JPH1065178A - 薄膜トランジスタおよびその製造方法、並びに液晶表示装置 - Google Patents

薄膜トランジスタおよびその製造方法、並びに液晶表示装置

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JPH1065178A
JPH1065178A JP22291796A JP22291796A JPH1065178A JP H1065178 A JPH1065178 A JP H1065178A JP 22291796 A JP22291796 A JP 22291796A JP 22291796 A JP22291796 A JP 22291796A JP H1065178 A JPH1065178 A JP H1065178A
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JP
Japan
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film
liquid crystal
semiconductor layer
crystal display
display device
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Application number
JP22291796A
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English (en)
Inventor
Shigeru Aomori
繁 青森
Atsushi Tanaka
淳 田中
Yoshiki Nakatani
喜紀 中谷
Katsunori Mihashi
克典 三橋
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
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Publication of JPH1065178A publication Critical patent/JPH1065178A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄型・軽量で耐衝撃性に優れ、高画質・高解
像度の表示が得られる液晶表示装置を提供する。 【解決手段】 低温・低エネルギーのレーザー照射で多
結晶化が可能なSiGe膜を用いて、TFTの半導体層
3を形成する。SiGe膜の多結晶化の際に、レーザー
光の照射エネルギー密度を120mJ/cm2以上20
0mJ/cm2以下とすることにより、基板温度200
℃以下で多結晶化を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、OA(Offic
e Automation)機器やパーソナルコンピュ
ータ、携帯型情報端末等に好適に用いられるアクティブ
マトリックス型液晶表示装置のスイッチング素子等とし
て用いられる薄膜トランジスタ(以下TFTと称する)
およびその製造方法並びに液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、上述のOA機器やパーソナルコン
ピュータ等に用いられる液晶表示装置としては、所謂ア
クティブマトリックス型のものが多用されている。この
アクティブマトリックス型液晶表示装置においては、液
晶層を挟んで対向配置される一対の絶縁性基板のうちの
一方にマトリックス状に設けられた各画素電極に接続さ
れて、TFTやMIM(Metal Insulato
r Metal)などのスイッチング素子が設けられて
おり、解像度の高い画像が得られる。その中でも、スイ
ッチング素子としてTFTを用いたアクティブマトリッ
クス型液晶表示装置は、画像の解像度やコントラストに
優れているため、広く用いられている。
【0003】従来、このTFTの半導体層としては、プ
ラズマCVD(化学気相成長法)により形成した水素化
アモルファスシリコン(a−Si:H)膜が用いられ、
または減圧CVD法(LPCVD)法などにより形成し
たa−Si膜を熱処理による固相成長法またはレーザー
アニール法等により再結晶化した多結晶シリコン(p−
Si)膜などが用いられている。また、液晶表示装置を
構成する絶縁性基板としては、通常、無アルカリガラス
基板や石英基板等の透明絶縁性基板が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年のマル
チメディア社会の急速な進展の中、場所や時を問わずに
情報交換が行える携帯型情報機器分野が発展してきてお
り、それに伴って薄型・軽量であり、かつ運搬性に優れ
た液晶表示装置に対する需要が高まってきている。この
現状を考慮すると、上述の従来の液晶表示装置およびT
FTを用いた場合、以下のような問題点がある。
