JPH1065316A - 2層フレキシブル基板の製造方法 - Google Patents

2層フレキシブル基板の製造方法

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JPH1065316A
JPH1065316A JP22270696A JP22270696A JPH1065316A JP H1065316 A JPH1065316 A JP H1065316A JP 22270696 A JP22270696 A JP 22270696A JP 22270696 A JP22270696 A JP 22270696A JP H1065316 A JPH1065316 A JP H1065316A
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JP
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substrate
layer
film
copper
thickness
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JP22270696A
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Takehiko Sakurada
毅彦 桜田
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、絶縁性フィルム上に設けられ
た乾式メッキ被膜を一層とし、その上に厚さ5〜18μ
m前後の極めて薄い銅導体被膜を形成した場合であって
もピンホールによる配線の欠陥が生じることがなく、安
価に2層フレキシブル基板を得る方法の提供を課題とす
る。 【解決手段】 絶縁体フィルムの片面または両面に接着
剤を介さずに厚さ50〜200オングストロームの下地
金属層をニッケル、クロム、クロム酸化物の少なくとも
1種を用いて乾式メッキ法により形成し、下地金属層を
形成した後の基板をヒドラジン濃度0.5〜4mol/
リットルとエチレンジアミン濃度0.5〜2mol/リ
ットルとを含む溶液で処理し、その処理後の基板表面に
無電解銅メッキを0.01μm以上の厚さに形成し、さ
らに該無電解銅メッキ被膜上に5〜18μmの厚さの銅
の導体層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は2層フレキシブル基
板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フレキシブル配線板用の基板としては絶
縁性フィルムに接着剤を用いて厚さ35μm程度の銅箔
を貼り合わせた3層フレキシブル基板と、該絶縁性フィ
ルム上に直接下地金属層を設けた2層フレキシブル基板
に大別される。
【0003】3層フレキシブル基板を用いる場合にはサ
ブトラクティブ法によって所望の配線パターンを形成し
て3層フレキシブル配線板が製造され、2層フレキシブ
ル基板を用いる場合には、サブトラクティブ法あるいは
アディティブ法によって所望の配線パターンを形成して
2層フレキシブル配線板が製造される。一般には製造工
程が簡素で、低コストで製造できる3層フレキシブル配
線板が主流となっている。
【0004】ところで、近年の電子機器の高密度化にと
もなってフレキシブル配線板の配線幅も狭ピッチなもの
が求められてきている。しかし、3層フレキシブル配線
板の場合、エッチングによる配線部の形成に際して、サ
イドエッチングを生じるために断面形状は裾広がりの台
形となる。よって、配線間の電気的絶縁性を確保するま
でエッチングを行うと配線ピッチは広くならざるを得
ず、厚さ35μmの銅箔を用いる限り狭ピッチ化には限
度があった。
【0005】このため、厚さ18μm以下の可能な限り
薄い銅箔を用い、サイドエッチングによる裾広がりを小
さくして狭ピッチ化を図る試みがなされている。しか
し、数μm厚さの銅箔は、それ自体の剛性が小さいため
搬送などのハンドリング性が悪く、アルミニウムキャリ
アに銅箔を張り合わせて剛性を高くしなければならな
い。加えて、銅箔と絶縁性フィルムとを張り合わせた
後、アルミニウムキャリアを除去しなければならないと
いう問題がある。さらに、このような薄い銅箔では膜厚
のばらつきやピンホールや亀裂などの被膜欠陥が増加す
るという問題もある。
【0006】また、銅箔の厚さが薄くなるほど銅箔自体
の製造も難しく価格も高くなり、したがって薄い銅箔を
使用する3層フレキシブル配線板も割高とならざるを得
ない。この結果、3層フレキシブル配線板の長所である
低価格性が失われることになる。
【0007】さらに、最近に至り銅厚が10数μm以
下、数μm程度でなくては製造できないような狭ピッチ
配線幅のフレキシブル基板の要求が高まってきいてお
り、3層フレキシブル配線板ではこの要求をかなえるこ
とが困難となってきている。
【0008】そこで2層フレキシブル配線板がより注目
され始めている。この2層フレキシブルプリント配線板
を得るのに使用する2層フレキシブル基板は、接着剤を
