JPH105947A - 溶融金属の流動制御装置 - Google Patents
溶融金属の流動制御装置Info
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- JPH105947A JPH105947A JP16622896A JP16622896A JPH105947A JP H105947 A JPH105947 A JP H105947A JP 16622896 A JP16622896 A JP 16622896A JP 16622896 A JP16622896 A JP 16622896A JP H105947 A JPH105947 A JP H105947A
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Abstract
の発生を回避。開口幅が広い場合の淀みを生じ易い場所
の溶鋼を効果的に流動駆動。 【解決手段】 鋳型辺の一辺5Fに沿うy方向に分布す
る複数個のスロットを有する電磁石コア10Fと、各ス
ロットにそれぞれが挿入された複数個の電気コイルを1
グル−プとするy方向に分布した複数グル−プ#AF,
#BFの電気コイルを含むリニアモ−タLMF;注入ノ
ズル30に近い第1グル−プ#BFの電気コイルに、y
方向に沿う移動磁界Fbfを発生するための多相交流を
通電する第1組の通電手段20A;注入ノズル30から
遠い、第2グル−プ#AFの電気コイルに、y方向に沿
う移動磁界Fafを発生するための多相交流を通電する
第2組の通電手段20B;および、第2組の通電手段2
0Bを出力停止とする手段33;を備える。
Description
リニアモータで駆動する流動制御装置に関し、特に、鋳
型短辺の位置を長辺の延びる方向にシフトして、幅が異
なる鋳片を作り分ける鋳型に適した流動制御装置に関す
る。
り鋳型に溶鋼が注入され、鋳型において溶鋼は鋳型壁面
から次第に冷却されつつ引き抜かれる。鋳型内溶鋼の上
面には、粉体状の保温材あるいは鋳片引抜きの潤滑材
(通称パウダ)が投入される。同一高さの鋳型壁面にお
ける温度が不均一であると、鋳型内面への鋳片の焼付き
による表面割れやシェル破断(ブレ−クアウト)を生じ
易い。また、溶鋼中あるいは鋳片表面にパウダが塊で残
ると、これは鋳片の異物すなわち欠陥となる。これを改
善するために、従来は、リニアモ−タを用いて、鋳型内
で溶鋼をその上面と平行に、鋳型壁面に沿って流動駆動
し、鋳型に接する面の温度を均一化しかつ溶鋼中のパウ
ダの浮上をうながす(例えば特開平1−228645号
公報)。
鋼の流動駆動はある程度の効果があるものの、注入ノズ
ルを介してタンデイッシュに流入する溶鋼の流れにより
鋳型壁面に沿った循環流動が乱される。この種の流動駆
動には、鋳型の長辺に沿って配列された複数個の磁極の
それぞれに電気コイルを巻回したリニアモ−タ型の電磁
石が用いられ、電気コイルは3相の各相毎に束ねられ、
120°位相のずれた3相電源の各相に、束ねられた単
位で接続され、3相電源の電圧および又は周波数をイン
バ−タやサイクロコンバ−タで調整され、これにより、
所要の駆動力および速度が得られる。例えば、鋳型長辺
に沿ったリニアモ−タを配置し、溶鋼に電磁駆動力を与
えて、流速分布が均一な鋳型内壁に沿って循環する循環
流を溶鋼の表層に生起するものがある。表層部に循環流
が定速度で安定して流れると、気泡の浮上が促進され、
溶鋼中へのパウダ巻き込みがなくなり、表層付近の鋳型
内面がきれいにぬぐわれて溶鋼の滞留がなくなる。
型には、その短辺を長辺に沿ってずらして鋳型幅(鋳片
幅)を調整しうるものがある。この鋳型の場合、例えば
狹幅の鋳片を鋳造するときには、相対向する短辺間距離
が所要鋳片幅相当に調整される。このような鋳型に上述
のリニアモ−タを装備しているときには、リニアモ−タ
の長さは、長辺長程度(想定された最大幅鋳片の製造に
おいて、該幅をカバ−しうる長さ)であり、狭幅の鋳片
の製造のときには、リニアモータの長さ(y方向)に対
