JPH1062262A - 地上式円筒二重殻低温貯槽の内槽側板変位量計測治具 - Google Patents

地上式円筒二重殻低温貯槽の内槽側板変位量計測治具

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JPH1062262A
JPH1062262A JP24134896A JP24134896A JPH1062262A JP H1062262 A JPH1062262 A JP H1062262A JP 24134896 A JP24134896 A JP 24134896A JP 24134896 A JP24134896 A JP 24134896A JP H1062262 A JPH1062262 A JP H1062262A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開放点検の際の温度上昇時に内槽を構成する
内槽側板の移動を検知することのできる地上式円筒二重
殻低温貯槽の内槽側板変位量計測治具を提供する。 【解決手段】 外槽11を構成する外槽側板11Aを貫
通して外筒21が固定されると共に、該外筒21に内筒
22が摺動移動可能に嵌合し、探触子30が外槽11の
外部から外筒21を介して内筒22に挿入されてその先
端が内槽12を構成する内槽側板12に当接設置される
ように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外槽の内側に保冷
空間を介して内槽が設けられ、保冷空間内がダイアフラ
ム部材によって仕切られてその外槽側の領域に保冷部材
が充填されて成る地上式円筒二重殻低温貯槽の内槽側板
変位量計測治具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、低温液化ガス貯槽として、外
槽の内側に保冷空間を介して内槽が設けられ、保冷空間
内がダイアフラム部材によって仕切られてその外槽側の
領域に保冷部材が充填されて成る地上式円筒二重殻低温
貯槽がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、地上式円筒
二重殻低温貯槽に限らず貯槽は定期的に開放点検を行っ
て安全を確認する必要がある。
【0004】このような開放点検の際には、使用時の低
温から常温まで徐々に温度を上昇させるが、地上式円筒
二重殻低温貯槽ではこの温度上昇によって内槽が熱膨張
して外槽側に移動する。この時、内槽を構成する内槽側
板が周囲に向けて均等に移動すれば良いが、偏心状態で
移動すると異常な応力が作用することとなって変形を生
じたり最悪の場合には破壊に至る虞がある。
【0005】このため、開放点検の際の温度上昇時に
は、内槽の移動を検知して監視することが望まれるが、
従来そのような内槽の移動を検知することはできないも
のであった。
【0006】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであって、開放点検の際の温度上昇時に内槽を
構成する内槽側板の移動を検知することのできる地上式
円筒二重殻低温貯槽の内槽側板変位量計測治具を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明に係る地上式円筒二重殻低温貯槽の内槽側板変位量計
測治具は、外槽の内側に保冷空間を介して内槽が設けら
れ、前記保冷空間内がダイアフラム部材によって仕切ら
れて少なくともその外槽側の領域に保冷部材が充填され
て成る地上式円筒二重殻低温貯槽において、前記外槽を
構成する外槽側板に外筒部材が貫通固定されると共に、
該外筒部材に内筒部材が摺動移動可能に嵌合して少なく
とも前記ダイアフラム部材の前記外槽側板側への移動に
追随移動可能に設けられ、探触子部材が前記外槽の外部
から前記外筒部材を介して内筒部材に挿入されてその先
端が前記内槽を構成する内槽側板に当接設置されるよう
に構成されていることを特徴とする。
【0008】ここで、内筒部材が少なくとも前記ダイア
フラム部材の前記外槽側板側への移動に追随移動可能に
設けられるとは、内筒部材の先端がダイアフラム部材に
当接していたり、ダイヤフラム部材に固定されている状
態を言う。
【0009】また、上記内筒部材は少なくとも先端が低
熱伝導率部材により形成されると共に、上記外筒部材と
の嵌合部に断熱部材が介装されていることを特徴とす
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照して本発明の
実施の形態を説明する。図1は本発明に係る地上式円筒
二重殻低温貯槽の内槽側板変位量計測治具を用いて内槽
を構成する内槽側板の移動量計測状態を示す地上式円筒
二重殻低温貯槽10(以下低温貯槽と称す)の概略構成
断面図であり、図2は内槽側板変位量計測治具の一例で
あって低温貯槽10に予め設置される内槽側板変位量計
測治具20の断面図である。尚、内槽側板変位量計測治
具20は、低温貯槽10の周方向に複数設けられ、これ
を利用して内槽12を構成する内槽側板12Aのそれぞ
れの方向への変位量を計測することで内槽12全体が均
等に膨張しているか否かを判定し得るようになっている
