JPH1060286A - 舗装用改質アスファルト組成物 - Google Patents

舗装用改質アスファルト組成物

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JPH1060286A
JPH1060286A JP24096996A JP24096996A JPH1060286A JP H1060286 A JPH1060286 A JP H1060286A JP 24096996 A JP24096996 A JP 24096996A JP 24096996 A JP24096996 A JP 24096996A JP H1060286 A JPH1060286 A JP H1060286A
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JP
Japan
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solvent
molecular weight
average molecular
mass
asphalt
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Application number
JP24096996A
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English (en)
Inventor
Seiya Tanaka
晴也 田中
Masaaki Kawatsuki
正明 川付
Kiyomi Takagi
清美 高木
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Original Assignee
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】改質材による改質効果が大きく、加熱貯蔵安定
性に優れており、道路に施工後の舗装体の轍掘れが起き
にくく、しかもひび割れの発生が少ない、耐久性に優れ
た舗装用改質アスファルト組成物を提供する。 【解決手段】数平均分子量(MN)200〜2000、
重量平均分子量(MW)500〜4000のアスファル
ト類の内、溶解度パラメータ4.0〜8.1(cal/
mL)1/2の溶剤で溶剤抽出した際の溶剤不溶分が2〜
60質量%のアスファルト類を、上記溶剤で溶剤抽出
し、溶剤可溶分に改質材としてゴム、熱可塑性エラスト
マー、及び樹脂のうち少なくとも1種が配合されてお
り、配合されているときのゴム、熱可塑性エラストマー
又は樹脂の含有量をそれぞれアスファルト類の溶剤可溶
分と前記各改質材の合計量の2〜40質量%にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、舗装用改質アスフ
ァルト組成物に関し、詳しくは、改質材のアスファルト
中への分散状態が良好で、改質材による改質効果が大き
く、加熱貯蔵安定性に優れており、道路に施工後の舗装
体の轍掘れが起きにくく、しかもひび割れの発生が少な
い、耐久性に優れた舗装用改質アスファルト組成物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】道路舗装用のアスファルト材料として
は、ストレートアスファルト及び改質アスファルトが主
として用いられている。このうち、ストレートアスファ
ルトの性能を改善した改質アスファルトには、ストレー
トアスファルトを原料油とし、高温下で空気を吹き込む
操作、すなわちブローイング操作を行うことにより、感
温性を改善し、かつ60℃における粘度を800から1
200Pa・sに高めたセミブローンアスファルトと、
ストレートアスファルトにゴム、熱可塑性エラストマー
を単独、または両者を併用添加したゴム・熱可塑性エラ
ストマー入りアスファルトがある。前者のセミブローン
アスファルトは、60℃における粘度がストレートアス
ファルト40〜60、ストレートアスファルト60〜8
0、ストレートアスファルト80〜100に比べて3〜
10倍高く、夏季の高温下でも軟化しにくいため、重交
通道路の轍掘れ対策用に用いられている。一方、後者の
ゴム・熱可塑性エラストマー入りアスファルトは、60
℃粘度およびタフネス、テナシティ等が大きく増大する
ため、重交通道路の滑り止め、耐磨耗用、耐轍掘れ用、
さらには排水性舗装用の高粘度バインダーとしても使用
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ゴム・熱可塑性エラス
トマー入りアスファルトは上記のように、ゴム、及び熱
可塑性エラストマー等の改質材の添加により、60℃粘
度、及びタフネス、テナシティ等が増大するという改質
効果がある。しかし、従来のゴム・熱可塑性エラストマ
ー入りアスファルトは、ベースアスファルトと改質材の
相溶性が十分でなく、改質効果及び加熱貯蔵安定性が十
分でないという問題があった。本発明は、上記従来技術
状況に鑑みてなされたものであり、具体的には、改質材
のベースアスファルト中への分散状態が良好で、60℃
粘度、及びタフネス、テナシティ等が大きく増大すると
いう改質材による改質効果が大きく、加熱貯蔵安定性に
優れており、それ故に道路に施工後の舗装体の轍掘れが
起きにくく、しかもひび割れの発生が少ない、耐久性に