し、鋳型開口の幅(y方向)が短くなるので、溶鋼の存
在しない空間にリニアモータが与える電磁力は無駄とな
る。のみならず、このような電磁力(移動磁界)は、他
の機器に大きな電磁ノイズ又は電磁力を及ぼし好ましい
ものではない。
に伴いリニアモータを取り替えるか、リニアモ−タの、
溶鋼の存在しない空間に対向する電気コイルへの通電を
遮断するのが好ましい。しかし、リニアモータの取り替
えは、サイズが異なる複数のリニアモ−タを予め準備し
ておくことを意味し、設備コストの上昇となる。のみな
らずリニアモ−タの取り替え作業労力が多い。移動磁界
が不要な領域の電気コイルの通電を遮断するために、電
源回路と該領域の電気コイルの間にコネクタ又は遮断器
を介挿することが考えられるが、リニアモータの周辺は
高温で、しかも冷却水原因の水気が多く、これらの配設
が難かしい。すなわち、仮に配設するとすると、耐熱対
策,防塵対策および防水対策のみならず、コネクタ又は
遮断器を簡易に着脱又は開閉するための対策が必要であ
り、これらをすべて満すことは不可能に近い。
場合、例えば最大幅の場合、リニアモ−タで溶鋼を駆動
しても、溶鋼の淀み(溶鋼の滞留)を発生することがあ
る。開口幅が広いと、例えば、一方の長辺に沿って一方
の短辺に向かう溶鋼流が該短辺に達するまでに他方の長
辺に向けて分流してそれに沿って他方の短辺に向かう方
向に流れる小ル−プの分流を生ずることがあり、そして
このような分流を生ずると、ノズルと短辺の中間点あた
りに局所的な淀みを生じ易い。淀みが発生するとそこで
パウダが溶鋼中に残留し易く、しかもブレ−クアウトの
原因となる焼付きとなり易い。一方、溶鋼が固体に変わ
るときに発生するCOなどの気体(気泡)が浮上しにく
くなり、スラブ内に気泡が混入する等の不具合が生じ
る。
じてリニアモータの実行長を簡易に変更し、不必要な電
磁力の発生を回避することを第1の目的とし、開口幅が
広い場合の淀みを生じ易い場所の溶鋼を効果的に流動駆
動することを第2目的とする。
む鋳型辺(5F,5L,6L,6R)の一辺(5F)に沿うy方向に分布
する複数個のスロットを有する電磁石コア(10F)と、各
スロットにそれぞれが挿入された複数個の電気コイルを
1グル−プとするy方向に分布した複数グル−プ(#AF,#
BF)の電気コイルを含むリニアモ−タ(LMF);鋳型に溶融
金属を注入するノズル(30)に近い第1グル−プ(#BF)の
電気コイル(BF1〜BF12)に、y方向に沿う移動磁界(Fb
f)を発生するための多相交流を通電する第1組の通電
手段(20A);y方向で第1グル−プ(#BF)と隣り合う、前
記ノズル(30)から遠い、第2グル−プ(#AF)の電気コイ
ル(AF1〜AF12)に、y方向に沿う移動磁界(Faf)を発生す
るための多相交流を通電する第2組の通電手段(20B);
および、第2組の通電手段(20B)を出力停止とする手段
(33);を備える。
は、図面に示し後述する実施例の対応要素又は対応事項
の記号を、参考までに付記した。
幅)を狭く変更しこれにより第2グル−プ(#AF)の電気
コイル(AF1〜AF12)による移動磁界(これによる溶鋼へ
の電磁推力)が不要となるときには、手段(33)で第2組
の通電手段(20B)を出力停止とすればよい。リニアモ−
タの取り替えは不要であり、またリニアモ−タ内又は外
に、コネクタ又は開閉器を装備する必要がないので、設
備コストは実質上増大せず、また、不要な移動磁界の発
生を止めるための格別な作業を要しない。
を取り囲む鋳型辺(5F,5L,6L,6R)の一辺(5F)に沿うy方
向に分布する複数個のスロットを有する第1電磁石コア
(10F)と、各スロットにそれぞれが挿入された複数個の
電気コイルを1グル−プとするy方向に分布した複数グ
ル−プ(#AF,#BF)の電気コイル(AF1〜AF12,BF1〜BF12)を
含む第1リニアモ−タ(LMF);溶融金属(MM)を取り囲む
鋳型辺(5F,5L,6L,6R)の一辺(5F)に沿うy方向に分布す
る複数個のスロットを有する第2電磁石コア(10F)と、
各スロットにそれぞれが挿入された複数個の電気コイル