施すことなく直接に絶縁体フィルム上に銅被膜を形成す
るので基板全体を薄くできる上に、基板上に形成する銅
被膜の厚さも任意に調整することができるからである。
【0009】この2層フレキシブル基板は、絶縁性フィ
ルム上に乾式あるいは湿式メッキ法により極めて薄い銅
被膜を形成させるものであるが、市場に流通しているも
のはほとんどが乾式メッキ法により銅被膜を施した物で
ある。
【0010】一般に絶縁性フィルム表面に直接銅被膜を
施した場合、絶縁性フィルムと銅被膜との密着性が悪
い。このため、一般に絶縁性フィルム上にクロム、クロ
ム酸化物、ニッケルなどの銅以外の金属を下地金属層と
して50〜200オングストローム程度の厚さに被着さ
せ、その後、この下地金属層の上に銅被膜を形成させる
ことが行われる。この結果、金属被膜層と絶縁性フィル
ムの間の密着性は高めるられる。
【0011】ところで、乾式メッキ法により設けられる
下地金属層は50〜200オングストロームの厚さであ
り、その上の銅被膜は通常0.01〜0.25μm程度
の厚さである。これらの厚さでは、設けられる被膜には
多数のピンホールが存在し、それらの部分では絶縁性フ
ィルムが露出している部分もある。
【0012】これを避けるため、下地金属層に直接電気
銅メッキを厚付けしようとすると、下地金属層は前述し
たように50〜200オングストロームの厚さしかない
ので、硫酸銅などの強酸性の電気メッキ液に浸漬して電
流を通電した場合に下地金属層が溶解され、該絶縁体フ
ィルムが露出し電気メッキが不能となるという問題もあ
る。
【0013】従来は、配線の形成に必要な銅による導電
被膜の厚みは15〜35μmとされており、このような
かなりの厚さの銅被膜を電気銅メッキ法で得る場合に
は、銅被膜は基板に対して垂直方向だけでなく、水平方
向にも成長するので、金属被膜層のピンホールは電気銅
メッキ被膜によって埋まり、ピンホールの存在による配
線部の欠陥は生じる事はない。
【0014】しかし、本発明の目的とするような狭ピッ
チの配線を得ようとすれば、配線部形成のための銅被膜
の厚みは、10μm以下、例えば5μm程度と、上記の
厚みよりかなり薄くする必要がある。よって、電気銅メ
ッキ法により銅被膜を形成した場合に被膜の水平方向へ
の成長が足りずにピンホールを埋める事ができないので
配線部の欠陥などの問題を起こし易いと言う問題があ
る。
【0015】例えば、サブトラクティブ法により配線形
成を行う場合には、(1)絶縁性フィルム上に所望の厚さ
の銅被膜を形成し、(2)該銅被膜上に配線部のみがマス
キングされ、それ以外の部分における銅被膜が露出する
ように所望の配線パターンを有するレジスト層を設け、
(3)露出している該銅被膜をエッチング除去し、(4)最後
に該レジスト層を除去することによって行われている。
【0016】従って、前述したような銅被膜が薄い場合
には、ピンホールが配線部にかかっていれば、配線部は
ピンホールの位置で欠ける事になり配線欠陥となるばか
りか配線の密着不良を招く原因となりやすい。
【0017】そこで、絶縁性フィルム上に下地金属層と
薄い銅被膜を乾式メッキ法で施して得た基板にさらに無
電解銅メッキを施してピンホールを皆無にする方法が提
案された。この方法に従えば、2層フレキシブル基板と
しての機能面では非常に優れたものを製造できるが、乾
式メッキを2回繰り返すためにコストが割高となってい
る。
【0018】現在要望されている狭ピッチ配線の配線幅
は40μm程度で、その1/3の幅が欠けの許容の目安
とされる。よって、数μm程度のピンホールですら、用
途によっては実用上問題となる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、絶縁性フィ
ルム上に設けられた乾式メッキ被膜を下地金属層とし、
その上に厚さ5〜18μm前後の極めて薄い銅導体被膜
を形成した場合であってもピンホールによる配線の欠陥
が生じることのない2層フレキシブル基板の製造方法の
提供を課題とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記課題を解
決するための本発明の方法は、絶縁性フィルムの片面ま
たは両面に接着剤を介さずに下地金属層を形成し、この
下地金属層上に無電解メッキにより銅導体層を中間層と
して形成し、次いで所望の厚さになるように銅層を設け
る2層フレキシブル基板の製造方法において、下地金属
層をニッケル、クロム、クロム酸化物の少なくとも1種
を用いて乾式メッキ法により形成し、下地金属層を形成
した後の絶縁性フィルムを有機アルカリ溶液で処理し、
その処理後の絶縁性フィルム表面に無電解銅メッキを
0.01μm以上の厚さに形成し、さらに該無電解銅メ
ッキ被膜上に5〜18μmの厚さの銅層を形成するもの
である。
【0021】本発明の方法をさらに具体的に説明する
と、下地金属層の厚さは50〜200オングストローム
でよく、乾式メッキ法として用いることのできるものに
蒸着法、スパッタリング法などがある。
【0022】下地金属層に存在するピンホール部分で露
出する絶縁性フィルム表面を、例えばヒドラジンおよび
エチレンジアミンの混合溶液のような有機アルカリ溶液
