JPH1070121A - 半導体基板上に薄膜ナノ多孔質アエロゲルを形成するための低揮発性溶剤基の方法 - Google Patents
半導体基板上に薄膜ナノ多孔質アエロゲルを形成するための低揮発性溶剤基の方法Info
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- JPH1070121A JPH1070121A JP8342342A JP34234296A JPH1070121A JP H1070121 A JPH1070121 A JP H1070121A JP 8342342 A JP8342342 A JP 8342342A JP 34234296 A JP34234296 A JP 34234296A JP H1070121 A JPH1070121 A JP H1070121A
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Abstract
薄膜のナノ多孔質エーロゲルをデポジットし、ゲル化
し、エージングし、乾燥できるようにすること。 【解決手段】半導体基板に薄膜のナノ多孔質誘電体を形
成する方法は、半導体基板を設ける工程と、この基板に
ナノ多孔質のエーロゲル前駆物質ゾルをデポジットする
工程を含む。このエーロゲル前駆物質ゾルは金属基エー
ロゲル前駆物質反応体とグリセロールを含む第1溶剤と
を備え、反応体における金属原子に対するグリセロール
の分子のモル比は少なくとも1:16である。
Description
(孔径がナノメータの大きさの微細多孔質)誘電体のエ
ーロゲル薄膜製造に適したデポジット方法を含む、半導
体基板上に薄膜ナノ多孔質エーロゲルをデポジットする
方法および前駆物質に関する。
膜(例えば半導体デバイス上に設けられる電気絶縁体ま
たは光学的コーティング)またはバルク(例えば熱絶縁
体)のような種々の用途に対し使用できる。説明を簡単
にするため、本明細書における実施例は半導体デバイス
上に設けられる電気絶縁体として主に使用するものとす
る。
な電子デバイス用の集積回路で広く使用されている。半
導体および電子機器メーカーのみならずエンドユーザー
も、消費電力が少ないが、より小さいパッケージでより
短い時間で作動できる集積回路を望んでいる。しかしな
がら、これら要望の多くは互いに矛盾するものである。
例えば、所定の回路で大きさを0.5ミクロン〜0.2
5ミクロンへ縮小するだけでエネルギー消費量および熱
の発生が30%だけ増加し得る。また、寸法を小さくす
る結果、一般にチップ間で信号を送る導線の間の容量結
合すなわちクロストークが増えることとなる。このよう
な効果は達成できる速度を制限するだけでなく、デバイ
スの適正な作動を保証するのに使用されるノイズマージ
ンを劣化する。エネルギーの使用量/熱発生量およびク
ロストーク効果を減少する1つの方法は、導線を分離す
る絶縁体、すなわち誘電体の誘電率を増すことである。
ルナード外に発行された米国特許第5,470,802
号は、これら解決方法のうちのいくつかに対する背景技
術を提供するものである。
には半導体製造のための最も将来性のある新材料のうち
のいくつかが含まれる。これら誘電体材料は、例えばシ
リカのような固体構造を含み、この固体構造は一般に数
ナノメータの大きさの直径を有する孔の相互に絡み合っ
たネットワークが通っている。これら材料には極めて大
きな多孔率を形成でき、これに対応して誘電率は一般に
密なシリカの誘電率の半分よりも小さくなる。しかしな
がら、大きな多孔率にも拘わらず強度が大きく、現在の
ほとんどの半導体製造プロセスとのコンパーチビリティ
に優れたナノ多孔質の誘電体を製造できることが判って
いる。従って、ナノ多孔質の誘電体は一般的な半導体誘
電体、例えば密なシリカに対する可能性のある低誘電率
の置換物となる。
しい方法は、ゾルーゲル技術を使用する方法である。こ
こで、「ゾルーゲル」なる用語は製品を記述する用語で
はなく、液体内の固体粒子のコロイド状サスペンション
であるゾルが固体粒子の成長および相互結合によりゲル
に変化する反応機構を意味する用語である。ゾル内で反
応が継続することによりゾル内の1つ以上の分子が最終
的に巨視的な大きさに達し、ほぼゾル内全体にわたって
延びる固体ネットワークを形成し得るという1つの理論
がある。この点で(ゲル点と称される)において、この
物質はゲルと称されている。このような定義によれば、
ゲルとは連続的な液相を囲む連続的な固体骨格を含む物
質のことである。骨格が多孔質であれば、本明細書で使
用する用語「ゲル」とは孔内の流体を囲む連続多孔固体
構造を意味する。
と縮合反応を利用する方法があり、これら反応により溶
液内の多官能価モノマーが重合し、比較的大きな分岐の
多い粒子となり得る。かかる重合に適した多くのモノマ
ーとして金属アルコキシがある。例えばテトラエトキシ
シラン(TEOS)モノマーは次の反応により水中で一
部が加水分解し得る。
t)3+EtOH
は完全に加水分解するような所望の回数の加水分解反応
を平均として行うように制御できる。完全に加水分解さ
れたTEOSはSi(OH)4となる。分子が少なくと
も部分的に加水分解されると、2つの分子は次のような
縮合反応で共に結合し得る。
ーが形成され、水またはエタノール分子を遊離する。こ
れら反応によって形成されたオリゴマー内のSi−O−
Si結合は、各端部に更に加水分解および縮合するのに
利用できる3つの部位を有する。従って、文字どおり数
千個のモノマーから1つの分岐の多いポリマー分子を形
成するよう、この分子に多少ランダム状に付加的モノマ
ーすなわちオリゴマーを付加することができる。本明細
書に記載したオリゴマー化された金属アルコキシは、少
なくとも2つのアルコキシモノマーから形成された分子
を含むが、ゲルを含んでいない。
ゲル膜堆積(デポジション)のための基礎となる。代表
的な薄膜キセロゲルプロセスではゲル化していない前駆
物質のゾルを(例えばスプレーコーティング、浸漬コー
ティングまたはスピニングコーティングにより)基板に
塗布し、厚さが数ミクロン以下の大きさの薄膜を形成
し、これをゲル化し、乾燥して密な膜を形成できる。前
駆物質のゾルは原液と溶剤を含むことが多く、ゲル化を
速くするために前駆物質のゾルのpHを変えるゲル化触
媒を含むこともある。コーティング中およびコーティン
グ後はゾルの薄膜内の揮発性成分は通常急速に蒸発す
る。従って、膜が急速に崩壊して密な膜となる際にデポ
ジション、ゲル化および乾燥段階が(少なくともある程
度)同時に生じ得る。これと対照的にエーロゲルプロセ
スは湿潤ゲルの乾燥中に主に孔の崩壊を防止することに
より、キセロゲルプロセスと異なっている。孔の崩壊を
防止するいくつかの方法として(上記米国特許第5,4
70,802号に記載されているような)縮合禁止改質
剤により湿潤ゲルを処理する方法と、過臨界的に孔内の
流体を抽出する方法がある。
のナノ多孔質誘電体用には2つの乾燥ゲル材料として好
ましい。代表的な薄膜キセロゲル方法は限定された多孔
率(大きな孔径で60%までであるが、一般にはサブミ
クロンの半導体製造で有効な孔径ではほぼ50%よりも
低い)を有する膜を製造する。従来のキセロゲルのいく
つかは50%よりも大きい多孔率を有するが、これら従
来のキセロゲルはほぼ大きな孔径(一般に100nm以
上)を有していた。これら大きな孔径のゲルは機械的強
度がかなり小さい。更にこのような大きな孔径により、
ゲルはマイクロ回路上の小さい(一般に1マイクロメー
タよりも小さく、潜在的には100nmよりも小さい)
パターン形成されたギャップを充填するのに不適当とな
り、それらの光学的膜の用途をそれよりも長い波長だけ
に限定されている。他方、ナノ多孔質のエーロゲル薄膜
は極めて微細な孔径と関連したほとんど望ましい多孔率
をに形成できる。一般に、ここで使用されるナノ多孔質
材料は約25nmよりも小さく、好ましくは20nmよ
り小さい(より好ましくは10ナノメートル、更により
好ましくは5ナノメートルよりも小)平均孔径を有す
る。この方法を使用する多くの配合では半導体用の代表
的なナノ多孔質材料は全体に少なくとも1nmの平均孔
径を有し得るが、少なくとも3nmの平均孔径を有する
ことのほうが多い。ナノ多孔質無機誘電体はナノ多孔質
金属酸化物、特にナノ多孔質シリカを有する。
用途では光学的膜として、またはマイクロ電子技術で使
用されるエーロゲルおよびキセロゲルでは、膜厚および
エーロゲルの密度を正確に制御することが好ましい。機
械的強度、孔径および誘電率を含む膜のいくつかの重要
な性質は、エーロゲルの密度に関連している。現在では
エーロゲルの密度および膜厚はゾルを基板に塗布した時
のゾルの粘性に関連していることが判っている。このこ
とは、これまで認識されていない問題を提起している。
この問題とは、従来の前駆物質のゾルおよびデポジショ
ン方法を用いると、エーロゲルの密度と膜厚の双方を独
立して、かつ正確に制御することが極めて困難であると
いうことである。
ェーハにデポジットでき、パターン化された導線レベル
にデポジットされることが多い。現在ではかかる導線間
のギャップが正しく充填され続け、ゲルの表面がほぼプ
レーナー(平面)状に留まるように保証するため、ゲル
化が開始する前にゾルのデポジションを完了しなければ
ならないことが判っている。この目的のために、ゲル化
後、例えばエージング中に孔内の流体が大幅に蒸発しな
いことも好ましい。不幸なことに、プロセスを簡略化す
るためにデポジション後はできるだけ速やかにゲル点に
到達できることも好ましく、薄膜のゲル化をスピードア
ップする1つの方法は蒸発するように放置することであ
る。エーロゲルデポジション用に適した前駆体ゾルは膜
厚、エーロゲル密度、ギャップの充填および平面度を制
御でき、デポジション前に比較的安定であり、デポジシ
ョン後も比較的速やかにゲル化し、かなりの蒸発をする
ことなくエージングするものでなければならないと認識
されている。
制御しながらデポジットできる方法が現在では見いださ
れている。この方法ではゾルの粘性と膜厚とを比較的別
々に制御できる。これにより膜厚は第1の既知の値から
溶剤の比率およびスピン条件によて設定可能な第2の既
知の値へ短時間で変更可能となるので、膜厚をエーロゲ
ル密度と独立して維持し、高速ゲル化が可能となる。し
かしながら同時に、スピン条件および膜厚と別個にデポ
ジション前に前駆物質ゾル内で乾燥時の膜内の固体と液
体の比率(従ってエーロゲルの密度)を正確に決定でき
る。
制御の副次的問題とをこのように新しく分けたとして
も、我々の経験ではキセロゲルおよびエーロゲルを形成
するための薄膜ゾルーゲル技術では一般に、乾燥前、例
えばゲル化後およびエージング中の蒸発を制限するよ
う、ある方法、例えば雰囲気制御が一般に必要であるこ
とが判っている。原則的にはこの蒸発速度制御はウェー
ハ上の溶剤蒸気密度を制御することによって達成でき
る。しかしながら我々の経験では溶剤の蒸発レートは蒸
気濃度および温度のわずかな変化に極めて影響されるこ
とが判っている。このプロセスを有効に理解できるよう
にするため、我々はウェーハからのいくつかの溶剤の等
温蒸発を%濃度の関数としてモデル化した。これら溶剤
のいくつかに対する周辺温度での蒸発レートが図1に示
されている。この蒸発をプロセス時の問題としないよう
にするためには、蒸発レートと処理時間(好ましくは数
分の大きさ)の積を膜厚よりも大幅に小さくしなければ
ならない。このことは、エタノールのような溶剤に対し
てはウェーハ上の雰囲気を90%を越える飽和度に維持
しなければならないことを示唆している。しかしながら
雰囲気が飽和状態または過飽和状態に達することができ
るようにすることに関連する問題が生じ得る。この問題
のいくつかは薄膜上の雰囲気の成分の凝縮と関連してい
る。ゲル化した薄膜またはゲル化していない薄膜上での
凝縮は十分にエージングされていない膜内に欠陥を生じ
させることが判っている。従って、一般に成分を飽和さ
せないように雰囲気を制御することが好ましい。
使用することなく、かつ溶剤の雰囲気を正確に制御する
ことなく、雰囲気をあまり制御しないで低揮発性溶剤を
使用することがより良好な解決案であることを発見し
た。この前提条件を検討したところ、グリセロールが優
れた溶剤となることを発見した。
ット中、ゲル化中および/またはエージング中の必要な
雰囲気制御を(従来の溶剤と比較して)ゆるやかにでき
る。この理由は、まだ飽和を回避することは好ましい
が、過度の蒸発をすることなく雰囲気溶剤の濃度を低か
できるからである。図2は、温度および雰囲気溶剤の濃
度と共にグリセロールの蒸発レートがどのように変化す
るかを示している。我々の経験によれば、グリセロール
を用いると雰囲気を全く制御することなく、またはほぼ
制御することなく、デポジット、ゲル化およびエージン
グにより許可できるゲルを形成できることが判った。
ゲル薄膜にエージングとして知られているプロセスを施
すことが好ましい。加水分解および縮合反応はゲル点で
停止せず、反応が目的を果たして停止するまでゲルを再
構成し、エージングし続ける。エージング中、固体構造
部分の優先的な溶解および再デポジションにより強度が
増し、孔径がより均一となり、乾燥中の孔の耐崩壊性が
増すことを含む有利な結果が得られると考えられる。不
幸なことにバルクゲルに使用される従来のエージング技
術は半導体プロセスにおける薄膜のエージングにはあま
り適しておらず、この理由の一部はこのエージング技術
は一般に基板を液体に浸漬することを必要とし、かつ一
部の理由として完了までに数日または数週間もかかると
いうことも認識している。本発明の1つの特徴として、
湿潤ゲル薄膜を液体に浸漬したり、早期に乾燥したりす
ることを行わず、かつ驚くことにかかる薄膜を数分でエ
ージングできる気相エージング技術が挙げられる。
含む種々の用途に対して使用できるナノ多孔質材料であ
る。しかしながら、膜製造プロセスで生じる問題はバル
クプロセス時の問題と異なっているので、実際には膜処
理はバルク処理に類似していないと認識すべきである。
グは液体浸漬エージングに関連した問題を防止すること
を発見した。更に本発明のこの特徴によれば、高温で湿
潤ゲルをエージングするためのいくつかの解決方法が提
供される。この方法は湿潤ゲルが孔内の低沸点液を元々
含んでいる場合でも使用できる。しかしながらこれら方
法は、低揮発性溶剤を用いる場合に、より良好に働く。
最後に、本発明のこの特徴によれば、エージングをスピ
ードアップするため、エージング雰囲気にオプションの
気相エージング触媒を添加することが考慮される。
の間、極めて一定に保持すべき極めて少量の孔内流体を
含むので薄膜形成時に湿潤ゲルをエージングすることは
困難である。エージングによってネットワークを強化す
る前に膜から孔内流体が蒸発する場合、膜はキセロゲル
状に密となる傾向がある。他方、ネットワークが強化さ
れる前に雰囲気から薄膜上に過度の孔内流体が凝縮する
場合、これによりエージングプロセスが局部的に乱され
ることがある。
ートを制御するある方法は、エージング薄膜製造に有益
であると認識している。基本的にはエージング中の蒸発
レート制御はウェーハ上の孔内流体蒸気濃度を積極的に
制御することによって達成できる。しかしながら150
mmのウェーハにデポジットされる、例えば1mmの厚
さの70%多孔質湿潤ゲルに含まれる孔内流体の総量は
わずか約0.012mLであり、この量は流体の1つの
3mm径の液滴に容易に適合する。半導体ウェーハ上の
ナノ多孔質誘電体に使用される代表的な薄膜は、約10
00分の1の厚みである。従って、エージング中に例え
ばわずか1%またはそれ以下の孔内流体の蒸発ができる
ように(雰囲気に溶剤を加えたり、これから除くことに
より)孔内流体の蒸気濃度を積極的に制御することによ
り、困難なことが生じる。すなわち薄膜の表面積が広
く、孔内流体のばらつきに対する許容度が極めて小さく
なることである。特にこれまで膜製造プロセスが実際上
明らかに不可能であった高温での高速エージングをする
には、蒸発および凝縮制御が特に重要である。
積極的に制御することなく、蒸発制御レートの問題を克
服した。このような蒸気濃度の代わりに極めて小容積の
チャンバー内でウェーハを処理し、湿潤ゲル膜内に含ま
れる極めて少量の孔内流体を自然に蒸発させることによ
り、処理雰囲気が孔内流体内で実質的に飽和状態とな
る。実質的に飽和状態の処理雰囲気内で、ある点でウェ
ーハを冷却しないで、この方法は特に高温処理中に一般
に避けなければならない凝縮の問題も解決している。
質誘電体を形成する方法が開示されている。この方法
は、半導体基板を設ける工程と、この基板にナノ多孔質
のエーロゲル前駆物質ゾルをデポジットする工程を含
む。このエーロゲル前駆物質ゾルは金属基エーロゲル前
駆物質反応体とグリセロールを含む第1溶剤とを備え、
反応体における金属原子に対するグリセロールの分子の
モル比は少なくとも1:16である。この方法は更に、
デポジットされたゾルにより多孔質固体および孔内流体
を含むゲルを形成する工程と、多孔質固体を実質的に崩
壊することなく乾燥雰囲気内で孔内流体を除去すること
により乾燥したナノ多孔質誘電体を形成する工程を更に
含む。この方法では、誘電体形成工程中の乾燥雰囲気の
圧力は孔内流体の臨界圧力よりも低く、大気圧に近いこ
とが好ましい。好ましくはエーロゲル前駆物質反応体は
金属アルコキシド、少なくとも一部が加水分解された金
属アルコキシド、粒状金属酸化物およびこれらの組み合
わせから成る群から選択できる。好ましくはエーロゲル
前駆物質反応体はシリコンを含む。ある実施例ではエー
ロゲル前駆物質反応体はTEOSであり、一般に反応体
における金属原子に対するグリセロールの分子のモル比
は12:1以下であり、好ましくは、反応体における金
属原子に対するグリセロールの分子のモル比は1:2〜
12:1の間である。ある実施例では、反応体における
金属原子に対するグリセロールの分子のモル比は2.
