JP3986114B2 - ホスホモリブデン酸を用いる有機系ペルオキサイドの安定化 - Google Patents

ホスホモリブデン酸を用いる有機系ペルオキサイドの安定化 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有機系ペルオキサイド組成物に関し、更に特定すると、ペルオキサイド化合物の分解速度を遅くするためにホスホモリブデン酸が添加されているペルオキシジカーボネート組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばペルオキシジカーボネートのような有機系ペルオキサイドは、エチレン系の不飽和モノマーを重合化したり共重合化したりする際にフリー−ラジカル開始剤として役に立つ。
例えば有機系ペルオキサイドは、塩化ビニルや臭化ビニルのようなビニルハロゲン化物、塩化ビニリデンのようなビニリデンハロゲン化物、及び重合化可能な不飽和ユニットを含む他の化合物を重合化する場合に開始剤として用いられる。この周知の重合化工程による生成物は、広範な商業的応用性を備えている。
【0003】
ビニルハロゲン化物の重合化反応、あるいはビニルハロゲン化物とビニリデンハロゲン化物の共重合化反応は水性溶媒中で通常は進行し、即ち乳濁剤、溶液あるいは懸濁剤により重合反応する。このような重合化反応では、モノマーあるいはモノマーの混合物を表面活性剤が存在する水中に分散させた後で重合化反応が有機系ペルオキサイドを用いて開始する。これは広く報告されている周知の反応である。
【0004】
全ての有機系ペルオキサイドは、自然界では有害材料である。これらの有用性はフリーラジカルに分解する可能性によるものであり、それは次の反応式「化3」
【化3】
Figure 0003986114
で示される。所定の温度でこの分解反応が起こる速度は、R及びR’の構造に依存する。
この分解反応は発熱性である。この発熱性の分解反応が製造、保存、あるいは出荷の際に起こると、ペルオキサイドが濃縮された状態である場合では過剰の圧力がかかったり、発火あるいは爆発が生じる可能性がある。結局、多くの有機系ペルオキサイドは冷却したままにしなくてはならない。
【0005】
有機系ペルオキサイドの分解速度の遅延化については、ここ数年の間に数例報告されている。
The Journal of the American Chemical Society, Volume 72, Pages 1254-1263 (1950)には、例えばエチルアセト酢酸塩、アイオジン(iodine)、トリニトロベンゼン、アセトアニリド、ニトロメタン、フェノール、過酸化水素、及びテトラリンを、ジイソプロピルペルオキシジカーボネートの崩壊速度を遅らせるために用いることが開示されている。
米国特許第4,515,929号(1985)にはペルオキシジカーボネートを含む有機系ペルオキサイドの水性分散が報告されていて、それはジフェニルペルオキシジカーボネートあるいはジ(アルキル置換された)フェニルペルオキシジカーボネートの添加による分解に対して安定化されている。
【0006】
米国特許第4,552,682号(1985)には、有機系ペルオキサイドの水性分散液の分解速度を遅らせるためにフェノール性の酸化防止剤を使用することが開示されている。
米国特許第5,155,192号(1992)には、例えばtert−ブチルハイドロペルオキサイドのような有機系のハイドロペルオキサイドを使用することが開示されている。
Reserch Disclosure, April, 1995, page 275には、不飽和のニトリル化合物あるいは不飽和のアセチレン性化合物を用いてジアルキルペルオキシジカーボネートが熱的に安定化されることが報告されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、例えばペルオキシジカーボネートのような有機系ペルオキサイドの分解速度を遅らせるのに有効な方法が必要とされる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、例えばペルオキシジカーボネートのような有機系ペルオキサイドの分解速度を遅らせるのに有効なある種の非−ペルオキサイド化合物を使用することに関する。そこで本発明の一つの観点は、ペルオキシジカーボネートのような有機系ペルオキサイド化合物と、そのペルオキサイド化合物の分解速度を小さくするホスホモリブデン酸とを含む組成物である。本発明のもう一つの観点はペルオキシジカーボネートが分解しないように安定化する方法であって、その安定化作用を達成できる有効量のホスホモリブデン酸をそれに添加する工程を含む。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、例えばペルオキシジカーボネートのような有機系ペルオキサイドと、このペルオキサイド化合物の分解速度を遅らせるためのホスホモリブデン酸とを含む組成物に関する。
