JPH1059932A - ホスホモリブデン酸を用いる有機系ペルオキサイドの安定化 - Google Patents

ホスホモリブデン酸を用いる有機系ペルオキサイドの安定化

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JPH1059932A
JPH1059932A JP9142482A JP14248297A JPH1059932A JP H1059932 A JPH1059932 A JP H1059932A JP 9142482 A JP9142482 A JP 9142482A JP 14248297 A JP14248297 A JP 14248297A JP H1059932 A JPH1059932 A JP H1059932A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペルオキシジカーボネートのような有機系ペ
ルオキサイドの分解速度を遅らせるのに有効な方法を提
供すること。 【解決手段】 ペルオキサイド化合物の分解速度を遅ら
せるためにホスホモリブデン酸を含有させた有機系ペル
オキサイド組成物が開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機系ペルオキサイ
ド組成物に関し、更に特定すると、ペルオキサイド化合
物の分解速度を遅くするためにホスホモリブデン酸が添
加されているペルオキシジカーボネート組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えばペルオキシジカーボネートのよう
な有機系ペルオキサイドは、エチレン系の不飽和モノマ
ーを重合化したり共重合化したりする際にフリー−ラジ
カル開始剤として役に立つ。例えば有機系ペルオキサイ
ドは、塩化ビニルや臭化ビニルのようなビニルハロゲン
化物、塩化ビニリデンのようなビニリデンハロゲン化
物、及び重合化可能な不飽和ユニットを含む他の化合物
を重合化する場合に開始剤として用いられる。この周知
の重合化工程による生成物は、広範な商業的応用性を備
えている。
【0003】ビニルハロゲン化物の重合化反応、あるい
はビニルハロゲン化物とビニリデンハロゲン化物の共重
合化反応は水性溶媒中で通常は進行し、即ち乳濁剤、溶
液あるいは懸濁剤により重合反応する。このような重合
化反応では、モノマーあるいはモノマーの混合物を表面
活性剤が存在する水中に分散させた後で重合化反応が有
機系ペルオキサイドを用いて開始する。これは広く報告
されている周知の反応である。
【0004】全ての有機系ペルオキサイドは、自然界で
は有害材料である。これらの有用性はフリーラジカルに
分解する可能性によるものであり、それは次の反応式
「化3」
【化3】 で示される。所定の温度でこの分解反応が起こる速度
は、R及びR’の構造に依存する。この分解反応は発熱
性である。この発熱性の分解反応が製造、保存、あるい
は出荷の際に起こると、ペルオキサイドが濃縮された状
態である場合では過剰の圧力がかかったり、発火あるい
は爆発が生じる可能性がある。結局、多くの有機系ペル
オキサイドは冷却したままにしなくてはならない。
【0005】有機系ペルオキサイドの分解速度の遅延化
については、ここ数年の間に数例報告されている。The
Journal of the American Chemical Society, Volume 7
2, Pages 1254-1263 (1950)には、例えばエチルアセト
酢酸塩、アイオジン(iodine)、トリニトロベンゼン、
アセトアニリド、ニトロメタン、フェノール、過酸化水
素、及びテトラリンを、ジイソプロピルペルオキシジカ
ーボネートの崩壊速度を遅らせるために用いることが開
示されている。米国特許第4,515,929号(19
85)にはペルオキシジカーボネートを含む有機系ペル
オキサイドの水性分散が報告されていて、それはジフェ
ニルペルオキシジカーボネートあるいはジ(アルキル置
換された)フェニルペルオキシジカーボネートの添加に
よる分解に対して安定化されている。