を1グル−プとするy方向に分布した複数グル−プ(#D
L,#CL)の電気コイル(DL1〜DL12,CL1〜CL12)を含む、鋳
型を間に置いてx方向で第1リニアモ−タに対向する第
2リニアモ−タ(LML);第1および第2リニアモ−タ
の、鋳型に溶融金属を注入するノズルに近い第1グル−
プ(#BF,#CL)の電気コイル(BF1〜BF12,CL1〜CL12)に、
y方向に沿うが逆方向の移動磁界(Fbf,FcL)を発生する
ための多相交流を通電する第1組の通電手段(20A);第
1および第2リニアモ−タの、y方向で第1グル−プ(#
BF,#CL)と隣り合い前記ノズル(30)から遠い、第2グル
−プ(#AF,#DL)の電気コイル(AF1〜AF12,DL1〜DL12)に、
y方向に沿う移動磁界(Faf,FdL)を発生するための多相
交流を通電する第2組の通電手段(20B);および、第2
組の通電手段(20B)を出力停止とする手段(33);を備え
る。
鋳型辺の一辺に沿って溶鋼を駆動し、第2リニアモ−タ
(LML)が対向辺に沿って、逆方向に駆動するので、鋳型
の水平断面において、鋳型四辺に沿って時計方向又は反
時計方向に旋回する溶鋼流が形成され、鋳型内面を溶鋼
流で拭って鋳型面をクリ−ニングする効果が高い。ま
た、上記(1)に記述した作用,効果が同様に得られ
る。
電気コイルに通電する多相交流の周波数と、第2組の通
電手段が第2グル−プの電気コイルに通電する多相交流
の周波数との間の周波数差を設定する周波数設定手段;
を更に備える上記(1)又は(2)に記載の溶融金属の
流動制御装置。
段(20B)を出力停止とせず、しかも鋳型の開口幅が実質
上第1グル−プ(#BF)と第2グル−プ(#AF)の電気コイル
に及ぶ広幅の場合に、第1グル−プ(#BF)と第2グル−
プ(#AF)との境界部では、第1グル−プ(#BF)の電気コイ
ル(BF1〜BF12)が発生する第1移動磁界(Fbf)の強度(速
度ベクトルのスカラ量)が第1組の通電手段(20A)の通
電周波数(FdcA1)で変化し、また、第2グル−プ(#AF)の
電気コイル(AF1〜AF12)が発生する第2移動磁界(Faf)の
強度が第2組の通電手段(20B)の通電周波数(FdcB2)で変
化する。これらの変化が同時に加わるので、該境界部で
は、それらの周波数差ΔFdc=|FdcB2−FdcA1|なる周
波数で、移動磁界の強度が変化する。すなわち移動磁界
に「うなり」を生ずる。
第2移動磁界(Faf)の定常的な強度変化(FdcB2,FdcA
1)に対しては間欠的であり、境界部の溶鋼に、移動磁
界の移動方向と同方向の間欠的な推力変動を与える。し
たがって、定常的な移動磁界(Faf/Fbf)の印加中に溶鋼
流に淀みを生じ易い、第1グル−プ(#BF)と第2グル−
プ(#AF)との境界部の溶鋼に、間欠的な推力変動が加わ
り、溶鋼の滞留が抑制される。
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
続鋳造鋳型の内壁50で囲まれる空間には溶鋼MMが図
示しない注湯ノズル(図2のノズル30)を通して注入
され、溶鋼MMのメニスカス(表面)はパウダPWで覆
われる。鋳型は水箱40に流れる冷却水で冷却され、溶
鋼MMは鋳型に接する表面から次第に内部に固まって行
き鋳片SBが連続的に引き抜かれるが、鋳型内に溶鋼が
注がれるので、鋳型内には常時溶鋼MMがある。溶鋼M
Mのメニスカスレベル(高さ方向z)の位置に2個の第
1リニアモータLMFおよび第2リニアモータLMLが
設けられており、これらが溶鋼MMのメニスカス直下の
部分(表層域)に電磁力を与える。
ータLMF,LMLのコア10F,10L部で水平に破
断した断面を示す。図3には、図2の3A−3A線拡大
断面を示す。鋳型の内壁50は、相対向する長辺5F,
5Lおよび相対向する短辺6R,6Lで構成されてお
り、各辺は銅板2F,2L,4R,4Lに、非磁性ステ
ンレス板1F,1L,3R,3Lを裏当てしたものであ
る。
リニアモータLMFの電気コイルAF1〜DF12のグ