【0005】即ち、液晶表示装置を構成する絶縁性基板
として無アルカリガラス基板等のガラス基板を用いた液
晶表示装置では、その基板強度等の面で限界があるた
め、携帯型情報機器等に要求とされる薄型・軽量という
性能を満たすには不十分であった。また、携帯型情報機
器においては、その運搬可能性から移動中の落下・衝突
という状況に遭遇することが多いと考えられ、この観点
からも耐衝撃性に劣るガラス基板を用いた液晶表示装置
には問題があった。
【0006】これらの問題を解決するために、例えば特
開平5−333326号公報には、絶縁性基板として軽
量・薄型化が可能で耐衝撃性に優れた高分子フィルム等
の樹脂基板を用いた液晶表示装置が提案されている。し
かし、この液晶表示装置は、スイッチング素子を有しな
い単純マトリックス型液晶表示装置であるため、TFT
等のスイッチング素子を有するアクティブマトリックス
型液晶表示装置に比較して表示画像の品質が劣るという
問題があった。
【0007】一方、スイッチング素子として用いられて
いるTFTにおいては、上述のように、半導体層として
a−Si:H膜やp−Si膜が用いられており、その作
製プロセス温度は300℃〜600℃程度である。従っ
て、樹脂基板上にこのようなTFTを形成することは、
樹脂基板の材料の耐熱温度の観点から、非常に困難であ
った。
【0008】より低温で高性能なTFTを得る方法とし
て、例えば特開平6−120499号公報には、TFT
の半導体層としてシリコンゲルマニウム(SiGe)膜
を用いる方法が開示されている。SiGe膜の多結晶化
はSi膜の多結晶化よりも低温の熱アニールで行うこと
ができるので、この方法によれば従来よりも低温でTF
Tの作製を行うことができる。しかし、この方法におい
ても、SiGe膜の最低アニール温度が500℃程度で
あるため、樹脂基板上にTFTを作製することは非常に
困難であった。
【0009】本発明は、このような従来技術の課題を解
決するためになされたものであり、薄型・軽量で耐衝撃
性に優れた樹脂基板上に形成されたTFTおよびその製
造方法並びにこのTFTを用いた液晶表示装置を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のTFTは、樹脂
基板上に、ゲート電極と半導体層とがゲート絶縁膜を挟
んで設けられ、該半導体層がレーザー光照射により多結
晶化されたシリコンゲルマニウム膜からなり、そのこと
により上記目的が達成される。
【0011】本発明のTFTの製造方法は、樹脂基板上
に、ゲート電極と半導体層とがゲート絶縁膜を挟んで設
けられたTFTの製造方法であって、該半導体層を、シ
リコンゲルマニウム膜にレーザー光を照射して多結晶化
することにより形成しており、そのことにより上記目的
が達成される。
【0012】前記シリコンゲルマニウム膜の多結晶化
を、照射エネルギー密度120mJ/cm2以上200
mJ/cm2以下のレーザー光照射により行ってもよ
い。
【0013】前記シリコンゲルマニウム膜の多結晶化
を、基板温度200℃以下で行ってもよい。
【0014】本発明の液晶表示装置は、樹脂基板上に、
画素電極および該画素電極に接続されたTFTがマトリ
ックス状に設けられている液晶表示装置において、該薄
膜トランジスタとして、本発明の薄膜トランジスタが設
けられており、そのことにより上記目的が達成される。
【0015】以下、本発明の作用について説明する。
【0016】シリコンゲルマニウム(SiGe)はSi
に比べて低エネルギーのレーザー光照射により多結晶化
できるので、通常TFTの半導体層として用いられてい
るa−Si:H膜やp−Si膜よりも低温で多結晶Si
Ge膜を得ることができる。従って、SiGeをレーザ
ー光照射して多結晶化したSiGe膜をTFTの半導体
層とすることにより、ガラス基板に比べて耐熱性が低い
樹脂基板を用いることが可能となる。また、低いエネル
ギーのレーザー光照射により、特性的に優れた多結晶S
iGeからなる半導体層を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下
の実施形態により限定されるものではない。
【0018】(実施形態1)図1は実施形態1の液晶表
示装置の要部断面図である。
【0019】この液晶表示装置はアクティブマトリック
ス型の液晶表示装置であり、液晶層15を挟んで一対の
樹脂基板1、14が対向配置されている。そのうちの一
方の樹脂基板1には各画素毎にスイッチング素子として
正スタガ構造TFTが形成されている。
【0020】このTFTは、樹脂基板1上に形成された
バッファ層2上に多結晶SiGeからなる半導体層3が
形成され、その半導体層3を覆うようにゲート絶縁膜4
が形成されている。このゲート絶縁膜4を介して半導体
層3と重畳するようにゲート電極5が形成され、そのゲ
ート電極5を覆うように層間絶縁膜6が形成されてい
る。層間絶縁膜6の上にはTFTのソース電極8aおよ
