JPH1062438A - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡

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JPH1062438A
JPH1062438A JP23474596A JP23474596A JPH1062438A JP H1062438 A JPH1062438 A JP H1062438A JP 23474596 A JP23474596 A JP 23474596A JP 23474596 A JP23474596 A JP 23474596A JP H1062438 A JPH1062438 A JP H1062438A
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JP
Japan
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cantilever
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piezoelectric element
probe
laser light
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JP23474596A
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Inventor
Takashi Morimoto
高史 森本
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カンチレバーのたわみ変形の検出に光テコを
用い、Z軸方向の変位手段にたわみ変形を利用したとき
に生じる誤差信号の割合の低減と、Z軸方向の変位手段
となるカンチレバー保持部の寸法の低減による制御の周
波数応答性の向上を両立する。 【解決手段】 探針13を備えたカンチレバー11と、レー
ザ光源14と光検出器15からなるカンチレバー変位計測手
段と、カンチレバーを試料に対して接近・退避させる接
近退避手段と、探針と試料の距離を変化させる変位手段
と、走査手段と備え、さらに変位手段12はたわみ変形を
利用して前記距離を変化させるZ軸圧電素子12でありか
つカンチレバーの保持部に設けられ、当該保持部に反射
面12a を形成し、レーザ光源からのレーザ光16は反射面
で反射され、その反射光をカンチレバーの背面で反射し
て光検出器へ導くようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は走査型プローブ顕微
鏡に関し、特に、高速に探針を走査して試料の表面情報
を得るのに適した走査型プローブ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、先
端の尖った探針を試料に対してナノメートル(nm)オ
ーダまで接近させ、探針と試料との間に生じる原子間力
等の相互作用を測定して、試料表面の形状などを原子寸
法レベルで計測する装置である。その中で走査型原子間
力顕微鏡(AFM)に代表される例えば力顕微鏡では、
カンチレバーと呼ばれる非常にバネ定数の低い片持ち梁
を用い、カンチレバー先端に備えた探針と試料の間に作
用する原子間力によるカンチレバーのたわみ量を検出す
ることにより、試料表面の形状を測定する。
【0003】図5に従来の一般的なAFMの構成を示
す。先端に探針31を有するカンチレバー32の変位
は、レーザ光源33と光検出器34からなる光テコと呼
ばれる光学的変位検出装置により計測される。光テコ
は、AFMのカンチレバーの変位検出装置として一般に
広く用いられている。またトライポッド35は、試料の
XY方向走査と探針・試料間距離を制御するZ軸方向駆
動とを行うための3次元アクチュエータであり、一般に
広く用いられている。トライポッド35では、Z軸圧電
素子36により探針・試料間の距離を制御し、X軸圧電
素子37および図示しないY軸圧電素子によりXY方向
の走査を行う。X軸、Y軸、Z軸の各圧電素子は試料台
38を支持し、試料台38の上には試料39が配置され
る。
【0004】試料表面の形状を測定するときには、図示
