
【0002】
【従来の技術】溶接鋼管は、鋼板または鋼帯を管状に成
形しその継目を溶接したもので、小径から大径まで各種
の製造法によりつくられているが、主な製造法として、
電気抵抗溶接(電縫)、鍛接、電弧溶接によるものが挙
げられる。小径〜中径鋼管用としては、高周波電流を利
用した電気抵抗溶接法(電気抵抗溶接鋼管、電縫管)が
主として利用されている。この方法は、連続的に帯鋼を
供給し、成形ロールで管状に成形してオープン管とし、
続いて高周波電流によりオープン管の両エッジ部端面を
鋼の融点以上に加熱した後、スクイズロールで両エッジ
部端面を衝合溶接して鋼管を製造する方法である(例え
ば、第3版鉄鋼便覧第III 巻(2)1056〜1092頁)。
【0003】上記した高周波電流を利用した電縫管の製
造方法では、オープン管の両エッジ部端面を鋼の融点以
上に加熱するため、電磁力の影響により溶鋼が流動し、
生成された酸化物が衝合溶接部に噛み込まれペネトレー
タ等の溶接欠陥あるいは、溶鋼飛散(フラッシュ)が発
生しやすいという問題があった。この問題に対し、例え
ば、特開平2-299782号公報には、2つの加熱装置を有す
る電縫鋼管の製造法が提案されている。第1の加熱装置
でオープン管の両側エッジ部の温度をキュリー点以上に
加熱し、第2の加熱装置で更に融点以上に加熱し、スク
イズロールで両エッジ部を衝合溶接して鋼管を製造す
る。また、特開平2-299783号公報には、第1の加熱装置
で周波数45〜250kHzの電流を流し、両側エッジ部を予熱
し、第2の加熱装置で更に融点以上に加熱し、スクイズ
ロールで両エッジ部を衝合溶接して鋼管を製造する電縫
管製造装置が提案されている。
【0004】しかしながら、これらの電縫管製造技術で
は、エッジ部を均一に加熱することは示唆しているもの
の、両エッジ部を鋼の融点以上に加熱するため、衝合溶
接時に、溶融した鋼が管の内外面に排出されビード(余
盛)が形成される。そのため、衝合溶接後に管内外面の
溶接ビードの除去が必要であり、ほとんどがビード切削
用バイトにより切削されて除去されている。
【0005】このようなことから、この方法では、 ビード切削用バイトの切削量の調整で、材料と時間の
ロスが発生する。 ビード切削用バイトは消耗品であるため、造管速度に
よって異なるが、3000〜4000mのビード切削長毎にバイ
トを交換する必要があり、そのため1時間程度ごとに3
〜5分間のバイト交換のためのライン停止を余儀なくさ
れる。
【0006】特に造管速度が100 m/min を超える高
速造管では、ビード切削用バイトの寿命が短く、交換頻
度が高い。 など、ビード切削がネックとなり、高速造管ができない
ため生産性が低いという問題があった。一方、比較的小
径鋼管用として極めて高い生産性を有する鍛接鋼管製造
方法がある。この方法は、連続的に供給した帯鋼を加熱
炉で1350〜1400℃程度に加熱した後、成形ロールで管状
に成形してオープン管とし、続いてオープン管の両エッ
ジ部に高圧空気を吹き付けて端面のスケールオフを行っ
た後、ウェルディングホーンにより端面に酸素を吹き付
け、その酸化熱で端面を局部的に昇温させてから、鍛接
ロールで両エッジ部端面を衝合させ固相接合して鋼管を
製造する方法である(例えば、第3版鉄鋼便覧第III 巻
(2)1093〜1109頁)。
【0007】しかし、この鍛接鋼管製造方法では、 端面のスケールオフが完全ではないので、鍛接衝合部
へのスケール噛込みが発生し、シーム部の強度が母材部
に比べてかなり劣る。このため、偏平試験で、電縫鋼管
なら偏平高さ比h/D=2t/D(t:板厚)を達成で
きるのに対し、鍛接鋼管では偏平高さ比h/Dが0.5 程
度に劣るものとなる。
【0008】帯鋼を高温に加熱するため、管表面にス
ケールが生成し表面肌が悪い。 など、造管速度が300m/min 以上と速く生産性は高い
が、シーム品質及び表面肌が悪く、JISのSTK等の
強度信頼性や表面品質を要求されるものは製造できない
という問題があった。また、上記した電縫管の製造方法
では、鋼管の製品寸法に合わせたロールを用いなければ
ならず、小ロット多品種生産に対応できないという問題
があった。
【0009】このような問題に対し、例えば、特開昭63
-33105号公報、特開平2-187214号公報には、電縫鋼管を
冷間で絞り圧延する方法が提案されている。しかし、こ
の方法では、冷間で絞り圧延するため、圧延荷重が大き
くミルの大型化を必要とし、さらにロールとの焼付防止
のため、潤滑圧延装置の設置が必要となるなどの問題が
あった。
【0010】また、特開昭60-15082号公報、特公平2-24
606 号公報には、電縫鋼管を熱間で絞り圧延する方法が
提案されている。しかし、この方法では、鋼管を800 〜
900℃以上の温度に再加熱するため、新たなスケール発
生、あるいは絞り圧延時のスケール噛み込みなどの問題
があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
有利に解決し、優れたシーム品質及び表面肌を有する鋼
管を高い生産性で製造でき、しかも小ロット多品種生産
にも対応できる鋼管の製造方法および製造設備列を提案
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、帯鋼を成形ロ
ールにより連続的に成形してオープン管とし、該オープ
ン管の両エッジ部を加熱し、スクイズロールで衝合接合
し鋼管としたのち、さらに絞り圧延を施す鋼管の製造方
