JPH1071225A - 氷雪上スポーツ用具 - Google Patents

氷雪上スポーツ用具

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JPH1071225A
JPH1071225A JP22902296A JP22902296A JPH1071225A JP H1071225 A JPH1071225 A JP H1071225A JP 22902296 A JP22902296 A JP 22902296A JP 22902296 A JP22902296 A JP 22902296A JP H1071225 A JPH1071225 A JP H1071225A
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JP
Japan
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ice
snow
sports equipment
elastic body
case
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JP22902296A
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Inventor
Motoki Nagase
元樹 長瀬
Takehiko Hirahara
武彦 平原
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、氷雪上スポーツ用具の有する機能や
性能を変更せずに、衝撃振動のみを急速に減衰させ、か
つ、衝撃を受けた時の不快感、ストックの場合にはグリ
ップのシビレを著しく低減する氷雪上スポーツ用具を提
供せんとするものである。 【解決手段】本発明の氷雪上スポーツ用具は、重りを弾
性体で被覆してなる振動子要部が、被着体に着脱可能な
ケース内に圧縮収納されてなる振動吸収部材を、氷雪上
スポーツ用具の少なくとも一部に装着したことを特徴と
するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衝撃振動を吸収す
る機能に著しく優れた氷雪上スポーツ用具に関する。さ
らに詳しくはアイススケート、アイスホッケー、ボブス
レー、スノーボードおよびスキー板、さらには、スティ
ック、ストックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、衝撃を伴なう氷雪上スポーツ用具
は複合材料を素材とする開発が進み、軽くて丈夫で反撥
弾性に優れた機能が追求されてきた。しかし、一方で各
種材料の中には振動吸収特性が低く、残留振動のために
着地時に不快感があったり、特に高速スピードで滑走し
た時の衝撃は極めて激しく、膝が痛められたり、激しく
は骨折してしまうほど強烈な衝撃を伴うなどの問題があ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の問題点に鑑み、氷雪上スポーツ用具の有する機能
や性能を変更することなく、そのまま衝撃振動を急速に
減衰させることができ、また、衝撃を受けた時の不快
感、ストックの場合ではグリップのシビレ感、アイスホ
ッケーのスティックの場合ではパックを打ったときのグ
リップのシビレ感などを著しく低減し、アイススケート
やスキー板でのショック緩和に優れた氷雪上スポーツ用
具を提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を達
成するため、次の手段を採用するものである。すなわ
ち、本発明の氷雪上スポーツ用具は、重りを弾性体で被
覆してなる振動子要部が、被着体に着脱可能なケース内
に圧縮収納されてなる振動吸収部材を、氷雪上スポーツ
用具の少なくとも一部に装着したことを特徴とするもの
である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、氷雪上スポーツ用具の
外部衝撃、たとえば滑走時の衝撃などによる振動エネル
ギーを重りの運動エネルギーに変換し吸収する際に、振
動子要部を弾性体により圧縮収納することにより、従来
の振動吸収部材に比して極めて高い吸収能を発揮するこ
とを究明したものである。
【0006】すなわち、本発明は、かかる重りを弾性体
