JPH106142A - 嵌合部品及びその部品の嵌合方法 - Google Patents

嵌合部品及びその部品の嵌合方法

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JPH106142A
JPH106142A JP16308996A JP16308996A JPH106142A JP H106142 A JPH106142 A JP H106142A JP 16308996 A JP16308996 A JP 16308996A JP 16308996 A JP16308996 A JP 16308996A JP H106142 A JPH106142 A JP H106142A
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JP
Japan
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fitting
molded body
cylindrical molded
fitting hole
temperature
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JP16308996A
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English (en)
Inventor
Yasumasa Yoshida
耕正 吉田
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TOKAI DIECAST KOGYO KK
Original Assignee
TOKAI DIECAST KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】金型内のキャビティに二本の中子を挿入し
て互いに突き合わせ、両中子の外周に残る環状成形空間
に成形材料を充する。その後、金型内からアルミ製円
環部4を取り出し、アルミ製円環部4の嵌合孔5の内周
鋳肌面14には両端面15間の中央位置から両端面15
に至るに従い嵌合孔5の内径が広がるテーパ面16を設
ける。次に、アルミ製円環部4の成形後温度が焼きばめ
不可能温度(焼きばめ可能温度範囲の最低値)まで低下
しない間に、内周鋳肌面14を削り、嵌合孔5に鋼製円
環部9を嵌着する。この場合前記切削工程では、内周鋳
肌面14の一部又は全体を削る。さらに、前記切削工程
を省略してもよい。 【効果】削りしろを小さくして切削作業能率を向上さ
せ、鋼製円環部9の嵌着を容易し、焼きばめ効果によ
り強固に締りばめすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、自動車
用エンジンマウント(嵌合部品)においてダイカスト鋳
造したブラケット(筒状成形体)にインシュレータ(嵌
合体)を嵌着する方法、並びに、その方法により製造さ
れた自動車用エンジンマウント(嵌合部品)に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車用エンジンマウントは、ブ
ラケットとインシュレータとを備えている。例えば、ブ
ラケットは下記の工程1)→4)を経てアルミニウムにより
ダイカスト鋳造され、その後の工程5)でブラケットにイ
ンシュレータが嵌着される。なお、図8(b)にブラケ
ットのアルミ製円環部4を概略的に示す。また、図8
(d)にインシュレータの鋼製円環部9を概略的に示
す。
【0003】1) 図3(c)及び図8(a)に示す成形
工程 ダイカストマシンにおいて、ダイカスト金型10内のキ
ャビティ11に一本の中子12を挿入する。この中子1
2の外周に残る環状成形空間11aに成形材料13(溶
融アルミニウム)を充填する。
【0004】2) 図8(b)に示す成形品 ダイカストマシン内のロボットにより、前記金型10内
からアルミ製円環部4を後加工機に取り出す。この円環
部4の嵌合孔5の内周鋳肌面14は、前記中子12の抜
け勾配を利用して、この円環部4の両端面15間で内径
(最小内径DS、最大内径DL )が広がるテーパ状に設
けられている。なお、この両端面15間の距離を2Lと
した場合、テーパP=(DL −DS )/2Lまたは勾配
=P/2である。
【0005】3) 成形直後は前記アルミ製円環部4の温
度がかなり高くなっている。そのため、図3(c)に示
