JPH1060166A - 合成樹脂組成物 - Google Patents

合成樹脂組成物

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JPH1060166A
JPH1060166A JP23840096A JP23840096A JPH1060166A JP H1060166 A JPH1060166 A JP H1060166A JP 23840096 A JP23840096 A JP 23840096A JP 23840096 A JP23840096 A JP 23840096A JP H1060166 A JPH1060166 A JP H1060166A
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JP
Japan
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synthetic resin
weight
antioxidant
parts
resin composition
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JP23840096A
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English (en)
Inventor
Yutaka Katsuta
豊 勝田
Kohei Sawada
公平 澤田
Koji Sawamura
孝司 沢村
Tadahiro Katanoda
忠弘 片野田
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NOF Corp
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NOF Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高温成形時に熱酸化分解することなく、加工性
及び加工安定性に優れた合成樹脂組成物を提供する。 【解決手段】合成樹脂100重量部に対し、一般式
[1]又は一般式[2]で示されるベンズイミダゾール
誘導体0.01〜10重量部、フェノール系酸化防止剤
0.001〜5重量部及び硫黄系酸化防止剤0.001〜
5重量部を添加してなることを特徴とする合成樹脂組成
物。 【化1】 (式中、R1〜R3は炭素数8〜22のアルキル基又は炭
素数14〜28のアルキルアリール基である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂組成物に
関する。さらに詳しくは、本発明は、高温成形時にも十
分な滑性を有し、かつ加工安定性に優れた合成樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂に
は、従来から熱成形時の加工性を向上する目的で、脂肪
酸アミド系滑剤が使用されている。脂肪酸アミド系滑剤
としては、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、
オレイン酸アミドなどの脂肪酸アミドや、メチレンビス
ステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド
などのアルキレンビス脂肪酸アミドが広く使用されてい
る。近年、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂などの耐
熱性の高い樹脂の需要が増加し、それに伴い高温成形時
に十分な滑性を有し、かつ加工安定性に優れた合成樹脂
組成物が要求されるようになってきた。しかし、前記脂
肪酸アミド系滑剤を添加した合成樹脂組成物は、高温成
形時において熱酸化分解を起こしやすく、滑性について
必ずしも十分であるとは言えない。例えば、特公昭58
−1144号公報においては、芳香族ポリエステル重合
体にエチレンビスステアリン酸アミドを添加することが
試みられているが、高温成形時においては十分な滑性が
得られていない。また、特開平3−143942号公報
においては、硬質塩化ビニル系樹脂に、フェニレンビス
脂肪酸アミドを添加することが試みられているが、高温
成形時における加工安定性が十分ではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高温成形時
に熱酸化分解することなく、加工性及び加工安定性に優
れた合成樹脂組成物を提供することを目的としてなされ
たものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、合成樹脂に対
し、2−位置に置換基を有するベンズイミダゾール誘導
体、フェノール系酸化防止剤及び硫黄系酸化防止剤を添