しない接近機構によってカンチレバー32を移動させ、
探針31を試料39に対し原子間力が作用する領域まで
接近させる。その時、探針31が力を受け、カンチレバ
ー32にたわみ変形が生じる。光テコにより検出された
カンチレバー32のたわみ変形による変形量が一定にな
るように、すなわち探針31の押しつけ力が一定になる
ようにZ軸圧電素子36の制御を行いながら、トライポ
ッド35を動作させて試料39の表面を走査すると、Z
軸圧電素子36の制御信号は試料39の表面の凹凸に応
じて変化する。その制御信号に基づき試料表面の凹凸情
報が得られる。
【0005】ところで上記のAFM測定において、試料
39の走査速度を大きくし、高速な測定を行う場合、ト
ライポッド35のZ軸方向の制御が追従しきれないとい
う問題が生じる。制御が追従できなければ正確な凹凸情
報を得ることはできないし、走査速度や試料表面の形状
によっては全く測定できない場合もある。
【0006】そこでZ軸方向の制御の応答周波数帯域を
高くする必要が生じる。Z軸方向の制御の応答周波数帯
域は、トライポッド35等の機械的要素の固有振動数、
圧電素子の静電容量と駆動回路の電流容量、制御系の周
波数特性などにより制限される。従って、Z軸方向の駆
動重量を小さくし、その固有振動数を高くできれば、制
御の応答周波数帯域を向上できる。しかし、トライポッ
ド35を用いて試料の位置を変化させる方式では、測定
する試料のサイズにより自ずと限界がある。
【0007】そこで、さらに、Z軸方向の変位手段をカ
ンチレバー32の側に設けるように構成し、その寸法を
小さくする手段を考える。圧電素子の寸法を小さくし、
その静電容量を小さくすることは、制御の応答周波数帯
域を向上するのに非常に有効である。
【0008】しかし、圧電素子の寸法を小さくしその静
電容量を小さくすることは、同時に変位量の減少を招
く。そこで、たわみ変形を利用して変位を生じさせる圧
電素子を用いたZ軸方向の変位手段が有効である。いわ
ゆるユニモルフ型あるいはバイモルフ型の圧電素子であ
る。その例としてカンチレバーそのものをZ軸方向の変
位手段とするものが、例えばAppl.Phys.Lett.67(26),25
Dec. 1995 に報告されている。この方式では、カンチレ
バー上に形成したZnO薄膜によりカンチレバーをたわ
み変形させて探針の位置を上下に変位させる。また試料
表面の凹凸に応じて生じるカンチレバーでのたわみ変形
の検出にはカンチレバー上に形成されたピエゾ抵抗薄膜
が用いられる。当該たわみ変形の検出に光テコは用いら
れない。さらに、ピエゾ抵抗薄膜により検出されるたわ
み変形(本来検出したいたわみ変形で試料表面の凹凸に
起因するもの)の領域と、検出された信号に基づき探針
位置を制御するZnO薄膜によるたわみ変形(本来検出
されてはならないたわみ変形で検出されれば誤差となる
変形)の領域とを、構造上分離することにより、ZnO
薄膜によるたわみ変形に起因する干渉信号(誤差信号)
を原理的に除去している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】カンチレバーそのもの
の構成にZ軸方向の変位手段を組込む従来の構成は、制
御の応答周波数帯域の向上に非常に有効である。しか
し、カンチレバーをたわみ変形させるためのZnO薄膜
とカンチレバーのたわみ変形を検出するためのピエゾ抵
抗薄膜を、わずか100μm程度のカンチレバー上に形
成しなければならないので、製作が困難である。
【0010】そこで、カンチレバーのたわみ変形の検出
に、従来からよく知られる、構成が比較的に簡単な光テ
コの利用が考えられる。
【0011】しかしながら、光テコを用いた場合には、
カンチレバーのたわみ変形量を角度の変化として検出す
るので、Z軸方向の変位手段にたわみ変形を利用する限
り、試料表面の凹凸によるカンチレバーのたわみ変形
と、探針・試料間の距離を調整するため探針を上下させ
るたわみ変形とを完全に分離して検出することは原理的
に不可能である。このような理由から、Z軸方向の変位
手段としてカンチレバーそのもののたわみ変形を利用す
る限り、光テコを変位検出装置として用いることは困難
であった。
【0012】例えば図5に示した光テコによるカンチレ
バーの変位検出において、カンチレバーの長さをl(通