法において、前記帯鋼および/または前記オープン管を
予熱した後、さらに該オープン管の両エッジ部に、誘導
加熱によりキュリー点以上の温度に加熱するエッジ予熱
を施し、さらに、該両エッジ部に誘導加熱により1300℃
以上、融点未満の温度域に加熱するエッジ加熱を施し、
前記スクイズロールで圧接したのち、125 〜725 ℃の温
度で絞り圧延することを特徴とする鋼管の製造方法であ
り、前記エッジ予熱は、キュリー点以上1300℃未満の温
度で行うのが好ましく、前記帯鋼および/または前記オ
ープン管の予熱は、800 ℃以下の温度で行うのが好まし
い。また、前記エッジ予熱または前記エッジ加熱および
前記圧接は、大気より低い酸素濃度雰囲気中あるいは露
点が−10℃以下の雰囲気中で行うのが好ましい。また、
前記圧接後、接合部が1300℃以上に保持される時間tk
(sec )が、0.03sec 以上または次式(1) 記 tk ≧a・exp{−b・〔O2 c } …… (1) (ここに、O2 :雰囲気中の酸素濃度(vol %)、a=
0.079 、b=1.5 、c=-0.14 )を満足するtk とする
のが好適である。また、本発明では、前記圧接時に、管
内外からシーム部管材を拘束し、圧接シーム部増肉を抑
制してもよく、また、圧接後、圧接シーム部近傍を圧延
してもよい。さらに、前記圧接後、圧接シーム部外面の
微小凹形状部分を除去し平滑化してもよい。
【0013】また、前記圧接後、前記絞り圧延の前に、
鋼管を管円周方向の温度差が200 ℃以下となる均熱処理
を施してもよい。また、前記帯鋼は、エッジ部端面を平
坦化し、該エッジ部端面と該帯鋼表面のなす角度を所定
の角度とするエッジ処理を施されたものが好ましい。さ
らに、前記帯鋼端面のエッジ処理を成形ロールによる成
形前または成形後行ってもよい。
【0014】さらに、本発明は、帯鋼を払い出すアンコ
イラと、帯鋼の接合装置と、帯鋼を貯えるルーパと、帯
鋼を成形加工する成形ロール群からなる成形加工装置
と、誘導加熱コイルを有するエッジ予熱装置と、誘導加
熱コイルを有するエッジ加熱装置と、オープン管を衝合
接合するスクイズロールを有する圧接装置と、鋼管を温
間で絞り圧延する複数の絞り圧延機からなる絞り加工装
置とを順次配列し、さらに、前記成形加工装置の入側に
帯鋼を予熱する帯鋼予熱装置、および/または前記成形
加工装置の出側にオープン管を予熱するオープン管予熱
装置を配置したことを特徴とする鋼管の製造設備列であ
る。
【0015】また、本発明では、前記ルーパと前記成形
加工装置との間および/または前記成形加工装置と前記
エッジ予熱装置との間に、帯鋼のエッジ処理を行う帯鋼
エッジ処理装置を備えることが好ましい。また、本発明
では、前記エッジ加熱装置および前記圧接装置および/
または前記エッジ予熱装置は、オープン管両エッジ部あ
るいは圧接シーム部の雰囲気調整機能を有することが好
ましい。
【0016】また、前記スクイズロールの出側に圧接シ
ーム部近傍を管内外から圧延する圧延ロールからなるシ
ーム部圧延装置を備えることが好ましい。また、前記ス
クイズロールの出側に圧接シーム部外面の微小凹形状部
分を除去し平滑化するウェルドライン除去装置を備えて
もよく、また、前記スクイズロールの出側で前記絞り加
工装置の入側に鋼管を均熱する鋼管均熱装置を備えるこ
とが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明では、帯鋼の成形に先立っ
て、アンコイラから払いだされた帯鋼を予熱する。予熱
は、後に行うエッジ加熱時にエッジ部とその近傍の母管
との温度差を小さくし、固相圧接段階において、エッジ
部の温度および温度分布を固相圧接可能温度域に容易に
維持できるようにするために行う。
【0018】予熱は、加熱炉を用いる方法、誘導コイル
を用いる誘導加熱方法、通電による抵抗加熱方法いずれ
も好適に適用できる。帯鋼の予熱は、800 ℃以下の温度
範囲とすることが好ましい。800 ℃を超える予熱は、帯
鋼表面に多量のスケールが生成し、鋼管のシーム品質お
よび表面肌がともに劣化する。なお、予熱温度が400 ℃
未満では、エッジ加熱時に、エッジ部から母管側への熱
拡散が多いため、圧接時のエッジ部温度及び温度分布を
固相圧接可能温度域に維持できにくく、また、予熱温度
が650 ℃を超えると、帯鋼表面のスケールが生成しやす
くなり、このため、予熱温度は、400 〜650 ℃の温度範
囲とするのがさらに好適である。
【0019】予熱された帯鋼は、複数の成形ロールによ
り連続的に成形されオープン管となる。成形は通常公知
の複数の成形ロールによる加工方法が好適に適用でき
る。帯鋼予熱のかわりに、あるいは帯鋼予熱とともに、
オープン管となったのち管全体を予熱してもよい。な
お、予熱方法、予熱温度は、帯鋼の場合と同じでよい。
【0020】ついで、オープン管の両エッジ部を予熱す
る。エッジ予熱は、誘導加熱コイルによる誘導加熱方式
とする。このエッジ予熱によりエッジ部の温度を、キュ
リー点以上、好ましくは1300℃未満とする。図10に示す
鋼の比透磁率の温度依存性から、鋼をキュリー点以上に
加熱すると鋼は強磁性体から常磁性体へ磁気変態し、比
透磁率(対真空比)が1に近い値となる。一方、誘導電
流の浸透深さSは、次式(2)で与えられる。
【0021】 S=α{ρ/(μr f)}1/2 ……(2) ここに、S:浸透深さ(m)、ρ:抵抗率(Ω・m)、
μr :比透磁率、f:周波数(kHz )、α:定数であ