優れた舗装用改質アスファルト組成物を提供するもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、改質材による改質効果の要因につい
て鋭意検討を重ねた結果、アスファルトの平均分子量が
小さく、高分子量成分の量が少ないアスファルト類が、
ゴム、熱可塑性エラストマー、及び樹脂等の改質材との
相溶性が良好になり、改質効果が大きいことを見い出
し、さらに、ベースアスファルトを特定の溶剤で溶剤抽
出することにより、その溶剤不溶分として、ベースアス
ファルトの高分子量成分を分離することができ、そのよ
うにして高分子量成分の量を制御することにより、ベー
スアスファルトと改質材の相溶性を良好にすることがで
きるとの知見を得て、本発明を完成するに至った。すな
わち本発明は、数平均分子量(MN)200〜200
0、重量平均分子量(MW)500〜4000のアスフ
ァルト類の内、溶解度パラメータ4.0〜8.1(ca
l/mL)1/2の溶剤で溶剤抽出した際の溶剤不溶分が
2〜60質量%のアスファルト類を、上記溶剤で溶剤抽
出し、その溶剤不溶分を除去した後、溶剤可溶分に改質
材としてゴム、熱可塑性エラストマー、及び樹脂のうち
少なくとも1種が配合されており、配合されているとき
のゴム、熱可塑性エラストマー、又は樹脂の含有量がそ
れぞれアスファルト類の溶剤可溶分と前記各改質材の合
計量の2〜40質量%であることを特徴とする舗装用改
質アスファルト組成物を提供するものである。以下、本
発明を詳細に説明する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で使用するアスファルト類
は、例えば各種原油を常圧蒸留装置及び減圧蒸留装置に
かけ、軽質分を除去して得られる瀝青物質であるストレ
ートアスファルト、原油を減圧蒸留した際の減圧蒸留留
出油、溶剤脱れきアスファルト、もしくはストレートア
スファルトを常圧下で230〜270℃の温度で空気を
吹き込み、構成している炭化水素に脱水素重合、縮合反
応を起こさせてコンシステンシーの高い状態にしたセミ
ブローンアスファルトやブローンアスファルト等が使用
可能である。本発明で使用するアスファルト類の平均分
子量は、数平均分子量(MN)が200〜2000、重
量平均分子量(MW)が500〜4000であり、好ま
しくは、数平均分子量(MN)300〜1800、重量
平均分子量(MW)700〜3800である。使用する
アスファルト類の数平均分子量(MN)が2000を超
え、重量平均分子量(MW)が4000を超える場合、
溶剤抽出により高分子量成分を除去しても、平均分子量
が減少する効果が少ない可能性があり、好ましくない。
また、数平均分子量(MN)が200より小さく、重量
平均分子量(MW)が500より小さい場合、アスファ
ルトの強度が損なわれるおそれがあり好ましくない。
【0006】ここでの数平均分子量(MN)、重量平均
分子量(MW)はゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)
により測定し、ポリスチレン換算で求めたものである。
GPC測定は、TOSOH HLC−8120の装置に
より、テトラヒドロフラン(THF)を移動相として、
TSKgel SuperHM−Nカラムを用いて行っ
た。本発明で使用するアスファルト類の組成は、アスフ
ァルテン分、レジン分、芳香族分の合計量が30〜10
0質量%であることが好ましく、さらに好ましくは、5
0〜90質量%である。アスファルト類の組成成分の
内、芳香族分、レジン分、アスファルテン分といった芳
香族性の物質の合計量が30質量%より少ない場合、ベ
ースとなるアスファルト類の粘度、接着性等が低くなり
過ぎるため、改質アスファルトの最終性状が低くなるお
それがあり、好ましくない。なお、ここでの組成とは、
石油学会法(JPI−5S−22)による組成分析試験
結果を意味する。
【0007】本発明における溶剤抽出の方法は、アスフ
ァルト類を、溶剤に溶解させ、溶剤可溶分と溶剤不溶分
に分離するものである。本発明における溶剤抽出におい
て使用する溶剤の量は、特に制限されるものではない
が、アスファルト類1gに対し、5〜60mLが好まし
く、特に6〜50mLが好ましい。アスファルト類の量
に対して、溶剤の量が少な過ぎるとアスファルト類は溶
剤に溶けにくくなり、また、多過ぎると作業性、コスト
面等で好ましくない。本発明において溶剤抽出を行う温
度は、特に制限されるものではないが、−100〜30
0℃が好ましく、特に−50〜250℃が好ましい。温
度が低過ぎる場合、溶解性が低下したり、溶剤が凍結す
るおそれがあり好ましくなく、また温度が高過ぎる場
合、作業性、コスト面で好ましくない。本発明において
溶剤抽出を行う時間は、特に制限されるものではない
が、0.5〜24時間が好ましい。抽出時間が短過ぎる
と、完全に溶剤可溶分と不溶分に分離できない可能性が
あり、また逆に長過ぎると、製品生産上効率が悪くなる
可能性がある。
【0008】本発明において、溶剤可溶分と溶剤不溶分
を分離する方法は、特に制限はないが、ろ過、遠心分離
等が使用可能である。また、ろ過は、通常の自然落下に
よるもの、吸引ろ過、および遠心ろ過等が使用可能であ
る。ろ過を行う際に使用するろ紙は、保留粒子径が1〜
11μmのものが好ましく、特に2〜9μmのものが好
ましい。保留粒子径が小さ過ぎると目詰まりが起こった
り、ろ過の時間が長くなり過ぎたりする問題が生じる。