によって処理して親水化する。次に基板全体に無電解メ
ッキのための触媒付与処理を行う事によって、親水化さ
れている絶縁体フィルム表面と下地金属表面に触媒を付
与し、次いで無電解銅メッキ法によって絶縁性フィルム
面と下地金属層面とに無電解銅被膜を形成することで金
属層の厚みを増加させる。このようにして次工程での電
気銅メッキ液下での通電に際しても金属層が溶解するこ
と無く容易に5〜18μm程度の健全な電気銅メッキ被
膜を得ることができる。
【0023】なお、本発明で基板の親水化処理を行うに
際しての有機アルカリ溶液の濃度は、例えば、ヒドラジ
ンとエチレンジアミン混合溶液を用いる場合には、ヒド
ラジンの濃度は0.5〜4モル/リットル、エチレンジ
アミンの濃度は0.5〜2モル/リットルとすることが
好ましい。この範囲の濃度の溶液を用いることでもっと
も密着力の良好な無電解メッキ被膜を得ることが可能と
なるからである。
【0024】その他の諸条件は使用されるアルカリ溶液
の濃度により異なるため、用いる濃度に応じて予め実験
により定めておくことが好ましい。
【0025】また、使用される触媒付与溶液は、酸性の
パラジウム−錫のコロイド溶液やアルカリ性のパラジウ
ム錯体溶液、あるいは錫を含まない酸性パラジウム溶液
など一般に用いられる物で差し支えない。触媒を付与す
る方法は特に限定されるものではないが、無電解メッキ
法の前処理として一般的なセンシタイジング・アクチベ
ーション法やキャタリスト・アクセレーター法などが簡
便であり、状況に応じて適宜選択してかまわない。
【0026】また触媒付与の前処理は、特に限定はしな
いが乾式メッキ被膜と無電解銅メッキ被膜との密着性を
得るために脱脂等の前処理を適宜取り入れることが好ま
しい。しかしながら、前処理によって下地金属層が溶解
するような条件は避けることが賢明である。
【0027】本発明で無電解銅メッキ被膜上に銅層を設
ける方法としては、電解銅メッキ法によることが、緻密
な導体層を得るためには好ましい。このための電気銅メ
ッキ法としては一般的な方法が適用できる。
【0028】
【発明の実施の形態】次に、本発明の詳細及びその作用
について具体的に説明する。
【0029】ポリイミドなどの絶縁体フィルム上に例え
ば100オングストローム程度のニッケル、クロム、ク
ロム酸化物などからなるの被膜を下地金属層として乾式
メッキ法により形成した基板の表面をヒドラジンとエチ
レンジアミンの混合溶液のような有機アルカリ溶液によ
って処理すれば、下地金属層のピンホール部分で露出し
ている絶縁体フィルムの表面は親水化される。
【0030】次いで無電解メッキ法で行われている触媒
付与を行えば、親水化された絶縁体フィルム上と下地金
属層表面に触媒が付与される。そして、このように触媒
が付与されたものを所定の条件で例えば無電解銅メッキ
に浸漬すれば、ピンホール部分を含めた全面に無電解銅
メッキ被膜が形成される。
【0031】このように親水化した絶縁体フィルム表面
とニッケル表面上に新たに銅被膜を形成することでピン
ホールをなくすことができ、また金属層の厚みを増加さ
せることができる。この結果、その後に硫酸銅メッキを
用いた電気銅メッキを行った場合においても下地金属層
の溶解を起こすことなく全面に電気銅メッキ層を設ける
ことができる。
【0032】電気銅メッキ法によって5〜18μm程度
の厚さの銅導体層を形成した後、従来法に従って該銅導
体層上に所望の配線パターンを有するレジスト層を形成
し、該銅導体層の露出部分をエッチングにより除去し、
その後該レジスト層を剥離除去すれば配線の欠けや断線
などの欠陥のない導体厚さ5〜18μm程度の2層フレ
キシブル配線板が得られる。
【0033】本発明の触媒付与法に用いる触媒活性金属
種としては、無電解メッキ液に含まれる錯体化された金
属イオン種より電位的に貴であれば良い。例えば、金、
白金、銀、パラジウムなどが使用できる。しかし、簡便
さを考慮すれば触媒付与液として広く市販されているパ
ラジウム系のものを使用することが望ましい。
【0034】本発明において使用する無電解メッキ液の
種類は、触媒として触媒活性金属種を用いているので、
メッキ液に含まれる金属イオンの種類が金、銀、白金、
パラジウム、銅、ニッケル、コバルト、クロムなどの自
己触媒性を有するものであり、ヒドラジン、ホスフィン
酸ナトリウム、ホルマリンなどの還元剤により還元され
金属析出する還元析出型のものが適当である。
【0035】しかしながら本発明はピンホール部で露出
している絶縁性フィルム表面を導電物質で覆うことと、
薄い下地金属層であるニッケル層が電気メッキ時に溶解
しないようにすることが主たる目的であるので、導電性
が良好で比較的容易に作業可能な無電解銅メッキ液が最
も適しているといえる。この無電解メッキ被膜の厚さ
は、電気銅メッキを施す際に、メッキ液によって溶解さ
れない程度の厚さ、0.01μm以上の厚さであればよ
い。
【0036】
【実施例】次に実施例を用いて本発明をさらに説明す
る。
【0037】(実施例1)厚さ50μmのポリイミドフ
ィルム(東レ・デュポン社製 製品名「カプトン200
V」)を12cm×12cmの大きさに切り出し、その