ループ区分であり、#AL,#BL,#CL,#DL
は、第2リニアモータLMLの電気コイルAL1〜DL
12のグループ区分である。この実施例では、リニアモ
ータLMF,LMLのコア10F,10Lは、鋳型長辺
5F,5Lの実効長(溶鋼MMが接するy方向長さ)よ
りやや長く、それらの全長にスロットが所定ピッチで4
8個切られている。第1リニアモータLMFのコア10
Fの各スロットには、#AFグル−プの電気コイルAF
1〜AF12,#BFグル−プの電気コイルBF1〜B
F12,#CFグル−プの電気コイルCF1〜CF12
および#DFグル−プの電気コイルDF1〜DF12が
装着されている。同様に、第2リニアモータLMLのコ
ア10Lの各スロットには、#ALグル−プの電気コイ
ルAL1〜AL12,#BLグル−プの電気コイルBL
1〜BL12,#CLグル−プの電気コイルCL1〜C
L12および#DLグル−プの電気コイルDL1〜DL
12が装着されている。
図4を参照すると、図2に示したリニアモータLMF,
LMLの電気コイルグループ#AF,#DF,#AL,
#DLは第1電源回路20Aに接続されており、電気コ
イルグループ#BF,#CF,#BL,#CLは第2電
源回路20Bに接続されている。第1電源回路20Aお
よび第2電源回路20Bは、3相交流電圧を発生し、そ
れぞれが接続されている各電気コイルグループに印加す
る。図4においては、第1電源回路20Aおよび第2電
源回路20Bが発生する3相交流電圧の各相(U,V,
W)ごとの3本の配線を1本にまとめて2点鎖線で示
し、各電源接点(U11〜U22,V11〜V22,W11〜W22)を省略
している。図4によれば、ノズル30付近の溶鋼MMを
挾んで対向する第1リニアモータLMFの電気コイルグ
ループ#BF,#CFと、第2リニアモータLMLの電
気コイルグループ#BL,#CLは同一の電源すなわ
ち、第1電源回路20Aと接続されている。また、第1
リニアモータLMFのy方向端部に位置する電気コイル
グループ#AF,#DFと、第2リニアモータLMLの
y方向端部に位置する電気コイルグループ#AL,#D
Lが同一の電源すなわち、第2電源回路20Bと接続さ
れている。
モータLMF,LMLのそれぞれ4つの電気コイルグル
ープは、ノズル30に対向する中央4つの電気コイルグ
ループ#BF,#CF,#BL,#CLと、それらの電
気コイルグループの両脇の電気コイルグループ#AF,
#DF,#AL,#DLとに分岐されて2つの電源回路
20A,20Bに別々に接続されており、電源回路20
A,20Bに与える周波数偏差ΔFdc,電圧指令値Vdc
A1,VdcB2を変えることにより、3相交流電圧の周
波数または電圧を別々に制御することができる。
F及び第2リニアモータLMLの、全電気コイルAF1
〜DF12とAL1〜DL12の、結線および電源回路
20A,20Bとの接続態様を示す。図5に示すリニア
モータLMF及びLMLの結線は、8極のものであり、
各電気コイルに電源回路20A,20Bが発生する3相
交流を通電する。例えば、第1リニアモータLMFの#
AFグル−プの電気コイル(#AF:AF1〜AF1
2)は、図5ではこの順に、u,u,V,V,w,w,
U,U,v,v,W,Wと表す。他の#BF,#CF,
#DFのグループの電気コイル(#BF:BF1〜BF
12),(#CF:CF1〜CF12),(#DF:D
F1〜DF12)も同様である。第2リニアモータLM
Lの#ALグル−プの電気コイル(#AL:AL1〜A
L12)は、図5ではこの順に、u,u,V,V,w,
w,U,U,v,v,W,Wと表す。他の#BL,#C
L,#DLのグループの電気コイル(#BL:BL1〜
BL12),(#CL:CL1〜CL12),(#D
L:DL1〜DL12)も同様である。
(そのままの通電)を、「u」はU相の逆相通電(U相
より180度の位相ずれ通電)を表わし、電気コイル
「U」にはその巻始め端にU相が印加されるのに対し、
電気コイル「u」にはその巻終り端にU相が印加される