びTFTのドレイン電極8bが形成されている。このソ
ース電極8aは、ゲート絶縁膜4および層間絶縁膜6を
貫通するコンタクトホール7aにおいて半導体層3のソ
ース領域(図示せず)と接続され、ドレイン電極8b
は、ゲート絶縁膜4および層間絶縁膜6を貫通するコン
タクトホール7bにおいて半導体層3のドレイン領域
(図示せず)と接続されている。
【0021】このような構造のTFTのゲート電極5に
走査信号を供給するためのゲートバスライン(図示せ
ず)が接続され、TFTのソース電極8aには映像信号
を供給するためのソースバスライン(図示せず)が接続
されている。また、TFTのドレイン電極8bには透明
導電膜からなる画素電極9が接続されている。その状態
の基板全体を覆うように保護膜10が形成され、その上
に液晶を配向させるための配向膜(図示せず)が形成さ
れている。他方の樹脂基板14上には各画素毎にカラー
フィルタ11が形成され、樹脂基板1上のTFTを覆う
ようにブラックマトリクス12が形成されている。その
上には対向電極13が形成され、さらにその上に基板全
体を覆うように保護膜および配向膜(共に図示せず)が
形成されている。
【0022】この液晶表示装置は、例えば以下のように
して作製することができる。
【0023】まず、図2(a)に示すように、透明絶縁
性の樹脂基板1上にバッファ層2を形成する。この樹脂
基板1としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタ
レート)、ポリカーボネート、ポリアリレート、PEE
K(ポリエーテルエーテルケトン)、PES(ポリエー
テルスルホン)、PEN(ポリエーテルニトリル)等の
高分子材料からなる基板を用いることができる。バッフ
ァ層2としてはSiO2膜や窒化シリコン膜等を用いる
ことができ、膜厚は500nm〜1μmとする。このバ
ッファ層2はスパッタ法等により基板温度を室温にして
形成することができる。
【0024】次に、図2(a)に示すように、バッファ
層2の上にSiGe膜3aを形成する。このSiGe膜
3aはアモルファス状態のSiGe膜でも微結晶層を含
むSiGe膜でもよく、膜厚は50nm〜200nmと
する。このSiGe膜3aはスパッタ法またはリモート
プラズマCVD法等により基板温度を室温〜200℃に
して形成することができる。
【0025】続いて、図2(a)に示すように、SiG
e膜3aにレーザー光24を照射することによりSiG
e膜3aを多結晶化する。このレーザー光24として
は、例えば波長308nmのXeClエキシマレーザー
等を用いることができる。レーザー光の照射エネルギー
は、120mJ/cm2以上200mJ/cm2以下であ
るのが好ましい。
【0026】その後、多結晶化したSiGe膜を素子領
域毎にパターニングして、図2(b)に示すようなTF
Tの半導体層3を形成する。このパターニングはフォト
リソグラフィーおよびエッチングにより行うことができ
る。
【0027】次に、図2(b)に示すように、半導体層
3を覆うようにゲート絶縁膜4を形成する。このゲート
絶縁膜4としてはSiO2膜や窒化シリコン膜等を用い
ることができ、膜厚は100nm〜200nmとする。
このゲート絶縁膜4はスパッタ法またはリモートプラズ
マCVD法等により基板温度を室温〜200℃にして形
成することができる。
【0028】続いて、図2(c)に示すように、ゲート
絶縁膜4上にゲート電極5およびゲートバスライン(図
示せず)を形成する。このゲート電極5およびゲートバ
スラインとしてはAl膜等を用いることができ、膜厚は
150nm〜300nmとする。このゲート電極5およ
びゲートバスラインはスパッタ法または蒸着法等により
基板温度を室温〜200℃にして導電膜を成膜し、これ
をフォトリソグラフィーおよびエッチングによりパター
ニングして形成することができる。
【0029】その後、図2(c)に示すように、基板全
体を覆うように層間絶縁膜6を成膜し、ゲート絶縁膜4
および層間絶縁膜6を貫通するコンタクトホール7a、
7bを形成する。この層間絶縁膜6としてはSiO2
等を用いることができ、膜厚は300nm〜500μm
とする。この層間絶縁膜6はスパッタ法または蒸着法等
により基板温度を室温にして成膜することができる。コ
ンタクトホール7a、7bはフォトリソグラフィーおよ
びエッチングにより形成することができる。
【0030】次に、図2(d)に示すように、層間絶縁
膜6上に、コンタクトホール7a、7bを埋め込むよう
にソース電極8a、ソースバスライン(図示せず)およ
びドレイン電極8bを形成する。このソース電極8a、
ソースバスラインおよびドレイン電極8bとしては、A
l膜、Ti膜、Ni膜またはPt膜等の金属膜を用いる
ことができる。このソース電極8a、ソースバスライン
およびドレイン電極8bはスパッタ法または蒸着法等に
より基板温度をR.T.(室温)〜150℃にして金属