片面に真空蒸着法によってニッケルを100オングスト
ロームの厚さに被着させて基板を作製した。
【0038】次に、弱アルカリ性の脱脂剤に1分間浸漬
し、引き続き2分間水洗して表面洗浄を行った。次い
で、2.5モル/リットルのヒドラジンと1.0モル/
リットルのエチレンジアミンの混合溶液に浸漬して露出
している絶縁体フィルム表面を親水化し、水洗の後に希
塩酸溶液に浸漬して基板表面を中和し、次いでキャタラ
イジング液、アクセレーティング液(共に奥野製薬製)
に浸漬して基板表面に触媒を付与した。引き続いて表1
に示す組成の無電解銅メッキ液に基板を3分間浸漬して
表面に無電解銅メッキ被膜を成膜した。この時のメッキ
液の条件は、60℃、pH=12.5、空気撹拌で液を
撹拌する処理を行った。
【0039】 表1 無電解銅メッキ液組成 ────────────────── 硫酸銅 :10g/l EDTA :30g/l HCHO(36%sol.):5ml/l PEG1000 :0.5g/l ジピリジル :10mg/l ────────────────── 無電解銅メッキ処理後、続いて表2に示す組成の電気銅
メッキ液を用いて電気メッキ処理を行い厚さ5μmの銅
被膜を形成した。この時のメッキ条件は、メッキ液の温
度は室温、撹拌は空気攪拌で、通電時の電流密度は3A
/dm2とし、メッキ時間は9分間とした。
【0040】 表2 電気銅メッキ液組成 ────────────────── 硫酸銅 : 80g/l 硫酸 :200g/l 光沢剤 : 適量 塩素イオン :50mg/l ────────────────── 得られた基板の銅被膜側から光をあててピンホールの有
無を確認したところ12cm×12cmの領域内では光
の透過は認められず、ピンホールは存在しないことがわ
かった。
【0041】この基板を用いて配線幅が40μm、配線
ピッチが80μmのフレキシブル配線板を常法によるサ
ブトラクティブ法基づいて作製した配線部分にピンホー
ルが原因で生ずる欠陥や断線などの欠陥のないものが得
られた。
【0042】なお、本実施例は、サブトラクティブ法に
よって絶縁体フィルムの片面配線パターン有する片面フ
レキシブル基板を作製した例を示したものであるが、絶
縁体フィルム両面に配線部を有する両面フレキシブル配
線板、あるいはセミアディティブ法による片面、または
両面のフレキシブル基板についても同様に優れた結果が
得られることが確認されている。
【0043】(実施例2)脱脂処理後の絶縁体フィルム
表面の親水化処理に0.5モル/リットルのヒドラジン
と0.5モル/リットルのエチレンジアミンの混合溶液
を用いた以外は実施例1と同様の手順で片面フレキシブ
ル配線板を作製したところ、得られた配線板はピンホー
ルの存在に基づく配線部の欠陥のないものが得られた。
【0044】(実施例3)脱脂処理後の絶縁体フィルム
表面の親水化処理に3.5モル/リットルのヒドラジン
と1.5モル/リットルのエチレンジアミンの混合溶液
を用いた以外は実施例1と同様の手順で片面フレキシブ
ル配線板を作製したところ、得られた配線板はピンホー
ルの存在に基づく配線部の欠陥のないものが得られた。
【0045】(実施例4)脱脂処理後の絶縁体フィルム
表面の親水化処理に4.0モル/リットルのヒドラジン
と2.0モル/リットルのエチレンジアミンの混合溶液
を用いた以外は実施例1と同様の手順で片面フレキシブ
ル配線板を作製したところ、得られた配線板はピンホー
ルの存在に基づく配線部の欠陥のないものが得られた。
【0046】(実施例5)厚さ50μmのポリイミドフ
ィルム(東レ・デュポン社製 製品名「カプトン200
V」)を12cm×12cmの大きさに切り出し、その
片面に真空蒸着法によってクロム酸化物を100オング
ストロームの厚さに被着させて基板を作製した。
【0047】次いで実施例1と同様の手順で片面フレキ
シブル配線板を作製した。
【0048】得られた基板の銅被膜側から光をあててピ
ンホールの有無を確認したところ12cm×12cmの
領域内では光の透過は認められず、ピンホールは存在し
ないことがわかった。
【0049】この基板を用いて配線幅が40μm、配線
ピッチが80μmのフレキシブル配線板を常法によるサ
ブトラクティブ法基づいて作製した配線部分にピンホー
ルが原因で生ずる欠陥や断線などの欠陥のないものが得
られた。
【0050】なお、本実施例は、サブトラクティブ法に
よって絶縁体フィルムの片面配線パターン有する片面フ
レキシブル基板を作製した例を示したものであるが、絶
縁体フィルム両面に配線部を有する両面フレキシブル配
線板、あるいはセミアディティブ法による片面、または
両面のフレキシブル基板についても同様に優れた結果が
得られることが確認されている。
【0051】(実施例6)脱脂処理後の絶縁体フィルム
表面の親水化処理に0.5モル/リットルのヒドラジン
と0.5モル/リットルのエチレンジアミンの混合溶液
を用いた以外は実施例5と同様の手順で片面フレキシブ
ル配線板を作製したところ、得られた配線板はピンホー
ルの存在に基づく配線部の欠陥のないものが得られた。
【0052】(実施例7)脱脂処理後の絶縁体フィルム
表面の親水化処理に3.5モル/リットルのヒドラジン
