JPH1068604A - 光干渉計測方法およびそれを用いた光干渉計測装置 - Google Patents

光干渉計測方法およびそれを用いた光干渉計測装置

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JPH1068604A
JPH1068604A JP8244137A JP24413796A JPH1068604A JP H1068604 A JPH1068604 A JP H1068604A JP 8244137 A JP8244137 A JP 8244137A JP 24413796 A JP24413796 A JP 24413796A JP H1068604 A JPH1068604 A JP H1068604A
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JP
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light
interference signal
diffraction grating
interference
coherent
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JP8244137A
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Inventor
Takahiro Matsumoto
隆宏 松本
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Canon Inc
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 計測マークである回折格子の段差が変化した
場合においても、計測不能の事態を惹起せず、高精度に
位置ずれ量を測定することが可能な光干渉計測方法およ
びそれを用いた光干渉計測装置を得ること。 【解決手段】 周波数が僅かに異なる第1 及び第2 のコ
ヒーレント光を回折格子の中央にたてた垂線に関して夫
々対称な傾きで該回折格子上で重なるように照射し、該
垂線に対して対称な傾きで発生する1 対の該第1 及び第
2 のコヒーレント光の回折光を用いて第1 の干渉信号を
形成し、該垂線に対して対称で且つ上記の回折光と異な
る傾きで発生する1 対の該第1 及び第2 のコヒーレント
光の回折光を用いて第2 の干渉信号を形成し、該第1 の
干渉信号と該第2 の干渉信号を比較して強度又は/及び
S/N 比がより良好な干渉信号を選択し、選択した干渉信
号をもとに該回折格子の位置ずれ量を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光干渉計測方法およ
びそれを用いた光干渉計測装置に関し、特に光ヘテロダ
イン干渉法を用いる計測装置、例えば半導体製造過程で
用いられる高分解能の位置ずれ計測装置、ウエハ位置合
わせ装置、焼き付け重ね合わせ評価装置などに好適なも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、高精度な微小変位測定には、
位相検波により、変位と線形関係にある光の位相情報を
検波することが可能なヘテロダイン干渉法が広く用いら
れてきた。
【0003】光ヘテロダイン干渉法では周波数のわずか
に異なる2 光束によってできる時間的に変化する干渉縞
を光電検出し、干渉縞の位相を電気信号の位相に変換し
て測定する。
【0004】例えば特開平2-90006 号公報において、図
10のようなウエハ上の回折格子の位置ずれを光ヘテロダ
イン干渉法によって検出する装置が提案されている。こ
の装置は、2 波長直交偏光レーザ(ゼーマンレーザ)14
0 からのレーザ光を偏光ビームスプリッタ142 により2
波長の光に分離して、ウエハ147 上に形成している1つ
または複数の回折格子(ここでは図11の回折格子171 か
ら173 )に照射し、その回折光から光ビート信号を作成
し、そのビート信号の位相を検出、比較することにより
各回折格子の位置または複数の回折格子間の相対位置ず
れを高精度に検出する。このような光ヘテロダイン干渉
法は半導体露光装置のアライメントなどに広く応用され
ている。
【0005】図11において、共にピッチP の回折格子17
1 と回折格子172 にX 方向の位置ずれΔX が生じている
とする。 1次回折光を用いてヘテロダイン干渉計測を行
うと、センサー168 とセンサー167 で検出されるビート
信号の位相差φは、 φ=4πΔX/P (1) の関係となるので、位相差φを検出して式(1) により回
折格子の相対位置ずれ量ΔX を算出していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
回折格子を検出マークに用いてその回折光を利用する場
合、その回折効率が回折格子を形成する段差に影響さ
れ、回折格子の段差によってはS/N が悪化して所望の精
度が得られないという問題があった。
【0007】半導体露光装置の位置ずれ検出系、または
焼き付け重ね合わせ評価装置において、検出マークであ
る回折格子の段差は、半導体プロセスの各プロセスによ
って通常50nmから1 μm の範囲で変化する。
【0008】回折格子の段差に対して、回折光強度がど
う変化するかを一例をあげて説明する。図12はウエハ上
に設けられた回折格子の断面図であり、格子列の一部を
拡大したものである。図12のようにマーク上面で回折し
た光A と、マーク下面で回折した光B の位相がπになれ
ば、2 つの光は打ち消しあって回折光強度が極小にな
る。
【0009】回折格子への入射角をθin、回折格子から
の回折光の回折角をθout としたとき段差変化Δd に対
する位相変化量Δφは、波長をλとして Δφ=2πΔd (cosθin+cosθout )/λ (2) となる。
【0010】そして、入射角θin及び回折角θout は回
折格子のピッチをP 、回折次数をnとして、次式から求
められる: P(sinθin-sinθout )=nλ (3) ここで波長λ=633nm 、回折格子のピッチP を 1.5μm
として、1 次回折光が垂直に回折する場合、すなわち回
折角θout が 0度の場合、式(3) からθin= 25度とな
る。そして式(2) より、この回折光の段差変化Δd に対
する位相度敏感度Δφ1 はΔφ1 =2πΔd ×1.906/λと
計算される。
【0011】この計算結果をもとに回折格子マーク段差
に対する回折光強度変化をグラフにしたものが図13であ
る。図13に示すように通常の半導体プロセスで生じる段
差1μm 以下では2 回の極小値が発生し、この付近の段
差においてはS/N が悪化して検出精度が問題になる。
【0012】従来このように段差の状態によって計測が
難しいプロセスにおいては画像処理法やエッジ散乱光検
出方式などの別方式の位置ずれ検出系/装置で対応して
おり、複数のアライメント系を必要とするため装置を複
雑にし、そのコストを上げていた。
【0013】本発明は、段差変化に対して、回折効率の
変動周期が異なる複数の干渉信号を形成し、その内より
最も良好な干渉信号を選択して、位置ずれ量を求めるこ
とにより、計測マークであるところの回折格子の段差が
変化した場合においても、計測不能の事態を惹起せず、
高精度に位置ずれ量を測定することが可能な光干渉計測
方法およびそれを用いた光干渉計測装置の提供を目的と
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の光干渉計測方法
は、 (1−1) 周波数が僅かに異なる第1 及び第2 のコヒ
ーレント光を回折格子の中央にたてた垂線に関して夫々
対称な傾きで該回折格子上で重なるように照射し、該垂
線に対して対称な傾きで発生する1 対の該第1 及び第2
のコヒーレント光の回折光を用いて第1 の干渉信号を形
成し、該垂線に対して対称で且つ上記の回折光と異なる