すように、成形後にこの円環部4を空気中で自然冷却す
る。 4) 図3(c)及び図8(c)に示す切削工程 前記後加工機において、アルミ製円環部4のテーパ状内
周鋳肌面14(想像線参照)を切削工具により削る。従
って、この円環部4の嵌合孔5の内周全体には、切削面
17が露出し、その内径D(前記最大内径DL にほぼ等
しい)は両端面15間で一定である。
【0006】5) 図3(c)及び図8(d)に示す嵌着
工程 前記後加工機において、アルミ製円環部4の嵌合孔5の
切削面17にインシュレータの鋼製円環部9を圧力ばめ
により嵌着する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、図8
(a)に示す一本の中子12の抜けこう配を利用して、
図8(b)に示すようにアルミ製円環部4の嵌合孔5の
内周鋳肌面14がテーパ状に成形されている。そのた
め、両端面15間の所定距離2Lの範囲で最小限必要な
所定テーパPを成形する場合に、最大内径DL と最小内
径DS との差=(D L −DS )を比較的大きくしなけれ
ばならない。従って、締めしろが大きくなり過ぎ、図8
(b)に示すように成形したままのアルミ製円環部4に
対しインシュレータの鋼製円環部9を圧力ばめにより嵌
着することが困難である。そこで、図8(c)に示すよ
うに、このテーパ状内周鋳肌面14を削って切削面17
を形成している。
【0008】前述した圧力ばめや内周鋳肌面14のテー
パ形状や切削面17の形成は、下記(イ)〜(ニ)の問
題点を有する。 (イ) 圧力ばめは締めしろに制限があるので、はめあ
い圧力が小さくなる。
【0009】(ロ) テーパ状内周鋳肌面14に対する
削りしろが比較的大きくなるので、切削作業能率が悪く
なる。 (ハ) テーパ状内周鋳肌面14(チル層)を切削した
後に露出する切削面17の硬度は、テーパ状内周鋳肌面
14の硬度よりも小さくなる。そのため、アルミ製円環
部4に鋼製円環部9を嵌着した場合にアルミ製円環部4
の強度が低下するおそれがある。
【0010】(ニ) 切削工程を必要とするので、作業
能率が悪くなる。 本発明は、上記問題点を解決することを目的にしてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】後記各実施形態の図面
(図1〜7)の符号を援用して本発明を説明する。請求
項1の発明にかかる部品嵌合方法は、下記のように構成
されている。
【0012】金型(10)内のキャビティ(11)に中
子(12)を挿入し、この中子(12)の外周に残る環
状成形空間(11a)に成形材料(13)を充填する。
その後、この金型(10)内から筒状成形体(4)を取
り出し、この筒状成形体(4)の嵌合孔(5)の内周鋳
肌面(14)にはテーパ面(16)または勾配面を設け
る。次に、この筒状成形体(4)の成形後温度が焼きば
め不可能温度まで低下しない間に、筒状成形体(4)の
内周鋳肌面(14)を削り、筒状成形体(4)の嵌合孔
(5)に嵌合体(9)を嵌着する。
【0013】請求項2の発明にかかる部品嵌合方法は、
下記のように構成されている。金型(10)内のキャビ
ティ(11)に一対の中子(12)を挿入して互いに突
き合わせ、この両中子(12)の外周に残る環状成形空
間(11a)に成形材料(13)を充填する。その後、
この金型(10)内から筒状成形体(4)を取り出し、
この筒状成形体(4)の嵌合孔(5)の内周鋳肌面(1
4)にはこの筒状成形体(4)の両端面(15)間の中
間位置から両端面(15)に至るに従い嵌合孔(5)の
内径が広がるテーパ面(16)または勾配面を設ける。
次に、この筒状成形体(4)の成形後温度が焼きばめ不
可能温度まで低下しない間に、この筒状成形体(4)の
内周鋳肌面(14)を削り、筒状成形体(4)の嵌合孔
(5)に嵌合体(9)を嵌着する。
【0014】請求項3の発明にかかる嵌合部品は、請求
項1または請求項2の発明にかかる部品嵌合方法により
製造されたものであって、下記のように構成されてい
る。筒状成形体(4)の嵌合孔(5)の内周には、筒状
成形体(4)の両端面(15)間の中間位置から両端面
(15)に至る前の内側所定範囲で筒状成形体(4)の
内周鋳肌面(14)を削った切削面(17)を設けると
ともに、この切削面(17)を除く両端面(15)まで
の外側所定範囲で鋳肌面(14a)を残している。そし
て、この筒状成形体(4)の嵌合孔(5)の切削面(1