【0006】米国特許第4,552,682号(198
5)には、有機系ペルオキサイドの水性分散液の分解速
度を遅らせるためにフェノール性の酸化防止剤を使用す
ることが開示されている。米国特許第5,155,19
2号(1992)には、例えばtert−ブチルハイドロペ
ルオキサイドのような有機系のハイドロペルオキサイド
を使用することが開示されている。Reserch Disclosur
e, April, 1995, page 275には、不飽和のニトリル化合
物あるいは不飽和のアセチレン性化合物を用いてジアル
キルペルオキシジカーボネートが熱的に安定化されるこ
とが報告されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、例えばペルオ
キシジカーボネートのような有機系ペルオキサイドの分
解速度を遅らせるのに有効な方法が必要とされる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、例えばペルオ
キシジカーボネートのような有機系ペルオキサイドの分
解速度を遅らせるのに有効なある種の非−ペルオキサイ
ド化合物を使用することに関する。そこで本発明の一つ
の観点は、ペルオキシジカーボネートのような有機系ペ
ルオキサイド化合物と、そのペルオキサイド化合物の分
解速度を小さくするホスホモリブデン酸とを含む組成物
である。本発明のもう一つの観点はペルオキシジカーボ
ネートが分解しないように安定化する方法であって、そ
の安定化作用を達成できる有効量のホスホモリブデン酸
をそれに添加する工程を含む。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、例えばペルオキシジカ
ーボネートのような有機系ペルオキサイドと、このペル
オキサイド化合物の分解速度を遅らせるためのホスホモ
リブデン酸とを含む組成物に関する。ホスホモリブデン
酸とは、リン、モリブデン、酸素及び水素からなる数種
の酸性化合物のうちのどれかを指す用語である。特定の
分子構造や合成の形態によって結合性を解釈するのでは
なく、ホスホモリブデン酸は化学式H3PMomxある
いはH3PO4・tMoO3・dMoO2と記載することが
できる。なおこの式中、mは(t+d)に等しく、通常
は10〜20であるが20以上あるいは10以下であっ
てもよく、またxは通常は34〜65であるが65以上
あるいは34以下であってもよく、またdはゼロであっ
てもよい。本発明で用いるに際して好ましいホスホモリ
ブデン酸は、化学式H3PMo1240(CAS登録番号
12026−57−2及び51429−74−4であっ
て、P25・20MoO3・xH2Oとしても知られてい
る。)、H3PMo1239(CAS登録番号99570
−13−5)、H3PMo1238(CAS登録番号99
559−64−5)、及びH3PMo1034(CAS登
録番号12579−76−5)に対応する化合物が含ま
れる。これらの化学式に対応する他のホスホモリブデン
酸も本発明に含まれると予測される。ホスホモリブデン
酸は通常、ホスホモリブデン酸1モルあたりに60モル
までの水が水和することに関与している。
【0010】ホスホモリブデン酸は固体形状で添加する
ことができるが、変性エタノールのような安価な溶媒に
それが溶解できるため、ホスホモリブデン酸の溶液を用
いて有機系ペルオキサイドに望ましい少量を添加するこ
とが実施可能になる。この点で用いることのできる他の
溶媒には、例えばメタノール、イソプロピルアルコー
ル,n−ブタノールのような他のアルコール類、ジエチ
ルエーテルのようなエーテル類、エチレングリコールの
ようなグリコール類、酢酸エチルのようなエステル類、
並びにアセトン、メチルエチルケトン、及びジエチルケ
トンのようなケトン類が含まれる。
【0011】本発明の組成物で用いられるホスホモリブ
デン酸の量は、ペルオキサイド化合物の分解速度を遅ら
せるのに充分な量である。好ましい量のホスホモリブデ
ン酸は、ペルオキシジカーボネートあるいは他の有機系
ペルオキサイドの存在重量の0.001〜1.0%の濃