傾きで発生する1 対の該第1 及び第2 のコヒーレント光
の回折光を用いて第2 の干渉信号を形成し、該第1 の干
渉信号と該第2 の干渉信号を比較して強度又は/及びS/
N 比がより良好な干渉信号を選択し、選択した干渉信号
をもとに該回折格子の位置ずれ量を検出すること等を特
徴としている。
【0015】特に、 (1−1−1) 前記回折格子を前記第1 のコヒーレン
ト光で照射して発生する+n次回折光と該回折格子を前記
第2 のコヒーレント光で照射して発生する-n次回折光と
を干渉させて前記第1 の干渉信号を形成し、該第2 のコ
ヒーレント光の+m次回折光と該第1 のコヒーレント光の
-m次回折光とを干渉させて前記第2 の干渉信号を形成
し、前記の選択した干渉信号をもとにヘテロダイン干渉
測定を行って該回折格子の位置ずれ量を検出する。 (1−1−2) 前記回折格子は同じピッチの回折格子A
及び回折格子B より成り、前記第1 のコヒーレント光
の+n次回折光と前記第2 のコヒーレント光の-n次回折光
との光路を合致させた後、該回折格子A による回折光と
該回折格子B による回折光に分離して該回折格子A に係
る第1 の干渉信号M1A と該回折格子B に係る第1 の干渉
信号M1B を形成し、該第2 のコヒーレント光の+m次回折
光と該第1のコヒーレント光の-m次回折光との光路を合
致させた後、該回折格子A による回折光と該回折格子B
による回折光に分離して該回折格子A に係る第2 の干渉
信号M2A と該回折格子B に係る第2 の干渉信号M2B を形
成し、該第1 の干渉信号M1A と該第2 の干渉信号M2A
比較して強度又は/及びS/N比がより良好な方を干渉信
号SAとして選択し、該第1 の干渉信号M1B と該第2 の干
渉信号M2B を比較して強度又は/及びS/N 比がより良好
な方を干渉信号SBとして選択し、選択した干渉信号SA
びSBをもとに該2 つの回折格子の相対的位置ずれ量を検
出する。こと等を特徴としている。
【0016】更に、本発明の光干渉計測方法は、 (1−2) 同じ波長の第1 及び第2 のコヒーレント光
を回折格子の中央にたてた垂線に関して夫々対称な傾き
で該回折格子上で重なるように照射し、該垂線に対して
夫々対称な傾きで発生する1 対の該第1 及び第2 のコヒ
ーレント光の回折光を用いて第1 の干渉信号を形成し、
該垂線に対して夫々対称で且つ上記の回折光と異なる傾
きで発生する1 対の該第1 及び第2 のコヒーレント光の
回折光を用いて第2 の干渉信号を形成し、該第1 の干渉
信号と該第2 の干渉信号を比較して強度又は/及びS/N
比がより良好な干渉信号を選択し、選択した干渉信号を
もとにホモダイン干渉測定を行って該回折格子の位置ず
れ量を検出する。 (1−3) 周波数が僅かに異なる第1 及び第2 のコヒ
ーレント光を回折格子の中央にたてた垂線に関して夫々
対称な傾きで該回折格子上で重なるように照射して、該
第1 のコヒーレント光の+n次回折光と該第2 のコヒーレ
ント光の-n次回折光とを干渉させて第1 の干渉信号を形
成し、該第1 及び第2 のコヒーレント光のいずれよりも
波長が長いか又は短く、且つ夫々の周波数が僅かに異な
る第3 及び第4 のコヒーレント光を該回折格子の中央に
たてた垂線に関して夫々対称な傾きで該回折格子上で重
なるように照射して、該第3 のコヒーレント光の+m次回
折光と該第4 のコヒーレント光の-m次回折光と干渉させ
て第2 の干渉信号を形成し、該第1 の干渉信号と該第2
の干渉信号を比較して強度又は/及びS/N 比がより良好
な干渉信号を選択し、選択した干渉信号をもとにヘテロ
ダイン干渉測定を行って該回折格子の位置ずれ量を検出
する。こと等を特徴としている。
【0017】特に、 (1−3−1) 前記第1 のコヒーレント光の+n次回折
光と前記第2 のコヒーレント光の-n次回折光及び前記第
3 のコヒーレント光の+m次回折光と前記第4 のコヒーレ
ント光の-m次回折光はいずれも回折格子面に対して垂直
方向に射出し、これらの回折光をダイクロイックミラー
により該第1 、第2 のコヒーレント光と該第3 、第4 の
コヒーレント光に分離して前記第1 及び第2 の干渉信号
を形成すること等を特徴としている。
【0018】本発明の光干渉計測装置は、 (1−4) 周波数が僅かに異なる第1 及び第2 のコヒ
ーレント光を射出する光源手段と、 該第1 及び第2 の
コヒーレント光を回折格子の中央にたてた垂線に関して
対称な傾きで該回折格子上で重なるように照射せしめる
照明光学系と、該垂線に対して対称な傾きで発生する1
対の該第1 及び第2 のコヒーレント光の回折光より第1
の干渉信号を検出する第1 の干渉信号形成手段と、該垂
線に対して対称で且つ上記の回折光と異なる傾きで発生
する1 対の該第1 及び第2 のコヒーレント光の回折光を
用いて第2 の干渉信号を検出する第2 の干渉信号形成手
段と、該第1 の干渉信号と該第2 の干渉信号を比較して
強度又は/及びS/N 比がより良好な干渉信号を選択する
優劣判定手段と、選択した干渉信号をもとに該回折格子
の位置ずれを導出する演算手段とを有して回折格子の位
置ずれ量を検出すること等を特徴としている。
【0019】特に、 (1−4−1) 前記光源手段は光源より射出する単一
周波数のコヒーレント光を偏光ビームスプリッタにより
2 つに分離し、夫々のコヒーレント光を周波数変調器を
介して前記第1 及び第2 のコヒーレント光を形成してい
る。 (1−4−2) 前記第1 及び第2 の干渉信号形成手段
は夫々前記1 対の回折光をミラーと偏光ビームスプリッ
タを利用して光路を重ねて検出器に導入して前記第1 及
び第2 の干渉信号を検出している。 (1−4−3) 前記回折格子は同じピッチの回折格子A
及び回折格子B より成り、前記第1 の干渉信号形成手
段は前記1 対の回折光をミラーと偏光ビームスプリッタ
を利用して光路を重ねると共に、第1 の光束分離手段に
より該回折格子Aによる回折光と該回折格子B による回
折光に分離して夫々検出器に導入して該回折格子A に係
る前記第1 の干渉信号と該回折格子B に係る前記第1 の
干渉信号を検出し、前記第2 の干渉信号形成手段は上記
の回折光と異なる前記1 対の回折光をミラーと偏光ビー
ムスプリッタを利用して光路を重ねると共に、第2 の光
束分離手段により該回折格子A による回折光と該回折格
子B による回折光に分離して夫々検出器に導入して該回
折格子A に係る前記第2 の干渉信号と該回折格子B に係
る前記第2 の干渉信号を検出し、前記優劣判定手段は該
回折格子A に係る該第1 の干渉信号と該第2 の干渉信号
を比較して強度又は/及びS/N 比がより良好な干渉信号
を選択すると共に該回折格子B に係る該第1 の干渉信号
と該第2 の干渉信号を比較して強度又は/及びS/N 比が
より良好な干渉信号を選択し、選択した2 つの干渉信号
をもとに前記演算手段により該2 つの回折格子の相対的
位置ずれ量を導出する。こと等を特徴としている。
【0020】更に、本発明の光干渉計測装置は、 (1−5) 周波数が僅かに異なる第1 及び第2 のコヒ
ーレント光を射出する第1 の光源手段と、該第1 及び第
2 のコヒーレント光を回折格子の中央にたてた垂線に関
して対称な傾きで該回折格子上で重なるように照射せし
める第1 の照明光学系と、該回折格子より射出する該第
1 のコヒーレント光の+n次回折光と該第2のコヒーレン
ト光の-n次回折光より第1 の干渉信号を検出する第1 の
干渉信号形成手段と、該第1 及び第2 のコヒーレント光
のいずれよりも波長が大きいか又は小さく、且つ夫々の
周波数が僅かに異なる第3 及び第4 のコヒーレント光を
射出する第2の光源手段と、該第3 及び第4 のコヒーレ
ント光を該回折格子の中央にたてた垂線に関して対称な
傾きで該回折格子上で重なるように照射せしめる第2 の
照明光学系と、該回折格子より射出する該第3 のコヒー
レント光の+m次回折光と該第4のコヒーレント光の-m次
回折光より第2 の干渉信号を検出する第2 の干渉信号形