ホスホモリブデン酸とは、リン、モリブデン、酸素及び水素からなる数種の酸性化合物のうちのどれかを指す用語である。特定の分子構造や合成の形態によって結合性を解釈するのではなく、ホスホモリブデン酸は化学式H3PMomxあるいはH3PO4・tMoO3・dMoO2と記載することができる。なおこの式中、mは(t+d)に等しく、通常は10〜20であるが20以上あるいは10以下であってもよく、またxは通常は34〜65であるが65以上あるいは34以下であってもよく、またdはゼロであってもよい。本発明で用いるに際して好ましいホスホモリブデン酸は、化学式H3PMo1240(CAS登録番号12026−57−2及び51429−74−4であって、P25・20MoO3・xH2Oとしても知られている。)、H3PMo1239(CAS登録番号99570−13−5)、H3PMo1238(CAS登録番号99559−64−5)、及びH3PMo1034(CAS登録番号12579−76−5)に対応する化合物が含まれる。これらの化学式に対応する他のホスホモリブデン酸も本発明に含まれると予測される。ホスホモリブデン酸は通常、ホスホモリブデン酸1モルあたりに60モルまでの水が水和することに関与している。
【0010】
ホスホモリブデン酸は固体形状で添加することができるが、変性エタノールのような安価な溶媒にそれが溶解できるため、ホスホモリブデン酸の溶液を用いて有機系ペルオキサイドに望ましい少量を添加することが実施可能になる。この点で用いることのできる他の溶媒には、例えばメタノール、イソプロピルアルコール,n−ブタノールのような他のアルコール類、ジエチルエーテルのようなエーテル類、エチレングリコールのようなグリコール類、酢酸エチルのようなエステル類、並びにアセトン、メチルエチルケトン、及びジエチルケトンのようなケトン類が含まれる。
【0011】
本発明の組成物で用いられるホスホモリブデン酸の量は、ペルオキサイド化合物の分解速度を遅らせるのに充分な量である。好ましい量のホスホモリブデン酸は、ペルオキシジカーボネートあるいは他の有機系ペルオキサイドの存在重量の0.001〜1.0%の濃度であり、最も好ましくは0.02〜0.1%の濃度である。ホスホモリブデン酸を溶液として添加する場合、用いるべき溶液の量は溶液中に存在するホスホモリブデン酸の量に応じて調節する。正確な量は変化するが、それはその有機系ペルオキサイド化合物に応じているとともに、このペルオキサイド組成物が適用される条件に応じている。
【0012】
本発明で用いられるペルオキサイド化合物は次の一般構造式「化4」で示される。
【化4】
Figure 0003986114
ここでR1及びR2はそれぞれ、1〜22個の炭素原子、好ましくは2〜8個の炭素原子を含む脂肪族、環状脂肪族または芳香族の置換基であればよい。R1及びR2は分枝状もしくは非−分枝状で、飽和もしくは不飽和のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基あるいは芳香族の置換基であることができる。
【0013】
1及びR2基の例としては、フェニル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基、カプリル基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、アリル基、メタアリル基、クロチル基、シクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基,4−t−アミルシクロヘキシル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、2−フェニルブチル基、α−カルベトキシエチル基、β−メトキシエチル基、2−フェノキシエチル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基,2−エトキシエチル基、2−エトキシフェニル基、3−メトキシブチル基、2−カルバミルオキシエチル基、2−クロロエチル基、2−ニトロブチル基及び2−ニトロ−2−メチルプロピル基が挙げられる。
【0014】
ペルオキシジカーボネートの特定の例としては、ジエチルペルオキシジカーボネート、ジ−n−ブチルペルオキシジカーボネート、ジイソブチルペルオキシジカーボネート、及びジ−4−tert−ブチルシクロヘキシルペルオキシジカーボネートが挙げられる。好ましくはペルオキシジカーボネートは、ジ−sec−ブチルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート、またはジイソプロピルペルオキシジカーボネートである。
【0015】
ペルオキサイド化合物は対称性であってもよいしあるいは非対称性であってもよく、言い替えるとR1とR2とが同じであってもよいし異なっていてもよい。このペルオキサイドは、対称性のペルオキサイド、イソブチル−sec−ブチルペルオキシジカーボネートのような非対称性のペルオキサイド、あるいは米国特許大4,269,726号に開示されているジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルペルオキシジカーボネート及びイソプロピル−sec−ブチルペルオキシジカーボネートの混合物のような対称性及び非対称性のペルオキサイドの混合物を含む同質の混合物であってもよい。