と1.5モル/リットルのエチレンジアミンの混合溶液
を用いた以外は実施例5と同様の手順で片面フレキシブ
ル配線板を作製したところ、得られた配線板はピンホー
ルの存在に基づく配線部の欠陥のないものが得られた。
【0053】(実施例8)脱脂処理後の絶縁体フィルム
表面の親水化処理に4.0モル/リットルのヒドラジン
と2.0モル/リットルのエチレンジアミンの混合溶液
を用いた以外は実施例5と同様の手順で片面フレキシブ
ル配線板を作製したところ、得られた配線板はピンホー
ルの存在に基づく配線部の欠陥のないものが得られた。
【0054】(実施例9)厚さ50μmのポリイミドフ
ィルム(東レ・デュポン社製 製品名「カプトン200
V」)を12cm×12cmの大きさに切り出し、その
片面に真空蒸着法によってクロムを100オングストロ
ームの厚さに被着させて基板を作製した。
【0055】次いで実施例1と同様の手順で片面フレキ
シブル配線板を作製した。
【0056】得られた基板の銅被膜側から光をあててピ
ンホールの有無を確認したところ12cm×12cmの
領域内では光の透過は認められず、ピンホールは存在し
ないことがわかった。
【0057】この基板を用いて配線幅が40μm、配線
ピッチが80μmのフレキシブル配線板を常法によるサ
ブトラクティブ法基づいて作製した配線部分にピンホー
ルが原因で生ずる欠陥や断線などの欠陥のないものが得
られた。
【0058】なお、本実施例は、サブトラクティブ法に
よって絶縁体フィルムの片面配線パターン有する片面フ
レキシブル基板を作製した例を示したものであるが、絶
縁体フィルム両面に配線部を有する両面フレキシブル配
線板、あるいはセミアディティブ法による片面、または
両面のフレキシブル基板についても同様に優れた結果が
得られることが確認されている。
【0059】(実施例10)脱脂処理後の絶縁体フィル
ム表面の親水化処理に0.5モル/リットルのヒドラジ
ンと0.5モル/リットルのエチレンジアミンの混合溶
液を用いた以外は実施例9と同様の手順で片面フレキシ
ブル配線板を作製したところ、得られた配線板はピンホ
ールの存在に基づく配線部の欠陥のないものが得られ
た。
【0060】(実施例11)脱脂処理後の絶縁体フィル
ム表面の親水化処理に3.5モル/リットルのヒドラジ
ンと1.5モル/リットルのエチレンジアミンの混合溶
液を用いた以外は実施例9と同様の手順で片面フレキシ
ブル配線板を作製したところ、得られた配線板はピンホ
ールの存在に基づく配線部の欠陥のないものが得られ
た。
【0061】(実施例12)脱脂処理後の絶縁体フィル
ム表面の親水化処理に4.0モル/リットルのヒドラジ
ンと2.0モル/リットルのエチレンジアミンの混合溶
液を用いた以外は実施例9と同様の手順で片面フレキシ
ブル配線板を作製したところ、得られた配線板はピンホ
ールの存在に基づく配線部の欠陥のないものが得られ
た。
【0062】(比較例1)厚さ50μmのポリイミドフ
ィルム(東レ・デュポン社製 製品名「カプトン200
V」)を12cm×12cmの大きさに切り出し、その
片面に真空蒸着法によってニッケルを100オングスト
ロームの厚さに被着させて基板を作製した。
【0063】次に、弱アルカリ性の脱脂剤に1分間浸漬
し、引き続き2分間水洗して表面洗浄を行った。次い
で、0.01モル/リットルのヒドラジンと0.01モ
ル/リットルのエチレンジアミンの混合溶液に浸漬して
露出している絶縁体フィルム表面を親水化した。以後、
実施例と同様の処理を施し電気銅メッキ法によって5μ
mの銅被膜を得た。
【0064】得られた基板の銅被膜側から光をあててピ
ンホールの有無を確認したところ12cm×12cmの
領域内では光の透過が認められ、ピンホールの大きさは
数十μmから百数十μmでその数は真空蒸着した後のピ
ンホール数とほぼ同等であった。
【0065】この基板を用いて配線幅が40μm、配線
ピッチが80μmのフレキシブル配線板を常法によるサ
ブトラクティブ法に基づいて作製したところ、配線部分
にピンホールが原因である欠けや断線などの欠陥が多数
確認され、この基板は狭ピッチの微小配線板には適さな
いことがわかった。
【0066】(比較例2)比較例1と同様にして作製し
た基板を弱アルカリ性の脱脂剤に1分間浸漬し、引き続
き2分間水洗して表面洗浄を行った。次いで、5モル/
リットルのヒドラジンと3モル/リットルのエチレンジ
アミン混合溶液に浸漬して、露出している絶縁体フィル
ム表面を親水化した。以後、実施例と同様の処理を施し
電気銅メッキ法によって5μmの銅被膜を得た。
【0067】得られた基板の銅被膜側から光をあててピ
ンホールの有無を確認したところ12cm×12cmの
領域内では光の透過があり、ピンホールの大きさは数十
μmから百数十μmで加えて筋状の裂け目も存在した。
ピンホールの数は真空蒸着した後のピンホール数と比較
し増加していた。
【0068】この基板を用いて配線幅が40μm、配線
ピッチが80μmのフレキシブル配線板を常法によるサ
ブトラクティブ法に基づいて作製したところ、配線部分
にピンホールが原因である欠けや断線などの欠陥が多数
確認され、狭ピッチの微小配線板には適さないことがわ