5:1〜12:1の間である。本方法ではナノ多孔質誘
電体が60%よりも大きい多孔率および25nmよりも
小さい平均孔径を有することも好ましい。ある実施例で
は、エーロゲル前駆物質は第2溶剤も含む。好ましくは
この第2溶剤はグリセロールの沸点よりも低い沸点を有
する。ある実施例ではこの第2溶剤はエタノールであ
る。ある実施例では第1溶剤はグリコール、好ましくは
エチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、
1,5−ペンタンジオールおよびこれらの組み合わせか
ら成る群から選択されたグリコールも含む。ある実施例
ではエージング後で、かつ乾燥前にエージング流体を乾
燥流体に置換する。これにより、より速く蒸発し、適当
な低い表面張力を有する流体による高速の低温(例えば
常温)での乾燥が可能となる。これら乾燥流体の例とし
てはヘプタン、エタノール、アセトン、2−エチルブチ
ルアルコールおよびある種のアルコールと水の混合物が
挙げられる。
く、制御された多孔率の薄膜ナノ多孔質エーロゲルをデ
ポジットし、ゲル化し、エージングし、乾燥できるよう
にするものである。別の特徴によれば、本発明は受動的
な雰囲気制御、例えばエージングチャンバーの容積を限
定するだけで、制御された多孔率の薄膜ナノ多孔質エー
ロゲルをデポジットし、ゲル化し、高温で急速エージン
グし、乾燥できるようにするものである。
利点を含む本発明について最良に理解できよう。
は乾燥時に崩壊し、密となるゲルを製造し、よってわず
か数%の多孔率しか有しないキセロゲルを形成する。キ
セロゲル膜形成の制御されない乾燥条件下では、全プロ
セスが数秒内で完了し得るので、薄膜の形成中にデポジ
ション、凝集、ゲル化および乾燥工程を完全に分離する
ことは困難であるか不可能であった。しかしながら、か
かる方法は制御可能な低密度の高多孔率の薄膜をデポジ
ットするには一般に適していないことが判った。この理
由は、エーロゲルタイプの乾燥プロセスでは薄膜は乾燥
後もほぼ密でない状態に留まり、最終密度は主にゲル化
における膜内の固体と液体の比によって決定されるから
である。また、特にパターン化されたウェーハを平面状
とし、および/またはギャップを充填するのに薄膜が必
要な場合、エーロゲル薄膜デポジションには次の基準が
好ましいことが判った。
よび方法はまだ見いだされていない。しかしながら、本
発明によれば、特定の比の少なくとも2つの溶剤で調整
されたゾルは、これら条件を満たすように使用できるこ
とが判っている。図15を参照すれば、かかる前駆物質
ゾルをデポジットし、ゲル化する方法について最良に理
解できよう。
初期膜厚D0および初期粘性H0において、ウェーハに
多溶剤タイプの前駆物質ゾルをスピニングできる。この
スピニングはウェーハからの低揮発性溶剤の蒸発を大幅
に抑制する低揮発性溶剤の部分厚を有する制御された雰
囲気内で実行することが好ましい。従って、スピン−オ
ン作業の後に低揮発性溶剤を維持し、よって膜厚をD1
に減少する間の蒸発時間T1の間にウェーハから高揮発
性溶剤を優先的に除く。粘性も、主に好ましくは溶剤の
除去により、この時間の間、h1に変化する。理想的に
はこの時間の間、ゾル内のプリマークラスターの架橋は
ほとんど生じないことが好ましい。T1の終了時にはほ
とんどすべての高揮発性溶剤を蒸発すべきであり、この
時間において、膜厚は安定するか、またはより低いレー
トで減少し続けるべきであり、よってゲル時間に膜厚の
液体と固体の比を所定の値をし、かつ厚みを所定の値と
すべきである。
間T1中に生じるゲル点との間を分離させるのが主な目
的である。この時間T2は0よりも長いことが好まし
い。しかしながら、ある前駆物質、特により高速のゲル
化を促進する溶剤、例えばグリセロールを有する前駆物
質は、期間T1の終了時までにゲル化する。更に時間T
1またはT2の間に制御された雰囲気内に気相状態の触
媒、例えばアンモニアを導入してもよい。この触媒は薄
膜内に拡散することができ、更にゾルを活性化し、高速
の架橋を促進する。T2の間は蒸発がほとんど生じない
か、または全く生じないことが好ましいが、架橋がポリ
マークラスターをリンクし続けるにつれて粘性は実質的
に増加し始めなければならない。
れたウェーハに対するギャップ充填および平面度が不良
となり得る。従って、ゲル化時間T3の後に蒸発を制限
することによりゲルポイントを通過する前に膜厚をほぼ
一定に保持することが好ましい。大きなポリマークラス
ターが最終的に接合し、薄膜を横断するよう連続的なス
パニングクラスターを形成するゲルポイントにゾルが接
近するにつれて、時間T3の間で粘性が著しく変化する
ことが時々ある。
ら明らかである。ゾル粘性および膜厚の双方は急速に変
化することが認められるが、一般に同時に変化すること
は認められない。また、膜厚も第1の既知の値から溶剤
比率およびスピン条件によって別々に設定できる第2の
公知の値まで変化する。この方法を使用すれば低粘性の
膜を塗布し、あらかじめ設定した厚みとなるように迅速
に薄くし、所望の密度で容易にゲル化できる。
個に前駆物質のゾル粘性を変える方法を挟持している。
しかしながら、このパラグラフはどの溶剤が最も適当で
あるかの問いに答えていない。我々の経験によれば、伝
統的なエーロゲル溶剤に対する溶剤蒸発レートは蒸気の
濃度および温度のわずかな変化に極めて敏感であること
があることが判っている。このプロセスをより良好に理
解するため、我々はウェーハからの等温溶剤蒸発を%飽
和度の関数としてモデル化した。このモデル化は物質移
動理論に基づくものである。この物質移動理論の良好な
文献としてはR.B.バード、W.E.スチュワート、
E.N.ライトフットによる輸送現象(特に第16章お
よび17章)がある。これら計算はある範囲の溶剤に対
して実行されている。図1にはこれら溶剤のいくつかに
対する周辺温度の蒸発レートが示されている。この蒸発
をプロセス時の問題としないようにするためには、蒸発
レートと処理時間(好ましくは数分の大きさ)の積を膜
厚よりも大幅に小さくしなければならない。このこと
は、エタノールのような溶剤に対してはウェーハ上の雰
囲気を90%を越える飽和度に維持しなければならない
ことを示唆している。しかしながら雰囲気が飽和状態ま
たは超飽和状態に達することができるようにすることに
関連する問題が生じ得る。この問題のいくつかは薄膜上
の雰囲気の成分の凝縮と関連している。ゲル化した薄膜
またはゲル化していない薄膜上での凝縮は十分にエージ
ングされていない膜内に欠陥を生じさせることが判って
いる。従って、一般に成分を飽和させないように雰囲気
を制御することが好ましい。
く、かつ溶剤の雰囲気を正確に制御することなく、雰囲
気をあまり制御しないで低揮発性溶剤を使用することが
より良好な解決案であることを発見した。この前提条件
を検討したところ、グリセロールが優れた溶剤となるこ
とを発見した。
ット中、ゲル化中および/またはエージング中の必要な
雰囲気制御を(従来の溶剤と比較して)ゆるやかにでき
る。この理由は、まだ飽和を回避することは好ましい
が、過度の蒸発をすることなく雰囲気溶剤の濃度を低下
できるからである。図2は、温度および雰囲気溶剤の濃
度と共にグリセロールの蒸発レートがどのように変化す
るかを示している。我々の経験によれば、グリセロール
を用いると雰囲気を全く制御することなく、またはほぼ
制御することなく、デポジット、ゲル化およびエージン
グにより受け入れ可能なゲルを形成できることが判っ
た。このような最も好ましい方法では、デポジションお
よびゲル化中の(実質的に制御されない雰囲気)雰囲気
制御は一般にクリーンルームの温度および湿度制御に限
定されるが、ウェーハおよび/または前駆物質ゾルは別
個の温度制御がされ得る。
な特徴としては、周辺温度で蒸発レートが十分低くさ
れ、よって周辺状態における数時間では薄膜の劇的な収
縮を生じないという点が挙げられる。我々の経験ではグ
リセロールを用いると全く制御しないか、ほぼ制御しな
い雰囲気内でデポジットし、ゲル化し、エージングする
ことにより、許容できるゲルを形成できる。グリセロー
ルを用いると、周辺温度での蒸発レートが十分低くな
り、よって周辺状態での数時間では薄膜の劇的な収縮が
生じない。また、我々の経験によれば、エチレングリコ
ールを用いると全く制御しないか、実質的に制御しない
雰囲気内でデポジットし、ゲル化することにより、許容
可能なゲルを形成できることも判っている。エチレング
リコールを用いると周辺温度での蒸発レートはグリセロ
ールよりも高くなるが、周辺状態での数分では薄膜の劇
的な収縮が生じないほど十分低い。しかしながら、エチ
レングリコール基ゾルは相当するグリセロール基ゾルよ
りも粘性が大幅に低いので、デポジションが簡単にな
る。また、グリセロール基ゾル内の孔内流体は相当する
エチレングリコール基ゾルよりも表面張力がかなり大き
いので、低収縮での乾燥がより困難となる。
低蒸気圧および混和性溶剤として働く他に、ゾルーゲル
反応にも関与し得る。このプロセスにおける正確な反応
は完全に研究されていないが、ある反応を予想できる。
前駆物質としてテトラエトキシシラン(TEOS)を使
用する場合、エチレングリコールはエトキシ基と置換可
能である。
としてテトラエトキシシラン(TEOS)を使用する場
合、グリセロールはエトキシ基と置換可能である。
度は前駆物質の反応性(例えばゲル時間)を変え、ゲル
の微細構造(表面積、孔径分布等)を変え、エージング
特性を変えたりゲルの他のほとんどすべての特性を変え
得る。
性、エージング状態および乾燥収縮率を含む広範な処理
パラメータが変わり得る。ゲル化時間のようなこれら特
性の多くは薄膜上での測定が困難である。バルクの性質
と薄膜の性質は異なることがあるが、溶剤系を変えると
どのようにナノ多孔質のシリカプロセスに影響があるか
を良好に理解するために、バルクサンプル(例えば30
mm長×約5mm径)で一連の実験を行うことが有益で
あることが多い。
ノール/TEOSゲルの性質とかなり異なった性質を有
する乾燥ゲルを生じる。グリセロール/TEOS基ゲル
における予想されない性質の変化として、(少なくとも
ほとんどの配合で)一般に次のことが含まれる。
うことなく低密度を達成できる。 ・大幅に簡略化されたエージング。 ・触媒を用いないでもゲル化時間が短くなる。 ・バルクサンプルの強度が従来のTEOSゲルよりも
(所定の密度で)ほぼ一桁の大きさだけ増すこと。 ・極めて大きな表面積(〜1,000m2/g) ・バルクサンプルの光学的透明度が高い(これは孔径分
布が狭いことによるものである)。
改質または過臨界乾燥を行うことなく、極めて低密度で
乾燥ゲルを形成することが可能である。これら低密度は
一般に0.3〜0.2g/cm3(非多孔質のSiO2
は2.2g/cm3の密度を有する)前後または注意し
た場合には0.1g/cm3まで低下できる。多孔率
(この多孔率は中空となっている構造の%を意味する)
なる用語で記載した場合、この用語は約86%〜91%
(約95%の多孔率では密度は0.1g/cm3であ
る)の多孔率を意味する。図3に示されるように、これ
ら多孔率は86%の多孔質に対しては約1.4の誘電率
に対応し、91%の対応に対しては1.2の誘電率に対
応する。これら高い多孔率を可能とする実際の機構は完
全には判っていない。しかしながら、その理由としてゲ
ルが高い機械的強度を有すること、およびゲルが多くの
表面OH(水酸)基を有しないこと、これらの組み合わ
せまたはその他の要因を挙げることができる。この方法
ではウェーハ全体に優れた均一性も得られるようであ
る。
%以上から約50%までにするよう(TEOS/溶剤比
を変えることにより)調節できる。小さい孔径を有する
代表的な従来の乾燥ゲルは、これら低密度を得るための
乾燥前に過臨界乾燥または表面改質工程のいずれかを必
要としていた。いくつかの従来のキセロゲルは50%よ
りも大きい多孔率を有しているが、これら従来のキセロ
ゲルはこれよりもかなり大きい孔径(一般に100nm
以上である)を有していた。これら大きな孔径のゲルは
機械的強度がかなり低い。更にこれらの大きな孔径によ
り、孔はマイクロ回路上の小さい(一般に1μmより
小)のパターン化されたギャップを充填するには不適当
となっている。所望すれば、このプロセスは多孔率を5
0%よりも低くするように(TEOS/溶剤比を変える
ことにより)調節することも可能である。早期のゲル化
を防止するように注意を払えば20%までの多孔率が得
られる。
の低密度誘電体製造方法を可能にした。この新規なグリ
セロールに基づく方法は過臨界乾燥または乾燥前の表面
改質工程を行うことなく、バルクエーロゲルおよび薄膜
エーロゲルの双方を製造可能にするものである。従来の
エーロゲルは乾燥中の実質的な孔の崩壊を防止するため
にこれら工程の少なくとも1つを必要としていた。
属)に対するグリセロールの比を変えることにより、乾
燥後の密度を正確に予想できる。この正確性は低揮発性
グリセロール溶剤により可能とされる良好に制御された
蒸発によるものである。本プロセスはエージング中およ
び乾燥中の優れた収縮制御を示すので、このプロセスは
乾燥されたゲルの密度(従って多孔率)を正確に予想で
きる。バルクゲルでは密度予想は一般に大きな問題とは
見なされていなかったが、これまで一般に薄膜ゲルの最
終多孔質度を予想することは困難であった。このような
低多孔率の乾燥ゲルに対しても正確な密度予想ができる
ことは、この新しいプロセスが低多孔率ゲルを形成する
ための現在のキセロゲルプロセスよりも好ましい1つの
理由となっている。
誘電体を製造する際に湿潤ゲル薄膜にエージングとして
知られるプロセスを施すことが好ましいことを発見し
た。加水分解および縮合反応はゲル点で停止せず、反応
が目的を果たして停止するまでゲルを再構成し、エージ
ングし続ける。エージング中、固体構造部分の優先的な
溶解および再デポジションにより有益な結果が生じる。
これら有益な結果には強度が増し、孔径がより均一とな
り、乾燥中の孔の耐崩壊性が増すことが挙げられる。し
かしながら、膜はエージングを生じさせるために所定の
時間、かなり一定に保持すべき極めて少量の孔内流体し
か含んでいないので、薄膜形成時に湿潤ゲルをエージン
