JPH1067024A - 加飾成形品の製造方法 - Google Patents
加飾成形品の製造方法Info
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- JPH1067024A JPH1067024A JP24196196A JP24196196A JPH1067024A JP H1067024 A JPH1067024 A JP H1067024A JP 24196196 A JP24196196 A JP 24196196A JP 24196196 A JP24196196 A JP 24196196A JP H1067024 A JPH1067024 A JP H1067024A
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- decorative sheet
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 加飾用シートを金型の所定位置に正確に、し
かもしわを発生させることなく密着させて供給し、外観
品質が優れた加工が可能な加飾成形品の製造方法を提供
する。 【解決手段】 熱硬化性樹脂が含浸された加飾用シート
2を、上型11と下型12よりなる金型1の下型12に
その表面側を下にして供給し、続いて成形品本体成形用
の熱硬化性樹脂材料3を上記加飾用シート2の上面より
供給し、上型11を閉型して加熱・加圧成形する加飾成
形品の製造方法において、上記加飾用シート2の下型へ
の供給に際し、表面が弾性体により形成された真空吸着
盤により加飾用シート2を吸着し、続いて下型12の所
定位置に供給した後、吸着を解除するとともに、上記弾
性体を膨張させて加飾用シート2を押圧し、下型表面に
均一に密着させる。
かもしわを発生させることなく密着させて供給し、外観
品質が優れた加工が可能な加飾成形品の製造方法を提供
する。 【解決手段】 熱硬化性樹脂が含浸された加飾用シート
2を、上型11と下型12よりなる金型1の下型12に
その表面側を下にして供給し、続いて成形品本体成形用
の熱硬化性樹脂材料3を上記加飾用シート2の上面より
供給し、上型11を閉型して加熱・加圧成形する加飾成
形品の製造方法において、上記加飾用シート2の下型へ
の供給に際し、表面が弾性体により形成された真空吸着
盤により加飾用シート2を吸着し、続いて下型12の所
定位置に供給した後、吸着を解除するとともに、上記弾
性体を膨張させて加飾用シート2を押圧し、下型表面に
均一に密着させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化性樹脂等に
より成形され、例えば、ユニットバスの床面、壁面、化
粧カウンター等として用いられる表面が模様等により加
飾された加飾成形品の製造方法に関する。
より成形され、例えば、ユニットバスの床面、壁面、化
粧カウンター等として用いられる表面が模様等により加
飾された加飾成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷模様付等により加飾された熱
硬化性樹脂(例えばFRP)成形品の製造方法として
は、例えば、特開平4−341809号公報に記載され
ているように、印刷された熱硬化性樹脂含浸の不織布、
又は織物、所謂プリプレグシートを用いた加熱・加圧成
形によるFRP製成形体の製造方法がある。
硬化性樹脂(例えばFRP)成形品の製造方法として
は、例えば、特開平4−341809号公報に記載され
ているように、印刷された熱硬化性樹脂含浸の不織布、
又は織物、所謂プリプレグシートを用いた加熱・加圧成
形によるFRP製成形体の製造方法がある。
【0003】又、印刷含浸紙を用いた模様付成形品の製
造方法としては、特開昭53−35770号公報記載の
模様付繊維強化樹脂成形品の製造法、特開昭63−31
7311号公報記載の化粧タイルの製造方法、更には特
開平5−285973号公報記載のFRP製成形体の製
造方法がある。
造方法としては、特開昭53−35770号公報記載の
模様付繊維強化樹脂成形品の製造法、特開昭63−31
7311号公報記載の化粧タイルの製造方法、更には特
開平5−285973号公報記載のFRP製成形体の製
造方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の製造方法においては、例えば、ジアリルフ
タレート樹脂等の熱硬化性樹脂を印刷紙に含浸、乾燥さ
せた模様付シートが用いられる場合には、上記シートが
金型に接触すると、含浸樹脂が金型の熱により溶け、粘
着性が出て金型に付着し、均一に金型の表面に広がって
供給されない場合には、しわが発生し易いといった問題
がある。
ような従来の製造方法においては、例えば、ジアリルフ
タレート樹脂等の熱硬化性樹脂を印刷紙に含浸、乾燥さ
せた模様付シートが用いられる場合には、上記シートが
金型に接触すると、含浸樹脂が金型の熱により溶け、粘
着性が出て金型に付着し、均一に金型の表面に広がって
供給されない場合には、しわが発生し易いといった問題
がある。
【0005】又、シートの金型の表面との密着が不十分
であると、成形中に成形材料の流動によりシートがずれ
たり、しわが発生したりする。従って、シートを金型に
接触させてから、何らかの方法で金型の表面に密着させ
る必要がある。
であると、成形中に成形材料の流動によりシートがずれ
たり、しわが発生したりする。従って、シートを金型に
接触させてから、何らかの方法で金型の表面に密着させ
る必要がある。
【0006】例えば、ユニットバスの床の成形加工にお
いては、製品に排水勾配が必要なため、金型(成形用下
型)も平坦ではなく、製品形状に合わせて傾斜勾配等を
設ける必要がある。このような場合には、シートを金型
に圧着するに際して、金型表面へシートを沿わせながら
加圧して密着させる必要がある。
いては、製品に排水勾配が必要なため、金型(成形用下
型)も平坦ではなく、製品形状に合わせて傾斜勾配等を
設ける必要がある。このような場合には、シートを金型
に圧着するに際して、金型表面へシートを沿わせながら
加圧して密着させる必要がある。
【0007】更に、一度金型に付着したシートをセット
し直すために剥がした場合、シート表面の樹脂の一部が
金型に取られ、シート表面に樹脂の不足部分が発生し、
成形品の表面樹脂層が均一でなく、外観上好ましくない
といった問題がある。
し直すために剥がした場合、シート表面の樹脂の一部が
金型に取られ、シート表面に樹脂の不足部分が発生し、