によって被覆すると共に該弾性体の充填圧力によって、
該振動子要部を被着体に着脱可能なケース内に圧縮収納
した振動吸収部材を氷雪上スポーツ用具の一部、たとえ
ばボードや板、さらにグリップなどに装着したところ、
意外にも、上述の重りの外部衝撃による振動を励起する
振動子としての機能を大幅にレベルアップし、急速かつ
著しく吸収機能を高めることを究明したものである。
【0007】ここでいう圧縮収納とは、重りの運動をで
きるだけ制御しないが、弾性体やケースは外部衝撃によ
ってもできるだけ動かないように収納することを意味す
る。すなわち、弾性体は、重りを被覆するが、該重りの
振動子としての動きや振動をできるだけ制御しないよう
にするのが、その機能アップには好ましく、しかし該弾
性体自身はケース内にしっかり固定するのが好ましいの
で、本発明では、弾性体を圧縮収納して、その圧力を利
用する手段を採用したものである。ただしケースは空洞
内壁に動かないように固定するものである。
【0008】本発明でいう重りは、鉛、鉄、銅、セラミ
ックなどの重りとして利用できる質量を有するものであ
れば何でも使用することができ、特に限定するものでは
ない、ただし装着部が限られた容積しかないため、でき
るだけ重い、好ましくは7以上の比重を有するものを使
用するのが望ましく、かかる意味から入手が容易で安価
な鉛が好ましく使用される。
【0009】本発明でいう重りとは、その容積にもよる
が、全体の重さとして、好ましくは少なくとも1g、さ
らに好ましくは3g〜20gの範囲の物質がよいが、あ
まり重量が軽すぎると振動吸収性能は低下する。また重
量が重すぎると、全体的な重量バランスを損なうので好
ましくない。
【0010】本発明でいう弾性体は、弾性を有する樹
脂、例えば天然ゴム、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン
系、ポリアミド系、ポリスチレン系、ポリ塩化ビニル共
重合体、ポリオレフィン系、さらには合成ゴム例えばE
PDM、スチレンブタジェン系、ニトレル系、イソプレ
ン系、クロロプレン系、プロピレン系、シリコーン系等
のゴムなどを使用することができる。
【0011】これらの弾性樹脂は、発泡弾性体または中
実弾性体の形で使用される。中実弾性体は、特に好まし
くは立体的に弾性を発現させる形態で使用するのがよ
く、たとえば、突起を有する構造のものが衝撃振動を励
起させる機能に優れていて好ましい。かかる弾性体のシ
ートの硬さ(JIS L-1096:ガーレ法)は、好ましくは
1.0〜150.0mgf 、さらに好ましくは50〜10
0mgf の範囲のものである。かかる範囲にある場合に安
定した圧縮率を保持することができことができ、安定し
た振動吸収性能が得られる。
【0012】また、中実弾性体は、50%伸長時の応力
で0.5〜200kg/cm2 程度の性能を有するものが好
ましく、また、該中実弾性体は突起を有するものが好ま
しく使用される。かかる突起の形状は、円柱、角柱、円
錘、角錘等種々の形状のものを好ましく使用することが
できるが、例えば円柱の場合、直径が0.5〜5mm、突
起の高さは0.5〜10mmの範囲のものが好ましいが、
さらに部材装着場所の容積の制約などから、その大きさ
が決定される。また、かかる突起の密度は、好ましくは
5〜35個/cm2 、さらに好ましくは10〜30個/cm
2 である。この密度が高すぎると、シートの硬さが大き
くなりすぎて異音を発生し、少なすぎると、柔らかくな
りすぎて安定した圧縮率を保持しにくくなり、いずれも
振動吸収性能を低下する傾向がある。また、突起の面積
専有率は好ましくは5〜80%の範囲のものがよいが、
これは、5%以下では、弾性力が不足し、重りの収納保
持性が低下し、また、80%以上では、あまりに弾性が
高くなりすぎ、重りの動きが制約され、振動吸収効果が
減少する傾向が出てくるからである。四角錘の場合は、
片面は100%でもよく、要するに頂点が重りを保持で
きる状態であれば、適当な寸法で使用することができ
る。
【0013】本発明でいう発泡弾性体は、25%圧縮時
の反撥力が3〜300g/cm2 程度であるものが好まし
く、たとえば、衝撃力の小さい用具については低反撥力
のものを、衝動力の大きい用具には高反撥力のものを使
用するのが好ましい。
【0014】本発明でいう振動子要部は、弾性体によっ
て圧縮状態でケース内に収納されるが、このときの圧縮