成手段と、該第1 の干渉信号と該第2 の干渉信号を比較
して強度又は/及びS/N 比がより良好な干渉信号を選択
する優劣判定手段と、選択した干渉信号をもとに該回折
格子の位置ずれ量を導出する演算手段とを有して回折格
子の位置ずれ量を検出すること等を特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】図1 は、本発明の光干渉計測装置
の実施形態1 の要部概略図である。本実施形態は半導体
露光装置におけるウエハアライメント検出系であり、半
導体露光装置上に載置されるウエハ上に転写されている
X 方向及びY 方向のアライメントマークの位置ずれ量を
各露光ショット毎に計測して、ウエハを位置合わせする
ものである。但し、図1 においては説明の便宜上X 方向
のアライメント光学系のみを図示している。
【0022】図1 中、30は光源である半導体レーザー、
31,5,12,14は偏光ビームスプリッター(PBS) 、32,35 は
周波数変調器、33はビームスプリッター、6,11,13,23,2
4,25,26,27,28,34,36 はミラー、15,17,37は偏光板、1
6,18,38はセンサー (検出器)、8 はウエハ、7 はウエハ
8 上に形成されているアライメントマークであるところ
の回折格子、9 はX ステージ、10はY ステージ、19は優
劣判定手段、20は位相差計、21は演算器、22はステージ
駆動ドライバである。
【0023】本実施形態の作用を説明する。図1 におい
て半導体レーザ30から射出するコヒーレント光は、偏光
ビームスプリッター(以下PBS と略す)31で二分され、
s 偏光成分の反射光はミラー34で偏向後、周波数変調器
35により、周波数f1の光 (第1 のコヒーレント光) に周
波数変調され、ミラー36で偏向されてビームスプリッタ
33に入射する。
【0024】一方、PBS 31を透過したp 偏光成分の光は
周波数変調器32により周波数f2の光(第2 のコヒーレン
ト光) に周波数変調されてビームスプリッタ33に入射す
る。
【0025】ここに周波数f1の光と周波数f2の光はヘテ
ロダイン干渉測定が可能な程度に僅かに周波数が異なる
光である。
【0026】なお、光源30、PBS31 、ミラー34、36、周
波数変調器32、35、ビームスプリッタ33等は光源手段の
一要素を構成している。
【0027】ビームスプリッタ33で両周波数の光は共に
二分されて、センサー38へ向かった光は偏光板37で偏光
方向を揃えてセンサー38で光電検出され、基準ビート信
号 Rを形成する。
【0028】他方へ向かった光はPBS5でs 偏光で周波数
f1の光とp 偏光で周波数f2の光に二分され、反射された
周波数f1の光はミラー23により所定の入射角を与えられ
てアライメントマーク、即ち回折格子7 を照射する。
【0029】又、PBS5を透過した周波数f2の光はミラー
6 で偏向され、ミラー24により所定角度を与えられて回
折格子7 を照射する。
【0030】この時、回折格子7 を照射する周波数f1
f2の光は回折格子7 上で重なり、さらに回折格子7 から
の 1次回折光、即ち周波数f1の光の+1次回折光と周波数
f2の光のー1次回折光がウエハ8 の垂線に対し、数度の角
度をもつようにミラー23、24の角度と位置をセッティン
グしている。
【0031】ここに、PBS5、ミラー6 、23、24等は周波
数f1及び周波数f2の光を回折格子の中央に立てた垂線
(本明細書では回折格子の形成されている面に対して垂
直な線を意味する) に関して対称な傾きで該回折格子上
で重なるように照射せしめる照明光学系の一要素を構成
している。
【0032】回折格子7 からの回折光の回折角θout
回折格子7 を照射する光の入射角をθin、回折格子7 の
ピッチをP 、波長をλ、回折次数をn としたとき、次式
から求めることができる。
【0033】P(sinθin-sinθout)=nλ
(3)例えば光源に波長 830nmの半導体レーザーを使用
し、入射角θinを28度、ピッチ P=1.6μm とした場合の
1 次回折光の回折角θout1は-2.8度となる。
【0034】そして、回折格子7 からの周波数f1の光の
+1次回折光はミラー27で偏向されPBS 12に入射する。一
方、周波数f2の光の-1次回折光はミラー25及びミラー11
で偏向され、PBS 12に入射する。
【0035】両回折光はPBS 12で同一光路を通るように
合成され、次いで偏光板15により偏光方向を揃えた後、
センサー16で第1 の測定ビート信号 (第1 の干渉信号)
M1として検出される。
【0036】ここに、ミラー25、27、11、PBS12 、偏光
板15、センサー16等は第1 の干渉信号形成手段の一要素
を構成している。
【0037】一方、入射角θin= 28度の場合の-1次回折
光の回折角θout2は式(3) により、θout2=-81.2度とな
る。そして、周波数f1の光の-1次回折光はミラー28を介
してPBS 14に入射する。また、周波数f2の光の+1次回折
光はミラー26及びミラー13で偏向してPBS 14に入射す
る。
【0038】両回折光はPBS 14で同一光路を通るように
合成され、次いで偏光板17により偏光方向を揃えた後、
センサー18で第2 の測定ビート信号 (第2 の干渉信号)
M2として検出される。
【0039】ここに、ミラー26、28、13、PBS14 、偏光
板17、センサー18等は第2 の干渉信号形成手段の一要素
を構成している。
【0040】センサー38の出力として得られる基準ビー
ト信号 Rは、A を振幅、ω1、ω2 をそれぞれ周波数f1
f2の角周波数として、初期位相項を省略すると、以下の
ように表される。
【0041】R=Acos{(ω12)t} (4) また、センサー16で光電検出される第1 の測定ビート信
号M1は、A1を振幅とすると、 M1=A1cos{(ω12)t+ 4πΔX/P} (5) と表される。ここにΔX は回折格子 7の光学系基準線か
らのずれ量、P は回折格子7 のピッチである。
【0042】一方センサー18で光電検出される第2 の測
定ビート信号M2は、A2を振幅とすると M2=A2cos{(ω12)t- 4πΔX/P} (6) と表される。
【0043】各測定ビート信号M1、M2 は優劣判定手段19
に導入され、測定ビート信号の強度又は/及びS/N 比、
位相の安定性などを比較して、信号の優劣を決定し、優
劣判定手段19で良好と判断された測定ビート信号を位相
差計20に出力する。
【0044】位相差計20は基準ビート信号 Rと選択され
た測定ビート信号との位相差φm を検出する。そして、
演算器21は位相差φm と優劣判定手段19の判定結果をも
とに、第1 の測定ビート信号M1を選んだ場合にはΔX= 4
πφm/P 、第2 の測定ビート信号M2を選んだ場合にはΔ
X=-4πφm/P の演算を行ってずれ量ΔX を求め、ステー
ジ駆動ドライバー22に補正駆動量の指令を送り、X ステ
ージ9 を駆動し、ウエハの位置合わせを行う。
【0045】ここに、位相差計20、演算器21等は演算手
段の一要素を構成している。
【0046】次に本実施形態において、2 つの測定ビー
ト信号における回折格子の段差に対する強度変化を説明
する。本実施形態のようなアライメント装置において
は、回折格子7 上をレジストが覆っているため、先に説
明した回折格子マークの段差変化Δd に伴う回折光の位
相変化率が異なってくる。図2 はその説明図であり、レ
ジストへ入射角θinで入射し、レジスト中の回折格子で
回折し、レジストから回折角θout で回折する光がレジ
スト中で回折格子7 に入射角度θinr で入射し、レジス
ト中で回折角度θoutrで回折する関係を示している。
【0047】レジストの屈折率をnrとして、これらの角
度の間には、 sinθin =nr・sinθinr (7) sinθout=nr・sinθoutr (8) の関係が成り立つている。
【0048】これらの式より、レジストの屈折率nrを1.