加してなる合成樹脂組成物が、高温成形時に熱酸化分解
することなく、加工性及び加工安定性に優れることを見
いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、合成樹脂100重量部に対
し、一般式[1]
【化3】 (ただし、式中、R1は炭素数8〜22のアルキル基又
は炭素数14〜28のアルキルアリール基である。)又
は一般式[2]
【化4】 (ただし、式中、R2及びR3は炭素数8〜22のアルキ
ル基又は炭素数14〜28のアルキルアリール基であ
り、R2とR3は同一でも異なっていてもよい。)で示さ
れるベンズイミダゾール誘導体0.01〜10重量部、
フェノール系酸化防止剤0.001〜5重量部及び硫黄
系酸化防止剤0.001〜5重量部を添加してなること
を特徴とする合成樹脂組成物を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明組成物においては、合成樹
脂に対して一般式[1]で示されるベンズイミダゾール
誘導体又は一般式[2]で示されるベンズイミダゾール
−5,6−ジカルボキシミド誘導体、フェノール系酸化
防止剤及び硫黄系酸化防止剤を添加する。
【化5】 一般式[1]において、R1は炭素数8〜22のアルキ
ル基又は炭素数14〜28のアルキルアリール基であ
る。一般式[2]において、R2及びR3は炭素数8〜2
2のアルキル基又は炭素数14〜28のアルキルアリー
ル基であり、R2とR3は同一であっても異なっていても
よい。炭素数8〜22のアルキル基としては、例えば、
オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデ
シル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル
基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル
基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンイコシル基、ド
コシル基を挙げることができる。また、炭素数14〜2
8のアルキルアリール基としては、例えば、オクチルフ
ェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ドテ
シルフェニル基、トリデシルフェニル基、テトラデシル
フェニル基、ヘキサデシルフェニル基、オクタデシルフ
ェニル基、エイコシルフェニル基、ジオクチルフェニル
基、ジノニルフェニル基、トリヘキシルフェニル基など
を挙げることができる。一般式[1]又は一般式[2]
で示されるベンズイミダゾール誘導体は、1種を単独で
使用することができ、2種以上を組み合わせて使用する
ことができる。本発明組成物において、一般式[1]又
は一般式[2]で示されるベンズイミダゾール誘導体
は、合成樹脂100重量部に対して0.01〜10重量
部、好ましくは0.1〜5重量部を添加する。一般式
[1]又は一般式[2]で示されるベンズイミダゾール
誘導体の添加量が、合成樹脂100重量部に対し0.0
1重量部未満であると、成形時に十分な滑性が得られな
いおそれがある。一般式[1]又は一般式[2]で示さ
れるベンズイミダゾール誘導体の添加量が、合成樹脂1
00重量部に対し10重量部を超えると、合成樹脂の物
性が低下し、ブリードが発生するおそれがある。
【0006】本発明組成物に用いるフェノール系酸化防
止剤には特に制限はなく、例えば、2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾール、2,4,6−トリ−t−ブチルフ
ェノール、n−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−
3',5'−ジ−t−ブチルフェノール)プロピオネート、
テトラキス[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル
−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、
トリエチレングリコール−ビス[3−(3'−t−ブチル
−5'−メチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]などを挙げることができる。これらの中で、テト
ラキス[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン及びトリ
エチレングリコール−ビス[3−(3'−t−ブチル−5'
−メチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
を特に好適に使用することができる。フェノール系酸化
防止剤は、1種を単独で使用することができ、2種以上
