JP7541648B2 - 鋼帯の接合方法および鋼帯の接合装置 - Google Patents

鋼帯の接合方法および鋼帯の接合装置 Download PDF

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Description

本発明は、鋼帯の接合方法および鋼帯の接合装置に係り、とくに鋼帯を接合した後の溶接部の破断防止に関する。
製鉄所の鋼板製造ラインでは、生産性向上の観点から、圧延等の処理を連続的に行うことが一般的である。そのため、先行する鋼帯の後端部と後行する鋼帯の先端部とを溶接して連続して処理できるようにしている。しかし、溶接部が局所的に加熱され、その後、急冷されるため、溶接部にマルテンサイト等の低温変態組織が生成し、硬さが上昇するとともに、靭性が低下し、連続処理の途中で破断が生じる場合がある。
このような問題に対し、例えば、特許文献1には、鋼帯の接合方法が提案されている。特許文献1に記載された鋼帯の接合方法では、第1の鋼帯の一端と第2の鋼帯の一端とを突き合わせてレーザー溶接し、該レーザー溶接で形成された溶接部を誘導加熱し、該誘導加熱による加熱温度を、第1の鋼帯の熱影響部、第2の鋼帯の熱影響部および溶接部の、少なくとも3点において測定し、予め求めた第1の鋼帯における加熱温度と硬度との関係と、測定された第1の鋼帯の熱影響部の加熱温度とから、第1の鋼帯の熱影響部の硬度を求め、予め求めた第2の鋼帯における加熱温度と硬度との関係と、測定された第2の鋼帯の熱影響部の加熱温度とから、第2の鋼帯の熱影響部の硬度を求め、溶接部の加熱温度と、第1の鋼帯の熱影響部と第2の鋼帯の熱影響部の硬度差とが、それぞれ所定の条件を満たすか否かを判断し、鋼帯の接合の良否を判定する、としている。
特開2020-127947号公報
しかしながら、特許文献1に記載された鋼帯の接合方法では、接合する鋼帯ごとに、溶接部、熱影響部の後熱処理加熱温度と硬度との関係を、予め求めておく必要があり、工程が複雑になるうえ、鋼帯接合後に、溶接部(接合部)に後加熱処理を行っても、後加熱処理の開始温度を把握していないため、後加熱処理の効果が十分に得られず、通板の途中で接合部が破断する場合があった。
そこで、本発明は、後加熱処理の効果を確実に発現させて通板途中での溶接部(接合部)の破断を防止し、かつ処理時間を可能な限り短縮できる鋼帯の接合方法を提案することを目的とする。
上記した目的を達成するため、本発明者は、まず、後加熱処理の効果を確実に発現させる手段について鋭意検討した。後加熱処理の効果が確実に発現しないのは、鋼帯同士を溶接した後の冷却時に、溶接部の変態が完了しないうちに、後加熱処理を行ったためであると考え、溶接部の冷却過程で溶接部(接合部)の温度を測定し、得られた溶接部の温度が、低温変態組織の生成が完了する「所定の温度」以下となったことを確認して、後加熱処理を開始する必要があることに思い至った。なお、ここで「溶接部」とは「溶融部」と「熱影響部」をいうものとする。
すなわち、本発明では、溶接後の冷却過程で溶接部の温度を測定し、溶接部の温度が低温変態組織の生成が完了する「所定の温度」以下に冷却されたのち、直ちに後加熱処理を開始する、ことにした。これにより、溶接部の冷却の待ち時間を短縮しつつ後加熱処理の効果を確実に発現でき、さらに鋼帯の溶接処理を短縮できることを知見した。なお、ここでいう「所定の温度」は、マルテンサイト、ベイナイトなどの低温変態組織生成終了温度MF(℃)またはMFに基づく温度とする。低温変態組織の生成が終了していれば、後加熱処理により、生成した低温変態組織が十分に軟化され、靭性化して、後加熱処理の効果を確実に発現できる。しかし、冷却時に変態が終了しない時点で後加熱処理を開始すれば、後加熱処理の効果が不十分となる。
つぎに、本発明の基礎となった実験結果について説明する。
