JPH1059157A - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents

車両用ブレーキ装置

Info

Publication number
JPH1059157A
JPH1059157A JP21284996A JP21284996A JPH1059157A JP H1059157 A JPH1059157 A JP H1059157A JP 21284996 A JP21284996 A JP 21284996A JP 21284996 A JP21284996 A JP 21284996A JP H1059157 A JPH1059157 A JP H1059157A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel
control
slip
wheels
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP21284996A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3724072B2 (ja
Inventor
Masayoshi Takeda
政義 武田
Hideaki Suzuki
秀昭 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP21284996A priority Critical patent/JP3724072B2/ja
Priority to US08/906,520 priority patent/US6059065A/en
Priority to DE19758968A priority patent/DE19758968B8/de
Priority to DE19734037A priority patent/DE19734037B4/de
Publication of JPH1059157A publication Critical patent/JPH1059157A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3724072B2 publication Critical patent/JP3724072B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 4輪が同時に同じようにスリップした場合で
も、車両を安定して制御できる車両用ブレーキ装置を提
供すること。 【解決手段】 ステップ190にて、各輪毎にEDC制
御を開始する条件が満たされたか否かの判定を行う。こ
こで肯定判断されるとステップ200に進み、4輪全て
においてEDC制御の終了及び開始の判定が終了したか
否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ21
0に進み、4輪スリップ状態か否かを、4輪スリップフ
ラグF4Wがセットされているか否かによって判定す
る。ここで肯定判断されるとステップ220に進み、後
輪に制動力を加える4輪スリップ特定制御を行なう。一
方、否定判断されると、4輪スリップ状態ではないが各
輪スリップ状態であるので、ステップ230にて、車輪
速度の差を低減するいわゆる差動制限制御を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーキ圧を調節
することにより差動制限制御を行う車両用ブレーキ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、4輪駆動車において、例えば
後部左側の車輪がスリップして空転すると、リアディフ
ァレンシャルの作用により、駆動トルクが後部右側の車
輪に伝達されないだけでなく、センターデファレンシャ
ルの作用により、前部の左右の車輪にも伝達されず、結
局1輪が空転すると走破力が極端に低下して前進できな
くなるという問題が知られている。
【0003】この対策として、各車輪間の車輪速度の差
から、スリップしている車輪を検知すると、そのスリッ
プしている車輪をブレーキにより制動して、空転を抑え
る技術が提案されている(特開昭60−248440号
公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
従来技術では、1輪がスリップした状態における制動力
の制御を行っているに過ぎず、4輪全てがスリップした
場合の対策については何等施されてはいない。しかも、
前記技術では、各車輪間の車輪速度の差からスリップし
ている車輪を検知するので、そもそも4輪が同じように