5 、θin =28度としたとき、 |θinr|=18.2 度となり、
out1r|=1.9度、 |θout2r|=41.2 度となる。
【0049】そして、段差変化Δd に対する位相変化量
Δφは、波長をλとして Δφ=2πnrΔd( cosθinr +cosθoutr)/λ (9) と表される。
【0050】まず、周波数f1の光の+1次回折光と周波数
f2の光の-1次回折光の光の干渉の結果得られる第1 の測
定ビート信号M1の強度変化を求める。回折光の段差変化
Δdに対する位相度敏感度Δφ1 は式(9) より、Δφ1=
2πΔd × 2.82/λとなる。一方、第2 の測定ビート信
号M2を形成する回折光の段差変化Δd に対する位相度敏
感度Δφ2 はΔφ2= 2πΔd × 2.45/λとなる。
【0051】図3 はこの計算結果をもとに、両測定ビー
ト信号を形成する回折光の強度変化を求めたものであ
る。図3 において第1 の測定ビート信号M1を形成する周
波数f1の光の+1次回折光と周波数f2の光の-1次回折光の
光の強度変化の様子を回折光aで示し、第2 の測定ビー
ト信号M2を形成する周波数f1の光の-1次回折光と周波数
f2の光の+1次回折光の光の強度変化の様子を回折光b で
示している。
【0052】このように、回折光の段差変化Δd に対す
る位相度敏感度Δφ1 、Δφ2 が異なるため、段差の変
化に対して、回折光強度変化の周期が異なる。したがっ
て、第1 の測定ビート信号M1と第2 の測定ビート信号M2
の信号強度の段差に対する強度変動周期も同様に異なる
ため、段差50nm以上 1μm 以下の範囲で両測定ビート信
号の強度が共に極小になることはない。
【0053】このため、本実施形態は段差に応じて、2
つの測定ビート信号のうち、より良好な測定ビート信号
を選択することにより、検出不能の事態を惹起せず、精
度を悪化させることなく、ウエハの位置ずれ量を検出す
ることができる。
【0054】本実施形態は、周波数が僅かに異なる第1
及び第2 のコヒーレント光を回折格子の中央にたてた垂
線に関して夫々対称な傾きで該回折格子上で重なるよう
に照射し、該垂線に対して対称な傾きで発生する1 対の
該第1 及び第2 のコヒーレント光の回折光 (第1 のコヒ
ーレント光の+n次回折光と第2 のコヒーレント光の-n次
回折光) を用いて第1 の測定ビート信号 (干渉信号) を
形成し、該垂線に対して対称で且つ上記の回折光と異な
る傾きで発生する1 対の該第1 及び第2 のコヒーレント
光の回折光 (第2 のコヒーレント光の+m次回折光と第1
のコヒーレント光の-m次回折光) を用いて第2 の測定ビ
ート信号 (干渉信号) を形成し、該第1の測定ビート信
号と該第2 の測定ビート信号を比較して強度またはS/N
比 がより良好な測定ビート信号を選択し、選択した測
定ビート信号をもとにヘテロダイン干渉測定を行って該
回折格子の位置ずれ量を検出している。
【0055】説明ではX 方向のみの位置ずれ量の検出方
法を示したが、上記のアライメントマークを90度回転し
たY 方向のアライメントマークを配置し、更に上記のX
方向のアライメント光学系を90度回転したY 方向のアラ
イメント光学系を配置することにより、X、Y の2 方向の
アライメントを達成することができる。
【0056】なお、本実施形態では、上記垂線に対して
対称な2 組の回折光を利用して2 つの測定ビート信号を
得て、その内から1 つの測定ビート信号を選択したが、
2 組以上の回折光対を用いて2 つ以上の測定ビート信号
を得て、その内から1 つの測定ビート信号を選択しても
良い。
【0057】なお、本実施形態において、第1 の測定ビ
ート信号M1を形成する周波数f1の光の+1次回折光と周波
数f2の光の-1次回折光をウエハから垂直に回折させない
理由は、垂直に回折させた場合に、 3次の回折光が第2
の測定ビート信号M2を形成する周波数f1の光の-1次回折
光と周波数f2の光の+1次回折光の光と同一光路を通り、
第2 の測定ビート信号M2の位相ノイズとなることを避け
る為である。
【0058】また、本実施形態では周波数変調器を用い
てヘテロダイン干渉測定により位相測定しているが、単
一の波長でホモダイン干渉測定をすることも当業者なら
容易である。
【0059】図4 は、本発明の光干渉計測装置の実施形
態2 の要部概略図である。本実施形態は実施形態1 と同
様に半導体露光装置におけるウエハアライメント検出系
であり、半導体露光装置上に載置されるウエハ上に転写
されているX 方向及びY 方向のアライメントマークの位
置ずれ量を各露光ショット毎に計測して、ウエハを位置
合わせするものである。但し、図4 においては説明の便
宜上X 方向のアライメント光学系のみを図示している。
【0060】本実施形態が実施形態1 に対して異なる点
は、実施形態1 では1 つの光源からの光を用いて回折角
度の異なる回折光を発生し、これからマーク段差変化に
対して異なる感度特性で強度変化する2 つの測定ビート
信号を形成したのに対し、本実施形態では異なる波長の
2 つの光源を用意して、これらの光によってマーク段差
変化に対して異なる感度特性で強度変化する2 つのビー
ト信号を形成している点である。
【0061】図4 中、30a は第1 の光源である半導体レ
ーザーであり、波長780nm(波長λ1)の光を放射する。30
b は第2 の光源であるHe-Ne レーザーであり、波長633n
m(波長λ2)の光を放射する。31a,31b,39a,39b は偏光ビ
ームスプリッター(PBS) 、32a,32b,35a,35b は周波数変
調器、33a,33b はビームスプリッター、 34a,34b,36a,3
6b,40a,40b,41a,41b,42a,42b,43 はミラー、37a,37b,44
は偏光板、38a,38b,46,47 はセンサー (検出器) であ
る。45はダイクロイックミラーであり、波長780nm の光
を透過し、その他の光は反射する。なお、図1 と同じ符
号の要素は実施形態1 の当該要素と同じものである。
【0062】本実施形態の作用を説明する。図4 におい
て第1 の光源30a から射出する波長780nm の光は、PBS3
1aで二分され、s 偏光成分の反射光はミラー34a で偏向
後、周波数変調器35a により周波数f1の光 (第1 のコヒ
ーレント光) に周波数変調されて、ミラー36a で偏向さ
れてビームスプリッタ33a に入射する。
【0063】一方、PBS31aを透過したp 偏光成分の光は
周波数変調器32a により周波数f2の光 (第2 のコヒーレ
ント光) に周波数変調されてビームスプリッタ33a に入
射する。
【0064】ここに周波数f1の光と周波数f2の光はヘテ
ロダイン干渉測定が可能な程度に僅かに周波数が異なる
光である。
【0065】なお、光源30a,PBS31a、ミラー34a,36a 、
周波数変調器32a,35a 、ビームスプリッタ33a 等は第1
の光源手段の一要素を構成している。
【0066】ビームスプリッタ33a で両周波数の光は共
に二分されて、センサー38a へ向かった光は偏光板37a
で偏光方向を揃えてセンサー38a で光電検出され、第1
の基準ビート信号R1を形成する。
【0067】他方へ向かった光はPBS39aでs 偏光で周波
数f1の光とp 偏光で周波数f2の光に二分され、反射され
た周波数f1の光はミラー41a により所定の入射角を与え
られて回折格子7 を照射する。
【0068】又、PBS39aを透過した周波数f2の光はミラ
ー40a で偏向され、ミラー42a により所定角度を与えら
れて回折格子7 を照射する。
【0069】この時、回折格子7 を照射する周波数f1
f2の光は回折格子7 上で重なり、さらに回折格子7 から
の 1次回折光、即ち周波数f1の光の+1次回折光と周波数
f2の光の-1次回折光がウエハ8 の垂線方向即ち回折格子
の形成されている面 (回折格子面) に対して垂直方向に
回折するようにミラー41a、42a の角度と位置をセッティ
ングしている。
【0070】ここに、PBS39a、ミラー40a,41a,42a 等は
周波数f1及び周波数f2の光を回折格子の中央に立てた垂
線に関して対称な傾きで該回折格子上で重なるように照
射せしめる第1 の照明光学系の一要素を構成している。
【0071】式(3) より、回折格子7 のピッチP を 2μ
m としたとき、回折角θout1は0 度となるので入射角θ
in1 は23.0度となる。
【0072】回折格子7 からの2 つの回折光はミラー43
で偏向され、偏光板44で偏光方向を揃えた後、ダイクロ