グすることは困難である。エージングがネットワークを
強化する前に膜から孔内流体が蒸発する場合、膜はキセ
ロゲル状に密になる傾向がある。他方、ネットワークが
強化される前に雰囲気から薄膜上に過剰の孔内流体が凝
縮すると、これによりエージングプロセスが局部的に乱
され、膜の欠陥が生じることあがる。
スは薄膜ナノ多孔質誘電体のエージングを大幅に簡略化
するものである。他の薄膜ナノ多孔質誘電体エージング
プロセスは、かなりの蒸発、流体凝縮を可能にするか、
または制御されたエージング雰囲気を必要としている。
これらグリセロールに基づくプロセスはデポジションお
よびゲル化中に少なくともある程度下記に示すエチレン
グリコールに基づくプロセスを同じように挙動する。し
かしながらエチレングリコール基ゲルは一般に室温でも
エージング中にかなりの蒸発を防止するため、一般に雰
囲気制御を必要とする。これと対照的にグリセロール基
ゲルはエージング中の蒸発および収縮レートを大幅に低
下している。これによりエージング中の雰囲気制御を緩
めたり、省略することが可能となっている。我々は室温
または高温エージング中に受動的な雰囲気制御を行うだ
けで高品質の薄膜グリセロール基ナノ多孔質誘電体を製
造できる。
によりゲル時間もかなり短縮される。代表的な多くのエ
タノール基前駆物質は触媒の作用を受けた時は少なくと
も400秒のゲル時間を有する(油中水触媒作用ではも
っと長い)。しかしながら、触媒作用がなくてもある種
のグリセロール基前駆物質はウェーハにスピンオンする
間ゲル化することを発見した。このような迅速なゲル化
はエタノール基ゲルよりも高速であるだけでなくエチレ
ングリコール基ゲルよりもかなり高速である。図4は使
用したアンモニア触媒に応じた2つの異なるエチレング
リコール基組成物のゲル時間を示す。これらゲル時間は
薄膜の場合のようなエタノールおよび/または水の蒸発
がないバルクゲルの場合のものである。蒸発はシリカの
量を増すのでゲル時間を短くする。従って、これらゲル
時間は所定の前駆物質/触媒に対する上限となり得る。
図4に示されているゲル時間は従来のエタノール基前駆
物質のゲル時間よりもほぼ短くなっている。一般にゲル
時間はアンモニア触媒の濃度に対し一次の従属性も示
す。このことはゲル時間を容易に制御できることを意味
している
はゲル化用触媒を用いなくても数秒内で常にゲル化でき
る。我々は触媒を添加しなくても薄膜内でゲル化を開始
するのに使用できるいくつかのメカニズムを解明した。
1つの方法は揮発性溶剤を蒸発させることにより前駆物
質ゾルを濃縮することである。他の方法は、前駆物質ゾ
ル内の酸を蒸発させることによりpHを増加することで
ある。このような蒸発による塩基化はゲル化の開始を助
けるよう、前駆物質ゾルのpHを高めることに依存して
いる。しかしながらこの塩基化プロセスは一般に7より
低い値から7より高い値までのpHの変更を必要としな
い。このような蒸発による塩基化は代表的な塩基性触媒
反応プロセスと同様に作用するので、ゲル化を大幅にス
ピードアップする。常温および常圧ではある種の酸、例
えば硝酸はエタノールに匹敵する蒸発レートを有する。
高揮発性溶剤および/または安定化用酸の濃度および/
またはタイプを変えることによりゲル化時間を調節する
ための簡便な極めてフレキシブルな方法が得られる。
の性質は乾燥収縮率の低い場合、および湿潤ゲルと乾燥
ゲルの定量的な取り扱い性の差の双方で判るように、通
常のゲルとはかなり異なるようである。従って、物理的
な検査をするとグリセロール基乾燥ゲルは従来のゲルお
よびエチレングリコール基乾燥ゲルの双方と比較して機
械的性質が改善されているように見える。図5はエチレ
ングリコール基ゲルと従来のエタノール基乾燥バルクゲ
ル(双方は同じ初期密度を有する)を使用して調整され
た1つのサンプルの等温圧縮測定中に測定された体積弾
性率を示す。構造の座屈に寄与する初期変化の後に双方
のサンプルは弾性率が密度に指数法則に従って従属する
ことを示す。この指数級数の従属性は通常乾燥ゲルで観
察されるものである。しかしながら、驚くことは、エチ
レングリコール基乾燥ゲルの強度である。所定の密度
(従って誘電率)においてエチレングリコール乾燥ゲル
のこのサンプルの弾性率は従来の乾燥ゲルよりも一桁大
きい。先の評価により、グリセロール基ゲルはエチレン
グリコール基ゲルよりも強度が強いことが判る。これら
評価には定性的な取り扱いテストおよび乾燥中の収縮に
基づく情報がある。この強度が増加する理由については
全く明らかでない。しかしながら、先の実験によれば、
ゲル化時間が短いことおよび/または孔径分布が狭いこ
とが、この高強度の理由であることが判る。
ルクゲルの表面積を測定した。これら表面積は600〜
800m2/gの範囲内の表面積を有する代表的エタノ
ール基乾燥ゲルと比較して1000m2/gの大きさで
あった。このように、表面積が大きいことは孔径が小さ
く、機械的性質が改善されていることを意味する可能性
がある。現時点ではグリセロール基乾燥ゲルでこれら表
面積が大きい理由は不明である。
的透明度は、以前に製造したこの密度でのエタノール基
乾燥ゲルよりも高かった。このように光学的透明度が優
れているのは孔径分布が極めて狭いことによるものであ
る可能性がある。しかしながらグリセロールがこのよう
な効果を有する理由は不明である。以前の実験では、ゲ
化時間が短いことと、孔径分布が狭いことが関連してい
るという1つの可能性のある説明が示されている。図6
は約0.57g/cm3の密度を備えたバルクゲルサン
プルの(BJH脱着測定により測定された)孔径分布を
有する。このサンプルの平均孔径(脱着法則)は3.7
6nmであった。代表的な孔は真に円筒形ではないの
で、本明細書で使用する径は、実際には容積に対する全
ゲル表面積の比と同じ容積に対する表面積比を有する等
価的円筒体の径を示す。
る性質はバルクゲルおよび薄膜の双方に当てはまる。し
かしながら、半導体ウェーハ上のナノ多孔質誘電体フィ
ルムのような薄膜に当てはめた時、いくつかの利点が最
も明らかとなる。最も重要な利点とは、この新規な方法
によりデポジション中またはゲル化中に雰囲気制御を行
うことなく高品質のナノ多孔質膜を処理できるというこ
とである。
膜をデポジットし、ゲル化できることは重要であるが、
雰囲気制御を行うことなくナノ多孔質の薄膜をエージン
グすることも好ましい。これにより、デポジション法よ
りもより大きな挑戦が可能となったことが判った。この
主な理由は、デポジションおよび常温でのゲル化は数分
または数秒でも生じ得るが、常温でのエージングは一般
に数時間必要であるからである。従って、短いプロセス
で許容可能な収縮を生じさせる蒸発レートは、プロセス
時間を一桁長くした場合に許容できない収縮を生じさせ
る可能性がある。
いると常温で満足できるエージングの大きさは1日の長
さであることを発見した。しかしながら、より高い温度
を用いると数分の長さの時間で薄膜をエージングできる
ことを図1は示している。これらエージング時間は多数
の代表的なエージング基ゲルおよびエチレングリコール
基ゲルの好ましいエチレン時間に匹敵する。従って、こ
れら時間および温度を図1、図7および図2の蒸発レー
トと組み合わせると、表2に示されるようなエージング
中の概略的な厚みの損失を生じさせる。これら予想され
る厚み損失は、特に薄膜に用いる場合の許容可能な厚み
損失と比較する必要がある。許容可能な厚み損失の確か
なガイドラインは存在していないが、ナノ多孔質誘電体
のようなあるマイクロ回路用の1つの提案されるガイド
ラインは、厚み損失を膜厚の2%よりも少なくすべきで
あるということである。1μmの仮説的な公称膜厚(実
際の膜厚は0.5μmよりもかなり小さい値から数μm
まで変わり得る)に対しては、許容可能な厚さ損失は2
0nmであることが示される。図2に示されるように、
グリセロール基は常温での雰囲気制御をすることなく、
このような先の目的を達し得る。従って、本発明は雰囲
気制御をすることなく、多孔率が制御された薄膜ナノ多
孔質エーロゲルをデポジットし、ゲル化し、エージング
し、乾燥可能にするものである。別の特徴によれば、本
発明はエージングチャンバーの容積を制限するような受
動的な雰囲気制御だけで、多孔率が制御された薄膜ナノ
多孔質エーロゲルをデポジットし、ゲル化し、高温で高
速エージングし、乾燥可能にするものである。
るには、2%以下の損失、例えば0.5%または0.1
%より低い厚み損失が必要である。受動的な雰囲気制御
を使用することにより、本発明はこれら値まで、更に低
い蒸発損失まで拡張できる。このような受動的制御は少
なくともエージング中に比較的小さい密閉された容器内
にゲルを入れることである。本発明のこのような特徴に
よれば、ウェーハからの蒸発が密閉容器内の雰囲気の飽
和比率を上げるように作用する。所定の温度では、液体
の蒸気圧に等しくなるよう、蒸気の部分圧が十分に高く
なるまでこの蒸気が続く。従って、低い蒸気圧での溶剤
と温度の組み合わせは、より高い蒸気圧の組み合わせで
可能な量と同じ量の液体溶剤を蒸発させることはできな
い。図8は数種の溶剤において蒸気圧がどのように温度
と共に変化するかを示している。図9はウェーハと同じ
径の5mm高さの円筒形容器内に70%多孔質のゲルを
入れた場合、溶剤から成るどれだけ厚い層を潜在的に蒸
発できるかの予想値を示している。図10はウェーハ上
に1mm高さの空気スペースがある容器での同様な予想
値を示す。これら図は、5mm高さの空気スペースがあ
る場合、グリセロール基ゲルでは120℃まで、エチレ
ングリコール基ゲルでは50℃まで、20nmの先の目
標を達成できることを示している。1mm高さの空気ス
ペースではグリセロール基ゲルでは150℃までずっ
と、エチレングリコール基ゲルでは80℃まで、20n
mの目標が達成できる。当然ながら、より低い温度の処
理では蒸発を少なくすることが可能である。1mmの容
器を使用した受動的蒸発制御によれば、100℃でもグ
リセロール基ゲルでは厚み損失を1nmよりも少なく
(1μm厚の膜では0.1%)することが可能である。
例がある。1つの変形例は容器のサイズを大きくでき
る。厚み損失は容器の容積と共に線形的に増加する。し
かしながら、1000cm3の容積でも80℃でわずか
5nmだけグリセロールを蒸発できる。別の変形例は、
ゲルの多孔率を制御することである。すなわちより高い
多孔率のゲルは一般に厚み損失が大きいが、より低い多
孔率のゲルは一般に厚み損失が少ない。
的高いことにあり、このことはギャップ充填および/ま
たは平面化による問題を生じさせ得る。上記のように粘
性を下げるには、低粘性の高揮発溶液を使用できる。図
11Aは常温でのエタノールとグリセロールの混合物お
よびメタノールとグリセロールの混合物の計算された粘
性を示す。図に示されるようにアルコールはこれら混合
物の粘性を大幅に下げることができる。図11Bは常温
でのエタノールとエチレングリコールの混合物およびメ
タノールとエチレングリコールの混合物の計算された粘
性を示す。図面が示すようにエチレングリコールはグリ
セロールよりも粘性が小さく、少量のアルコールでもこ
れら混合物の粘性を大幅に下げる。また、原液内にエタ
ノールを使用する粘性が所望の粘性よりも高ければ、前
駆物質溶液内にメタノールを使用することにより更なる
改善を実現できる。図11A〜11Bに示された粘性は
純粋な液体混合物だけに対するものである。実際には膜
前駆物質溶液に応じて前駆物質溶液はグリセロール、ア
ルコール、水、酸および一部が反応している金属アルコ
キシドを含むことがある。当然ながら、縮合反応に触媒
作用することによりデポジット前に粘性を増加できるの
で、図11A〜11Bに示されている値は低い方の限界
を示している。
み合わせてもよいし、別の方法に変えることができる。
このような別の方法とは、使用中のゾル粘性を小さくす
るよう、高温を使用する方法である。デポジション中に
前駆物質を加熱し、および/または希釈することにより
(例えば転送ラインおよびウェーハスピンステーション
のデポジションノズルを加熱することにより)、前駆物
質ゾルの粘性を実質的に下げることができる。このよう
な予熱はゾルの粘性を下げるだけでなく、ゲル時間もス
ピードアップし、高揮発性溶剤の蒸発も加速する。ま
た、ウェーハも予熱することも好ましい。このようなウ
ェーハの予熱を行うには、プロセス制御を改善しなけれ
ばならず、特に粘性のより大きい前駆物質の場合のギャ
ップ充填を改善できる。しかしながら、多くの使用例で
は予熱は不要であるのでプロセスフローが簡略化され
る。このようなウェーハ予熱をしないスピンオン方法を
用いる場合、スピンステーションは温度制御スピナーを
必要としない。
セスで製造された乾燥ゲルは、多くの用途に使用でき
る。これら用途のいくつかは従来の方法を使う場合のよ
うにコスト的に有効ではない。これらの用途として(特
に半導体基板上に設けられた)低誘電率の薄膜、小型化
学センサー、断熱構造および断熱層(赤外線検出器のた
めの熱分離方法を含む)が挙げられる。一般的に多くの
低誘電率の薄膜は60%よりも大きい多孔率を必要と
し、重要な応用例では80または90%よりも大きい多
孔率を必要とするので、誘電率はかなり低下する。しか
しながら構造上の強度および完全性の要因は、実際的な
多孔率をわずか90%に制限し得る。熱分離構造および
熱分離層を含むいくつかの応用例は、強度および剛性を
高くするためにある程度の多孔率を犠牲にする必要があ
る。これらより高い剛性の条件は30または45%程度
に低い多孔率の誘電体を必要とする。他の高強度/靭性
の応用例、特に密度よりも表面積が重要なセンサーで
は、多孔率が20〜40%の間の低多孔率ゲルを使用す
ることが好ましいことがある。
膜エーロゲルの周辺に話題を集中している。しかしなが
らエーロゲルは他の用途、例えば受動的基板上に設けら
れた薄膜にも有効である。これらの新規な高強度の製造
が容易なゲルは、これら用途の多くを実用化するもので
ある。このような用途の目的のためには受動的基板はマ
イクロ電子回路を含まないか、または含むか、または少
なくともエーロゲルと電子回路との間に相互作用のない
基板として定義される。C.J.ブリンカーおよびG.