また逆に大き過ぎると、溶剤不溶分も流出してしまうお
それがあり好ましくない。また、本発明における溶剤抽
出は、固体の抽出において広く用いられている、溶剤の
還流による連続抽出により行うことも可能である。本発
明において、溶剤抽出により得られた溶剤可溶分は、常
圧蒸留、減圧蒸留等で溶剤を除去した後、改質アスファ
ルトのベースアスファルト類として使用する。
【0009】本発明において溶剤抽出に使用する溶剤
は、溶解度パラメータ4.0〜8.1(cal/mL)
1/2のものが好ましく、特に6.8〜7.8(cal/
mL)1/2のものが好ましい。ここでいう溶解度パラメ
ータとは、Hildebrandの正則溶液理論で導入
されたものでり、凝集エネルギー密度の尺度であって、
液体1mLあたりの蒸発熱の平方根として定義されてい
る。溶剤の溶解度パラメータは、各種溶剤に固有のもの
であり、本発明においては、「溶剤ポケットブック」
(編集:(社)有機合成化学協会、発行:(株)オーム
社)、および「溶媒抽出分析法」(モリソン・フリーザ
ー著、丸善株式会社発行)記載の値を参照した。溶解度
パラメータが4.0(cal/mL)1/2より小さい値
の溶剤は、入手が困難であり、仮に入手できたとして
も、アスファルト類は、そのような溶剤には溶解せず、
溶剤可溶分と不溶分に分離することができない。
【0010】一方、溶解度パラメータが8.1(cal
/mL)1/2より大きい溶剤を用いた場合、約9.5
(cal/mL)1/2の溶剤までは、アスファルト類が
ほとんど全て溶剤に溶解するため、溶剤可溶分と不溶分
に分離することができない。そして、さらに溶解度パラ
メータが大きい溶剤を用いると、アスファルト類は溶剤
に溶解せず、溶剤可溶分と不溶分に分離することができ
ない。ここで、溶解度パラメータが8.1(cal/m
L)1/2より大きい溶剤の内、アスファルト類が全て溶
解する溶剤と、溶解しなくなる溶剤の中間の溶解度パラ
メータを有する溶剤{例:アセトン、溶解度パラメータ
9.7(cal/mL)1/2}を用いれば、アスファル
ト類を溶剤可溶分と不溶分に分離することができるが、
この場合は、その溶剤可溶分あるいは不溶分が、アスフ
ァルト類の高分子量成分に相当するわけではなく、高分
子量成分の量を制御する効果がない。本発明において、
好ましい溶剤は、具体的には、イソペンタン、n−ペン
タン、イソヘキサン、n−ヘキサン、イソヘプタン、n
−ヘプタン、イソオクタン、n−オクタン、イソノナ
ン、n−ノナン、イソデカン、n−デカン、イソドデカ
ン、n−ドテカン、イソウンデカン、n−ウンデカン、
イソトリデカン、n−トリデカン、イソテトラデカン、
n−テトラデカン、イソペンタデカン、n−ペンタデカ
ン、イソヘキサデカン、n−ヘキサデカン、エチルエー
テル、イソプロピルエーテル、n−プロピルエーテル、
イソブチルエーテル、n−ブチルエーテル、酪酸イソブ
チル、酪酸ブチル、メチルシクロヘキサン、ジエチルア
ミン等が挙げられ、特に、n−ペンタン、イソヘキサ
ン、n−ヘキサン、イソヘプタン、n−ヘプタン、イソ
オクタン、n−オクタン、イソノナン、n−ノナン、イ
ソデカン、n−デカン、イソドデカン、エチルエーテ
ル、イソプロピルエーテル、n−プロピルエーテル、イ
ソブチルエーテル、n−ブチルエーテル、ジエチルアミ
ン等が好ましい。
【0011】本発明で使用するアスファルト類は、溶剤
抽出により分離される溶剤不溶分の量が2〜60質量%
であるものが好ましく、特に5〜50質量%のものが好
ましい。分離される溶剤不溶分が2質量%より少ない場
合、除去される高分子量成分が少なく、改質材との相溶
性を良くする効果が小さくなる。分離される溶剤不溶分
の量には、特に上限はないが、60質量%より多い場
合、ベースアスファルト類として使用可能な溶剤可溶分
の量が少なくなり、製品生産上効率的ではない。
【0012】本発明で使用するアスファルト類は、溶剤
抽出により高分子量成分を除去した後の溶剤可溶分の平
均分子量が、数平均分子量(MN)200〜800、重
量平均分子量(MW)500〜2100であることが好
ましい。また特に、数平均分子量(MN)200〜75
0、重量平均分子量(MW)500〜2000が好まし
い。改質アスファルトのベースアスファルト類となる溶
剤可溶分の数平均分子量(MN)が800を超え、重量
平均分子量(MW)が2100を超える場合、溶剤抽出
により高分子量成分を除去しても、改質材との相溶性が
改善されないことがあり、本発明の効果がないことがあ
る。一方、ベースアスファルト類となる溶剤可溶分の分
子量が小さいほど、改質材の分散性は良好になるが、数
平均分子量(MN)が200より小さく、重量平均分子
量(MW)が500より小さい場合、アスファルト類の
強度が損なわれるおそれがあり好ましくない。
【0013】また、ベースアスファルト類となる溶剤可
溶分の、重量平均分子量(MW)と数平均分子量(M
N)の比(MW/MN)は1.0〜2.9、特に1.0
〜2.7であることが好ましい。MW/MNは分子量分
布の尺度となる値であり、その値が大きいほど、分子量
分布が広いと言える。故に、MW/MNが大きいもの
は、平均分子量は小さくても、高分子量成分が多く存在
する可能性がある。そして高分子量成分が多く存在する
と、改質材の分散状態が悪くなるおそれがある。この理
由で、平均分子量(MN、MW)が上記範囲に入ってい
ても、MW/MNが2.9を超える溶剤可溶分を使用し