スリップしている場合には、そのスリップを検知できな
い。
【0005】従って、従来技術では、例えば車両が低μ
路に進入して4輪が同時に同じようにスリップした場合
には、何等スリップに対する制御がなされず、よって、
スリップにより駆動輪の横力が失われるので、車両が不
安定になるという問題があった。
【0006】そこで、本発明では、4輪が同時に同じよ
うにスリップした場合でも、車両を安定して制御できる
車両用ブレーキ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、4
輪駆動車の車両用ブレーキ装置において、4輪スリップ
判定手段によって4輪全てがスリップ状態ではない(即
ち1〜3輪がスリップ状態)と判定された場合には、差
動制限制御手段により、各車輪のスリップ状態に対応し
たブレーキ液圧を車輪制動力発生手段に加えて差動制限
制御を実行する。一方、4輪スリップ判定手段によって
4輪全てがスリップ状態と判定された場合には、4輪ス
リップ特定制御手段により、後輪に備えられた車輪制動
力発生手段に加わるブレーキ液圧のみを調整する。
【0008】つまり、4輪全てがスリップ状態の場合
は、後輪にブレーキを加えて後輪のみスリップを低減す
る。これにより、後輪の路面に対するグリップが増加し
て横力が増加するので、直進安定性が向上する。また、
旋回時には、スピン方向と逆向きのモーメントが加わ
り、スピンを回避できる。
【0009】請求項2の発明では、4輪スリップ判定手
段は、車両が加速走行状態で、且つ車輪速度が最小の車
輪の車輪加速度と車体加速度との差が所定値を上回る場
合に、4輪がスリップ状態と判定している。つまり、加
速走行状態において、車輪速度が最小の車輪の車輪加速
度と車体加速度との差が(スリップを示す様な)大きな
場合には、他の車輪は当然スリップ状態であると考えら
れるので、4輪全てがスリップ状態と判断するものであ
る。
【0010】請求項3の発明では、4輪スリップ判定手
段は、車両が加速走行状態で、且つ左右の後輪の車輪速
度を低減する制御中である場合に、4輪がスリップ状態
と判定している。つまり、左右の後輪が共に制御中の場
合には、後輪の2輪のスリップをブレーキで抑えると、
前輪へ駆動力が流れて前輪がスリップを起こし、また、
後輪の2輪がスリップしている時は、路面はほぼ均一で
あり、前輪もスリップし易い状況であると言える。よっ
て、この状態は、4輪スリップ状態への移行状態である
と考えられ、広い意味で、この状態になった時に4輪ス
リップ状態になったと見なすことができる。
【0011】請求項4の発明では、差動制限制御とし
て、最も車輪速度の小さい車輪に対して所定のスリップ
率を有するように、他の車輪の車輪速度を制御する。こ
れにより、車輪間の車輪速度の差が低減するので、従来
のメカ的な差動制限装置の機能を実現することができ
る。
【0012】請求項5の発明では、4輪スリップ状態が
所定期間継続し、且つ左右の前輪の車輪速度が推定車体
速度以下の場合に、4輪スリップ制御手段による制御を
終了している。つまり、4輪スリップ状態が所定期間継
続する判定を行なうのは、制御の頻繁な切り替えによる
ハンチングを防止するためである。また、左右の前輪の
車輪速度が推定車体速度以下の場合とは、前輪に逃がし
ていた余分なトルクが低下したといえる場合である。つ
まり、4輪をスリップさせるようなトクルが無くなった
わけであるので、その様な場合は、4輪スリップ制御手
段による制御を終了している。
【0013】請求項6の発明では、4輪スリップ状態が
所定期間継続し、且つ車両が減速状態の場合に、4輪ス
リップ制御手段による制御を終了している。つまり、本
発明は、車輪に駆動トルクを加える加速時の制御である
ので、車両が減速状態の場合はその様な条件に合致しな
い、よって、その様な場合には4輪スリップ制御手段に
よる制御を終了するのである。
【0014】請求項7の発明では、4輪スリップ状態が
所定期間継続し、且つ、推定車体速度が0の場合に、4
輪スリップ制御手段による制御を終了している。つま
り、本発明は、前記請求項6と同様に、車輪に駆動トル
クを加える加速時の制御であるので、推定車体速度が0
の場合はその様な条件に合致しない、よって、その様な
場合には4輪スリップ制御手段による制御を終了するの
である。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態の例
(実施例)について、図面を参照しつつ説明する。 a)図1は本発明が適用された車両の制御系全体の構成
を表わす概略構成図である。尚、本実施例の車両は4輪
駆動車(4WD車)である。
【0016】図1に示す如く、本実施例の4輪駆動車に
