JPH1067480A - エレベータのかごドア装置 - Google Patents

エレベータのかごドア装置

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JPH1067480A
JPH1067480A JP22538896A JP22538896A JPH1067480A JP H1067480 A JPH1067480 A JP H1067480A JP 22538896 A JP22538896 A JP 22538896A JP 22538896 A JP22538896 A JP 22538896A JP H1067480 A JPH1067480 A JP H1067480A
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Yoshikatsu Hayashi
美克 林
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喜彦 小泉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 かごの戸の開閉状態に基づいて伝達機構の経
時的変化を事前に検出する際に、かごの戸を開閉するた
めの機構に経時的な変化のあるタイプにも適用できるエ
レベータのかごドア装置を得る。 【解決手段】 複数枚のごの戸を開閉させる駆動力を発
生するモータと、このモータの駆動力をかごの戸に伝達
し連動して開閉させる伝達機構と、モータの回転量に応
じたパルス信号を発生するパルス発生器と、かごの戸の
一方が第1基準点に達したことを検出する第1のスイッ
チと、かごの戸の他方が第2基準点に達したことを検出
する第2のスイッチと、かごの戸の一方が第1基準点に
達したことを検出してから、かごの戸の他方が第2基準
点に達したことを検出するまでの間、パルス発生器から
出力されるモータの回転量に応じたパルス信号を計数
し、第1基準点及び第2基準点の位置関係より予め定め
られた基準値とを比較し、伝達機構の異常を検出する異
常検出手段と、を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エレベータのか
ごに設置されるかごの戸を開閉する装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図9は、従来のエレベータのかごドア装
置を示す構成図である。図において、1は出入り口1a
を有するエレベータのかご、2はかごドア装置の支持
体、3は支持体2に固着された戸のレール、4は中央開
き式に設置された2枚の戸4A、4Bからなるかごの戸
である。戸4A、4Bの上部にはハンガープレート5
A、5Bが固定され、これに装着されたハンガーローラ
51によりレール3に懸架されている。6は支持体2に
設置され、ドア制御回路等を内蔵したドア制御装置、7
はドア制御装置6からの信号により駆動されるドアモー
タである。
【0003】8はドアモータの回転を減速し、駆動力を
拡大して伝達する減速機構であり、ドアモータ7の回転
力をベルトプーリ81へ伝達する減速用ベルト82、ド
アモータ7からの駆動力、すなわちベルトプーリ81に
より減速拡大された駆動力を駆動プーリ83へ伝達する
チェーン84を有している。9は駆動プーリ83に固定
された駆動腕であって、ハンガープレート5A、5Bに
も同様に固定され、駆動プーリ83の回転運動を直線運
動に変換し、かごの戸4A、4Bを左右に開閉させる。
【0004】10はハンガープレート5Aに固定された
カム11と係合することにより、かごの戸4Aが全閉位
置に達したことを確認するゲートスイッチであり、支持
体2に設置されている。12はハンガープレート5Bに
固定された遮蔽プレート13と重なることにより、かご
の戸4Bが全閉位置に達したことを確認する戸閉リミッ
トスイッチであリ、かごの戸4Bが全閉位置に達した時
に戸閉リミットスイッチ12をONする位置に設定され
ている。14は遮蔽プレート13と重なることにより、
かごの戸4Bが全開位置に達したことを確認する戸開リ
ミットスイッチである。
【0005】次に従来のエレベータのかごドア装置の動
作について説明する。ドア制御装置6より発生される開
閉信号により、ドアモータ7に回転が与えられ、減速機
構8により減速され、駆動腕9に伝達され、かごの戸4