度であり、最も好ましくは0.02〜0.1%の濃度で
ある。ホスホモリブデン酸を溶液として添加する場合、
用いるべき溶液の量は溶液中に存在するホスホモリブデ
ン酸の量に応じて調節する。正確な量は変化するが、そ
れはその有機系ペルオキサイド化合物に応じているとと
もに、このペルオキサイド組成物が適用される条件に応
じている。
【0012】本発明で用いられるペルオキサイド化合物
は次の一般構造式「化4」で示される。
【化4】 ここでR1及びR2はそれぞれ、1〜22個の炭素原子、
好ましくは2〜8個の炭素原子を含む脂肪族、環状脂肪
族または芳香族の置換基であればよい。R1及びR2は分
枝状もしくは非−分枝状で、飽和もしくは不飽和のアル
キル基、アルケニル基、シクロアルキル基あるいは芳香
族の置換基であることができる。
【0013】R1及びR2基の例としては、フェニル基、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イ
ソブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ネオペンチル
基、2−エチルヘキシル基、カプリル基、ラウリル基、
ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、アリル基、メ
タアリル基、クロチル基、シクロヘキシル基、4−t−
ブチルシクロヘキシル基,4−t−アミルシクロヘキシ
ル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、2−フェニ
ルブチル基、α−カルベトキシエチル基、β−メトキシ
エチル基、2−フェノキシエチル基、2−メトキシフェ
ニル基、3−メトキシフェニル基,2−エトキシエチル
基、2−エトキシフェニル基、3−メトキシブチル基、
2−カルバミルオキシエチル基、2−クロロエチル基、
2−ニトロブチル基及び2−ニトロ−2−メチルプロピ
ル基が挙げられる。
【0014】ペルオキシジカーボネートの特定の例とし
ては、ジエチルペルオキシジカーボネート、ジ−n−ブ
チルペルオキシジカーボネート、ジイソブチルペルオキ
シジカーボネート、及びジ−4−tert−ブチルシクロヘ
キシルペルオキシジカーボネートが挙げられる。好まし
くはペルオキシジカーボネートは、ジ−sec−ブチルペ
ルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペル
オキシジカーボネート、ジ−n−プロピルペルオキシジ
カーボネート、またはジイソプロピルペルオキシジカー
ボネートである。
【0015】ペルオキサイド化合物は対称性であっても
よいしあるいは非対称性であってもよく、言い替えると
1とR2とが同じであってもよいし異なっていてもよ
い。このペルオキサイドは、対称性のペルオキサイド、
イソブチル−sec−ブチルペルオキシジカーボネートの
ような非対称性のペルオキサイド、あるいは米国特許大
4,269,726号に開示されているジイソプロピル
ペルオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルペルオキ
シジカーボネート及びイソプロピル−sec−ブチルペル
オキシジカーボネートの混合物のような対称性及び非対
称性のペルオキサイドの混合物を含む同質の混合物であ
ってもよい。
【0016】ペルオキシジカーボネート化合物は、当業
者によく用いられている簡便な手法によって合成するこ
とができる。ペルオキシジカーボネートは典型的には、
対応するアルキルクロロホルメートを水性のナトリウム
ペルオキサイドと低温、即ち0−20℃で反応させるこ
とによって合成される。米国特許第2,370,588
号、及びJournal of the American Chemical Society,
Volume 72, page 1254(1950)を参照のこと。他の合成方
法は、当業者に慣れ親しまれている。好ましくは本発明
で有効なペルオキシジカーボネートは、0℃及びそれ以
上で液状、好ましくは−5℃で液状のものを含む。より