かった。
【0069】(比較例3)比較例1と同様にして作製し
た基板を弱アルカリ性の脱脂剤に1分間浸漬し、引き続
き2分間水洗して表面洗浄を行った。次いで、0.3モ
ル/リットルのヒドラジンと0.3モル/リットルのエ
チレンジアミン混合溶液に浸漬して、露出している絶縁
体フィルム表面を親水化した。以後、無電解銅メッキ処
理を施すための工程を経る事なく直ちに実施例1と同様
の手順で電気銅メッキ法によって、5μmの厚さの銅被
膜を形成した。
【0070】得られた基板の銅被膜側から光をあててピ
ンホールの有無を確認したところ12cm×12cmの
領域内では光の透過が認められ、ピンホールの大きさは
数十μmから百数十μmでその数は真空蒸着した後のピ
ンホール数とほぼ同等であった。
【0071】この基板を用いて配線幅が40μm、配線
ピッチが80μmのフレキシブル配線板を常法によるサ
ブトラクティブ法に基づいて作製したところ、配線部分
にピンホールが原因である欠けや断線などの欠陥が多数
確認され、この基板は狭ピッチの微小配線板には適さな
いことがわかった。
【0072】(比較例4)比較例1と同様にして作製し
た基板を弱アルカリ性の脱脂剤に1分間浸漬し引き続き
2分間水洗して表面洗浄を行った。次いで、4.5モル
/リットルのヒドラジンと2.0モル/リットルのエチ
レンジアミン混合溶液に浸漬して、露出している絶縁体
フィルム表面を親水化した。以後、無電解銅メッキ処理
を施すための工程を経る事なく直ちに実施例1と同様の
手順で電気銅メッキ法によって、5μmの厚さの銅被膜
を形成した。
【0073】得られた基板の銅被膜側から光をあててピ
ンホールの有無を確認したところ12cm×12cmの
領域内では光の透過が認められ、ピンホールの大きさは
数十μmから百数十μmでその数は真空蒸着した後のピ
ンホール数とほぼ同等であった。
【0074】この基板を用いて配線幅が40μm、配線
ピッチが80μmのフレキシブル配線板を常法によるサ
ブトラクティブ法に基づいて作製したところ、配線部分
にピンホールが原因である欠けや断線などの欠陥が多数
確認され、この基板は狭ピッチの微小配線板には適さな
いことがわかった。
【0075】(比較例5)比較例1と同様にして作製し
た基板を弱アルカリ性の脱脂剤に1分間浸漬し引き続き
2分間水洗して表面洗浄を行った。次いで、4.0モル
/リットルのヒドラジンと2.5モル/リットルのエチ
レンジアミン混合溶液に浸漬して、露出している絶縁体
フィルム表面を親水化した。以後、無電解銅メッキ処理
を施すための工程を経る事なく直ちに実施例1と同様の
手順で電気銅メッキ法によって、5μmの厚さの銅被膜
を形成した。得られた基板の銅被膜側から光をあててピ
ンホールの有無を確認したところ比較例4と同様であっ
た。
【0076】(比較例6)厚さ50μmのポリイミドフ
ィルム(東レ・デュポン社製 製品名「カプトン200
V」)を12cm×12cmの大きさに切り出し、その
片面に真空蒸着法によってクロム酸化物を100オング
ストロームの厚さに被着させて基板を作製した。
【0077】次に、弱アルカリ性の脱脂剤に1分間浸漬
し、引き続き2分間水洗して表面洗浄を行った。次い
で、0.01モル/リットルのヒドラジンと0.01モ
ル/リットルのエチレンジアミンの混合溶液に浸漬して
露出している絶縁体フィルム表面を親水化した。以後、
実施例と同様の処理を施し電気銅メッキ法によって5μ
mの銅被膜を得た。
【0078】得られた基板の銅被膜側から光をあててピ
ンホールの有無を確認したところ12cm×12cmの
領域内では光の透過が認められ、ピンホールの大きさは
数十μmから百数十μmでその数は真空蒸着した後のピ
ンホール数とほぼ同等であった。
【0079】この基板を用いて配線幅が40μm、配線
ピッチが80μmのフレキシブル配線板を常法によるサ
ブトラクティブ法に基づいて作製したところ、配線部分
にピンホールが原因である欠けや断線などの欠陥が多数
確認され、この基板は狭ピッチの微小配線板には適さな
いことがわかった。
【0080】(比較例7)比較例6と同様にして作製し
た基板を弱アルカリ性の脱脂剤に1分間浸漬し、引き続
き2分間水洗して表面洗浄を行った。次いで、5モル/
リットルのヒドラジンと3モル/リットルのエチレンジ
アミン混合溶液に浸漬して、露出している絶縁体フィル
ム表面を親水化した。以後、実施例と同様の処理を施し
電気銅メッキ法によって5μmの銅被膜を得た。
【0081】得られた基板の銅被膜側から光をあててピ
ンホールの有無を確認したところ12cm×12cmの
領域内では光の透過があり、ピンホールの大きさは数十
μmから百数十μmで加えて筋状の裂け目も存在した。
ピンホールの数は真空蒸着した後のピンホール数と比較
し増加していた。
【0082】この基板を用いて配線幅が40μm、配線
ピッチが80μmのフレキシブル配線板を常法によるサ
ブトラクティブ法に基づいて作製したところ、配線部分
にピンホールが原因である欠けや断線などの欠陥が多数
確認され、狭ピッチの微小配線板には適さないことがわ
かった。
【0083】(比較例8)比較例6と同様にして作製し
