JP3785018B2 - マイクロプローブおよびそれを用いた走査型プローブ装置 - Google Patents

マイクロプローブおよびそれを用いた走査型プローブ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料表面の微小領域(ナノメートルオーダ)を観察するために用いられるマイクロプローブおよびそれを用いた走査型プローブ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、試料表面におけるナノメートルオーダの微小な領域を観察するための顕微鏡(走査型プローブ装置)の1つとして、走査型プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope)が用いられている。その中でも、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)は、マイクロプローブとして、先端部に探針を設けたカンチレバーを使用しており、そのカンチレバーの探針を試料表面に沿って走査し、試料表面と探針との間に発生する相互作用(引力または斥力等)をカンチレバーの撓み量として検出することで、試料表面の形状測定を可能としている。
【0003】
カンチレバーの撓み量は、カンチレバーの先端表面にレーザ光等の照射光を照射し、先端表面から反射された反射光の反射角度を測定することにより検出される。この反射角度は、実際には、2分割されたフォトダイオード等の光検出器を使用して、各検出部において受光される光の強度分布から得ている。
【0004】
このようなAFMによる試料観測においては、一般に、観測精度や観測範囲に応じて探針の先鋭度の異なるカンチレバーを選択し、これを装置に装着して使用している。例えば、マイクロメートルオーダの広領域を高速に測定したい場合には、低分解能ではあるが、先鋭度の低い探針を有したカンチレバー(以下、低分解能用カンチレバーと称する)が使用され、また、ナノメートルオーダの狭領域を高分解能で測定したい場合には、先鋭度の高い探針を有したカンチレバー(以下、高分解能用カンチレバーと称する)が使用される。
【0005】
このように、観測目的によってカンチレバーを交換する必要が生じるが、この交換は、上記した照射光の照射角度や光検出器の受光角度等を微調整する煩雑な作業となっていた。また、交換作業の前後において、観測位置が大きくずれてしまう場合が多く、正確な試料観測を行うことが困難であった。
【0006】
そこで、支持部を共通にして、上記した低分解能用カンチレバーと高分解能用カンチレバーとを共に備えたダブルレバー型のマイクロプローブが提案されている。特に、このダブルレバー型のマイクロプローブにおいては、上述した観測目的に応じて、ヒータの熱膨張を利用したスイッチングによって、上記2種類のカンチレバーの切り替えを可能としている。
【0007】
図12は、このダブルレバー型のマイクロプローブ1およびそれを用いた走査型プローブ装置の要部の構成を示す斜視図である。また、図13は、ダブルレバー型のマイクロプローブ1の動作を説明する側面図である。
【0008】
図12において、マイクロプローブ1は、試料4の上方に配設されており、シリコンを基材として作成されたものであり、支持部1aに低分解能用カンチレバー部1bと高分解能用カンチレバー部1dとが形成されている。これら低分解能用カンチレバー部1bと高分解能用カンチレバー部1dとは、図12に示すように、支持部1aの端縁より同図に示すマイナスy軸方向に突出するように、かつ、間隙1fで隔てられるように、支持部1aに支持されている。なお、実際の使用にあたっては、支持部1aは、図示しない固定部材に固定される。
【0009】
また、上記試料4は、図示しないアクチュエータによって同図に示すxy平面内およびz軸方向に移動され、これによりマイクロプローブ1の試料表面上に亘る走査と、マイクロプローブ1と試料表面との近接制御が達成される。
【0010】
さらに、低分解能用カンチレバー部1bおよび高分解能用カンチレバー部1dは、支持部1aとの接合部分を屈曲部として同図に示すz軸方向に撓むように形成されている。そして、低分解能用カンチレバー部1bの先端部には、マイナスz軸方向へ突出するように、先鋭化された低分解能用探針1cが形成されている。
【0011】
この低分解能用探針1cは、試料4の試料表面4aに近接しており、その先鋭度は後述する高分解能用探針1eの先鋭度と比べて低く、かつそのz軸方向における長さは高分解能用探針1eの長さに比較して長い。すなわち、低分解能用探針1c(低分解能用カンチレバー部1b)は、低分解能であってかつ広領域の測定の際に用いられる。
【0012】
一方、高分解能用カンチレバー部1dの先端部には、マイナスz軸方向へ突出するように、先鋭化された高分解能用探針1eが形成されている。この高分解能用探針1eは、その先鋭度を低分解能用1cの先鋭度と比べて高くかつ、z軸方向の長さを低分解能用探針1cの長さと比較して短くしている。すなわち、高分解能用探針1e(高分解能用カンチレバー部1d)は、高分解能であってかつ狭領域の測定の際に用いられる。
【0013】
低分解能用カンチレバー部1bおよび高分解能用カンチレバー部1dの撓みの検出は、上記したように、カンチレバーの表面で反射された反射光の測定により行う。低分解能用カンチレバー部1bの撓み検出については、発光素子51から照射された照射光La1が反射され、その反射光Lb1が受光素子61において受光されることで行われる。また、同様に、高分解能用カンチレバー部1dの撓み検出については、発光素子52から照射された照射光La2が反射され、その反射光Lb2が受光素子62において受光されることで行われる。
【0014】
さらに、低分解能用カンチレバー部1bにおいては、図13に示すように、低分解能用探針1c側の面上に、上記したスイッチングのためのヒータ3が形成されている。特に、このヒータ3は、低分解能用カンチレバー部1bと支持部1aとの接合部分(屈曲部)に形成されており、図示しない配線を介した通電によって発熱し、ヒータ3自体の熱膨張により、または、低分解能用カンチレバー部1bにおいてヒータ3が形成された側とその反対側と熱膨張の差異により、低分解能用カンチレバー部1bをヒータ3部においてz軸プラス方向に屈曲させることができる。
【0015】
ここで、低分解能用カンチレバー部1bが屈曲する前のヒータ3の温度をT0とし、低分解能用カンチレバー部1bが屈曲するためのヒータ3の温度(差動温度)をT(>T0)とする。
【0016】
よって、このマイクロプローブ1を用いた走査型プローブ装置においては、初期状態、すなわちヒータ3の温度がT0である状態を、高分解能用探針1eよりも高さの高い低分解能用探針1cが試料表面4aにより近接した状態として使用できる状態とし、この状態では広領域かつ低分解能の観測をおこなうことができる。
【0017】
そして、ヒータ3に電流を流して、ヒータ3の温度を作動温度Tまで上昇させることで低分解能用カンチレバー部1bをz軸プラス方向に屈曲させると、この状態では、高分解能用探針1eの方が低分解能用探針1cよりも試料表面4aにより近接した状態となるので、狭領域かつ高分解能の観測をおこなうことができる。
【0018】
よって、以上のようなダブルレバー型のマイクロプローブは、マイクロプローブの交換作業を行うことなく、広領域かつ低分解能のための観測または狭領域かつ高分解能の観測の一方をおこなうための専用の探針に切り換えることが可能になる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなマイクロプローブ1およびそれを用いた走査型プローブ装置においては、必然的に、低分解能用カンチレバー部1bの撓み量を検出する検出部(発光素子51および受光素子61)と、高分解能用カンチレバー部1dの撓み量を検出する検出部(発光素子52および受光素子62)という2系統の検出部が必要となる。