W.シェーラーによる「ゾルーゲル化学」は第14章に
おいてこれら用途のいくつかについて述べている。これ
ら受動的な用途の一部にはある種の工学的コーティン
グ、ある種の保護用コーティングおよびある種の多孔質
コーティングが含まれる。
孔率を必要とする。これらコーティングは一般に20%
の多孔率から70%の多孔率まで変化するが、適当な表
面保護をする場合、より高い多孔率(90%以上)が有
効であり、高性能のコーティングまたは高屈折率の基板
に設けられたコーティングではより低い多孔率(10%
まで、またはそれ以下)を使用できる。ある単一層の反
射防止コーティングでは、30〜50%の間の多孔率を
有するゲルを使用することが望ましい。高性能のマルチ
層反射防止コーティングは基板に隣接するより密度の高
い層(例えば10〜30%の多孔率)、および空気境界
部に隣接するより密度の低い層(例えば45〜90%の
間の多孔率)を必要とする。特に高強度および表面積が
主目的である場合のより高い強度/靭性の用途では、2
0〜40%の間の多孔率を備えた低多孔率ゲルを使用す
ることが望ましい。その他の薄膜皮膜は最も低い密度を
必要とし得るので、85%、90%または95%よりも
大きい多孔率を必要とする。
ゲルから利益が得られるバルクゲルの用途も多数ある。
これらバルクゲルの用途としてはナノ多孔質(すなわち
分子)ふるい、断熱材、触媒支持体、吸着剤、音響絶縁
体、光分離膜があるが、これらのみに限定されるもので
はない。一般的に多くのバルク用途では60%よりも大
きい多孔率を必要とし、重要な用途では80%または9
0%よりも大きい多孔率を必要とする。しかしながら、
構造上の強度および完全性の要因は実用的な多孔率をわ
ずか95%に制限し得る。ある用途(ふるいを含む可能
性がある)は、高強度および靭性のために多孔率を犠牲
としなければならないことがある。これらより高い靭性
の条件は30または45%もの低い多孔率を有する誘電
体を必要とし得る。密度よりも表面積のほうがより重要
である他の高強度/靭性用途(触媒支持体およびセンサ
ーを含む可能性がある)では、20〜40%の多孔率を
有する低多孔率のゲルを使用することが望ましい場合が
ある。
に崩壊し、密になるゲルを製造し、よって制限された多
孔率(大きな孔径の場合には60%まで、一般に当該孔
径では実質的に50%よりも小さい)を有するキセロゲ
ルを形成する。キセロゲル膜の形成の制御しない乾燥条
件下では内側の孔の多くは永久的に崩壊する。しかしな
がら、薄膜エーロゲル形成時には最終密度に影響するエ
ージングおよび/または乾燥中の収縮が少量であって
も、ほぼ無崩壊状態のままである。
般的にウェーハ形状の)半導体基板10が示されてい
る。一般的な基板はシリコン、ゲルマニウムおよびヒ化
バリウムから成り、基板はアクティブデバイス、低レベ
ルの配線および絶縁層および当業者に知られている図示
されていない他の多くの一般的構造を含むことができ
る。基板10上には数本のパターン形成された導線12
(Al−0.5%のCu組成物から成る)が示されてい
る。これら導線12は所定幅(一般に1ミクロンの何分
の1か)のギャップ13によって分離されるように、そ
の長さの少なくとも一部にわたって平行に延びる。導線
およびギャップの双方は図示されているものよりも大き
い高さ対幅比を有することができ、一般にデバイスの大
きさが小さくなればなるほどこの比は大きくなる。
mlのテトラエトキシシラン(TEOS)と、61.0
mlのグリセロールと、4.87mlの水と、0.2m
lの1MのHNO3とを混合し、〜60℃で1.5時間
還流し、原液を形成する。これと等価的に表現すれば、
0.27モルのTEOSと、0.84モルのグリセロー
ルと、0.27モルの水と、2.04Eの4モルのHN
O3を混合し、〜60℃で1.5時間還流する。原液を
冷却した後、溶液をエタノールで希釈し、粘性を低下し
てもよい。適当な原液と溶剤との容積比は1:8であ
る。しかしながらこの比は所望する膜厚、スピン速度お
よび基板に応じて変わる。これを強く混合し、一般に〜
7℃で冷蔵庫に保管し、使用するまで安定性を維持す
る。この液は一般にフィルムデポジション前に常温まで
温められる。基板10上に常温で3〜5mlのこの前駆
物質ゾルを分配し、基板10を約5〜10秒の間、15
00〜5000rpm(この速度は所望する膜厚に応じ
て決まる)でスピニングし、ゾルの薄膜14を形成す
る。このデポジションは溶剤の飽和度を特別に制御しな
い雰囲気内(例えば新型でない湿度制御装置を備えたク
リーンルーム内で)実行できる。このデポジションおよ
びスピニング中、およびこれら工程の後では、膜14か
らエタノール、水、硝酸が蒸発するが、グリセロールの
揮発性は低いのでグリセロールの実質的な蒸発は生じな
い。このような蒸発は薄膜を一次的に冷却するが、膜の
温度は蒸発レートが低下した後に数秒内に上昇する。こ
の冷却は制約されるが、ゲル化を防止するものではな
い。この蒸発は薄膜14を収縮させ、ゾル内のシリカ量
を濃縮し、薄くされた膜18を形成する。図12Bは実
質的にすべての(約90%またはそれ以上の)エタノー
ルが除かれた後に得られる薄くされたゾル膜18を示し
ている。このような膜の濃縮、蒸発による塩基化および
/または再加熱は一般に数秒内のゲル化を生じさせる。
シリコンの概略的に知られている比を有する。この比は
(残りの水、継続する反応および付随的に生じる蒸発に
よりわずかに変化がある)デポジット当初のゾル内のグ
リセロールに対するTEOSの比にほぼ等しい。この方
法は主にゲルが永久的に崩壊するのを防止するので、こ
の比はゾル薄膜から製造されるエーロゲルの密度を決定
する。
固体および孔内流体を含み、1つ以上の制御された温度
で時間をかけてエージングすることが好ましい。例えば
常温で約1日かけてエージングすることが好ましい。孔
内流体は処理中に多少変わることに留意すべきである。
このような変化は継続する反応、蒸発/凝縮または薄膜
への化学的添加物に起因するものである。エージングは
約25℃で約24時間の間、基板およびゲルを放置する
か、またはこれらを密閉された容器内に約1分の間、1
30〜150℃に加熱することによって達成することが
好ましい。
うちの1つにより、実質的に密度を高めることなくエー
ジングされた膜18を乾燥できる。しかしながらこれら
新規なグリセロール基ゲルを用いる場合、別の方法とし
て溶剤交換法を使用し、エージング流体を乾燥流体に置
換し、次にこの乾燥流体からの膜18を空気乾燥する方
法がある。この乾燥方法はエージング流体を別の流体に
置換する溶剤交換法を利用するものである。この流体が
エージング流体と同一であるか、またはそうでないかに
拘わらず、乾燥中に存在する孔内流体のことを乾燥流体
と称すことが多い。この乾燥流体を用いる場合、溶剤交
換法はグリセロールおよびそれに関連する高表面張力が
支配的なエージング流体を表面張力のより低い乾燥流体
で置換する。この溶剤交換法は1工程または2工程プロ
セスとして実行できる。2工程プロセスでは第1の工程
でエージングされた薄膜18上に常温の(またはこれよ
りも温度の高い)約3〜8mlのエタノールを分配して
エージング流体を中間流体に置換し、次に約5〜10秒
の間、約50〜500rpmの間でウェーハをスピニン
グする。エージング流体のほとんどを置換するには3回
〜6回のスピンオンシーケンスが必要であることが多
い。第2の工程では中間流体をヘプタンのような乾燥流
体で置換することが好ましい。この第2工程はエージン
グされた薄膜18上に常温(またはそれより高い温度)
の約3〜8mlのヘプタンを分配し、次に約5〜10秒
の間、50〜500rpmの間でウェーハをスピニング
することから成る。中間流体のほとんどを置換するには
3回〜6回のスピンオンシーケンスが必要であることが
多い。この溶剤交換法により我々は乾燥前にほとんどす
べてのグリセロール含有流体を除くことが可能となる。
この乾燥流体(本例ではヘプタン)は最終的に湿潤ゲル
18から蒸発され、乾燥されたナノ多孔質の誘電体(乾
燥ゲル)が形成される。エージング流体に可溶性のある
液体から満足できる状態で膜を乾燥できれば中間流体は
不要となる。多くの場合、エタノールまたは他の適当な
溶剤から湿潤ゲルを乾燥できる。
いない雰囲気にウェーハ表面を暴露することによって実
行できる。例えばウェーハは実質的に制御されていない
雰囲気内に入れることができるし、また雰囲気内に乾燥
ガスを導入できる。沸騰を防止するには乾燥流体の沸点
よりも多少低い温度、例えば常温で乾燥を開始するべき
である。グリセロールのような沸点のより高い乾燥流体
を使用する場合(例えば溶剤の交換を行わない乾燥の場
合)、乾燥開始温度はエージング温度の近くか、それに
等しい温度まで高めることができる。薄膜は(一般に数
秒内で)圧倒的な乾燥状態となるので、温度はエージン
グ流体温度乾燥流体の双方の沸点よりも高くしなければ
ならない。この方法は破壊的な沸騰を防止し、すべての
流体を除去できるようにする。グリセロールのみならず
その他のある種の流体は、これら流体が沸騰するほぼ同
じ温度で分解するか、または沸騰する変わりに分解す
る。これら流体、特に分解して有害物質となり得るよう
なグリセロールのような流体を使用する場合、蒸発した
流体または乾燥していないウェーハを過熱しないように
注意しなければならない。乾燥後は残留物質、例えば誘
電体内またはその上に存在する有機物を除去するのを助
けるよう、短時間の間でナノ多孔質誘電体を(例えば1
5〜60分の間で300℃で)ベークすることが好まし
い。この実施例の(表面改質前の)理論的な誘電率は
1:3である。
ロキシル化(アニール)することが好ましい。これはヘ
キサメチルジシラザン(HMDS)またはヘキサフェニ
ールジシラザン蒸気のような薬剤を備えた乾燥雰囲気内
にウェーハを入れることによって実行できる。このHM
DSはほとんどの水および/または乾燥ゲルの孔の表面
に結合したヒドロキシル基をメチル基に置換する。この
ような置換は常温またはそれよりも高い温度で実行でき
る。このような置換は水および/またはヒドロキシル基
を除くだけでなく、乾燥したゲルを疎水性(水反撥性)
にできる。ヘキサフェニールジシラザンは水および/ま
たはヒドロキシル基も除き、乾燥したゲルを疎水性にす
る。しかしながら、フェニール基は誘電率を若干高くす
ることを犠牲にして、メチル基よりもより高い温度の安
定性を有する。
質ゾルからエーロゲル薄膜を得るための一般的な方法の
フローチャートを示す。表3および4は、この方法で使
用される物質の一部の概要である。
れば、150.0mlのテトラエトキシシラン(TEO
S)と、61.0mlのグリセロールと、150.0m
lのエタノールと、12.2mlの水と、0.48ml
の1MのHNO3とを混合し、〜60℃で1.5時間還
流し、原液を形成する。これと等価的に表現すれば、
0.67モルのTEOSと、0.84モルのグリセロー
ルと、2.57モルのエタノールと、0.67モルの水
と、4.90Eの4モルのHNO3を混合し、〜60℃
で1.5時間還流する。原液を冷却した後、溶液をエタ
ノールで希釈し、粘性を低下してもよい。適当な原液と
溶剤との容積比は1:8である。これを強く混合し、一
般に〜7℃で冷蔵庫に保管し、使用するまで安定性を維
持する。この液は一般にフィルムデポジション前に常温
まで温められる。基板10上に常温で3〜5mlのこの
前駆物質ゾルを分配し、基板10を約5〜10秒の間、
1500〜5000rpm(この速度は所望する膜厚に
応じて決まる)でスピニングし、ゾルの薄膜14を形成
する。このデポジションは溶剤を制御しない雰囲気内
(例えば新型でない湿度制御装置を備えたクリーンルー
ム内の標準的排気内)で実行できる。このデポジション
およびスピニング中、およびこれら工程の後では、膜1
4からエタノール(TEOSおよび水からの粘性低下添
加剤および反応生成物)および水が蒸発するが、グリセ
ロールの揮発性は低いのでグリセロールの実質的な蒸発
は生じない。このような蒸発は薄膜14を収縮し、ゾル
のシリカ成分を濃縮し、薄くされた薄膜18を形成す
る。図12Bは実質的にすべての(約95%またはそれ
以上の)水が除かれた後に得られる薄くされたゾル膜1
8を示している。このような膜の濃縮により、一般に数
分内でゲル化が生じる。
に次のような処理が続く。ゲル化後、薄膜の湿潤ゲル1
8は多孔質の固体および孔内流体を含み、1つ以上の制
御された温度で時間をかけてエージングすることが好ま
しい。過臨界流体抽出を含むいくつかの方法のうちの1
つにより、実質的に密度を高めることなくエージングさ
れた膜18を乾燥できる。しかしながらこれら新規なグ
リセロール基ゲルのより低い密度の配合を用いる場合、
非過臨界的乾燥、例えば溶剤交換を行い、その後、第1
実施例に記載のように乾燥流体から膜を乾燥することが
好ましい。このナノ多孔質誘電体は次に第1実施例に記
載のように、乾燥のベーキングおよび/または表面改質
処理を行うことができる。この実施例の(表面改質前
の)理論的誘電率は1.6である。
れば、208.0mlのテトラエトキシシラン(TEO
S)と、61.0mlのグリセロールと、208.0m
lのエタノールと、16.8mlの水と、0.67ml