第1の鋼帯と第2の鋼帯を用意した。第1の鋼帯および第2の鋼帯はともに、1.5GPa級高張力冷延鋼帯(板厚:2.0mm)とした。なお、これらの鋼帯は、次(1)式
Ceq=C+Si/50+Mn/25+Cr/50+P/2 …(1)
ここで、C、Si、Mn、Cr、P:各元素の含有量(質量%)
で定義される炭素当量Ceqが0.3%の組成を有する鋼帯であり、鋼帯同士の溶接に際し、通常、放冷後に溶接部に低温変態組織を生成する。
端面をシャーで切断された第1の鋼帯の後端部と第2の鋼帯の先端部とを重ね合わせ、マッシュシーム溶接機を用いて溶接したのち、冷却した。冷却は放冷とした。なお、冷却(放冷)過程の溶接部の表面温度を放射温度計で測定し、溶接部の最高温度を求めた。そして、放冷途中の、各種温度(冷却停止温度)で冷却を停止したのち、直ちに誘導加熱装置により所定の温度(600℃)まで加熱する後加熱処理を行った。後加熱処理後、室温まで冷却(放冷)したのち、溶接部から試験片を採取し溶接部の硬さ分布を測定した。得られた溶接部の硬さ分布から最高硬さHVをもとめた。溶接部最高硬さHVと冷却停止温度との関係を図1に示す。
図1から、冷却停止温度を400℃以下とすることにより、後加熱処理後の溶接部硬さが顕著に低下している。冷却停止温度が上記した温度(400℃)より低くなると、冷却過程で変態が完了し、生成したマルテンサイト等の低温変態組織が後加熱処理により十分に焼戻されて溶接部の硬さが低下したものと考えられる。本発明では、この温度(冷却停止温度:400℃)を当該鋼帯における「溶接部の低温変態組織生成終了温度MF」と称することとした。
このようなことから、本発明では、鋼帯同士を溶接(接合)したのち、溶接部の温度(表面温度)を測定して、溶接部の最高温度が上記した温度MF(あるいは温度MF以下)に冷却されたのち、後加熱処理を行うこととした。これにより、溶接部が十分に焼戻されて硬さが低下し、通板途中での破断を防止できることを知見した。
本発明は、かかる知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨はつぎのとおりである。
[1]先行する鋼帯の後端部と後行する鋼帯の先端部とを溶接して前記先行する鋼帯と前記後行する鋼帯を接合するに当たり、前記溶接を終了したのち、該溶接により形成された溶接部の温度を測定し、該溶接部が所定の温度T(℃)に冷却されたのち直ちに、前記溶接部に後加熱処理を行うことを特徴とする鋼帯の接合方法。
[2]前記所定の温度T(℃)が、前記先行する鋼帯また前記後行する鋼帯の溶接部の低温変態組織生成終了温度MF(℃)のうち、低いMFを基準として、(MF-5℃)~(MF-20℃)の範囲の温度であることを特徴とする[1]に記載の鋼帯の接合方法。
[3]前記溶接が、マッシュシーム溶接であることを特徴とする[1]または[2]に記載の鋼帯の接合方法。
[4]前記溶接部の温度の測定が、放射温度計を用いた測定であることを特徴とする[1]ないし[3]のいずれかに記載の鋼帯の接合方法。
[5]前記後加熱処理が、誘導加熱を用いた加熱処理であることを特徴とする[1]ないし[4]のいずれかに記載の鋼帯の接合方法。
[6]前記第1の鋼帯および前記第2の鋼帯のいずれかが、次(1)式
Ceq=C+Si/50+Mn/25+Cr/50+P/2 …(1)
ここで、C、Si、Mn、Cr、P:各元素の含有量(質量%)
で定義される炭素当量Ceqが0.1%以上の組成を有する鋼帯であることを特徴とする[1]ないし[5]のいずれかに記載の鋼帯の接合方法。
[7]鋼帯の接合装置であって、先行する鋼帯の後端部と後行する鋼帯の先端部とを切断する切断手段と、前記切断手段で端部を切断された前記先行する鋼帯の後端部と前記後行する鋼帯の先端部とを溶接する溶接手段と、前記溶接により形成された溶接部の温度を測定する温度測定手段と、前記溶接部を所定の後加熱処理温度に加熱する後加熱処理手段と、