好ましくは−20℃以下で液体のペルオキシジカーボネ
ートである。
【0017】本発明は、エチレン性の不飽和材料のフリ
ーラジカル重合化反応において、特に水性溶媒、例えば
懸濁剤あるいは乳濁剤の重合化反応において開始剤とし
て有効なペルオキシジカーボネートの水性分散剤に特に
適用できる。ペルオキシジカーボネートの分散剤は、例
えば表面活性剤や乳化剤のような好適な分散補助剤とと
もに水中にそれを分散させることによって調製すること
ができる。このような分散剤からなる配合剤で有用な表
面活性剤及び乳化剤は、この技術分野では周知であり、
かなりたくさんある。
【0018】本発明によって分散剤を調製するには、ホ
スホモリブデン酸あるいはその溶液を予め形成したペル
オキサイド分散剤に添加してもよいし、あるいは表面活
性剤を含む水に添加してもよいし、あるいは分散剤を形
成する前にペルオキサイドに添加してもよい。本発明の
分散剤は一般的には、20〜70重量%、好ましくは3
0〜60重量%のペルオキシジカーボネートあるいは他
の有機系ペルオキサイド化合物と、0.001〜1.0
%(ペルオキサイドの重量に対して)のホスホモリブデ
ン酸が含まれている。ペルオキサイド分散剤の調製方法
は当業者には既知である。ペルオキシジカーボネート分
散剤及びその調製方法についての説明は、米国特許第
4,515,929号、米国特許第3,825,509
号、米国特許第3,988,261号、及び米国特許第
4,092,470号において記載されている。
【0019】本発明のペルオキシジカーボネート組成物
はまた、液体状、顆粒状、粉末状あるいはフレーク状の
剤形の物理的混合物として調製することもできる。本発
明による物理的混合物は、都合のよい混合装置内で液状
のペルオキサイド化合物、あるいはペルオキサイドを好
適な溶媒に入れた溶液を、望ましい量のホスホモリブデ
ン酸あるいはその溶液と混合することによって調製する
ことができる。続いてその得られた混合物は、望みのと
おりに顆粒状にしたり、粉砕したり、あるいはフレーク
状にしたりされる。このホスホモリブデン酸は、(1)
ペルオキサイド化合物を合成する前のクロロホルメート
含有反応混合物、あるいは(2)ペルオキサイド化合物
を合成した直後の未処理の反応混合物のいずれかに添加
すればよい。(1)あるいは(2)のいずれかにより、
二成分がホスホモリブデン酸の安定化効果から最大の可
能な恩恵を受けるように可能な限り均一に混合されるこ
とが確実となるであろう。
【0020】本発明の溶液は、適切な溶媒中で望ましい
量のホスホモリブデン酸とペルオキサイドとを組み合わ
せることによって調製することができる。適切な有機溶
媒には、フタル酸のエステル類のようなペルオキシジカ
ーボネートに対して通常用いられるもの、即ちその例を
挙げるとジブチルフタレートが含まれるし、また脂肪族
の及び芳香族の炭化水素ならびにそのような炭化水素の
混合物に対して通常用いられるもの、即ちその例を挙げ
るとヘキサン、芳香性ミネラルスピリット、鉱油、ベン
ゼン、トルエン、キシレン及び例えばイソドデカンのよ
うな(イソ)パラフィンが含まれる。他の適切な溶媒は
当業者によく知られるであろう。本発明による溶液は好
ましくは、少なくとも10重量%、より好ましくは少な
くとも25重量%のペルオキシジカーボネート化合物を
含んでいる。
【0021】本発明のペルオキサイド組成物は、多くの
有意の効果を奏している。これらの中で主要なのは、高
い温度にさらされたことに応じても、また与えられた一
定の温度に応じても熱的安定性を改善する効果である。
高い温度に反応する自己反応性物質の熱的安定性は、自
動的に促進される分解温度あるいはSADTを測定する
ことによって検出できる。SADTとは、例えば有機系
ペルオキサイドのような材料の安全な保存性と輸送性を
調べるために認められているテストの一つである。[Re
commendations on the Transport of Dangerous Goods,
9th ed, United Nations, NY 1995, Section 11.3.5.