A、4Bが左右に開閉する。所定階にかご1が停止し、
かごの戸4を戸開する場合、ドア制御装置6より発生さ
れる戸開信号によるドアモータ7の反時計方向への回転
により、減速機構8を介して駆動腕9に伝達され、かご
の戸4A、4Bはレール3上に懸架されたハンガーロー
ラ51の回転により戸開方向へと駆動され、これに連動
して乗場ドア(図示せず)も戸開方向へと連動される。
そして、かごの戸4Bと共に駆動するハンガープレート
5Bに固定された遮蔽プレート13が、戸開リミットス
イッチ14と重なることにより、戸開リミットスイッチ
14がONとなり、かごの戸4が戸開状態であることが
確認できる。
【0006】一方、かごの戸4を戸閉する場合、ドア制
御装置6より発生される戸閉信号によるドアモータ7の
時計方向への回転により、減速機構8を介して駆動腕9
に伝達され、かごの戸4A、4Bはレール上に懸架され
たハンガーローラ51の回転により戸閉方向へと駆動さ
れ、これに連動して乗場ドアの戸閉方向へと連動され
る。そして、かごの戸4Aの戸閉をゲートスイッチ10
により検出し、かごの戸4Bの戸閉を戸閉リミットスイ
ッチ12により検出し、双方がONとなり、かごの戸4
の戸閉を確認すると、エレベータのかご1の昇降が可能
となる。
【0007】また、図10は、特開平6−115862
号公報に記載されたエレベータのかごドア装置構成を示
す構成図である。図において、図9と同一部分及び相当
部分は同一符号で示す。15a、15bはかごの戸4
A、4Bの両側方の支持体2に装着された滑車、16は
滑車15a、15bに無端状に巻き掛けられた連動ロー
プ、17Aはかごの戸4Aのハンガープレート5Aに固
定され、連動ロープ16の一側を把持する固定具、17
Bはかごの戸4Bのハンガープレート5Bに固定され、
連動ロープ16の他側を把持する固定具である。
【0008】次に特開平6−115862号公報に記載
されたエレベータのかごドア装置の動作について説明す
る。かごの戸4A、4Bが全開状態の時、駆動リンク機
構8と駆動腕9を結合する軸に欠陥が生じ、駆動リンク
機構8と駆動腕9の結合が外れ、駆動力がかごの戸4B
に伝達されない場合でも、ドアモータ7の駆動力は、駆
動リンク機構8及び駆動腕9を介して、かごの戸4Aに
伝達される。そして、この駆動力が連動ロープ16、滑
車15a、15b及び固定具17A、17Bを介してか
ごの戸4B側へも伝達される。従って、ゲートスイッチ
14では戸開が検出されないかごの戸4Bも、かごの戸
4Aと連動して開閉する。
【0009】また、特開平3−124689号公報に記
載されたエレベータの扉駆動装置では、駆動腕と連結さ
れた駆動プーリの回転位置に応じてかごの戸の開閉位置
を検出し、その際のモータの計数値Xを基準値Nと比較
することにより、モータが発生する駆動力を駆動リンク
機構で減速拡大するための減速用ベルトの伸びを検出し
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来のモータからの駆
動力を伝達する減速用ベルトの伸びを検出するエレベー
タのかごドア装置は、例えば特開平3−124689号
公報に示されるように、かごの戸から直接開閉位置を検
出しておらず、仮に、駆動腕に欠陥が発生した場合で
も、駆動プーリの回転位置に応じてかごの戸の開閉を誤
認識してしまう問題点があった。また、特開平6−11
5862号公報に記載の発明では、左右のかごの戸を連
動ロープにより開閉しているため、連動ロープの経時的
な変化により、かごの開閉状態を正確に検出することが
できなくなってしまうといった問題点があった。
【0011】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、第1の目的は、かごの戸の開閉状態に基
づいて伝達機構の経時的変化を事前に検出する際に、か
ごの戸を開閉するための機構に経時的な変化のあるタイ
プにも適用できるエレベータのかごドア装置を得ること
である。また、第2の目的は、戸閉後の運転に移行する
際の、安全確認をも同時に行うエレベータのかごドア装
置を得ることである。また、第3の目的は、開閉動作時
の加減速機構の状態をも検出することのできるエレベー
タのかごドア装置を得ることである。さらに、第4の目
的は、伝達機構の経時的変化の検出の際を正確に検出す
ることができるエレベータのかごドア装置を得ることで