前記温度測定手段で測定された前記溶接部の冷却時の温度に基づき、前記後加熱処理手段に前記加熱の指示を行う制御手段と、を有することを特徴とする鋼帯の接合装置。
[8]前記溶接手段が、マッシュシーム溶接機であることを特徴とする[7]に記載の鋼帯の接合装置。
[9]前記温度測定手段が放射温度計であることを特徴とする[7]または[8]に記載の鋼帯の接合装置。
[10]前記後加熱処理手段が誘導加熱装置であることを特徴とする[7]ないし[9]のいずれかに記載の鋼帯の接合装置。
[11]前記制御手段が、前記測定した前記溶接部の温度を所定の温度であると判断する判断手段と、前記判断の結果に基づき、前記後熱処理手段に前記加熱の指示を行う指示手段とを有することを特徴とする[7]に記載の鋼帯の接合装置。
本発明によれば、製鉄所の鋼板製造において、鋼帯同士を溶接接合して圧延等の連続処理を行っても、溶接接合後の後加熱処理の効果が確実に発現されて、連続通板途中での溶接部(接合部)の破断が防止され、生産性が向上し、産業上格段の効果を奏する。また、本発明によれば、溶接接合とその後の後加熱処理を含めた処理時間を大幅に短縮できるという効果もある。
後加熱処理後の溶接部の硬さと冷却停止温度との関係を示すグラフである。 本発明の実施に好適な鋼帯の接合装置を模式的に示す説明図である。 (a)マッシュシーム溶接および(b)レーザー溶接、の概要を模式的に示す説明図である。 実施例における溶接部の加熱冷却パターンを模式的に示す説明図である。
本発明は、先行する鋼帯の後端部と後行する鋼帯の先端部とを溶接して溶接部を形成して鋼帯同士を接合したのち、溶接部の後加熱処理を行う鋼帯の接合方法であり、圧延等での連続処理を可能にする。本発明が対象とする鋼帯は、溶接接合に際し、溶接部にマルテンサイト、ベイナイト等の低温変態組織を形成しやすい鋼帯とする。このような鋼帯としては、例えば、次(1)式
Ceq=C+Si/50+Mn/25+Cr/50+P/2 …(1)
ここで、C、Si、Mn、Cr、P:各元素の含有量(質量%)
で定義される炭素当量Ceqが0.1%以上である材料が例示できる。なお、上記(1)式における計算は、当該元素を含有しない場合には零とする。
このような材料(鋼帯)としては、例えば、炭素鋼、TRIP鋼(変態誘起塑性鋼)、DP鋼(Dual Phase鋼)などが例示される。また、強度レベルで分類すれば、自動車車体用のTS1.0GPa~1.5GPa級高張力鋼板(鋼帯)等の各種鋼板や、各種高強度表面処理鋼板が例示できる。
本発明では、上記した鋼帯同士を接合する際に、第1の鋼帯の後端部と第2の鋼帯の先端部を、溶接する。第1の鋼帯と第2の鋼帯とは、同種の鋼帯としても、また、異種の鋼帯としてもよい。
鋼帯の溶接方法は、とくに限定する必要はないがマッシュシーム溶接、あるいは、レーザー溶接とすることが好ましい。
マッシュシーム溶接では、第1の鋼帯の後端部と、第2の鋼帯の先端部を、シャーで切断し、平行に重ね合わせ、その重ね合わせ部を、マッシュシーム溶接機の電極輪で加圧、通電することで、溶接部を形成し押しつぶしながら、さらに、スェージングロールSWRで平担化しながら、幅方向に走行させて接合する。
また、レーザー溶接では、第1の鋼帯の後端部と、第2の鋼帯の先端部を、シャーで切断し、突き合わせし、突合せ部にレーザー溶接機のレーザー溶接ヘッドを幅方向に走査し、連続的に溶接部を形成する。
本発明では、形成された溶接部の温度(表面温度)を測定する。溶接部の温度(表面温度)の測定は、溶接完了直後から冷却に伴い、連続的または間欠的に行うことが好ましい。そして、本発明では、溶接部の温度が、所定の温度T(℃)に到達した時点で直ちに、後加熱処理を開始する。なお、ここでいう「所定の温度T(℃)」とは、溶接部の低温変態組織生成終了温度MF(℃)、または(MF-5℃)~(MF-20℃)の範囲の温度とすることが好ましい。