【0016】
ペルオキシジカーボネート化合物は、当業者によく用いられている簡便な手法によって合成することができる。ペルオキシジカーボネートは典型的には、対応するアルキルクロロホルメートを水性のナトリウムペルオキサイドと低温、即ち0−20℃で反応させることによって合成される。米国特許第2,370,588号、及びJournal of the American Chemical Society, Volume 72, page 1254 (1950)を参照のこと。他の合成方法は、当業者に慣れ親しまれている。好ましくは本発明で有効なペルオキシジカーボネートは、0℃及びそれ以上で液状、好ましくは−5℃で液状のものを含む。より好ましくは−20℃以下で液体のペルオキシジカーボネートである。
【0017】
本発明は、エチレン性の不飽和材料のフリーラジカル重合化反応において、特に水性溶媒、例えば懸濁剤あるいは乳濁剤の重合化反応において開始剤として有効なペルオキシジカーボネートの水性分散剤に特に適用できる。ペルオキシジカーボネートの分散剤は、例えば表面活性剤や乳化剤のような好適な分散補助剤とともに水中にそれを分散させることによって調製することができる。このような分散剤からなる配合剤で有用な表面活性剤及び乳化剤は、この技術分野では周知であり、かなりたくさんある。
【0018】
本発明によって分散剤を調製するには、ホスホモリブデン酸あるいはその溶液を予め形成したペルオキサイド分散剤に添加してもよいし、あるいは表面活性剤を含む水に添加してもよいし、あるいは分散剤を形成する前にペルオキサイドに添加してもよい。本発明の分散剤は一般的には、20〜70重量%、好ましくは30〜60重量%のペルオキシジカーボネートあるいは他の有機系ペルオキサイド化合物と、0.001〜1.0%(ペルオキサイドの重量に対して)のホスホモリブデン酸が含まれている。
ペルオキサイド分散剤の調製方法は当業者には既知である。ペルオキシジカーボネート分散剤及びその調製方法についての説明は、米国特許第4,515,929号、米国特許第3,825,509号、米国特許第3,988,261号、及び米国特許第4,092,470号において記載されている。
【0019】
本発明のペルオキシジカーボネート組成物はまた、液体状、顆粒状、粉末状あるいはフレーク状の剤形の物理的混合物として調製することもできる。本発明による物理的混合物は、都合のよい混合装置内で液状のペルオキサイド化合物、あるいはペルオキサイドを好適な溶媒に入れた溶液を、望ましい量のホスホモリブデン酸あるいはその溶液と混合することによって調製することができる。続いてその得られた混合物は、望みのとおりに顆粒状にしたり、粉砕したり、あるいはフレーク状にしたりされる。このホスホモリブデン酸は、(1)ペルオキサイド化合物を合成する前のクロロホルメート含有反応混合物、あるいは(2)ペルオキサイド化合物を合成した直後の未処理の反応混合物のいずれかに添加すればよい。(1)あるいは(2)のいずれかにより、二成分がホスホモリブデン酸の安定化効果から最大の可能な恩恵を受けるように可能な限り均一に混合されることが確実となるであろう。
【0020】
本発明の溶液は、適切な溶媒中で望ましい量のホスホモリブデン酸とペルオキサイドとを組み合わせることによって調製することができる。
適切な有機溶媒には、フタル酸のエステル類のようなペルオキシジカーボネートに対して通常用いられるもの、即ちその例を挙げるとジブチルフタレートが含まれるし、また脂肪族の及び芳香族の炭化水素ならびにそのような炭化水素の混合物に対して通常用いられるもの、即ちその例を挙げるとヘキサン、芳香性ミネラルスピリット、鉱油、ベンゼン、トルエン、キシレン及び例えばイソドデカンのような(イソ)パラフィンが含まれる。他の適切な溶媒は当業者によく知られるであろう。
本発明による溶液は好ましくは、少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも25重量%のペルオキシジカーボネート化合物を含んでいる。
【0021】
本発明のペルオキサイド組成物は、多くの有意の効果を奏している。これらの中で主要なのは、高い温度にさらされたことに応じても、また与えられた一定の温度に応じても熱的安定性を改善する効果である。
高い温度に反応する自己反応性物質の熱的安定性は、自動的に促進される分解温度あるいはSADTを測定することによって検出できる。SADTとは、例えば有機系ペルオキサイドのような材料の安全な保存性と輸送性を調べるために認められているテストの一つである。[Recommendations on the Transport of Dangerous Goods, 9th ed, United Nations, NY 1995, Section 11.3.5. page 264参照]
【0022】
SADTは示差熱分析器(a differential thermal analyzer: DTA)で測定する場合、開始温度を直接補正することができる。開始温度は、調節されていない状態で熱的な分解が始まる温度である。この開始温度は、封止したセル中での温度の上昇速度が、ある予め決められた値を越えた点を検出することによって測定することができる。またこの開始温度は、封止したセル中での圧力の上昇速度がある所定の値を越えた点を検出することによっても測定することができる。