page 264参照]
【0022】SADTは示差熱分析器(a differential
thermal analyzer: DTA)で測定する場合、開始温
度を直接補正することができる。開始温度は、調節され
ていない状態で熱的な分解が始まる温度である。この開
始温度は、封止したセル中での温度の上昇速度が、ある
予め決められた値を越えた点を検出することによって測
定することができる。またこの開始温度は、封止したセ
ル中での圧力の上昇速度がある所定の値を越えた点を検
出することによっても測定することができる。所定の一
定温度に応じた熱的安定性は、例えば15℃で加速エー
ジングテストの手法によって評価することができる。本
発明のホスホモリブデン酸は、ペルオキシジカーボネー
トの開始温度を上昇させる。またホスホモリブデン酸
は、重合化開始剤としてのペルオキサイドの効果を損な
わない。
【0023】続く実施例は請求の範囲に記載された発明
の例示と解釈すべきであって、その範囲を制限するため
にとにかく設計されているのでない。請求の範囲に記載
された発明の範囲及び精神に含まれる数多くの他の実施
例が、当業者に明らかとなるであろう。
【実施例】
【0024】(実施例1)開始温度を、純粋なジ−2−
エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、芳香性のミ
ネラルスピリット(OMS)に希釈されたジ−2−エチ
ルヘキシルペルオキシジカーボネート、及びOMSに希
釈されたジ−sec−ブチルペルオキシジカーボネートの
サンプルについて測定した。また開始温度を、種々の量
のホスホモリブデン酸が存在する場合に前述したペルオ
キシジカーボネートのサンプルについて測定した。液状
の混合物を、ペルオキシジカーボネート中に必要量のホ
スホモリブデン酸溶液を溶解することによって調製し
た。
【0025】あるタイプの示差熱分析器(Pleasanton,
CA所在のAstra Scientific International によって市
販されているRadex Solo Thermal Analyzer)を用いて
30℃の等温に保って15分間、続いて1℃/分づつ1
30℃まで上昇させてから、封止したセルに入っている
ペルオキシジカーボネートの1グラムのサンプルについ
て開始温度を測定した。その開始温度は、サンプルの温
度の上昇速度(△T)が0.2℃/分に到達する点、及
び封止したサンプルセルの圧力の上昇速度(△P)が
1.0psi/分に到達する点の両方に注目することに
よって測定した。△Tはオーブンの温度とサンプルの温
度との間の差である。△Pは、参照の予め較正した圧力
と封止したサンプルセルにかかる圧力との間の差であ
る。「表1」に示された結果は、ホスホモリブデン酸が
存在するとペルオキシジカーボネートの自己促進型分解
が始まる温度が上昇することを示している。このこと
は、ホスホモリブデン酸が効果的な安定化剤であること
を示している。
【0026】
【表1】
【0027】(実施例2)純粋なジ−2−エチルヘキシ
ルペルオキシジカーボネート、芳香性のミネラルスピリ
ット(OMS)に希釈されたジ−2−エチルヘキシルペ
ルオキシジカーボネート、及びOMSに希釈されたジ−
sec−ブチルペルオキシジカーボネートの15℃での保
存安定性に対するホスホモリブデン酸の存在の効果を、
加速されたエージングテストとして測定した。ペルオキ
シジカーボネートの純度は週ごとの間隔で測定した。
「表2」に示された結果は、ホスホモリブデン酸がペル
オキシジカーボネートの効果的な安定化剤であることを
示している。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】有機系ペルオキサイド組成物にホスホモ
リブデン酸を含有させることにより、ペルオキシジカー
ボネートのようなペルオキサイド化合物の分解速度を遅
らせることができ、その安定性が向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 チャールズ アブマ アメリカ合衆国 テキサス州 75670 マ ーシャルルート 7 ボックス 155エイ (番地なし)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a.ペルオキシジカーボネート化合物及
    びその混合物からなるグループより選択された有機系ペ
    ルオキサイド成分、及び b.前記有機系ペルオキサイド成分の分解速度を遅らせ
    る有効量のホスホモリブデン酸を含むことを特徴とする
    組成物。
  2. 【請求項2】 前記有機系ペルオキサイド成分が少なく
    とも一つの下記の「化1」で示される化合物を含むこと
    を特徴とする請求項1に記載の組成物。 【化1】 ここでR1及びR2は独立して、1〜22個の炭素原子を
    含む脂肪族、環状脂肪族または芳香族の置換基であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記R1及びR2は独立して、フェニル
    基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
    ル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、
    イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ネオペンチル
    基、2−エチルヘキシル基、カプリル基、ラウリル基、
    ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、アリル基、メ
    タアリル基、クロチル基、シクロヘキシル基、4−t−
    ブチルシクロヘキシル基,4−t−アミルシクロヘキシ
    ル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、2−フェニ
    ルブチル基、α−カルベトキシエチル基、β−メトキシ
    エチル基、2−フェノキシエチル基、2−メトキシフェ
    ニル基、3−メトキシフェニル基,2−エトキシエチル
    基、2−エトキシフェニル基、3−メトキシブチル基、
    2−カルバミルオキシエチル基、2−クロロエチル基、
    2−ニトロブチル基及び2−ニトロ−2−メチルプロピ
    ル基からなるグループより選択されることを特徴とする