ことを意味する。同様に、「V」は3相交流のV相の正
相通電を、「v」はV相の逆相通電を、「W」は3相交
流のW相の正相通電を、「w」はW相の逆相通電を表わ
す。
は、第1リニアモータLMFの#BFグループ,#CF
グル−プの電気コイルBF1〜BF12,CF1〜CF
12の電源接続端子であり、端子U21,V21,W2
1は第1リニアモータLMFの#AFグループ,#DF
グル−プの電気コイルAF1〜AF12,DF1〜DF
12の電源接続端子である。また、端子U12,V1
2,W12は第2リニアモータLMLの#BLグルー
プ,#CLグル−プの電気コイルBL1〜BL12,C
L1〜CL12の電源接続端子であり、端子U22,V
22,W22は第2リニアモータLMLの#ALグルー
プ,#DLグル−プの電気コイルAL1〜AL12,D
L1〜DL12の電源接続端子である。なお、第1リニ
アモータLMFおよび第2リニアモ−タLMLは、鋳型
の長辺5F,5Lに沿ったy方向の電磁力Faf,Fb
f,Fcf,FdfおよびFaL,FbL,FcL,F
dLを溶鋼MMに与えようとするものである。
イルグループ#BF,CFと、第2リニアモータLML
の電気コイルグループ#BL,CLに3相交流を流す、
第1電源回路20Aの構成を示す。3相交流電源(3相
電力線)21には直流整流用のサイリスタブリッジ22
A1が接続されており、その出力(脈流)はインダクタ
25A1およびコンデンサ26A1で平滑化される。平
滑化された直流電圧は3相交流形成用のパワ−トランジ
スタブリッジ27A1に印加され、これが出力する3相
交流のU相が、図5に示す電源接続端子U11,U12
に、V相が電源接続端子V11,V12に、またW相が
電源接続端子W11,W12に印加される。
ループの電気コイルと、第2リニアモータLMLの#B
L,CLグループの電気コイルが、図5に点線矢印で示
す推力を発生するコイル電圧指令値VdcA1が位相角α
算出器24A1に与えられ、位相角α算出器24A1
が、指令値VdcA1に対応する導通位相角α(サイリス
タトリガ−位相角)を算出し、これを表わす信号をゲ−
トドライバ23A1に与える。ゲ−トドライバ23A1
は、各相のサイリスタを、各相のゼロクロス点から位相
カウントを開始して位相角αで導通トリガ−する。これ
により、トランジスタブリッジ27A1には、指令値V
dcA1が示す直流電圧が印加される。
指令値FdcA1で指定された周波数(この実施例では
2.1Hz)の、定電圧3相交流信号を発生して、比較
器29A1に与える。比較器29A1にはまた、三角波
発生器30A1が3KHzの、定電圧三角波を与える。
電源回路20Aに与えられる周波数指令値FdcA1は、
第2電源回路20Bにも与えられる。比較器29A1
は、U相信号が正レベルのときには、それが三角波発生
器30A1が与える三角波のレベル以上のとき高レベル
H(トランジスタオン)で、三角波のレベル未満のとき
低レベルL(トランジスタオフ)の信号を、U相の正区
間宛て(U相正電圧出力用トランジスタ宛て)にゲ−ト
ドライバ28A1に出力し、U相信号が負レベルのとき
には、それが三角波発生器30A1が与える三角波のレ
ベル以下のとき高レベルHで、三角波のレベルを越える
とき低レベルLの信号を、U相の負区間宛て(U相負電
圧出力用トランジスタ宛て)にゲ−トドライバ28A1
に出力する。V相信号およびW相信号に関しても同様で
ある。ゲ−トドライバ28A1は、これら各相,正,負
区間宛ての信号に対応してトランジスタブリッジ27A
1の各トランジスタをオン,オフ付勢する。
には、3相交流のU相電圧が出力され、電源接続端子V
11,V12に同様なV相電圧が出力され、また電源接
続端子W11,W12に同様なW相電圧が出力され、こ
れらの電圧の上ピ−ク/下ピ−ク間レベルはコイル電圧
指令値VdcA1で定まる。この3相電圧の周波数はこの
実施例では周波数指令値FdcA1により2.1Hzであ
る。すなわち、コイル電圧指令値VdcA1で指定された
2.1Hzの3相交流電圧が、図2,図4および図5に