常100〜200μm)、反射光の光路(カンチレバー
から光検出器までの距離)をL、カンチレバー先端(探
針)の変位量をΔ、光検出器上での検出光の変位量をD
とすると、その変位の拡大率(検出感度に相当)は、カ
ンチレバーのたわみ変形による角度変化がごく微小な場
合、下式(1)で近似できる。
【0013】
【数1】D/Δ=2L/l …(1)
【0014】ここでL=50mm、l=100μmとす
ると、拡大率は1000倍となる。また前述したカンチ
レバーそのものをたわみ変形させることにより、探針の
位置を上下に変化させる構成の場合、そのままでは全く
同様に1000倍の拡大率で検出される。カンチレバー
そのものをたわみ変形させることによって生じる信号が
検出されることは望ましくない。この信号が検出される
と誤差となり、この場合、有効な信号に対する誤差信号
の割合は1:1となり、全く測定ができないことにな
る。
【0015】さらに、探針と試料との距離を変化させる
Z軸方向の変位手段はたわみ変形を利用したものとし、
そのZ軸方向の変位手段をカンチレバーの保持部に構成
するようにした場合、例えば、その保持部の長さを10
mmとして上記計算のlに当てはめてみると、拡大率は
10倍となる。従って、有効な信号に対する誤差信号の
割合は1/100となり、大幅に減少させることができ
る。
【0016】さらに、ここでカンチレバーの長さをl、
保持部の長さをl′としたとき、上記誤差信号の割合
は、両者の長さの比l/l′によって決まる。従って、
保持部の長さl′を長くすればするほど誤差信号の割合
は小さくなり、逆に保持部の長さを短くすれば、誤差信
号の割合は大きくなる。
【0017】一方、圧電素子の寸法を小さくし、またそ
の静電容量を小さくした方が、制御の応答周波数を向上
するのに有利であるので、変位手段となるカンチレバー
の保持部の寸法は小さい方が良い。従って、誤差信号の
割合の低減と応答周波数の向上とは互いに相反する要求
であり、両方を実現することには限界がある。
【0018】本発明の目的は、上記の課題を解決するこ
とにあり、カンチレバーのたわみ変形の検出に光テコを
用いかつZ軸方向の変位手段にたわみ変形を利用した構
成を用いるときに生じる誤差信号の割合の低減と、Z軸
方向の変位手段となるカンチレバー保持部の寸法の低減
による制御の周波数応答性の向上とを両立できる走査型
プローブ顕微鏡を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段および作用】本発明に係る
走査型プローブ顕微鏡は、試料に対向する探針を先端に
備えたカンチレバーと、このカンチレバーにレーザ光を
照射するレーザ光源とカンチレバーで反射したレーザ光
を受光する光検出器からなるカンチレバー変位計測手段
と、カンチレバーを前記試料に対して接近・退避させる
接近退避手段と、探針と試料の距離を変化させる変位手
段と、試料の表面に対しカンチレバーを相対的に走査さ
せる走査手段と備え、さらに、上記目的を達成するた
め、変位手段は、たわみ変形を利用して前記距離を変化
させるように構成されかつカンチレバーの保持部に設け
られ、カンチレバーの保持部にレーザ光を反射する反射
面を形成し、レーザ光源より出射されたレーザ光は反射
面で反射され、その反射光をカンチレバーの背面で反射
して光検出器へ導くように構成される。
【0020】本発明では、探針・試料間の距離を調整す
るZ軸方向の変位手段をたわみ変形を利用しかつカンチ
レバー保持部に設けるようにした構成と、レーザ光源よ
り出射されたレーザ光をカンチレバー保持部の反射面で
反射し、その反射光をカンチレバー背面で反射し、さら
にその反射光を光検出器で受光するようにした構成とを
組合せることにより、Z軸方向の変位手段であるZ軸圧
電素子をたわみ変形させたときのカンチレバーの反射面
の角度変化に起因する誤差信号の発生を抑制することが
できる。また、変位手段となるカンチレバーの保持部の
寸法を低減することにより制御の周波数応答性を向上す
ることができる。こうして、誤差信号の割合の低減と制
御の周波数応答性の向上とが両立できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施形態
を添付図面に基づいて説明する。
【0022】図1は本発明に係る走査型プローブ顕微鏡