状態は、該弾性体自身が外部衝撃で動かない程度に収納
されていればよく、たとえば発泡弾性体でいえば、好ま
しくは圧縮率200〜500%の範囲で圧縮されている
程度である。圧縮率は、解放時の発泡弾性体容積に対す
るケース内での該発泡弾性体容積の百分率で表わす。中
実弾性体の場合も同じ算出方法で表わすことができる
が、突起を有する場合は、突起の頭頂部から頭頂部に引
いた直線で示される全容積を考慮して算出する。
【0015】本発明でいう振動子要部は、上述の重りお
よび弾性体、特に好ましくは発泡弾性体および中実弾性
体からなるものであるが、該弾性体の種類は、発泡倍
率、圧縮率、25%伸長時の応力、シート硬さなどそれ
ぞれ機能の異なるものを含む、つまり積層したものであ
ってもよく、さらに外側に向うにつれて硬く強靭性を増
す方向に勾配を有する弾性体で構成されていることも好
ましい要件である。
【0016】かかる弾性体を収納するケースは、筒状形
状で、収納可能な程度の剛性を有する素材、すなわち、
該弾性体より硬い骨材、たとえば、ABS、ABS−ナ
イロン樹脂、ナイロン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボ
ネート、塩化ビニル樹脂などの通常の熱可塑性樹脂、熱
硬化性樹脂などのプラスチックスや軽量の金属、たとえ
ばアルミニウムやその合金を使用することができる。
【0017】本発明でいう振動吸収部材は、上記骨材ケ
ース内に、弾性体を圧縮状態に収納することで振動子要
部を保持したものであるが、好ましくは該振動子要部全
体を被覆する形、さらには密閉保持する形が好ましい。
【0018】かかる振動吸収部材は、ケース状物である
から、このケースを、氷雪上スポーツ用具の少なくとも
一部、たとえば、靴底、ボード、板およびグリップなど
に装着、固定させることで振動吸収機能を達成させるこ
とができるが、該振動吸収部材自身に外部衝撃による振
動を惹起させないように留意するのが好ましい。かかる
外部衝撃振動が惹起すると、振動減衰機能は大幅に低下
するとともに、ボードやグリップに与える不快感、ショ
ックやシビレ感を大幅に増大する結果を招く。したがっ
て、本発明では、氷雪上スポーツ用具の振動減衰所望部
分に、該ケースがキッチり嵌合する空洞を設け、かつ、
衝撃付与時に該ケースが振動しない状態に該ケースを固
定することが好ましい。
【0019】すなわち、氷雪上スポーツ用具のボードや
板、さらにグリップエンドなどに該空洞を設けた後、こ
の空洞に該ケースを固定させればよい。かかる固定の手
段として、該空洞内または該ケース表面に設けられた突
起状物によって、該ケースを押圧状態に固定する手段、
または、接着剤によって固定する手段の2つの方法が採
用される。なお、上記突起状物としては、傾斜を有する
山状物または波状物が、固定に必要な箇所に設けられて
いるものを使用することができる。かかる傾斜によっ
て、嵌合のし易さを増大させることができる。また、固
定には、該ケースの両端部に突起状物を設けるのが安定
性の上から好ましい。接着剤で固定する場合は、該空洞
の内壁または該ケース表面に接着剤を塗布して、該ケー
スが動かないようにできればよい。
【0020】以下、図面を用いて本発明を更に詳しく説
明する。図1は、本発明の氷雪上スポーツ用具に使用さ
れる振動吸収部材の一例を示す断面構造である。かかる
振動吸収部材は、重り1と、第1層目の弾性体である発
泡弾性体2、さらに第2層目の弾性体の中実弾性体3、
第3層目の弾性体の突起を有する中実弾性体4とで構成
されている。すなわち、弾性体は、第1層目の発泡弾性
体、第2層目の発泡弾性体または中実弾性体と、第3層
目の中実弾性体との3重構造で構成されている。図2
は、図1に中実弾性体3、突起を有する中実弾性体4
を、さらに組合わせて構成した他の構造例を示す。
【0021】すなわち、ここに使用されている振動子要
部は、弾性体、好ましくは発泡弾性体と中実弾性体で被
覆されているものであるが、発泡弾性体の2種以上また
は中実弾性体の2種以上で構成されていてもよい。すな
わち、好ましくは弾性特性の勾配を外側に向って硬い方
向で構成するのが、振動吸収性に優れたものを提供する
のでよい。
【0022】図3は、本発明の氷雪上スポーツ用具であ
るスノーボードのボード部に振動吸収部材7を装着した
構造を示す一例であり、図4は、本発明の氷雪上スポー