イックミラー45に入射する。
【0073】ダイクロイックミラー45は780nm の光を透
過するので、これらの回折光は透過してセンサー46で、
第1 の測定ビート信号 (第1 の干渉信号) M1として検出
される。
【0074】ここに、ミラー43、偏光板44、ダイクロイ
ックミラー45、センサー46等は第1の干渉信号形成手段
の一要素を構成している。
【0075】一方、第2 の光源30b から射出する波長63
3nm の光は、PBS31bで二分され、s偏光成分の反射光は
ミラー34b で偏向後、周波数変調器35bニより、周波数F1
の光(第3 のコヒーレント光) に周波数変調されて、ミ
ラー36b で偏向されてビームスプリッタ33b に入射す
る。
【0076】一方、PBS31bを透過したp 偏光成分の光は
周波数変調器32b により周波数F2の光 (第4 のコヒーレ
ント光) に周波数変調されてビームスプリッタ33b に入
射する。
【0077】ここに周波数F1の光及び周波数F2の光は周
波数f1の光及び周波数f2の光のいずれよりも波長が短
く、且つヘテロダイン干渉測定が可能な程度に僅かに周
波数が異なる光である。
【0078】なお、光源30b,PBS31b、ミラー34b,36b 、
周波数変調器32b,35b 、ビームスプリッタ33b 等は第2
の光源手段の一要素を構成している。
【0079】ビームスプリッタ33b で両周波数の光は共
に二分されて、センサー38b へ向かった光は偏光板37b
で偏光方向を揃えてセンサー38b で光電検出され、第2
の基準ビート信号R2を形成する。
【0080】他方へ向かった光はPBS39bでs 偏光で周波
数F1の光とp 偏光で周波数F2の光に二分され、反射され
た周波数F1の光はミラー41b により所定の入射角を与え
られて回折格子7 を照射する。
【0081】又、PBS39bを透過した周波数F2の光はミラ
ー40b で偏向され、ミラー42b により所定角度を与えら
れて回折格子7 を照射する。
【0082】この時、回折格子7 を照射する周波数F1
F2の光は回折格子7 上で重なり、さらに回折格子7 から
の 1次回折光、即ち周波数F1の光の+1次回折光と周波数
F2の光の-1次回折光がウエハ8 の垂線方向に回折するよ
うにミラー41b、42b の角度と位置をセッティングしてい
る。
【0083】ここに、PBS39b、ミラー40b,41b,42b 等は
周波数F1及び周波数F2の光を回折格子の中央に立てた垂
線に関して対称な傾きで該回折格子上で重なるように照
射せしめる第2 の照明光学系の一要素を構成している。
【0084】式(3) より、回折格子7 のピッチP を 2μ
m としたとき、入射角θin2 は18.5度となる。
【0085】回折格子7 からの回折光はミラー43で偏向
され、偏光板44で偏光方向を揃えられ、ダイクロイック
ミラー45に入射する。ダイクロイックミラー45は633nm
の光を反射するので、反射した光はセンサー47で第2 の
測定ビート信号 (第2 の干渉信号) M2として検出され
る。
【0086】ここに、ミラー43、偏光板44、ダイクロイ
ックミラー45、センサー47等は第2の干渉信号形成手段
の一要素を構成している。
【0087】センサー38a の出力として得られる第1 の
基準ビート信号R1は、振幅をA 、ω1 、ω2 をそれぞれ
周波数f1、f2 の角周波数として、初期位相項を省略する
と、以下のように表される。
【0088】 R1=Acos{(ω1ーω2)t} (10) また、センサー46で光電検出される第1 の測定ビート信
号M1は振幅をA1として、 M1=A1cos{(ω1ーω2)t+ 4πΔX/P) (11) と表される。ここにΔX は回折格子 7の光学系基準線か
らのずれ量、P は回折格子7 のピッチである。
【0089】一方、センサー38b の出力として得られる
第2 の基準ビート信号R2は振幅をB、Ω1、Ω2 をそれぞ
れ周波数F1、F2 の角周波数として、初期位相項を省略す
ると、以下のように表される。
【0090】R2=Bcos{(Ω1ーΩ2)t} (12) また、センサー47で光電検出される第2 の測定ビート信
号M2は振幅をA2とすると M2=A2cos{(Ω1ーΩ2)t+ 4πΔX/P) (13) と表される。
【0091】2 つの測定ビート信号M1、M2 は優劣判定手
段19に導入され、測定ビート信号の強度又は/及びS/N
比、位相の安定性などを比較して、信号の優劣を決定
し、優劣判定手段19で良好と判断された測定ビート信号
を位相差計20に導入する。
【0092】位相差計20は優劣判定手段19で測定ビート
信号M1が選択された場合はこれと基準ビート信号R1との
位相差φm を、又優劣判定手段19で測定ビート信号M2
選択された場合はこれと基準ビート信号R2との位相差φ
m を検出する。そして、演算器21は位相差φm と優劣判
定手段19の判定結果をもとに、ΔX= 4πφm/P の演算を
行ってずれ量ΔX を求め、ステージ駆動ドライバー22に
補正駆動量の指令を送り、X ステージ9 を駆動し、ウエ
ハを位置合わせする。
【0093】ここに、位相差計20、演算器21等は演算手
段の一要素を構成している。
【0094】次に本実施形態において、2 つの測定ビー
ト信号における回折格子の段差に対する強度変化を説明
する。式(7) より、レジストの屈折率nrを1.5 としたと
き、波長 780nmの光のθin1=23度に対してレジスト中で
の入射角 |θinr1|=15.1度、波長 633nmの光のθin2=1
8.5度に対してレジスト中での入射角 |θinr2|=12.2度
となる。
【0095】これから測定ビート信号M1を形成する波長
780nm(λ1)の光の回折光の段差変化Δd に対する位相度
敏感度Δφ1 は式(9) より、Δφ1= 2πΔd × 2.95/λ
1 となり、測定ビート信号M2を形成する波長633nm(λ2)
の光の回折光の段差変化Δdに対する位相度敏感度Δφ2
は式(9) より 、Δφ2= 2πΔd × 2.97/λ2 となる。
【0096】図5 はこの計算結果をもとに、両ビート信
号を形成する回折光の強度変化を求めたものである。図
5 において測定ビート信号M1を形成する周波数f1の光の
+1次回折光と周波数f2の光の-1次回折光の光の強度変化
の様子を回折光d で示し、測定ビート信号M2を形成する
周波数F1の光の+1次回折光と周波数F2の光の-1次回折光
の光の強度変化の様子を回折光c で示している。
【0097】このように、回折光の段差変化Δd に対す
る位相度敏感度Δφ1 、Δφ2 が異なるため、段差の変
化に対して、回折光強度変化の周期が異なる。したがっ
て、測定ビート信号M1と測定ビート信号M2の信号強度の
段差に対する強度変動周期も同様に異なるため、段差50
nm以上 1μm 以下の範囲で両ビート信号の強度が共に極
小になることはない。
【0098】このため、本実施形態は段差に応じて、2
つの測定ビート信号のうち、より良好な測定ビート信号
を選択することにより、検出不能の事態を惹起せず、精
度を悪化させることなく、ウエハの位置ずれ量を検出す
ることができる。
【0099】説明ではX 方向のみの位置ずれ量の検出方
法を示したが、上記のアライメントマークを90度回転し
たY 方向のアライメントマークを配置し、更に上記のX
方向のアライメント光学系を90度回転したY 方向のアラ
イメント光学系を配置することにより、X,Y の2 方向の
アライメントを達成することができる。
【0100】なお、本実施形態において、第1 の測定ビ
ート信号M1と第2 の測定ビート信号M2の分離をダイクロ
イックミラー45で行ったが、もちろん、2 つの測定ビー
ト信号形成用の回折光の回折方向を異ならせて空間的に
分離することも容易に可能である。
【0101】本実施形態においては、波長λ1 の光学系
と波長λ2 の光学系における初期位相を一致させること
は困難であるため、第1 の測定ビート信号M1と第2 の測
定ビート信号M2を用いて求めたΔX には、所定のオフセ
ットが生じる。したがって、波長λ1 と波長λ2 ともに
十分な回折光量の得られるマーク段差、例えば図5 から
0.7μm の段差の回折格子マークを用意して、その回折
格子を固定した状態で、2 つの測定ビート信号を検出
し、それぞれΔX を求めることにより両者のオフセット
を決定することができる。
【0102】図6 は本発明の光干渉計測装置の実施形態
3 の要部概略図である。本実施形態は、2 回の露光で焼
き付けられた2 つの焼き付け重ね合わせ評価パターン