【0020】
よって、従来のマイクロプローブ1およびそれを用いた走査型プローブ装置においては、2系統の検出部に対して、個々に配設位置や角度の微調整を行う必要が生じ、また、このように検出部が2系統分必要となるため、構成が複雑となるという問題があった。
【0021】
さらに、従来のマイクロプローブ1およびそれを用いた走査型プローブ装置においては、2系統の検出部の検出特性に製造上やむを得ないばらつきが存在するため、おのずとこのばらつきにより測定精度が落ちてしまうという問題があった。
【0022】
そこで、従来においては、2系統の検出部による問題等を解決すべく、低分解能用カンチレバー部1bおよび高分解能用カンチレバー部1dの各先端部の双方を覆うような大径の光ビームの光を用いる1系統の検出部を、2系統の検出部に代えて用いる構成も考えられる。
【0023】
しかしながら、この1系統の検出部を有するものは、2系統の検出部を有するものと比較して、構成を簡単にすることができるという利点があるが、光ビームの径が測定精度に反比例することを考慮すれば、測定精度の低下を招くため、必ずしも上述した問題のすべてを同時に解決するものではない。
【0024】
さらに、従来のマイクロプローブ1およびそれを用いた走査型プローブ装置においては、測定の度に発光素子51および52、受光素子61および62の各配設位置・角度のアライメント調整が必要である旨を述べたが、実際には、測定オーダがナノメートルというきわめて微小なオーダであることから、微細な位置・角度調整を何度も繰り返す必要が生じ、非常に煩雑であってかつ長時間の作業を要するという問題もあった。
【0025】
本発明はこのような背景の下になされたもので、構成を簡易にすることができるとともに、試料面の測定精度を向上させることができ、しかも測定毎のアライメント調整を不要にすることができるマイクロプローブおよびそれを用いた走査型プローブ装置を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかるマイクロプローブは、第1の先鋭度を有する探針を備えた第1のカンチレバー部と第2の先鋭度を有する探針を備えた第2のカンチレバー部とを支持部に設け、前記第1のカンチレバー部と前記支持部との連結部に加熱手段を配設し、前記加熱手段によって前記第1のカンチレバー部を屈曲させるマイクロプローブにおいて、前記第1のカンチレバー部と前記加熱手段とを連結する第1の屈曲部と、前記第2のカンチレバー部と前記支持部とを連結する第2の屈曲部と、にそれぞれピエゾ抵抗体を形成し、前記第1のカンチレバー部および第2のカンチレバー部の撓み量を前記ピエゾ抵抗体の抵抗値変化として検出することを特徴とする。
【0027】
この請求項1に記載の発明によれば、第2のカンチレバー部を使用して第2の先鋭度を有する探針を有効とする場合には、第1のカンチレバー部に連結された加熱手段により与えられる熱膨張によって、第1の先鋭度を有する探針が観測対象となる試料表面から離間するように第1のカンチレバー部を屈曲させる。これにより、第2の先鋭度を有する探針を試料表面に近接させることが可能となる。
【0028】
一方、第1のカンチレバー部を使用して第1の先鋭度を有する探針を有効とする場合には、加熱手段を駆動せずに第1のカンチレバー部を屈曲させない。この状態においては、あらかじめ第1の先鋭度を有する探針がより試料表面に近接している。
【0029】
これらの状態において、有効となった探針により試料表面が走査されると、試料表面とその探針との間に作用する相互作用に応じて有効となったカンチレバー部が屈曲部を支点として撓む。この撓み量は、試料表面の状態に対応する測定結果であるピエゾ抵抗体の抵抗値として検出される。
【0030】
請求項2にかかるマイクロプローブは、第1の先鋭度を有する探針と第2の先鋭度を有する探針とを備えた可動部と、支持部に設けられた第1のレバー部と前記可動部とを連結する第1の屈曲部と、前記支持部に設けられかつ加熱手段が配設された第2のレバー部と前記可動部とを連結する第2の屈曲部と、にそれぞれピエゾ抵抗体を形成し、前記加熱手段によって前記第1のレバー部を屈曲させるとともに、前記可動部の撓み量を前記ピエゾ抵抗体の抵抗値変化として検出することを特徴とする。
【0031】
この請求項2に記載の発明によれば、可動部に異なる2種類の先鋭度を有する探針を備え、加熱手段を駆動させて、それら探針のうち有効とする探針を選択することができるので、構成をより簡単にすることができる。
【0032】
請求項3にかかるマイクロプローブは、前記第1の先鋭度を有する探針と前記第2の先鋭度を有する探針とは、各々を結ぶ線分が前記第1の屈曲部と前記第2の屈曲部とを結ぶ線分に対して所定の角度をなすように前記可動部上に配設されていることを特徴とする。
【0033】
この請求項3に記載の発明によれば、第1の先鋭度を有する探針と第2の先鋭度を有する探針とを結ぶ線分が、第1の屈曲部と第2の屈曲部とを結ぶ線分に対して所定角度をなしているので、可動部が第2の屈曲部を回転軸として回転したときのその回転量が多くなる。
【0034】
請求項4にかかるマイクロプローブは、請求項1〜3のいずれか一つのマイクロプローブにおいて、前記加熱手段は、ピエゾ抵抗体により構成され、当該ピエゾ抵抗体に電流が供給されることによって発熱することを特徴とする。
【0035】
この請求項4に記載の発明によれば、ピエゾ抵抗体に電流を流すことによって生じる抵抗熱を加熱手段として利用しているので、加熱手段の駆動が電気的に行え、このマイクロプローブのレバー部の屈曲を容易に制御することができる。
【0036】
請求項5にかかる走査型プローブ装置は、マイクロプローブに設けられた先鋭化された探針を試料表面に近接させ、前記探針と試料表面との間に生じる相互作用によって、前記マイクロプローブの撓み量を検出することにより前記試料表面の観測をおこなう走査型プローブ装置において、前記マイクロプローブとして請求項1〜4のいずれか一つに記載のマイクロプローブを用い、当該マイクロプローブに設けられた前記加熱手段を駆動する駆動手段を備えたことを特徴とする。
【0037】
この請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれか一つのマイクロプローブを使用し、そのマイクロプローブに設けられた加熱手段を駆動する駆動手段によって試料の観測目的に応じた探針を選択することが可能となり、マイクロプローブの煩雑な交換作業を削減させることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明にかかるマイクロプローブおよびぞれに用いた走査型プローブ装置の実施の形態1〜5について詳細に説明する。
【0039】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1によるマイクロプローブ100およびそれを用いた走査型プローブ装置10の構成を示す図である。図2は、図1に示すマイクロプローブ100の構成を示す拡大平面図であり、図3は、図2に示すA−A線に沿った断面図である。また、図4は、図2に示すマイクロプローブ100の断面図である。
【0040】
まず、図1に示す走査型プローブ装置10において、試料11は、測定対象であり、その試料表面11aの状態が観測される。アクチュエータ12は、試料11を同図に示すxy平面内およびz軸方向に移動させるものであり、後述する制御部13より供給されるアクチュエータ駆動信号Smによって駆動制御される。
【0041】