る。したがって、エッジ部をキュリー点以上に加熱する
ことにより、浸透深さSが大きくなり、被圧接面内の温
度分布が均一化する方向に向かう。そこで、キュリー点
以上の温度域にエッジ部を予熱するのである。加熱エネ
ルギー効率の観点からは、キュリー点以上1300℃未満の
温度で行うのが好ましいが、1300℃以上としても何ら不
都合はない。しかし、この段階で一気に昇温すると、角
部のみが融点以上となり、接合時にビード(余盛)が発
生するため、高速造管ができなくなる場合があり、エッ
ジ予熱は1300℃未満で行うのがより好ましい。
【0022】エッジ予熱は、大気中あるいは、大気中よ
り酸素濃度を低減された雰囲気中(シールド雰囲気中)
いずれでもよいが、シーム品質の点からはシールド雰囲
気中が好ましい。シールド雰囲気とする(雰囲気調整機
能を付与する)ため、例えば、図7に示すようにエッジ
予熱装置4全体をシールドするシールド装置13を設置す
るのが好ましい。また、エッジ予熱は、露点を−10℃以
下とした雰囲気中で行うのが好ましい。
【0023】エッジ予熱を施されたオープン管の両エッ
ジ部は、さらに、1300℃以上、融点未満の固相圧接可能
温度域に加熱するエッジ加熱を施される。エッジ加熱の
加熱方式は、エネルギー効率の観点から、誘導コイルに
よる誘導加熱方式とする。エッジ加熱は加熱効率の観点
からオープン管内に適当な大きさのインピーダを配設す
るのが好ましいが、インピーダの大きさを小さくした場
合あるいは、インピーダを設置しない場合でもエッジ加
熱は可能である。この場合は、エッジ部以外の管体も加
熱されやすくなる。オープン管の両エッジ部端面の温度
は、誘導加熱コイルの出力の調整により制御する。
【0024】エッジ加熱の温度が1300℃未満では、エッ
ジ部端面の接合が不十分となりシーム品質が劣化する。
また、エッジ部端面の温度が管材の融点を超えると、溶
融した鋼が衝合接合時に管内外にビード(余盛)を形成
するため、ビード切削を必要とする。このことからエッ
ジ加熱は1300℃以上、融点未満の固相圧接可能温度域と
する。なお、好ましくは1350℃以上融点未満、より好ま
しくは1400℃以上融点未満である。
【0025】本発明でいう固相圧接では、エッジ加熱温
度が固相域の温度であることが好ましいが、若干の液相
が存在する融点未満の固液2相域でも何ら不都合はな
い。誘導加熱時のエッジ部の温度分布を均一にするため
に、本発明では、好ましくは、帯鋼のエッジだれを精整
し、エッジ部端面を平坦化し、エッジ部端面と帯鋼表面
のなす角度を所定の角度とするのがよい。所定の角度と
は、60〜120 度が好ましい。このエッジだれの精整は、
コイルをペイオフする前あるいは、コイルをペイオフし
成形ロールでオープン管に成形する前、あるいは成形し
た後いずれで行ってもよい。エッジ処理はエッジミラー
による切削、グラインダによる研磨、またはエッジャー
ロールによる圧延加工などの加工ができる設備を備えた
帯鋼エッジ処理装置により行うのが好ましい。
【0026】両エッジ部を上記固相圧接可能温度域に加
熱されたオープン管は、スクイズロールで両エッジ部を
衝合され、固相圧接される。圧接は、図5(a)に示す
ようにスクイズロール6を圧接シーム部9の管外面側に
当接する位置に設置して行う方法、図5(b)に示すよ
うにスクイズロール6を圧接シーム部9の管外面側に当
接しない位置に設置して行う方法、および図5(c)に
示すように管外面側はスクイズロール6、管内面側は圧
接シーム部内面拘束用ロール11a等を圧接シーム部9に
当接する位置に設置して行う方法があり、いずれの方法
で行ってもよい。
【0027】エッジ加熱および固相圧接は、大気中ある
いは、大気中より酸素濃度を低減された雰囲気中(シー
ルド雰囲気中)のいずれでもよいが、シーム品質の点か
らはシールド雰囲気中が好ましい。シールド雰囲気とす
る(雰囲気調整機能を付与する)ため、例えば図7に示
すようにエッジ加熱装置5およびスクイズロール6全体
をシールドするシールド装置13を設置するのが好まし
い。また、エッジ加熱および固相圧接は、シーム品質の
点から、露点が−10℃以下の雰囲気中が好ましい。
【0028】本発明者らは、圧接後、接合部が1300℃以
上に保持される時間tk により、鋼管のシーム品質が変
化することを見いだした。シーム品質(偏平高さ比h/
D)に及ぼすtk (sec )と、酸素濃度(vol %)の関
係を図4に示す。なお、偏平高さ比h/Dは、図15に示
すように、外径Dの管を接合部が圧縮方向に直角になる
ように置いて圧縮し割れ発生高さhを求める偏平高さ試
験(JIS G 3475等に規定)により得た。図4から、1300
℃以上に保持される時間tk が長くなるにしたがい、シ
ーム品質が向上していることがわかる。また、雰囲気中
の酸素濃度が低減するにしたがい、同一シーム品質を得
るためにはtk は短くしてもよいことがわかる。
【0029】この時間tk (sec )は、エッジ予熱、エ
ッジ加熱、固相圧接が大気中で行われた場合には、0.03
sec 以上とすることが好ましい。一方、エッジ予熱、エ
ッジ加熱、固相圧接が大気中より酸素濃度が低い雰囲気
(シールド雰囲気中)で行われた場合は、tk は、次式
(1)を満足する時間とすることが好ましい。 tk ≧a・exp{−b・〔O2 c } …… (1) ここに、O2 :雰囲気中の酸素濃度(vol %)、a、
b、c:定数で、低炭素鋼の場合a=0.079 、b=1.5