成形品の表面樹脂層が均一でなく、外観上好ましくない
といった問題がある。
【0008】又、シートを人手により金型に供給する場
合には、シートのセット位置がずれたり、シートの金型
への供給作業に手間がかかって生産性が悪く、更に金型
の加熱(150℃前後に加熱されている)により、誤っ
て火傷をするといった懸念が残されている。
合には、シートのセット位置がずれたり、シートの金型
への供給作業に手間がかかって生産性が悪く、更に金型
の加熱(150℃前後に加熱されている)により、誤っ
て火傷をするといった懸念が残されている。
【0009】本発明は、このような上記の問題点に着目
してなされたものであり、その目的とするところは、こ
れらの問題点を解消し、加飾用シートを金型の所定位置
に正確に、しかもしわを発生させることなく密着させて
供給し、外観品質が優れた加工が可能な加飾成形品の製
造方法を提供するものである。
してなされたものであり、その目的とするところは、こ
れらの問題点を解消し、加飾用シートを金型の所定位置
に正確に、しかもしわを発生させることなく密着させて
供給し、外観品質が優れた加工が可能な加飾成形品の製
造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の
加飾成形品の製造方法においては、熱硬化性樹脂が含浸
された加飾用シートを、上型と下型よりなる金型の下型
にその表面側を下にして供給し、続いて成形品本体成形
用の熱硬化性樹脂材料を上記加飾用シートの上面より供
給し、上型を閉型して加熱・加圧成形する加飾成形品の
製造方法において、上記加飾用シートの下型への供給に
際し、表面が弾性体により形成された真空吸着盤により
加飾用シートを吸着し、続いて下型の所定位置に供給し
た後、吸着を解除するとともに、上記弾性体を膨張させ
て加飾用シートを押圧し、下型表面に均一に密着させる
ことを特徴とする。
加飾成形品の製造方法においては、熱硬化性樹脂が含浸
された加飾用シートを、上型と下型よりなる金型の下型
にその表面側を下にして供給し、続いて成形品本体成形
用の熱硬化性樹脂材料を上記加飾用シートの上面より供
給し、上型を閉型して加熱・加圧成形する加飾成形品の
製造方法において、上記加飾用シートの下型への供給に
際し、表面が弾性体により形成された真空吸着盤により
加飾用シートを吸着し、続いて下型の所定位置に供給し
た後、吸着を解除するとともに、上記弾性体を膨張させ
て加飾用シートを押圧し、下型表面に均一に密着させる
ことを特徴とする。
【0011】請求項2記載の本発明の加飾成形品の製造
方法においては、熱硬化性樹脂が含浸された加飾用シー
トを、上型と下型よりなる金型の下型にその表面側を下
にして供給し、続いて成形品本体成形用の熱硬化性樹脂
材料を上記加飾用シートの上面より供給し、上型を閉型
して加熱・加圧成形する加飾成形品の製造方法におい
て、上記加飾用シートの下型への供給に際し、表面が弾
性体により形成された真空吸着盤により加飾用シートを
吸着し、続いて下型の所定位置に供給した後、吸着を解
除するとともに、上記真空吸着盤に内蔵された押圧ロー
ラを転動させながら加飾用シートを押圧し、下型表面に
均一に密着させることを特徴とする。
方法においては、熱硬化性樹脂が含浸された加飾用シー
トを、上型と下型よりなる金型の下型にその表面側を下
にして供給し、続いて成形品本体成形用の熱硬化性樹脂
材料を上記加飾用シートの上面より供給し、上型を閉型
して加熱・加圧成形する加飾成形品の製造方法におい
て、上記加飾用シートの下型への供給に際し、表面が弾
性体により形成された真空吸着盤により加飾用シートを
吸着し、続いて下型の所定位置に供給した後、吸着を解
除するとともに、上記真空吸着盤に内蔵された押圧ロー
ラを転動させながら加飾用シートを押圧し、下型表面に
均一に密着させることを特徴とする。
【0012】請求項3記載の本発明の加飾成形品の製造
方法においては、熱硬化性樹脂が含浸された加飾用シー
トを、上型と下型よりなる金型の下型にその表面側を下
にして供給し、続いて成形品本体成形用の熱硬化性樹脂
材料を上記加飾用シートの上面より供給し、上型を閉型
して加熱・加圧成形する加飾成形品の製造方法におい
て、上記加飾用シートの下型への供給に際し、真空吸着
装置の複数に分割して設けられた真空吸着盤に加飾用シ
ートを吸着させた上、周縁に向かって傾斜勾配が設けら
れた下型の所定位置に降下させて位置合わせを行い、吸
着を解除するとともに、上記真空吸着盤により加圧し
て、加飾用シートを下型の表面に密着させることを特徴
とする。
方法においては、熱硬化性樹脂が含浸された加飾用シー
トを、上型と下型よりなる金型の下型にその表面側を下
にして供給し、続いて成形品本体成形用の熱硬化性樹脂
材料を上記加飾用シートの上面より供給し、上型を閉型
して加熱・加圧成形する加飾成形品の製造方法におい
て、上記加飾用シートの下型への供給に際し、真空吸着
装置の複数に分割して設けられた真空吸着盤に加飾用シ
ートを吸着させた上、周縁に向かって傾斜勾配が設けら
れた下型の所定位置に降下させて位置合わせを行い、吸
着を解除するとともに、上記真空吸着盤により加圧し
て、加飾用シートを下型の表面に密着させることを特徴
とする。
【0013】本発明の加飾成形品の製造方法において用
いられる加飾用シートとしては、印刷基材に熱硬化性樹
脂を含浸、乾燥させたプリプレグシートや基材に熱硬化
性樹脂を含浸後、半硬化、もしくは増粘させたシート等
公知の従来のものを使用することができる。上記基材と
しては、例えば、紙、不織布、織布、ガラスマット等が
使用される。
いられる加飾用シートとしては、印刷基材に熱硬化性樹
脂を含浸、乾燥させたプリプレグシートや基材に熱硬化
性樹脂を含浸後、半硬化、もしくは増粘させたシート等
公知の従来のものを使用することができる。上記基材と
しては、例えば、紙、不織布、織布、ガラスマット等が
使用される。
【0014】加飾用シートとするための基材への絵柄
(模様)等の印刷は、従来のグラビア、オフセット、ス
クリーン、凸版印刷等により行うことができる。
(模様)等の印刷は、従来のグラビア、オフセット、ス
クリーン、凸版印刷等により行うことができる。
【0015】上記印刷のためのインキは、例えば、熱硬
化タイプのメラミン樹脂、フェノヒル樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、2液化タイプのアクリルウレタン、ポリ
エステルウレタン等の樹脂をベースとしたものが好適に
用いられる。上記インキはベース樹脂に必要に応じて顔