7)及び両鋳肌面(14a)に嵌合体(9)を嵌着して
いる。
【0015】請求項4の発明にかかる部品嵌合方法は、
下記のように構成されている。金型(10)内のキャビ
ティ(11)に中子(12)を挿入し、この中子(1
2)の外周に残る環状成形空間(11a)に成形材料
(13)を充填する。その後、この金型(10)内から
筒状成形体(4)を取り出し、この筒状成形体(4)の
嵌合孔(5)の内周鋳肌面(14)にはテーパ面(1
6)または勾配面を設ける。次に、この筒状成形体
(4)の成形後温度が焼きばめ不可能温度まで低下しな
い間に、筒状成形体(4)の嵌合孔(5)に嵌合体
(9)を嵌着する。
【0016】請求項5の発明にかかる部品嵌合方法は、
下記のように構成されている。金型(10)内のキャビ
ティ(11)に一対の中子(12)を挿入して互いに突
き合わせ、この両中子(12)の外周に残る環状成形空
間(11a)に成形材料(13)を充填している。その
後、この金型(10)内から筒状成形体(4)を取り出
し、この筒状成形体(4)の嵌合孔(5)の内周鋳肌面
(14)にはこの筒状成形体(4)の両端面(15)間
の中間位置から両端面(15)に至るに従い嵌合孔
(5)の内径が広がるテーパ面(16)または勾配面を
設ける。次に、この筒状成形体(4)の成形後温度が焼
きばめ不可能温度まで低下しない間に、筒状成形体
(4)の嵌合孔(5)の内周鋳肌面(14)に嵌合体
(9)を嵌着する。
【0017】請求項6の発明にかかる嵌合部品は、請求
項5の発明にかかる部品嵌合方法により製造されたもの
であって、下記のように構成されている。筒状成形体
(4)の嵌合孔(5)の内周全体に鋳肌面(14)を残
し、この内周鋳肌面(14)には筒状成形体(4)の両
端面(15)間の中間位置から両端面(15)に至るに
従い嵌合孔(5)の内径が広がるテーパ面(16)また
は勾配面を設け、この筒状成形体(4)の嵌合孔(5)
の内周鋳肌面(14)に嵌合体(9)を嵌着している。
【0018】
【発明の実施形態】以下、本発明の実施形態にかかる部
品嵌合方法及びその方法により製造された嵌合部品を図
1〜2、図3(a)(b)及び図4〜7を参照して説明
する。
【0019】図1に示すように設置された自動車用エン
ジンマウント(嵌合部品)は、ブラケット1とインシュ
レータ2とを備えている。図2にも示すように、ブラケ
ット1は、アルミニウムによりダイカスト鋳造され、シ
ャーシ3aに対するボルト固定部3と円環部4(筒状成
形体)とからなる。このアルミ製円環部4の内側には円
形状の嵌合孔5が形成されている。インシュレータ2
は、エンジン支持板6にボルト固定された鋼製円筒軸7
と、この円筒軸7の外周に取着された緩衝ゴム8と、こ
の緩衝ゴム8の外周に取着された鋼製円環部9(嵌合
体)とからなる。そして、この鋼製円環部9が前記アル
ミ製円環部4の嵌合孔5に嵌着されて、インシュレータ
2がブラケット1に連結されている。
【0020】次に、上記ブラケット1のアルミ製円環部
4(筒状成形体)とインシュレータ2の鋼製円環部9
(嵌合体)とを概略的に図示して、図3(a)及び図4
〜5に示す第一実施形態と、図3(a)及び図6に示す
第二実施形態と、図3(b)及び図7に示す第三実施形
態とを順次説明する。
【0021】〔第一実施形態〕前記アルミ製円環部4
(筒状成形体)は下記の工程1)→3)を経て製造され、そ
の後の工程4)でこのアルミ製円環部4に前記鋼製円環部
9(嵌合体)が嵌着される。
【0022】1) 図3(a)及び図4に示す成形工程 ダイカストマシンにおいて、ダイカスト金型10内のキ
ャビティ11に二本の中子12を挿入して互いに突き合
わせる。この両中子12の外周に残る環状成形空間11
aに成形材料13(溶融アルミニウム)を充填する。
【0023】2) 図5(a)に示す成形品 ダイカストマシン内のロボットにより、前記金型10内
からアルミ製円環部4を後加工機に取り出す。このアル
ミ製円環部4の嵌合孔5の内周鋳肌面14には、このア
ルミ製円環部4の両端面15間の中央位置から両端面1
5に至るに従い嵌合孔5の内径(最小内径DS 、最大内
径DL )が広がるテーパ面16を前記両中子12の抜け
勾配を利用して設ける。なお、この中央位置から両端面
15までの距離Lは、互いに等しいが、両端面15間の
中間位置で任意に設定してもよい。ちなみに、テーパP
=(DL −DS )/Lまたは勾配=P/2であり、0.
