JPH1068030A - 耐摩耗性と被削性に優れたアルミニウム基複合材料 - Google Patents

耐摩耗性と被削性に優れたアルミニウム基複合材料

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JPH1068030A JP22671996A JP22671996A JPH1068030A JP H1068030 A JPH1068030 A JP H1068030A JP 22671996 A JP22671996 A JP 22671996A JP 22671996 A JP22671996 A JP 22671996A JP H1068030 A JPH1068030 A JP H1068030A
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哲也 額見
Yukio Okochi
幸男 大河内
Akira Kato
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性と被削性とを兼備したアルミニウム
基複合材料を提供する。 【解決手段】 アルミニウムまたはアルミニウム合金の
マトリクス中に強化材を分散させたアルミニウム基複合
材料において、上記強化材として、ビッカース硬さ12
00以上を有し、少なくとも鉄と2〜10wt%の炭素と
を含む金属複合炭化物の硬質粒子を1〜30 vol%含有
する。強化材として21〜35 vol%のシリコン粒子を
更に含有することにより、耐凝着性も向上する。シリコ
ン粒子の粒径は25μm以下とすることがより望まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウムまた
はアルミニウム合金のマトリクス中に強化材を分散させ
たアルミニウム基複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、アルミニウム基複合材料は、
高強度で耐摩耗性に優れているため、内燃機関用のアル
ミニウムピストン等種々の用途への利用が図られてい
る。強化材として、通常はビッカース硬さ1000程度
までの硬質材料(例えばFe−V等の金属間化合物)の
繊維や粒子が用いられており、その高い硬さによって高
強度と耐摩耗性が付与される。
【0003】しかしその反面、硬質材料を含有させたこ
とによって良好な被削性を得ることが困難であった。そ
のため、生産技術上および製品適用範囲の拡大の観点か
ら、耐摩耗性を維持したままで、被削性を向上させる工
夫が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐摩耗性と
被削性とを兼備したアルミニウム基複合材料を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のアルミニウム基複合材料は、アルミニウ
ムまたはアルミニウム合金のマトリクス中に強化材を分
散させたアルミニウム基複合材料において、上記強化材
として、ビッカース硬さ1200以上を有し、少なくと
も鉄と2〜10wt%の炭素とを含む金属複合炭化物の硬
質粒子を1〜30 vol%含有することを特徴とする。
【0006】従来、強化材として用いられていた硬質粒
子(例えばFe−V金属間化合物)は硬さがHV600
〜800程度であり、最も硬いものでもHV1000程
度以下であった。この程度の硬さの硬質粒子は靱性があ
るため切削加工時に破砕し難く、刃具が個々の硬質粒子
を切断していかなければならず、刃具に対する攻撃性が
大きく、1刃具当たりの加工数は非常に少ない。
【0007】本発明は、HV1200以上の硬さを有
し、少なくとも鉄と2〜10wt%の炭素とを含む金属複
合炭化物の硬質粒子は、靱性が低く脆いため、切削加工
時に刃具との衝突により粒子が破砕し易くなり、刃具に
対する攻撃性が小さくなって被削性が格段に向上する、
という新規な知見に基づく。高い耐摩耗性を維持しなが
ら良好な被削性を得るためには、金属複合炭化物の硬質
粒子は、HV1200以上の硬さを有し、少なくとも鉄
と2〜10wt%の炭素とを含み、且つ複合材料中に1〜
30 vol%存在しなければならない。
【0008】マトリクスのアルミニウムまたはアルミニ
ウム合金は、種々の目的で通常添加される合金元素(S
i、Cu、Mn、Mg、Cr、Zn、B、Pb、Zr、