ある。さらにまた、第5の目的は、ドアの位置を検出す
るためのスイッチ数を削減することができるエレベータ
のかごドア装置を得ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係るエレベー
タのかごドア装置は、エレベータのかごに設けられた複
数枚のかごの戸と、これらかごの戸を開閉させる駆動力
を発生するモータと、このモータの駆動力を上記かごの
戸に伝達し連動して開閉させる伝達機構と、上記モータ
の回転量に応じたパルス信号を発生するパルス発生器
と、上記かごの戸の一方が第1基準点に達したことを検
出する第1のスイッチと、上記かごの戸の他方が第2基
準点に達したことを検出する第2のスイッチと、上記か
ごの戸の一方が第1基準点に達したことを上記第1のス
イッチにより検出してから、上記かごの戸の他方が第2
基準点に達したことを上記第2のスイッチにより検出す
るまでの間、上記パルス発生器から出力されるモータの
回転量に応じたパルス信号を計数する計数手段と、この
計数手段により計数されたパルス数と、第1基準点及び
第2基準点の位置関係より予め定められた基準値とを比
較し、上記伝達機構の異常を検出する異常検出手段と、
を備えたものである。
【0013】また、第1基準点を戸閉位置近傍に設け、
第2基準点を戸閉位置に設けたものである。
【0014】また、第1基準点をモータの加減速動作位
置に設定し、第2基準点をかごの戸の開閉完了位置に設
定したものである。
【0015】また、複数枚のかごの戸を連動して開閉さ
せる際に、かごの戸の一方を戸閉側に力を作用させると
共に、かごの戸の他方を戸開側に力を作用させるように
したものである。
【0016】さらに、かごの戸が第1基準点から第2基
準点に達するまでの間、ドア速度を一定にするようにし
たものである。
【0017】さらにまた、第2のスイッチがかごの戸に
設けられた第1スイッチ動作板または第2スイッチ動作
板と作用してかごの戸の位置を検出する際に、第1のス
イッチの動作信号との複合条件に基づいて、かごの戸の
戸閉及び戸開を判別するようにしたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1は、本発明におけるエレベータのか
ごドア装置を示す構成図である。図2は、図1における
II−II断面を示す断面図である。図において、1は
出入り口1aを有するエレベータのかご、2はかごドア
装置の支持体、3は支持体3に固着された戸のレール、
4は中央開き式に設置された例えば2枚のかごの戸4
A、4Bからなるかごの戸である。かごの戸4A、4B
の上部にはハンガープレート5A、5Bが固定され、こ
れに装着されたハンガーローラ51によりレール3に懸
架されている。6は支持体2に設置され、ドア制御回
路、伝達機構の異常を検出する異常検出手段等を内蔵し
たドア制御装置、7はドア制御装置6からの信号により
駆動されるドアモータである。
【0019】8はドアモータの回転を減速し、駆動力を
拡大して伝達する伝達機構の一つである減速機構であ
り、ドアモータ7の回転力をベルトプーリ81へ伝達す
る減速用ベルト82を有している。10はハンガープレ
ート5Aに固定されたカム11と係合することにより、
かごの戸4Aが第1基準点である閉位置に達したことを
確認する支持体2に設置された第1のスイッチに相当す
るゲートスイッチである。12はハンガープレート5B
に固定された遮蔽プレート13と重なることにより、か
ごの戸4Bが第2基準点すなわち全閉位置に達したこと
を確認する支持体2に設置された第2のスイッチに相当
する戸閉リミットスイッチであリ、かごの戸4Bが全閉
位置に達した時に戸閉リミットスイッチ12をONする
ように設定されている。
【0020】なお、ゲートスイッチ10と戸閉リミット
スイッチ12との位置関係は、戸閉リミットスイッチ1
2の動作位置を、ゲートスイッチ10の動作位置よりも
若干(例えば、5mm程度)全閉側の第2基準点に位置
させ、ゲートスイッチ10によりかごの戸4Aの戸閉を
検出した後、戸閉リミットスイッチ12によりかごの戸
4Bの戸閉を検出することによってかご1を駆動可能と
している。
【0021】14は遮蔽プレート13と重なることによ
り、かごの戸4Bが全開位置に達したことを確認する戸
開リミットスイッチである。15a、15bはかごの戸
4A、4Bの両側方の支持体2に装着された滑車であ