膜を成膜し、これをフォトリソグラフィーおよびエッチ
ングによりパターニングして形成することができる。
【0031】続いて、図2(d)に示すように、層間絶
縁膜6上にドレイン電極8bとその一部が重なるように
画素電極9を形成する。この画素電極9としては、IT
O(Indium Tin Oxide)膜等の透明導
電膜を用いることができ、膜厚は50nm〜100nm
とする。この画素電極9はスパッタ法等により基板温度
をR.T.〜100℃にして透明導電膜を成膜し、これ
をフォトリソグラフィーおよびエッチングによりパター
ニングして形成することができる。
【0032】次に、図2(d)に示すように、基板全体
を覆うように保護膜10を形成する。この保護膜10と
してはSiO2膜や窒化シリコン膜等を用いることがで
き、膜厚は300nm〜500nmとする。この保護膜
10はスパッタ法またはリモートプラズマCVD法等に
より基板温度を室温〜200℃にして形成することがで
きる。
【0033】その後、保護膜10の上に液晶を配向させ
るための配向膜(図示せず)を形成して配向処理を行う
ことにより、一方の基板が完成する。
【0034】他方の基板は、図2(e)に示すように、
樹脂基板14上に各画素毎にカラーフィルタ11を形成
し、一方の基板上のTFTを覆うようにブラックマトリ
クス12を形成する。それらを覆って対向電極13を形
成し、その状態の基板全体を覆うように保護膜および配
向膜(共に図示せず)を形成することにより、他方の基
板が完成する。この他方の基板の作製工程と、上述の一
方の基板の作製工程とは、どちらを先に行ってもよい。
【0035】次に、両基板を一定の間隔を設けてシール
剤(図示せず)およびスペーサー(図示せず)により貼
り合わせ、基板間隙に液晶を注入して液晶層15を形成
することにより、液晶表示装置が完成する。
【0036】この液晶表示装置は、SiGe膜3aをレ
ーザー光照射により多結晶化した多結晶SiGe膜をT
FTの半導体層3としているため、従来の多結晶Si膜
を半導体層としたTFTよりも作製プロセスを低温化し
て、樹脂基板上に作製することができる。このことにつ
いて、以下に説明する。
【0037】図3に、本発明に用いるSiGe膜に対し
てエネルギー密度を変化させてレーザー光を照射し、そ
の紫外線反射光のピーク波長を測定した結果を△として
示す。また、比較のために、従来技術において用いるS
i膜に対してエネルギー密度を変化させてレーザー光を
照射し、その紫外線反射光のピーク波長を測定した結果
を◆として示す。この図3において、紫外線反射光のピ
ーク波長は半導体層の多結晶化の程度を示し、紫外線反
射光のピーク波長が短波長側へシフトしていくことによ
り半導体層の多結晶化が進行していくことを示す。な
お、図3の縦軸としては紫外線反射光のピーク波長(n
m)を取り、横軸としては照射レーザー光のエネルギー
密度(mJ/cm2)を取った。この図3によれば、S
i膜は250mJ/cm2程度の照射エネルギー密度で
多結晶化が進行するのに対し、SiGe膜ではその半分
程度の照射エネルギー密度でも多結晶化が進行すること
が確認できる。
【0038】半導体層にレーザー光を照射すると、吸収
されたレーザー光が熱エネルギーに変換され、その熱エ
ネルギーにより半導体層が再結晶化して多結晶化が進行
する。この多結晶化の際のレーザー光照射のエネルギー
密度が高い場合には、基板温度が高くなり、耐熱性の低
い樹脂基板がダメージを受けることがある。例えば、ポ
リカーボネート基板を用いてp−Si膜を半導体層とし
た従来のTFTを作製する場合、スパッタ法により成膜
したSi膜にレーザー光を照射して多結晶化すると、照
射エネルギー密度200mJ/cm2を閾値としてポリ
カーボネート基板にアブレーション等のダメージが生じ
ることが実験的に確認されている。一方、SiGe膜に
おいては、上述のように、レーザー光照射のエネルギー
密度をSi膜に比べて約半分にしても多結晶化が進行す
るため、SiGe膜の多結晶化はSi膜の多結晶化に比
べて約半分の発熱量で行うことができる。従って、レー
ザー光を照射して多結晶化したSiGe膜をTFTの半
導体層として用いた本実施形態の液晶表示装置は、ガラ
ス基板に比べて耐熱性の低いポリカーボネート基板等の
樹脂基板を用いて作製することが可能となる。
【0039】なお、SiGe膜を多結晶化する際のレー
ザー光の照射エネルギーは、120mJ/cm2以上2
00mJ/cm2以下であるのが好ましい。上述のよう
に120mJ/cm2未満の場合にはSiGe膜が多結
晶化しにくく、200mJ/cm2を超える場合には基
板温度が高くなって樹脂基板にダメージが生じることが
あるからである。
【0040】このように本実施形態の液晶表示装置にお
いては、樹脂基板上にスイッチング素子としてのTFT
を設けることが可能となるため、軽量・薄型化が可能で
耐衝撃性に優れ、しかも高画質で解像度が高い表示を得
ることができる。