、c=−0.14である。より好ましくはa=0.23、b=
1.4 、c=−0.17である。
【0030】この時間tk は、固相圧接後のシーム部の
冷却速度を調整することによって制御できる。そうする
には、エッジ予熱時のオープン管両エッジ部の加熱温度
及びキュリー点以上の加熱幅、さらにはエッジ加熱時の
オープン管両エッジ部端面の加熱温度を制御し、固相圧
接時の両エッジ部端面から管中央部へ向かっての管円周
方向温度分布を調整するのが好ましい。
【0031】固相圧接により形成された圧接シーム部で
は、エッジ部の到達温度あるいはスクイズロールによる
圧接(アップセット)の程度により図6(a)、(b)
に示すようにシーム部の管内外または管内に管体肉厚の
5%以上の増肉を生じることがある。このような場合に
は、好ましくは、圧接直後あるいは圧接以降の適当な場
所で増肉したシーム部近傍を圧延により減肉するのが好
ましい。増肉したシーム部近傍の圧延は、例えば、図8
(a)に示す圧接シーム部圧延装置10により管内外から
圧延する。圧接シーム部圧延装置10は、外面圧延用ロー
ル10aと内面圧延用ロール10bからなり、10bは圧接シ
ーム部圧延用ロール支持棒10cにより支持される。
【0032】また、前記圧接方法のうち、圧接シーム部
の管内外面側にロール等を当接させる方法を採用するこ
とによって、材料を上下方向に拘束し、圧接による増肉
を5%未満に抑え、圧接以降の圧延を不要とすることも
可能である。例えば、図8(b)に示すように、スクイ
ズロール6と圧接シーム部内面拘束用ロール11aとによ
り管内外から材料を拘束し、圧接による増肉を抑制す
る。圧接シーム部内面拘束用ロール11aは圧接シーム部
内面拘束用ロール支持棒11bにより支持されている。
【0033】固相圧接により形成された圧接シーム部で
は、帯鋼のエッジだれの程度、帯鋼のエッジ精整の精
度、圧接の方法あるいは圧接による増肉の度合いによ
り、圧接シーム部の圧延の有無にかかわらず、図9に示
すように、圧接シーム部9の管外面側にウェルドライン
12と呼ばれる深さ0.2mm 程度の微小な凹形状部分を生じ
ることがあり、外観、シーム品質に悪影響を及ぼす。こ
のような場合には、圧接以降の適当な場所でウェルドラ
インを除去して外面を平滑化するのが好ましい。ウェル
ドラインの除去は、切削、研磨等の加工設備を備えたウ
ェルドライン除去装置により行うのが好ましい。また、
ウェルドラインの除去は、圧接シーム部の圧延を行う場
合には、当該圧延の前後どちらで実施してもよい。
【0034】本発明では、固相圧接により鋼管としたの
ち、該鋼管を圧延温度125 〜725 ℃の範囲で複数の絞り
圧延機により所定の外径まで絞り圧延し、製品管とす
る。絞り圧延の圧延温度は、状況に応じ、圧延温度範囲
を選択することができる。圧延荷重の低減及び圧延ロー
ルの耐焼き付き性の向上が要求される場合には、圧延温
度125 ℃以上375 ℃未満で絞り圧延するのが好ましい。
一方、絞り圧延による材料の機械的性質の劣化防止及び
表面肌の劣化防止が要求される場合には、圧延温度375
℃以上725 ℃以下で絞り圧延するのが好ましい。
【0035】圧延温度が125 ℃未満では、被圧延材の変
形抵抗が高く、圧延荷重が増大し、その結果管材の表面
にロールの焼き付き疵が発生する。また、圧延温度が72
5 ℃を超えると、圧延中に発生するスケールの噛み込み
疵により、管材の表面粗さが増大し、表面肌が劣化す
る。そのため、絞り圧延の圧延温度を125 〜725 ℃とし
た。
【0036】なお、圧延温度が375 ℃を超えると、被圧
延材中に板状カーバイドが析出し、変形抵抗が増大する
ため、圧延温度が125 ℃未満の場合に比べて程度は少な
いが、やはり管材の表面にロールの焼き付き疵が発生し
やすくなる傾向がある。また、圧延温度が375 ℃未満で
は、圧延ひずみに起因する材料の加工硬化が起こり、圧
延前母管に比べて降伏強度の増大及び伸びの減少が10%
以上となり、材料の機械的性質の劣化が進む傾向があ
る。
【0037】鋼管絞り圧延後の製品管の寸法精度を確保
する観点からは、固相圧接後、鋼管を絞り圧延する前に
加熱、冷却等により、管円周方向の温度差を200 ℃以下
にする均熱処理を施すことが好ましい。この均熱処理
は、加熱手段、冷却手段を備えた鋼管均熱装置で行うの
が好ましい。加熱手段は、加熱炉、誘導加熱等が好適で
あり、冷却手段は、水、ガス等の流体噴射が好ましい。
【0038】得られた製品管は、切断機により所定の寸
法に切断され、管矯正装置で矯正されるか、あるいは管
矯正装置で矯正されたのちコイル状に巻き取られる。図
1〜図3に本発明の実施に好適な鋼管製造設備列を示
す。図1(a)において、1は帯鋼、14は帯鋼を払いだ
すアンコイラ、15は先行する帯鋼の後端部と後行する帯
鋼の先端部を接続する接合装置(中継ぎ溶接機)、17は
帯鋼を貯えるルーパ(アキュムレータ)、2は帯鋼を予
熱する帯鋼予熱装置、3は成形ロール群からなる成形加
工装置、4はエッジ予熱用誘導加熱装置(エッジ予熱装
置)、5はエッジ加熱用誘導加熱装置(エッジ加熱装
置)、6はスクイズロール、7はオープン管、8は鋼
管、16は製品管、21は絞り加工装置、18は切断機、19は
管矯正装置、20は温度計である。
【0039】図1(b)は、図1(a)に加えてスクイ
ズロール6の出側で絞り圧延装置21の入側に鋼管均熱装
置22を設けた鋼管製造設備列を示す。なお、図1(a)
と同一または相当部分には同じ符号を付した。図2