ツ用具であるスキー板のボード部に振動吸収部材7を装
着した構造を示す一例である。図5は、本発明の氷雪上
スポーツ用具であるスキー用ストックのグリップに振動
吸収部材7を装着した構造を示す一例である。図6は、
本発明の氷雪上スポーツ用具であるボブスレーのボード
に振動吸収部材を装着した位置を示す一例である。図7
は、本発明の氷上スポーツ用具であるスケート靴の底部
に振動吸収部材を装着した構造例を示すものである。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。
【0024】実施例1 図1に示した構造の振動吸収部材をボード部に装着し
て、図3のスノーボードを製造した。ケースは、ABS
ナイロン製(縦内径20mm、横内径50mm、高さ15m
m、厚さ5mm、蓋部の厚さ5mm)の矩形のものを形成
し、さらに10mm×5mm、長さ21mmの矩形状鉛板(1
0.5g)を重りとして使用した。発泡弾性体は、硬さ
4.5Kg/314cm2 、見掛密度21.0Kg/ m3 、2
5%圧縮時の反発力150g/cm2 、圧縮率280%の
軟質発泡ポリウレタンを使用した。中実弾性体として、
天然ゴム製の硬さ67.5mgf 、50%伸長時の応力1
00Kg/cm2 、突起密度22個/cm2 の卓球用ラバーを
用意した。
【0025】まず、発泡弾性体と、中実弾性体を予め必
要な大きさにカットしておいて、重りを発泡弾性体で包
み込み、これを中実弾性体で包み込んだ。いずれの弾性
体も重りの全体を被覆、密閉するように包埋した。この
弾性体被覆振動子要部をケース内に、該発泡弾性体を約
250%圧縮した状態でキッチリ収納し、手で持って振
っても該重りが動かないように固定した後、両端の蓋を
接着剤で固定して振動吸収部材を形成した。
【0026】この振動吸収部材を、予め形成しておいた
CFRP製スノーボードのボードの穴に固定した。この
ようなスノーボードをそれぞれ4枚用意した。これらの
スノーボードについて次の方法で振動吸収性能測定をし
て、その結果を表1に示した。 振動損失係数:小野側
器社製 DUAL CHANNEEL FFT ANALYZER CF-910 を用い加
速度応答センサーを、該ボード端から約8cmの位置に取
り付け、ボード先端で吊り下げた状態で該ボードをハン
マーで叩き、その時の振動伝達関数をセンサーで検出
し、得られた減衰波形から振動損失係数を算出する。試
験は、スノーボード4枚を200時間使用した後での測
定を実施し、その平均をとった。
【0027】比較例1 実施例1において、振動吸収部材として振動子要部とし
て、中実弾性体を巻き付けるが、底部と天井部のみは、
実施例1で重りを被覆した発泡弾性体を使用した。それ
以外は実施例1と同じ方法で測定した。結果を表1に示
す。
【0028】比較例2 実施例1において、振動吸収部材を使用しないもののス
ノーボードの振動特性を測定した。結果を表1に示し
た。
【0029】比較例3 実施例1において、構造や素材、さらに製造プロセスも
実施例1と同じであるが、重りを包埋する際に発泡弾性
体を圧縮させないで、弾性体内、さらにケース内に収納
させて、これを振動吸収材とした。このケースを手に持
って振ったところ、重りが振動しているのがわかった。
この振動吸収材について、実施例1と同様の振動特性を
測定した。結果を表1に示した。
【0030】
【表1】 表1から明らかなように、実施例1の振動吸収材を装着
したスノーボードは、比較例1、2、3に比して著しい
振動吸収能を示した。これら実施例1、比較例1、2、
3の4枚のスノーボードを、初級、中級、上級のスノー
ボーダー各4名に滑走してもらった結果、上級と中級の
スノーボーダーは、「ジャンプして雪面に着地した際
に、比較例1、2、3は、ふくらはぎ、膝、太ももにか
なりの負担を感じるが、実施例1のものは足への負担は
極めて少ない」との評価であった。また、初級のスノー
ボーダーは、「少し差が感じられた」との評価であっ
た。
【0031】実施例2 図1に示した構造の振動吸収部材をボブスレーの側壁部
および底部に装着して、図6のボブスレーを製造した。
ケースは、ABSナイロン製(縦内径20mm、横内径5
0mm、高さ15mm、厚さ5mm、蓋部の厚さ5mm)の矩形
のものを形成し、さらに10mm×5mm、長さ21mmの矩
形状鉛板(10.5g)を重りとして使用した。発泡弾