料や染料等の着色剤、可塑剤、安定剤、充填剤、溶剤等
が適宜混練されて用いられる。
化タイプのメラミン樹脂、フェノヒル樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、2液化タイプのアクリルウレタン、ポリ
エステルウレタン等の樹脂をベースとしたものが好適に
用いられる。上記インキはベース樹脂に必要に応じて顔
料や染料等の着色剤、可塑剤、安定剤、充填剤、溶剤等
が適宜混練されて用いられる。
【0016】真空吸着盤は、本体は金属、木材、合成樹
脂、FRP、ガラスなどの材料により中空の箱形状に製
作され、この真空吸着盤の表面に設けられる弾性体(必
要に応じて内側に補強用の中桟等が設けられる)として
は、表面に0.1〜5mmの吸着用孔が設けられた耐熱
性ゴム等よりなるシートが好適に用いられ、又、弾性体
の表面側には、金型の傾斜勾配に合わせた形状にしてお
くことが好ましい。真空吸着盤には、この弾性体を上下
方向に作動される機構が設けられている。
脂、FRP、ガラスなどの材料により中空の箱形状に製
作され、この真空吸着盤の表面に設けられる弾性体(必
要に応じて内側に補強用の中桟等が設けられる)として
は、表面に0.1〜5mmの吸着用孔が設けられた耐熱
性ゴム等よりなるシートが好適に用いられ、又、弾性体
の表面側には、金型の傾斜勾配に合わせた形状にしてお
くことが好ましい。真空吸着盤には、この弾性体を上下
方向に作動される機構が設けられている。
【0017】真空吸着盤には、金型の下型と位置合わせ
ができる機構が設けられる。例えば、真空吸着盤と下型
に位置決め用の嵌合部を設けたり、或いは、下型の位置
に合わせて真空吸着盤を位置決めできる位置センサー機
能を設ける方法も可能である。
ができる機構が設けられる。例えば、真空吸着盤と下型
に位置決め用の嵌合部を設けたり、或いは、下型の位置
に合わせて真空吸着盤を位置決めできる位置センサー機
能を設ける方法も可能である。
【0018】上記吸着用孔は、加飾用シートの剛性、減
圧の程度に応じて、しわが発生しないように供給される
必要があり、その直径は0.1〜5mm程度が好まし
く、より好ましくは0.5〜2mmである。吸着用孔の
間隔は、好ましくは5〜200mm、加飾用シートの弾
性体への密着力を十分に確保する点より、より好ましく
は30〜70mmである。
圧の程度に応じて、しわが発生しないように供給される
必要があり、その直径は0.1〜5mm程度が好まし
く、より好ましくは0.5〜2mmである。吸着用孔の
間隔は、好ましくは5〜200mm、加飾用シートの弾
性体への密着力を十分に確保する点より、より好ましく
は30〜70mmである。
【0019】又、この真空吸着盤の内部は、真空ポンプ
等を用いて−300〜−760mmHg程度に減圧可能
となっている。この減圧は、−300〜−650mmH
gが好ましい。−300mmHgより低いと加飾用シー
トの吸着が十分に行われず、−650mmHgより高い
と真空吸着盤に加飾用シートをセットする時に局部的に
吸着されしわが発生したりするので好ましくない。
等を用いて−300〜−760mmHg程度に減圧可能
となっている。この減圧は、−300〜−650mmH
gが好ましい。−300mmHgより低いと加飾用シー
トの吸着が十分に行われず、−650mmHgより高い
と真空吸着盤に加飾用シートをセットする時に局部的に
吸着されしわが発生したりするので好ましくない。
【0020】圧縮空気を供給し、弾性体を介して下型の
表面に加飾用シートを密着させる際に必要な圧力は0.
05〜5kg/cm2 あればよい。
表面に加飾用シートを密着させる際に必要な圧力は0.
05〜5kg/cm2 あればよい。
【0021】真空吸着盤には、金型との位置合わせがで
きる機構が必要であり、具体的には真空吸着盤と下型に
位置決め用の嵌合部が設けられたり、下型位置に合わせ
て真空吸着盤を位置決めできるセンサー機能が、シート
投入装置に備わっていることが好ましい。
きる機構が必要であり、具体的には真空吸着盤と下型に
位置決め用の嵌合部が設けられたり、下型位置に合わせ
て真空吸着盤を位置決めできるセンサー機能が、シート
投入装置に備わっていることが好ましい。
【0022】加飾用シートに用いられる熱硬化性樹脂と
しては、SMC、BMCが通常用いられ、これらに使用
する樹脂としては、不飽和ポリエステル、ビニルエステ
ル、エポキシ、フェノール等が用いられる。上記SMC
には必要に応じ着色雲母や粉砕寒水石等の柄材が混練さ
れていてもよい。
しては、SMC、BMCが通常用いられ、これらに使用
する樹脂としては、不飽和ポリエステル、ビニルエステ
ル、エポキシ、フェノール等が用いられる。上記SMC
には必要に応じ着色雲母や粉砕寒水石等の柄材が混練さ
れていてもよい。
【0023】又、含浸用樹脂としては、ジアレルフタレ
ート樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等があげられる。
ート樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等があげられる。
【0024】上記含浸用樹脂の含浸重量は、基材が紙の
場合、紙重量の50〜300%が好適であり、印刷含浸
紙の場合には、紙に所望の柄を印刷した後、含浸用樹脂
を浸漬や吹き付け等により含浸させればよい。
場合、紙重量の50〜300%が好適であり、印刷含浸
紙の場合には、紙に所望の柄を印刷した後、含浸用樹脂
を浸漬や吹き付け等により含浸させればよい。
【0025】SMC等の熱硬化性成形材料は、加飾用シ
ートよりも小さい寸法で切断して用いるのが好ましい。
即ち、プレス成形時に、周囲にSMCがはみ出し、この
SMCが加飾用シートと下型との間に流れ込み、成形品
の外観を悪くするのを防止するためである。
ートよりも小さい寸法で切断して用いるのが好ましい。
即ち、プレス成形時に、周囲にSMCがはみ出し、この
SMCが加飾用シートと下型との間に流れ込み、成形品
の外観を悪くするのを防止するためである。
【0026】
【作用】請求項1記載の本発明の加飾成形品の製造方法
においては、加飾用シートの下型への供給に際し、表面
が弾性体により形成された真空吸着盤により加飾用シー
トを吸着し、続いて下型の所定位置に供給した後、吸着
を解除するとともに、上記弾性体を膨張させて加飾用シ
ートを押圧し、下型表面に均一に密着させることによ
り、加飾用シートが金型の所定位置に正確に、しかもし
わの発生がなく密着されて供給され、外観品質が優れた
加飾成形品を得ることができる。
