JPH1059659A - エレベーター - Google Patents

エレベーター

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JPH1059659A
JPH1059659A JP22118196A JP22118196A JPH1059659A JP H1059659 A JPH1059659 A JP H1059659A JP 22118196 A JP22118196 A JP 22118196A JP 22118196 A JP22118196 A JP 22118196A JP H1059659 A JPH1059659 A JP H1059659A
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cage
pulleys
elevator
cages
path
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Tetsuzo Shibuya
哲三 渋谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケージ昇降路を昇り専用路と降り専用路と
に分けて設けることによって、或る階で待っている下階
移動希望者と上階移動希望者の両者に対し迅速に対応で
きるエレベーターを提供する。 【解決手段】 多階層建物に縦長のケージ昇降循環経路
1を設けて、その長手方向片側を昇り専用経路2、その
反対側を降り専用経路3とし、該ケージ昇降循環経路1
に周方向所要間隔おきに配置される複数のケージ4a,
4b,4cを、該ケージ昇降循環経路1に沿って並設さ
れ且つそれぞれ個別に駆動されるケージ個数と同数の無
端索条体5a,5b,5cにそれぞれ連結して、複数の
階床で停止可能に昇降させるようにしたこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層階建物に設置
されるエレベーターに関するもので、特に、百貨店や駅
前ビル等のように人の出入りや各階移動のはげしい建物
に好適なエレベーターに関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来のエレベーターは、建
物の複数階にわたって直線状に設けた1つのケージ昇降
路に1個のケージを配置し、このケージをケージ昇降駆
動手段により昇降させるようにしている、つまり1個の
ケージを昇り降り兼用としていることから、例えば、地
下1階、地上8階の各階で停止可能なエレベーターが設
置されているものとして、その中間の4階で更に上階へ
の移動希望者と地階や1階への移動希望者とがエレベー
ターを待っているような場合に、下降中のエレベーター
がその階に停止したときは、下階移動希望者は直ちに乗
れるから良いが、上階移動希望者は、そのエレベーター
が地階まで行って再び4階へ戻って来るまで待たなけれ
ばならず、また上昇中のエレベーターがその階に停止し
たときは、逆に下階希望者は、そのエレベーターが最上
階まで行って再び4階へ戻って来るまで待たなければな
らないことになり、非常に不便を来していた。
【0003】本発明は、上記のような事情に鑑み、ケー
ジ昇降路を昇り専用路と降り専用路とに分けて設けるこ
とによって、或る階で待っている下階移動希望者と上階
移動希望者の両者に対し迅速に対応できるエレベーター
を提供することを主たる課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
エレベーターは、多階層建物に縦長のケージ昇降循環経
路1を設けて、その長手方向片側を昇り専用経路2、そ
の反対側を降り専用経路3とし、該ケージ昇降循環経路
1に周方向所要間隔おきに配置される複数のケージ4
a,4b,4cを、該ケージ昇降循環経路1に沿って並
設され且つそれぞれ個別に駆動されるケージ個数と同数
の無端索条体5a,5b,5cにそれぞれ連結して、複
数の階床で停止可能に昇降させるようにしたことを特徴
とする。
【0005】請求項2は、請求項1に記載のエレベータ
ーにおいて、各無端索条体5a,5b,5cには、ケー
ジ昇降循環経路1の昇り専用経路2と降り専用経路3で
のケージの昇降バランスをとるためのカウンターウエイ
ト27a,27b,27cを連結してなることを特徴と
する。
【0006】請求項3は、請求項1または2に記載のエ
レベーターにおいて、ケージ昇降循環経路1の上部及び
下部にそれぞれケージの個数と同数のプーリー6a,6
b,6c及びプーリー6a′,6b′,6c′を並設
し、上下いずれか一方のプーリー6a,6b,6c群を
駆動側、他方のプーリー6a′,6b′,6c′群を従
動側とし、駆動側プーリー6a,6b,6c群は、それ