り、滑車15bはベルトプーリ81と同軸に配置され、
ドアモータ7が発生する駆動力を減速用ベルト82及び
ベルトプーリ81を介して、滑車15a、15bに無端
状に巻き掛けられた伝達機構の一つである連動ロープ1
6に伝達する。17Aはかごの戸4Aのハンガープレー
ト5Aに固定され、連動ロープ16の一側を把持する固
定具、17Bはかごの戸4Bのハンガープレート5Bに
固定され、連動ロープ16の他側を把持する固定具であ
る。18は一端をかごの戸4に軸支し、他端を支持体2
に軸支されたリンク機構であり、かごの戸4Aと支持体
2間で連結されつつかごの戸4Aを戸閉方向に押し付け
る作用を有するリンク機構18Aと、かごの戸4Bと支
持体2間で連結されつつかごの戸4Bを戸開方向へ引っ
張る作用を有するリンク機構18Bから構成されてい
る。
【0022】19はかごの戸4の開閉時において、開閉
速度を減速動作させるためのドア減速点スイッチであ
り、遮蔽プレート13と重なることにより、かごの戸4
Bの開閉速度が減速点に達した時にONし、その信号に
より制御装置6はドアモータ7を制御する。20はドア
モータ7の回転出力軸に直結した状態で装着されること
により、ドアモータ7の回転に同期したパルス信号(例
えば、500パルス/1回転)を発生する計数手段であ
るエンコーダである。
【0023】図3は、かごの戸4の開閉位置(ドア位
置)と、その開閉位置における開閉速度(ドア速度)の
関係を示した図であり、ゲートスイッチ10、戸閉リミ
ットスイッチ12、戸開リミットスイッチ14、ドア減
速点スイッチ19の各スイッチの動作位置におけるドア
速度を示している。なお、ゲートスイッチ10動作位置
から戸閉リミットスイッチ動作位置12までの間におけ
るかごの戸4の開閉速度は、一定となるようにドアモー
タ7を制御している。
【0024】次に本発明のエレベータのかごドア装置の
制御装置が行う戸閉動作について図4のフローチャート
を用いて説明する。戸閉動作において、まずステップS
1において、かごの戸4A側のゲートスイッチ10がO
Nされたか否かを検出する。ゲートスイッチ10がON
されると、制御装置6はドアモータ7に対して、一定速
度となるように制御信号を出力し、ドアモータ7の回転
を一定とする。そして、ステップS2に移行して、直ち
にドアモータ7に取り付けられているエンコーダ20か
ら出力されるパルスのカウントを開始する。
【0025】その後、ステップS3において、かごの戸
4B側の戸閉リミットスイッチ12がONされたか否か
を検出する。戸閉リミットスイッチ12がONされる
と、ステップS4に移行し、エンコーダ20から出力さ
れるパルスのカウントを終了する。ゲートスイッチ10
がONしてから戸閉リミットスイッチ12がONするま
では、上述したように、ドアモータ7は一定速度(エン
コーダ20から出力されるパルスは等間隔)となるた
め、エンコーダ20からのパルス数を計数することによ
り、ドアモータ7の回転を計算することができる。
【0026】その後、ステップS5において、エンコー
ダ20から計数したパルス数Aと、ゲートスイッチ動作
位置及び戸閉リミットスイッチ動作位置の空間距離、並
びにその間の一定速度(ドアモータ7の一定回転数)に
基づいて予め定められる基準値とを比較する。本実施の
形態1では、パルス数Aを、基準値に対する所定の割合
(例えば、±20%)を乗じた基準最大値W、基準最小
値Xと比較することにより、連動ロープ16と滑車15
a、15bとの滑り、減速機構8の滑り等を検出する。
すなわち、ステップS5において、パルス数Aが基準最
大値Wより大きければ、ドアモータ7は所定回転してい
るのに、その駆動力が戸閉動作に伝達されていないと判
断でき、ステップS7に移行し、連動ロープ16等の弛
みの発生、駆動リンク機構8の滑りを解除すべく保守要
求を発報する。
【0027】所定の割合を基準値に乗じて基準最大値
W、基準最小値Xを設定する際に、この割合の値によ
り、連動ロープ16、減速機構8等の連動機構が、現在
では不具合ではないのだが、そのうち不具合が生じるで
あろう状態を検出することも可能となる。
【0028】ステップS5において、パルス数Aが最大
基準値W未満であれば、ステップS6に移行し、パルス
数Aと最小基準値Xとを比較する。ここで、パルス数A
が最小基準値Xより小さければ、ドアモータ7は所定回
転していないのに、戸閉動作が完了(ゲートスイッチ1