マイクロプローブ100は、試料11の上方に配設されており、ピエゾ抵抗体をその表面に設けることにより、試料11の試料表面11aの状態を上述した相互作用による撓み量として検出するものである。このマイクロプローブ100は、後述する2種類の低分解能用カンチレバー部(後述する低分解能用カンチレバー部110、図2参照)および高分解能用カンチレバー部(後述する高分解能用カンチレバー部130、図2参照)を備えており、測定目的に応じて、これらの低分解能用カンチレバー部と高分解能用カンチレバー部とをヒータ部(後述するヒータ部1121および1122)への通電によって切り替えることができるダブルレバー型のものである。
【0042】
制御部13は、アクチュエータ12に対する駆動制御、後述する測定部16より入力される測定信号Sdから試料表面11aの測定結果を導出する処理や、上記測定結果に基づいて、試料表面11aの状態を画像表示するための画像信号Sgの生成等を行う。探針選択スイッチ14は、測定時に、上記した低分解能用カンチレバー部と高分解能用カンチレバー部とを切り替えて、それらのいずれか一方を選択するためのスイッチである。
【0043】
換言すれば、探針選択スイッチ14は、低分解能用カンチレバー部を有効とした低分解能・広領域測定モード、高分解能用カンチレバー部を有効とした高分解能・狭領域測定モードのいずれか一方の測定モードを選択するためのスイッチである。
【0044】
そして、図1に示すヒータ駆動部15は、探針選択スイッチ14により高分解能用カンチレバー部130が選択されたときに、上記したヒータ部に電流を流すための機構である。一方、探針選択スイッチ14によって示す低分解能用カンチレバー部が選択されたときには、ヒータ駆動部15は、ヒータ部に電流を流さない。
【0045】
また、測定部16は、図2に示す導電膜134および導電膜133に電気的に接続されており、ピエゾ抵抗体(後述するピエゾ抵抗体1221および1222、またはピエゾ抵抗体131および132)の各抵抗値を測定して、この測定結果を測定信号Sdとして、制御部13へ出力する。表示部17は、制御部13より入力される画像信号Sgに基づいて、測定結果である試料表面11aの状態を画像表示するものである。
【0046】
つぎに、図2および図3を参照して、上記したマイクロプローブ100の構成について詳細に説明する。図2に示すマイクロプローブ100は、支持部101と、支持部101に、同図に示すz軸方向に屈曲自在に支持された低分解能用カンチレバー部110と、同じく支持部101に、z軸方向に屈曲自在に支持された高分解能用カンチレバー部130とが形成されている。
【0047】
低分解能用カンチレバー部110は、前述した低分解能・広領域測定時に用いられる一方、高分解能用カンチレバー部130は、高分解能・狭領域測定用に用いられる。
【0048】
この低分解能用カンチレバー部110は、シリコン材料から形成されており、ヒータ積層部111a、ヒータ積層部111b、屈曲部111c、屈曲部111dおよび可動部111eから構成される。ヒータ積層部111aおよび111bは、支持部101の端縁からプラスy軸方向へ各々延びかつ互いにx軸方向に一定間隔をおいて各々配置されている。
【0049】
ヒータ積層部111aは、図3に示すように、シリコン基板119上にイオン注入によって形成されるピエゾ抵抗体等からなるヒータ部1121と、シリコン基板119およびヒータ部1121の表面に形成されたSiO2等の絶縁層120と、絶縁層120の表面に形成される導電膜1151と、から構成されている。よって、絶縁層120は、ヒータ配線1121と導電膜1151との絶縁を確保するために形成されるものである。
【0050】
また、導電膜1151は、後述するように、導電膜1141とピエゾ抵抗体1221の一端部との間を電気的に接続する配線および導電膜1151とピエゾ抵抗体1221ととの間を電気的に接続する配線としての役目を果たしているとともに、ヒータ部1121において生じる熱をシリコン基板119の表面に効率よく伝達するための機能も果たす。
【0051】
可動部111eは、平面略逆V字形状をしており、屈曲部111cおよび111dを介してヒータ積層部111aおよび111bの各端縁に、同図に示すz軸方向に屈曲可能に連結されている。ここで、上記屈曲部111cおよび111dは、他の部分に比して幅狭に形成されている。
【0052】
可動部111eの先端部111fにおいて、図2に示すz軸において紙面手前側には、先端部分が先鋭化された低分解能用探針111gが形成されている。この低分解能用探針111gは、図4(a)に示すように試料11の試料表面11aに近接する位置にあり、その先鋭度が後述する高分解能用探針130eの先鋭度に比べて低い。すなわち、この低分解能用探針111g(低分解能用カンチレバー部110)は、低分解能であってかつ広領域の測定の際に用いられる。
【0053】
導電膜1131および導電膜1141は、支持部101の表面であって、かつヒータ積層部111a近傍に一定距離をおいて各々薄膜形成されており、上述したヒータ部1121への電流供給用配線としての役目を果たしている。そして、ヒータ部1121の一端部1121aおよび他端部1121bは、それぞれメタルコンタクト部1161bおよびメタルコンタクト部1161aを介して導電膜1141および1131に電気的に接続されている。
【0054】
また、ピエゾ抵抗体1221は、屈曲部111cの表面にイオン注入法等によって帯状に薄膜形成されており、加えられる圧力に応じてその抵抗値が変化するという特性を有している。すなわち、ピエゾ抵抗体1221は、この特性によって、屈曲部111c(低分解能用カンチレバー部110)における撓み量の変化をその抵抗値の変化として検出することができる。
【0055】
また、導電膜1151の一端部と導電膜1141とは、メタルコンタクト部1161aを介して電気的に接続されているとともに、導電膜1151の他端部とピエゾ抵抗体1221の一端部とは、メタルコンタクト部1241を介して電気的に接続されている。
【0056】
図2において、導電膜123は、可動部111eの表面であって、かつ可動部111eの一端部から先端部111fを経由して他端部までの間を接続するように薄膜形成されており、配線としての役目を果たしている。この導電膜123の一端部は、メタルコンタクト部1251を介して、ピエゾ抵抗体1221の他端部と電気的に接続されている。
【0057】
一方、ヒータ積層部111bは、ヒータ積層部111aに対して左右対称な構造であり、上述したヒータ積層部111aと同様な構成であるため、ここではその説明を省略する。なお、図中、ヒータ積層部111b、ヒータ部1122、導電膜1132、導電膜1142、一端部1122a、他端部1122b、メタルコンタクト部1162b、メタルコンタクト部1162a、導電膜1132、導電膜1142、ピエゾ抵抗体1222は、屈曲部111d、メタルコンタクト部1252、導電膜1152は、順に、ヒータ積層部111a、ヒータ部1121、導電膜1131、導電膜1141、一端部1122b、他端部1121a、メタルコンタクト部1161a、メタルコンタクト部1161b、導電膜1141、導電膜1131、ピエゾ抵抗体1221は、屈曲部111c、メタルコンタクト部1251、導電膜1151に対応している。
【0058】
他方、高分解能用カンチレバー部130は、低分解能用カンチレバー部110と同様に、シリコン材料から形成されており、屈曲部130a、屈曲部130b、可動部130cから構成されている。この高分解能用カンチレバー部130は、低分解能用カンチレバー部110と支持部101とにより囲まれた領域に位置している。
【0059】
上記した可動部130cには、先端部分に鋭角部を有する長尺形状をしており、屈曲部130aおよび130bを介して、支持部101の端縁に、同図に示すz軸方向に屈曲可能に連結されている。ここで、上記屈曲部130aおよび130bは、可動部130cに比べて幅狭に形成されている。