ぞれプーリー6a,6b,6cと一体に形成された複数
の回転軸7,8,9を互いに相対回転可能に同心状に重
合配置すると共に、各回転軸7,8,9の外部突出軸部
を歯車12,13,14及び15,16,17を介して
モーター18,19,20に連動連結し、従動側プーリ
ー6a′,6b′,6c′群は、各プーリー6a′,6
b′,6c′を共通の支軸21にそれぞれ回転可能に支
持し、上下の両プーリー群の互いに対応する各プーリー
間に無端索条体5a,5b,5cを掛装してなることを
特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は、例えば地上6階建てビル
にその各階床で停止させるようにしたエレベーターの正
面図、図2はその外観側面図である。これらの図面から
分かるように、このエレベーターは、建物の全階(1F
〜6F)にわたるように延びる縦長のケージ昇降循環経
路1を設け、このケージ昇降循環経路1の長手方向片
側、例えば図1に関して左側を昇り専用経路2とし、そ
の反対側である右側を降り専用経路3とし、しかしてこ
のケージ昇降循環経路1に周方向所要間隔おきに配置さ
れる複数の、例えば3個のケージ4a,4b,4cを、
当該ケージ昇降循環経路1に沿って並設され且つそれぞ
れ個別に駆動される3つの無端索条体5a,5b,5c
にそれぞれ1個ずつ連結し、1F〜6Fの各階の階床で
停止可能に昇降させるようにしたものである。
【0008】上記エレベーターの構造について更に詳細
に説明すると、図1及び図2から分かるように、ケージ
昇降循環経路1の上部には、ケージ個数と同数の3つの
プーリー6a,6b,6cが同軸状に並設され、下部に
は上部側プーリー6a,6b,6cに対しそれぞれ垂直
下方に対向する位置に同数のプーリー6a′,6b′,
6c′が同軸状に並設され、上方のプーリー6a,6
b,6c群が駆動側、下方のプーリー6a′,6b′,
6c′群が従動側とされ、しかして上部のプーリー6
a,6b,6c群と下部のプーリー6a′,6b′,6
c′群の互いに対応する各プーリー間に前記無端索条体
5a,5b,5cがそれぞれ掛装される。
【0009】上方の駆動側プーリー6a,6b,6c群
は、図3に詳細に示すように、それぞれ当該プーリー6
a,6b,6cと一体に形成された回転軸7,8,9を
有し、プーリー6aの回転軸7は、外径が最も小さく、
長さが最も長い棒状体(円筒状体でもよい)からなり、
プーリー6bの回転軸8は、プーリー6aの回転軸7に
軸受部材10を介して相対回転可能に外嵌されるもの
で、プーリー6aの回転軸7よりも長さが短く形成さ
れ、プーリー6cの回転軸9は、プーリー6bの回転軸
8に軸受部材11を介して相対回転可能に外嵌されるも
ので、外径が最も大きく、長さが最も短く形成され、か
くして3つの回転軸7,8,9は、互いに相対回転可能
に同心状に重合配置されている。そして、各回転軸7,
8,9の外部突出軸部にそれぞれ歯車12,13,14
が設けられ、各歯車12,13,14はこれと噛合する
各歯車15,16,17を介してモーター18,19,
20に連動連結される。尚、図示は省略するが、プーリ
ー6aの回転軸7は建物の躯体側に水平に軸架され、ま
た各モーター18,19,20は建物の躯体側に固定さ
れる。下方の駆動プーリー6a′,6b′,6c′群
は、図2に概略示すように、共通の支軸21にそれぞれ
回転可能に支持されており、そしてこの支軸21は、建
物の躯体側に水平に固定される。
【0010】上記のように駆動側のプーリー6a,6
b,6cがそれぞれ個別に駆動されるから、この駆動側
プーリー6a,6b,6cと従動側プーリー6a′,6
b′,6c′とに掛装されている3つの無端索条体5
a,5b,5cはそれぞれ個別に駆動、停止されること
になる。しかして、各無端索条体5a,5b,5cの所
定位置にはそれぞれ懸垂軸22,23,24が水平に固
定され、各懸垂軸22,23,24の先端部に軸受25
を介して吊支部材26が取り付けられ、各吊支部材26
に各ケージ4a,4b,4cが懸垂吊支され、従って各
ケージ4a,4b,4cは常に水平姿勢に保持される。
無端索条体5a,5b,5cとしては、きわめて頑強な
ワイヤーまたはチェーンが使用される。
【0011】また、図1及び図2に示すように、各無端
索条体5a,5b,5cには、ケージ昇降循環経路1の
昇り専用経路2と降り専用経路3でのケージ4a,4
b,4cの昇降バランスをとるためのカウンターウエイ
ト27a,27b,27cが、それぞれ所定位置に連結
軸28,29,30と軸受31と吊支具32とを介して
垂下連結されている。
【0012】次に、上述のように構成されるエレベータ
ーの使用の一例を説明する。尚、各無端索条体5a,5