なお、溶接部の低温変態組織生成終了温度MFは、予め当該鋼帯と同じ組成の鋼帯について実験により求めておくものとする。鋼帯を、溶接到達温度まで加熱したのち、冷却し、加熱された溶接部(溶接相当部位)を、冷却途中の各温度(冷却停止温度)で冷却を停止し、直ちに所定の温度まで加熱する後加熱処理を行い、室温まで冷却したのち、溶接部(溶接相当部位)の硬さを測定し、冷却停止温度と後加熱処理後の硬さとの関係を求め、該冷却停止温度と後加熱処理後の硬さとの関係から決定するものとする。本発明では、後加熱処理後の硬さが母材硬さ程度となる冷却停止温度の最も高い温度を、溶接部の低温変態組織生成終了温度MF(℃)とする。なお、異なる組成の鋼帯を接合する場合は、予め求めておいた各鋼帯の溶接部の低温変態組織生成終了温度MFのうち、低いMFを用いるものとする。
また、溶接部の温度(表面温度)の測定は、温度測定手段で行う。温度測定手段としては、とくに限定する必要はないが、例えば、放射温度計などの、非接触式の温度測定装置を用いることが好ましい。温度測定装置としては、ファイバー式放射温度計のように特定の点を測定できる装置としても、あるいは、サーモグラフィーカメラやアレイ型放射温度計のように二次元的に温度分布を測定できる装置としてもよい。
本発明では、溶接完了後の冷却時に、溶接部の温度が、溶接部の低温変態組織生成終了温度MFに到達したら、直ちに後加熱処理を行う。なお、後加熱処理の効果を確実にするという観点から、後加熱処理を開始する温度は、溶接部の温度ばらつき等を考慮して、溶接部の温度が、(MF-5℃)~(MF-20℃)の範囲の温度となった時点とすることが好ましい。
後加熱処理は、溶接部を加熱し、焼き戻しして、硬さを低下させ、通板時の破断を防止するために行う。後加熱処理の加熱温度は、当該鋼帯の組成に応じて適宜決定されるが、当該鋼帯の450℃以上Ac1変態点未満、好ましくは450~650℃の範囲の温度、より好ましくは500~600℃の範囲の温度、さらに好ましくは550~590℃である。
後加熱処理手段は、とくに限定する必要はないが、バーナー加熱装置、又は誘導加熱装置とすることが好ましい。とくに、誘導加熱を用いれば、加熱速度が大きく、処理時間の短縮が図れる。なお、後加熱処理後は、室温まで放冷する。
なお、上記した鋼帯の接合に好適な鋼帯の接合装置1は、図2に示すように、鋼帯端部を切断する切断手段2と、溶接手段3と、温度測定手段4と、後加熱処理手段5と、制御手段6(図示せず)と、を有する。図2では、切断手段2と、溶接手段3と、温度測定手段4と、後加熱処理手段5とを、キャリッジ10に搭載し、鋼帯の幅方向に、一体として移動可能としている。
切断手段2としては、先行する鋼帯11の後端部と後行する鋼帯12の先端部とを切断する、シャー21が例示される。また、溶接手段3としては、マッシュシーム溶接機、レーザー溶接機が例示でき、切断手段2で端部を切断された先行する鋼帯11の後端部と後行する鋼帯12の先端部とを溶接する。図2では、溶接手段3として、マッシュシーム溶接機を示しているが、本発明ではこれに限定されない。
マッシュシーム溶接機では、シャー21で端部を切断された、第1の鋼帯11の後端部と、第2の鋼帯12の先端部を、それぞれクランプ等で把持し、平行に重ね合わせ、その重ね合わせ部を、電極輪31,31で加圧、通電することで、溶接部を形成し押しつぶしながら、スェージングロールSWR32,32でさらに平坦化しながら、幅方向に走行して連続的に溶接し、鋼帯同士を接合する(図3(a)参照)。また、レーザー溶接機では、シャー21で端部を切断された、第1の鋼帯11の後端部と、第2の鋼帯12の先端部とを、突き合わせし、突合せ部に沿ってレーザー溶接ヘッド33を走査し、連続的にレーザー照射して溶接し、溶接部を形成して、鋼帯同士を接合する(図3(b)参照)。