【0060】
また、可動部130cの先端部130dには、図2に示すz軸において紙面手前側には、先端部分が先鋭化された高分解能用探針111gが形成されている。この高分解能用探針130eは、図4(a)に示すように試料11の試料表面11aに近接する位置にあり、その先鋭度が上述した低分解能用探針111gの先鋭度に比べて高い。すなわち、この高分解能用探針130e(高分解能用カンチレバー部130)は、高分解能であってかつ狭領域の測定の際に用いられる。
【0061】
さらに、高分解能用カンチレバー部130は、試料表面11aに対して0〜20度程度の角度を有して配設される。特に、図4(a)および(b)においては、この角度が約10度の場合を示している。
【0062】
ピエゾ抵抗体131および132は、屈曲部130aおよび130bの各表面にイオン注入法等によって帯状に薄膜形成されており、加えられる圧力に応じてその抵抗値が変化するという特性を有している。すなわち、ピエゾ抵抗体131および132は、上述したピエゾ抵抗体1221および1222と同様に、屈曲部130aおよび130b(高分解能用カンチレバー部130)における撓み量の変化をその抵抗値の変化として各々検出するものである。
【0063】
導電膜133および134は、支持部101の表面であって、かつ屈曲部130aおよび130b近傍に一定距離をおいて各々薄膜形成されており、配線としての役目を果たしている。
【0064】
導電膜133および134と、屈曲部130aおよび130bの各一端部とは、それぞれメタルコンタクト部135および136を介して電気的に接続されている。導電膜137は、可動部130cの表面に薄膜形成されており、配線としての役目を果たしている。導電膜137の一端縁部分と、ピエゾ抵抗体131および132とは、メタルコンタクト部138および139を介して電気的に接続されている。なお、この導電膜137は、図2に示すように可動部130cの表面の大部分に亘って形成される以外にも、メタルコンタクト部138および139の近傍のみに形成することもできる。
【0065】
よって、図1に示す探針選択スイッチ14は、測定の際に、図2に示す低分解能用探針111g(低分解能用カンチレバー部110)または高分解能用探針130e(高分解能用カンチレバー部130)のいずれか一方を選択するためのスイッチであり、ヒータ駆動部15は、この探針選択スイッチ14によって、高分解能用探針130e(高分解能用カンチレバー部130)が選択されたときに、導電膜1131および1141と、導電膜1132および1142との双方へ電圧を印加することにより、ヒータ部1121および1122を駆動するものである。
【0066】
次に、上述した実施の形態1によるマイクロプローブ100およびそれを用いた走査型プローブ装置10の動作について説明する。
【0067】
(低分解能・広領域測定)
まず、図2に示す低分解能用カンチレバー部110(低分解能用探針111g)を用いた低分解能・広領域測定時の動作について説明する。この低分解能・広領域測定時においては、図1に示す探針選択スイッチ14により低分解能・広領域測定モードが選択される。従って、ヒータ駆動部15からは、図2に示す導電膜1141および1131と、導電膜1132および1142とに対して電圧が印加されない。
【0068】
従って、ヒータ積層部111aおよび111bの温度が作動温度T以下となるため、低分解能用カンチレバー部110は、図4(a)に示すように、変形することなく直線状であって、かつ高分解能用カンチレバー130と同一平面上に位置している状態となる。
【0069】
このような状態において、同図に示す低分解能用探針111gと試料表面11aとの間の距離が、高分解能用探針130eと試料表面11aとの間の距離に比べて短いため、マイクロプローブ100としては、低分解能用探針111g(低分解能用カンチレバー部110)が有効なる。
【0070】
また、測定時においては、図1に示す測定部16が図2に示す導電膜1141および1132に接続されており、測定部16→導電膜1141→メタルコンタクト部1161a→導電膜1151→メタルコンタクト部1241→ピエゾ抵抗体1221→メタルコンタクト部1251→導電膜123→メタルコンタクト部1252→ピエゾ抵抗体1222→メタルコンタクト部1242→導電膜1152→メタルコンタクト部1162b→導電膜1132→測定部16という経路からなる閉ループ回路が形成されている。
【0071】
ここで、図1に示す制御部13からアクチュエータ駆動信号Smがアクチュエータ12へ出力されると、アクチュエータ12が駆動され、試料11がxy平面内においてy方向へ移動される。
【0072】
これにより、試料表面11aにおけるマイクロプローブ100による走査が行われ、この走査中においては、図4(a)に示す低分解能用探針111gと試料表面11aとの間に相互作用(引力または斥力等)が作用し、低分解能用カンチレバー部110は、図2に示す屈曲部111cおよび111dを支点として、この相互作用に応じた撓み量をもってz軸方向に撓む。
【0073】
すなわち、屈曲部111cおよび111dは、上記した撓み量に応じて屈曲し、この屈曲度に応じて、ピエゾ抵抗体1221および1222は、各抵抗値が変化する。そして、これらのピエゾ抵抗体1221および1222の抵抗値は、図1に示す測定部16によって測定され、測定部16からは、測定結果として測定信号Sdが制御部13へ出力される。
【0074】
これにより、制御部13は、測定信号Sdに基づいて、ピエゾ抵抗体1221および1222の抵抗値の変化を求め、さらにこの抵抗値の変化から試料表面11aの状態に応じた画像信号Sgを生成する。ついで、制御部13は、測定結果としての上記画像信号Sgを表示部17へ出力する。これにより、表示部17には、測定結果として試料表面11aの状態が画像表示される。
【0075】
ここで、表示部17に表示されている測定結果は、低分解能用カンチレバー部110(低分解能用探針111g)による検出結果に基づいているため、試料表面11aにおける広領域の測定結果であるが、分解能が低いものである。
【0076】
(高分解能・狭領域測定)
つぎに、上述した低分解能・広領域測定に代えて、高分解能・狭領域測定を行う場合には、図1に示す探針選択スイッチ14により高分解能・狭領域測定モードが選択される。これにより、ヒータ駆動部15からは、図2に示す導電膜1141および1131と、導電膜1132および1142とに対して電圧が印加される。
【0077】
この結果、図2に示すマイクロプローブ100においては、ヒータ駆動部15→導電膜1131→メタルコンタクト部1161b→ヒータ部1121→メタルコンタクト部1161a→導電膜1141→ヒータ駆動部15という経路からなる第1の閉ループ回路が形成される。
【0078】
これと同様にして、マイクロプローブ100においては、ヒータ駆動部15→導電膜1132→メタルコンタクト部1162b→ヒータ部1122→メタルコンタクト部1162a→導電膜1142→ヒータ駆動部15という経路からなる第2の閉ループ回路が形成される。
【0079】
そして、上記第1および第2の閉ループ回路が形成されることにより、ヒータ部1121および1122の双方に電流が流れ、ヒータ部1121および1122においては、ジュール熱が各々発生する。
【0080】
これにより、ヒータ積層部111aおよび111bの温度が上昇し、導電膜1151(および1152)およびその周辺部分が徐々に熱膨張する。この結果、図4(b)に示すように、低分解能用カンチレバー部110が、ヒータ積層部111a(および111b)を屈曲部として、プラスz軸方向へ屈曲するとともに、低分解能用探針111gが試料表面11aから離間する。