b,5cを個別に駆動するモーター18,19,20
は、図示及び説明は省略するが、周知のエレベーター制
御装置によってそれぞれ適宜に制御されるようになって
いる。
【0013】このエレベーターは、当初は図1の正面図
に示されるように3個のケージ4a,4b,4cがケー
ジ昇降循環経路1において互いに等間隔に位置した状態
にあり、この状態で1個のケージ4cが昇り専用経路2
に位置し、他の2個のケージ4a,4bが降り専用経路
3に位置しているものとする。しかして、いま、図1に
示す6階建てビルの例えば5階において、この5階から
6階への移動希望者と、地階や1階への移動希望者とが
それぞれ複数人ずつエレベーターを待っているものとし
た場合に、当該5階の階床にある昇り専用口のサービス
ボタン(図示せず)を押すことにより、昇り専用経路2
では当該5階より下方に位置するケージ4cが上昇して
5階で停止し、上階移動希望者を乗せて上階へ移動す
る。一方、降り専用口のサービスボタン(図示せず)を
押すことにより、降り専用経路3では当該5階より上方
に位置するケージ4aが下降して5階で停止し、下階移
動希望者を乗せて下階へ移動すると同時に、その下方に
いるケージ4bが、下降して来る上方のケージ4aとの
衝当を避けるために下動し更には昇り専用経路2側へ移
行するように前記エレベーター制御装置によって制御さ
れる。
【0014】上記のように或る階において上階移動希望
者と下階移動希望者とがエレベーターを待っている場合
に、上階移動希望者は昇り専用経路2側のケージに乗る
ことができるし、下階移動希望者は降り専用経路3側の
ケージに乗ることができるから、エレベーターの待ち時
間が極力少なくなり、その階で待っている下階希望者と
上階希望者の両者に対し迅速に対応することが可能とな
る。また、各ケージ4a,4b,4cが、それぞれ個別
に駆動される無端索条体5a,5b,5cによって互い
に他のケージ4a,4b,4cと独立して昇降駆動され
るから、上記のように下階希望者と上階希望者の両者に
対しより一層迅速に対応することができる上に、各階の
高さが異なる多層階建物においてもエレベーターの設置
が可能となる。
【0015】そしてまた、各無端索条体5a,5b,5
cには、ケージ昇降循環経路1の昇り専用経路2と降り
専用経路3とでの各ケージ4a,4b,4cの昇降バラ
ンスをとるためのカウンターウエイト27a,27b,
27cを連結しているため、各ケージ4a,4b,4c
が降り専用経路3を下降する時に大きな加速を生ずるこ
とがなく、走行の安定性を確保できると共に、各ケージ
4a,4b,4cが昇り専用経路2を上昇する時の駆動
力が小さくて済み、各駆動用のモーター18,19,2
0として、比較的小型のモーターを使用できる。
【0016】また、このエレベーターでは、ケージ昇降
循環経路1の上部及び下部にそれぞれケージの個数と同
数のプーリー6a,6b,6c及びプーリー6a′,6
b′,6c′を並設し、上下いずれか一方のプーリー6
a,6b,6c群を駆動側、他方のプーリー6a′,6
b′,6c′群を従動側とし、駆動側プーリー6a,6
b,6c群は、それぞれプーリー6a,6b,6cと一
体に形成された複数の回転軸7,8,9を互いに相対回
転可能に同心状に重合配置すると共に、各回転軸7,
8,9の外部突出軸部を歯車12,13,14及び1
5,16,17を介してモーター 18,19,20に
連動連結し、従動側プーリー6a′,6b′,6c′群
は、各プーリー6a′,6b′,6c′を共通の支軸2
1にそれぞれ回転可能に支持し、上下の両プーリー群の
互いに対応する各プーリー間に無端索条体5a,5b,
5cを掛装しているため、各無端索条体5a,5b,5
cの駆動するための駆動手段(歯車及びモーター)をき
わめてコンパクトに構成することができて、ケージ昇降
循環経路1内の空間をより有効に利用できると共に、各
モーター18,19,20の回転力を歯車12,13,
14及び15,16,17を介して各無端索条体5a,
5b,5cに対し有効に伝達できる。
【0017】このエレベーターにおいて、比較的低い建
物の場合、例えばこの実施形態に示すような6階建ビル
の場合には、ケージ昇降循環経路1に3個のケージを、
また高層ビル等の場合には5個等、奇数個のケージを配
置することが望ましい。これは、図4に例示するよう
に、ケージ昇降循環経路1の全体を円形経路と仮定して
3個のケージ4a,4b,4cを配置する場合を見てみ
ると、ケージ4aを円形経路の1点に配置したとき、そ
の直径方向反対側に対応する位置にカウンターウエイト
27aを配置し、ケージ4aから周方向に120度隔た
ったところにケージ4bを、また240度隔たったとこ
ろにケージ4cを配置する。同じように、ケージ4bか