所定の一定温度に応じた熱的安定性は、例えば15℃で加速エージングテストの手法によって評価することができる。
本発明のホスホモリブデン酸は、ペルオキシジカーボネートの開始温度を上昇させる。またホスホモリブデン酸は、重合化開始剤としてのペルオキサイドの効果を損なわない。
【0023】
続く実施例は請求の範囲に記載された発明の例示と解釈すべきであって、その範囲を制限するためにとにかく設計されているのでない。請求の範囲に記載された発明の範囲及び精神に含まれる数多くの他の実施例が、当業者に明らかとなるであろう。
【実施例】
【0024】
(実施例1)
開始温度を、純粋なジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、芳香性のミネラルスピリット(OMS)に希釈されたジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、及びOMSに希釈されたジ−sec−ブチルペルオキシジカーボネートのサンプルについて測定した。また開始温度を、種々の量のホスホモリブデン酸が存在する場合に前述したペルオキシジカーボネートのサンプルについて測定した。液状の混合物を、ペルオキシジカーボネート中に必要量のホスホモリブデン酸溶液を溶解することによって調製した。
【0025】
あるタイプの示差熱分析器(Pleasanton, CA所在のAstra Scientific International によって市販されているRadex Solo Thermal Analyzer)を用いて30℃の等温に保って15分間、続いて1℃/分づつ130℃まで上昇させてから、封止したセルに入っているペルオキシジカーボネートの1グラムのサンプルについて開始温度を測定した。その開始温度は、サンプルの温度の上昇速度(△T)が0.2℃/分に到達する点、及び封止したサンプルセルの圧力の上昇速度(△P)が1.0psi/分に到達する点の両方に注目することによって測定した。△Tはオーブンの温度とサンプルの温度との間の差である。△Pは、参照の予め較正した圧力と封止したサンプルセルにかかる圧力との間の差である。
「表1」に示された結果は、ホスホモリブデン酸が存在するとペルオキシジカーボネートの自己促進型分解が始まる温度が上昇することを示している。このことは、ホスホモリブデン酸が効果的な安定化剤であることを示している。
【0026】
【表1】
Figure 0003986114
【0027】
(実施例2)
純粋なジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、芳香性のミネラルスピリット(OMS)に希釈されたジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、及びOMSに希釈されたジ−sec−ブチルペルオキシジカーボネートの15℃での保存安定性に対するホスホモリブデン酸の存在の効果を、加速されたエージングテストとして測定した。ペルオキシジカーボネートの純度は週ごとの間隔で測定した。「表2」に示された結果は、ホスホモリブデン酸がペルオキシジカーボネートの効果的な安定化剤であることを示している。
【0028】
【表2】
Figure 0003986114
【0029】
【発明の効果】
有機系ペルオキサイド組成物にホスホモリブデン酸を含有させることにより、ペルオキシジカーボネートのようなペルオキサイド化合物の分解速度を遅らせることができ、その安定性が向上する。

Claims (16)

  1. a.ペルオキシジカーボネート化合物及びその混合物からなるグループより選択された有機系ペルオキサイド成分、及び
    b.前記有機系ペルオキサイド成分の分解速度を遅らせる有効量のホスホモリブデン酸を含むことを特徴とする組成物。
  2. 前記有機系ペルオキサイド成分が少なくとも一つの下記の「化1」で示される化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
    Figure 0003986114
    ここでR1及びR2は独立して、1〜22個の炭素原子を含む脂肪族、環状脂肪族または芳香族の置換基である。)
  3. 前記R1及びR2は独立して、フェニル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、set−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基、カプリル基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、アリル基、メタアリル基、クロチル基、シクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基,4−t−アミルシクロヘキシル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、2−フェニルブチル基、α−カルベトキシエチル基、β−メトキシエチル基、2−フェノキシエチル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基,2−エトキシエチル基、2−エトキシフェニル基、3−メトキシブチル基、2−カルバミルオキシエチル基、2−クロロエチル基、2−ニトロブチル基及び2−ニトロ−2−メチルプロピル基からなるグループより選択されることを特徴とする請求項2に記載の組成物。