(a)は、図1(b)の帯鋼の予熱装置2に代えて、成
形加工装置3の出側にオープン管予熱装置23を配設した
例を示す。なお、図1(b)と同一または相当部分には
同じ符号を付した。
【0040】図2(b)は、図1(b)において成形加
工装置3の出側にオープン管予熱装置23を配置した例で
ある。なお、図1(b)と同一または相当部分には同じ
符号を付した。図3(a)は、図1(b)の設備列に加
え、成形加工装置3の入側に帯鋼エッジ処理装置24を設
けた例である。なお、図1(b)と同一または相当部分
には同じ符号を付した。
【0041】図3(b)は、図1(b)の設備列に加
え、スクイズロール6の出側にウェルドライン除去装置
25を設けた例である。なお、図1(b)と同一または相
当部分には同じ符号を付した。図11〜図14は、図1〜図
3の設備列中の主な設備およびその他の好適設備を左か
ら右への通材順に示す模式図である。なお、図1〜図3
と同一または相当部分には同じ符号を付した。図11〜図
14を用いて各設備をさらに詳細に説明する。
【0042】図11には、アンコイラ14、中継ぎ溶接機1
5、アキュムレータ17、帯圧延機26、帯鋼予熱装置2と
してのガス燃焼式連続加熱炉2GFおよび帯鋼用インダ
クションヒータ2IH、帯鋼エッジ処理装置24を側面視
で示した。アンコイラ14は、コイル状に巻かれた帯鋼1
を巻き戻しながら供給する装置で、マンドレル、ガイド
等からなる。
【0043】中継ぎ溶接機15は、コイル単位で払いださ
れる帯鋼1をラインに連続供給するために、払いだされ
た先行コイルの後端部と払いだされつつある後行コイル
の先端部を溶接して継ぐ装置である。これには、電極、
クランプ装置等からなるフラッシュバット溶接機が適す
る。アキュムレータ17は、中継ぎ溶接機15で帯鋼1を接
合している際に、ラインを停止せず連続運転するために
必要な量の帯鋼を貯える装置である。図1〜図3に示し
た蛇行式のものと、図11に示したスパイラル式のものと
のいずれも適用可能であるが、設置スペース面からはス
パイラル式のほうが有利である。なお、該スパイラル式
のアキュムレータはフィードローラ、ガイドローラ等で
構成できる。
【0044】帯圧延機26は、冷間または温間の帯鋼を圧
延し1種類の板厚から種々の板厚を得る場合にこの位置
に配置するのが好ましい設備である。これには、ロール
ハウジング、ワークロール、バックアップロール等から
なる4重式圧延機を充当するのが好適である。予熱装置
2は、帯鋼1を 800℃以下の温間成形加工温度域に予熱
する設備で、例えば図11に示したガス燃焼式連続加熱炉
2GF、帯鋼用インダクションヒータ2IHのいずれか
または両方が適用できる。ガス燃焼式連続加熱炉2GF
は、炉体、バーナ、ハースローラ等からなり、帯鋼用イ
ンダクションヒータ2IHは加熱コイル、インダクタ等
からなる。板厚、通板スピードの範囲が広い場合は、こ
れらの両方を設置するほうが帯鋼1の温度をより高精度
に制御できて好ましい。
【0045】帯鋼エッジ処理装置24は、帯鋼1の幅端面
形状を調整するため、圧延、切削などによりエッジ部を
加工する設備であり、例えば、竪型圧延ロールおよび該
竪型圧延ロールを支持するスタンド等からなるエッジャ
ーが充当できる。図12には、成形加工装置3、エッジ予
熱装置(エッジヒータ)4、エッジ加熱装置(ウェル
ダ)5、スクイズスタンド60、圧接シーム部圧延装置1
0、ウェルドライン除去装置25、およびシームガイド31
を側面視で示した。
【0046】成形加工装置3は、帯鋼1を円筒形に連続
成形し、帯鋼1の幅両端面を対向させてオープン管7を
作る設備である。この設備は複数の成形スタンド、成形
ロール等からなり、概要を表1に示すブレークダウン方
式あるいはケージ方式のものが代表的であるが、他の方
式でも一向に差し支えない。
【0047】
【表1】
【0048】エッジヒータ4は、オープン管7エッジ部
を誘導加熱によりキュリー点以上に加熱する設備であ
り、電源盤、整合盤、加熱コイル、インダクタ(コイル
のコア)等からなる。各種板厚および造管スピードにお
ける温度制御の容易化のためには、加熱コイルおよびイ
ンダクタを図12に示すようにライン方向に複数段配置す
るのが好適である。
【0049】シームガイド31は、エッジ部予熱、エッジ
部加熱が安定的に行えるようにオープン管7エッジ部の
高さ、開口幅を一定に保持するもので、オープン管7を
支持するロールおよび該ロールを支持するスタンド等か
らなる。ウェルダ5は、オープン管7エッジ部を誘導加
熱により固相圧接可能な1300℃以上融点未満の温度域に
加熱する設備であり、電源盤、整合盤、カレントトラン
ス、加熱コイル等からなる。
【0050】なお、エッジヒータ4、ウェルダ5によ
り、エッジ予熱、エッジ加熱されるオープン管7エッジ
部は、図7に示したように雰囲気調整用のシールド装置
13によりシールド雰囲気(非酸化性雰囲気)に保持する
のが好ましい。シールド装置13は、エッジ部を覆うシー
ルボックスおよび該シールボックスに不活性ガス等を送
り込むガス配管等からなる。
【0051】スクイズスタンド60は、スクイズロール6
(図1〜図3、図5〜図8参照)およびこれを支持する
ハウジング等からなり、固相圧接可能温度域までエッジ
加熱されたオープン管7両エッジ部を衝合し、円周方向
に圧縮力を加えて圧接し、接合する設備である。圧接シ
ーム部圧延装置10は、圧接の際に生成した圧接シーム部
近傍の増肉(図6参照)を、圧延により平滑化する設備