5度≦(P/2)≦2度の範囲が適当である。
【0024】3) 図3(a)及び図5(b)に示す切削
工程 前記後加工機において、アルミ製円環部4の成形後温度
が焼きばめ不可能温度まで低下しない間に、このアルミ
製円環部4のテーパ状内周鋳肌面14(想像線参照)を
各種切削工具により削る。従って、アルミ製円環部4の
嵌合孔5の内周全体には、切削面17が露出し、その内
径D(前記最大内径DL にほぼ等しい)は両端面15間
で一定である。
【0025】前記焼きばめ不可能温度(焼きばめ可能温
度範囲の最低値T)は、成形材料13の材質、特にその
熱膨張係数に応じて異なり、アルミニウムの場合には
60℃〜80℃≦Tであることが望ましい。なお、前記
インシュレータ2の場合には、その緩衝ゴム8を損傷さ
せないために、最高温度が制限される。
【0026】4) 図3(a)及び図5(c)に示す嵌着
工程 前記後加工機において、アルミ製円環部4の成形後温度
が焼きばめ不可能温度まで低下しない間に、アルミ製円
環部4の嵌合孔5の切削面17にインシュレータ2の鋼
製円環部9(嵌合体)を嵌着する。その後、アルミ製円
環部4が空気中で自然冷却されて収縮すると、鋼製円環
部9が円筒状連結部4に締りばめされる。また、このよ
うな焼きばめと同時に、圧力ばめを行ってもよい。
【0027】〔図6に示す第二実施形態〕前記アルミ製
円環部4(筒状成形体)は下記の工程1)→3)を経て製造
され、その後の工程4)でこのアルミ製円環部4に前記鋼
製円環部9(嵌合体)が嵌着される。
【0028】1) 図3(a)及び図4に示す成形工程
は、第一実施形態と同様である。 2) 図5(a)に示す成形品も、第一実施形態と同様で
ある。 3) 図3(a)及び図6(a)に示す切削工程 前記後加工機において、アルミ製円環部4の成形後温度
が焼きばめ不可能温度(焼きばめ可能温度範囲の最低値
T)まで低下しない間に、このアルミ製円環部4のテー
パ状内周鋳肌面14(想像線参照)の一部を各種切削工
具により削る。従って、アルミ製円環部4の嵌合孔5の
内周には、アルミ製円環部4の両端面15間の中央位置
から両端面15に至る前の内側所定範囲でアルミ製円環
部4の内周鋳肌面14を削った切削面17を露出させる
とともに、この切削面17を除く両端面15までの外側
所定範囲で鋳肌面14aを残す。
【0029】4) 図3(a)及び図6(b)に示す嵌着
工程 前記後加工機において、アルミ製円環部4の成形後温度
が焼きばめ不可能温度まで低下しない間に、アルミ製円
環部4の嵌合孔5の切削面17及び両鋳肌面14aに鋼
製円環部9(嵌合体)を嵌着する。この場合、アルミ製
円環部4の外周はごくわずかに膨らむ。その後、アルミ
製円環部4が空気中で自然冷却されて収縮すると、鋼製
円環部9がアルミ製円環部4に締りばめされる。また、
このような焼きばめと同時に、圧力ばめを行ってもよ
い。
【0030】〔図7に示す第三実施形態〕前記アルミ製
円環部4(筒状成形体)は下記の工程1)→3)を経て製造
され、その後の工程4)でこのアルミ製円環部4に前記鋼
製円環部9(嵌合体)が嵌着される。
【0031】1) 図3(b)及び図4に示す成形工程
は、第一実施形態と同様である。 2) 図5(a)に示す成形品も、第一実施形態と同様で
ある。 3) 図3(b)に示すように、前記第一実施形態及び第
二実施形態の切削工程を省略する。
【0032】4) 図3(b)及び図7に示す嵌着工程 前記後加工機において、アルミ製円環部4の成形後温度
が焼きばめ不可能温度(焼きばめ可能温度範囲の最低値
T)まで低下しない間に、アルミ製円環部4の嵌合孔5
の内周鋳肌面14に鋼製円環部9(嵌合体)を嵌着す