性体は、硬さ4.5Kg/314cm2 、見掛密度21.0
Kg/ m3 、25%圧縮時の反発力150g/cm2 、圧縮
率280%の軟質発泡ポリウレタンを使用した。中実弾
性体として、天然ゴム製の硬さ67.5mgf 、50%伸
長時の応力100Kg/cm2 、突起密度22個/cm2 の卓
球用ラバーを用意した。
【0032】まず、発泡弾性体と、中実弾性体を予め必
要な大きさにカットしておいて、重りを発泡弾性体で包
み込み、これを中実弾性体で包み込んだ。いずれの弾性
体も重りの全体を被覆、密閉するように包埋した。この
弾性体被覆振動子要部をケース内に、該発泡弾性体を約
250%圧縮した状態でキッチリ収納し、手で持って振
っても該重りが動かないように固定した後、両端の蓋を
接着剤で固定して振動吸収部材を形成した。
【0033】この振動吸収部材を、予め形成しておいた
CFRP製ボブスレーのボードの穴に固定した。このよ
うなボブスレーをそれぞれ4枚用意した。これらのボブ
スレーについて次の方法で振動吸収性能測定をして、そ
の結果を表1に示した。 振動損失係数:小野側器社製
DUAL CHANNEEL FFT ANALYZER CF-910 を用い加速度応
答センサーを、該ボード端から約8cmの位置に取り付
け、ボード先端で吊り下げた状態で該ボードをハンマー
で叩き、その時の振動伝達関数をセンサーで検出し、得
られた減衰波形から振動損失係数を算出する。試験は、
ボブスレー4枚を200時間使用した後での測定を実施
し、その平均をとった。
【0034】比較例4 実施例2において、振動吸収部材として振動子要部とし
て、中実弾性体を巻き付けるが、底部と天井部のみは、
実施例2で重りを被覆した発泡弾性体を使用した。それ
以外は実施例2と同じ方法で測定した。結果を表1に示
す。
【0035】比較例5 実施例2において、振動吸収部材を使用しないもののボ
ブスレーの振動特性を測定した。結果を表2に示した。
【0036】比較例6 実施例2において、構造や素材、さらに製造プロセスも
実施例2と同じであるが、重りを包埋する際に発泡弾性
体を圧縮させないで、弾性体内、さらにケース内に収納
させて、これを振動吸収材とした。このケースを手に持
って振ったところ、重りが振動しているのがわかった。
この振動吸収材について、実施例2と同様の振動特性を
測定した。結果を表2に示した。
【0037】
【表2】 表2から明らかなように、実施例2の振動吸収材を装着
したボブスレーは、比較例4、5、6に比して著しい振
動吸収能を示した。これら実施例2、比較例4、5、6
の4枚のボブスレーを、1チーム4名編成で5チームに
滑走してもらった結果、いずれのチームも「滑走の際、
比較例4、5、6は、全身に強烈な衝撃を受け大きな負
担を感じるが、実施例2のものは格段に衝撃も負担も減
少した」との評価であった。
【0038】
【発明の効果】本発明の氷雪上スポーツ用具は、衝撃振
動を急速に吸収、減衰させる性能に優れており、しかも
該性能を安定して付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の氷雪上スポーツ用具に使用される振動
吸収部材の一例を示す断面構造である。
【図2】本発明の氷雪上スポーツ用具に使用される振動
吸収部材の他の一例を示す断面構造である。
【図3】本発明の氷雪上スポーツ用具であるスノーボー
ドのボードに振動吸収部材を装着した位置を示す一例の
模式図である。
【図4】本発明の氷雪上スポーツ用具であるスキー板の
板部に振動吸収部材を装着した構造例を示す模式図であ
る。
【図5】本発明の氷雪上スポーツ用具であるスキー用ス
トックのグリップに振動吸収部材を装着した構造例を示
す模式図である。
【図6】本発明の氷上スポーツ用具であるボブスレーの
ボードに振動吸収部材を装着した位置を示す一例の模式
図である。
【図7】本発明の氷上スポーツ用具であるスケート靴の
底部に振動吸収部材を装着した構造例を示す模式図であ
る。
【符号の説明】 1:重り 2:第1層目弾性体(発泡弾性体) 3:第2層目弾性体(中実弾性体) 4:第3層目弾性体(中実弾性体) 5:ケース 6:ケースの蓋面 7:振動吸収材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 15/06 B32B 15/06 A

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重りを弾性体で被覆してなる振動子要部