で、ローラホルダ(図8の部材10cに相当)、圧延ロー
ラ(図8の部材10a,10bに相当)、支持ローラ等から
なる。
【0052】ウェルドライン除去装置25は、圧接の際に
生成したウェルドライン12(図9参照)を、研削あるい
は切削等により除去する設備で、研削砥石あるいは切削
バイト等からなる。電縫管のビード切削よりも負荷がは
るかに小さいので、造管スピードを速めても何ら支障は
ない。図13には、シーム冷却装置28、鋼管均熱装置22と
してのガス燃焼式連続加熱炉22GFおよび管用インダク
ションヒータ22IH、スケール除去装置29、絞り加工装
置21を側面視で示した。
【0053】シーム冷却装置28は、下流で絞り加工する
際に偏肉の発生を回避する観点から、圧接後の鋼管8の
円周方向温度分布を均一化するためにシーム周辺の高温
部を冷却する設備であり、この位置に設けるのが好まし
い。これには、例えば、冷却水用の配管、ヘッダ、スプ
レーノズル等からなる水スプレー冷却装置が適用でき
る。
【0054】鋼管均熱装置22は、鋼管8(絞り圧延前の
母管)を絞り圧延に適した温度に昇温、均熱化する設備
で、例えば図13に示したガス燃焼式連続加熱炉22GF、
管用インダクションヒータ22IHのいずれかまたは両方
が適用できる。ガス燃焼式連続加熱炉22GFは、炉体、
バーナ、ハースローラ等からなり、管用インダクション
ヒータ22IHは加熱コイル等からなる。肉厚、通板スピ
ードの範囲が広い場合は、これらの両方を設置するほう
が鋼管8の温度をより高精度に制御できて好ましい。
【0055】スケール除去装置29は、高品質の表面性状
を得るために絞り圧延前に鋼管8表面のスケールを除去
すべく、この位置に配置するのが好ましい設備である。
これには、例えば、高圧水噴射用の配管、ヘッダ、ノズ
ル等からなる高圧水デスケーラ、あるいはブラシロール
式デスケーラ等が適用できる。絞り加工装置21は、適正
な温度域で多スタンドを用いて鋼管8外径を連続的に圧
下(絞り圧延)し、所定の製品外径を有する鋼管8Aを
得る設備であり、ロール(孔型圧延ロール)をハウジン
グ内に円周方向に複数本配置してなるスタンド(絞り圧
延機)を、複数基タンデムに配列して構成される。これ
には、3ロール式のストレッチレデューサ、2ロール式
のサイザ等が適用可能である。
【0056】図14には、切断機18、管矯正装置19、クー
リングベッド30を平面視で示した。切断機18は、絞り圧
延後の鋼管8Aを、走間で所定の長さに切断する設備で
あり、これには例えば、円盤鋸歯等からなるロータリー
ホットソーが適用できる。管矯正装置19は、切断後の鋼
管8Bの曲がりを矯正する設備である。これには例え
ば、複数個の上下対向ローラ等からなる縦型傾斜ローラ
式矯正機が適用できる。なお、図14では管矯正装置19を
オンラインに設けているが、オフラインに設けてもよ
い。
【0057】クーリングベッド30は、矯正後(管矯正装
置19がオフライン配置される場合は切断後)の製品管16
をハンドリングに適した温度域(室温付近)に温度降下
するまで寝かせておく冷却床である。
【0058】
【実施例】図1〜図3、図7、図8に示す製造設備列を
用いて以下に述べる条件で製品管を製造した。板厚 3.5
mmの帯鋼1を 400〜 650℃の温度で帯鋼予熱装置2で連
続的に予熱したのち、成形加工装置3により連続的に成
形しオープン管7とした。オープン管両エッジ部に表2
に示す条件でエッジ予熱装置4によりエッジ予熱を、さ
らにエッジ加熱装置5によりエッジ加熱を施し、圧接シ
ーム部に当接する位置に設置したスクイズロール6で固
相圧接し、さらに圧接シーム部を圧接シーム部圧延装置
10により管内外から圧延し、管寸法:137.0 mmφ× 3.5
mmtの鋼管8とした。
【0059】ついで、この鋼管8を鋼管均熱装置22によ
り表2に示す温度に均熱し、表2に示す圧延温度で絞り
加工装置21により外径60.5mmφの製品管16とした。な
お、絞り圧延時の圧延荷重を常温で絞り圧延したときの
圧延荷重に対する比率で表2に示した。また、製品管16
のシーム品質、表面粗度Rmax、焼き付き疵を調査し、そ
の結果を表2に併記する。シーム品質の評価は、製品管
16の偏平高さ比(h/D、h:偏平高さmm、D:鋼管の
外径mm)で行った。なお、一部の鋼管(試験No.11 、N
o.12 )については、エッジ予熱、エッジ加熱および固
相圧接を、図7に示したシールド装置13を設置しシール
ド雰囲気中で行った。また、試験No.17 の鋼管は、エッ
ジ予熱、エッジ加熱および固相圧接をシールド装置13中
で露点が−20℃の雰囲気中で行った。
【0060】
【表2】
【0061】また、従来例(試験No.13 )として、帯鋼
を成形加工し、端面を溶融させて圧接した電縫管を常温
で絞り加工して外径60.5mmφの製品管とした。また、帯
鋼を1300℃に加熱して鍛接したのち、絞り加工を施して
外径60.5mmφの製品管とし、従来例(試験No.14 )とし
た。これら従来例についても、本発明例、比較例と同様
に評価し表2に併記した。
【0062】試験No.1、No.2、No.11 、No.12 の本発明
例では、偏平高さ比 0.3以下、表面粗さRmax10μm 以下
であり、焼き付き疵の発生はない。従来例の試験No.13
の電縫管では、偏平高さ比0.3 以下、表面粗さRmax10μ
m 以下であるが、圧延荷重が高く焼き付き疵が多発して
いる。従来例の試験No.14 の鍛接管では、偏平高さ比0.