た場合は、改質材の分散状態が悪くなる可能性があり、
好ましくない。ここでの数平均分子量(MN)、重量平
均分子量(MW)はゲル浸透クロマトグラフィ(GP
C)により測定し、ポリスチレン換算で求めたものであ
る。GPC測定は、TOSOH HLC−8120の装
置により、テトラヒドロフラン(THF)を移動相とし
て、TSKgel SuperHM−Nカラムを用いて
行った。
【0014】本発明の舗装用改質アスファルト組成物に
用いられる改質材としては、ゴム、熱可塑性エラストマ
ー、及び樹脂が挙げられる。これらは、1種単独、もし
くは2種以上を組み合わせて用いることができる。これ
らの改質材の主な改質効果として、ゴムは伸度、熱可塑
性エラストマーは60℃粘度、タフネス、テナシティ、
樹脂はタフネス、テナシティの各性状の改善効果があ
る。ゴムとしては、例えばクロロプレンゴム、スチレン
−ブタジエンゴム、天然ゴム等が挙げられ、特に好まし
くはスチレン−ブタジエンゴムである。スチレン−ブタ
ジエンゴムとしては、スチレンを任意の割合で含有する
種々のスチレン−ブタジエンゴムが使用できるが、結合
スチレン含有量が20〜30質量%のものが好ましく、
特にラテックス状であり、固形分が45〜75質量%、
固形分密度が0.92〜0.97g/cm3のものが好
ましい。固形分が少な過ぎると、所要量を配合するため
の配合時間が長くなり、作業性が悪くなる。逆に、固形
分が多過ぎるとラテックスの粘度が高くなり、均一な混
合が難しくなる。また、結合スチレン含有量が少ない
と、60℃粘度等の上昇効果が低減する傾向があり、結
合スチレン含有量が多過ぎると伸度に対する改善効果が
低下する傾向がある。ゴムは、1種単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】本発明に用いる熱可塑性エラストマーとし
ては、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック
共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共
重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブ
ロック共重合体等が挙げられ、好ましくはスチレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体である。これらの
スチレン共重合体のスチレン量は、20〜50質量%が
好ましく、特に30〜45質量%が好ましい。スチレン
量が少な過ぎると、タフネス、テナシティ、60℃粘度
の改善効果が低下し、また、スチレン含有が多過ぎる
と、ベースアスファルトとの相溶性が低下する傾向があ
る。さらに、この共重合体の重量平均分子量は、50,
000〜500,000の範囲が好ましく、特に10
0,000〜300,000の範囲が好ましい。重量平
均分子量が小さ過ぎると、改質効果が小さく、大量の配
合が必要となる。逆に、重量平均分子量が大き過ぎる
と、ベースアスファルトとの相溶性が低下する傾向があ
る。熱可塑性エラストマーは、1種単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0016】本発明に用いる樹脂類は、脂肪族系炭化水
素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、水素添加炭化水素樹脂
等の熱可塑性の石油樹脂類が好ましい。また、石油樹脂
類は軟化点70〜150℃、好ましくは80℃〜145
℃のものが好ましい。軟化点が低過ぎると、改質効果が
小さく、また逆に軟化点が高過ぎるとアスファルトが硬
くなり過ぎ、施工性等の面で問題が生じるおそれがあ
る。さらに、石油樹脂類の数平均分子量(MN)は20
0〜1500、重量平均分子量(MW)は300〜30
00の範囲が好ましく、特にMNが300〜1300、
MWが400〜2800の範囲が好ましい。重量平均分
子量が小さ過ぎると、改質効果が小さく、大量の配合が
必要となり、逆に重量平均分子量が大き過ぎると、相溶
性が低下するおそれがある。樹脂類は、1種単独で用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。各
種改質材の数平均分子量および重量平均分子量はGPC
法で測定し、ポリスチレン換算で求めたものである。
【0017】改質材の含有量は、アスファルト類と各改
質材の合計量に対して、それぞれ2〜40質量%であ
り、好ましくは3〜30質量%である。具体的には、改
質材としてゴムが配合されている場合、ゴムの含有量
は、アスファルト類とゴムの合計量に対して、2〜40
質量%であり、好ましくは3〜30質量%である。ま
た、改質材として熱可塑性エラストマーが配合されてい
る場合、熱可塑性エラストマーの含有量は、アスファル
ト類と熱可塑性エラストマーの合計量に対して、2〜4
0質量%であり、好ましくは3〜30質量%である。さ
らに、改質材として樹脂が配合されている場合、樹脂の
含有量は、アスファルト類と樹脂の合計量に対して、2
〜40質量%であり、好ましくは3〜30質量%であ
る。これらの含有量が2質量%を下回るほど少ない場
合、改質効果が小さくなり、また40質量%を超えるほ
ど多くなると、高温時の動粘度が高くなるため、骨材と
の混合性が悪くなる傾向がある。