を組み合わせて使用することができる。本発明組成物に
おいて、フェノール系酸化防止剤は、合成樹脂100重
量部に対して0.001〜5重量部、好ましくは0.01
〜3重量部を添加する。フェノール系酸化防止剤の添加
量が、合成樹脂100重量部に対し0.001重量部未
満であると、加工安定性が十分に向上しないおそれがあ
る。フェノール系酸化防止剤の添加量が、合成樹脂10
0重量部に対し5重量部を超えると、成形時に黄変及び
ブリードが発生するおそれがある。
【0007】本発明組成物に用いる硫黄系酸化防止剤に
は特に制限はなく、例えば、ジラウリルチオジプロピオ
ネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステア
リルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テ
トラキス(β−ラウリルチオプロピオネート)などを挙げ
ることができる。これらの中で、ペンタエリスリトール
−テトラキス(β−ラウリルチオプロピオネート)を特に
好適に使用することができる。硫黄系酸化防止剤は、1
種を単独で使用することができ、2種以上を組み合わせ
て使用することができる。本発明組成物において、硫黄
系酸化防止剤は、合成樹脂100重量部に対して0.0
01〜5重量部、好ましくは0.01〜3重量部を添加
する。硫黄系酸化防止剤の添加量が、合成樹脂100重
量部に対し0.001重量部未満であると、加工安定性
が十分に向上しないおそれがある。硫黄系酸化防止剤の
添加量が、合成樹脂100重量部に対し5重量部を超え
ると、成形時に黄変及びブリードが発生するおそれがあ
る。
【0008】本発明組成物においては、一般式[1]又
は一般式[2]で示されるベンズイミダゾール誘導体、
フェノール系酸化防止剤及び硫黄系酸化防止剤の3種の
添加剤を組み合わせて合成樹脂に添加することにより、
はじめて成形時の滑性と加工安定性が発現するものであ
り、これらの中の1種でも欠いた組み合わせによっては
本発明の効果は発現しない。その機構は明らかではない
が、一般式[1]又は一般式[2]で示されるベンズイ
ミダゾール誘導体、フェノール系酸化防止剤及び硫黄系
酸化防止剤の3者の間に複雑な相乗効果が作用して、本
発明の効果が得られるものと推定される。本発明組成物
に使用する合成樹脂には特に制限はなく、例えば、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹
脂、ブタジエン−スチレン共重合体(SBR樹脂)、ア
クリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート、ポリ
アミド、ポリエステル、ポリアセタール、ポリフェニレ
ンオキサイド系樹脂、ポリスルフォン、ポリエーテルス
ルフォン、ポリフェニレンスルフィド系樹脂などを挙げ
ることができる。本発明組成物においては、合成樹脂に
通常添加されるその他の添加剤、例えば、安定剤、紫外
線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、染料、顔料などを、必
要に応じて添加することができる。
【0009】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例において、合成樹
脂組成物の評価は、以下の方法にしたがって行った。 1.滑性の評価(混練トルク値) 滑性は、混練トルク値により評価した。すなわち、AB
S樹脂に、所定量の添加剤をドライブレンドしたのち、
ラボプラストミルミキサー[東洋精機(株)製、30C1
50型]を用いて、試料40gをミキサー容量60ml、
チャンバー温度260℃、ローター回転数40rpmの条
件で混練し、混練時間10分の混練トルク値を求めた。 2.樹脂物性(ビカット軟化点) 樹脂物性は、JIS K 7206に準拠して測定したビ
カット軟化点により評価した。すなわち、ABS樹脂
に、所定量の添加剤をドライブレンドしたのち、ラボプ
ラストミルミキサー[東洋精機(株)製、30C150
型]を用いて混練した試料より、加熱プレス機[東洋精
機(株)製、SA32型]を用いて、温度190℃、圧力
100kg/cm2、予熱時間5分間、プレス時間5分間の
条件で、厚さ3mmのプレス板を作製した。このプレス板
を1cm×1cmの試験板とし、温度23±2℃、湿度50
%RHで88時間状態調節したのち、断面積1mm2の針
に1,000gの荷重を加え、50℃/hの速度で昇温
し、針入度が1mmに達した温度を測定した。 3.樹脂加工性(メルトインデックス) 樹脂加工性は、JIS K 7210に準拠して測定した
メルトインデックスにより評価した。すなわち、上記の
ごとく作製した厚さ3mmのプレス板を、3mm×3mm×5
mmのペレットに切断し、予熱時間180秒、荷重保持時