4 〜0.6 表面粗さRmax30〜40μm であり、本発明に比べ
て劣っている。また、試験No.3、No.4、No.5のように、
1300℃以上の保持時間tk が本発明範囲を外れると、偏
平高さ比が大きくなる。また、試験No.6、No.10 のよう
に、帯鋼予熱温度あるいは絞り圧延温度が本発明範囲よ
り高くなると、表面粗さRmaxが大きくなる。さらに、試
験No.7のように、エッジ部端面が溶融するとビード(余
盛)が形成され、ビード切削する必要が生じるため、造
管速度が100m/minに低下する。また、試験No.8は、エッ
ジ部を1300℃を超える温度に予熱したが、シーム品質及
び表面肌は優れ、造管速度の低下もなかった。また、試
験No.9は、絞り圧延温度が本発明範囲より低いため、圧
延荷重が高く焼き付き疵が多発している。
【0063】また、本発明例の生産性は、60ton/hrと高
く、ビード切削する従来の電縫管の生産性が15ton/hrで
あるのに対し、生産性が著しく向上している。本発明例
の試験No.15 、No.16 では、帯鋼のエッジ処理を成形前
に実施し、エッジ部角を直角としたため、エッジ処理を
行わなかった他の試験No.1、No.2に比べ偏平高さ比が小
さくなっている。
【0064】本発明例の試験No.17 では、エッジ予熱、
エッジ加熱および固相圧接における雰囲気の露点を−20
℃に制御した。これにより、雰囲気中の露点制御を行わ
なかった試験No.12 に比べ偏平高さ比が小さくなってい
る。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、オープン管の両エッジ
部を固相圧接可能温度域に安定的に保持でき、優れたシ
ーム品質および表面肌を有する鋼管を高い生産性で製造
でき、しかも小ロット多品種生産にも対応できるという
格段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に好適な鋼管製造設備列の1例を
示す説明図である。
【図2】本発明の実施に好適な鋼管製造設備列の1例を
示す説明図である。
【図3】本発明の実施に好適な鋼管製造設備列の1例を
示す説明図である。
【図4】固相圧接接合部のシーム品質に及ぼす圧接後13
00℃以上に保持される時間tkと雰囲気中の酸素濃度と
の関係を示すグラフである。
【図5】固相圧接時のスクイズロールと圧接接合部外面
との位置関係を示す断面図である。
【図6】固相圧接後の鋼管断面形状の1例を示す断面図
である。
【図7】本発明の実施に好適な設備列の模式的側面図で
ある。
【図8】本発明の実施に好適な設備列の模式的部分側断
面図である。
【図9】固相圧接後の圧接シーム部外面形状の1例を示
す模式的断面図である。
【図10】鋼の比透磁率の温度依存性を示す特性図であ
る。
【図11】図1〜図3の設備列中の主な設備およびその他
の好適設備を通材順に示す模式図である。
【図12】図1〜図3の設備列中の主な設備およびその他
の好適設備を通材順に示す模式図である。
【図13】図1〜図3の設備列中の主な設備およびその他
の好適設備を通材順に示す模式図である。
【図14】図1〜図3の設備列中の主な設備およびその他
の好適設備を通材順に示す模式図である。
【図15】偏平高さ試験要領の説明図である。
【符号の説明】
1 帯鋼 2 帯鋼予熱装置 2GF ガス燃焼式連続加熱炉 2IH 帯鋼用インダクションヒータ 3 成形加工装置 4 エッジ予熱用誘導加熱装置(エッジ予熱装置、エ
ッジヒータ) 5 エッジ加熱用誘導加熱装置(エッジ加熱装置、ウ
ェルダ) 6 スクイズロール(圧接装置) 7 オープン管 8、8A、8B 鋼管 9 圧接シーム部 10 圧接シーム部圧延装置 10a 圧接シーム部外面圧延用ロール 10b 圧接シーム部内面圧延用ロール 10c 圧接シーム部圧延用ロール支持棒 11a 圧接シーム部内面拘束用ロール 11b 圧接シーム部内面拘束用ロール支持棒 12 ウェルドライン 13 シールド装置 14 アンコイラ 15 帯鋼の接合装置(中継ぎ溶接機) 16 製品管 17 ルーパ(アキュムレータ) 18 切断機 19 管矯正装置 20 温度計 21 絞り加工装置 22 鋼管均熱装置 22GF ガス燃焼式連続加熱炉 22IH 管用インダクションヒータ 23 オープン管予熱装置 24 帯鋼エッジ処理装置 25 ウェルドライン除去装置 26 帯圧延機 28 シーム冷却装置 29 スケール除去装置 30 クーリングベッド 60 スクイズスタンド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C21D 1/74 C21D 1/74 F 8/10 9270−4K 8/10 Z H05B 6/10 371 H05B 6/10 371 // B23K 13/00 B23K 13/00 A (72)発明者 板谷 元晶 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 依藤 章 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 大西 寿雄 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 田中 伸樹 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 杉江 善典 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 菅野 康二 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 西森 正徳 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 岡部 能知 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯鋼を成形ロールにより連続的に成形し
    てオープン管とし、該オープン管の両エッジ部を加熱
    し、スクイズロールで衝合接合し鋼管としたのち、さら
    に絞り圧延を施す鋼管の製造方法において、前記帯鋼お
    よび/または前記オープン管を予熱した後、さらに該オ
    ープン管の両エッジ部に、誘導加熱によりキュリー点以
    上の温度に加熱するエッジ予熱を施し、さらに、該両エ
    ッジ部に誘導加熱により1300℃以上、融点未満の温度域