示す第1リニアモータLMFの#BF,#CFグループ
の電気コイルと、第2リニアモータLMLの#BL,#
CLグループの電気コイルに印加される。
F,#DFグループの電気コイルと、第2リニアモータ
LMLの#AL,#DLグループの電気コイルに3相交
流を流す、第2電源回路20Bの構成を示す。この電源
回路20Bの構成は、上述の20Aとほぼ同一である
が、さらに演算回路32B2およびナイフスイッチ型の
電源開閉器33が備わる。演算回路32B2には、電源
回路20Aに与えられる周波数指令値FdcA1が同じく
与えられると共に、周波数偏差(偏差指令値)ΔFdcが
与えられる。演算回路32B2は、周波数指令値FdcA
1に周波数偏差ΔFdcを加算し、周波数指令値FdcB2
(FdcA1+ΔFdc)を生成して3相信号発生器31B
2に出力する。本実施例においては、周波数偏差ΔFd
cに−0.1Hzを与えると、周波数指令値FdcB2
は2.0Hzとなる。コイル電気指令値VdcA1,Vdc
B2,周波数指令値FdcA1および周波数偏差ΔFdcに
それぞれ基準値が定められており、この実施例では周波
数指令値FdcA1の基準値は2.1Hz,周波数偏差Δ
Fdcの基準値は−0.1Hzであるが、これらの値はす
べてオペレ−タが(下記の上位コンピュ−タを介して)
変更又は調整しうる。
2.1Hzに、周波数偏差ΔFdcの基準値が−0.1H
zに設定されているとすると、第1,第2リニアモータ
LMFの#BF,#CF,#BL,#CLグループの電
気コイルに与えられる3相交流電圧の周波数2.1Hzと
は周波数偏差ΔFdc=0.1Hzだけ異る周波数2.0Hz
を指定する周波数指令値FdcB2が、3相信号発生器3
1B2に与えられる。これらの周波数指令値FdcA1
(図6),周波数偏差ΔFdc、さらに前述のコイル電圧
指令値VdcA1(図6)およびコイル電圧指令値VdcB
2(図7)は、図示しない外部の上位コンピュ−タが、
各電源回路20Aおよび20Bに与える。
図2に示す位置(図4では実線位置)に置いて、鋳型開
口幅を広くして広幅の鋳片を鋳造するときに閉じられ、
鋳型短辺6R,6Lを例えば図4に2点鎖線で示す位置
に置いて鋳型開口幅を狭くして狭幅の鋳片を鋳造すると
きに開かれる手動開閉器である。オペレ−タは、鋳型開
口幅を広幅から狭幅に変更したときに開閉器33を開
き、かつ、第2電源回路20B宛てのコイル電圧指令値
VdcB2を出力電圧0(出力オフ)を示すものに変更す
る。鋳型開口幅を狭幅から広幅に変更したときには開閉
器33を閉じ、かつ、広幅鋳片の鋳造を開始し、リニア
モ−タの通電を開始するときに、第2電源回路20B宛
てのコイル電圧指令値VdcB2を出力電圧0(出力オ
フ)を示すものから、所要値を示すものに変更し、その
後状況に応じてコイル電圧指令値VdcB2を調整する。
に開閉器33を開き、かつ、第2電源回路20B宛ての
コイル電圧指令値VdcB2を出力電圧0(出力オフ)を
示すものに変更すると、まず、開閉器33の開により、
3相電源21から電源回路20Bへの電力供給がないの
で、第1および第2のリニアモ−タLMFおよびLML
の、図2に示す#AF,#DFおよび#DL,#ALの
電気コイルには3相電圧が印加されない。第2電源回路
20B内での電力消費もない。仮に開閉器33が閉であ
っても、コイル電圧指令値VdcB2を出力電圧0(出力
オフ)を示すものとすることにより、上述の電気コイル
には3相電圧が印加されない。
開口幅を広幅に設定しかつ開閉器33を閉じており、し
かも、第2電源回路20B宛てのコイル電圧指令値Vdc
B2を所要値(0より大きい値)を示すものとしてい
る、と仮定して説明すると、第1電源回路20Aは、周
波数指令値FdcA1及び電圧指令値VdcA1で指定され
た周波数,電圧レベルの3相交流電圧を第1,第2リニ
アモータLMF,LMLの電気コイルグループ#BF,
#CF,#BL,#CLに通電する。第2電源回路20
Bは、周波数偏差ΔFdcにより指定された分だけ周波数
指令値FdcA1に対して偏差のある周波数指令値FdcB