の要部構成とその作用を原理的に説明する図である。こ
の走査型プローブ顕微鏡は、先端に探針を有するカンチ
レバーを備え、探針と試料の間で生じる原子間力を利用
して試料の表面計測を行う。図1で、太い実線は最初の
状態を示し、細い実線はカンチレバーおよびその保持部
が下方に変位した状態を示す。カンチレバー11は保持
部12に保持されている。保持部12は、自身のたわみ
変形を利用して変位を発生する変位手段であって、探針
・試料間の距離を調整する働き、換言すれば、カンチレ
バー11のZ軸方向における変位を生じさせる働きを有
する。保持部12にはたわみ変形を生じる圧電素子が使
用され、以下、Z軸圧電素子という。Z軸圧電素子12
は所要の長さを有し、例えばバイモルフ型と呼ばれる圧
電素子が用いられる。カンチレバー11の保持部である
Z軸圧電素子12のカンチレバー側の面12aは好まし
くはカンチレバー11の背面に実質的に直交するように
形成される。面12aは反射面として形成される。カン
チレバー11の先端には探針13が形成される。
【0023】かかるカンチレバー11等に対して変位計
測装置として、レーザ光源14と光検出器15からなる
変位検出光学系が配置される。
【0024】レーザ光源14から出射されたレーザ光1
6は、Z軸圧電素子12の端面の反射面12aで反射さ
れ、その反射光はカンチレバー11の背面で反射され、
さらにその反射光は光検出器15へ導かれ、ここで受光
される。かかるレーザ光16の光路では、入射光と反射
光の間で必ず平行な光路が形成されるという特徴が生じ
る。
【0025】上記の構成によって、実際にAFMの測定
を行った場合には、試料表面の凹凸によるカンチレバー
11のたわみ変形(本来検出したいたわみ変形でこの信
号に基づき制御を行う)は、図5に示した従来の一般的
な光テコと全く同様に検出できる。
【0026】一方、Z軸圧電素子12の全体がたわみ変
形することにより、カンチレバー11と反射面12aの
角度が変化し、かつその位置も変化する。しかしなが
ら、カンチレバー11の背面と反射面12aのなす角は
90度のまま変化しないので、光検出器15に入射する
レーザ光の角度は、レーザ光源14から出射されたレー
ザ光に対して平行のまま保たれ、角度変化を生じない。
その結果、光テコによる変位の拡大が作用しなくなり、
カンチレバー11の位置が変化することによるレーザビ
ームの平行移動による誤差成分のみが検出される。従っ
て、誤差成分については近似的に拡大率1とみなすこと
ができる。そのため、有効な信号に対する誤差信号の割
合は、光テコの拡大率の逆数に等しくなる。
【0027】前述の従来例に従って具体的に述べると、
(1)式において、L=50mm、l=100μmとす
ると、有効な信号の拡大率は1000倍となり、本実施
形態における誤差信号の割合は1/1000となる。ま
た誤差信号の割合は、カンチレバー11の保持部である
Z軸圧電素子12の長さに依存しないので、保持部すな
わちZ軸圧電素子12のサイズを小さくでき、制御の応
答周波数を高めることができる。
【0028】図2は、前述の構成を適用した本発明に係
る走査型プローブ顕微鏡を部分的に示し、走査型プロー
ブ顕微鏡の例としてAFMの構成を示している。本図に
おいて、試料台21は、支持台22においてヒンジ23
と、X軸圧電素子24およびY軸圧電素子(図示せず)
とによって支持される。ヒンジ23の軸方向はZ軸方向
を向いている。支持台22、ヒンジ23、X軸圧電素子
24、Y軸圧電素子、試料台21によってトライポッド
25が構成される。試料台21の上には試料26が配置
される。かかる試料26に対し、その上方に、探針13
を備えたカンチレバー11が配置される。
【0029】かかる構成を有するトライポッド25に対
して、その上方に前述の構成が設けられる。保持部であ
るZ軸圧電素子12に保持されたカンチレバー11は試
料26の上方に位置し、先端の探針13が試料26の表
面に対向している。Z軸圧電素子12は、駆動源(図示
せず)によってたわみ変形を生じるように構成され、当
該たわみ変形によってカンチレバー11と探針13をZ
軸方向に変位させる。カンチレバー11と探針13のZ
軸方向の変位によって探針・試料間の距離が調整され
る。
【0030】図2では、説明の便宜上、誇張の目的で、