    請求項2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記有機系ペルオキサイド成分は、ジエ
    チルペルオキシジカーボネート、イソプロピル−sec−
    ブチルペルオキシジカーボネート、ジ−n−ブチルペル
    オキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルペルオキシジ
    カーボネート、ジ−4−tert−ブチルシクロヘキシルペ
    ルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペル
    オキシジカーボネート、ジ−n−プロピルペルオキシジ
    カーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネー
    ト、及びこれらの混合物からなるグループより選択され
    ることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記ホスホモリブデン酸が、前記有機系
    ペルオキサイド成分の重量の0.001〜1.0%であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記ホスホモリブデン酸が、前記有機系
    ペルオキサイド成分の重量の0.02〜0.1%である
    ことを特徴とする請求項5に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 前記ホスホモリブデン酸が、前記有機系
    ペルオキサイド成分の重量の0.001〜1.0%であ
    ることを特徴とする請求項2に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 前記ホスホモリブデン酸が、前記有機系
    ペルオキサイド成分の重量の0.02〜0.1%である
    ことを特徴とする請求項7に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 ペルオキシジカーボネート化合物及びそ
    の混合物からなるグループより選択される有機系ペルオ
    キサイド生成物の分解速度を遅らせる方法であって、前
    記有機系ペルオキサイド生成物に前記分解速度を遅らせ
    るのに効果的な量のホスホモリブデン酸を添加する工程
    を含むことを特徴とする方法。
  10. 【請求項10】 前記ペルオキシジカーボネート化合物
    が下記の「化2」で示されることを特徴とする請求項9
    に記載の方法。 【化2】 ここでR1及びR2は独立して、1〜22個の炭素原子を
    含む脂肪族、環状脂肪族または芳香族の置換基であるこ
    とを特徴とする請求項9に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 前記R1及びR2は独立して、フェニル
    基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
    ル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、
    イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ネオペンチル
    基、2−エチルヘキシル基、カプリル基、ラウリル基、
    ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、アリル基、メ
    タアリル基、クロチル基、シクロヘキシル基、4−t−
    ブチルシクロヘキシル基,4−t−アミルシクロヘキシ
    ル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、2−フェニ
    ルブチル基、α−カルベトキシエチル基、β−メトキシ
    エチル基、2−フェノキシエチル基、2−メトキシフェ
    ニル基、3−メトキシフェニル基,2−エトキシエチル
    基、2−エトキシフェニル基、3−メトキシブチル基、
    2−カルバミルオキシエチル基、2−クロロエチル基、
    2−ニトロブチル基及び2−ニトロ−2−メチルプロピ
    ル基からなるグループより選択されることを特徴とする
    請求項10に記載の組成物。
  12. 【請求項12】 前記有機系ペルオキサイド成分は、ジ
    エチルペルオキシジカーボネート、イソプロピル−sec
    −ブチルペルオキシジカーボネート、ジ−n−ブチルペ
    ルオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルペルオキシ
    ジカーボネート、ジ−4−tert−ブチルシクロヘキシル
    ペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペ
    ルオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルペルオキシ
    ジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネ
    ート、及びこれらの混合物からなるグループより選択さ
    れることを特徴とする請求項9に記載の組成物。
  13. 【請求項13】 前記ホスホモリブデン酸の量が、前記
    有機系ペルオキサイド生成物の重量の0.001〜1.
    0%であることを特徴とする請求項9に記載の組成物。
  14. 【請求項14】 前記ホスホモリブデン酸の量が、前記
    有機系ペルオキサイド生成物の重量の0.02〜0.1
    %であることを特徴とする請求項13に記載の組成物。
  15. 【請求項15】 前記ホスホモリブデン酸の量が、前記
    有機系ペルオキサイド生成物の重量の0.001〜1.
    0%であることを特徴とする請求項10に記載の組成
    物。
  16. 【請求項16】 前記ホスホモリブデン酸の量が、前記
    有機系ペルオキサイド生成物の重量の0.02〜0.1
    %であることを特徴とする請求項15に記載の組成物。
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