る。この場合、アルミ製円環部4の外周はごくわずかに
膨らむ。その後、アルミ製円環部4が空気中で自然冷却
されて収縮すると、鋼製円環部9がアルミ製円環部4に
締りばめされる。また、このような焼きばめと同時に、
圧力ばめを行ってもよい。
【0033】本実施形態は下記(イ)〜(ヘ)の特徴を
有する。 (イ) 各実施形態では、アルミ製円環部4の成形後温
度を焼きばめ温度として有効に利用して焼きばめを行う
ことができる。
【0034】(ロ) ダイカスト製品では、成形後に一
旦常温になったものを加熱すると、ふくれ(ダイカスト
の表面近くに巻き込まれたガスにより小豆粒程度の盛り
上がりを生ずる現象)が生じ易い。そのため、ダイカス
ト製品において焼きばめは困難であった。しかし、各実
施形態では、アルミ製円環部4の成形後温度が焼きばめ
不可能温度(焼きばめ可能温度範囲の最低値T)まで低
下しない間に、焼きばめを行うので、これを可能にし
た。
【0035】(ハ) 第一実施形態においては、図5
(a)に示すように、二本の中子12を利用して成形し
たアルミ製円環部4にあってその嵌合孔5の内周鋳肌面
14で、円筒状連結部4の両端面15間の中央位置から
両端面15に至るに従い嵌合孔5の内径が広がるテーパ
面16を設けた。従って、図5(b)に示すように、テ
ーパ状内周鋳肌面14に対する削りしろは、従来技術の
場合の約半分になって小さくなり、切削作業能率を向上
させることができる。また、図6(a)に示すように、
第二実施形態にかかるテーパ状内周鋳肌面14の削りし
ろも同様である。
【0036】(ニ) 第一実施形態及び第二実施形態に
おいては、図5(b)(c)及び図6(a)(b)に示
すように、アルミ製円環部4の成形後温度が焼きばめ不
可能温度まで低下しない間に、このアルミ製円環部4の
内周鋳肌面14を削り、アルミ製円環部4の嵌合孔5に
鋼製円環部9を嵌着している。従って、切削工程時の内
周鋳肌面14は、これを冷却して常温にした場合よりも
柔らかいので、切削し易くなる。また、嵌着工程時の嵌
合孔5の内径は、これを冷却して常温にした場合よりも
広がっているので、嵌着し易くなるとともに、嵌着冷却
後に焼きばめ効果により強固に締りばめされる。
【0037】(ホ) 第二実施形態においては、図6
(a)(b)に示すように、アルミ製円環部4の嵌合孔
5の内周に切削面17と両鋳肌面14aとを設け、この
嵌合孔5の切削面17及び両鋳肌面14aに鋼製円環部
9を嵌着している。そのため、この両鋳肌面14aの硬
度が切削面17の硬度よりも大きくなり、嵌合孔5の内
周全体のうち一部に硬度の大きい部分(両鋳肌面14
a)が残る。従って、アルミ製円環部4に鋼製円環部9
を嵌着した場合にアルミ製円環部4の強度を高めること
ができる。
【0038】(ヘ) 第三実施形態においては、図5
(a)に示すように、二本の中子12を利用して成形し
たアルミ製円環部4にあってその嵌合孔5の内周鋳肌面
14で、アルミ製円環部4の両端面15間の中央位置か
ら両端面15に至るに従い嵌合孔5の内径が広がるテー
パ面16を設けた。そのため、テーパ状内周鋳肌面14
の締めしろは、従来技術の場合の約半分になって小さく
なる。しかも、上記(ロ)で述べたように、嵌着工程時
の嵌合孔5の内径は、これを冷却して常温にした場合よ
りも広がっているので、嵌着し易くなる。従って、切削
工程を省略して作業能率を向上させることが可能になる
とともに、嵌着冷却後に焼きばめ効果により強固に締り
ばめされる。また、図7に示すように、嵌合孔5の内周
全体に鋳肌面14が残るので、上記(ハ)で述べたよう
に、アルミ製円環部4に鋼製円環部9を嵌着した場合に