2(図7)を作成し、周波数指令値FdcB2(図7)及
び、電圧指令値VdcB2で指定された電圧レベルの3相
交流電圧を第1,第2リニアモータLMF,LMLの電
気コイルグループ#AF,#DF,#AL,#DLに通
電する。つまり、電気コイルグループ#BF,#CF,
#BL,#CLに通電される3相交流電圧の周波数と、
電気コイルグループ#AF,#DF,#AL,#DLに
通電される3相交流電圧の周波数との間には常に、周波
数偏差ΔFdcで指定される分だけの差が生じている(た
だし、周波数偏差ΔFdc=0の場合には、第1電源回路
20Aと、第2電源回路20Bの発生する周波数は同じ
となる)。
#BF間,#CF/#DF間,#DL/#CL間および
#BL/#AL間の境界部、すなわち、ノズル30と短
辺6R,6Lとの略中間点、での溶鋼の淀み(溶鋼流動
が小さく1箇所に停滞)の発生状況により、作業者が任
意に選択して入力するオペレータ入力値をもとに、上位
コンピュータが作成するものである。周波数の異る3相
交流電圧が溶鋼MMに与える電磁力は、上記境界部で互
いに干渉して周波数がΔFdcのうなりを生じ、該うなり
により、非定常的な(FdcA1,FdcB2に対して極く
低周波の)推力(方向はy方向)が、上記境界部の溶鋼
に加わる。これにより淀み傾向の溶鋼が流動し、定常流
(FdcA1,FdcB2による推力)域に移動して流され
る。これにより溶鋼MMが1箇所(淀み)に停滞するこ
となく、リニアモータLMF,LMLの付与する長辺5
F,5Lに沿った駆動力(推力)に従って常に鋳型内を
流動(図5では時計方向)しており、鋳型の長辺表面が
常時拭われるので、拭い効果が高い。
イル電圧指令値VdcB2で、第2電源回路20Bを出力
停止とするようにしているが、開閉器33とコイル電圧
指令値VdcB2の一方でもこれを行なうことができる。
また、これらに代えて、あるいはこれらに加えて、ゲ−
トドライバ23B2又は28B2(図7)への指令信号
を遮断(オフ拘束)する電気回路、もしくは、サイリス
タブリッジ22B2又はサランジスタブリッジ27B2
のサイリスタゲ−ト信号又はトランジスタベ−ス信号を
遮断(オフ拘束)する電気回路を用いるか、付加しても
よい。
するときには、第1および第2のリニアモ−タLMFお
よびLMLの、図2に示す#AF,#DFおよび#D
L,#ALの電気コイルへの3相交流電圧の印加を止め
ることができるので、これらの電気コイルによる無駄な
電力消費がなく、エネルギ−の節約になると共に、鋳型
外部への移動磁界漏れが少く、周辺機器への電磁ノイズ
が低減する。
アモ−タLMF,LMLの電気コイルまでの電流路にコ
ネクタや開閉器を介挿する必要がないので、設備コスト
は格別に上昇せず、また、電気コイル遮断作業を要しな
い。メンテナンス負担も格別に上昇することはない。
と、中央縦断面を示す斜視図である。
した拡大横断面図である。
図である。
図である。
示す電気回路図である。
示す電気回路図である。
L:銅板 5F,5L:長辺 6R,6
L:短辺 10F,10L:コア 20A,2
0B:電源回路 21:三相交流信号発生器 30:注湯
ノズル 40:水箱 50:鋳型
の内壁 LMF,LML:リニアモ−タ MM:溶鋼 PW:パウダ SB:鋳片 AF1〜AF12:#AFグル−プの電気コイル BF1〜BF12:#BFグル−プの電気コイル CF1〜CF12:#CFグル−プの電気コイル DF1〜DF12:#DFグル−プの電気コイル AL1〜AL12:#ALグル−プの電気コイル BL1〜BL12:#BLグル−プの電気コイル CL1〜CL12:#CLグル−プの電気コイル DL1〜DL12:#DLグル−プの電気コイル U11,V11,W11:第1電源回路20Aの電源接続端子 U12,V12,W12:第1電源回路20Aの電源接続端子 U21,V21,W21:第2電源回路20Bの電源接続端子 U22,V22,W22:第2電源回路20Bの電源接続端子
Claims (3)
- 【請求項1】溶融金属を取り囲む鋳型辺の一辺に沿うy