た基板を弱アルカリ性の脱脂剤に1分間浸漬し、引き続
き2分間水洗して表面洗浄を行った。次いで、0.3モ
ル/リットルのヒドラジンと0.3モル/リットルのエ
チレンジアミン混合溶液に浸漬して、露出している絶縁
体フィルム表面を親水化した。以後、無電解銅メッキ処
理を施すための工程を経る事なく直ちに実施例1と同様
の手順で電気銅メッキ法によって、5μmの厚さの銅被
膜を形成した。
【0084】得られた基板の銅被膜側から光をあててピ
ンホールの有無を確認したところ12cm×12cmの
領域内では光の透過が認められ、ピンホールの大きさは
数十μmから百数十μmでその数は真空蒸着した後のピ
ンホール数とほぼ同等であった。
【0085】この基板を用いて配線幅が40μm、配線
ピッチが80μmのフレキシブル配線板を常法によるサ
ブトラクティブ法に基づいて作製したところ、配線部分
にピンホールが原因である欠けや断線などの欠陥が多数
確認され、この基板は狭ピッチの微小配線板には適さな
いことがわかった。
【0086】(比較例9)比較例6と同様にして作製し
た基板を弱アルカリ性の脱脂剤に1分間浸漬し引き続き
2分間水洗して表面洗浄を行った。次いで、4.0モル
/リットルのヒドラジンと2.0モル/リットルのエチ
レンジアミン混合溶液に浸漬して、露出している絶縁体
フィルム表面を親水化した。以後、無電解銅メッキ処理
を施すための工程を経る事なく直ちに実施例1と同様の
手順で電気銅メッキ法によって、5μmの厚さの銅被膜
を形成した。
【0087】得られた基板の銅被膜側から光をあててピ
ンホールの有無を確認したところ12cm×12cmの
領域内では光の透過が認められ、ピンホールの大きさは
数十μmから百数十μmでその数は真空蒸着した後のピ
ンホール数とほぼ同等であった。
【0088】この基板を用いて配線幅が40μm、配線
ピッチが80μmのフレキシブル配線板を常法によるサ
ブトラクティブ法に基づいて作製したところ、配線部分
にピンホールが原因である欠けや断線などの欠陥が多数
確認され、この基板は狭ピッチの微小配線板には適さな
いことがわかった。
【0089】(比較例10)比較例6と同様にして作製
した基板を弱アルカリ性の脱脂剤に1分間浸漬し引き続
き2分間水洗して表面洗浄を行った。次いで、4.0モ
ル/リットルのヒドラジンと2.5モル/リットルのエ
チレンジアミン混合溶液に浸漬して、露出している絶縁
体フィルム表面を親水化した。以後、無電解銅メッキ処
理を施すための工程を経る事なく直ちに実施例1と同様
の手順で電気銅メッキ法によって、5μmの厚さの銅被
膜を形成した。得られた基板の銅被膜側から光をあてて
ピンホールの有無を確認したところ比較例9と同様であ
った。
【0090】(比較例11)厚さ50μmのポリイミド
フィルム(東レ・デュポン社製 製品名「カプトン20
0V」)を12cm×12cmの大きさに切り出し、そ
の片面に真空蒸着法によってクロムを100オングスト
ロームの厚さに被着させて基板を作製した。
【0091】次に、弱アルカリ性の脱脂剤に1分間浸漬
し、引き続き2分間水洗して表面洗浄を行った。次い
で、0.01モル/リットルのヒドラジンと0.01モ
ル/リットルのエチレンジアミンの混合溶液に浸漬して
露出している絶縁体フィルム表面を親水化した。以後、
実施例と同様の処理を施し電気銅メッキ法によって5μ
mの銅被膜を得た。
【0092】得られた基板の銅被膜側から光をあててピ
ンホールの有無を確認したところ12cm×12cmの
領域内では光の透過が認められ、ピンホールの大きさは
数十μmから百数十μmでその数は真空蒸着した後のピ
ンホール数とほぼ同等であった。
【0093】この基板を用いて配線幅が40μm、配線
ピッチが80μmのフレキシブル配線板を常法によるサ
ブトラクティブ法に基づいて作製したところ、配線部分
にピンホールが原因である欠けや断線などの欠陥が多数
確認され、この基板は狭ピッチの微小配線板には適さな
いことがわかった。
【0094】(比較例12)比較例11と同様にして作
製した基板を弱アルカリ性の脱脂剤に1分間浸漬し、引
き続き2分間水洗して表面洗浄を行った。次いで、5モ
ル/リットルのヒドラジンと3モル/リットルのエチレ
ンジアミン混合溶液に浸漬して、露出している絶縁体フ
ィルム表面を親水化した。以後、実施例1と同様の処理
を施し電気銅メッキ法によって5μmの銅被膜を得た。
【0095】得られた基板の銅被膜側から光をあててピ
ンホールの有無を確認したところ12cm×12cmの
領域内では光の透過があり、ピンホールの大きさは数十
μmから百数十μmで加えて筋状の裂け目も存在した。
ピンホールの数は真空蒸着した後のピンホール数と比較
し増加していた。
【0096】この基板を用いて配線幅が40μm、配線
ピッチが80μmのフレキシブル配線板を常法によるサ
ブトラクティブ法に基づいて作製したところ、配線部分
にピンホールが原因である欠けや断線などの欠陥が多数
確認され、狭ピッチの微小配線板には適さないことがわ
かった。
【0097】(比較例13)比較例11と同様にして作
製した基板を弱アルカリ性の脱脂剤に1分間浸漬し、引
き続き2分間水洗して表面洗浄を行った。次いで、0.