の1MのHNO3とを混合し、〜60℃で1.5時間還
流し、原液を形成する。これと等価的な表現をすれば、
0.93モルのTEOSと、0.84モルのグリセロー
ルと、3.56モルのエタノールと、0.93モルの水
と、6.80Eの4モルのHNO3を混合し、〜60℃
で1.5時間還流する。原液を冷却した後、溶液をエタ
ノールで希釈し、粘性を低下してもよい。適当な原液と
溶剤との容積比は1:8である。これを強く混合し、一
般に〜7℃で冷蔵庫に保管し、使用するまで安定性を維
持する。この液は一般にフィルムデポジション前に常温
まで温められる。基板10上に常温で3〜5mlのこの
前駆物質ゾルを分配し、基板10を約5〜10秒の間、
1500〜5000rpm(この速度は所望する膜厚に
応じて決まる)でスピニングし、ゾルの薄膜14を形成
する。このデポジションは溶剤を制御しない雰囲気内
(例えば新型でない湿度制御装置を備えたクリーンルー
ム内の標準的排気内)で実行できる。このデポジション
およびスピニング中、およびこれら工程の後では、膜1
4からエタノールおよび水が蒸発するが、グリセロール
の揮発性は低いのでグリセロールの実質的な蒸発は生じ
ない。このような蒸発は薄膜14を収縮し、ゾルのシリ
カ成分を濃縮し、薄くされた薄膜18を形成する。図1
2Bは実質的にすべての(約95%またはそれ以上の)
水が除かれた後に得られる薄くされたゾル膜18を示し
ている。このような濃縮により、一般に数分内でゲル化
が生じる。
に次のような処理が続く。ゲル化後、薄膜の湿潤ゲル1
8は多孔質の固体および孔内流体を含み、1つ以上の制
御された温度で時間をかけてエージングすることが好ま
しい。約24時間装置を25℃とすることによりエージ
ングを達成できる。過臨界流体抽出または溶剤交換およ
びその後に行われる空気乾燥を含むいくつかの方法のう
ちの1つにより、実質的に密度を高めることなくエージ
ングされた膜18を乾燥できる。しかしながらこれら新
規なグリセロール基ゲルのより高い密度の配合を用いる
場合、エージング流体から膜18を空気乾燥することが
好ましい。このような直接乾燥方法では乾燥流体によっ
てほとんど飽和されていない雰囲気にウェーハ表面を暴
露する。簡単な方法としては低容積エージングチャンバ
ーからカバーを除き、ゲル表面を実質的に制御されてい
ない雰囲気に暴露する方法がある。別の方法は、エージ
ングチャンバーすなわち雰囲気内に乾燥ガスを導入する
方法である。このような直接乾燥方法では、開始開始温
度をエージング温度近くまたはそれに等しい温度までに
高めることができることが好ましい。このような高温乾
燥は表面張力およびそれに関連する収縮を減少し、乾燥
をスピードアップし、処理を簡略にする。薄膜は(一般
に高温乾燥の場合は数秒内で)圧倒的に乾燥状態となる
ので、温度はエージング流体および乾燥流体(これら流
体は同一流体であることが多い)の双方の沸点よりも高
くしなければならない。この方法は、破壊的な沸騰を防
止し、すべての流体が除かれるのを保証する。この方法
の乾燥流体は有害物質に分解されることがあるグリセロ
ールを含むので、蒸発流体または未乾燥のウェーハを過
熱しないように注意しなければならない。次に、第1実
施例に記載のように、ナノ多孔質誘電体を乾燥後のベー
キングおよび/または表面改質工程を施すことができ
る。この実施例の(表面改質前の)理論的な誘電率は
1.70である。
mlのテトラエトキシシラン(TEOS)と、61.0
mlのグリセロールと、278.0mlのエタノール
と、22.5mlの水と、0.90mlの1MのHNO
3とを混合し、〜60℃で1.5時間還流し、原液を形
成する。これと等価的な表現をすれば、1.25モルの
TEOSと、0.84モルのグリセロールと、4.76
モルのエタノールと、1.25モルの水と、9.1Eの
4モルのHNO3を混合し、〜60℃で1.5時間還流
する。原液を放置して冷却した後、溶液をエタノールで
希釈し、粘性を低下してもよい。適当な原液と溶剤との
容積比は1:8である。これを強く混合し、一般に〜7
℃で冷蔵庫に保管し、使用するまで安定性を維持する。
この液は一般にフィルムデポジション前に常温まで温め
られる。基板10上に常温で3〜5mlのこの前駆物質
ゾルを分配し、基板10を約5〜10秒の間、1500
〜5000rpm(この速度は所望する膜厚に応じて決
まる)でスピニングし、ゾルの薄膜14を形成する。こ
のデポジションは溶剤を制御しない雰囲気内(例えば新
型でない湿度制御装置を備えたクリーンルーム内の標準
的排気内)で実行できる。このデポジションおよびスピ
ニング中、およびこれら工程の後では、膜14からエタ
ノールおよび水が蒸発するが、グリセロールの揮発性は
低いのでグリセロールの実質的な蒸発は生じない。この
ような蒸発は薄膜14を収縮し、ゾルのシリカ成分を濃
縮し、薄くされた薄膜18を形成する。図12Bは実質
的にすべての(約95%またはそれ以上の)水が除かれ
た後に得られる薄くされたゾル膜18を示している。こ
のような膜の濃縮により、一般に数分内でゲル化が生じ
る。
に次のような処理が続く。ゲル化後、薄膜の湿潤ゲル1
8は多孔質の固体および孔内流体を含み、1つ以上の制
御された温度で時間をかけてエージングすることが好ま
しい。過臨界流体抽出を含むいくつかの方法のうちの1
つにより、実質的に密度を高めることなくエージングさ
れた膜18を乾燥できる。しかしながら第3実施例に記
載のように、エージング流体から膜18を空気乾燥する
ことが好ましい。このナノ多孔質誘電体は次に第1実施
例に記載のように、乾燥のベーキングおよび/または表
面改質処理を行うことができる。この実施例の(表面改
質前の)理論的誘電率は1.96である。
mlのテトラエトキシシラン(TEOS)と、61.0
mlのグリセロールと、609.0mlのエタノール
と、49.2mlの水と、1.97mlの1MのHNO
3とを混合し、〜60℃で1.5時間還流し、原液を形
成する。これと等価的な表現をすれば、2.73モルの
TEOSと、0.84モルのグリセロールと、10.4
モルのエタノールと、2.73モルの水と、2.00E
の3モルのHNO3を混合し、〜60℃で1.5時間還
流する。原液を放置して冷却した後、溶液をエタノール
で希釈し、粘性を低下してもよい。適当な原液と溶剤と
の容積比は1:8である。これを強く混合し、一般に〜
7℃で冷蔵庫に保管し、使用するまで安定性を維持す
る。この液は一般にフィルムデポジション前に常温まで
温められる。基板10上に常温で3〜5mlのこの前駆
物質ゾルを分配し、基板10を約5〜10秒の間、15
00〜5000rpm(この速度は所望する膜厚に応じ
て決まる)でスピニングし、ゾルの薄膜14を形成す
る。このデポジションは溶剤を制御しない雰囲気内(例
えば新型でない湿度制御装置を備えたクリーンルーム内
の標準的排気内)で実行できる。このデポジションおよ
びスピニング中、およびこれら工程の後では、膜14か
らエタノールおよび水が蒸発するが、グリセロールの揮
発性は低いのでグリセロールの実質的な蒸発は生じな
い。このような蒸発は薄膜14を収縮し、ゾルのシリカ
成分を濃縮し、薄くされた薄膜18を形成する。図12
Bは実質的にすべての(約95%またはそれ以上の)水
が除かれた後に得られる薄くされたゾル膜18を示して
いる。このような膜の濃縮により、一般に数分内でゲル
化が生じる。
に次のような処理が続く。ゲル化後、薄膜の湿潤ゲル1
8は多孔質の固体および孔内流体を含み、1つ以上の制
御された温度で時間をかけてエージングすることが好ま
しい。過臨界流体抽出を含むいくつかの方法のうちの1
つにより、実質的に密度を高めることなくエージングさ
れた膜18を乾燥できる。しかしながら第3実施例に記
載のように、エージング流体から膜18を空気乾燥する
ことが好ましい。このナノ多孔質誘電体は次に第1実施
例に記載のように、乾燥のベーキングおよび/または表
面改質処理を行うことができる。この実施例の(表面改
質前の)理論的誘電率は2.5である。
の溶剤対反応体の比を使用できる。図14はデポジット
されたゾルからすべてのエタノールが蒸発する場合の金
属原子に対するグリセロール分子のモル比とナノ多孔質
誘電体の多孔率との理論的な関係を示す。一般により高
い多孔率のグリセロールゲル(一般に約0.51g/c
cよりも低い)は、溶剤交換または乾燥中に収縮を減少
させる他の方法を必要とする。他方、より低い多孔率の
ゲルは早期のゲル化を防止するような注意を必要とす
る。このような方法はpH調節、温度管理またはその他
当業者に知られている方法から構成できる。ある応用例
では、ゲル化後に高揮発性溶剤の蒸発を可能にするよう
に認めることも可能である。
より高い密度のグリセロール基ゲル(一般に約0.64
g/ccより大)をエージングし、ほとんど収縮するこ
となく乾燥できる。エージングしていないウェーハを小
容積の炉または小さい容器に入れ、この容器をホットプ
レート上に載せることができる。オプションの蒸発の後
に容器を常温でシールする。この容器は温度をランプ関
数に従って上昇させ、膜を迅速にエージングし、エージ
ング/乾燥流体の粘性を下げる時は容器はシールされた
状態のままである。(温度上昇中に可能な)十分なエー
ジングを行った後は、ゲルは乾燥の準備が完了してい
る。グリセロールの沸点近くの温度では、グリセロール
の粘性は(所定の多孔率のエージングされた膜の強度と
比較して)十分小さくできるので炉の雰囲気内のグリセ
ロールを除去し、膜を直接乾燥できる。ここで、最も要
求の多い低密度の応用例では、乾燥空気をグリセロール
の沸点よりも上に上げることにより、多少低い表面張力
を得ることができる。これらのケースでは炉は圧力に耐
えなければならない(1〜3のMPaの温度でほとんど
の準臨界的乾燥状態を処理できる)。更に、炉内の雰囲
気内のグリセロールを特に最初はゆっくりと除くように
注意を払う必要がある。炉内のグリセロールは例えば真
空ポンプにより圧力をブリードするか、またはガスを用
いてグリセロールをスイープすることによって除去でき
る。グリセロールを除く間に炉の温度を一定に保持する
か、または上昇し続けてよい(ガスでグリセロールをス
イープする間は炉をベーキング温度までランプ状に上昇
してもよい)。膜からの蒸発を最小にするよう、加熱中
にいくらかのグリセロールを導入できるが、加熱中にグ
リセロールを導入しなくても蒸発によって膜厚が薄くな
らないように、炉の容積を十分小さくすることが好まし
い。恐らく一時的な収縮も解消するように、膜が過臨界
的乾燥を必要とする場合、当業者に周知のようにCO2
による溶剤交換を利用することが好ましい。
同じ原液を使用できるが、処理方法は実質的に異なって
いる。異なった原液混合物を用いる場合、バルクゲルに
異なる多孔率を与えるのに次の例を適用できる。本発明
のバルクエーロゲルの実施例によれば、208.0ml
のテトラエトキシシラン(TEOS)と、61.0ml
のグリセロールと、3.56mlのエタノールと、1
6.8mlの水と、0.67mlの1MのHNO3とを
混合し、〜60℃で1.5時間還流し、原液を形成す
る。これと等価的な表現をすれば、0.93モルのTE
OSと、0.84モルのグリセロールと、3.56モル
のエタノールと、0.93モルの水と、6.80Eの4
モルのHNO3を混合し、〜60℃で1.5時間還流す
る。これを強く混合し、一般に〜7℃で冷蔵庫に保管
し、使用するまで安定性を維持する。この原液はモール
ドに入れる前に常温に温めることが好ましい。モールド
に注入後、エタノール、水および酸を放置して蒸発させ
るが、グリセロールの揮発性は低いので、グリセロール
の実質的な蒸発は生じない。このような蒸発は原液の前
駆物質ゾルの容積を減少し、ゾルのシリカ成分を濃縮す
る。モールドを満たす前に蒸発の少なくとも一部を生じ
させることが認められる。この充填前の蒸発は、モール
ドの形状充填後の実質的な蒸発に適していない場合、例
えばモールドの露出した表面積が少ない場合、またはモ
ールドの形状が収縮に合致していない場合には特に有効
である。このような蒸発は不要であるが、触媒を用いな
くてもゲル化が早くなったり、ゲル化後の収縮が少ない
といういくつかの利点がある。
するシリコンの概略的に知られた値を有する。この比は
(残留する水、継続する反応および付随的な蒸発による
変化がわずかな)前駆物質混合物内のグリセロールに対
するTEOSの比にほぼ等しい。この方法はゲルが永久
的に崩壊するのをかなり防止するので、この比は製造さ
れるエーロゲルの密度を決定する。蒸発中にゾルがゲル
化しない場合、このゾルは水、エタノールおよび酸のほ
ぼすべてが蒸発した後すぐにゲル化する。
0.5Mの硝酸アンモニウムで前駆物質に触媒作用させ
てもよい。この混合物を用いるとゾルは一般に数分内で
ゲル化する。モールドから湿潤ゲルを除きエタノールお
よび水を蒸発させる。
かしながら、他の方法を用いた場合と同じように、蒸発
が実質的に完了するとゾルはゲル点で孔内流体に対する
シリコンのほぼ知られている比を有する。この比は(残
留水、継続する反応および付随的蒸発に起因するわずか
に変化した)前駆物質混合物中のグリセロールに対する
TEOSの比にほぼ等しい。この方法は、ゲルが永久的