おいては、エンジン1の出力は、トランスミッション3
を介して、エンジン出力を前輪5,6側と後輪7,8側
とに等分して伝達するセンターデファレンシャル9に入
力される。このセンターデファレンシャル9に接続され
る前輪側出力軸13には、フロントデファレンシャル1
5が接続され、左右の前輪側駆動軸17,19を介し
て、左右の前輪5,6に駆動力が伝達される。一方、セ
ンターデファレンシャル9に接続される後輪側出力軸2
1には、リヤデファレンシャル23が接続され、左右の
後輪側駆動軸25,27を介して、左右の後輪7,8に
駆動力が伝達される。
【0017】また、各車輪5〜8には、各々(図示しな
いホイールシリンダを有する)ブレーキ装置31,3
2,33,34が配設されている。この各ブレーキ装置
31〜34は、ホイールシリンダに供給される制動圧
(ホイールシリンダ圧)の制御によって、各車輪5〜8
に対する制動力を各々独立して制御する装置である。
【0018】前記ブレーキ装置31〜34は、制動圧を
調節するブレーキアクチュエータ41と油圧配管43に
より接続されている。このブレーキアクチュエータ41
は、例えば周知のアンチスキッド制御やトラクション制
御時において、ブレーキ液圧の増圧及び減圧の制御を行
うものであり、そのため、制御信号によって駆動される
図示しない電磁弁やポンプ等を備えている。
【0019】また、本実施例では、車両の状態を検知す
るセンサとして、車体の進行方向の加速度を検出するリ
ニア前後Gセンサ45と、各車輪5〜8の回転速度を検
出する車輪速度センサ46,47,48,49と、ブレ
ーキペダル(図示せず)が踏まれたことを検出するスト
ップスイッチ50と、アクセルペダルひいてはスロット
ル(図示せず)が戻されたことを示すアイドルスイッチ
51が配置されている。
【0020】前記リニア前後Gセンサ45、車輪速度セ
ンサ46〜49、ストップスイッチ50、及びアイドル
スイッチ51からの信号は、電子制御装置(ECU)5
2に入力され、このECU52からは、例えば前記ブレ
ーキアクチュエータ41に対して、電磁弁等を駆動して
ブレーキ液圧を調節するために、制御信号が出力され
る。
【0021】b)次に、前記ECU52により行われる
制御のうち、差動制限制御及び4輪スリップ特定制御
(以下両制御をEDC制御と総称する)について、図2
〜図6に基づいて説明する。尚、差動制限制御は、4輪
全てがスリップ状態でない場合(例えば1輪のみがスリ
ップの状態)に、スリップしている車輪に制動力を加え
て(メカ的ではなく)制御により差動制限を行って駆動
力を分配する制御である。一方、本実施例の要部である
4輪スリップ特定制御は、4輪全てがスリップ状態の場
合に、後輪に制動力を加えてグリップ力を向上させる制
御である。
【0022】まず、EDC制御の全体の処理につい
て、図2のフローチャートに基づいて説明する。尚、本
処理は、タイマ割り込みにより所定時間(6ms)毎に
実行される。図2のステップ100にて、4輪スリップ
フラグF4W等をリセットする等の周知の初期化処理を
行う。
【0023】続くステップ110にて、車輪速度センサ
46〜49及びリニア前後Gセンサ45からの信号を入
力する。続くステップ120では、推定車体速度Vbを
算出する。この推定車体速度Vbは、4輪全てがスリッ
プ状態(以下4輪スリップ状態と記す)である場合と、
ある車輪のみがスリップ状態(以下各輪スリップ状態と
記す)である場合とでは算出方法が異なる。即ち、4輪
スリップ状態である場合には、リニア前後Gセンサ45
によって検出した車体加速度dVbを積分して推定車体
速度Vbを求める。一方、各輪スリップ状態である場合
には、車輪速度Vwの中で最も小さな値を推定車体速度
Vbとする。尚、現在、4輪スリップ状態であるか否か
は、4輪スリップ状態であることを示す4輪スリップフ
ラグF4Wによって分かるが、この判定方法について
は、後に詳述する。
【0024】続くステップ130では、各輪の中で最も
車輪速度Vwの小さい車輪(以下MIN輪と称す)の加
速度を求め、このMIN輪の車輪加速度を車輪加速度d
Vwminとして設定する。続くステップ140では、リ
ニア前後Gセンサ45からの信号に基づいて、推定車体
加速度dVbを求める。
【0025】続くステップ150では、以降の処理にて
EDC制御を行うことを許可するか否かの判定を行う。
即ち、EDC制御開始の前提となる条件が満たされたか
否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ16
0に進み、一方否定判断されるとステップ110に戻
る。例えばストップスイッチ50がオフ(ブレーキが踏