アルミ製円環部4の強度を高めることができる。
【0039】〔他の実施形態〕前記各実施形態以外にも
下記(イ)〜(ハ)のように構成してもよい。 (イ) 前述した自動車用エンジンマウント以外に、例
えば、電動機のフレームにステータ部品を嵌着する場合
に、本発明にかかる部品嵌合方法を利用する。
【0040】(ロ) 図8で示したように一本の中子1
2を利用した従来方法を実施する過程で、アルミ製円環
部4の成形後温度が焼きばめ不可能温度まで低下しない
間に、所定の切削工程及び所定の嵌着工程を施す(前記
第一実施形態に対応)。また、所定の切削工程を省略し
て、所定の嵌着工程のみを施す(前記第三実施形態に対
応)。
【0041】(ハ) 前記第三実施形態において、アル
ミ製円環部4の両端面15間の中間位置から両端面15
に至る前の内側所定範囲では、最小内径DS を利用し
て、圧力ばめを含む焼きばめを行い、この内側所定範囲
を除く両端面15までの外側所定範囲で、焼きばめのみ
を行う。従って、アルミ製円環部4に対する鋼製円環部
9の緊縛度をより一層高めることができる。
【0042】
【発明の効果】請求項1の発明にかかる部品嵌合方法に
よれば、筒状成形体(4)の成形後温度を焼きばめ温度
として有効に利用して焼きばめを行うことができ、しか
も焼きばめによるふくれも生じにくい。また、筒状成形
体(4)の成形後温度が焼きばめ不可能温度(焼きばめ
可能温度範囲の最低値T)まで低下しない間に切削工程
や嵌着工程を施したので、内周鋳肌面(14)を切削し
易くなる。さらに、嵌合孔(5)に嵌合体(9)を嵌着
し易くなるとともに、それらを焼きばめ効果により強固
に締りばめすることができる。
【0043】請求項2の発明にかかる部品嵌合方法によ
れば、請求項1の発明の効果に加え、二本の中子(1
2)を利用して成形したので、テーパ状内周鋳肌面(1
4)に対する削りしろが小さくなって切削作業能率を向
上させることができる。
【0044】請求項3の発明にかかる嵌合部品によれ
ば、嵌合孔(5)の内周全体のうち一部に硬度の大きい
両鋳肌面(14a)が残るので、筒状成形体(4)に嵌
合体(9)を嵌着した場合に筒状成形体(4)の強度を
高めることができる。
【0045】請求項4の発明にかかる部品嵌合方法によ
れば、筒状成形体(4)の成形後温度を焼きばめ温度と
して有効に利用して焼きばめを行うことができことがで
き、しかも焼きばめによるふくれも生じにくい。また、
筒状成形体(4)の成形後温度が焼きばめ不可能温度ま
で低下しない間に嵌着工程を施したので、嵌合孔(5)
に嵌合体(9)を嵌着し易くなるとともに、それらを焼
きばめ効果により強固に締りばめすることができる。
【0046】請求項5の発明にかかる部品嵌合方法によ
れば、筒状成形体(4)の成形後温度を焼きばめ温度と
して有効に利用して焼きばめを行うことができる。ま
た、二本の中子(12)を利用して成形することでテー
パ状内周鋳肌面(14)の締めしろを小さくするととも
に、筒状成形体(4)の成形後温度が焼きばめ不可能温
度まで低下しない間に嵌着工程を施したので、嵌合孔
(5)に嵌合体(9)を嵌着し易くなるとともに、それ
らを焼きばめ効果により強固に締りばめすることができ
る。
【0047】請求項6の発明にかかる嵌合部品によれ
ば、嵌合孔(5)の内周全体に硬度の大きい鋳肌面(1
4)が残るので、筒状成形体(4)に嵌合体(9)を嵌
着した場合に筒状成形体(4)の強度を高めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 自動車用エンジンマウントの設置状態を示す
断面図である。
【図2】 このエンジンマウントのブラケットのみを示