に崩壊することをかなり防止するので、この比は製造さ
れるエーロゲルの密度を決定する。
体を含み、1つ以上の制御された温度で時間をかけてエ
ージングさせることが好ましい。このエージングは基板
およびゲルを約24時間の間、約25℃に維持するか、
またはこれらを密閉容器内で約5分間130〜150℃
に加熱することにより完了することが好ましい。これら
の高温エージングパラメータは5mm径のバルクエーロ
ゲルに対して有効である。しかしながら、湿潤ゲルの低
熱伝導度により高温で加速されるエージング時間と温度
の組み合わせはバルクゲルの形状に大きく依存する。
ルを除き、母液(すなわちエージングまたは乾燥のため
に溶剤交換を行わない場合のエージング終了時に残留し
ている孔内流体)から直接乾燥する。約500℃までゆ
っくりとランプ状に上昇させ、この温度に保持すると、
ゲルが乾燥される。
孔率ゲルの場合、溶剤交換法を実行することが好まし
い。この溶剤交換法は1工程または2工程プロセスで実
行できる。この第1の工程でエージング流体を中間流体
と置換し、第2工程で中間流体を低表面張力乾燥流体、
例えばヘプタンで置換することが好ましい。この方法で
は、モールドからゲルを除き、このゲルをエタノールを
含む密閉チューブ内に入れ、8時間の間、50℃で孔内
流体を交換することが好ましい。8時間の期間終了後に
ゲルをエタノールでリンスし、これを50℃のオーブン
内の新しいエタノール内に保管する。3〜6時間後に同
様にしてエタノールをヘキサンに置換する。この溶剤交
換方法により、我々は乾燥前にグリセロールを含む流体
のすべてを除くことができる。この乾燥流体(この場合
ヘプタン)を最終的に放置して湿潤ゲルから蒸発させ、
乾燥エーロゲルを形成する。エージング流体に可溶性の
液体から膜を満足できる状態に乾燥できれば中間流体は
不要である。多くの場合、エタノールまたはその他の適
当な溶剤から湿潤ゲルを乾燥できる。
にある残留物質、例えば有機物の除去を助けるため、短
期間の間(例えば300℃では15〜60分間)エーロ
ゲルをベーキングすることが好ましいことが多い。ある
応用例では、乾燥ゲルをデヒドロキシル化(アニール)
することも望ましい。これは表面改質剤、例えばトリメ
チルクロロシラン(TMCS)、ヘキサメチルジシラザ
ン(HMDS)またはヘキサフェニルジシラザン蒸気を
含む乾燥雰囲気内に乾燥エーロゲルを入れることによっ
て実行できる。HMDSは乾燥されたゲルの孔の表面に
結合した多量の水および/またはヒドロキシル基をメチ
ル基に置換させる。この置換は常温またはそれよりも高
い温度で実行できる。この置換は水および/またはヒド
ロキシル基を除くことができるだけでなく、乾燥ゲルを
疎水性(水反撥性)にもする。ヘキサフェーニルジシラ
ザンも水および/またはヒドロキシル基を除き、乾燥ゲ
ルを疎水性にする。しかしながらフェニル基はメチル基
よりも温度安定性が高い。
例によれば、モル比で1:2.4:1.5:1:0.0
42でテトラエトキシシラン(TEOS)、エチレング
リコール、エタノール、水および酸(1MのHNO3)
を混合し、〜60℃で1.5時間還流する。この混合液
を冷却した後、溶液をエタノールで希釈し、70容積%
の元の原液と30容積%のエタノールの組成とする。こ
れを激しく混合し、一般に〜7℃で冷蔵庫に保管し、使
用するまで安定性を維持する。膜デポジション前に溶液
を室温に温める。原液を0.25MのNH4OH触媒の
混合物(10:1の容積比)を組み合わせて混合する。
常温で基板10に3〜5mLのこの前駆物質ゾルを分配
し、基板を約5〜10秒の間、(所望の膜厚に応じて)
1500〜5000rpmでスピニングし、ゾルの薄膜
14を形成する。制御されていない雰囲気内でこのデポ
ジションを行うことができる。しかしながら、標準的な
湿度制御装置を備えたクリーンルームでゾルをデポジッ
トし、ゲル化することが好ましい。このデポジションお
よびスピニング中、更にその後に膜14からエタノール
と水の混合物が蒸発するが、エチレングリコールの揮発
性は低いので、エチレングリコールの実質的な蒸発は生
じない。この蒸発は薄膜14を収縮し、ゾルのシリカ成
分を濃縮し、厚みを薄くされた膜18を形成する。図1
2Bはエタノールのほぼすべて(約95%またはそれ以
上)が除かれた後に得られる厚みを薄くされたゾル膜1
8を示す。触媒と組み合わされたこの濃縮により一般に
数分または数秒内でゲル化が生じる。
ンの概略的に知られた比を有する。この比は(残留水、
継続する反応および付随する蒸発により変化がわずか
な)デポジットされた当初のゾル内のエチレングリコー
ルに対するTEOSの比にほぼ等しい。この比はゲルの
崩壊が防止される程度にゾルの薄膜から製造されるエー
ロゲル膜の密度を決定する。
体と孔内流体を含み、1つ以上の制御された温度で時間
をかけて、例えば常温で約1日かけてエージングさせる
ことが好ましい。孔内流体は処理中に多少変化すること
に留意すべきである。これら変化は継続する反応および
/または蒸発/凝縮に起因するものである。エージング
は約100℃で約5分の間デバイスを低容積エージング
チャンバー内に入れることにより実行することが好まし
い。
燥を行う方法を含む種々の方法のうちの1つにより、実
質的な高密度化を行うことなく、エージングされた膜1
8を乾燥できる。しかしながら、第3のグリセロールを
用いた実施例に記載されているようにエージング流体か
ら膜18を空気乾燥することが好ましい。次に、第1の
グリセロールを用いた実施例に記載されているように、
ナノ多孔質誘電体に乾燥後のベーキングおよび/または
表面改質工程を施すことができる。
実施例によれば、モル比で1:4:1:0.042でテ
トラエトキシシラン(TEOS)、エチレングリコー
ル、水および酸(1MのHNO3)を混合し、〜60℃
で1.5時間還流する。これを一般に〜7℃で冷蔵庫に
保管し、使用するまで安定性を維持する。この溶液は膜
デポジション前に室温に温めることが好ましい。常温で
基板10に3〜5mLのこの前駆物質ゾルを(触媒を用
いることなく)分配し、基板を約5〜10秒の間、(所
望の膜厚に応じて)1500〜5000rpmでスピニ
ングし、ゾルの薄膜14を形成する。制御されていない
雰囲気内でこのデポジションを行うことができる。しか
しながら、標準的な湿度制御装置を備えたクリーンルー
ムでゾルをデポジットし、ゲル化することが好ましい。
このデポジションおよびスピニング中、更にその後に膜
14からエタノールおよび水が蒸発するが、エチレング
リコールの揮発性は低いので、エチレングリコールの実
質的な蒸発は生じない。この蒸発は薄膜14を収縮し、
ゾルのシリカ成分を濃縮し、厚みを薄くされた膜18を
形成する。図12Bはエタノールのほぼすべて(約95
%またはそれ以上)が除かれた後に得られる厚みを薄く
されたゾル膜18を示す。この濃縮により一般に数分内
でゲル化が生じる。
体と孔内流体を含み、1つ以上の制御された温度で時間
をかけて、例えば常温で約1日かけてエージングさせる
ことが好ましい。孔内流体は処理中に多少変化すること
に留意すべきである。エージングは約100℃で約5分
の間デバイスを低容積エージングチャンバー内に入れる
ことにより実行することが好ましい。
燥を行う方法を含む種々の方法のうちの1つにより、実
質的な高密度化を行うことなく、エージングされた膜1
8を乾燥できる。しかしながら、第3のグリセロールを
用いた実施例に記載されているようにエージング流体か
ら膜18を空気乾燥することが好ましい。次に、第1の
グリセロールを用いた実施例に記載されているように、
ナノ多孔質誘電体に乾燥後のベーキングおよび/または
表面改質工程を施すことができる。
ングの利点のいくつかを示すものである。適当なエージ
ング用チャンバーは存在していないようなので、このプ
ロセスを実現するために我々が発明したチャンバーにつ
いて説明することとする。図16A、16B、16Cに
エージング用容器の一実施例が示されている。この実施
例では処理装置がほぼ平面状のプレート22を有する本
体20を含み、このプレートに弾性シール24が取り付
けられている。プレート22は作動中、薄膜に間隙を提
供するのに必要な程度平面状であればよく、基礎となる
プロセス(例えば半導体製造法)に適合する任意の材料
で製造できるが、熱伝導率の高い材料、例えばステンレ
ススチール、ガラスまたはアルミが好ましい。弾性シー
ル24は湿潤ゲル処理温度および孔内流体に耐えるよう
に設計することが好ましく、当業者にはテフロン基およ
びネオプレン基材料を含む適当な材料が多く知られてい
る。装置内で使用される温度制御の性質に応じてシール
24をほぼ実質的に断熱性とするか、または熱伝導性と
するかの決定するのが好ましい。
基板26に載せるだけでよい。この基板は光学的な基
板、例えばガラスまたはプラスチック、またはSiウェ
ーハのような半導体基板でよい。この実施例ではシール
24は大気圧シールとして、更に基板表面28と、チャ
ンバー表面30と、シール24によって形成されるチャ
ンバー32の容積を設定するスペーサの双方として機能
する。例えばシール24はプレート22の重量により約
1mmの厚さに圧縮され、よって基板26に本体20を
載せた時、1mm高のチャンバー32を形成するように
設計できる。多くの薄膜用では、基板26を処理する際
のわずかな程度の蒸気のリークは最終的な膜の性質に大
きな影響を与えるわけではないので、チャンバー32は
実質的にシールするだけでよい。
くの点で利用できる。この本体20は湿潤ゲル薄膜に対
するエージング用チャンバーとして、かかる膜のための
保管または運搬用チャンバーとして、または乾燥チャン
バーとして、ゾル膜がゲル化する前の蒸発を制限するの
に使用できる。これら応用例のいずれにおいてもゾルお
よびゲルの薄膜の双方は、極端に少量の液体しか含んで
いないので、膜からの実質的な蒸発を防止するのに、限
られた容積のチャンバーでよいと認識される。
17Bに示されるように、更に多くの機素を含むことが
できる。この実施例では本体20は更に基板ホルダ36
と基板温度制御手段34とを含む。この実施例は基板の
外に位置するシール24(またはあるケースではシール
24を省略することもできる)の別の特徴を示してお
り、薄膜を基板表面24の全体に形成できるようになっ
ている。チャンバー32を閉じると平面状プレート22
とウェーハホルダ32が熱結合し、よって熱制御手段3
4を使用して本体20、基板26およびチャンバー32
の温度を同時に制御できる。
例ではシール24は平面上プレート22とウェーハホル
ダ36とをある程度熱絶縁している。これにより温度制
御手段34は基板の温度を制御できるが、一方、平面状
プレートの温度を制御するのに別個の温度制御手段38
が使用されている。かかる手段は平面状プレート22の
温度を選択的に下げてチャンバー表面30上での凝縮を
促進できるので、湿潤ゲル膜を乾燥できるという利点を
有する。
ジング用チャンバーの別の特徴を示している。例えば図
19Aでは基板26は倒立した位置で処理される状態が
示されている。この実施例ではチャンバー表面30上の
偶発的な、または意図的な凝縮物が基板表面26上に落
下しないようにこれを集めることができるようになって
いる。図19Bでは基板26は倒立された状態で処理さ
れているだけでなく、第1溶剤の層42(少なくとも1
つの孔内流体と同じ組成から成ることが好ましい)がチ
ャンバーを閉じる前に第1溶剤供給チューブ40からチ
ャンバー表面30へ分配されている。この実施例では層
42を使用して処理雰囲気の飽和を助けることができる
ので、この結果、基板26からの孔内流体の蒸発が少な
くなっている。
(このポートは閉じることができる)を介してチャンバ
ー32に、ある雰囲気調節手段44が接続されている実
施例が示されている。雰囲気調節手段44は真空を発生
させたり、適当にチャンバー32を過剰圧力としたり、
チャンバー32内の雰囲気を交換したり、孔内流体の蒸
気をチャンバー32に供給するように使用できる。この
実施例は、例えばチャンバー32を大気圧力よりも高い
圧力で作動することにより孔内流体の沸点よりも高い温
度で薄膜をエージングするのに使用できる。この実施例
はエージング後にチャンバー32から孔内流体の蒸気の
少なくとも一部を除き、よって薄膜を乾燥できるように
するのにも使用できる。
いて説明したが、本発明の範囲内でこれら工程の多くを
変更できるし、全体のプロセスを高めるのに他の工程を
加えることもできる。例えばスピンコーティングの代わ
りに他の一般的な方法、例えば浸漬コーティング、フロ
ーコーティングまたはスプレーコーティングにより初期
の薄膜をデポジットしてもよい。同様に溶剤交換方法で
はスピンコーティングの代わりに浸漬コーティング、ス
プレーコーティングまたは液体もしくは蒸気状の溶剤内
に浸漬する方法を使用できる。蒸気状の溶剤を使用する
場合、雰囲気よりも低い温度にウェーハを冷却し、よっ
てウェーハ上での凝縮を促進してもよい。上記方法を用
いない場合、かかるプロセスでは水は溶剤と見なされる
が、このような応用例での説明上、水は溶剤とは見なさ
ない。
双方は、それぞれユニークな利点を有するが、低収縮率
のナノ多孔質の誘電体を製造するのに利用できるその他