0及び戸閉リミットスイッチ12が共にON)している
ので、連動ロープ16と滑車15a、15b又は、減速
機構8に異常が発生していると考えられ、同様にステッ
プS7に移行して、保守要求を発報する。
【0029】また、制御装置6によりゲートスイッチ動
作位置から戸閉リミットスイッチ動作位置まで間のパル
ス数Aをカウントする際に、かごの戸4A側に設けられ
たリンク機構18Aにより、かごの戸4Aは戸閉方向に
押し付けられ、かごの戸4B側に設けられたリンク機構
18Bにより、かごの戸4Bは戸開方向への力が作用す
る。すなわち、図1に示すように、リンク機構18Aは
その間接部分が山形となるように形成することにより、
間接部分の重力の影響により、かごの戸4Aは戸閉方向
に押し付けられている。一方、リンク機構18Bはその
間接部分が谷形となるように形成することにより、間接
部分の重力の影響により、かごの戸4Bは戸開方向に押
し付けられている。又、リンク機構18Aは、その間接
部分等に設けられたばね、ゴムなどの弾性体の張力等に
より常に戸閉方向への一定の力が加わり、リンク機構1
8Bは、その間接部分等の設けられたばね、ゴムなどの
弾性体の斥力等により常に戸閉方向への一定の力が加わ
るようにしてもよい。すなわち、連動ロープ16には固
定具17A、17B間に常に張力が発生し、ゲートスイ
ッチ動作位置から戸閉リミットスイッチ動作位置までの
戸閉動作が安定して行え、パルス数Aの検出の精度が向
上する。
【0030】本実施の形態によれば、ゲートスイッチ動
作位置から戸閉リミットスイッチ動作位置までのパルス
数Aが、予め定められた基準範囲内を外れたことによ
り、ドアモータ7の駆動力が正確に伝達されていないこ
と検出できるので、かごの戸の連動機構の経時変化によ
る状態を不具合が発生する前に把握することができ、保
守、点検作業の効率が向上する。
【0031】なお、本実施の形態においては、ゲートス
イッチ動作位置から戸閉リミットスイッチ動作位置まで
のドアモータ7の速度を一定として、パルス数Aと比較
するための基準値を演算したが、ドアモータ7の速度は
一定としなくてもよい。ここで、ドアモータ7の速度を
一定にすることにより、ドアの慣性力による影響を受け
ず、基準値は常に一定となるので、安定した条件下で連
動ロープ16及び滑車15a、15b、又は減速機構8
の状態を測定することができ、信頼性はより向上する。
【0032】実施の形態2.本実施の形態では、戸閉動
作時の連動機構の経時変化による不具合、又はドア減速
点スイッチ19により、減速位置が検出された後に、か
ごの戸4を戸閉しつつ減速動作するための減速機構の不
具合を検出するようにしたものである。
【0033】図1に示されるエレベータのかごドア装置
における本実施の形態の動作を図5に示される戸閉動作
時の減速機構の異常検出フローチャートを用いて説明す
る。戸閉動作において、まずステップS11において、
かごの戸4B側のドア減速点スイッチ19がONされた
か否かを検出する。ドア減速点スイッチ19がONされ
ると、制御装置6はドアモータ7に対して、減速指令を
出力し、ドアモータ7の回転を低回転に変化させる。そ
して、ステップS12に移行して、直ちにドアモータ7
に取り付けられているエンコーダ20から出力されるパ
ルスのカウントを開始する。
【0034】その後、ステップS13において、かごの
戸4B側の戸閉リミットスイッチ12がONされたか否
かを検出する。戸閉リミットスイッチ12がONされる
と、ステップS14に移行し、エンコーダ20から出力
されるパルスのカウントを終了する。ドア減速点/加速
点スイッチ19がONしてから戸閉リミットスイッチ1
2がONするまでは、上述したように、ドアモータ7は
減速されており、エンコーダ20からのパルス数を計数
することにより、ドアモータ7の回転を計算することが
できる。
【0035】その後、ステップS15において、エンコ
ーダ20から計数したパルス数Bと、ドア減速点スイッ
チ動作位置及び戸閉リミットスイッチ動作位置の空間距
離、並びにその間の速度(図4参照)に基づいて予め定
められる基準値Yとを比較する。本実施の形態2では、
実際にカウントされたパルス数Bを、基準値Yと比較す
ることにより、連動ロープ16と滑車15a、15bと
の滑り、減速機構8の滑り等を検出する。すなわち、ス
テップS15において、パルス数Bと基準値Yとが等し