Ti、Fe、V、Ni、Sn等)および通常の不純物を
含んでいてよい。本発明の望ましい一態様においては、
強化材として更に21〜35 vol%のシリコン粒子を含
有することにより、耐凝着性も向上する。シリコン粒子
の粒径は25μm以下とすることがより望ましい。
【0009】以下に、添付図面を参照して、実施例によ
り本発明を更に詳細に説明する。
【0010】
【実施例】
〔実施例1〕Al−40wt%Si合金粉末(東洋アルミ
ニウム製、平均粒径:50μm)とFeCrC炭化物粉
末(福田金属製、平均粒径:30μm、硬さ:HV約1
400、C含有量:約8wt%)を用い、最終的な複合材
料中に初晶Si(平均粒径:10μm)が10 vol%、
FeCrC炭化物の硬質粒子が0〜40 vol%含まれる
ように、金型圧縮法にて成形体(形状:φ100mm×
10mm)を作成した。
【0011】この成形体を、浮き防止用の重りを付した
カオウールマット(イソライト工業製、形状:100m
m×100mm×5mm、Vf:7%)で挟み、350
℃で30分間予熱して金型内に配置した。次に、この金
型内に750℃のアルミニウム合金(JIS AC8
A)溶湯を注湯した後、この溶湯をプランジャーで加圧
して成形体の空隙部に含浸させて複合化した。
【0012】得られた鋳物から複合材料部分を取り出
し、T7熱処理を施した後、機械加工により耐摩耗性試
験片を採取した。比較材として、FeCrC炭化物粒子
の代わりに、従来のFeV金属間化合物粒子(三菱製鋼
製、平均粒径:30μm、硬さ:HV約800)を20
vol%含有する複合材料を上記と同様にして製造し、摩
耗試験片を採取した。
【0013】摩耗試験は、図1に示すようにLFW試験
法により、室温に保持した5W−30エンジン油浴中
で、表面窒化処理した17Crステンレス鋼製リングを
回転数160rpmで回転させ、油浴上方に保持した試
験片に荷重60kgfで60分間押しつけることにより
行った。図2に、摩耗試験結果を示す。本発明による硬
質粒子(FeCrC炭化物粒子)の含有量が1 vol%以
上の場合に、従来の硬質粒子(FeV金属間化合物)を
用いた場合と同等以上の優れた耐摩耗性が得られること
が分かる。
【0014】図3には各複合材料についての切削試験結
果を示す。切削は、ダイアモンド工具(東芝製、T−D
IA、型式:SFCN53ZFN−DIA)を装着した
フェイスミル(φ100)により、送り:100mm/
分、回転数:380rpmにて行った。本発明による硬
質粒子(FeCrC)の含有量が30 vol%以下の場合
に、従来の硬質粒子(FeV)を用いた場合に対して、
被削性が顕著に向上することが分かる。
【0015】図2および図3の結果から、FeCrC炭
化物粒子の含有量は、優れた耐摩耗性を得るために1 v
ol%以上必要であり、同時に被削性を向上させるために
は30 vol%以下とする必要がある。なお、上記の実験
の他に、(1) Al−40wt%Si合金粉末の代わりにA
l−25wt%Si合金粉末(東洋アルミニウム製、平均
粒径:50μm)を用いた場合、(2) 含浸させるマトリ
クス用アルミニウム合金溶湯の注湯温度を750℃の代
わりに700℃および800℃とした場合、および(3)
成形体の予熱条件を350℃×30分の代わりに250
℃×60分とした場合にも、上記と同様の結果が得られ
た。
【0016】また、FeCrC粉末の代わりに、FeM
oC粉末(福田金属製、平均粒径:70μm、硬さ:H
V1200、C含有量:7wt%)を用いた場合にも同様
の結果が得られた。 〔実施例2〕FeCrC粒子の含有量は20 vol%で一
定とし、そのC含有量が1〜10wt%(上限は粒子製造
上の限界)の範囲で異なるものを用いた以外は、実施例
1と同様にして複合材料を製造し、切削試験に供した。
【0017】得られた結果を図4に示す。同図から、F
eCrC硬質粒子中のC含有量が2wt%以上の場合に、
被削性が顕著に向上することがわかる。なお、FeCr
C炭化物粒子のC含有量は、10wt%が製造上のほぼ上
限である。また、上記FeCrC粉末の代わりに、上記
FeMoC粉末を用いた場合にも同様の結果が得られ
た。 〔実施例3〕Al−40wt%Si合金粉末の粒径を種々
に変えて、初晶Siの粒径を8〜30μmの範囲で変化
させた。初晶Siの含有量は15 vol%で一定とした。