の低揮発性溶剤がある。溶剤を分析して予想される蒸発
レートを決定することが好ましいが、低揮発性予想の選
択を先に優先できる。常温で低い蒸発レートを有するほ
とんどすべての溶剤は140℃よりも高い沸点を有す
る。140℃よりも低い沸点を有するある溶剤を利用で
きるが、160℃よりも高い沸点、より好ましくは19
0℃よりも高い沸点を有する溶剤の蒸発レートが一般に
好ましいことが理解できよう。203℃よりも高い沸点
を有する溶剤も、40〜80℃で短時間の間で、ほとん
ど雰囲気制御することなくデポジションおよび/または
エージングに適した十分低い蒸発レートを有する。ほと
んど雰囲気制御しない状態で100〜150℃で処理す
るには、270℃よりも高い沸点を有する溶剤を使用す
ることが好ましい。これにより、好ましい沸点の下限が
大まかに優先される。また、好ましい沸点の上限に対す
る大まかな優先もある。沸点が500℃よりも高いほと
んどの溶剤は粘性となるので、これらは処理中に更に注
意が必要である。一般に、より有効な溶剤は360℃よ
りも低い沸点、好ましくは300℃よりも低い沸点を有
する。デポジション中にゾルを希釈したり、または加熱
することが好ましくない場合、200℃よりも低い沸点
を有する低揮発性よりもを使用することが好ましいこと
もある。望ましい性質のすべてを与えるような溶剤が全
くない場合、性能を改善するのに2つ以上の溶剤を混合
してもよい。従って、低揮発性溶剤の選択に関する我々
の初期のこれまでの優先的な判断基準は、170〜25
0℃の範囲内にある沸点があること、および(TEOS
ゲルに対しては)溶剤が水およびエタノールの双方と混
和できることであった。これらのこれまでの優先判断基
準に基づき、グリセロールおよびエチレングリコール以
外の適当な低揮発性溶剤として1,4−ブチレングリコ
ールと1,5−ペンタンジオールが候補として挙げられ
た。
エージングを行うことが好ましい場合、このことは更に
別の可能性を与える。1つの改善とは常温では液体でな
く固体であるような溶剤を使用することである。これに
より更に多くの材料を潜在的に使用できることとなる。
より高い融点のこれら材料の多くは常温で液状の溶剤
(液状溶剤)が高温の蒸着およびエージング温度で有し
ている低揮発性よりもより低い揮発性を有している。融
点の上限温度は不要であるが、プロセスを簡略化するに
はこれらの常温で固体の溶剤(固体溶剤)は60℃より
も低い融点、好ましくは40℃よりも低い融点を有して
いなければならない。潜在的な固体溶剤に対する望まし
い特徴とは、この溶剤がアモルファス相となるように容
易に凝固することが挙げられる。このようなアモルファ
ス凝固により偶発的な冷却中にゲルが損傷する機会が少
なくなる。更に、この性質によりフリーズドライすれば
溶剤を除くことが可能となる。前駆物質の温度を固体溶
剤の融点よりも高く維持する別の方法は、固体溶剤をキ
ャリア液内に溶解することである。このキャリア液は
水、アルコールまたは薄膜エーロゲル/キセロゲルの処
理に一般に使用される他の任意の液体でよい。このキャ
リア液体はキャリアとしてのみ導入される適合性のある
液体でもよい。
驚くべき良好な性質は、他の好ましい溶剤への手掛かり
を与える。我々はエチレングリコールまたはグリセロー
ルとも若干異なる性質を与え、更にそれらの利点の多く
も維持するいくつかの溶剤を識別した。最も将来性に優
れた別の溶剤としては、1,2,4−ブタントリオー
ル;1.2,3−ブタントリオール;および2−メチル
プロパントリオール;および2−(ヒドロキシメチル)
−1,3−プロパンジオール;1−4,1−4,ブタン
ジオール;および2−メチル−1,3−プロパンジオー
ルがある。その他の潜在的な溶剤としてはポリオール単
独か、またはポリオールとエチレングリコール、または
その他の溶剤との組み合わせがある。
より、デポジション、ゲル化および/またはエージング
中の必要な雰囲気制御をゆるやかにできる。この理由
は、飽和は好ましくは回避すべきであるが、雰囲気の溶
剤濃度は過剰な蒸発を行わなくても低下できるからであ
る。このような広い濃度の幅を使用してデポジションチ
ャンバー全体で(特にウェーハおよび蒸発性冷却効果の
近くで)より広い温度変動を可能にできる。初期の目標
は少なくとも1℃の温度変動を可能にすることである。
従って、雰囲気内の低揮発性溶剤の蒸気濃度は溶剤蒸気
の凝縮温度(露天に類似する)が基板の温度よりも少な
くとも1℃低くなるようにすべきである。実際には重大
なことは、デポジットされたゾルおよび/またはゲル状
ゾルの表面である。しかしながら、ゾルの薄膜の性質は
ゾルと基板との温度差を少なく維持する。基板温度を測
定することのほうがより簡単であるので、本特許ではこ
れら2つの温度を相互に交換可能に使用する。ある条件
下では1℃の温度の均一性を得ることができるが、容積
発生は恐らく少なくとも3℃の許容幅、好ましくは10
℃の許容幅を必要とする。しかしながら最終目標は制御
されていないか、実質的に制御されていない雰囲気内で
デポジットし、ゲル化し、エージングすることにある。
この最も好ましい方法(実質的に制御されていない雰囲
気)では、デポジット、ゲル化およびエージング中の雰
囲気制御は標準的なクリーンルーム温度および湿度制御
に限定されるが、ウェーハおよび/または前駆物質ゾル
は独立した温度制御装置を有することができる。このよ
うな実質的に制御されていない雰囲気が過剰な蒸発を可
能にする場合、受動的またはわずかであることが好まし
い能動的雰囲気制御が必要となり得る。このような応用
例では、比較的小さい容器内にウェーハを置くことに自
動制御が限定される。この容器は一部または完全にシー
ルでき、溶剤の液体リザーバを含んでもよいし、また含
まなくてもよい。しかしながら、この容器はウェーハ、
容器の雰囲気および/またはリザーバのための外部環境
制御装置は有しない。
前に(更に一般に必ずしもというわけではないがエージ
ング後に)、薄膜湿潤ゲル18は表面改質剤で改質され
た孔表面を有することができる。この表面改質工程は孔
の壁上のかなりの数の分子を別の種の分子と置換する。
表面改質剤を塗布する場合、一般に表面改質剤を加える
前に湿潤ゲル18から水を除くことが好ましい。純粋な
エタノール内でウェーハをリンスし、好ましくは第1実
施例における溶剤交換法に記載されているように、低速
度のスピンコーティングにより水を除くことができる。
水は表面改質剤、例えばHMDSと反応するので、この
ように水を除去すると有利である。しかしながら、この
ことは必要ではない。我々のグリセロールを用いた新し
い方法では、孔の崩壊の防止を助けるための表面改質は
実施する必要はないが、この表面改質を使って乾燥ゲル
に他の望ましい性質を与えることができる。潜在的に好
ましい性質の例としては、疎水性、小さい誘電率、所定
の化学薬品への提供力が大きいこと、および温度安定性
が改善されていることが挙げられる。望ましい性質を与
えることができる潜在的な表面改質剤としてはヘキサメ
チルジシラザン(HMDS)、アルキルクロロシラン
(トリメチルクロロシラン(TMCS)、ジメチルクロ
ロシラン等)、アルキルアルコキシシラン(トリメチル
メトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等)、フェ
ニル化合物およびフルオロカーボン化合物が挙げられ
る。1つの有効なフェニル化合物としてヘキサフェニル
ジシラザンがある。その他の有効なフェニル化合物は一
般に基本化学式PhxAySiB(4−x−y)に従
い、ここでPhはフェニル基であり、AはC1またはO
CH3のような反応基であり、Bはリガンドであり、こ
のリガンドは2つある場合、同一または異なる基でもよ
い。これらフェニル表面改質剤の例としては、1個のフ
ェノール基を備えた化合物、例えばフェニルトリクロロ
シラン、フェニルトリフルオロシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
メチルクロロシラン、フェニルエチルジクロロシラン、
フェニルジメチルエトキシラン、フェニルジメチルクロ
ロシラン、フェニルジクロロシラン、フェニル(3−ク
ロロプロピル)ジクロロシラン、フェニルメチルビニル
クロロシラン、フェニルエチルジメチルクロロシラン、
フェニルトリクロロシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリ(トリメチルシロキシ)シラン、およ
びフェニルアリルジクロロシランが挙げられる。これら
フェニル表面改質剤の他の例としては、2個のフェノー
ル基を有する化合物、例えばジフェニルジクロロシラ
ン、ジフェニルクロロシラン、ジフェニルフルオロシラ
ン、ジフェニルメチルクロロシラン、ジフェニルエチル
クロロシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニ
ルメトキシシラン、ジフェニルエトキシシラン、ジフェ
ニルメチルメトキシシラン、ジフェニルメチルエトキシ
シランおよびジフェニルジエトキシシランがある。これ
らフェニル表面改質剤には更に3個のフェノール基を有
する化合物、例えばトリフェニルクロロシラン、トリフ
ェニルフルオロシランおよびトリフェニルエトキシシラ
ンも含まれる。他の重要なフェニル化合物、すなわち
1,3−ジフェニルテトラメチルジシラザンはこの基本
化学式の例外である。これらリストは完全に網羅したも
のではないが、基の基本的な性質を伝えている。有効な
フルオロカーボン基表面改質剤には、(3,3,3−ト
リフルオロプロピル)トリメトキシシラン、(トリデカ
フルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)−
1−ジメチルクロロシランおよびヒドロキシル基と共有
結合を形成する反応基、例えばC1またはOCH3を有
する他のフルオロカーボン基が含まれる。
的な有効な性質のいくつかをリストアップしたものであ
る。しかしながら、異なる望ましい性質を有することが
あるナノ多孔質誘電体およびエーロゲルの潜在的な用途
は他にもある。このような他の潜在的に望ましい例とし
ては、疎水性、電気伝導度が高いこと、絶縁破壊電圧が
高いこと、所定の化学薬品との反応性が高かったり低か
ったりすること、および揮発性が高いことが挙げられ
る。このリストは完全に網羅したものではない。しかし
ながら用途に応じて種々の多数のタイプの性質が望まし
いことが分かっている。従って、ヒドロキシル基と共有
結合を形成するその他多くの材料は、他の潜在的に好ま
しい性質を与え得る潜在的な表面改質剤となることが明
らかである。
ニウムを使用することも含む。更に本発明は、水酸化ア
ンモニウムの代わりに他のゲル化触媒を使用することを
認め、および/またはデポジション後にゲル化触媒を添
加することも認めるものである。一般に、これら別の触
媒はゾルのpHを変える。pHを上げる触媒を使用する
ことが好ましいが、酸の触媒を使用できる。一般に酸触
媒により処理時間が長くなり、塩基で触媒作用されたプ
ロセスよりも誘電体の密度は高くなる。その他の好まし
いゲル化触媒の例としてアンモニア、揮発性アミン種
(低分子量アミン類)および揮発性フッ素種が挙げられ
る。デポジション後に触媒を添加する時は、この触媒は
蒸気、ミストまたは他の蒸気として添加することが好ま
しい。
となく常温および大気圧でのナノ多孔質誘電体を製造可
能にするものである。この新規な方法は実質的な高密度
化を防止することが求められているわけではないが、乾
燥前に過臨界的乾燥すなわち表面改質工程を使用するこ
とを排除するものではない。この方法は大きな(例えば
50nm)の決勝を防止するようフリーズ速度が十分高
速となる程度にフリーズドライ方法とも適合している。
一般にこの新規な方法は、従来のほとんどのエーロゲル
技術と適合性がある。
たは温度に関連している。同じチャンバーまたは同じ雰
囲気内でコーティングおよびゲル化を実行する必要はな
い。例えば基板の温度はゲル化を遅らせるように下げる
か、または表面改質および/またはゲル化の速度を速く
するように高温とすることができる。更に、蒸発レート
および/またはゲル化時間を制御するように全体の圧力
および/または温度を変えてもよい。一般に40℃以上
の高温処理が実行されるが、50℃が好ましく、70℃
が更に好ましい。高温で作動させる時には溶剤の沸騰を
防止するように注意を払う必要がある(例えば反応雰囲
気内の部分圧は十分高くしなければならない)。
Sが使用されてきたが、その他の金属アルコキシドを単
独またはTEOSと組み合わせて、または相互に使用
し、シリカネットワークを形成できる。これら金属アル
コキシドとしては、テトラメトキシシラン(TMO
S)、メチルトリエトキシシラン(MTEOS)、1,
2−ビス(トリメトキシリル)エタン(BTMSE)、
これらの組み合わせおよび当業者に知られているその他
のシリコン基金属アルコキシドが挙げられる。ゾルは当
業者に知られている他の金属、例えばアルミニウムおよ
びチタンのアルコキシドからゾルを形成吸いることも可
能である。当業者に知られているその他の前駆物質ゾル
としては粒状金属酸化物および有機前駆物質が挙げられ