くなければ、ドアモータ7は所定回転しているのに、そ
の駆動力が戸閉動作に伝達されていないと判断でき、連
動ロープ16等の弛みの発生、減速機構8の滑りを解除
すべく保守要求を発報する。
【0036】ここで、減速用ベルト82、連動ロープ1
6にタイミングベルト等の経時的な劣化すなわち、伸
び、ずれ等の影響しないものを用いた場合では、減速動
作時の異常は、ドアモータ7、ギア等の減速機構の異常
であると判断でき、ステップS16へ移行し、減速機構
保守要求を発報する。
【0037】本実施の形態によれば、ドア減速点スイッ
チ動作位置から戸閉リミットスイッチ動作位置までのパ
ルス数Bが、予め定められた基準値と異なれば、ドアモ
ータ7の駆動力が正確に伝達されていないこと検出でき
るので、かごの戸の連動機構の経時変化による状態を不
具合が発生する前に把握することができ、保守、点検作
業の効率が向上する。また、連動機構の状態に応じて
は、減速機構の異常をも検出することができ、保守、点
検作業の効率が向上する。
【0038】なお、本実施形態では、ステップS15に
おいて、基準値Yとパルス数Bとが一致したか否かを判
断したが、実施の形態1で示したように、パルス数B
が、基準値Yに対するある基準範囲内に存在するか否か
を判断するようにして良い。
【0039】実施の形態3.本実施の形態では、戸開動
作時の連動機構の経時変化による不具合、又はドア減速
点スイッチ19により、減速位置が検出されるまでに、
かごの戸4を戸開しつつ加速動作するための加速機構の
不具合を検出するようにしたものである。
【0040】図1に示されるエレベータのかごドア装置
における本実施の形態の動作を図6に示される戸開動作
時の加速機構の異常検出フローチャートを用いて説明す
る。かごの戸4が開放されており、戸開リミットスイッ
チ14からの信号がONである状態において、まずステ
ップS21において、かごの戸4B側の戸開リミットス
イッチ14がOFFされたか否かを検出する。戸開リミ
ットスイッチ14がOFFされると、制御装置6はドア
モータ7に対して、加速指令を出力し、ドアモータ7の
回転を高回転に変化させる。そして、ステップS22に
移行して、直ちにドアモータ7に取り付けられているエ
ンコーダ20から出力されるパルスのカウントを開始す
る。
【0041】その後、ステップS23において、かごの
戸4B側のドア減速点スイッチ19がONされたか否か
を検出する。ドア減速点スイッチ19がONされると、
ステップS24に移行し、エンコーダ20から出力され
るパルスのカウントを終了する。戸開リミットスイッチ
14がOFFされてからドア減速点スイッチ19がON
するまでは、上述したように、ドアモータ7は加速され
ており、エンコーダ20からのパルス数を計数すること
により、ドアモータ7の回転を計算することができる。
【0042】その後ステップS25において、エンコー
ダ20から計数したパルス数Cと、ドア減速点スイッチ
動作位置及び戸開リミットスイッチ動作位置の空間距離
並びにその間の速度(図4参照)に基づいて予め定めら
れる基準値Zとを比較する。本実施の形態3では、実際
にカウントされたパルス数Cを、基準値Zと比較するこ
とにより、連動ロープ16と滑車15a、15bとの滑
り、減速機構8の滑り等を検出する。すなわち、ステッ
プS25において、パルス数Cと基準値Zとが等しくな
ければ、ドアモータ7は所定回転しているのに、その駆
動力が戸閉動作に伝達されていないと判断でき、連動ロ
ープ16等の弛みの発生、減速機構8の滑りを解除すべ
く保守要求を発報する。
【0043】ここで、減速用ベルト82、連動ロープ1
6にタイミングベルト等の経時的な劣化すなわち、伸
び、ずれ等の影響しないものを用いた場合では、加速動
作時の異常は、ドアモータ7、ギア等の加速機構の異常
であると判断でき、ステップS26へ移行し、加速機構
保守要求を発報する。
【0044】本実施の形態によれば、戸開リミットスイ
ッチ動作位置からドア減速点スイッチ動作位置までのパ
ルス数Cが、予め定められた基準値Zと異なれば、ドア
モータ7の駆動力が正確に伝達されていないこと検出で
きるので、かごの戸の連動機構の経時変化による状態を
不具合が発生する前に把握することができ、保守、点検
作業の効率が向上する。また、連動機構の状態に応じて
は、加速機構の異常をも検出することができ、保守、点
検作業の効率が向上する。