【0081】
この状態においては、低分解能用カンチレバー部110の低分解能用探針111gと試料表面11aとの間の距離が、他方の高分解能用カンチレバー部130の高分解能用探針130eと試料表面11aとの間の距離と比較して長いため、マイクロプローブ100としては、低分解能用カンチレバー部110(低分解能用探針111g)は無効なる。
【0082】
これに対して、高分解能用カンチレバー部130の高分解能用探針130eと試料表面11aとの間の距離が、低分解能用カンチレバー部110の低分解能用探針111gと試料表面11aとの間の距離と比較して短いため、マイクロプローブ100としては、高分解能用カンチレバー部130(高分解能用探針130e)が有効なる。
【0083】
また、測定時においては、図1に示す測定部16が図2に示す導電膜133および134に接続されており、測定部16→導電膜133→メタルコンタクト部135→ピエゾ抵抗体131→導電膜137→メタルコンタクト部139→ピエゾ抵抗体132→メタルコンタクト部136→導電膜134→測定部16という経路からなる閉ループ回路が形成されている。
【0084】
ここで、図1に示す制御部13からアクチュエータ駆動信号Smがアクチュエータ12へ出力されると、アクチュエータ12が駆動され、試料11がxy平面内においてy方向へ移動される。
【0085】
これにより、試料表面11aにおけるマイクロプローブ100による走査が行われ、この走査中においては、図4(b)に示す高分解能用カンチレバー部130の高分解能用探針130eとの間に相互作用(引力または斥力等)が作用し、高分解能用カンチレバー部130は、図2に示す屈曲部130aおよび130bを支点として、上記相互作用に応じた撓み量をもってz軸方向に撓む。
【0086】
すなわち、屈曲部130aおよび130bは、上記撓み量に応じて屈曲し、この屈曲度に応じて、ピエゾ抵抗体131および132は、各抵抗値が変化する。そして、これらのピエゾ抵抗体131および132の抵抗値は、図1に示す測定部16によって測定され、測定部16からは、測定結果として測定信号Sdが制御部13へ出力される。
【0087】
以降につづく制御部13等の処理は、上述した動作と同様であり、ここではそれらの説明を省略する。そして最終的に得られる測定結果は、高分解能用カンチレバー部130(高分解能用探針130e)による検出結果に基づいているため、試料表面11aにおける狭領域の測定結果であるが、分解能が高いものである。
【0088】
以上説明したように、上述した実施の形態1によるマイクロプローブ100およびそれを用いた走査型プローブ装置10によれば、低分解能用カンチレバー部110および高分解能用カンチレバー部130の撓み量をピエゾ抵抗体1221、ピエゾ抵抗体1222、ピエゾ抵抗体131およびピエゾ抵抗体132の各抵抗値に基づいて検出するように構成したので、従来の光学的に撓み量を検出する構成に比べて、構成を簡単にすることができるとともに、試料表面11aの測定精度を向上させることができる。
【0089】
また、上述した実施の形態1によるマイクロプローブ100およびそれを用いた走査型プローブ装置10によれば、第1のカンチレバー部110および第2のカンチレバー部130と、撓み量を検出するピエゾ抵抗体1221、ピエゾ抵抗体1222、ピエゾ抵抗体131およびピエゾ抵抗体132とを一体にする構成としたので、従来のような撓み量を検出するための光学的構成要素が不要となることから、測定毎のアライメント調整を不要にすることができる。
【0090】
なお、以上に説明した実施の形態1においては、可動部111eの先端部111fに形成される探針を低分解能用探針111gとし、可動部130cの先端部130dに形成される探針を高分解能用探針130eとしたが、逆に、図5(a)に示すように、先端部111fに形成される探針を高分解能用探針130eとし、先端部130dに形成される探針を低分解能用探針111gとすることもできる。
【0091】
ただし、ヒータ部1121および1122によって屈曲するカンチレバー部の先端部(上述した例では、高分解能用カンチレバー部)に形成された探針の方が、カンチレバー部が屈曲していない状態において、先に試料に近接するという条件を満たす必要がある。よって、図5(a)の場合、同図(b)に示すように、カンチレバー部が屈曲していない状態において、高分解能用探針130eの方が、低分解能用探針111gよりも先に試料表面に近接する。
【0092】
しかしながら、上述したカンチレバー部の屈曲状態(ヒータオン状態)には、低分解能用探針111gが有効となるように構成することが好ましい。これは、ヒータオン状態では、ヒータ部1121および1122の発熱により、ピエゾ抵抗体による電流変化に熱雑音が混入する可能性があるためであり、この場合、低精度な結果を許容できる低分解能モードの方を有効にすることが適しているからである。なお、これらの探針の配置や屈曲時のモードの選択については、以降に説明する実施の形態についても同様である。
【0093】
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2に係るマイクロプローブについて説明する。実施の形態2に係るマイクロプローブは、ピエゾ抵抗体によりカンチレバー部の撓み量を検出し、かつ先鋭度の異なる2種類の探針を備えたマイクロプローブについての他の例である。特に、実施の形態2に係るマイクロプローブは、上述したマイクロプローブ100において、高分解能用カンチレバー部130と、屈曲部130aおよび130bと、可動部130cと、ピエゾ抵抗体131および132と、メタルコンタクト部135、136、138および139と、導電膜137と、に相当する構成を設けずに、かつヒータ積層部111aまたは111bに相当する部分のいずれか一方を支持部101を突出させたヒータ部を持たない部材とし、さらに、可動部111fに相当する部分に低分解能用探針111gおよび高分解能用探針130に相当する2種類の探針をともに形成した点で、実施の形態1と異なる。
【0094】
図6は、実施の形態2に係るマイクロプローブ200の構成を示す平面図である。なお、この実施の形態2によるマイクロプローブ200を用いた走査型プローブ装置20においては、図1に示すマイクロプローブ100に代えて、マイクロプローブ200が用いられる。
【0095】
このマイクロプローブ200は、シリコン材料から形成されており、支持部201と、支持部201の端縁に連結部201aおよび連結部201bを介して支持された固定部201eと、同じく支持部201の端縁に連結部201cおよび連結部201dを介して支持された201fと、固定部201eの端縁およびヒータ積層部201fの端縁に、屈曲部201iおよび屈曲部201jを介して、z軸方向に屈曲自在であってかつy軸回りに回転可能に支持された可動部201kとが一体に形成されてなる。
【0096】
上記固定部201eは、台形状をしており、支持部201側の一端縁がx軸に対して平行をなしており、他方、可動部201k側の他端縁がx軸に対して所定角度をもって斜辺とされている。また、この固定部201eとヒータ積層部201fとは、x軸方向に一定間隔をおいて併設されており、固定部201eとヒータ積層部201fとの間には、間隙201hが形成されている。
【0097】
ヒータ積層部201fは、台形状をしており、固定部201eと同様にして、支持部201側の一端縁がx軸に対して平行をなしており、他方、可動部201k側の他端縁がx軸に対して所定の角度をもって斜辺とされている。さらに、ヒータ積層部201fの可動部201k近傍には、角穴201gが形成されている。さらに、ヒータ積層部201fおよび固定部201eと、可動部201kとの間には、間隙201lが形成されている。