す正面図である。
【図3】 (a)は第一実施形態及び第二実施形態にお
いてエンジンマウントの概略的製造工程を示す工程図で
あり、(b)は第三実施形態においてエンジンマウント
の概略的製造工程を示す工程図であり、(c)は従来の
エンジンマウントの概略的製造工程を示す工程図であ
る。
【図4】 ブラケットを成形するための金型を示す概略
部分断面図である。
【図5】 第一実施形態において成形後のブラケット
(概略図)を切削した後にこれにインシュレータ(概略
図)を嵌着する過程を示す概略断面図である。
【図6】 第二実施形態において成形後のブラケット
(概略図)を切削した後にこれにインシュレータ(概略
図)を嵌着する過程を示す概略断面図である。
【図7】 第三実施形態において成形後のブラケット
(概略図)にインシュレータ(概略図)を嵌着した状態
を示す概略断面図である。
【図8】 (a)は従来のブラケットを成形するための
金型を示す概略部分断面図であり、(b)(c)(d)
は成形後のブラケット(概略図)を切削した後にこれに
インシュレータ(概略図)を嵌着する過程を示す概略断
面図である。
【符号の説明】
1…ブラケット、2…インシュレータ、4…筒状成形体
としての円環部、5…嵌合孔、9…嵌合体としての円環
部、10…金型、11…キャビティ、11a…環状成形
空間、12…中子、13…成形材料、14,14a…内
周鋳肌面、15…端面、16…テーパ面、17…切削
面。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年7月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 嵌合部品及びその部品の嵌合方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、自動車
用エンジンマウント(嵌合部品)、並びに、ダイカスト
鋳造したブラケット(筒状成形体)にインシュレータ
(嵌合体)を嵌着する部品嵌合法に関するものであ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型(10)内のキャビティ(11)に
    中子(12)を挿入し、この中子(12)の外周に残る
    環状成形空間(11a)に成形材料(13)を充填し、 その後、この金型(10)内から筒状成形体(4)を取
    り出し、この筒状成形体(4)の嵌合孔(5)の内周鋳
    肌面(14)にはテーパ面(16)または勾配面を設
    け、 次に、この筒状成形体(4)の成形後温度が焼きばめ不
    可能温度まで低下しない間に、筒状成形体(4)の内周
    鋳肌面(14)を削り、筒状成形体(4)の嵌合孔
    (5)に嵌合体(9)を嵌着することを特徴とする部品
    嵌合方法。
  2. 【請求項2】 金型(10)内のキャビティ(11)に
    二本の中子(12)を挿入して互いに突き合わせ、この
    両中子(12)の外周に残る環状成形空間(11a)に
    成形材料(13)を充填し、 その後、この金型(10)内から筒状成形体(4)を取
    り出し、この筒状成形体(4)の嵌合孔(5)の内周鋳
    肌面(14)にはこの筒状成形体(4)の両端面(1
    5)間の中間位置から両端面(15)に至るに従い嵌合
    孔(5)の内径が広がるテーパ面(16)または勾配面
    を設け、 次に、この筒状成形体(4)の成形後温度が焼きばめ不
    可能温度まで低下しない間に、筒状成形体(4)の内周
    鋳肌面(14)を削り、筒状成形体(4)の嵌合孔