間120秒、荷重5,000g、温度240℃の条件で
測定した。 4.加工安定性及びブリードの有無 加工安定性は、多重回押し出し後のメルトインデックス
を測定することによって評価した。すなわち、ABS樹
脂に、所定量の添加剤をドライブレンドしたのち、ラボ
プラストミルミキサー[東洋精機(株)製、30C150
型]にストランドダイを取り付けて押し出し、ペレタイ
ザー[東洋精機(株)製、PETE−C型]を用いて直径
2mm、長さ5mmのペレットを作製した。押出機は、ラボ
プラストミル本体側からバレル温度を240℃、250
℃及び240℃、ダイ温度を220℃とし、スクリュー
回転数50rpmで運転した。押し出し及びペレタイジン
グを3回繰り返して、各回ごとに得られたペレットのメ
ルトインデックスを測定し、同時にブリードの有無を目
視により観察した。実施例において使用した一般式
[1]又は一般式[2]で示されるベンズイミダゾール
誘導体[3]、[4]、[5]及び[6]の構造式を、
まとめて第1表に示す。
【0010】
【表1】
【0011】実施例1 ABS樹脂[東レ(株)製、トヨラック470Y]100
重量部に対し、ベンズイミダゾール誘導体[3](2−
n−ノニルベンズイミダゾール)1.0重量部、フェノ
ール系酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−3−
(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]メタン0.1重量部及び硫黄系酸化防止
剤としてペンタエリスリトール−テトラキス(β−ラウ
リルチオプロピオネート)0.1重量部を添加した配合物
を、ラボプラストミルミキサーを用いて混練した。混練
トルク値は、0.71kg・mであった。プレス板について
測定したビカット軟化点は110.5℃であり、メルト
インデックスは3.82g/10分であった。加工安定
性試験において測定したメルトインデックスは、1回目
が3.51g/10分、2回目が3.89g/10分、3
回目が4.11g/10分であり、ブリードは3回目に
おいても認められなかった。 実施例2 ベンズイミダゾール誘導体[3]1.0重量部の代わり
に、ベンズイミダゾール誘導体[4](2−n−オクタ
デシルベンズイミダゾール)1.0重量部を添加した以
外は、実施例1と同じ操作を繰り返した。混練トルク値
は、0.68kg・mであった。プレス板について測定した
ビカット軟化点は110.9℃であり、メルトインデッ
クスは3.65g/10分であった。また、加工安定性
試験において測定したメルトインデックスは、1回目が
3.42g/10分、2回目が3.74g/10分、3回
目が4.02g/10分であり、ブリードは3回目にお
いても認められなかった。 実施例3 ベンズイミダゾール誘導体[3]1.0重量部の代わり
に、ベンズイミダゾール誘導体[5]1.0重量部を添
加した以外は、実施例1と同じ操作を繰り返した。混練
トルク値は、0.73kg・mであった。プレス板について
測定したビカット軟化点は110.7℃であり、メルト
インデックスは3.72g/10分であった。また、加
工安定性試験において測定したメルトインデックスは、
1回目が3.40g/10分、2回目が3.65g/10
分、3回目が4.15g/10分であり、ブリードは3
回目においても認められなかった。 実施例4 ベンズイミダゾール誘導体[3]1.0重量部の代わり
に、ベンズイミダゾール誘導体[6]1.0重量部を添
加した以外は、実施例1と同じ操作を繰り返した。混練
トルク値は、0.70kg・mであった。プレス板について
測定したビカット軟化点は109.8℃であり、メルト
インデックスは3.57g/10分であった。また、加
工安定性試験において測定したメルトインデックスは、
1回目が3.38g/10分、2回目が3.57g/10
分、3回目が3.88g/10分であり、ブリードは3
回目においても認められなかった。 実施例5〜13 第2表に示す配合物について、実施例1と同様にして、
混練トルク値、ビカット軟化点、メルトインデックスを
測定した。さらに、多重回押し出し後のメルトインデッ
クスを測定することによって加工安定性を評価し、同時
にブリードの有無を観察した。実施例1〜13の配合組
成を第2表に、評価結果を第4表にまとめて示す。 比較例1〜10 第3表に示す配合物について、実施例1と同様にして、
混練トルク値、ビカット軟化点、メルトインデックスを
測定した。さらに、多重回押し出し後のメルトインデッ
クスを測定することによって加工安定性を評価し、同時
にブリードの有無を観察した。比較例1〜10の配合組
成を第3表に、評価結果を第5表にまとめて示す。
【0012】
【表2】
【0013】
【表3】
【0014】
【表4】
【0015】
【表5】
【0016】
【表6】
【0017】
【表7】