温度測定手段4としては、溶接部の温度(表面温度)を測定できる、例えば、放射温度計などの非接触式の温度測定装置が例示できる。温度測定手段4は、図2、図3では、鋼帯の下側(裏面側)に配置されているが、本発明では、これに限定されないことは言うまでもない。温度測定手段4は、後加熱処理直前の溶接部温度を測定できるように、後加熱処理手段5のすぐ前に設けられ、キャリッジ等に搭載され溶接線に沿って移動可能なように配設されることが好ましい。なお、温度測定手段4で測定された溶接部の温度は、
制御手段6に送られる。
後加熱処理手段5としては、バーナー加熱、誘導加熱等、溶接部を所定の後加熱処理温度まで安定して加熱できるものであればよく、とくに限定する必要はないが、加熱速度や、取り扱いの簡便性などの観点から、誘導加熱装置とすることが好ましい。後加熱処理手段5は、図2では、鋼帯の下側(裏面側)に配置されているが、本発明では、これに限定されないことは言うまでもない。なお、後加熱処理手段5は、溶接線に沿って移動可能なように配設されることが好ましい。
制御手段6では、温度測定手段4で測定された当該溶接部の温度と、予め求めておいた所定の温度(溶接部の低温変態組織生成終了温度MF)とを対比し、後加熱処理の実施の要否を判断する判断手段と、後加熱処理手段5へ加熱(後加熱処理)の指示を行う指示手段とを有する。
以下、さらに、実施例に基づき、本発明について説明する。
第1の鋼帯と第2の鋼帯を準備した。第1の鋼帯と第2の鋼帯はともに、板厚:2.0mmの自動車車体用1.5GPa級の高張力鋼帯(鋼板)で、(1)式で定義される炭素当量Ceqが0.3%であった。なお、予め、実験で当該鋼帯の溶接部(溶接相当部位)の低温変態組織生成終了温度MFを求めておいた。MFは400℃であった。
溶接手段3をマッシュシーム溶接機とする、図2に示す鋼帯の接合装置を用いて、第1の鋼帯11の後端部と第2の鋼帯12の先端部とを溶接した。溶接に際しては、先行する第1の鋼帯11の後端部の端部および後行する第2の鋼帯12の先端部の端部を切断手段2(シャー21)で切断し、第1の鋼帯11の後端部と第2の鋼帯12の先端部を重ね合わせた。そして、その重ね合わせ部を、鋼帯の幅方向にキャリッジ10を走行させて、マッシュシーム溶接機の電極輪31,31で加圧、通電し、溶接部を形成し押しつぶしながら、さらに、スェージングロールSWR32,32で平坦化する、マッシュシーム溶接を行って、鋼帯11と鋼帯12とを連続する鋼帯とした。また、得られた溶接部の温度(表面温度)を、溶接線上に配置した放射温度計(温度測定手段4)で測定し、溶接部における最高温度を求めた。得られた溶接部に、後加熱処理を行ったのち、連続通板した。
(比較例1)
溶接終了後、放冷し、得られた溶接部の温度を、溶接線上に配置した放射温度計(温度測定手段4)で面状に測定し、溶接部の温度(最高温度)が室温(25℃)となったのち、誘導加熱装置(後加熱処理手段5)により、所定の温度(600℃)に加熱する後加熱処理を行い、室温まで放冷した。なお、連続通板中に溶接部での破断は発生しなかった。
(比較例2)
溶接終了後、得られた溶接部の温度を、溶接線上に配置した放射温度計(温度測定手段4)で面状に測定しながら、直ちに、誘導加熱装置(後加熱処理手段5)により、所定の温度(600℃)に加熱する後加熱処理を行い、室温まで放冷した。なお、後加熱処理の開始時の溶接部の温度(最高温度)は550℃であった。溶接開始から後加熱処理の放冷終了まで処理時間は、比較例1の処理時間を100%としたときの50%であった。なお、連続通板による冷間圧延中に、溶接部で破断した。
(本発明例1)