においては、加飾用シートの下型への供給に際し、表面
が弾性体により形成された真空吸着盤により加飾用シー
トを吸着し、続いて下型の所定位置に供給した後、吸着
を解除するとともに、上記弾性体を膨張させて加飾用シ
ートを押圧し、下型表面に均一に密着させることによ
り、加飾用シートが金型の所定位置に正確に、しかもし
わの発生がなく密着されて供給され、外観品質が優れた
加飾成形品を得ることができる。
【0027】請求項2記載の本発明の加飾成形品の製造
方法においては、加飾用シートの下型への供給に際し、
表面が弾性体により形成された真空吸着盤により加飾用
シートを吸着し、続いて下型の所定位置に供給した後、
吸着を解除するとともに、上記真空吸着盤に内蔵された
押圧ローラを転動させながら加飾用シートを押圧し、下
型表面に均一に密着させることにより、加飾用シートが
金型の所定位置に正確に、しかもしわの発生がなく密着
されて供給され、外観品質が優れた加飾成形品を得るこ
とができる。
方法においては、加飾用シートの下型への供給に際し、
表面が弾性体により形成された真空吸着盤により加飾用
シートを吸着し、続いて下型の所定位置に供給した後、
吸着を解除するとともに、上記真空吸着盤に内蔵された
押圧ローラを転動させながら加飾用シートを押圧し、下
型表面に均一に密着させることにより、加飾用シートが
金型の所定位置に正確に、しかもしわの発生がなく密着
されて供給され、外観品質が優れた加飾成形品を得るこ
とができる。
【0028】請求項3記載の本発明の加飾成形品の製造
方法においては、加飾用シートの下型への供給に際し、
真空吸着装置の複数に分割して設けられた真空吸着盤に
加飾用シートを吸着させた上、周縁に向かって傾斜勾配
が設けられた下型の所定位置に降下させて位置合わせを
行い、吸着を解除するとともに、上記真空吸着盤により
加圧して、加飾用シートを下型の表面に密着させるよう
にしたので、加飾用シートが金型の所定位置に正確に、
短時間で、しかもしわの発生がなく密着されて供給さ
れ、外観品質が優れた加飾成形品を得ることができる。
方法においては、加飾用シートの下型への供給に際し、
真空吸着装置の複数に分割して設けられた真空吸着盤に
加飾用シートを吸着させた上、周縁に向かって傾斜勾配
が設けられた下型の所定位置に降下させて位置合わせを
行い、吸着を解除するとともに、上記真空吸着盤により
加圧して、加飾用シートを下型の表面に密着させるよう
にしたので、加飾用シートが金型の所定位置に正確に、
短時間で、しかもしわの発生がなく密着されて供給さ
れ、外観品質が優れた加飾成形品を得ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。本発明の加飾成形品の製造は、図1
に示すように、上型11と下型12よりなる金型1の下
型12に、熱硬化性樹脂が含浸された加飾用シート2
を、その表面側を下にして供給し、続いて成形品本体成
形用の熱硬化性樹脂材料3を上記加飾用シート2の上面
より供給し、上型11を閉型して加熱・加圧成形するこ
とにより行われる。
参照して説明する。本発明の加飾成形品の製造は、図1
に示すように、上型11と下型12よりなる金型1の下
型12に、熱硬化性樹脂が含浸された加飾用シート2
を、その表面側を下にして供給し、続いて成形品本体成
形用の熱硬化性樹脂材料3を上記加飾用シート2の上面
より供給し、上型11を閉型して加熱・加圧成形するこ
とにより行われる。
【0030】請求項1記載の本発明の加飾成形品の製造
における、加飾用シート2の下型12への供給は、以下
に詳述するようにして行われる。この加飾用シート2の
下型12への供給は、図2に示すように、下型12の上
面に装着された真空吸着盤4を用いて行われる。
における、加飾用シート2の下型12への供給は、以下
に詳述するようにして行われる。この加飾用シート2の
下型12への供給は、図2に示すように、下型12の上
面に装着された真空吸着盤4を用いて行われる。
【0031】上記真空吸着盤4には、フレーム41が両
側の支持体42により支持されて設けられ、このフレー
ム41には、補強用の中桟43が適宜間隔で設けられ、
その周囲に弾性体44が張着されている。
側の支持体42により支持されて設けられ、このフレー
ム41には、補強用の中桟43が適宜間隔で設けられ、
その周囲に弾性体44が張着されている。
【0032】又、フレーム41と弾性体44との間に形
成された中空部には、真空ポンプ5よりホース51が連
通されて設けられ、加飾用シート2の弾性体44表面へ
の吸着が行われるようになっている。
成された中空部には、真空ポンプ5よりホース51が連
通されて設けられ、加飾用シート2の弾性体44表面へ
の吸着が行われるようになっている。
【0033】更に、上記フレーム41の両端寄りには、
エアシリンダー6が設けられ、弾性体44の周囲を強制
的に押し下げ、加飾用シート2の周縁の下型12の表面
への密着性をよくするようになっている。
エアシリンダー6が設けられ、弾性体44の周囲を強制
的に押し下げ、加飾用シート2の周縁の下型12の表面
への密着性をよくするようになっている。
【0034】上記真空吸着盤4は、材料にアルミニウム
を用いてフレーム41を製作し、弾性体44の表面に
は、直径1mmの吸着用孔を50mmの間隔で設けた。
又、弾性体44の下型12との位置決めのため、弾性体
44には外周側に2箇所穿設し、下型12には凸部を設
けて嵌合可能とした。
を用いてフレーム41を製作し、弾性体44の表面に
は、直径1mmの吸着用孔を50mmの間隔で設けた。
又、弾性体44の下型12との位置決めのため、弾性体
44には外周側に2箇所穿設し、下型12には凸部を設
けて嵌合可能とした。
【0035】金型1には、図3に示すように防水パン用
の成形型を起用した。下型12の構造は、中央部(最も
高く設定されている)に排水トラップ13を設け、周囲
に向かってほぼ3/100の勾配を円錐状に設けた。
又、成形時の金型1の温度は、上型が135℃、下型が
150℃となるように設定した。
の成形型を起用した。下型12の構造は、中央部(最も
高く設定されている)に排水トラップ13を設け、周囲
に向かってほぼ3/100の勾配を円錐状に設けた。
又、成形時の金型1の温度は、上型が135℃、下型が
150℃となるように設定した。
【0036】本実施例における加飾用シート2は、秤量
80g /m2 のチタン紙(興人社製)にグラビア印刷機
により絵柄模様を印刷し、ジアレルフタレート樹脂(ダ
イソー社製)を80g /m2 含浸させ、乾燥させたもの
を用いた。