(回折格子) 間の位置ずれ量を高精度に検出し、評価す
る焼き付け重ね合わせ評価装置である。
【0103】図6 中、1 は光源であるHe-Ne ゼーマンレ
ーザ、であり、相互の偏光方向が直交している波長が略
633nm の2 つの波長f1とf2の光を放射する。ここに周波
数f1の光と周波数f2の光はヘテロダイン干渉測定が可能
な程度に僅かに周波数が異なる光である。2 はビームス
プリッター、3 は偏光板、52,55 はエッジミラー、53、
54、56、57、58はセンサー (検出器) である。59,60 は
優劣判定手段、50,51,71,72,74,75 はレンズである。64
はレンズであり、ウエハ8 上に焦点を結ぶように設置し
ている。ウエハ8 上には図7 に示すように第n 工程で焼
き付けられた回折格子61b(回折格子B)、さらに第n+1 工
程で焼き付けられた回折格子61a(回折格子A)がある。
(ここに回折格子61b と回折格子61a を合わせて回折格
子61とする) 。但し、図6 においては説明の便宜上X 方
向の検出光学系のみを図示している。なお、図1,4 と同
じ符号の要素は実施形態1,2 の当該要素と同じものであ
る。本実施形態の作用を説明する。図6 において He-Ne
ゼーマンレーザ1 から射出する略波長633nm の2 つの光
は、ビームスプリッタ2 で二分されて、センサー58へ向
かった光は偏光板3 で偏光方向を揃えてセンサー58で光
電検出され、基準ビート信号R を形成する。
【0104】ここに、光源1 、ビームスプリッタ2 等は
光源手段の一要素を構成している。
【0105】他方へ向かった光はPBS5によりs 偏光で周
波数f1の光 (第1 のコヒーレント光) とp 偏光で周波数
f2の光 (第2 のコヒーレント光) に二分され、反射され
た周波数f1の光はレンズ64により所定の入射角が与えら
れてウエハ8 上の回折格子61を照射する。
【0106】また、PBS5を透過した周波数f2の光はミラ
ー6 で偏向され、レンズ64により所定角度を与えられて
回折格子61を照射する。
【0107】この時、レンズ64の焦点位置はウエハ8 上
に設定されているので、回折格子61を照射する周波数f1
とf2の光は回折格子61上で重なり、さらに回折格子61か
らの1次回折光、即ち周波数f1の光の+1次回折光と周波
数f2の光の-1次回折光がウエハ8 の垂線に対し、数度の
角度をもつようにPBS5とミラー6 の角度と位置をセッテ
ィングしている。
【0108】ここに、PBS5、ミラー6 、レンズ64等は周
波数f1及び周波数f2の光を回折格子の中央に立てた垂線
に関して対称な傾きで該回折格子上で重なるように照射
せしめる照明光学系の一要素を構成している。
【0109】周波数f1の光の+1次回折光の回折角θout1
は、回折格子61a、61b のピッチP を1.5μm とし、入射
角θin=22 度とすると、式(3) よりθout1=-2.72度と計
算される。
【0110】回折格子61からの周波数f1の光の+1次回折
光はレンズ64を通り、PBS 12に入射する。また、周波数
f2の光の-1次回折光はレンズ64を通り、ミラー11で偏向
されPBS 12に入射する。
【0111】両回折光はPBS 12で同一光路を通るように
合成され、次いで偏光板15により偏光方向を揃えた後、
レンズ50を介しエッジミラー52 (第1 の光束分離手段)
に入射する。エッジミラー52では、回折格子61a からの
回折光は透過し、回折格子61b からの回折光は反射す
る。
【0112】エッジミラー52を透過した光はレンズ72を
介して、センサー54で光電検出され、第1 の測定ビート
信号 (第1 の干渉信号) M1A が得られる。一方エッジミ
ラー52で反射された光はレンズ71を介して、センサー53
で光電検出され、第1 の測定ビート信号 (第1 の干渉信
号) M1B が得られる。
【0113】ここに、レンズ64、ミラー11、PBS12 、偏
光板15、レンズ50,71,72、エッジミラー52、センサー5
3,54 等は第1 の干渉信号形成手段の一要素を構成して
いる。
【0114】一方、入射角θin=22 度の場合の-1次回折
光の回折角は式(3) により、θout2=-52.8度となる。そ
して、周波数f1の光の-1次回折光はレンズ64を介してPB
S 14に入射する。又、周波数f2の光の+1次回折光はレン
ズ64を介して、ミラー13で偏向されPBS 14に入射する。
【0115】両回折光はPBS 14で同一光路を通るように
合成され、次いで偏光板17により偏光方向を揃えた後、
レンズ51を介しエッジミラー55 (第2 の光束分離手段)
に入射する。エッジミラー55では、回折格子61a からの
回折光は透過し、回折格子61b からの回折光は反射す
る。
【0116】エッジミラー55を透過した光はレンズ74を
介して、センサー56で光電検出され、第2 の測定ビート
信号 (第2 の干渉信号) M2A が得られる。一方エッジミ
ラー55で反射した光はレンズ75を介して、センサー57で
光電検出され、第2 の測定ビート信号 (第2 の干渉信
号) M2B が得られる。
【0117】ここに、レンズ64、ミラー13、PBS14 、偏
光板17、レンズ51,74,75、エッジミラー55、センサー5
6,57 等は第2 の干渉信号形成手段の一要素を構成して
いる。
【0118】図8 は本実施形態の第1 の測定ビート信号
M1A,M1B を形成する光学系の要部展開図である。本実施
形態ではゼーマンレーザー1 からの光をレンズ64により
ウエハ8 の回折格子61上に集光し、回折格子61をレンズ
64及び50により、エッジミラー52上に結像させている。
この時エッジミラー52のエッジは回折格子61を形成する
回折格子61a、61b の像の中心線に一致させることにより
2 つの回折格子からの光を分離している。さらにレンズ
72により、回折格子61a の像をセンサー54上に再結像さ
せ、又レンズ71により、回折格子61b の像をセンサー53
上に再結像させている。
【0119】第2 の測定ビート信号M2A,M2B を形成する
光学系についても同じように配置している。
【0120】センサー58の出力として得られる基準ビー
ト信号R は、A を振幅、ω1 、ω2をそれぞれ周波数f1
f2 の角周波数として、初期位相項を省略すると、以下
のように表される。
【0121】R=Acos{(ω1ーω2)t} (13) また、センサー54で光電検出される第1 の測定ビート信
号M1A はA1を振幅とすると、 M1A=A1cos{(ω1ーω2)t+ 4πΔX1/P} (14) と表される。ここにΔX1は回折格子61a の光学系基準線
からのずれ量、P は回折格子61a,61b のピッチである。
【0122】また、センサー53で光電検出される第1 の
測定ビート信号M1B はA2を振幅とすると、 M1B=A2cos{(ω1ーω2)t+ 4πΔX2/P} (15) と表される。ここにΔX2は回折格子61b の光学系基準線
からのずれ量である。
【0123】又、センサー56で光電検出される第2 の測
定ビート信号M2A はA3を振幅とすると M2A=A3cos{(ω1ーω2)t- 4πΔX1/P} (16) と表される。
【0124】又、センサー57で光電検出される第2 の測
定ビート信号M2B はA4を振幅とすると M2B=A4cos{(ω1ーω2)t- 4πΔX2/P} (17) と表される。
【0125】回折格子61a に係る第1 の測定ビート信号
M1A と第2 の測定ビート信号M2A は優劣判定手段60に導
入され、測定ビート信号の強度又は/及びS/N 比、位相
の安定性などを比較して、信号の優劣を決定し、優劣判
定手段60で良好と判断された第1 の測定ビート信号M1A
又は第2 の測定ビート信号M2A を干渉信号SAとして位相
差計20に出力する。
【0126】位相差計20は基準ビート信号R と上記の干
渉信号SAとの位相差φm1を検出する。
【0127】又、回折格子61b に係る第1 の測定ビート
信号M1B と第2 の測定ビート信号M2B は優劣判定手段59
に導入され、測定ビート信号の強度又は/及びS/N 比、
位相の安定性などを比較して、信号の優劣を決定し、優
劣判定手段59で良好と判断された第1 の測定ビート信号
M1B 又は第2 の測定ビート信号M2B を干渉信号SBとして
位相差計20に出力する。
【0128】位相差計20は基準ビート信号R と上記の干
渉信号SBとの位相差φm2を検出する。
【0129】演算器21は位相差φm1、 φm2と優劣判定手