溶接終了後、放冷し、得られた溶接部の温度(最高温度)を、溶接線上に配置した放射温度計(温度測定手段4)で面状に測定し、溶接部の温度(最高温度)が、予め求めておいた溶接部の低温変態組織生成終了温度MF(℃)を基準として、(MF-5℃)に低下したのち、誘導加熱装置(後加熱処理手段5)により、所定の温度(600℃)に加熱する後加熱処理を行い、後加熱処理終了後、室温まで放冷した。溶接開始から後加熱処理の放冷終了まで処理時間は比較例1の70%であり、処理時間の短縮が図れた。なお、連続通板による冷間圧延中に溶接部での破断は発生しなかった。
10 キャリッジ
11 第1の鋼帯
12 第2の鋼帯
2 切断手段
21 シャー
3 溶接手段
31 電極輪
32 スウェージングロール
33 レーザー溶接ヘッド
4 温度測定手段(放射温度計)
5 後加熱処理手段(誘導加熱装置)

Claims (10)

  1. 先行する鋼帯の後端部と後行する鋼帯の先端部とを溶接して前記先行する鋼帯と前記後行する鋼帯を接合するに当たり、前記溶接を終了したのち、該溶接により形成された溶接部の温度を測定し、該溶接部が前記先行する鋼帯また前記後行する鋼帯の溶接部の低温変態組織生成終了温度MF(℃)のうち、低いMFを基準として、(MF-5℃)~(MF-20℃)の範囲の温度T(℃)に冷却されたのち直ちに、前記溶接部に後加熱処理を行うことを特徴とする鋼帯の接合方法。
  2. 前記溶接が、マッシュシーム溶接であることを特徴とする請求項1に記載の鋼帯の接合方法。
  3. 前記溶接部の温度の測定が、放射温度計を用いた測定であることを特徴とする請求項1または2に記載の鋼帯の接合方法。
  4. 前記後加熱処理が、誘導加熱を用いた加熱処理であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の鋼帯の接合方法。
  5. 前記先行する鋼帯および前記後行する鋼帯のいずれかが、下記(1)式で定義される炭素当量Ceqが0.1%以上の組成を有する鋼帯であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の鋼帯の接合方法。

    Ceq=C+Si/50+Mn/25+Cr/50+P/2 …(1)
    ここで、C、Si、Mn、Cr、P:各元素の含有量(質量%)
  6. 鋼帯の接合装置であって、先行する鋼帯の後端部と後行する鋼帯の先端部とを切断する切断手段と、前記切断手段で端部を切断された前記先行する鋼帯の後端部と前記後行する鋼帯の先端部とを溶接する溶接手段と、前記溶接により形成された溶接部の温度を測定する温度測定手段と、前記溶接部を所定の後加熱処理温度に加熱する後加熱処理手段と、前記温度測定手段で測定された前記溶接部が前記先行する鋼帯また前記後行する鋼帯の溶接部の低温変態組織生成終了温度MF(℃)のうち、低いMFを基準として、(MF-5℃)~(MF-20℃)の範囲の温度T(℃)に冷却されたのち直ちに前記後加熱処理手段に前記加熱の指示を行う制御手段と、を有することを特徴とする鋼帯の接合装置。
  7. 前記溶接手段が、マッシュシーム溶接機であることを特徴とする請求項に記載の鋼帯の接合装置。
  8. 前記温度測定手段が放射温度計であることを特徴とする請求項6または7に記載の鋼帯の接合装置。
  9. 前記後加熱処理手段が誘導加熱装置であることを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の鋼帯の接合装置。
  10. 前記制御手段が、前記測定した前記溶接部の温度を所定の温度であると判断する判断手段と、前記判断の結果に基づき、前記後加熱処理手段に前記加熱の指示を行う指示手段とを有することを特徴とする請求項に記載の鋼帯の接合装置。
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