ら180度のところにカウンターウエイト27bを、ま
たケージ4cから180度のところにカウンターウエイ
ト27cをそれぞれ配置すると、円形に展開したケージ
昇降循環経路1内のケージ4a,4b,4cやカウンタ
ーウエイト27a,27b,27cの配置の順序を見た
場合、ケージ4a、カウンターウエイト27c、ケージ
4b、カウンターウエイト27a、ケージ4c、カウン
ターウエイト27bの順になり、奇数個配置することに
よって、常にケージ昇降循環経路1内に配置された、例
えばケージ4aの正反対方向に配置されたカウンターウ
エイト27aがそれぞれケージ4bと4cとの間にあっ
てケージ4bに近づいたりケージ4cに近づいたりしな
がらケージ昇降循環経路1内を回動することになる。因
に、偶数個を配置した場合には、ケージとカウンターウ
エイトとが衝突することになる。
【0018】また、このエレベーターにおいて、各ケー
ジ4a,4b,4cは各懸垂軸22,23,24によっ
て無端索条体5a,5b,5cに連結されるが、各懸垂
軸22,23,24及びその連結部には各ケージ及び乗
客の重量がかかり、しかもその荷重の方向が360度移
動することになるから、無端索条体5a,5b,5cを
形成するワイヤーまたはチェーンはきわめて頑強なもの
を使用する必要がある。即ち、無端索条体5a,5b,
5cに懸垂軸22,23,24を固定する場合、ケージ
4a,4b,4cの荷重に十分耐え得るように、懸垂軸
22,23,24は三角形のようにその下方を幅広く形
成し、その幅広底辺部分を無端索条体に固着するように
するとよい。
【0019】また、このエレベーターの最も好ましい在
り方は、ケージ昇降循環経路全体に複数のケージがほぼ
等間隔に配置されて運行されることであるが、ともすれ
ばこの間隔が、広いところは益々広く、狭いところは益
々狭くなって、所謂「団子運転」とか言われる状態にな
り易い。これを解消するには、次のような方法を採用す
るとよい。
【0020】即ち、昇り側のケージが昇り専用経路2の
最上階に達して降り専用経路3に移行するにあたり、ま
たは降り側のケージが降り専用経路3の最下階に達して
昇り専用経路2に移行する付近において、ケージを一旦
停止させ、前を行くケージとの間隔を適当に調整するよ
うにするとよい。
【0021】いま仮に8階建のビルとして説明すれば、
各ケージは、昇り専用経路2と降り専用経路3とを合わ
せて16階の間を循環移動することになるわけである
が、この間に例えば3個のケージをケージ昇降循環経路
1に配置した場合、16÷3=約5.33であるから、
5.33階分の間隔をおいて配置すれば、最も理想的な
配置と言えるわけである。従って、最上階または最下階
の昇降移動部あたりにおいて、前を行くケージの約5階
分くらいの間隔をおいて次のケージが出発するようにす
るとよい。以上のような方法でケージの間隔を調整して
もなお前を行くケージに後のケージが接近するような場
合は、あらかじめ駆動用モーター18〜20の回転速度
を安全な範囲で2段階または3段階程度に変更可能なよ
うにしておき、前を行くケージのスピードを上げると後
続のケージのスピードを落とすなどすることで、その間
隔を調整することができるものである。
【0022】また、この実施形態に示したエレベーター
では、ケージ昇降循環経路1の上下部に駆動用プーリー
6a,6b,6cと従動用プーリー6a′,6b′,6
c′とを設置して、これらのプーリー間に無端索条体5
a,5b,5cを掛装し、各無端索条体5a,5b,5
cを個別に駆動することによって、各ケージ4a,4
b,4cをケージ昇降循環経路1に沿って移動させるよ
うにしているから、ケージ昇降循環経路1の上部側には
駆動用プーリー6a,6b,6cをそれぞれ駆動するた
めお歯車及びモーターを設置する空間部が必要ではある
が、ケージ昇降循環経路1内には無端索条体5a,5
b,5cとこれにそれぞれ連結されるケージ4a,4
b,4cのみが配置されることになるため、ケージ昇降
循環経路1内の空間をより有効に利用することができ
る。
【0023】
【発明の効果】請求項1に係るエレベーターは、多階層
建物に縦長のケージ昇降循環経路を設けて、その長手方
向片側を昇り専用経路、その反対側を降り専用経路と
し、ケージ昇降循環経路に周方向所要間隔おきに配置さ
れる複数のケージを、ケージ昇降循環経路に沿って並設
され且つそれぞれ個別に駆動されるケージ個数と同数の
無端索条体にそれぞれ連結して、複数の階床で停止可能
に昇降させるようにしたものであるから、百貨店や駅前
ビル等のように人の出入りや各階移動のはげしい多階層
建物の或る階において上階移動希望者と下階移動希望者
とがエレベーターを待っているような場合に、上階移動
希望者は昇り専用経路側のケージに乗ることができ、ま