【0018】本発明の舗装用改質アスファルト組成物
は、上記各成分を所定割合で配合することにより製造す
ることができる。各成分の配合順序は、特に制限されな
いが、ベース基材を混合した後、樹脂、熱可塑性エラス
トマー、あるいはゴム等の順序で改質材を配合すること
が好ましい。ベース基材へのゴム、熱可塑性エラストマ
ー等の混合は、プロペラ式攪拌機、ホモミキサー等の各
種攪拌機が使用できるが、高せん断力をかけるホモミキ
サーが好ましい。ただし、石油樹脂の場合は、熱をかけ
るだけで溶解混合するので、必ずしも高せん断力をかけ
る必要はない。各成分の混合温度は、特に制限されるも
のではないが、通常150〜200℃で行うことができ
る。また、混合時間も特に制限されるものではないが、
通常改質材1成分につき5分〜10時間、好ましくは1
0分〜5時間である。本発明の舗装用改質アスファルト
組成物は、必要により、通常舗装用改質アスファルトに
添加される他の添加剤、例えば剥離防止剤、分散剤、安
定剤などを添加してもよい。また、本発明の舗装用改質
アスファルト組成物の施工方法は、舗装用改質アスファ
ルト組成物を所定の温度で骨材、フィラー等と混合し、
舗装場所に敷設し、転圧することにより行うことができ
る。骨材、フィラー等との混合温度は、通常の混合温度
でよく、例えば165〜185℃でよい。また、転圧時
の温度は通常の転圧温度でよく、例えば150〜175
℃でよい。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例、および比較例により
さらに具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例
によって何ら制限されるものではない。 (1)アスファルト類の溶剤抽出 アスファルト類の溶剤抽出は、次のように行った。溶剤
20Lにアスファルト類1kgを溶解させ、25℃にお
いて3時間放置した後、保留粒子径7μmのろ紙を用い
てろ過を行い、溶剤可溶分と不溶分に分離した。そし
て、その溶剤不溶分を同溶剤で還流することにより、完
全に溶剤可溶分と不溶分に分離した。そして、得られた
溶剤可溶分溶液を、ロータリーエバポレーターにより減
圧蒸留処理した後、120℃で1時間真空乾燥し、完全
に溶剤を除去し、溶剤可溶分を得た。 (2)軟化点、針入度、伸度、60℃粘度、タフネス、
テナシティの測定法 実施例、比較例における軟化点、針入度、伸度はJIS
K2207に、60℃粘度、およびタフネス、テナシ
ティは舗装試験法便覧((社)日本道路協会、昭和63
年版)に準拠して行った。
【0020】(3)改質材の分散状態 改質材の分散状態は、光学顕微鏡を用いて200倍で観
察し、改質材がアスファルト中に均一に分散しているも
のを分散状態○、改質材が島状の塊となって点在してい
るものを分散状態×とした。 (4)舗装用改質アスファルトの加熱貯蔵安定性 改質アスファルトの加熱貯蔵安定性は、約200gの舗
装用改質アスファルトを、350mlのアルミ缶に入
れ、160℃×7日間で加熱し、表面一面に改質材の膜
が張っているものを安定性×、膜張りが全くないか、も
しくは少ないものを安定性○とした。また、組成分析は
石油学会法(JPI−5S−22)に準拠して行い、平
均分子量(MN、MW)はゲル浸透クロマトグラフィ
(GPC)により測定し、ポリスチレン換算で求めた。
GPC測定はTOSOH HLC−8120の装置によ
り、テトラヒドロフラン(THF)を移動相として、T
SKgel Super−HM−Nカラムを用いて行っ
た。
【0021】実施例1 芳香族分45質量%、レジン分24質量%、アスファル
テン分15質量%の組成から成り、数平均分子量(M
N)750、重量平均分子量(MW)2500のストレ
ートアスファルトを、n−ヘプタン{溶解度パラメータ
7.4(cal/mL)1/2}により溶剤抽出を行い、
その溶剤可溶分に、軟化点125℃、数平均分子量(M
N)450、重量平均分子量(MW)720の石油樹脂
を、溶剤可溶分と石油樹脂の合計量の25質量%、17
0℃×30分において混合し、その混合物にスチレン−
ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラス
トマー(SBS、スチレン/ブタジエン重合比:40/
60、重量平均分子量:150,000)を、溶剤可溶
分とSBSの合計量の11質量%、高せん断力のホモミ
キサーを用いて、180℃×2時間で混合し、舗装用改
質アスファルト組成物を得た。表1に、溶剤不溶分の量
と、溶剤可溶分の平均分子量(MN、MW、MW/M
N)、および得られた舗装用改質アスファルト組成物の
性状を示す。
【0022】実施例2 実施例1で用いたストレートアスファルトを、n−デカ
ン{溶解度パラメータ7.7(cal/mL)1/2}に
より溶剤抽出を行い、その溶剤可溶分に、軟化点125
℃、数平均分子量(MN)450、重量平均分子量(M
W)720の石油樹脂を、溶剤可溶分と石油樹脂の合計
量の25質量%、170℃×30分において混合し、そ
の混合物にスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共
重合体熱可塑性エラストマー(SBS、スチレン/ブタ
ジエン重合比:40/60、重量平均分子量:150,
000)を、溶剤可溶分とSBSの合計量の11質量
%、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃×2