80g /m2 のチタン紙(興人社製)にグラビア印刷機
により絵柄模様を印刷し、ジアレルフタレート樹脂(ダ
イソー社製)を80g /m2 含浸させ、乾燥させたもの
を用いた。
【0037】上記加飾用シート2の絵柄模様の印刷面
を、上下反転された状態の真空吸着盤4の弾性体44の
上に均一に広げて供給し、−600mmHgまで減圧
し、加飾用シート2を弾性体44の表面にしわの発生な
く密着させた。
を、上下反転された状態の真空吸着盤4の弾性体44の
上に均一に広げて供給し、−600mmHgまで減圧
し、加飾用シート2を弾性体44の表面にしわの発生な
く密着させた。
【0038】続いて、加飾用シート2が下面になるよう
に、真空吸着盤4を反転させ、図2に示すような状態よ
り、図4に示すように、下型12に向かって降下させ、
所定の位置合わせを行うとともに、両側のエアシリンダ
ー6を作動させて弾性体44の外周側を降下させ、加飾
用シート2を下型の表面に位置ずれなく、均一に、しわ
の発生がないように密着させた。
に、真空吸着盤4を反転させ、図2に示すような状態よ
り、図4に示すように、下型12に向かって降下させ、
所定の位置合わせを行うとともに、両側のエアシリンダ
ー6を作動させて弾性体44の外周側を降下させ、加飾
用シート2を下型の表面に位置ずれなく、均一に、しわ
の発生がないように密着させた。
【0039】以上の操作が完了した後、真空吸着盤4の
吸引を終了するとともに、別途に圧縮空気を送り込ん
で、加飾用シート2を下型12の表面にほぼ0.2kg
/cm 2 の圧力で押し付けて密着状態とした。
吸引を終了するとともに、別途に圧縮空気を送り込ん
で、加飾用シート2を下型12の表面にほぼ0.2kg
/cm 2 の圧力で押し付けて密着状態とした。
【0040】引き続いて、成形用の熱硬化性樹脂である
SMC3を必要量計量し、上記加飾用シート2の上面
に、図1に示すように、周囲よりはみ出さないように供
給し、上型11を降下させるとともに、100kg/c
m2 の圧力で加圧・加熱して成形を完了した。
SMC3を必要量計量し、上記加飾用シート2の上面
に、図1に示すように、周囲よりはみ出さないように供
給し、上型11を降下させるとともに、100kg/c
m2 の圧力で加圧・加熱して成形を完了した。
【0041】この結果は、外観表面に加飾用シート2の
皺、絵柄模様の位置ずれがなく、又、SMC3の加飾用
シート2上への流れ込みがなく、外観品質が優れた成形
品を得ることができた。
皺、絵柄模様の位置ずれがなく、又、SMC3の加飾用
シート2上への流れ込みがなく、外観品質が優れた成形
品を得ることができた。
【0042】請求項2記載の本発明の加飾成形品の製造
における、加飾用シート2の下型12への供給は、以下
に詳述するようにして行われる。この加飾用シート2の
下型12への供給は、上記実施例と同様、図5に示すよ
うな、下型12の上面に装着された真空吸着盤7を用い
て行われる。
における、加飾用シート2の下型12への供給は、以下
に詳述するようにして行われる。この加飾用シート2の
下型12への供給は、上記実施例と同様、図5に示すよ
うな、下型12の上面に装着された真空吸着盤7を用い
て行われる。
【0043】本実施例も、上記実施例と同様に、真空吸
着盤7により加飾用シート(図示しない)を吸着し、続
いて下型22の所定位置に供給した後、吸着を解除する
とともに、上記真空吸着盤7に複数内蔵された押圧ロー
ラ72、72、・・・を転動させさせながら加飾用シー
トを押圧し、下型22表面に均一に密着させることによ
り行われる。
着盤7により加飾用シート(図示しない)を吸着し、続
いて下型22の所定位置に供給した後、吸着を解除する
とともに、上記真空吸着盤7に複数内蔵された押圧ロー
ラ72、72、・・・を転動させさせながら加飾用シー
トを押圧し、下型22表面に均一に密着させることによ
り行われる。
【0044】上記真空吸着盤7には、フレーム71が複
数に仕切られて設けられ、その仕切り間に複数の押圧ロ
ーラ72が装備されている。この押圧ローラ72の下端
には、ローラ72aがそれぞれに設けられ、このローラ
72aの上方には、エアシリンダー72bが装着され、
各部のローラ72aを一斉に作動させたり、又、必要箇
所のみ作動させることが可能となっている。
数に仕切られて設けられ、その仕切り間に複数の押圧ロ
ーラ72が装備されている。この押圧ローラ72の下端
には、ローラ72aがそれぞれに設けられ、このローラ
72aの上方には、エアシリンダー72bが装着され、
各部のローラ72aを一斉に作動させたり、又、必要箇
所のみ作動させることが可能となっている。
【0045】本実施例においても、防水パンの成形型に
装着し、基本的に上記実施例と同様にして成形加工を行
った。この実施例においては、加飾用シートを下型22
へ密着させるために、弾性体8の真空引き作業を終了し
て常圧に戻した後、上記押圧ローラ72を加飾用シート
の幅方向に均等に作動させ、又、最終段階では、両端側
の押圧ローラ72のみを作動させて、下型22への加飾
用シートを均一に密着させた。
装着し、基本的に上記実施例と同様にして成形加工を行
った。この実施例においては、加飾用シートを下型22
へ密着させるために、弾性体8の真空引き作業を終了し
て常圧に戻した後、上記押圧ローラ72を加飾用シート
の幅方向に均等に作動させ、又、最終段階では、両端側
の押圧ローラ72のみを作動させて、下型22への加飾
用シートを均一に密着させた。
【0046】引き続いて、成形用の熱硬化性樹脂である
SMCを必要量計量し、上記加飾用シートの上面に周囲
よりはみ出さないように供給し、上型(図示しない)を
降下させるとともに、100kg/cm2 の圧力で5分
間加圧・加熱して成形を完了した。
SMCを必要量計量し、上記加飾用シートの上面に周囲
よりはみ出さないように供給し、上型(図示しない)を
降下させるとともに、100kg/cm2 の圧力で5分
間加圧・加熱して成形を完了した。
【0047】この結果は、外観表面に加飾用シートの
皺、絵柄模様の位置ずれがなく、又、SMCの加飾用シ
ート上への流れ込みがなく、外観品質が優れた成形品を
得ることができた。
皺、絵柄模様の位置ずれがなく、又、SMCの加飾用シ
ート上への流れ込みがなく、外観品質が優れた成形品を
得ることができた。
【0048】請求項3記載の加飾成形品の製造方法に基
づく実施例を、図6、及び図7を参照して以下に説明す
る。
づく実施例を、図6、及び図7を参照して以下に説明す
る。
【0049】模様付シートは、秤量80g/m2 のチタ
ン紙(興人社製)にグラビア印刷機にて絵柄模様を印刷