【0098】
可動部201kは、固定部201eの他端縁およびヒータ積層部201fの他端縁に沿うように、x軸に対して所定角度をもつ斜辺を有しており、かつプラスy軸方向に各々突出された低分解能用カンチレバー部201mおよび高分解能用カンチレバー部201oとを有している。
【0099】
また、低分解能用カンチレバー部201m、高分解能用カンチレバー部201oには、それぞれ実施の形態1における低分解能用探針111g、高分解能用探針130eに対応して、低分解能用探針201n、高分解能用探針201pが形成されている。
【0100】
ヒータ積層部201fには、実施の形態1と同様に、ピエゾ抵抗体からなるヒータ部202が形成されており、供給される電流によってヒータ積層部201fを加熱する役目を果たす。このヒータ部202の一端部202a側および他端部202b側は、連結部201dを経由して支持部201の表面に薄膜形成されている。
【0101】
アルミニウム膜203は、ヒータ積層部201fの表面であって、かつヒータ部202と角穴201gとの間に薄膜形成されており、ヒータ部202において生じる熱をシリコン基板表面に効率よく伝達するための機能を果たす。
【0102】
ピエゾ抵抗体2041、ピエゾ抵抗体2042は、それぞれ実施の形態1において説明した各ピエゾ抵抗体と同様に、屈曲部201i、屈曲部201jにおける撓み量の変化を検出するものである。
【0103】
導電膜205は、可動部201kの表面であって、かつ間隙201lに沿うように帯状に薄膜形成されており、ピエゾ抵抗体2041とピエゾ抵抗体2042との間を、メタルコンタクト部206および207を介して電気的に接続する配線としての役目を果たす。
【0104】
導電膜208は、屈曲部201i近傍から連結部201bを経由して支持部201までの表面に薄膜形成されており、配線としての役目をしている。この導電膜208の他端部208bは、メタルコンタクト部209を介して、ピエゾ抵抗体2041の一端部に電気的に接続されている。また、導電膜210は、屈曲部201j近傍から連結部201cを経由して支持部201までの表面に薄膜形成されており、配線としての役目をしている。この導電膜210の他端部210bは、メタルコンタクト部211を介して、ピエゾ抵抗体2042の一端部に電気的に接続されている。
【0105】
また、ヒータ配線202の一端部202aおよび他端部202bは、図1に示すヒータ駆動部15に電気的に接続されており、このヒータ駆動部15は、低分解能用カンチレバー部201m(低分解能用探針201n)を使用するときに、上記一端部202aおよび他端部202bに電圧を印加する。
【0106】
さらに、導電膜208の一端部208aおよび導電膜210の一端部210aは、図1に示す測定部16に接続されている。また、図6に示すマイクロプローブ200においては、低分解能用探針201nと高分解能用探針201pとを結ぶ線分が、屈曲部201iと屈曲部201jとを結ぶ線分に対して所定角度を持つようにして形成されている。これは、後述する屈曲部201iを回転軸として可動部201kが回転したときの回転角度を大きくするためである。
【0107】
上述した実施の形態2によるマイクロプローブ200およびそれを用いた走査型プローブ装置20の動作については、実施の形態1と同様であるので、ここではそれらの説明を省略する。ただし、実施の形態2においては、ヒータオフ状態で、可動部201kが図7に実線で示すように屈曲部201iを回転軸とした回転が行われていない状態となり、ヒータオン状態で、同図に2点鎖線で示すように可動部201kのメタルコンタクト部207近傍部分においてマイナスz軸方向に、ヒータ積層部201fの屈曲による力が作用することにより、可動部201kが屈曲部201iを回転軸とした回転が行われた状態となる。
【0108】
すなわち、ヒータオン状態では、可動部201kが回転することにより、図7に2点鎖線で示すように高分解能用探針201pが試料表面11aから離間するとともに、低分解能用探針201nが試料表面11aに近接して、この低分解能用探針201nによる低分解能・広領域測定モードが有効となる。
【0109】
よって、以上に説明した実施の形態2によるマイクロプローブ200およびそれを用いた走査型プローブ装置20によれば、低分解能用探針201nおよび高分解能用探針201pを有する可動部201kと、該可動部201kの撓み量を検出するピエゾ抵抗体2041およびピエゾ抵抗体2042とを一体に構成したので、従来のような撓み量を検出するための光学的構成要素が不要となることから、測定毎のアライメント調整を不要にすることができる。
【0110】
(実施の形態3)
つぎに、本発明の実施の形態3に係るマイクロプローブについて説明する。実施の形態3に係るマイクロプローブは、ピエゾ抵抗体によりカンチレバー部の撓み量を検出し、かつ先鋭度の異なる2種類の探針を備えたマイクロプローブについての他の例である。特に、実施の形態2に係るマイクロプローブは、上述したマイクロプローブ100において、高分解能用カンチレバー部130と、屈曲部130aおよび130bと、可動部130cと、ピエゾ抵抗体131および132と、メタルコンタクト部135、136、138および139と、導電膜137と、に相当する構成を設けずに、可動部111fに相当する部分に低分解能用探針111gおよび高分解能用探針130に相当する2種類の探針をともに形成した点で、実施の形態1と異なる。ただし、ヒータ積層部111aまたは111bに相当する部分のいずれか一方は機能しない。
【0111】
図8は、本発明の実施の形態3によるマイクロプローブ300の構成を示す平面図である。なお、この実施の形態3によるマイクロプローブ300を用いた走査型プローブ装置30においては、図1に示すマイクロプローブ100に代えて、マイクロプローブ300が用いられる。
【0112】
このマイクロプローブ300は、シリコン材料から形成されており、支持部301と、支持部301の端縁にy軸方向に支持された板状の固定部301bと、同じく支持部301の端縁に支持されたヒータ積層部301aと、ヒータ積層部301aの一隅部および固定部301bの一隅部に、屈曲部301dおよび屈曲部301eを介して、z軸方向に屈曲自在であってかつy軸回りに回転可能に支持された可動部301fとが一体に形成されている。ヒータ積層部301aは、板形状をしており、固定部301bとの間に形成された間隙301cを境にして、固定部301bに対して左右対称配置されている。
【0113】
また、可動部301fは、略台形状をしており、x軸に対して所定の角度をもつ斜辺部301gの両端部(低分解能用角部301hおよび高分解能用角部301j)には、それぞれ実施の形態1における低分解能用探針111g、高分解能用探針130eに対応して、低分解能用探針301i、高分解能用探針301kが形成されている。
【0114】
ヒータ積層部301aには、実施の形態1と同様に、ピエゾ抵抗体からなるヒータ部3021が形成されており、供給される電流によってヒータ積層部201fを加熱する役目を果たす。そして、このヒータ部3021の一端部3021a側および他端部3021b側は、支持部301の表面に薄膜形成されている。
【0115】
上記ヒータ部3021の一端部3021aは、支持部301の表面に薄膜形成された導電膜303とメタルコンタクト部305を介して電気的に接続されている。これと同様にして、他端部3021bは、支持部301の表面に薄膜形成された導電膜304とメタルコンタクト部306を介して電気的に接続されている。
【0116】