時間で混合し、舗装用改質アスファルト組成物を得た。
表1に、溶剤不溶分の量と、溶剤可溶分の平均分子量
(MN、MW、MW/MN)、および得られた舗装用改
質アスファルト組成物の性状を示す。
【0023】実施例3 芳香族分45質量%、レジン分23質量%、アスファル
テン分13質量%の組成から成り、数平均分子量(M
N)680、重量平均分子量(MW)2150のストレ
ートアスファルトを、n−ヘプタン{溶解度パラメータ
7.4(cal/mL)1/2}により溶剤抽出を行い、
その溶剤可溶分に、軟化点125℃、数平均分子量(M
N)450、重量平均分子量(MW)720の石油樹脂
を、溶剤可溶分と石油樹脂の合計量の25質量%、17
0℃×30分において混合し、その混合物にスチレン−
ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラス
トマー(SBS、スチレン/ブタジエン重合比:40/
60、重量平均分子量:150,000)を、溶剤可溶
分とSBSの合計量の11質量%、高せん断力のホモミ
キサーを用いて、180℃×2時間で混合し、舗装用改
質アスファルト組成物を得た。表1に、溶剤不溶分の量
と、溶剤可溶分の平均分子量(MN、MW、MW/M
N)、および得られた舗装用改質アスファルト組成物の
性状を示す。
【0024】実施例4 芳香族分47質量%、レジン分27質量%、アスファル
テン分9質量%の組成から成り、数平均分子量(MN)
700、重量平均分子量(MW)2300のストレート
アスファルトを、n−ペンタン{溶解度パラメータ7.
0(cal/mL)1/2}により溶剤抽出を行い、その
溶剤可溶分に、軟化点125℃、数平均分子量(MN)
450、重量平均分子量(MW)720の石油樹脂を、
溶剤可溶分と石油樹脂の合計量の25質量%、170℃
×30分において混合し、その混合物にスチレン−ブタ
ジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマ
ー(SBS、スチレン/ブタジエン重合比:40/6
0、重量平均分子量:150,000)を、溶剤可溶分
とSBSの合計量の11質量%、高せん断力のホモミキ
サーを用いて、180℃×2時間で混合し、舗装用改質
アスファルト組成物を得た。表1に、溶剤不溶分の量
と、溶剤可溶分の平均分子量(MN、MW、MW/M
N)、および得られた舗装用改質アスファルト組成物の
性状を示す。
【0025】実施例5 実施例1で得られた溶剤可溶分に、軟化点125℃、数
平均分子量(MN)450、重量平均分子量(MW)7
20の石油樹脂を、溶剤可溶分と石油樹脂の合計量の2
0質量%、170℃×30分において混合し、その混合
物にスチレン−ブタジエンゴム(SBR、ラテックス
状、固形分:50質量%、固形分密度:0.96g/c
3、結合スチレン量:23.5質量%)を、溶剤可溶
分とSBRの合計量の7質量%、高せん断力のホモミキ
サーを用いて、180℃×2時間で混合し、舗装用改質
アスファルト組成物を得た。表4に、得られた舗装用改
質アスファルト組成物の性状を示す。
【0026】比較例1 実施例1で用いたストレートアスファルトに、軟化点1
25℃、数平均分子量(MN)450、重量平均分子量
(MW)720の石油樹脂を、ストレートアスファルト
と石油樹脂の合計量の25質量%、170℃×30分に
おいて混合し、その混合物にスチレン−ブタジエン−ス
チレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー(SB
S、スチレン/ブタジエン重合比:40/60、重量平
均分子量:150,000)を、ストレートアスファル
トとSBSの合計量の11質量%、高せん断力のホモミ
キサーを用いて、180℃×2時間で混合し、舗装用改
質アスファルト組成物を得た。表2に得られた舗装用改
質アスファルト組成物の性状を示す。
【0027】比較例2 実施例3で用いたストレートアスファルトに、軟化点1
25℃、数平均分子量(MN)450、重量平均分子量
(MW)720の石油樹脂を、ストレートアスファルト
と石油樹脂の合計量の25質量%、170℃×30分に
おいて混合し、その混合物にスチレン−ブタジエン−ス
チレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー(SB
S、スチレン/ブタジエン重合比:40/60、重量平
均分子量:150,000)を、ストレートアスファル
トとSBSの合計量の11質量%、高せん断力のホモミ
キサーを用いて、180℃×2時間で混合し、舗装用改
質アスファルト組成物を得た。表2に得られた舗装用改
質アスファルト組成物の性状を示す。
【0028】比較例3 実施例4で用いたストレートアスファルトに、軟化点1
25℃、数平均分子量(MN)450、重量平均分子量
(MW)720の石油樹脂を、ストレートアスファルト
と石油樹脂の合計量の25質量%、170℃×30分に
おいて混合し、その混合物にスチレン−ブタジエン−ス
チレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー(SB
S、スチレン/ブタジエン重合比:40/60、重量平
均分子量:150,000)を、ストレートアスファル
トとSBSの合計量の11質量%、高せん断力のホモミ
キサーを用いて、180℃×2時間で混合し、舗装用改