【0045】なお、本実施形態では、ステップS25に
おいて、基準値Zとパルス数Cとが一致したか否かを判
断したが、実施の形態1で示したように、パルス数C
が、基準値Zに対するある基準範囲内に存在するか否か
を判断するようにして良い。
【0046】実施の形態4.図7は、本発明の他の実施
の形態を示すエレベータのかごドア装置の構成図であ
る。図において、実施の形態1で示した図1と同一部分
及び相当部分は同一符号で示し、説明は省略する。21
はかごの戸4Bが戸開するとリミットスイッチ23と重
なる位置に設けられた第1スイッチ動作板に相当する遮
蔽板、22はかごの戸4Bが戸閉するとリミットスイッ
チ23と重なる位置に設けられた第2スイッチ動作板に
相当する遮蔽板である。
【0047】図8は、本実施の形態におけるかごの戸の
開閉状態の判別を示す判別フローチャートである。かご
の戸4Bに設けられている遮蔽板21、22と重なるこ
とによりかごの戸4Bの位置を検出するスイッチ23は
本実施の形態では1つしか設けられていない。そこで、
1つのリミットスイッチ23によりかごの戸の戸開、戸
閉状態を検出するために、まず、ステップS31におい
て、リミットスイッチ23がONされると、ステップS
32に移行し、他方のかごの戸4A側に設けられている
ゲートスイッチ10の状態を判断する。ステップS32
において、ゲートスイッチ10がONならば、ステップ
S33に移行し、かごの戸4は戸閉状態であると判断で
きる。一方、ステップS32において、ゲートスイッチ
10がOFFならば、ステップS34に移行し、かごの
戸4は戸開状態であると判断できる。
【0048】本実施の形態では、かごの戸の一方に設け
られたゲートスイッチと他方に設けられたリミットスイ
ッチの動作点をかえ、ゲートスイッチの動作点をリミッ
トスイッチの動作点より戸開側に位置させ、ゲートスイ
ッチの信号をリミットスイッチの信号の複合条件を用い
て戸開及び戸閉を判別するようにしたので、戸開リミッ
トスイッチと戸閉リミットスイッチとを共用化すること
ができ、製品コストを低減することができる。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、エレベ
ータのかごに設けられた複数枚のかごの戸と、これらか
ごの戸を開閉させる駆動力を発生するモータと、このモ
ータの駆動力を上記かごの戸に伝達し連動して開閉させ
る伝達機構と、上記モータの回転量に応じたパルス信号
を発生するパルス発生器と、上記かごの戸の一方が第1
基準点に達したことを検出する第1のスイッチと、上記
かごの戸の他方が第2基準点に達したことを検出する第
2のスイッチと、上記かごの戸の一方が第1基準点に達
したことを上記第1のスイッチにより検出してから、上
記かごの戸の他方が第2基準点に達したことを上記第2
のスイッチにより検出するまでの間、上記パルス発生器
から出力されるモータの回転量に応じたパルス信号を計
数する計数手段と、この計数手段により計数されたパル
ス数と、第1基準点及び第2基準点の位置関係より予め
定められた基準値とを比較し、上記伝達機構の異常を検
出する異常検出手段と、を備えたので、かごの戸の開閉
状態に基づいて伝達機構の経時的変化を事前に検出する
際に、かごの戸を開閉するための機構に経時的な変化の
あるタイプにも適用することができるようになり、適用
範囲が広がると共に、伝達機構の経時的な懸架に伴う不
具合を事前に解消することができ、保守点検等の作業効
率が向上する。
【0050】また、第1基準点を戸閉位置近傍に設け、
第2基準点を戸閉位置に設けたので、戸閉後の運転に移
行する際の、安全確認をも同時に行うことができ、かご
の戸の位置を検出するためのスイッチ等の部品数の削減
ができ、製造コストを低減することができる。
【0051】また、第1基準点をモータの加減速動作位
置に設定し、第2基準点をかごの戸の開閉完了位置に設
定したので、開閉動作時の加減速機構の状態をも検出す
ることのできる。
【0052】また、複数枚のかごの戸を連動して開閉さ
せる際に、かごの戸の一方を戸閉側に力を作用させると
共に、かごの戸の他方を戸開側に力を作用させるように
したもので、伝達機構の経時的変化の検出を精度良く確
実に行うことができる。
【0053】さらに、かごの戸が第1基準点から第2基
準点に達するまでの間、ドアの速度を一定にするように
したもので、伝達機構の経時的変化の検出を精度良く確