    が、被着体に着脱可能なケース内に圧縮収納されてなる
    振動吸収部材を、氷雪上スポーツ用具の少なくとも一部
    に装着したこと特徴とする氷雪上スポーツ用具。
  2. 【請求項2】 該重りが、発泡弾性体で被覆され、該発
    泡弾性体の外側を中実弾性体で被覆されている請求項1
    記載の氷雪上スポーツ用具。
  3. 【請求項3】 該ケースが、該弾性体よりも硬い骨材で
    形成されたものである請求項1記載の氷雪上スポーツ用
    具。
  4. 【請求項4】 該圧縮収納が、外部衝撃付与時に振動子
    要部が振動音を発生しない程度である請求項1記載の氷
    雪上スポーツ用具。
  5. 【請求項5】 該圧縮収納が、発泡弾性体の圧縮率で2
    00〜500%の範囲にある請求項2記載の氷雪上スポ
    ーツ用具。
  6. 【請求項6】 該発泡弾性体が、25%圧縮時の反撥力
    が3〜300g/cm2 である請求項2記載の氷雪上スポ
    ーツ用具。
  7. 【請求項7】 該中実弾性体が、50%伸長時の応力が
    0.5〜200Kg/cm2である請求項2記載の氷雪上ス
    ポーツ用具。
  8. 【請求項8】 該ケースが、熱可塑性樹脂製または熱硬
    化性樹脂製である請求項1記載の氷雪上スポーツ用具。
  9. 【請求項9】 該ケースが、振動子要部全体を被覆する
    ものである請求項1記載の氷雪上スポーツ用具。
  10. 【請求項10】 該重りが、少なくとも1gの質量を有
    するものである請求項1記載の氷雪上スポーツ用具。
  11. 【請求項11】 該ケースが、該用具の一部に設けた空
    洞内に、衝撃付与時に該ケースが振動しない状態に固定
    されている請求項1記載の氷雪上スポーツ用具。
  12. 【請求項12】 該固定が、該空洞内または該ケース表
    面に設けられた突起状物によって、該ケースを押圧状態
    で固定するものである請求項1記載の氷雪上スポーツ用
    具。
  13. 【請求項13】 該突起状物が、傾斜を有する山状物ま
    たは波状物である請求項12記載の氷雪上スポーツ用
    具。
  14. 【請求項14】 該固定が、接着剤によるものである請
    求項12記載の氷雪上スポーツ用具。
  15. 【請求項15】 該氷雪上スポーツ用具が、スノーボー
    ドであり、かつ、該用具の一部が、該ボードの一部であ
    る請求項1〜14のいずれかに記載の氷雪上スポーツ用
    具。
  16. 【請求項16】 該氷雪上スポーツ用具が、スキー板で
    あり、かつ、該用具の一部が、該スキー板の一部である
    請求項1〜14のいずれかに記載の氷雪上スポーツ用
    具。
  17. 【請求項17】 該氷雪上スポーツ用具が、スキー用ス
    トックであり、かつ、該用具の一部が、該ストックのグ
    リップ部である請求項1〜14のいずれかに記載の氷雪
    上スポーツ用具。
  18. 【請求項18】 該氷雪上スポーツ用具が、ボブスレー
    であり、かつ、該用具の一部が、側壁および底部から選
    ばれた少なくとも一方である請求項1〜14のいずれか
    に記載の氷雪上スポーツ用具。
  19. 【請求項19】 該氷雪上スポーツ用具が、スケート靴
    であり、かつ、該用具の一部が、該スケート靴の底部か
    ら選ばれた少なくとも一方である請求項1〜14のいず
    れかに記載の氷雪上スポーツ用具。
  20. 【請求項20】 該氷雪上スポーツ用具が、アイスホッ
    ケー用スティックであり、かつ、該用具の一部が該ステ
    ィックのグリップ部である請求項1〜14のいずれかに
    記載の氷雪上スポーツ用具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014073792A (ja) * 2012-10-05 2014-04-24 Toyota Motor Corp クッション体
CN114619684A (zh) * 2022-01-29 2022-06-14 航天材料及工艺研究所 一种雪车曲面薄壁复合材料结构件的制造方法

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