質アスファルト組成物を得た。表2に得られた舗装用改
質アスファルト組成物の性状を示す。
【0029】比較例4 実施例1で用いたストレートアスファルトを、シクロヘ
キサン{溶解度パラメータ8.2(cal/m
L)1/2}により溶剤抽出を行い、その溶剤可溶分に、
軟化点125℃、数平均分子量(MN)450、重量平
均分子量(MW)720の石油樹脂を、溶剤可溶分と石
油樹脂の合計量の25質量%、170℃×30分におい
て混合し、その混合物にスチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロック共重合体熱可塑性エラストマー(SBS、ス
チレン/ブタジエン重合比:40/60、重量平均分子
量:150,000)を、溶剤可溶分とSBSの合計量
の11質量%、高せん断力のホモミキサーを用いて、1
80℃×2時間で混合し、舗装用改質アスファルト組成
物を得た。表3に、溶剤不溶分の量と、溶剤可溶分の平
均分子量(MN、MW、MW/MN)、および得られた
舗装用改質アスファルト組成物の性状を示す。
【0030】比較例5 実施例1で用いたストレートアスファルトを、トルエン
{溶解度パラメータ8.9(cal/mL)1/2}によ
り溶剤抽出を行い、その溶剤可溶分に、軟化点125
℃、数平均分子量(MN)450、重量平均分子量(M
W)720の石油樹脂を、溶剤可溶分と石油樹脂の合計
量の25質量%、170℃×30分において混合し、そ
の混合物にスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共
重合体熱可塑性エラストマー(SBS、スチレン/ブタ
ジエン重合比:40/60、重量平均分子量:150,
000)を、溶剤可溶分とSBSの合計量の11質量
%、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃×2
時間で混合し、舗装用改質アスファルト組成物を得た。
表3に、溶剤不溶分の量と、溶剤可溶分の平均分子量
(MN、MW、MW/MN)、および得られた舗装用改
質アスファルト組成物の性状を示す。
【0031】比較例6 実施例1で用いたストレートアスファルトを、エタノー
ル{溶解度パラメータ12.9(cal/mL)1/2
により溶剤抽出を行い、その溶剤不溶分に、軟化点12
5℃、数平均分子量(MN)450、重量平均分子量
(MW)720の石油樹脂を、溶剤不溶分と石油樹脂の
合計量の25質量%、170℃×30分において混合
し、その混合物にスチレン−ブタジエン−スチレンブロ
ック共重合体熱可塑性エラストマー(SBS、スチレン
/ブタジエン重合比:40/60、重量平均分子量:1
50,000)を、溶剤不溶分とSBSの合計量の11
質量%、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃
×2時間で混合し、舗装用改質アスファルト組成物を得
た。表3に、溶剤不溶分の量と、得られた舗装用改質ア
スファルト組成物の性状を示す。
【0032】比較例7 芳香族分48質量%、レジン分20質量%、アスファル
テン分1質量%の組成から成り、数平均分子量(MN)
850、重量平均分子量(MW)2400のストレート
アスファルトを、n−ヘプタン{溶解度パラメータ7.
4(cal/mL)1/2}により溶剤抽出を行い、その
溶剤可溶分に、軟化点125℃、数平均分子量(MN)
450、重量平均分子量(MW)720の石油樹脂を、
溶剤可溶分と石油樹脂の合計量の25質量%、170℃
×30分において混合し、その混合物にスチレン−ブタ
ジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマ
ー(SBS、スチレン/ブタジエン重合比:40/6
0、重量平均分子量:150,000)を、溶剤可溶分
とSBSの合計量の11質量%、高せん断力のホモミキ
サーを用いて、180℃×2時間で混合し、舗装用改質
アスファルト組成物を得た。表3に、溶剤不溶分の量
と、溶剤可溶分の平均分子量(MN、MW、MW/M
N)、および得られた舗装用改質アスファルト組成物の
性状を示す。
【0033】比較例8 実施例1で用いたストレートアスファルトに、軟化点1
25℃、数平均分子量(MN)450、重量平均分子量
(MW)720の石油樹脂を、ストレートアスファルト
と石油樹脂の合計量の20質量%、170℃×30分に
おいて混合し、その混合物にスチレン−ブタジエンゴム
(SBR、ラテックス状、固形分:50質量%、固形分
密度:0.96g/cm3、結合スチレン量:23.5
質量%)を、ストレートアスファルトとSBRの合計量
の7質量%、高せん断力のホモミキサーを用いて、18
0℃×2時間で混合し、舗装用改質アスファルト組成物
を得た。表4に、得られた舗装用改質アスファルト組成
物の性状を示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】本発明の条件を満たし、溶剤可溶分のMN
が200〜800、MWが500〜2100、MW/M
Nが1.0〜2.9の範囲に入る実施例1〜4は、改質
材の分散状態が良好で、60℃粘度、タフネス、テナシ
ティの改質効果も大きく、加熱貯蔵安定性試験も表面膜
張りが起きにくく、良好な結果となった。一方、実施例
1、3、4と同様のストレートアスファルトを、溶剤抽
出を行わずに、そのままベースアスファルト類として用