  4. 前記有機系ペルオキサイド成分は、ジエチルペルオキシジカーボネート、イソプロピル−sec−ブチルペルオキシジカーボネート、ジ−n−ブチルペルオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルペルオキシジカーボネート、ジ−4−tert−ブチルシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、及びこれらの混合物からなるグループより選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  5. 前記ホスホモリブデン酸が、前記有機系ペルオキサイド成分の重量の0.001〜1.0%であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  6. 前記ホスホモリブデン酸が、前記有機系ペルオキサイド成分の重量の0.02〜0.1%であることを特徴とする請求項5に記載の組成物。
  7. 前記ホスホモリブデン酸が、前記有機系ペルオキサイド成分の重量の0.001〜1.0%であることを特徴とする請求項2に記載の組成物。
  8. 前記ホスホモリブデン酸が、前記有機系ペルオキサイド成分の重量の0.02〜0.1%であることを特徴とする請求項7に記載の組成物。
  9. ペルオキシジカーボネート化合物及びその混合物からなるグループより選択される有機系ペルオキサイド生成物の分解速度を遅らせる方法であって、前記有機系ペルオキサイド生成物に前記分解速度を遅らせるのに効果的な量のホスホモリブデン酸を添加する工程を含むことを特徴とする方法。
  10. 前記ペルオキシジカーボネート化合物が下記の「化2」で示されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
    Figure 0003986114
    ここでR1及びR2は独立して、1〜22個の炭素原子を含む脂肪族、環状脂肪族または芳香族の置換基である。)
  11. 前記R1及びR2は独立して、フェニル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基、カプリル基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、アリル基、メタアリル基、クロチル基、シクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基,4−t−アミルシクロヘキシル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、2−フェニルブチル基、α−カルベトキシエチル基、β−メトキシエチル基、2−フェノキシエチル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基,2−エトキシエチル基、2−エトキシフェニル基、3−メトキシブチル基、2−カルバミルオキシエチル基、2−クロロエチル基、2−ニトロブチル基及び2−ニトロ−2−メチルプロピル基からなるグループより選択されることを特徴とする請求項10に記載の方法
  12. 前記有機系ペルオキサイド成分は、ジエチルペルオキシジカーボネート、イソプロピル−sec−ブチルペルオキシジカーボネート、ジ−n−ブチルペルオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルペルオキシジカーボネート、ジ−4−tert−ブチルシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、及びこれらの混合物からなるグループより選択されることを特徴とする請求項9に記載の方法
  13. 前記ホスホモリブデン酸の量が、前記有機系ペルオキサイド生成物の重量の0.001〜1.0%であることを特徴とする請求項9に記載の方法
  14. 前記ホスホモリブデン酸の量が、前記有機系ペルオキサイド生成物の重量の0.02〜0.1%であることを特徴とする請求項13に記載の方法
  15. 前記ホスホモリブデン酸の量が、前記有機系ペルオキサイド生成物の重量の0.001〜1.0%であることを特徴とする請求項10に記載の方法
  16. 前記ホスホモリブデン酸の量が、前記有機系ペルオキサイド生成物の重量の0.02〜0.1%であることを特徴とする請求項15に記載の方法
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