    に加熱するエッジ加熱を施し、前記スクイズロールで圧
    接したのち、125 〜725 ℃の温度で絞り圧延することを
    特徴とする鋼管の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記エッジ予熱は、キュリー点以上1300
    ℃未満の温度に加熱することを特徴とする請求項1記載
    の鋼管の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記帯鋼および/または前記オープン管
    の予熱は、800 ℃以下の温度で行うことを特徴とする請
    求項1または2記載の鋼管の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記エッジ予熱は、大気より低い酸素濃
    度雰囲気中で行うことを特徴とする請求項1、2または
    3記載の鋼管の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記エッジ加熱および前記圧接は、大気
    より低い酸素濃度雰囲気中で行うことを特徴とする請求
    項1、2、3または4記載の鋼管の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記エッジ予熱、前記エッジ加熱および
    前記圧接は、露点が−10℃以下の雰囲気中で行うことを
    特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の鋼管の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記圧接後、接合部が1300℃以上に保持
    される時間tk (sec )が、0.03sec 以上または下記
    (1)式を満足するtk であることを特徴とする請求項
    1、2、3、4、5または6記載の鋼管の製造方法。 記 tk ≧a・exp{−b・〔O2 c } …… (1) ここに、O2 :雰囲気中の酸素濃度(vol %)、a=0.
    079 、b=1.5 、c=-0.14 。
  8. 【請求項8】 前記圧接時に、管内外からシーム部管材
    を拘束し、圧接シーム部増肉を抑制することを特徴とす
    る請求項1、2、3、4、5、6または7記載の鋼管の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 前記圧接後、圧接シーム部近傍を圧延す
    ることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7
    または8記載の鋼管の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記圧接後、圧接シーム部外面の微小
    凹形状部分を除去し平滑化することを特徴とする請求項
    1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の鋼管の
    製造方法。
  11. 【請求項11】 前記圧接後、前記絞り圧延の前に、鋼
    管を管円周方向の温度差が200 ℃以下となる均熱処理を
    施すことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、
    7、8、9または10記載の鋼管の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記帯鋼は、エッジ部端面を平坦化
    し、該エッジ部端面と該帯鋼表面のなす角度を所定の角
    度とするエッジ処理を施されたものであることを特徴と
    する請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10
    または11記載の鋼管の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記帯鋼端面のエッジ処理を成形ロー
    ルによる成形前または成形後行うことを特徴とする請求
    項12記載の鋼管の製造方法。
  14. 【請求項14】 帯鋼を払い出すアンコイラと、帯鋼の
    接合装置と、帯鋼を貯えるルーパと、帯鋼を成形加工す
    る成形ロール群からなる成形加工装置と、誘導加熱コイ
    ルを有するエッジ予熱装置と、誘導加熱コイルを有する
    エッジ加熱装置と、オープン管を衝合接合するスクイズ
    ロールを有する圧接装置と、鋼管を温間で絞り圧延する
    複数の絞り圧延機からなる絞り加工装置とを順次配列
    し、さらに、前記成形加工装置の入側に帯鋼を予熱する
    帯鋼予熱装置、および/または前記成形加工装置の出側
    にオープン管を予熱するオープン管予熱装置を配置した
    ことを特徴とする鋼管の製造設備列。
  15. 【請求項15】 前記ルーパと前記成形加工装置との間
    および/または前記成形加工装置と前記エッジ予熱装置
    との間に、帯鋼のエッジ処理を行う帯鋼エッジ処理装置
    を備えることを特徴とする請求項14記載の鋼管の製造
    設備列。
  16. 【請求項16】 前記エッジ加熱装置および前記圧接装
    置および/または前記エッジ予熱装置は、オープン管両
    エッジ部あるいは圧接シーム部の雰囲気調整機能を有す
    ることを特徴とする請求項14または15記載の鋼管の
    製造設備列。
  17. 【請求項17】 前記スクイズロールの出側に圧接シー
    ム部近傍を管内外から圧延する圧延ロールからなるシー
    ム部圧延装置を備えることを特徴とする請求項14、1
    5または16記載の鋼管の製造設備列。
  18. 【請求項18】 前記スクイズロールの出側に圧接シー
    ム部外面の微小凹形状部分を除去し平滑化するウェルド
    ライン除去装置を備えることを特徴とする請求項14、
    15、16または17記載の鋼管の製造設備列。
  19. 【請求項19】 前記スクイズロールの出側で前記絞り
    加工装置の入側に鋼管を均熱する鋼管均熱装置を備える
    ことを特徴とする請求項14、15、16、17または
    18記載の鋼管の製造設備列。
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