し、ジアリルフタレート樹脂(ダイソー社製)を80g
/m 2 含浸させ、乾燥させて得た。
ン紙(興人社製)にグラビア印刷機にて絵柄模様を印刷
し、ジアリルフタレート樹脂(ダイソー社製)を80g
/m 2 含浸させ、乾燥させて得た。
【0050】本実施例においては、ユニットバスの防水
パン用の金型を用いた。この下型は、中央部の排水トラ
ップの取付部分が一番高く(緩やかな山形形状)、周辺
に向かって3/100の傾斜勾配が円錐状についた形状
をしてる。尚、加飾部分は950mm×950mmであ
る。
パン用の金型を用いた。この下型は、中央部の排水トラ
ップの取付部分が一番高く(緩やかな山形形状)、周辺
に向かって3/100の傾斜勾配が円錐状についた形状
をしてる。尚、加飾部分は950mm×950mmであ
る。
【0051】金型温度は、上型が135℃、下型が15
0℃に設定した。図6に示す真空吸着装置30の真空吸
着盤31は、幅150mm、長さ150mm、高さ50
mmの立方体のものを、10mmの間隔を設けて、縦、
横方向に6列に配列した。この真空吸着盤31の表面
に、下型の傾斜勾配に合わせた表面形状を有する15m
m平均厚さの弾性体であるシリコンゴム32を貼り付
け、この表面に直径1mmの吸着用孔を10mm間隔で
穿設した。
0℃に設定した。図6に示す真空吸着装置30の真空吸
着盤31は、幅150mm、長さ150mm、高さ50
mmの立方体のものを、10mmの間隔を設けて、縦、
横方向に6列に配列した。この真空吸着盤31の表面
に、下型の傾斜勾配に合わせた表面形状を有する15m
m平均厚さの弾性体であるシリコンゴム32を貼り付
け、この表面に直径1mmの吸着用孔を10mm間隔で
穿設した。
【0052】図6に示す(天地を逆に反転させた状態
の)上記真空吸着装置30の真空吸着盤31の上に加飾
用シート33の印刷面側を下にして載置し、−600m
mHgまで減圧して真空吸着盤31に密着させた。この
時、真空吸着盤31は常温状態にあるから、加飾用シー
ト33は、含浸樹脂が溶け出すようなことなく、しわの
発生なく均一に真空吸着盤31の表面に密着させること
ができた。
の)上記真空吸着装置30の真空吸着盤31の上に加飾
用シート33の印刷面側を下にして載置し、−600m
mHgまで減圧して真空吸着盤31に密着させた。この
時、真空吸着盤31は常温状態にあるから、加飾用シー
ト33は、含浸樹脂が溶け出すようなことなく、しわの
発生なく均一に真空吸着盤31の表面に密着させること
ができた。
【0053】次いで、加飾用シート33が吸着された上
記真空吸着装置30を反転させ、図7に示すように、下
型40の所定位置まで移動させ、嵌合による真空吸着装
置30と下型40との位置合わせを行い、下型の最も高
い位置にある中央部と加飾用シート33が接触する位置
まで真空吸着盤31を降下させた。
記真空吸着装置30を反転させ、図7に示すように、下
型40の所定位置まで移動させ、嵌合による真空吸着装
置30と下型40との位置合わせを行い、下型の最も高
い位置にある中央部と加飾用シート33が接触する位置
まで真空吸着盤31を降下させた。
【0054】続いて、中央部から周囲の真空吸着盤31
にかけて、それぞれのの真空吸着盤31を降下させ、そ
れぞれの真空吸着盤31を100gr/cm2 の押圧力
で加圧し、加飾用シート33を下型40の表面に、しわ
の発生がなく、均一に密着させた。
にかけて、それぞれのの真空吸着盤31を降下させ、そ
れぞれの真空吸着盤31を100gr/cm2 の押圧力
で加圧し、加飾用シート33を下型40の表面に、しわ
の発生がなく、均一に密着させた。
【0055】SMCを必要量計量し、上記加飾用シート
33からはみ出さないようにその上に置き、100kg
/cm2 で5分間加熱し、成形された加飾成形品を下型
より取り出した。得られた加飾成形品は、しわ、位置ず
れ、SMCのシート周縁上への流れ込みがなく、外観品
質が優れたものであった。
33からはみ出さないようにその上に置き、100kg
/cm2 で5分間加熱し、成形された加飾成形品を下型
より取り出した。得られた加飾成形品は、しわ、位置ず
れ、SMCのシート周縁上への流れ込みがなく、外観品
質が優れたものであった。
【0056】更に、図8〜図10に示す装置を用いて、
ユニットバスの防水パン用の金型を用いた模様付防水パ
ンを試作したので、以下に詳述する。本実施例において
は、模様付シート83は、秤量80g/m2 のチタン紙
(興人社製)にグラビア印刷機にて絵柄模様を印刷し、
ジアリルフタレート樹脂(ダイソー社製)を80g/m
2 含浸させ、乾燥させて得た。
ユニットバスの防水パン用の金型を用いた模様付防水パ
ンを試作したので、以下に詳述する。本実施例において
は、模様付シート83は、秤量80g/m2 のチタン紙
(興人社製)にグラビア印刷機にて絵柄模様を印刷し、
ジアリルフタレート樹脂(ダイソー社製)を80g/m
2 含浸させ、乾燥させて得た。
【0057】金型の下型86は、中央部の排水トラップ
の取付部分が一番高く(緩やかな山形形状)、周辺に向
かって3/100の傾斜勾配が円錐状についた形状をし
てる。又、下型86にはガイドピン87(直径70m
m、長さ200mm)を取り付けた。尚、加飾部分は9
50mm×950mmである。金型温度は、上型が13
5℃、下型が150℃に設定した。
の取付部分が一番高く(緩やかな山形形状)、周辺に向
かって3/100の傾斜勾配が円錐状についた形状をし
てる。又、下型86にはガイドピン87(直径70m
m、長さ200mm)を取り付けた。尚、加飾部分は9
50mm×950mmである。金型温度は、上型が13
5℃、下型が150℃に設定した。
【0058】真空吸着装置の真空吸着盤84は、幅15
0mm、長さ150mm、高さ50mmの立方体のもの
を36個製作し、10mmの間隔を設けて、縦、横方向
に6列に配列した。この真空吸着盤84の表面に、下型
86の傾斜勾配に合わせた表面形状を有する15mm平
均厚さの弾性体であるシリコンゴムを貼り付け、この表
面に直径1mmの吸着用孔を10mm間隔で穿設した。
又、位置決め孔85が設けられたガイドを吸着盤の外周
の対角方向に2箇所設けた。
0mm、長さ150mm、高さ50mmの立方体のもの
を36個製作し、10mmの間隔を設けて、縦、横方向
に6列に配列した。この真空吸着盤84の表面に、下型
86の傾斜勾配に合わせた表面形状を有する15mm平
均厚さの弾性体であるシリコンゴムを貼り付け、この表
面に直径1mmの吸着用孔を10mm間隔で穿設した。