また、上記ヒータ部3021の一端部3021aおよび他端部3021bは、図1に示すヒータ駆動部15に電気的に接続されており、このヒータ駆動部15は、低分解能用探針301iを使用するときに、上記一端部3021aおよび他端部3021bに電圧を印加する。
【0117】
アルミニウム膜307は、ヒータ積層部301aの表面であって、かつヒータ部3021の全面をほぼ覆うようにして薄膜形成されている。なお、アルミニウム膜307とヒータ部3021との間には、実施の形態1の図3において示したように、図示しない絶縁層が形成されている。従って、この絶縁層により、アルミニウム膜307と第1のヒータ配線3021との間の電気的な絶縁が確保されている。また、アルミニウム膜307は、ヒータ部3021において生じる熱をシリコン基板の表面に効率よく伝達するための機能を果たす。
【0118】
ピエゾ抵抗体3081、ピエゾ抵抗体3082は、それぞれ実施の形態1において説明した各ピエゾ抵抗体と同様に、屈曲部301e、屈曲部301dにおける撓み量の変化を検出するものである。
【0119】
導電膜309は、可動部301fの表面であって、かつ間隙301cに沿うように帯状に薄膜形成されており、ピエゾ抵抗体3081とピエゾ抵抗体3082との間を接続する配線としての役目を果たしている。ここで、導電膜309の一端部とピエゾ抵抗体3081の他端部とは、メタルコンタクト部311を介して電気的に接続されているとともに、導電膜309の他端部とピエゾ抵抗体3082の他端部とは、メタルコンタクト部310を介して電気的に接続されている。
【0120】
導電膜312は、屈曲部301d近傍からヒータ積層部301aを経由して支持部301までの表面に薄膜形成されており、配線としての役目をしている。この導電膜312の他端部312bは、メタルコンタクト部314を介してピエゾ抵抗体3082の一端部に電気的に接続されている。ここで、上記導電膜312とヒータ部3021との間には図示しない絶縁層が形成されており、この絶縁層により、導電膜312とヒータ部3021との間の絶縁が確保されている。
【0121】
一方、固定部301bにおいて、ヒータ部3022は、固定部301bの表面に略波状に薄膜形成されている。ただし、このヒータ部3022は、電気的にいずれの箇所にも接続されておらず、実際には、使用されない。これは、マイクロプローブ300の左右の重量バランスを考慮したものである。
【0122】
導電膜313は、屈曲部301e近傍から固定部301bを経由して支持部301までの表面に薄膜形成されており、配線としての役目を果たしている。この導電膜313の他端部313bは、メタルコンタクト部315を介して、ピエゾ抵抗体3081の一端部に電気的に接続されている。
【0123】
また、上記導電膜313の一端部313aおよび導電膜312の一端部312aは、図1に示す測定部16に接続されている。さらに、図8に示すマイクロプローブ300においては、低分解能用探針301iと高分解能用探針301kとを結ぶ線分が、屈曲部301eと屈曲部301dとを結ぶ線分に対して所定角度を持つようにして形成されている。これは、実施の形態2において述べたように、後述する屈曲部301eを回転軸として可動部301fが回転したときの回転角度を大きくするためである。
【0124】
上述した実施の形態3によるマイクロプローブ300およびそれを用いた走査型プローブ装置30の動作については、実施の形態2と同様であるので、ここではそれらの説明を省略する。ただし、実施の形態3においては、ヒータオフ状態で、可動部301fが図9に実線で示すように屈曲部301eを回転軸とした回転が行われない状態となり、ヒータオン状態で、同図に2点鎖線で示すように可動部301fのメタルコンタクト部310近傍部分においてマイナスz軸方向に、ヒータ積層部301aの屈曲による力が作用することにより、可動部301fが屈曲部301eを回転軸とした回転が行われた状態となる。
【0125】
すなわち、ヒータオン状態では、可動部301fが回転することにより、図9に2点鎖線で示すように高分解能用探針301kが試料表面11aから離間するとともに、低分解能用探針301iが試料表面11aに近接して、この低分解能用探針301iによる低分解能・広領域測定モードが有効となる。
【0126】
以上に説明した実施の形態3に係るマイクロプローブ300においては、可動部301fの形状を略台形状としたが、図10に示すようにその部分を長方形状とすることもできる。図10に示すマイクロプローブ400においては、可動部401f、低分解能用角部401a、高分解能用角部401c、低分解能用探針401b、高分解能用探針401dがそれぞれ順に、図8に示した可動部301f、低分解能用角部301h、高分解能用角部301j、低分解能用探針301i、高分解能用探針301kに相当し、その他の部分においては同機能を有し、図8と同一符号を付しているため、ここではそれらの説明を省略する。また、このマイクロプローブ400を用いた走査型プローブ装置40においては、図1に示すマイクロプローブ100に代えて、マイクロプローブ400が用いられる。
【0127】
さらに、可動片401の形状が異なり、かつヒータ積層部301aと固定部301bにおいて、支持部301から突出した方向の長さ(長手方向)が互いに異なるようにすることもできる。図11は、この場合のマイクロプローブ500の構成を示す平面図である。
【0128】
図11において、可動部501f、低分解能用角部501h、高分解能用角部501j、低分解能用探針501i、高分解能用探針501k、導電膜509、メタルコンタクト部510および511、屈曲部501dおよび501e、ピエゾ抵抗体5081と5082、ヒータ積層部501a、固定部501bがそれぞれ順に、図10に示した可動部401f、低分解能用角部401a、高分解能用角部401c、低分解能用探針401b、高分解能用探針401d、導電膜309、メタルコンタクト部310および311、屈曲部301dおよび301e、ピエゾ抵抗体3081および3082、ヒータ積層部301a、固定部301bに相当し、その他の部分においては同機能を有し、図8と同一符号を付しているため、ここではそれらの説明を省略する。
【0129】
特に、上記固定部501bは、長手方向長さがヒータ積層部501aに比べて長い略板形状をしており、可動部501fは、略板形状とされており、同図右下部分に切り欠きされた切欠部501lが設けられている。また、低分解能用探針501iと高分解能用探針501jとを結ぶ線分が、屈曲部501eおよび屈曲部501dとを結ぶ線分に対して所定角度を持つようにして形成されている。これは、屈曲部501eを回転軸として可動部501fが回転したときの回転角度を大きくするためである。
【0130】
なお、この実施の形態3によるマイクロプローブ300を用いた走査型プローブ装置30においては、図1に示すマイクロプローブ100に代えて、マイクロプローブ300が用いられる。
【0131】
以上に説明したように、上述した実施の形態3によるマイクロプローブ300(400、500)およびそれを用いた走査型プローブ装置30(40、50)によれば、低分解能用探針301i(401b、501i)および高分解能用探針301k(401d、501j)による可動部301f(401f、501f)の撓み量をピエゾ抵抗体3081(5081)およびピエゾ抵抗体3082(5082)の各抵抗値に基づいて検出するように構成したので、従来の光学的に撓み量を検出する構成に比して、構成を簡単にすることができるとともに、試料表面11aの測定精度を向上させることができる。
【0132】