まれていない状態)の場合には、EDC制御を許可す
る。尚、この判定条件としては、これ以外に、例えば、
アイドルスイッチ51がオフ(アクセルを踏んでいる状
態)の場合や、ホイールシリンダ圧が所定値以下の場合
などを採用できる。
【0026】ステップ160では、各輪毎のスリップ量
BPを、下記式(1)を用いて算出する。 BP=Ka(Vw−Vb−VTRC)+Kb・dVw 但し、Ka;速度項係数 Kb;加速度項係数 Vw;各輪の車輪速度 Vb;推定車体速度 VTRC;制御目標スリップ量(μピークに対応した
値) dVw;各輪の車輪加速度 続くステップ170では、ブレーキ出力量を算出する。
このブレーキ出力量は、前記スリップ量BPの値から、
前記ブレーキアクチュエータ41の電磁弁のソレノイド
の増圧、保持、減圧のデューティ時間を、図3に示す様
なリニアマップより求めた値である。尚、デューティ時
間は、図3のデューティ比に1周期(50ms)を掛け
て求める。
【0027】続くステップ180では、各輪毎にEDC
制御を終了する条件が満たされたか否かの判定を行う。
ここで肯定判断されると前記ステップ110に戻り、一
方否定判断されるとステップ190に進む。具体的に
は、スリップの程度が少ないことを示す場合、例えばス
リップ量BPが所定値KBPEND以下の場合、又は推
定油圧(ホイールシリンダ圧)が0の場合、或は減速時
には、EDC制御を終了する条件が満たされたと判断す
る。
【0028】ステップ190では、各輪毎にEDC制御
を開始する条件が満たされたか否かの判定を行う。ここ
で肯定判断されるとステップ200に進み、一方否定判
断されると前記ステップ110に戻る。具体的には、ス
リップの程度が大きいことを示す場合、例えばスリップ
量BPが所定値KBPST(>KBPEND)以上の場
合で、且つ加速時には、EDC制御を開始する条件が満
たされたと判断する。
【0029】ステップ200では、4輪全てにおいて、
上述したEDC制御の終了及び開始の判定が終了したか
否かを判定し、ここで肯定判断されるとステップ210
に進み、一方否定判断されると前記ステップ160に戻
る。ステップ210では、4輪スリップ状態か否かを、
4輪スリップフラグF4Wがセットされているか否かに
よって判定する。ここで肯定判断されるとステップ22
0に進み、一方否定判断されるとステップ230に進
む。尚、この判定については後に詳述する。
【0030】ステップ220では、4輪スリップ状態で
あるので、後述する4輪スリップ特定制御を行って、前
記ステップ110に戻る。一方、ステップ230では、
4輪スリップ状態ではないが各輪スリップ状態であるの
で、後述する差動制限制御を行って、前記ステップ11
0に戻る。
【0031】次に、4輪スリップ状態の判定処理、即
ち前記ステップ210の4輪スリップ状態の判定に用い
られる4輪スリップフラグF4Wを設定する処理につい
て、図4のフローチャートに基づいて説明する。尚、本
処理は、タイマ割り込みにより所定時間(48ms)毎
に実行される。
【0032】図4のステップ300にて、前回既に4輪
スリップ状態と判定されているか否かを、4輪スリップ
フラグF4Wがセットされているか否かによって判定す
る。ここで肯定判断されるとステップ310に進んで4
輪スリップ状態の終了判定を行ない、一方否定判断され
るとステップ330に進んで4輪スリップ状態の開始判
定を行なう。
【0033】ステップ310では、4輪スリップ状態を
解除する条件が満たされたか否かを判定する。ここで肯
定判断されるとステップ320に進み、一方否定判断さ
れると一旦本処理を終了する。具体的には、下記条件
(A)と条件(B)とが共に成立した場合に、4輪スリ
ップ状態でなくなったと判断して、4輪スリップ状態と
いう設定を解除する。
【0034】条件(A);4輪スリップ状態が500m
s以上継続したとき(ハンチングを防止するため)。 条件(B);次の(1)〜(3)のいずれの状態が連続して2
回検出されたとき。 (1)左右の前輪の車輪速度Vwが推定車体速度Vb以下
の場合 (2)リニア前後Gセンサ45により検出した減速状態の
場合 (3)推定車体速度Vbが0の場合 ステップ320では、4輪スリップ状態でないことを示
すために、4輪スリップ状態であることを示す4輪スリ
ップフラグF4Wをリセットして、一旦本処理を終了す
る。
【0035】一方、前記ステップ300にて、まだ4輪
スリップ状態ではないと判断されて進むステップ330
では、4輪スリップ状態を設定する条件が満たされたか
否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ34