【0018】第4表及び第5表の結果を比較すると、実
施例1〜13の本発明の合成樹脂組成物は、いずれも混
練トルク値が小さく滑性が良好であり、ビカット軟化点
の低下が小さく良好な物性を維持し、メルトインデック
スが大きく成形時における成形流動性が良好であり、多
重押し出しによるメルトインデックスの上昇が少なく加
工安定性に優れていることが分かる。すなわち、本発明
の合成樹脂組成物は、高温成形時に十分な滑性を有し、
かつ加工安定性に優れている。これに対して、滑剤及び
酸化防止剤を全く添加しない比較例1の合成樹脂は、混
練トルク値が大きく、メルトインデックスが小さいこと
から、滑性に乏しく成形流動性が不良であることが分か
る。さらに、比較例1の合成樹脂は、加工安定性試験に
おいて、急激にメルトインデックスが上昇していること
から、熱安定性が不良で、分解により重合度が低下して
いることがうかがえる。フェノール系酸化防止剤及び硫
黄系酸化防止剤を添加しているが、ベンズイミダゾール
誘導体を添加していない比較例2の合成樹脂組成物は、
混練トルク値が大きく、メルトインデックスが小さく、
滑性及び成形流動性が不良である。また、ベンズイミダ
ゾール誘導体を添加しているが、酸化防止剤を添加して
いない比較例3の合成樹脂組成物、ベンズイミダゾール
誘導体とフェノール系酸化防止剤を添加しているが、硫
黄系酸化防止剤を添加していない比較例4の合成樹脂組
成物、及び、ベンズイミダゾール誘導体と硫黄系酸化防
止剤を添加しているが、フェノール系酸化防止剤を添加
していない比較例5の合成樹脂組成物は、いずれも加工
安定性試験においてメルトインデックスの上昇が激しい
ことから、加工安定性に欠けることが分かる。比較例2
〜5の結果から、合成樹脂に対して一般式[1]又は一
般式[2]で示されるベンズイミダゾール誘導体、フェ
ノール系酸化防止剤及び硫黄系酸化防止剤をすべて添加
した場合にのみ本発明の効果が発揮され、そのうちのい
ずれか1つを欠いても本発明の効果は得られないことが
分かる。この事実は、ベンズイミダゾール誘導体に代え
て、一般的な滑剤であるメチレンビスステアリン酸アミ
ドを添加した比較例6の合成樹脂組成物が、滑性、成形
流動性、加工安定性ともに悪く、p−フェニレンビスス
テアリン酸アミドを添加した比較例7の合成樹脂組成物
が、ビカット軟化点が低く、加工安定性が良好でないこ
とからも確認される。フェノール系酸化防止剤の添加量
が多すぎる比較例8の合成樹脂組成物、硫黄系酸化防止
剤の添加量が多すぎる比較例9の合成樹脂組成物、及
び、ベンズイミダゾール誘導体の添加量が多すぎる比較
例10の合成樹脂組成物は、いずれもビカット軟化点が
低くなり、ブリードが発生することから、本発明の効果
を得るためには、ベンズイミダゾール誘導体、フェノー
ル系酸化防止剤及び硫黄系酸化防止剤の添加量を一定の
範囲内とすべきことが分かる。
【0019】
【発明の効果】本発明の合成樹脂組成物は、ベンズイミ
ダゾール誘導体、フェノール系酸化防止剤及び硫黄系酸
化防止剤の添加により、高温成形時にも十分な滑性を発
揮し、かつ加工安定性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 15/30 C09K 15/30

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂100重量部に対し、一般式
    [1]又は一般式[2]で示されるベンズイミダゾール
    誘導体0.01〜10重量部、フェノール系酸化防止剤
    0.001〜5重量部及び硫黄系酸化防止剤0.001〜
    5重量部を添加してなることを特徴とする合成樹脂組成
    物。 【化1】 (ただし、式中、R1は炭素数8〜22のアルキル基又
    は炭素数14〜28のアルキルアリール基である。) 【化2】 (ただし、式中、R2及びR3は炭素数8〜22のアルキ
    ル基又は炭素数14〜28のアルキルアリール基であ
    り、R2とR3は同一でも異なっていてもよい。)
JP23840096A 1996-08-21 1996-08-21 合成樹脂組成物 Pending JPH1060166A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003068857A1 (fr) * 2002-02-15 2003-08-21 Bridgestone Corporation Composition de caoutchouc et pneumatique produit a partir de ladite composition

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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