3モル/リットルのヒドラジンと0.3モル/リットル
のエチレンジアミン混合溶液に浸漬して、露出している
絶縁体フィルム表面を親水化した。以後、無電解銅メッ
キ処理を施すための工程を経る事なく直ちに実施例1と
同様の手順で電気銅メッキ法によって、5μmの厚さの
銅被膜を形成した。
【0098】得られた基板の銅被膜側から光をあててピ
ンホールの有無を確認したところ12cm×12cmの
領域内では光の透過が認められ、ピンホールの大きさは
数十μmから百数十μmでその数は真空蒸着した後のピ
ンホール数とほぼ同等であった。
【0099】この基板を用いて配線幅が40μm、配線
ピッチが80μmのフレキシブル配線板を常法によるサ
ブトラクティブ法に基づいて作製したところ、配線部分
にピンホールが原因である欠けや断線などの欠陥が多数
確認され、この基板は狭ピッチの微小配線板には適さな
いことがわかった。
【0100】(比較例14)比較例11と同様にして作
製した基板を弱アルカリ性の脱脂剤に1分間浸漬し引き
続き2分間水洗して表面洗浄を行った。次いで、4.0
モル/リットルのヒドラジンと2.0モル/リットルの
エチレンジアミン混合溶液に浸漬して、露出している絶
縁体フィルム表面を親水化した。以後、無電解銅メッキ
処理を施すための工程を経る事なく直ちに実施例1と同
様の手順で電気銅メッキ法によって、5μmの厚さの銅
被膜を形成した。
【0101】得られた基板の銅被膜側から光をあててピ
ンホールの有無を確認したところ12cm×12cmの
領域内では光の透過が認められ、ピンホールの大きさは
数十μmから百数十μmでその数は真空蒸着した後のピ
ンホール数とほぼ同等であった。
【0102】この基板を用いて配線幅が40μm、配線
ピッチが80μmのフレキシブル配線板を常法によるサ
ブトラクティブ法に基づいて作製したところ、配線部分
にピンホールが原因である欠けや断線などの欠陥が多数
確認され、この基板は狭ピッチの微小配線板には適さな
いことがわかった。
【0103】(比較例15)比較例11と同様にして作
製した基板を弱アルカリ性の脱脂剤に1分間浸漬し引き
続き2分間水洗して表面洗浄を行った。次いで、4.0
モル/リットルのヒドラジンと2.5モル/リットルの
エチレンジアミン混合溶液に浸漬して、露出している絶
縁体フィルム表面を親水化した。以後、無電解銅メッキ
処理を施すための工程を経る事なく直ちに実施例1と同
様の手順で電気銅メッキ法によって、5μmの厚さの銅
被膜を形成した。得られた基板の銅被膜側から光をあて
てピンホールの有無を確認したところ比較例14と同様
であった。
【0104】
【発明の効果】以上述べたように本発明の方法によれ
ば、多数のピンホールを生じ易い乾式メッキ被膜を下地
金属層として設けた基板上に無電解メッキ被膜を形成さ
せることにより、ピンホール部にも無電解銅メッキ層を
設け、かつ以後の電気銅メッキ時における下地金属層の
溶解を防止できる。この結果、5〜18μm程度の薄い
電気銅メッキ被膜を形成した場合にもピンホール欠陥の
ない基板を得ることができる。このようにして得られた
基板を用いれば極めて微細な配線パターンを有する配線
板を作製する場合においても、配線部に欠陥の無い信頼
性の優れたフレキシブル配線板を得る事ができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性フィルムの片面または両面に接
    着剤を介さずに下地金属層を形成し、この下地金属層上
    に無電解メッキにより銅導体層を中間層として形成し、
    次いで中間層の上に所望の厚さになるように銅層を設け
    る2層フレキシブル基板の製造方法において、(1)下地
    金属層をニッケル、クロム、クロム酸化物の少なくとも
    1種を用いて乾式メッキ法により形成し、(2)下地金属
    層を形成した後の絶縁性フィルムを有機アルカリ溶液で
    処理し、(3)その処理後の基板表面に中間層として無電
    解銅メッキを0.01μm以上の厚さに形成し、(4)さ
    らに該中間層の上に5〜18μmの厚さの銅の導体層を
    形成することを特徴とする2層フレキシブル基板の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 有機アルカリ溶液としてヒドラジンと
    エチレンジアミンとを含む溶液で、ヒドラジン濃度が
    0.5〜4.0モル/リットル、エチレンジアミン濃度
    が0.5〜2.0モル/リットルであるものを用いる請
    求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 触媒付与溶液として酸性のパラジウム
    −錫のコロイド溶液、アルカリ性のパラジウム錯体溶
    液、錫を含まない酸性パラジウム溶液のいずれかを用い
    る請求項1または2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 下地金属層の厚さが50〜200オン
    グストロームである請求項1〜3記載のいずれかの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 乾式メッキ法が蒸着法、スパッタリン
    グ法のいずれかである請求項1〜4記載のいずれかの製
    造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006025242A1 (ja) * 2004-09-01 2006-03-09 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. 2層フレキシブル基板及びその製造方法
WO2006025240A1 (ja) * 2004-09-01 2006-03-09 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. 2層フレキシブル基板及びその製造方法
KR100727716B1 (ko) 2006-02-02 2007-06-13 엘에스전선 주식회사 연성금속 적층판 및 그 제조방법

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