【0041】(実施形態2)図4は実施形態2のTFT
が形成された基板の断面図である。
【0042】このTFTは逆スタガ構造TFTであり、
樹脂基板16上に形成されたバッファ層17上にゲート
電極18が形成されている。ゲート電極18の表面には
陽極酸化膜19aが形成され、この状態の基板全体を覆
うようにゲート絶縁膜19が形成されている。このゲー
ト絶縁膜19を介してゲート電極18と重畳するように
多結晶SiGeからなる半導体層20が形成され、半導
体層20の端部を覆い、かつ、その上で分断された状態
でソース電極21aおよびドレイン電極21bが形成さ
れている。このような構造のTFTのドレイン電極21
bに透明導電膜からなる画素電極22が接続され、その
状態の基板全体を覆うように保護膜23が形成されてい
る。
【0043】このようなTFTが形成された基板は、例
えば以下のようにして作製することができる。
【0044】まず、透明絶縁性の樹脂基板16上にバッ
ファ層17を形成する。この樹脂基板1としては、実施
形態1に記載したものと同様の高分子材料からなる基板
を用いることができる。また、バッファ層17としては
SiO2膜や窒化シリコン膜等を用いることができ、膜
厚は500nm〜1μmとする。このバッファ層17は
スパッタ法等により基板温度を室温〜200℃にして形
成することができる。
【0045】次に、バッファ層2の上にゲート電極18
を形成する。このゲート電極18としてはTa膜等を用
いることができ、膜厚は200nm〜400nmとす
る。このゲート電極18はスパッタ法等により基板温度
を室温〜200℃にして導電膜を成膜し、これをフォト
リソグラフィーおよびエッチングによりパターニングし
て形成することができる。
【0046】続いて、ゲート電極18の表面に陽極酸化
絶縁膜19aを形成する。この陽極酸化膜は、ゲート電
極18を酒石酸アンモニウム溶液中で陽極酸化すること
により形成される。例えばゲート電極18としてTa膜
を用いた場合には、ゲート電極18表面に五酸化タンタ
ルからなる陽極酸化絶縁膜19aが形成される。
【0047】その後、ゲート電極18および陽極酸化絶
縁膜19aを覆うように、ゲート絶縁膜19およびSi
Ge膜を形成する。このゲート絶縁膜19としてはSi
2膜や窒化シリコン膜等を用いることができ、膜厚は
100nm〜300nmとする。また、SiGe膜はア
モルファス状態のSiGe膜でも微結晶層を含むSiG
e膜でもよく、膜厚は50nm〜100nmとする。こ
のゲート絶縁膜19およびSiGe膜はスパッタ法また
はリモートプラズマCVD法等により基板温度を室温〜
200℃にして連続的に成膜することができる。
【0048】次に、SiGe膜にレーザー光を照射する
ことによりSiGe膜を多結晶化する。このレーザー光
としては、例えば波長308nmのXeClエキシマレ
ーザー等を用いることができる。レーザー光の照射エネ
ルギーは、例えば180mJ/cm2とする。
【0049】続いて、多結晶化したSiGe膜を素子領
域毎にパターニングして、TFTの半導体層20を形成
する。このパターニングはフォトリソグラフィーおよび
エッチングにより行うことができる。
【0050】その後、半導体層20の端部を覆い、か
つ、その上で分断された状態でソース電極21aおよび
ドレイン電極21bを形成する。このソース電極21a
およびドレイン電極21bとしては、Al膜、Ti膜、
Ni膜またはPt膜等の金属膜を用いることができ、膜
厚は100nm〜300nmとする。このソース電極2
1aおよびドレイン電極21bはスパッタ法等により基
板温度を室温〜200℃にして金属膜を成膜し、これを
フォトリソグラフィーおよびエッチングによりパターニ
ングして形成することができる。
【0051】次に、ゲート絶縁膜19上に、ドレイン電
極21bとその一部が重なるようにITO膜等の透明導
電膜からなる画素電極22を形成する。この画素電極2
2はスパッタ法等により基板温度をR.T.〜150℃
にして透明導電膜を成膜し、これをフォトリソグラフィ
ーおよびエッチングによりパターニングして形成するこ
とができる。
【0052】続いて、基板全体を覆うように保護膜23
を形成する。この保護膜23としてはSiO2膜や窒化
シリコン膜等を用いることができ、膜厚は300nm〜
500nmとする。この保護膜23はスパッタ法または
リモートプラズマCVD法等により基板温度を室温〜2
00℃にして形成することができる。
【0053】このTFTは、SiGe膜をレーザー光照
射により多結晶化した多結晶SiGe膜を半導体層20
としているため、従来の多結晶Si膜を半導体層とした
TFTよりも作製プロセスを低温化して、樹脂基板上に
作製することができる。
【0054】また、本実施形態のTFTには以下のよう
な利点もある。従来の多結晶Si膜を半導体層とした逆
スタガ型TFTにおいては、レーザー光照射により半導
体層の多結晶化を行う際に、半導体層の下部に設けられ