カンチレバー11や探針13が、トライポッド25やZ
軸圧電素子12等に対して同程度の大きさで示されてい
るが、実際にはカンチレバー11は非常に小さいもの
で、例えば100μm程度のものである。また例えばZ
軸圧電素子12の長手方向の長さは、実際には例えば1
0mm程度である。
【0031】また、試料26の表面を探針13で測定で
きるようにするためには、探針13と試料26の表面の
との間に原子間力が作用するような距離までカンチレバ
ー11等を移動させる図示しない接近・退避機構が設け
られる。この接近・退避機構は、測定が終了すると、カ
ンチレバー11とZ軸圧電素子12を上方へ退避させ
る。
【0032】またカンチレバー11の上方左手の位置
に、光学的変位検出装置としてのレーザ光源14と光検
出器15が配置される。レーザ光源14と光検出器15
との間には前述の通りレーザ光16の光路が形成され
る。これによって、試料26の表面の凹凸で生じるカン
チレバー11のたわみ変形を測定し、変位計測を行うこ
とができる。
【0033】上記構成において、ヒンジ23はトライポ
ッド25のZ軸方向について高い剛性を有し、X軸方向
およびY軸方向には容易に変形できる。従って、試料2
6の走査を防げることなく、Z軸方向の剛性を確保する
作用を有する。Z軸圧電素子12は、前述の通りカンチ
レバー11の保持部を形成すると同時に、たわみ変形を
生じ、このたわみ変形で探針13と試料26との距離を
変化させる。実際の試料表面の測定方法は、従来の一般
的なAFMと同様である。ただし、Z軸圧電素子12に
関連する部分の構成が異なっている。試料26を走査し
た時の表面の凹凸に起因するカンチレバー11のたわみ
変形は、光検出器15で検出されるその信号に基づいて
図示しないよく知られた制御機構により駆動源を制御
し、カンチレバー11のたわみ変形量が一定となるよう
に、Z軸圧電素子12のたわみ変形動作を行う。さら
に、レーザ光源14、反射面12a、カンチレバー11
の反射可能な背面、光検出器15からなる光テコの構成
に特徴がある。図示された構成を有する光テコによれ
ば、図1を参照して説明された通り、有効な信号に対す
る誤差信号の割合を相当に低減した状態で変位に関する
信号を得ることができる。本構成を有する走査型プロー
ブ顕微鏡によれば、図1で説明したものと全く同様の効
果を得ることができる。
【0034】上記では、簡単に説明するために、図1に
おける反射面12aをカンチレバー11の面と直交する
ように構成した場合について述べた。反射面12aとカ
ンチレバー面の成す角が90度でない場合は、レーザ光
源14から出射されたレーザ光と光検出器15に入射す
るレーザ光が平行にならないが、それらが互いに成す角
は、常に一定の値になる。従って、Z軸圧電素子12が
たわみ変形することによる光検出器15への入射光の角
度変化は生じず、光テコによる変位の拡大が作用しなく
なるという点で、前述の例と全く同様の効果が期待でき
る。
【0035】また前述の例では、カンチレバー11の保
持部そのものでたわみ変形を生じるZ軸圧電素子12と
した場合を説明したが、Z軸圧電素子12を別途に設け
て、それに対してカンチレバーの保持部を接着等により
固定する類似の構成も考えられる。この場合にも、同様
に前述の効果を期待できる。
【0036】またここで、図3と図4を参照して、Z軸
方向の変位手段としてたわみ変形を利用したZ軸圧電素
子12を用いる本発明の構成において、光テコとして、
本発明の構成(図4に示す)を適用する場合と、従来の
構成(図3に示す)を適用する場合の違いを説明する。
図3と図4において、22aは支持台であり、左側端部
に前述の構成を有するトライポッド25が設けられると
共に、左側部に長形の長さa1のZ軸圧電素子12が取
り付けられる。Z軸圧電素子12の左端にはカンチレバ
ー11が設けられる。図3の構成では、レーザ光源14
から発射されたレーザ光はカンチレバー11の背面で直
接に反射され、光検出器15に入射される。図4の構成
は、図1および図2で説明した構成と同じである。図3
と図4において、既に説明した要素と同一の要素には同
一の符号を付している。また図3と図4で、Z軸圧電素
子12がたわみ変形を生じ、カンチレバー11の先端に
位置する探針が距離dだけが下方に変位した状態が破線