又、位置決め孔85が設けられたガイドを吸着盤の外周
の対角方向に2箇所設けた。
【0059】加飾用シートの載置台81はステンレス鋼
製で、金型ガイドピンと同様の位置に、ガイドピン82
(直径70mm、長さ200mm)を取り付けた。尚、
表面には位置決めのためのけがき線を引いた。
製で、金型ガイドピンと同様の位置に、ガイドピン82
(直径70mm、長さ200mm)を取り付けた。尚、
表面には位置決めのためのけがき線を引いた。
【0060】上記真空吸着装置の真空吸着盤84の上に
加飾用シート83の印刷面側を下にして載置し、上記け
がき線に合わせて加飾用シート83の載置台81の上に
置き、真空吸着盤84の位置決め孔85を加飾用シート
83の載置台81のガイドピン82に嵌合させて位置合
わせを行った。続いて、−600mmHgまで減圧し
て、加飾用シート83を真空吸着盤84に密着させた。
この時、真空吸着盤84は常温状態にあるから、加飾用
シート83は、含浸樹脂が溶け出すようなことなく、し
わの発生なく均一に真空吸着盤84の表面に密着させる
ことができた。
加飾用シート83の印刷面側を下にして載置し、上記け
がき線に合わせて加飾用シート83の載置台81の上に
置き、真空吸着盤84の位置決め孔85を加飾用シート
83の載置台81のガイドピン82に嵌合させて位置合
わせを行った。続いて、−600mmHgまで減圧し
て、加飾用シート83を真空吸着盤84に密着させた。
この時、真空吸着盤84は常温状態にあるから、加飾用
シート83は、含浸樹脂が溶け出すようなことなく、し
わの発生なく均一に真空吸着盤84の表面に密着させる
ことができた。
【0061】次に、加飾用シート83を金型86の所定
位置(絵付け位置)に移動し、金型のガイドピン87と
真空吸着盤84の位置決め孔85を嵌め合わせて位置決
めし、金型86の上面の中央部の最も高い位置まで真空
吸着盤84を降下させた。その後、中央より周囲にかけ
て順にそれぞれの真空吸着盤84を降下させ、加飾用シ
ート83を金型86の上面に均一に、しわがよることな
くセットした。この時、それぞれの真空吸着盤84を1
00gr/cm2 の圧力で金型86の上面に押圧させ
た。
位置(絵付け位置)に移動し、金型のガイドピン87と
真空吸着盤84の位置決め孔85を嵌め合わせて位置決
めし、金型86の上面の中央部の最も高い位置まで真空
吸着盤84を降下させた。その後、中央より周囲にかけ
て順にそれぞれの真空吸着盤84を降下させ、加飾用シ
ート83を金型86の上面に均一に、しわがよることな
くセットした。この時、それぞれの真空吸着盤84を1
00gr/cm2 の圧力で金型86の上面に押圧させ
た。
【0062】SMCを必要量計量し、上記加飾用シート
33からはみ出さないようにその上に置き、100kg
/cm2 で5分間加熱し、成形された加飾成形品を下型
より取り出した。得られた加飾成形品は、しわ、位置ず
れ、SMCのシート周縁上への流れ込みがなく、外観品
質が優れたものであった。
33からはみ出さないようにその上に置き、100kg
/cm2 で5分間加熱し、成形された加飾成形品を下型
より取り出した。得られた加飾成形品は、しわ、位置ず
れ、SMCのシート周縁上への流れ込みがなく、外観品
質が優れたものであった。
【0063】
【発明の効果】請求項1記載の本発明の加飾成形品の製
造方法においては、加飾用シートの下型への供給に際
し、表面が弾性体により形成された真空吸着盤により加
飾用シートを吸着し、続いて下型の所定位置に供給した
後、吸着を解除するとともに、上記弾性体を膨張させて
加飾用シートを押圧し、下型表面に均一に密着させるこ
とにより、加飾用シートが金型の所定位置に正確に、し
かもしわの発生がなく密着されて供給され、外観品質が
優れた加飾成形品を得ることができる。
造方法においては、加飾用シートの下型への供給に際
し、表面が弾性体により形成された真空吸着盤により加
飾用シートを吸着し、続いて下型の所定位置に供給した
後、吸着を解除するとともに、上記弾性体を膨張させて
加飾用シートを押圧し、下型表面に均一に密着させるこ
とにより、加飾用シートが金型の所定位置に正確に、し
かもしわの発生がなく密着されて供給され、外観品質が
優れた加飾成形品を得ることができる。
【0064】請求項2記載の本発明の加飾成形品の製造
方法においては、加飾用シートの下型への供給に際し、
表面が弾性体により形成された真空吸着盤により加飾用
シートを吸着し、続いて下型の所定位置に供給した後、
吸着を解除するとともに、上記真空吸着盤に内蔵された
押圧ローラを転動させながら加飾用シートを押圧し、下
型表面に均一に密着させることにより、加飾用シートが
金型の所定位置に正確に、しかもしわの発生がなく密着
されて供給され、外観品質が優れた加飾成形品を得るこ
とができる。
方法においては、加飾用シートの下型への供給に際し、
表面が弾性体により形成された真空吸着盤により加飾用
シートを吸着し、続いて下型の所定位置に供給した後、
吸着を解除するとともに、上記真空吸着盤に内蔵された
押圧ローラを転動させながら加飾用シートを押圧し、下
型表面に均一に密着させることにより、加飾用シートが
金型の所定位置に正確に、しかもしわの発生がなく密着
されて供給され、外観品質が優れた加飾成形品を得るこ
とができる。
【0065】請求項3記載の本発明の加飾成形品の製造
方法においては、加飾用シートの下型への供給に際し、
真空吸着装置の複数に分割して設けられた真空吸着盤に
加飾用シートを吸着させた上、周縁に向かって傾斜勾配
が設けられた下型の所定位置に降下させて位置合わせを
行い、吸着を解除するとともに、上記真空吸着盤により
加圧して、加飾用シートを下型の表面に密着させるよう
にしたので、加飾用シートが金型の所定位置に正確に、
短時間で、しかもしわの発生がなく密着されて供給さ
れ、外観品質が優れた加飾成形品を得ることができる。
従って、加飾付成形品の製造方法として好適に用いられ
る。
方法においては、加飾用シートの下型への供給に際し、
真空吸着装置の複数に分割して設けられた真空吸着盤に
加飾用シートを吸着させた上、周縁に向かって傾斜勾配
が設けられた下型の所定位置に降下させて位置合わせを
行い、吸着を解除するとともに、上記真空吸着盤により
加圧して、加飾用シートを下型の表面に密着させるよう
にしたので、加飾用シートが金型の所定位置に正確に、
短時間で、しかもしわの発生がなく密着されて供給さ
れ、外観品質が優れた加飾成形品を得ることができる。
従って、加飾付成形品の製造方法として好適に用いられ
る。
【図1】本発明の加飾付成形品の製造方法における成形