    (5)に嵌合体(9)を嵌着することを特徴とする部品
    嵌合方法。
  3. 【請求項3】 筒状成形体(4)の嵌合孔(5)の内周
    には、筒状成形体(4)の両端面(15)間の中間位置
    から両端面(15)に至る前の内側所定範囲で筒状成形
    体(4)の内周鋳肌面(14)を削った切削面(17)
    を設けるとともに、この切削面(17)を除く両端面
    (15)までの外側所定範囲で鋳肌面(14a)を残
    し、この筒状成形体(4)の嵌合孔(5)の切削面(1
    7)及び両鋳肌面(14a)に嵌合体(9)を嵌着した
    ことを特徴とする嵌合部品。
  4. 【請求項4】 金型(10)内のキャビティ(11)に
    中子(12)を挿入し、この中子(12)の外周に残る
    環状成形空間(11a)に成形材料(13)を充填し、 その後、この金型(10)内から筒状成形体(4)を取
    り出し、この筒状成形体(4)の嵌合孔(5)の内周鋳
    肌面(14)にはテーパ面(16)または勾配面を設
    け、 次に、この筒状成形体(4)の成形後温度が焼きばめ不
    可能温度まで低下しない間に、筒状成形体(4)の嵌合
    孔(5)に嵌合体(9)を嵌着することを特徴とする部
    品嵌合方法。
  5. 【請求項5】 金型(10)内のキャビティ(11)に
    二本の中子(12)を挿入して互いに突き合わせ、この
    両中子(12)の外周に残る環状成形空間(11a)に
    成形材料(13)を充填し、 その後、この金型(10)内から筒状成形体(4)を取
    り出し、この筒状成形体(4)の嵌合孔(5)の内周鋳
    肌面(14)にはこの筒状成形体(4)の両端面(1
    5)間の中間位置から両端面(15)に至るに従い嵌合
    孔(5)の内径が広がるテーパ面(16)または勾配面
    を設け、 次に、この筒状成形体(4)の成形後温度が焼きばめ不
    可能温度まで低下しない間に、筒状成形体(4)の嵌合
    孔(5)の内周鋳肌面(14)に嵌合体(9)を嵌着す
    ることを特徴とする部品嵌合方法。
  6. 【請求項6】 筒状成形体(4)の嵌合孔(5)の内周
    全体に鋳肌面(14)を残し、この内周鋳肌面(14)
    には筒状成形体(4)の両端面(15)間の中間位置か
    ら両端面(15)に至るに従い嵌合孔(5)の内径が広
    がるテーパ面(16)を設け、この筒状成形体(4)の
    嵌合孔(5)の内周鋳肌面(14)に嵌合体(9)を嵌
    着したことを特徴とする嵌合部品。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008248933A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Tokai Rubber Ind Ltd 防振マウント組立体
JP2010133537A (ja) * 2008-12-08 2010-06-17 Toyota Motor Corp 成形品の流体通路構造およびオイルポンプ
US8157251B2 (en) 2007-03-29 2012-04-17 Tokai Rubber Industries, Ltd. Vibration damping mounting assembly
CN110116292A (zh) * 2019-03-07 2019-08-13 长春希达电子技术有限公司 一种冷热结合的过盈配合装配方法及led灯具

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