段60、59 の判定結果をもとに、優劣判定手段60が第1 の
測定ビート信号M1A を選んだ場合にはΔX1=4πφm1/P、
第2のビート信号M2A を選んだ場合にはΔX1= -4πφm1/
Pの演算を行い、ΔX1を求める。
【0130】更に、優劣判定手段59が第1 の測定ビート
信号M1B を選んだ場合にはΔX2=4πφm2/P、第2 のビー
ト信号M2B を選んだ場合にはΔX2= -4πφm2/Pの演算を
行って、ΔX2を求める。さらに以上の結果を用いてΔX=
ΔX1- ΔX2の演算を行って回折格子61a と回折格子61b
のX 方向の相対的位置ずれ量ΔX を求める。
【0131】ここに、位相差計20、演算器21等は演算手
段の一要素を構成している。
【0132】計測を終了すると、ステージ駆動ドライバ
ー22に次の検出マークへの駆動を指令し、X ステージ9
、Y ステージ10を駆動して次ぎの検出マークへ移動
し、順次測定を繰り返す。
【0133】次に本実施形態において、それぞれの測定
ビート信号における回折格子マークの段差に対する強度
変化を説明する。第1 の測定ビート信号M1A,M1B を形成
する波長633nm(λ) の光の入射角 |θin| を22度とすれ
ば、回折角 |θout1| は2.72度であるから、回折光の段
差変化Δd 対する位相度敏感度Δφ1 は式(2) より、Δ
φ1= 2πΔd × 1.93/λとなる。一方第2 の測定ビート
信号M2A,M2B を形成する波長633nm(λ) の光の入射角 |
θin| は22度であり、この時の回折角 |θout2| は52.8
度であるから、回折光の段差変化Δd に対する位相度敏
感度Δφ2 は式(2) より、Δφ2= 2πΔd × 1.53/λと
なる。
【0134】図9 は以上の計算結果をもとに、測定ビー
ト信号を形成する回折光の強度変化を求めたものであ
る。図9 において第1 の測定ビート信号M1A,M1B を形成
する周波数f1の光の+1次回折光と周波数f2の光の-1次回
折光の光の強度変化の様子を回折光e で示し、第2 の測
定ビート信号M2A,M2B を形成する周波数f1の光の-1次回
折光と周波数f2の光の+1次回折光の光の強度変化の様子
を回折光f で示している。
【0135】このように、回折光の段差変化Δd に対す
る位相度敏感度Δφ1 、Δφ2 が異なるため、段差の変
化に対して、回折光強度変化の周期が異なる。したがっ
て、第1 の測定ビート信号M1A と第2 の測定ビート信号
M2A の信号強度の回折格子61a の段差に対する強度変動
周期も同様に異なるため、段差50nm以上 1μm 以下の範
囲で両測定ビート信号の強度が共に極小になることはな
い。
【0136】又、第1 の測定ビート信号M1B と第2 の測
定ビート信号M2B の信号強度の回折格子61b の段差に対
する強度変動周期も同様に異なるため、段差50nm以上 1
μm以下の範囲で両測定ビート信号の強度が共に極小に
なることはない。
【0137】このため、本実施形態は回折格子61a と回
折格子61b の段差に応じて、それぞれでより良好な測定
ビート信号を選択することにより、検出不能の事態を惹
起せず、精度を悪化させることなく、2 つの回折格子の
相対的位置ずれ量を検出することができる。
【0138】説明ではX 方向のみの位置ずれ量の検出方
法を示したが、上記の検出マークを90度回転したY 方向
の検出マークについても、上記のX 方向の検出光学系を
90度回転したY 方向の検出光学系を配置することによ
り、X,Y の2 方向の位置ずれ量を検出することができ
る。
【0139】なお、本実施形態では、回折格子の中央に
立てた垂線に対して対称な2 組の回折光を利用して夫々
2 つの測定ビート信号を得て、その内から夫々1 つの測
定ビート信号を選択したが、2 組以上の回折光対を用い
て2 つ以上の測定ビート信号を得て、その内から1 つの
測定ビート信号を選択しても良い。
【0140】
【発明の効果】本発明は以上の構成により、段差変化に
対して、回折効率の変動周期が異なる複数の干渉信号を
形成し、その内より最も良好な干渉信号を選択して、位
置ずれ量を求めることにより、計測マークであるところ
の回折格子の段差が変化した場合においても、計測不能
の事態を惹起せず、高精度に位置ずれ量を測定すること
が可能な光干渉計測方法及びそれを用いた光干渉計測装
置を達成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光干渉計測装置の実施形態1 の要部
概略図
【図2】 回折格子上にレジストがある場合の光路図
【図3】 実施形態1 における回折光強度変化を示す図
【図4】 本発明の光干渉計測装置の実施形態2 の要部
概略図
【図5】 実施形態2 における回折光強度変化を示す図
【図6】 本発明の光干渉計測装置の実施形態3 の要部
概略図
【図7】 実施形態3 における回折格子
【図8】 実施形態3 の第1 の測定ビート信号を形成す
る光学系の要部展開図
【図9】 実施形態3 における回折光強度変化を示す図
【図10】 従来の回折格子の位置ずれ検出装置
【図11】 従来の位置ずれ検出装置の検出パターン配
置図
【図12】 ウエハ上に設けられた回折格子の断面図段
差変化による光路変化の説明図
【図13】 従来の位置ずれ検出装置における回折光の
強度変化図
【符号の説明】
1 He-Ne ゼーマンレーザー 2,33,33a,33b ビームスプリッター 3,15,17,37,37a,37b,44 偏光板 4,16,18,38,38a,38b,46,47,53,54,56,57,58 センサー 5,12,14,31,31a,31b,39,39a,39b 偏光ビームスプリッタ
ー 6,11,13,23,24,25,26,27,28,34,34a,34b,36,36a,36b,40
a,40b,41a,41b,42a,42b,43 ミラー 7,61,61a,61b 回折格子 8 ウエハ 9 X-ステージ 10 Y-ステージ 19,59,60 優劣判定手段 20 位相差計 21 演算器 22 ステージ駆動ドライバ 30、30a 半導体レーザ 30b He-Ne レーザー 32,32a,32b,35,35a,35b 周波数変調器 45 ダイクロイックミラー 50,51,64,71,72,74,75 レンズ 52,55 エッジミラー

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周波数が僅かに異なる第1 及び第2 のコ
    ヒーレント光を回折格子の中央にたてた垂線に関して夫
    々対称な傾きで該回折格子上で重なるように照射し、該
    垂線に対して対称な傾きで発生する1 対の該第1 及び第
    2 のコヒーレント光の回折光を用いて第1 の干渉信号を
    形成し、該垂線に対して対称で且つ上記の回折光と異な
    る傾きで発生する1 対の該第1 及び第2 のコヒーレント
    光の回折光を用いて第2 の干渉信号を形成し、 該第1 の干渉信号と該第2 の干渉信号を比較して強度又
    は/及びS/N 比がより良好な干渉信号を選択し、選択し
    た干渉信号をもとに該回折格子の位置ずれ量を検出する
    ことを特徴とする光干渉計測方法。
  2. 【請求項2】 前記回折格子を前記第1 のコヒーレント
    光で照射して発生する+n次回折光と該回折格子を前記第
    2 のコヒーレント光で照射して発生する-n次回折光とを
    干渉させて前記第1 の干渉信号を形成し、該第2 のコヒ
    ーレント光の+m次回折光と該第1 のコヒーレント光の-m
    次回折光とを干渉させて前記第2 の干渉信号を形成し、
    前記の選択した干渉信号をもとにヘテロダイン干渉測定
    を行って該回折格子の位置ずれ量を検出することを特徴
    とする請求項1の光干渉計測方法。
  3. 【請求項3】 前記回折格子は同じピッチの回折格子A
    及び回折格子B より成り、前記第1 のコヒーレント光の
    +n次回折光と前記第2 のコヒーレント光の-n次回折光と
    の光路を合致させた後、該回折格子A による回折光と該
    回折格子B による回折光に分離して該回折格子A に係る
    第1 の干渉信号M1A と該回折格子B に係る第1 の干渉信
    号M1B を形成し、該第2 のコヒーレント光の+m次回折光
    と該第1 のコヒーレント光の-m次回折光との光路を合致
    させた後、該回折格子A による回折光と該回折格子B に
    よる回折光に分離して該回折格子A に係る第2 の干渉信