また、上述した実施の形態3によるマイクロプローブ300(400、500)およびそれを用いた走査型プローブ装置30(40、50)によれば、低分解能用探針301i(401b、501i)および高分解能用探針301k(401d、501j)を有する可動部301f(401f、501f)と、可動部301f(401f、501f)の撓み量を検出するピエゾ抵抗体3081(5081)およびピエゾ抵抗体3082(5082)とを一体に構成したので、従来のような撓み量を検出するための光学的構成要素が不要となることから、測定毎のアライメント調整を不要にすることができる。
【0133】
以上図面を参照して、本発明の実施の形態1、2および3によるマイクロプローブ100、200、300、400および500について詳述してきたが、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0134】
例えば、上述した実施の形態1〜3においては、アルミニウム膜203(図6参照)、アルミニウム膜307(図8、10および11参照)を用いた例について説明したが、このアルミニウムに代えて、銅やニッケルを用いてもよい。
【0135】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1または請求項2にかかるマイクロプローブによれば、第1および第2のカンチレバー部または第1および第2のレバー部の撓み量をピエゾ抵抗体の抵抗値に基づいて検出するように構成したので、従来の光学的に撓み量を検出する構成に比して、光学的構成要素を使用していない分だけ、構成を簡単にすることができるとともに、試料表面の測定精度を向上させることができるという効果を奏する。
【0136】
また、請求項1または請求項2にかかるマイクロプローブによれば、第1および第2のカンチレバー部または第1および第2のレバー部と、撓み量を検出するピエゾ抵抗体とを一体にする構成としたので、従来のような撓み量を検出するための光学的構成要素が不要となることから、測定毎のアライメント調整を不要にすることができるという効果を奏する。
【0137】
請求項3にかかるマイクロプローブによれば、第1および第2のカンチレバー部の撓み量を第1および第2のピエゾ抵抗体の抵抗値に基づいて検出するように構成したので、従来の光学的に撓み量を検出する構成に比して、光学的構成要素を使用していない分だけ、構成を簡単にすることができるとともに、試料表面の測定精度を向上させることができるという効果を奏する。
【0138】
また、請求項3にかかるマイクロプローブによれば、第1の先鋭度を有する探針と第2の先鋭度を有する探針とを結ぶ線分が、第1の屈曲部と第2の屈曲部とを結ぶ線分に対して所定角度をなしているので、可動部が第2の屈曲部を回転軸として回転したときのその回転量を多くして探針の効率的な切り換えが可能になるという効果を奏する。
【0139】
請求項4にかかるマイクロプローブによれば、ピエゾ抵抗体に電流を流すことによって生じる抵抗熱を加熱手段として利用しているので、加熱手段の駆動が電気的に行え、このマイクロプローブのレバー部の屈曲を容易に制御することができるという効果を奏する。
【0140】
請求項5に記載の走査型プローブ装置によれば、請求項1〜4のいずれか一つのマイクロプローブを使用し、そのマイクロプローブに設けられた加熱手段を駆動する駆動手段によって試料の観測目的に応じた探針を選択することが可能となり、マイクロプローブの煩雑な交換作業を削減させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1、2、3、4および5に係るマイクロプローブ100、200、300、400および500、およびそれらに各々用いられる走査型プローブ装置10、20,30、40および50の構成を示す図である。
【図2】実施の形態1に係るマイクロプローブ100の構成を示す拡大平面図である。
【図3】図2に示すA−A線に沿った断面図である。
【図4】(a)は、本発明の実施の形態1に係るマイクロプローブ100が、第1の探針111gで試料表面11aを走査している状態を示す側面図である。
(b)は、本発明の実施の形態1に係るマイクロプローブ100が、第2の探針130eで試料表面11aを走査している状態を示す側面図である。
【図5】(a)は、本発明の実施の形態1に係るマイクロプローブ100の構成を示す拡大平面図である。
(b)は、本発明の実施の形態1に係るマイクロプローブ100の構成を示す側面図で、第2の探針130eで試料表面を走査している状態を示す図である。
【図6】実施の形態2に係るマイクロプローブ200の構成を示す平面図である。
【図7】実施の形態2に係るマイクロプローブ200の動作を説明する側面図である。
【図8】実施の形態3に係るマイクロプローブ300の構成を示す平面図である。
【図9】実施の形態3に係るマイクロプローブ300の動作を説明する側面図である。
【図10】実施の形態3に係るマイクロプローブ400の構成を示す平面図である。
【図11】実施の形態3によるマイクロプローブ500の構成を示す平面図である。
【図12】従来のマイクロプローブ1およびそれを用いた走査型プローブ装置の要部の構成を示す斜視図である。
【図13】従来のマイクロプローブ1の動作を説明する側面図である。
【符号の説明】
10,20,30,40,50 走査型プローブ装置
11 試料
11a 試料表面
13 制御部
14 探針選択スイッチ
15 ヒータ駆動部
16 測定部
100,200、300、400、500 マイクロプローブ
101,201,301,501 支持部
110,201m 低分解能用カンチレバー部
111a,111b,201f,301a,501a ヒータ積層部
111c,111d,130a,130a,201i,201j,301d,301e,501d,501e 屈曲部
111e,130c,201k,301f,401,501f 可動部
111g,201n,301i,401b,501h 低分解能用探針
1121,1122,202,3021,3022 ヒータ部
1221,1222,131,132,2041,2042,3081,3082 ピエゾ抵抗体
130,201o 高分解能用カンチレバー部
130e,201p,301k,401d,501j 高分解能用探針
203,307 アルミニウム膜
201e,301b,501b 固定部
301g 斜辺部

Claims (4)

  1. 先鋭度が異なる第1探針と第2探針とを含む可動部と、
    支持部に設けられた固定部とヒータ部が配設されたヒータ積層部と、
    前記固定部と前記可動部とを連結する第1屈曲部と、
    前記ヒータ積層部と前記可動部とを連結する第2屈曲部と、
    前記第1屈曲部と前記第2屈曲部とにピエゾ抵抗体を形成し、
    前記ヒータ部によって前記ヒータ積層部を屈曲させるとともに、
    前記可動部の撓み量を前記ピエゾ抵抗体の抵抗値変化として検出することを特徴とするマイクロプローブ。
  2. 前記第1探針と前記第2探針との結ぶ線分が、前記第1屈曲部と前記第2屈曲部とを結ぶ線分に対して所定の角度をなすように、前記第1探針と前記第2探針が前記可動部上に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロプローブ。
  3. 前記ヒータ部は、ピエゾ抵抗体であることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか一つに記載のマイクロプローブ。
  4. マイクロプローブに設けられた先鋭化された探針を試料表面に近接させ、前記探針と試料表面との間に生じる相互作用によって、前記マイクロプローブの撓み量を検出することにより前記試料表面の観測をおこなう走査型プローブ装置において、
    前記マイクロプローブが請求項1乃至3のいずれか一つに記載のマイクロプローブを用いたことを特徴とする走査型プローブ装置。
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