型(金型)の一例を示す断面図。
型(金型)の一例を示す断面図。
【図2】請求項1記載の本発明の加飾付成形品の製造工
程の一例を示す側面図。
程の一例を示す側面図。
【図3】図1に示す成形型(金型)の下型の上面図。
【図4】請求項1記載の本発明の加飾付成形品の製造工
程の一例を示す側面図。
程の一例を示す側面図。
【図5】請求項2記載の本発明の加飾付成形品の製造工
程の一例を示す側面図。
程の一例を示す側面図。
【図6】請求項3記載の本発明の加飾付成形品の製造方
法に用いられる真空吸着装置の一例を示す側面図。
法に用いられる真空吸着装置の一例を示す側面図。
【図7】請求項3記載の本発明の加飾付成形品の製造工
程の一例を示す側面図。
程の一例を示す側面図。
【図8】請求項3記載の本発明の加飾付成形品の製造工
程の他の例を示す側面図。
程の他の例を示す側面図。
【図9】請求項3記載の本発明の加飾付成形品の製造工
程の他の例を示す側面図。
程の他の例を示す側面図。
【図10】請求項3記載の本発明の加飾付成形品の製造
工程の他の例を示す側面図。
工程の他の例を示す側面図。
1 金型 11 上型 12、22 下型 2、33 加飾用シート 3 熱硬化性樹脂(SMC) 4、7 真空吸着盤 41、71 フレーム 42 支持体 43 中桟 44、8 弾性体 5 真空ポンプ 51 ホース 6、72b エアシリンダー 72 押圧ローラ 72a ローラ 7 30 真空吸着装置 31 真空吸着盤 32 弾性体(シリコンゴム) 40 下型(金型) 81 シート載置台 82、87 ガイドピン 83 加飾用シート 84 真空吸着盤 85 位置決め孔 86 金型
Claims (3)
- 【請求項1】 熱硬化性樹脂が含浸された加飾用シート
を、上型と下型よりなる金型の下型にその表面側を下に
して供給し、続いて成形品本体成形用の熱硬化性樹脂材
料を上記加飾用シートの上面より供給し、上型を閉型し
て加熱・加圧成形する加飾成形品の製造方法において、 上記加飾用シートの下型への供給に際し、表面が弾性体
により形成された真空吸着盤により加飾用シートを吸着
し、続いて下型の所定位置に供給した後、吸着を解除す
るとともに、上記弾性体を膨張させて加飾用シートを押
圧し、下型表面に均一に密着させることを特徴とする加
飾成形品の製造方法。 - 【請求項2】 熱硬化性樹脂が含浸された加飾用シート
を、上型と下型よりなる金型の下型にその表面側を下に
して供給し、続いて成形品本体成形用の熱硬化性樹脂材
料を上記加飾用シートの上面より供給し、上型を閉型し
て加熱・加圧成形する加飾成形品の製造方法において、 上記加飾用シートの下型への供給に際し、表面が弾性体
により形成された真空吸着盤により加飾用シートを吸着
し、続いて下型の所定位置に供給した後、吸着を解除す
るとともに、上記真空吸着盤に内蔵された押圧ローラを
転動させながら加飾用シートを押圧し、下型表面に均一
に密着させることを特徴とする加飾成形品の製造方法。 - 【請求項3】 熱硬化性樹脂が含浸された加飾用シート
を、上型と下型よりなる金型の下型にその表面側を下に
して供給し、続いて成形品本体成形用の熱硬化性樹脂材
料を上記加飾用シートの上面より供給し、上型を閉型し
て加熱・加圧成形する加飾成形品の製造方法において、 上記加飾用シートの下型への供給に際し、真空吸着装置
の複数に分割して設けられた真空吸着盤に加飾用シート
を吸着させた上、周縁に向かって傾斜勾配が設けられた
下型の所定位置に降下させて位置合わせを行い、吸着を
解除するとともに、上記真空吸着盤により加圧して、加
飾用シートを下型の表面に密着させることを特徴とする
加飾成形品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24196196A JPH1067024A (ja) | 1996-06-21 | 1996-09-12 | 加飾成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8-161863 | 1996-06-21 | ||
JP16186396 | 1996-06-21 | ||
JP24196196A JPH1067024A (ja) | 1996-06-21 | 1996-09-12 | 加飾成形品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1067024A true JPH1067024A (ja) | 1998-03-10 |
Family
ID=26487827
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24196196A Pending JPH1067024A (ja) | 1996-06-21 | 1996-09-12 | 加飾成形品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1067024A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007085055A (ja) * | 2005-09-21 | 2007-04-05 | Yamaha Livingtec Corp | フロア材 |
JP2016055519A (ja) * | 2014-09-09 | 2016-04-21 | ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company | フレキシブル材料移動装置、フレキシブル真空圧縮装置、フレキシブル真空チャック、並びにこれらを含むシステム及び方法 |
-
1996
- 1996-09-12 JP JP24196196A patent/JPH1067024A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007085055A (ja) * | 2005-09-21 | 2007-04-05 | Yamaha Livingtec Corp | フロア材 |
JP2016055519A (ja) * | 2014-09-09 | 2016-04-21 | ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company | フレキシブル材料移動装置、フレキシブル真空圧縮装置、フレキシブル真空チャック、並びにこれらを含むシステム及び方法 |
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