たゲート電極にダメージが生じる等の問題があった。こ
れに対して本実施形態のTFTは、SiGe膜が多結晶
化する際に必要なレーザー光エネルギーがSi膜に比べ
て低いため、ゲート電極にダメージが生じず、TFTの
特性を良好なものにすることができる。
【0055】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、低エネルギーのレーザー光照射によりTFT
の半導体層を得ることができるので、耐熱性の低い樹脂
基板上にTFTを作製することができる。樹脂基板は軽
量・安価で耐衝撃性に優れているため、これを用いるこ
とによりノートブック型パーソナルコンピュータや携帯
型情報端末等に好適な薄型・軽量で耐衝撃性に優れた液
晶表示装置を安価に提供することができる。また、レー
ザー光照射により特性的に優れたTFTをスイッチング
素子として形成できるので、高画質で解像度が高い表示
が得られる液晶表示装置を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の液晶表示装置の要部断面図であ
る。
【図2】(a)〜(e)は実施形態1の液晶表示装置の
製造工程を説明するための断面図である。
【図3】SiGe膜およびSi膜に対してエネルギー密
度を変化させてレーザー光を照射し、その紫外線反射光
のピーク波長を測定した結果を示すグラフである。
【図4】図4は実施形態2のTFTの断面図である。
【符号の説明】
1、14、16 樹脂基板 2、17 バッファ層 3、20 半導体層 4、19 ゲート絶縁膜 5、18 ゲート電極 6 層間絶縁膜 7a、7b コンタクトホール 8a、21a ソース電極 8b、21b ドレイン電極 9、22 画素電極 10、23 保護膜 11 カラーフィルタ 12 ブラックマトリクス 13 対向電極 15 液晶層 19a 陽極酸化絶縁膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三橋 克典 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂基板上に、ゲート電極と半導体層と
    がゲート絶縁膜を挟んで設けられ、該半導体層がレーザ
    ー光照射により多結晶化されたシリコンゲルマニウム膜
    からなる薄膜トランジスタ。
  2. 【請求項2】 樹脂基板上に、ゲート電極と半導体層と
    がゲート絶縁膜を挟んで設けられた薄膜トランジスタの
    製造方法であって、 該半導体層を、シリコンゲルマニウム膜にレーザー光を
    照射して多結晶化することにより形成する薄膜トランジ
    スタの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記シリコンゲルマニウム膜の多結晶化
    を、照射エネルギー密度120mJ/cm2以上200
    mJ/cm2以下のレーザー光照射により行う請求項2
    に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記シリコンゲルマニウム膜の多結晶化
    を、基板温度200℃以下で行う請求項2または3に記
    載の薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 【請求項5】 樹脂基板上に、複数の画素電極および該
    画素電極に接続された薄膜トランジスタがマトリックス
    状に設けられている液晶表示装置において、 該薄膜トランジスタとして、請求項1に記載の薄膜トラ
    ンジスタが設けられている液晶表示装置。
JP22291796A 1996-08-23 1996-08-23 薄膜トランジスタおよびその製造方法、並びに液晶表示装置 Pending JPH1065178A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009020505A (ja) * 2007-06-15 2009-01-29 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 表示装置
US9287436B2 (en) 2012-07-18 2016-03-15 Samsung Display Co., Ltd. Display device and manufacturing method thereof

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JP2009020505A (ja) * 2007-06-15 2009-01-29 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 表示装置
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