る。2つの代表的な粒状金属酸化物としては発熱(発
煙)シリカおよびコロイド状シリカがある。代表的な有
機前駆物質としてメラミン、フェノールフルフラールお
よびレソルシノールがある。代替反応体の他に代替溶剤
を使用することもできる。エタノールの好ましい代替物
の例はメタノールおよびその他の高級アルコールがあ
る。称賛の代わりに前駆物質ゾル安定剤として他の酸を
使用することもできる。
さ(1分子当たり15〜150個のモノマー)のオリゴ
マーの形成を可能にし、および/または促進できるよう
にすることである。これら、より大きなオリゴマーはデ
ポジットされたゾル内のゲル化プロセスをスピードアッ
プできる。大きなオリゴマーを含むゾルは小さいオリゴ
マーを含むゾルよりも粘性が大きくなり得る。しかしな
がら粘性が安定である限りこのような高い粘性は当業者
に周知の方法、例えば溶剤の比率およびスピン条件を調
節することにより保証できる。このような望ましい安定
な粘性を得るのを助けるためにデポジット前にオリゴマ
ー化を低速にしたり、実質的に停止させる必要がある。
オリゴマー化を促進する可能性のある方法としては、前
駆物質ゾルを加熱し、溶剤を蒸発させ、または少量のゲ
ル化触媒、例えば水酸化アンモニウムを加えることが挙
げられる。オリゴマー化を抑制する可能性のある方法と
しては、前駆物質ゾルを冷却すること、ゾルを溶剤で希
釈すること、前駆物質ゾルを凝縮およびゲル化を最小と
するpHに回復させること(上記例示した水酸化アンモ
ニウムと組み合わせて硝酸を使用できる)が挙げられ
る。
たが、当業者には種々の変形および変更を思いつくこと
ができよう。本発明は特許請求の範囲内にあるかかる変
形および変更例を含むものである。
許出願は次のとおりである。
る。 (1)第1溶剤および第2溶剤内に分散された、少なく
とも一部が加水分解された金属アルコキシドを含むエー
ロゲル前駆物質ゾルを提供する工程と、前記第1溶剤の
実質的な蒸発を防止しながら前記第2溶剤のほぼすべて
を蒸発させ、ゾルが多孔質の固体および孔内流体を含む
ゲルを形成できるようにする工程と、乾燥工程までに前
記ゾルからの前記第1溶剤の実質的な蒸発を防止し続け
る工程とを備え、前記乾燥工程が多孔質固体の実質的な
崩壊を生じることなく、非過臨界的乾燥雰囲気内で孔内
流体を除くことにより乾燥したエーロゲルを形成し、よ
って乾燥エーロゲルの骨格状密度が前記エーロゲル前駆
物質ゾル内の前記第1溶剤に対する前記金属アルコキシ
ドの容積比によってほぼ決定される、ナノ多孔質エーロ
ゲルを形成する非過臨界的方法。 (2)前記蒸発工程が完了する前に前記ゲルを形成す
る、前記第1項記載の方法。 (3)前記乾燥工程が更に溶剤の交換を含む、前記第1
項記載の方法。 (4)前記乾燥工程前に前記ゲルをエージングする工程
を更に含む、前記第1項記載の方法。
むエーロゲル前駆物質ゾルの膜をデポジットする工程
と、前記膜から前記第2溶剤の実質的にすべてを優先的
に蒸発させる工程と、前記デポジットされたゾルを架橋
させ、連続気泡構造内に孔が配置された湿潤ゲルを前記
基板上に形成する工程とを備えた、基板上にエーロゲル
フィルムを形成する非過臨界的方法。 (6)前記第2溶剤が前記架橋工程の反応生成物を含
む、前記第5項記載の方法。 (7)前記第2溶剤が前記第1溶剤の蒸気圧の少なくと
も2倍の蒸気圧を有する、前記第5項記載の方法。 (8)前記薄膜をデポジットする工程が、前記基板に前
記エーロゲル前駆物質ゾルをスピンコーティングするこ
とを備える、前記第5項記載の方法。 (9)前記連続気泡構造を実質的に高密度化することな
く、非過臨界的雰囲気内で前記湿潤ゲルを乾燥する工程
を更に含む、前記第5項記載の方法。 (10)前記蒸発工程が完了する前に前記湿潤ゲルを形
成する、前記第5項記載の方法。 (11)前記第1溶剤を実質的に蒸発することなく、前
記湿潤ゲルをエージングする工程を更に含む、前記第5
項記載の方法。
形成するための非過臨界的方法であって、 a)マイクロ電子回路を含む半導体基板を設ける工程
と、 b)金属基エーロゲル前駆物質反応体と、グリセロール
を含む第1溶剤と、第2溶剤とを含み、反応体における
金属原子に対するグリセロールの分子のモル比が少なく
とも1:16であるエーロゲル前駆物質ゾルを基板にデ
ポジットする工程と、 c)デポジットしたゾルが多孔質固体および孔内流体を
含むゲルを形成できるようにする工程と、 d)非過臨界的乾燥雰囲気内で孔内流体を除くことによ
り乾燥エーロゲルを形成する工程とを備えた方法。 (13)第1溶剤がポリオールも含む、前記第12項記
載の方法。 (14)ポリオールがグリコールである、前記第13項
記載の方法。
電体を形成するための非過臨界的方法であって、 a)マイクロ電子回路を含む半導体基板を設ける工程
と、 b)金属基エーロゲル前駆物質反応体と、グリセロール
を含む第1溶剤と、第2溶剤とを含み、反応体における
金属原子に対するグリセロールの分子のモル比が少なく
とも1:16であるエーロゲル前駆物質ゾルを基板にデ
ポジットする工程と、 c)デポジットしたゾルが多孔質固体および孔内流体を
含むゲルを形成できるようにする工程と、 d)非過臨界的乾燥雰囲気内で孔内流体を除くことによ
り乾燥したナノ多孔質誘電体を形成する工程とを備えた
方法。
電体を形成するための非過臨界的方法であって、 a)マイクロ電子回路を含む半導体基板を設ける工程
と、 b)金属アルコキシド、少なくとも一部が加水分解され
た金属アルコキシド、粒状金属酸化物およびこれらの組
み合わせから成る群から選択された、エーロゲル前駆物
質反応体と、グリセロールを含む第1溶剤とを含み、反
応体における金属原子に対するグリセロールの分子のモ
ル比が少なくとも1:16であるエーロゲル前駆物質ゾ
ルを基板にデポジットする工程と、 c)デポジットしたゾルが多孔質固体および孔内流体を
含むゲルを形成できるようにする工程と、 d)多孔質固体を実質的に崩壊することなく孔内流体を
除去することにより、乾燥したナノ多孔質誘電体を形成
する工程とを備え、誘電体を形成する工程が乾燥雰囲気
内で実行され、この形成工程中の乾燥工程中の乾燥雰囲
気の圧力が孔内流体の臨界圧力よりも低い方法。
グリセロールの分子のモル比が12:1以下である、前
記16項記載の方法。 (18)反応体における金属原子に対するグリセロール
の分子のモル比が1:2〜12:1の間である、前記1
6項記載の方法。 (19)反応体における金属原子に対するグリセロール
の分子のモル比が1:4〜4:1の間である、前記16
項記載の方法。 (20)反応体における金属原子に対するグリセロール
の分子のモル比が2.5:1〜12:1の間である、前
記16項記載の方法。 (21)ナノ多孔質誘電体が60%よりも大きい多孔率
および20nmよりも小さい平均孔径を有する、前記1
6項記載の方法。 (22)ナノ多孔質誘電体が2.1よりも小さい誘電率
を有する、前記16項記載の方法。 (23)ナノ多孔質誘電体が1.8よりも小さい誘電率
を有する、前記16項記載の方法。 (24)ナノ多孔質誘電体が1.4よりも小さい誘電率
を有する、前記16項記載の方法。
体の凍結温度よりも高い、前記16項記載の方法。 (26)乾燥工程中の基板の温度が孔内流体の凍結温度
よりも高く、形成工程前に表面改質剤を添加する工程を
含まない、前記16項記載の方法。 (27)乾燥工程中の基板の温度が孔内流体の凍結温度
よりも高く、ナノ多孔質誘電体が60%よりも大きい多
孔率および20nmよりも小さい平均孔径を有し、形成
工程前に表面改質剤を添加する工程を含まない、前記1
6項記載の方法。
に含む、前記16項記載の方法。 (29)ほぼ密閉された容器内でエージング工程の少な
くとも一部を実行する、前記28項記載の方法。 (30)エージング中のゲルの温度が30℃よりも高
い、前記28項記載の方法。 (31)エージング中のゲルの温度が80℃よりも高
い、前記28項記載の方法。 (32)エージング中のゲルの温度が130℃よりも高
い、前記28項記載の方法。 (33)多孔質固体が孔内流体の除去中に2%よりも少
ない量だけ永久的容積が低減する、前記16項記載の方
法。 (34)多孔質固体が孔内流体の除去後に、ほぼ崩壊し
ない状態に留まる、前記16項記載の方法。 (35)多孔質固体が孔内流体の除去中に5%よりも少
ない量だけ容積が低減する、前記16項記載の方法。 (36)多孔質固体が孔内流体の除去中に1%よりも少
ない量だけ容積が低減する、前記16項記載の方法。 (37)ゲル化雰囲気内の第1溶剤の蒸気の濃度を積極
的に制御しないで、ゲル化雰囲気内でゲル化工程を実行
する、前記16項記載の方法。 (38)ゲル化雰囲気内の第1溶剤の蒸気の濃度を実質
的に制御しないで、ゲル化雰囲気内でゲル化工程を実行
する、前記16項記載の方法。 (39)反応体がテトラエトキシシラン、テトラメトキ
シシラン、メチルトリエトキシシラン、1,2−ビス
(トリメトキシリル)エタンおよびこれらの組み合わせ
から成る群から選択された金属アルコキシドである、前
記16項記載の方法。
ある、前記16項記載の方法。 (41)乾燥した多孔質誘電体が60%よりも大きい多
孔率を有する、前記16項記載の方法。 (42)乾燥した多孔質誘電体が60%〜90%の間の
多孔率を有する、前記16項記載の方法。 (43)乾燥した多孔質誘電体が80%の間の多孔率を
有する、前記16項記載の方法。 (44)孔内流体除去工程前に孔内流体の少なくとも一
部を液体に置換する工程を更に含む、前記16項記載の
方法。 (45)液体がヘキサノールである、前記44項記載の
方法。 (46)乾燥した多孔質誘電体をアニールする工程を更
に含む、前記16項記載の方法。 (47)形成工程中の乾燥雰囲気の圧力が3MPaより
も低い、前記16項記載の方法。
ノ多孔質誘電体を製造する方法を提供できる。この方法
は溶剤として一般にグリセロールまたはその他の低揮発
性化合物を使用する。この新規な方法は過臨界的乾燥、
フリーズドライまたは乾燥前の表面改質工程を実行する
ことなく薄膜のエーロゲル/低密度キセロゲルを製造可
能にするものである。従来のエーロゲルは乾燥中の実質
的な孔の崩壊を防止するためにこれら工程のうちの少な
くとも1つを必要としていた。従って、本発明は別個の
表面改質工程を実行することなく、常温および大気圧で
ナノ多孔質誘電体を製造できる。この新規な方法は、一
般に従来のほとんどのエーロゲル技術と適合性がある。
この新規な方法は、乾燥中に実質的に孔を崩壊すること
なくエーロゲルを製造できるが、エージングおよび/ま
たは乾燥中にある程度の永久的な収縮が生じ得る。本発
明は雰囲気制御を行うことなく多孔率が制御された薄膜
のナノ多孔質エーロゲルをデポジットし、ゲル化し、エ
ージングし、乾燥できる。本発明の別の特徴によれば、
受動的な雰囲気制御だけで、例えばエージングチャンバ
ーの容積を制限するだけで、多孔率の制御された薄膜の
ナノ多孔質エーロゲルをデポジットし、ゲル化し、高温
で高速エージングし、乾燥できる。
トの変化を示すグラフである。
ールの蒸発レートを示すグラフである。
折率と、誘電率の間の理論的関係を示すグラフである。
基ゲルの(溶剤の蒸発がない場合の)ゲル時間の変化を
示すグラフである。
基ゲルの場合の密度に対する弾性率の変化を示すグラフ
である。
質誘電体の孔径の分布を示すグラフである。
リコールの蒸発レートを示すグラフである。
る。
を示すグラフである。
縮を示すグラフである。
ールとの混合物のアルコール容積分に対する粘性変化を
示すグラフである。Bはメタノールおよびエタノールと
エチレングリコールとの混合物のアルコール容積分に対
する粘性変化を示すグラフである。
くつかの点における半導体基板の横断面図である。
ョンプロセスのフローチャートである。
と、金属原子に対するグリセロール分子の理論的なモル
比を示すグラフである。
厚および相対的な膜の粘性を示すグラフである。
の横断面図である。Bは本発明に係わるゾル−ゲル薄膜
処理装置の平面図である。Cは基板に接触する同じ装置
の横断面図である。
置の横断面図である。Bは基板を収容する、本発明に係
わる別の装置の横断面図である。
置の横断面図である。Bは基板を収容する、本発明に係
わる別の装置の横断面図である。
断面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 第1溶剤および第2溶剤内に分散され
た、少なくとも一部が加水分解された金属アルコキシド
を含むエーロゲル前駆物質ゾルを提供する工程と、 前記第1溶剤の実質的な蒸発を防止しながら前記第2溶
剤のほぼすべてを蒸発させ、ゾルが多孔質の固体および
孔内流体を含むゲルを形成できるようにする工程と、 乾燥工程までに前記ゾルからの前記第1溶剤の実質的な
蒸発を防止し続ける工程とを備え、 前記乾燥工程が多孔質固体の実質的な崩壊を生じること
なく、非過臨界的乾燥雰囲気内で孔内流体を除くことに
より乾燥したエーロゲルを形成し、よって乾燥エーロゲ
ルの骨格状密度が前記エーロゲル前駆物質ゾル内の前記
第1溶剤に対する前記金属アルコキシドの容積比によっ
てほぼ決定される、ナノ多孔質エーロゲルを形成する非
過臨界的方法。
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