いた比較例1〜3は、改質材の量が多いため、軟化点、
60℃粘度は高くなるが、改質材の分散状態が悪く、タ
フネス、テナシティの改質効果が無く、また加熱貯蔵安
定性も不良な結果となった。また、溶解度パラメータが
本発明の条件より大きい値のシクロヘキサン、トルエン
を用いて溶剤抽出を行った比較例4、5においては、ア
スファルトがほとんど全て溶剤に溶解するため、溶剤不
溶分が2質量%より少なく、溶剤不溶分として高分子量
成分を分離することができず、溶剤可溶分のMW、MW
/MNが上記範囲より大きくなった。そしてその溶剤可
溶分に改質材を添加しても、改質材の分散状態が悪く、
タフネス、テナシティの改質効果が無く、また加熱貯蔵
安定性も不良な結果となった。
【0038】そして、溶解度パラメータがトルエンより
もさらに大きい値のエタノールを用いて溶剤抽出を行っ
た比較例6においては、アスファルトがほとんど溶剤に
溶解しないため、溶剤可溶分をベースアスファルト類と
して使用することが困難である。そこで比較例6におい
ては、溶剤不溶分をベースアスファルト類として使用し
たが、この場合も高分子量成分が分離されていないた
め、改質材の分散状態が悪く、タフネス、テナシティの
改質効果が無く、また加熱貯蔵安定性も不良な結果とな
った。比較例7においては、溶剤抽出に用いる溶剤の溶
解度パラメータは、本発明の条件を満たしているが、溶
剤抽出により高分子量成分として分離される溶剤不溶分
が2質量%未満であり、溶剤可溶分のMNが200〜8
00、MWが500〜2100の範囲より大きいため、
改質材の分散状態が悪く、タフネス、テナシティの改質
効果が無く、また加熱貯蔵安定性も不良な結果となっ
た。
【0039】
【表4】
【0040】実施例1と同様の溶剤可溶分に、石油樹脂
とSBRを配合した実施例5は、SBRの分散状態が良
好で、低温伸度も良好な結果となった。一方、実施例1
と同様のストレートアスファルトを、溶剤抽出を行わず
にそのままベースアスファルトとして用いた比較例8で
は、実施例5と比較してSBRの分散状態が不良な結果
となった。以上より、本発明の条件を満たす、実施例1
〜5が舗装用改質アスファルト組成物として効果的であ
ると言える。本発明は、改質アスファルトのベースとな
るアスファルト類の平均分子量がある程度小さく、また
高分子量成分が少ないほど、改質材の分散性が良好にな
り、改質効果も大きくなるという知見に基づいたもので
ある。例えば、SBSとアスファルトの混合が、SBS
のポリマー鎖中にアスファルト分子が入り込み、絡みつ
くことにより成されるものと考察すると、分子量が小さ
いアスファルト類は、容易にポリマー鎖と混じり合うこ
とができるが、分子量が大きいアスファルト類、あるい
は高分子量成分が多いアスファルト類は、その高分子量
成分が、そのようなポリマー鎖との混合を、立体的に阻
害するために相溶性が悪くなるものと考えられる。
【0041】
【発明の効果】本発明により、従来改質材との相溶性が
悪く、改質アスファルトとして使用できなかった原油種
の使用が可能になったと言える。また、本発明の舗装用
改質アスファルト組成物は、ベースとなるアスファルト
類とSBS等の改質材との相溶性が良く、アスファルト
舗装の耐轍掘れ性と相関が高いとされる60℃粘度、及
びアスファルトバインダーと骨材の接着性とバインダー
同志の結合力の指標となるタフネス、テナシティに優れ
た性能を示す。従って、本発明の舗装用改質アスファル
ト組成物は、実用上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜4の舗装用改質アスファルト組成物
における光学顕微鏡で観察される改質材の分散状態を示
した図である。
【図2】比較例1〜3の舗装用改質アスファルト組成物
における光学顕微鏡で観察される改質材の分散状態を示
した図である。
【図3】比較例4〜7の舗装用改質アスファルト組成物
における光学顕微鏡で観察される改質材の分散状態を示
した図である。
【図4】実施例5及び比較例8の舗装用改質アスファル
ト組成物における光学顕微鏡で観察される改質材の分散
状態を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 清美 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】数平均分子量(MN)200〜2000、
    重量平均分子量(MW)500〜4000のアスファル
    ト類の内、溶解度パラメータ4.0〜8.1(cal/
    mL)1/2の溶剤で溶剤抽出した際の溶剤不溶分が2〜
    60質量%のアスファルト類を、上記溶剤で溶剤抽出
    し、その溶剤不溶分を除去した後、溶剤可溶分に改質材
    としてゴム、熱可塑性エラストマー、及び樹脂のうち少
    なくとも1種が配合されており、配合されているときの
    ゴム、熱可塑性エラストマー、又は樹脂の含有量がそれ
    ぞれアスファルト類の溶剤可溶分と前記各改質材の合計
    量の2〜40質量%であることを特徴とする舗装用改質
    アスファルト組成物。
JP24096996A 1996-08-26 1996-08-26 舗装用改質アスファルト組成物 Pending JPH1060286A (ja)

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