で示されている。
【0037】図3と図4の図示例で明らかなように、従
来の光テコの構成では、探針が距離dだけ下方に変位す
るだけでΔ1という大きな反射光のずれが発生するのに
対して、本発明の光テコの構成では、反射光のずれΔ2
はほぼdに等しい。このように、従来の光テコの構成に
よれば、Z軸圧電素子12のたわみ変形に伴うカンチレ
バー11の変位で生じる反射光の角度が非常に大きく変
化するため、ずれΔ1がZ軸圧電素子12の長さa1や
反射光路の長さに依存する。これに対して、本発明の構
成によれば、反射光の角度が変化しないので、ずれΔ2
がZ軸圧電素子12の長さa1や反射光路の長さに依存
しないという利点を有する。
【0038】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、カンチレバーのたわみ変形の検出手段に光テコを
用い、かつZ軸方向の変位手段にたわみ変形を利用した
圧電素子をカンチレバー保持部に設けた場合において、
光テコの入射光路と反射光路が好ましくはほぼ平行にな
るように構成したため、有効な信号に対する誤差信号の
割合の低減と、変位手段となるカンチレバー保持部の寸
法の低減による制御の周波数応答の向上を両立すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る走査型プローブ顕微鏡の原理を説
明するための構成図である。
【図2】本発明に係る走査型プローブ顕微鏡の要部構成
を示す構成図である。
【図3】従来の光テコの欠点を説明するための構成図で
ある。
【図4】本発明の光テコの利点を説明するための構成図
である。
【図5】従来の走査型プローブ顕微鏡を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
11 カンチレバー 12 Z軸圧電素子(保持部) 12a 反射面 13 探針 14 レーザ光源 15 光検出器 21 試料台 25 トライポッド 26 試料

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料に対向する探針を先端に備えたカン
    チレバーと、このカンチレバーにレーザ光を照射するレ
    ーザ光源と前記カンチレバーで反射したレーザ光を受光
    する光検出器からなるカンチレバー変位計測手段と、前
    記カンチレバーを前記試料に対して接近・退避させる接
    近退避手段と、前記探針と前記試料の距離を変化させる
    変位手段と、前記試料の表面に対し前記カンチレバーを
    相対的に走査させる走査手段と備える走査型プローブ顕
    微鏡において、 前記変位手段は、たわみ変形を利用して前記距離を変化
    させるように構成され、かつ前記カンチレバーの保持部
    に設けられ、 前記カンチレバーの保持部に前記レーザ光を反射する反
    射面を形成し、 前記レーザ光源より出射された前記レーザ光は前記反射
    面で反射され、その反射光を前記カンチレバーの背面で
    反射して前記光検出器へ導いたことを特徴とする走査型
    プローブ顕微鏡。
JP23474596A 1996-08-16 1996-08-16 走査型プローブ顕微鏡 Pending JPH1062438A (ja)

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JP23474596A JPH1062438A (ja) 1996-08-16 1996-08-16 走査型プローブ顕微鏡

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114486514A (zh) * 2021-12-10 2022-05-13 中船澄西(泰州)装备科技有限公司 一种低温液体罐式集装箱筒体的应变强化检测装置

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CN114486514B (zh) * 2021-12-10 2024-05-14 中船澄西(泰州)装备科技有限公司 一种低温液体罐式集装箱筒体的应变强化检测装置

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