    号M2A と該回折格子B に係る第2 の干渉信号M2B を形成
    し、 該第1 の干渉信号M1A と該第2 の干渉信号M2A を比較し
    て強度又は/及びS/N比がより良好な方を干渉信号SA
    して選択し、該第1 の干渉信号M1B と該第2 の干渉信号
    M2B を比較して強度又は/及びS/N 比がより良好な方を
    干渉信号SBとして選択し、 選択した干渉信号SA及びSBをもとに該2 つの回折格子の
    相対的位置ずれ量を検出することを特徴とする請求項2
    の光干渉計測方法。
  4. 【請求項4】 同じ波長の第1 及び第2 のコヒーレント
    光を回折格子の中央にたてた垂線に関して夫々対称な傾
    きで該回折格子上で重なるように照射し、該垂線に対し
    て夫々対称な傾きで発生する1 対の該第1 及び第2 のコ
    ヒーレント光の回折光を用いて第1 の干渉信号を形成
    し、該垂線に対して夫々対称で且つ上記の回折光と異な
    る傾きで発生する1 対の該第1 及び第2 のコヒーレント
    光の回折光を用いて第2 の干渉信号を形成し、 該第1 の干渉信号と該第2 の干渉信号を比較して強度又
    は/及びS/N 比がより良好な干渉信号を選択し、選択し
    た干渉信号をもとにホモダイン干渉測定を行って該回折
    格子の位置ずれ量を検出することを特徴とする光干渉計
    測方法。
  5. 【請求項5】 周波数が僅かに異なる第1 及び第2 のコ
    ヒーレント光を回折格子の中央にたてた垂線に関して夫
    々対称な傾きで該回折格子上で重なるように照射して、
    該第1 のコヒーレント光の+n次回折光と該第2 のコヒー
    レント光の-n次回折光とを干渉させて第1 の干渉信号を
    形成し、該第1 及び第2 のコヒーレント光のいずれより
    も波長が長いか又は短く、且つ夫々の周波数が僅かに異
    なる第3 及び第4 のコヒーレント光を該回折格子の中央
    にたてた垂線に関して夫々対称な傾きで該回折格子上で
    重なるように照射して、該第3 のコヒーレント光の+m次
    回折光と該第4 のコヒーレント光の-m次回折光と干渉さ
    せて第2 の干渉信号を形成し、 該第1 の干渉信号と該第2 の干渉信号を比較して強度又
    は/及びS/N 比がより良好な干渉信号を選択し、選択し
    た干渉信号をもとにヘテロダイン干渉測定を行って該回
    折格子の位置ずれ量を検出することを特徴とする光干渉
    計測方法。
  6. 【請求項6】 前記第1 のコヒーレント光の+n次回折光
    と前記第2 のコヒーレント光の-n次回折光及び前記第3
    のコヒーレント光の+m次回折光と前記第4 のコヒーレン
    ト光の-m次回折光はいずれも回折格子面に対して垂直方
    向に射出し、これらの回折光をダイクロイックミラーに
    より該第1 、第2 のコヒーレント光と該第3 、第4 のコ
    ヒーレント光に分離して前記第1 及び第2 の干渉信号を
    形成することを特徴とする請求項5の光干渉計測方法。
  7. 【請求項7】 周波数が僅かに異なる第1 及び第2 のコ
    ヒーレント光を射出する光源手段と、 該第1 及び第2
    のコヒーレント光を回折格子の中央にたてた垂線に関し
    て対称な傾きで該回折格子上で重なるように照射せしめ
    る照明光学系と、該垂線に対して対称な傾きで発生する
    1 対の該第1 及び第2 のコヒーレント光の回折光より第
    1 の干渉信号を検出する第1 の干渉信号形成手段と、該
    垂線に対して対称で且つ上記の回折光と異なる傾きで発
    生する1 対の該第1 及び第2 のコヒーレント光の回折光
    を用いて第2 の干渉信号を検出する第2 の干渉信号形成
    手段と、該第1 の干渉信号と該第2 の干渉信号を比較し
    て強度又は/及びS/N 比がより良好な干渉信号を選択す
    る優劣判定手段と、選択した干渉信号をもとに該回折格
    子の位置ずれを導出する演算手段とを有して回折格子の
    位置ずれ量を検出することを特徴とする光干渉計測装
    置。
  8. 【請求項8】 前記光源手段は光源より射出する単一周
    波数のコヒーレント光を偏光ビームスプリッタにより2
    つに分離し、夫々のコヒーレント光を周波数変調器を介
    して前記第1 及び第2 のコヒーレント光を形成している
    ことを特徴とする請求項7の光干渉計測装置。
  9. 【請求項9】 前記第1 及び第2 の干渉信号形成手段は
    夫々前記1 対の回折光をミラーと偏光ビームスプリッタ
    を利用して光路を重ねて検出器に導入して前記第1 及び
    第2 の干渉信号を検出していることを特徴とする請求項
    7の光干渉計測装置。
  10. 【請求項10】 前記回折格子は同じピッチの回折格子A
    及び回折格子B より成り、前記第1 の干渉信号形成手
    段は前記1 対の回折光をミラーと偏光ビームスプリッタ
    を利用して光路を重ねると共に、第1 の光束分離手段に
    より該回折格子A による回折光と該回折格子B による回
    折光に分離して夫々検出器に導入して該回折格子A に係
    る前記第1 の干渉信号と該回折格子B に係る前記第1 の
    干渉信号を検出し、前記第2 の干渉信号形成手段は上記
    の回折光と異なる前記1 対の回折光をミラーと偏光ビー
    ムスプリッタを利用して光路を重ねると共に、第2 の光
    束分離手段により該回折格子A による回折光と該回折格
    子B による回折光に分離して夫々検出器に導入して該回
    折格子A に係る前記第2 の干渉信号と該回折格子B に係
    る前記第2 の干渉信号を検出し、 前記優劣判定手段は該回折格子A に係る該第1 の干渉信
    号と該第2 の干渉信号を比較して強度又は/及びS/N 比
    がより良好な干渉信号を選択すると共に該回折格子B に
    係る該第1 の干渉信号と該第2 の干渉信号を比較して強
    度又は/及びS/N 比がより良好な干渉信号を選択し、選
    択した2 つの干渉信号をもとに前記演算手段により該2
    つの回折格子の相対的位置ずれ量を導出することを特徴
    とする請求項7の光干渉計測装置。
  11. 【請求項11】 周波数が僅かに異なる第1 及び第2 の
    コヒーレント光を射出する第1 の光源手段と、該第1 及
    び第2 のコヒーレント光を回折格子の中央にたてた垂線
    に関して対称な傾きで該回折格子上で重なるように照射
    せしめる第1の照明光学系と、該回折格子より射出する
    該第1 のコヒーレント光の+n次回折光と該第2 のコヒー
    レント光の-n次回折光より第1 の干渉信号を検出する第
    1 の干渉信号形成手段と、 該第1 及び第2 のコヒーレント光のいずれよりも波長が
    大きいか又は小さく、且つ夫々の周波数が僅かに異なる
    第3 及び第4 のコヒーレント光を射出する第2の光源手
    段と、該第3 及び第4 のコヒーレント光を該回折格子の
    中央にたてた垂線に関して対称な傾きで該回折格子上で
    重なるように照射せしめる第2 の照明光学系と、該回折
    格子より射出する該第3 のコヒーレント光の+m次回折光
    と該第4のコヒーレント光の-m次回折光より第2 の干渉
    信号を検出する第2 の干渉信号形成手段と、 該第1 の干渉信号と該第2 の干渉信号を比較して強度又
    は/及びS/N 比がより良好な干渉信号を選択する優劣判
    定手段と、選択した干渉信号をもとに該回折格子の位置
    ずれ量を導出する演算手段とを有して回折格子の位置ず
    れ量を検出することを特徴とする光干渉計測装置。
JP8244137A 1996-08-27 1996-08-27 光干渉計測方法およびそれを用いた光干渉計測装置 Pending JPH1068604A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014116403A (ja) * 2012-12-07 2014-06-26 Nikon Corp 露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法

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