0に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了す
る。
【0036】具体的には、下記条件(C)と条件(D)
と条件(E)とが共に成立した場合に、4輪スリップ状
態となったと判断して、4輪スリップ状態であるという
設定を行う。 条件(C);リニア前後Gセンサ45により加速状態が
検出されたとき。
【0037】条件(D);走行中であること示す推定車
体速度Vbが0を上回るとき。 条件(E);次の(1),(2)のいずれかの条件が満たされ
たとき。 (1)左右の後輪が共に制御中の場合 (2)車輪加速度dVwmin−車体加速度dVbが0.2G
を上回る場合(ここでの車輪加速度dVwminは、車輪
速度Vwが最小の車輪(MIN輪))。
【0038】つまり、上述した様にして、4輪スリップ
状態を示すフラグF4Wを設定できるので、このフラグ
F4Wに基づいて、差動制限制御及び4輪スリップ特定
制御を切り換えて実行することができる。 c)次に、本実施例の装置の動作について説明する。
【0039】まず、前記ステップ230の処理である
差動制限制御について説明する。差動制限制御は、推定
車体速度Vb(即ち最も車輪速度Vwの低い車輪)に対
してあるスリップ率(S=(Vb−Vw)/Vb)を持
たせた速度に、各輪を制御するものである。そして、こ
の目標とするスリップ率を変えることで、メカ的な差動
制限装置と同様の機能を発揮することができる。
【0040】この差動制限制御を、図5の説明図を参照
して具体的に説明する。例えば、左輪側が低μで右輪側
が高μの路面を走行する場合の制御(いわゆるまたぎ路
制御)の場合、当然ながら、低μ側(左輪側)の前後輪
の車輪速度VwFL,VwRLが増加するが、その場合、対
応する車輪のホイールシリンダ圧(W/C油圧)PFL,
PRLを増加させて制動力を加えることにより、低μ側の
車輪速度VwFL,VwRLを低減させて、左右輪の車輪速
度を一致させる。
【0041】これにより、差動装置がある場合に、一方
の(スリップが過大な方の)車輪のスリップが低減され
るので、メカ的な差動制限装置と同様な機能を発揮し
て、十分な駆動トルクを発揮することができる。 次に、前記ステップ220の処理である4輪スリップ
特定制御について説明する。
【0042】4輪スリップ時は、前輪・後輪共にグリッ
プを失い、小さな横力しか出せなくなっており、直進中
でもちょっとした外乱でまっすぐに進むことが困難であ
る。また、旋回中であれば、オーバーステアからスピン
に陥ったりと、非常に安定性が低下した状態となる。
【0043】よって、本実施例では、4輪スリップ特定
制御、即ち推定車体速度Vbに対して後輪の車輪速度が
大きい場合は、その後輪にブレーキを加えてスリップを
低減する。これにより、車輪の路面に対するグリップが
増加して横力が増加するので、直進安定性が向上する。
また、旋回時には、スピン方向と逆向きのモーメントが
加わり、スピンを回避できる。更に、余分なトルクは前
輪に逃がすことで、前輪にスリップを起こし、安定性を
確保する。尚、この時に、燃料カットを行なうことで駆
動トルク自体を低減させるとともに、ドライバに警告を
与えることもできる。
【0044】この4輪スリップ特定制御を、図6の説明
図を参照して具体的に説明する。例えば、時点t1から
時点t2までは左右前輪がスリップ状態である。従っ
て、この期間、左右前輪のホイールシリンダ圧PFL,P
FRを増加させる差動制限制御が行われる。
【0045】次に、MIN輪の車輪加速度dVwminが
車体加速度dVbを所定値以上上回った時点t3におい
て、4輪スリップ状態と判断され、この後時点t4まで
の期間にわたり左右後輪のホイールシリンダ圧PRL,P
RRを増加させる4輪スリップ特定制御を行なう。これに
より、直進安定性の増加やスピン防止などの効果が得ら
れる。
【0046】尚、前輪に関しては、車輪速度が増加して
スリップ率が所定値を上回ると、前輪のホイールシリン
ダ圧を増加する制御を行うが、4輪スリップ特定制御を
行なう時点t3では、左右後輪に対するブレーキ液圧制
御のみとなるので、既に前記前輪に対する制御は終了し
ている。尚、図6に示す様に、左後輪に対して、そのホ
イールシリンダ圧を増加する制御が時点t3に先だって
行われるが、これは、時点t2の場合おいて、当該車輪
のスリップ率が大きくなったので、差動制限制御が開始
されたからである。
【0047】以上、本発明の実施の形態につき説明した
が、本発明はこれに限らず、その要旨を逸脱しない範囲
内で種々なる形態にて実施できることはもちろんであ
る。 (1)前記4輪スリップ特定制御を行う際に、燃料カッ
トを行うことで、エンジン出力を低下させて、グリップ