ものである。
【0011】低温貯槽10は、外槽11の内側に保冷空
間13を介して内槽12が設けられ、外層11を構成す
る外層側板11Aと内槽12を構成する内槽側板12A
の間の保冷空間13は、その内槽側板12A寄りに配設
されたダイアフラム部材としてのパーライトダイアフラ
ム14によって仕切られ、このパーライトダイアフラム
14と外槽側板11Aとの間に保冷部材としてのパーラ
イト15が充填されると共に、パーライトダイアフラム
14と内槽側板12Aの間にグラスウール16が充填さ
れて構成されている。
【0012】内槽側板変位量測定治具20は、外筒部材
としての外筒21に、内筒部材としての内筒22が嵌合
して二重筒構造に構成され、外筒21が低温貯槽10の
外槽側板11Aを貫通して当該外槽側板11Aに固定さ
れて、水平に(外槽側板11A即ち内槽側板12Aと垂
直に)設けられている。
【0013】外筒21は、ステンレス鋼等による所定径
の円筒状パイプであって、その外端には所定径のフラン
ジ21Aが設けられており、外槽側板11Aを貫通して
その先端が保冷空間13内に所定量突入した状態で貫通
部周囲が溶接されて外槽側板11Aに固定されている。
【0014】内筒22は、FRPや硬質ウレタン等の熱
伝導率の低い素材によって形成された円筒状パイプであ
って、その外径は外筒21に余裕を持って嵌合可能に設
定され、外筒21の先端部に断熱部材としての所定厚さ
のグラスウール層23を介して摺動移動可能に嵌合して
いる。その先端は、パーライトダイアフラム14を貫通
し、取付金具24を介してパーライトダイアフラム14
に締着されている。
【0015】上記構成の内槽側板変位量計測治具20
は、低温貯槽10の通常使用時(低温ガス貯蔵時)にお
いては、図示のごとく外筒21の内部にグラスウール2
5が充填され、外筒21の外端のフランジ21Aに閉止
板26が締着されて端部が閉止されて設けられる。内筒
22は前述の如く熱伝導率の低い素材によって形成され
ると共にその先端は内槽側板12Aと離間しており、ま
た外筒21との間にグラスウール層23が介装されてい
るため、当該内槽側板変位量計測治具20を介した(内
筒22及び外筒21を介した)熱伝導は遮断され、恒久
設置によっても不具合が生ずることがないようになって
いるものである。
【0016】低温貯槽10の開放点検時には、閉止板2
6を取り外して内部に充填されたグラスウール25を取
り除き、図3に示すように探触子部材としての所定長さ
の棒状の探触子30を外筒21の外端開口部から挿入
し、内筒22の先端から突出させてパーライトダイアフ
ラム14と内槽側板12Aの間に充填されたグラスウー
ル16を貫いてその先端を内槽側板12Aに当接させて
挿置する。この状態で、低温貯槽10内の温度が上昇し
て内槽12が熱膨張して内槽側板12Aが外側に移動す
ると、この内槽側板12Aの移動に伴って探触子30が
移動するためこの探触子30の移動を計測することによ
って内槽側板12Aの変位量を知ることができるもので
ある。
【0017】本構成ように内槽側板変位量計測治具20
が低温貯槽10に予め設けられていることにより内槽側
板変位量計測準備作業を極めて簡単に行うことができ、
また、後加工によって配設する場合ではパーライトダイ
アフラム14への開口の完全復旧が困難であってパーラ
イトダイアフラム14と内槽側板12Aの間へのパーラ
イトの漏出等の虞があるが、このような問題がないもの
である。更に、この内槽側板変位量計測治具20は、パ
ーライトダイアフラム14と内槽側板12Aの間にグラ
スウールが充填されていない場合には、当該空間内のガ
スやパーライトの有無を確認することにも利用できるも
のである。
【0018】次に、既存の低温貯槽10に追加設置する
形式の内槽側板変位量計測治具を正面図である図4及び
そのA−A断面図である図5に基づいて説明する。尚、
基本的には前述の構成と同一であるため、同機能の部位
には同符号を付して説明を省略する。
【0019】図示内槽側板変位量計測治具20′は、低
温貯槽10の外槽側板11Aに固定された三個のブラケ
ット40によって外筒21及び内筒22が支持されて構
成されている。
【0020】ブラケット40は、固定板41に支持板4
2と支持ボルト43が立設されて形成され、内槽側板変
位量計測治具20′を中心とする円周を三等分する三カ
所に配設されてている。
【0021】外筒21は、その外面の周囲等分三カ所に
結合板21Bが設けられており、この結合板21Bがそ
れぞれブラケット40の支持板に締結されている。
【0022】内筒22は、ステンレス鋼等の金属によっ
て形成された本体部22Aの先端に、硬質ウレタンによ
って形成された先端部パイプ22Bが挿入されて接着固
定されている。また、その外端面には所定径の支持円盤
22Cが溶接固定されており、この支持円盤22Cがブ
ラケット40の支持ボルト43に支持されるようになっ
ている。
【0023】上記のごとく構成された内槽側板変位量計
測治具20′では、ブラケット40,外筒21及び内筒
22が一体的に組み合わされた状態で、既存の低温貯槽
10の所定位置の外槽側板11Aに穿設された挿入孔1
1Bから内筒22及び外筒21を保冷空間13のパーラ