方向に分布する複数個のスロットを有する電磁石コア
と、各スロットにそれぞれが挿入された複数個の電気コ
イルを1グル−プとするy方向に分布した複数グル−プ
の電気コイルを含むリニアモ−タ;鋳型に溶融金属を注
入するノズルに近い第1グル−プの電気コイルに、y方
向に沿う移動磁界を発生するための多相交流を通電する
第1組の通電手段;y方向で第1グル−プと隣り合う、
前記ノズルから遠い、第2グル−プの電気コイルに、y
方向に沿う移動磁界を発生するための多相交流を通電す
る第2組の通電手段;および、 第2組の通電手段を出力停止とする手段;を備える溶融
金属の流動制御装置。 - 【請求項2】溶融金属を取り囲む鋳型辺の一辺に沿うy
方向に分布する複数個のスロットを有する第1電磁石コ
アと、各スロットにそれぞれが挿入された複数個の電気
コイルを1グル−プとするy方向に分布した複数グル−
プの電気コイルを含む第1リニアモ−タ;溶融金属を取
り囲む鋳型辺の一辺に沿うy方向に分布する複数個のス
ロットを有する第2電磁石コアと、各スロットにそれぞ
れが挿入された複数個の電気コイルを1グル−プとする
y方向に分布した複数グル−プの電気コイルを含む、鋳
型を間に置いてx方向で第1リニアモ−タに対向する第
2リニアモ−タ;第1および第2リニアモ−タの、鋳型
に溶融金属を注入するノズルに近い第1グル−プの電気
コイルに、y方向に沿うが逆方向の移動磁界を発生する
ための多相交流を通電する第1組の通電手段;第1およ
び第2リニアモ−タの、y方向で第1グル−プと隣り合
い前記ノズルから遠い、第2グル−プの電気コイルに、
y方向に沿う移動磁界を発生するための多相交流を通電
する第2組の通電手段;および、 第2組の通電手段を出力停止とする手段;を備える溶融
金属の流動制御装置。 - 【請求項3】第1組の通電手段が第1グル−プの電気コ
イルに通電する多相交流の周波数と、第2組の通電手段
が第2グル−プの電気コイルに通電する多相交流の周波
数との間の周波数差を設定する周波数設定手段;を更に
備える請求項1又は請求項2記載の溶融金属の流動制御
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16622896A JP3542872B2 (ja) | 1996-06-26 | 1996-06-26 | 溶融金属の流動制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP16622896A JP3542872B2 (ja) | 1996-06-26 | 1996-06-26 | 溶融金属の流動制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH105947A true JPH105947A (ja) | 1998-01-13 |
JP3542872B2 JP3542872B2 (ja) | 2004-07-14 |
Family
ID=15827494
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JP16622896A Expired - Fee Related JP3542872B2 (ja) | 1996-06-26 | 1996-06-26 | 溶融金属の流動制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3542872B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018015791A (ja) * | 2016-07-28 | 2018-02-01 | アイダエンジニアリング株式会社 | 金属成形体の製造装置 |
-
1996
- 1996-06-26 JP JP16622896A patent/JP3542872B2/ja not_active Expired - Fee Related
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