FeCrC粒子の含有量は20 vol%で一定とした。他
の条件は実施例1と同様にして複合材料を製造し、切削
試験に供した。
【0018】得られた結果を図5に示す。同図から、初
晶Siの粒径が25μm以下の場合に、被削性が顕著に
向上することが分かる。また、Al−40wt%Si合金
粉末の代わりに、Al−4wt%Cu−1.5wt%Mg−
37wt%Si合金粉末を用いた場合についても、初晶S
iの粒径と被削性の関係について同様の結果が得られ
た。
【0019】なお、上記FeCrC粉末の代わりに、上
記FeMoC粉末を用いた場合についても同様の結果が
得られた。 〔実施例4〕初晶Si(平均粒径:約10μm、含有
量:20 vol%)とFeCrC粒子(硬さ:HV約12
00、C含有量:約5wt%、含有量:20 vol%)を強
化材として含む複合材料を、実施例1と同様の手順で製
造し、凝着試験を行った。凝着試験は、図6に示すよう
に、250℃にて17Crステンレス鋼製窒化リングを
面圧0.1MPaで10分間試験片に叩き付けることに
より行った。
【0020】その結果、リングへのAlの移着は全く認
められず、優れた耐凝着性を有することが分かった。耐
凝着性は、例えばピストンヘッド外周のリング溝のよう
に繰り返しピストンリングによって叩かれるような用途
において、特に重要な特性である。なお、上記FeCr
C粉末の代わりに、上記FeMoC粉末を用いた場合に
ついても同様の結果が得られた。 〔実施例5〕純Al粉末(東洋アルミニウム製、平均粒
径:50μm)とFeCrC粉末(福田金属製、平均粒
径:30μm、粉末粒子硬さ:HV約1400、C含有
量:約8wt%)を用いた以外は実施例1と同様にして、
Si粒子は含有せず、20 vol%のFeCrC粒子が均
一に分散したアルミニウム基複合材料を製造し、実施例
1と同様の条件で摩耗試験および切削試験を行った。
【0021】その結果、摩耗量は31μmであり、Si
粒子を含有する場合と同等の耐摩耗性が得られた。ま
た、被削数は430個であり、Si粒子を含有する場合
よりも若干良好な被削性が得られた。なお、上記FeC
rC粉末の代わりに、上記FeMoC粉末を用いた場合
についても同様の結果が得られた。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
耐摩耗性と被削性とを兼備したアルミニウム基複合材料
が提供される。また被削性の向上により、部品コストを
低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、摩耗試験装置の模式図である。
【図2】図2は、本発明による硬質粒子であるFeCr
C粒子の含有量と複合材料の摩耗量の関係を示すグラフ
である。図中、右端のプロットは比較として従来のFe
V粒子を用いた場合の結果を示す。
【図3】図3は、本発明による硬質粒子であるFeCr
C粒子の含有量と複合材料の被削数の関係を示すグラフ
である。図中、右端のプロットは比較として従来のFe
V粒子を用いた場合の結果を示す。
【図4】図4は、本発明による硬質粒子であるFeCr
C粒子中のC含有量と複合材料の被削数の関係を示すグ
ラフである。
【図5】図5は、本発明による硬質粒子の他に初晶Si
粒子も含有する場合について、初晶Si粒子の粒径と複
合材料の被削数との関係を示すグラフである。
【図6】図6は、凝着試験装置の模式図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムまたはアルミニウム合金の
    マトリクス中に強化材を分散させたアルミニウム基複合
    材料において、 上記強化材として、ビッカース硬さ1200以上を有
    し、少なくとも鉄と2〜10wt%の炭素とを含む金属複
    合炭化物の硬質粒子を1〜30 vol%含有することを特
    徴とするアルミニウム基複合材料。
  2. 【請求項2】 前記強化材として、21〜35 vol%の
    シリコン粒子を更に含有することを特徴とする請求項1
    記載のアルミニウム基複合材料。
  3. 【請求項3】 前記シリコン粒子の粒径が25μm以下
    であることを特徴とする請求項2記載のアルミニウム基
    複合材料。
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