イト15内に挿入し、ブラケット40の固定板41を外
槽11の外面(外槽側板11A)に締着固定すると共に
外筒21と外槽側板1Aの挿入孔11Bの隙間にパーラ
イト漏洩防止のグラスウールが詰められて接着され(図
中X部)、図5に示すごとく設置される。内筒22は、
外筒21に案内されると共に支持円盤22Cが支持ボル
ト43に案内されて中心軸方向に移動可能であり、その
先端がパーライトダイアフラム14に当接した状態とさ
れる。尚、図は、支持ボルト43に螺合したナット4
4,45で支持円盤22Cが移動不能に固定された状態
を示しているが、設置時においては少なくとも外端側の
ナット45は、支持円盤22Cの移動(内筒22)を妨
げないように緩められる。
【0024】この状態で、パーライトダイアフラム14
に穿孔加工して探触子30を挿入し、その先端を内槽側
板12Aに当接させて挿置するものである。
【0025】探触子30は、内槽側板12Aの移動に伴
って移動し、前述の例と同様に内槽側板12Aの変位を
計測することができる。
【0026】内筒22は、外筒21及び支持ボルト43
に案内されて移動可能であり、パーライトダイアフラム
14が移動してもこれに伴う移動が許容されるものであ
る。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように、本願発明に係る地上
式円筒二重殻低温貯槽の内槽側板変位量計測治具によれ
ば、探触子部材を外槽の外部から外筒部材を介して内筒
部材に挿入してその先端を内槽側板に当接設置すること
で、この探触子部材の移動によって開放点検の際の温度
上昇時における内槽側板の移動を容易に検知して内槽の
変形を監視することができる。また、内筒部材は外筒部
材に摺動移動可能に嵌合してダイアフラム部材の外槽側
板側への移動に追随可能に設けられているため、ダイア
フラム部材の移動を許容しダイアフラム部材に応力を作
用させることがないものである。
【0028】更に、内筒部材の先端が低熱伝導率部材に
より形成されると共に、外筒部材との嵌合部に断熱材が
介装されていることにより、当該内槽側板変位量計測治
具を介した熱伝導が遮断されるために熱応力の発生等の
不具合が防がれ、恒久設置も可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る地上式円筒二重殻低温貯槽の内槽
側板変位量計測治具を用いる低温貯槽の概略構成断面図
である。
【図2】内槽側板変位量計測治具の一例の断面図であ
る。
【図3】変位量計測状態を示す断面図である。
【図4】他の構成例の正面図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】図5の構成の変位量計測状態を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10 低温貯槽(地上式円筒二重殻低温貯槽) 11 外槽 11A 外槽側板 12 内槽 12A 内槽側板 13 保冷空間 14 パーライトダイアフラム(ダイアフラム部材) 15 パーライト(保冷部材) 20 内槽側板変位量計測治具 21 外筒(外筒部材) 22 内筒(内筒部材) 23 グラスウール層(断熱部材) 30 探触子(探触子部材)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外槽の内側に保冷空間を介して内槽が設
    けられ、前記保冷空間内がダイアフラム部材によって仕
    切られて少なくともその外槽側の領域に保冷部材が充填
    されて成る地上式円筒二重殻低温貯槽において、 前記外槽を構成する外槽側板に外筒部材が貫通固定され
    ると共に、該外筒部材に内筒部材が摺動移動可能に嵌合
    して少なくとも前記ダイアフラム部材の前記外槽側板側
    への移動に追随移動可能に設けられ、探触子部材が前記
    外槽の外部から前記外筒部材を介して内筒部材に挿入さ
    れてその先端が前記内槽を構成する内槽側板に当接設置
    されるように構成されていることを特徴とする地上式円
    筒二重殻低温貯槽の内槽側板変位量計測治具。
  2. 【請求項2】 上記内筒部材は少なくとも先端が低熱伝
    導率部材により形成されると共に、上記外筒部材との嵌
    合部に断熱部材が介装されていることを特徴とする請求
    項1に記載の地上式円筒二重殻低温貯槽の内槽側板変位
    量計測治具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200062915A (ko) * 2018-11-27 2020-06-04 대우조선해양 주식회사 변형 측정 장치를 포함하는 탱크 및 이를 이용한 변형 측정 방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20200062915A (ko) * 2018-11-27 2020-06-04 대우조선해양 주식회사 변형 측정 장치를 포함하는 탱크 및 이를 이용한 변형 측정 방법

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