実に行うことができる。
【0054】さらにまた、第2のスイッチがかごの戸に
設けられた第1スイッチ動作板または第2スイッチ動作
板と作用してかごの戸の位置を検出する際に、第1のス
イッチの動作信号との複合条件に基づいて、かごの戸の
戸閉及び戸開を判別するようにしたので、かごの戸の位
置を検出するためのスイッチ数を削減でき、製品コスト
を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明におけるエレベータのかごドア装置を
示す構成図である。
【図2】 図1におけるII−II断面を示す断面図で
ある。
【図3】 かごの戸の開閉位置と、その開閉位置におけ
る開閉速度の関係を示した関係図である。
【図4】 エレベータのかごドア装置の制御装置が行う
戸閉動作のフローチャートである。
【図5】 エレベータのかごドア装置の制御装置が行う
戸閉動作時の減速機構の異常検出フローチャートであ
る。
【図6】 エレベータのかごドア装置の制御装置が行う
戸開動作時の加速機構の異常検出フローチャートであ
る。
【図7】 本発明の他の実施の形態を示すエレベータの
かごドア装置の構成図である。
【図8】 本実施の形態におけるかごの戸の開閉状態の
判別を示す判別フローチャートである。
【図9】 従来のエレベータのかごドア装置を示す構成
図である。
【図10】 従来のエレベータのかごドア装置を示す構
成図である。
【符号の説明】
1 エレベータのかご、4 かごの戸、6 ドア制御装
置、7 ドアモータ、8 減速機構、10 ゲートスイ
ッチ、12 戸閉リミットスイッチ、15 滑車、16
連動ロープ、18 リンク機構、20 エンコーダ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エレベータのかごに設けられた複数枚の
    かごの戸と、 これらかごの戸を開閉させる駆動力を発生するモータ
    と、 このモータの駆動力を上記かごの戸に伝達し連動して開
    閉させる伝達機構と、 上記モータの回転量に応じたパルス信号を発生するパル
    ス発生器と、 上記かごの戸の一方が第1基準点に達したことを検出す
    る第1のスイッチと、 上記かごの戸の他方が第2基準点に達したことを検出す
    る第2のスイッチと、 上記かごの戸の一方が第1基準点に達したことを上記第
    1のスイッチにより検出してから、上記かごの戸の他方
    が第2基準点に達したことを上記第2のスイッチにより
    検出するまでの間、上記パルス発生器から出力されるモ
    ータの回転量に応じたパルス信号を計数する計数手段
    と、 この計数手段により計数されたパルス数と、第1基準点
    及び第2基準点の位置関係より予め定められた基準値と
    を比較し、上記伝達機構の異常を検出する異常検出手段
    と、を備えたことを特徴とするエレベータのかごドア装
    置。
  2. 【請求項2】 第1基準点を戸閉位置近傍に設け、第2
    基準点を戸閉位置に設けたことを特徴とする請求項第1
    項記載のエレベータのかごドア装置。
  3. 【請求項3】 第1基準点をモータの加減速動作位置に
    設定し、第2基準点をかごの戸の開閉完了位置に設定し
    たことを特徴とする請求項第1項記載のエレベータのか
    ごドア装置。
  4. 【請求項4】 複数枚のかごの戸を連動して開閉させる
    際に、かごの戸の一方を戸閉側に力を作用させると共
    に、かごの戸の他方を戸開側に力を作用させることを特
    徴とする請求項第1項乃至第3項記載のエレベータのか
    ごドア装置。
  5. 【請求項5】 かごの戸が第1基準点から第2基準点に
    達するまでの間、ドア速度を一定にすることを特徴とす
    る請求項第1項乃至第3項記載のエレベータのかごドア
    装置。
  6. 【請求項6】 第2のスイッチがかごの戸に設けられた
    第1スイッチ動作板または第2スイッチ動作板と作用し
    てかごの戸の位置を検出する際に、第1のスイッチの動
    作信号との複合条件に基づいて、かごの戸の戸閉及び戸
    開を判別することを特徴とする請求項第1項記載のエレ
    ベータのかごドア装置。
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