た下階移動希望者は降り専用経路側のケージに乗ること
ができ、従って1個のケージを昇り降りに兼用する従来
のエレベーターに比べ、エレベーターの待ち時間が極力
少なくなり、その階で待っている下階希望者と上階希望
者の両者に対し迅速に対応することができる。
【0024】また、このエレベーターでは、上記のよう
にケージ昇降循環経路に沿って並設した無端索条体を駆
動することによって、各ケージを移動させるようにして
いることから、ケージ昇降循環経路内にはケージと無端
索条体のみが配置されることになり、従ってケージ昇降
循環経路内の空間をより有効に利用できる。
【0025】請求項2によれば、無端索条体に、ケージ
昇降循環経路の昇り専用経路と降り専用経路とでの各ケ
ージの昇降バランスをとるためのカウンターウエイトを
連結しているため、各ケージが降り専用経路を下降する
時に大きな加速を生ずることがなく、走行の安定性を確
保できると共に、各ケージが昇り専用経路を上昇する時
の駆動力が小さくて済む。
【0026】請求項3によれば、ケージ昇降循環経路の
上部及び下部にケージの個数と同数のプーリーを並設
し、上下いずれか一方のプーリー群を駆動側、他方のプ
ーリー群が従動側とし、駆動側プーリー群は、それぞれ
プーリーと一体に形成された複数の回転軸を互いに相対
回転可能に同心状に重合配置すると共に、各回転軸の外
部突出軸部を歯車を介してモーターに連動連結し、従動
側プーリー群は、各プーリーを共通の支軸にそれぞれ回
転可能に支持し、上下の両プーリー群の互いに対応する
各プーリー間に無端索条体を掛装してなるため、各無端
索条体の駆動するための駆動手段(歯車及びモーター)
をきわめてコンパクトに構成することができて、ケージ
昇降循環経路内の空間をより有効に利用できると共に、
各モーターの回転力を歯車を介して各無端索条体に対し
有効に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るエレベーターの正面図である。
【図2】 同エレベーターの側面図である。
【図3】 同エレベーターの駆動側プーリー部分の水平
断面図である。
【図4】 ケージ昇降循環経路を円形状に展開した場合
の正面図である。
【符号の説明】
1 ケージ昇降循環経路 2 昇り専用経路 3 降り専用経路 5a,5b,5c 無端索条体 6a,6b,6c 駆動側プーリー 6a′,6b′,6c′ 従動側プーリー 7,8,9 回転軸 12,13,14 歯車 15,16,17 歯車 18,19,20 モーター 21 支軸 22,23,24 懸垂軸 25 軸受 26 吊支部材 27a,27b,27c カウンターウエイト 28,29,30 連結軸 31 軸受 32 吊支具

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多階層建物に縦長のケージ昇降循環経路
    を設けて、その長手方向片側を昇り専用経路、その反対
    側を降り専用経路とし、該ケージ昇降循環経路に周方向
    所要間隔おきに配置される複数のケージを、該ケージ昇
    降循環経路に沿って並設され且つそれぞれ個別に駆動さ
    れるケージ個数と同数の無端索条体にそれぞれ連結し
    て、複数の階床で停止可能に昇降させるようにしたこと
    を特徴とするエレベーター。
  2. 【請求項2】 各無端索条体には、ケージ昇降循環経路
    の昇り専用経路と降り専用経路でのケージの昇降バラン
    スをとるためのカウンターウエイトを連結してなること
    を特徴とする請求項1に記載のエレベーター。
  3. 【請求項3】 ケージ昇降循環経路の上部及び下部にそ
    れぞれケージの個数と同数のプーリーを並設し、上下い
    ずれか一方のプーリー群を駆動側、他方のプーリー群を
    従動側とし、駆動側プーリー群は、それぞれプーリーと
    一体に形成された複数の回転軸を互いに相対回転可能に
    同心状に重合配置すると共に、各回転軸の外部突出軸部
    を歯車を介してモーターに連動連結し、従動側プーリー
    群は、各プーリーを共通の支軸にそれぞれ回転可能に支
    持し、上下の両プーリー群の互いに対応する各プーリー
    間に無端索条体を掛装してなることを特徴とする請求項
    1または2に記載のエレベーター。
JP22118196A 1996-08-22 1996-08-22 エレベーター Withdrawn JPH1059659A (ja)

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Cited By (4)

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