を回復させることも可能である。
【0048】(2)前記実施例に記載した以外の他の挙
動コントロールとして、減速時の後輪の落込み防止制御
が挙げられる。例えば図7のフローチャートに示す様
に、ステップ400にて、推定車体加速度の演算により
減速状態か否かを判定する。ここで肯定判断されるとス
テップ410に進み、一方否定判断されると一旦本処理
を終了する。
【0049】ステップ410では、推定車体速度と後輪
の車輪速度とを比較して、後輪の落込みが大きいか否か
を判定する。ここで肯定判断されるとステップ420に
進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。ス
テップ420では、制御基準速度を後輪の最小速度とす
る。つまり、後輪のうち、車輪速度の低い方の車輪の速
度を制御基準速度とすることにより、後輪の車輪速度を
引き上げる制御(後輪の落込みを防止する制御)を行な
う。尚、この方法以外に、後輪の平均値が制御基準速度
となる様に制御してもよい。
【0050】ステップ430では、前輪に対して通常の
ブレーキ制御を行い、車輪速度を低減し、一旦本処理を
終了する。つまり、この例では、制御基準速度を後輪の
MIN輪とし前輪にのみブレーキをかけることで、後輪
に駆動力を与えてやり、落込み始めた後輪の車輪速度を
持ち上げて、車両の安定性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の車両用ブレーキ装置の概略構成図で
ある。
【図2】 実施例の制御処理を示すメインのフローチャ
ートである。
【図3】 前輪及び後輪の制御デューティを設定するグ
ラフである。
【図4】 条件判定に使用するフラグF4Wを設定する
フローチャートである。
【図5】 差動制限制御を示すフローチャートである。
【図6】 4輪スリップ特定制御を示すフローチャート
である。
【図7】 他の挙動コントロールの制御処理を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン 5,6,7,8…車輪 31,32,33,34…ブレーキ装置 41…ブレーキアクチュエータ 43…油圧配管43 45…リニア前後Gセンサ 46,47,48,49…車輪速度センサ 50…ストップスイッチ 51…アイドルスイッチ 52…電子制御装置(ECU)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪に制動力を発生させる車輪制動力発
    生手段を備え、各輪独立に制動力を調整できる4輪駆動
    車の車両用ブレーキ装置において、 4輪全てがスリップ状態か否かを判定する4輪スリップ
    判定手段と、 該4輪スリップ判定手段によって4輪全てがスリップ状
    態ではないと判定された場合には、各車輪の前記スリッ
    プ状態に対応したブレーキ液圧を前記車輪制動力発生手
    段に加えて差動制限制御を実行する差動制限制御手段
    と、 前記4輪スリップ判定手段によって4輪全てがスリップ
    状態と判定された場合には、後輪に備えられた前記車輪
    制動力発生手段に加わるブレーキ液圧のみを調整する4
    輪スリップ特定制御手段と、 を備えたことを特徴とする車両用ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 前記4輪スリップ判定手段は、車両が加
    速走行状態で、且つ、車輪速度が最小の車輪の車輪加速
    度と車体加速度との差が所定値を上回る場合に、4輪が
    スリップ状態と判定することを特徴とする前記請求項1
    記載の車両用ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 前記4輪スリップ判定手段は、車両が加
    速走行状態で、且つ、左右の後輪の車輪速度を低減する
    制御中である場合に、4輪がスリップ状態と判定するこ
    とを特徴とする前記請求項1記載の車両用ブレーキ装
    置。
  4. 【請求項4】 前記差動制限制御が、最も車輪速度の小
    さい車輪に対して所定のスリップ率を有するように、他
    の車輪の車輪速度を制御することを特徴とする前記請求
    項1〜3のいずれか記載の車両用ブレーキ装置。
  5. 【請求項5】 4輪スリップ状態が所定期間継続し、且
    つ、左右の前輪の車輪速度が推定車体速度以下の場合
    に、前記4輪スリップ制御手段による制御を終了するこ
    とを特徴とする前記請求項1〜4のいずれか記載の車両
    用ブレーキ装置。
  6. 【請求項6】 4輪スリップ状態が所定期間継続し、且
    つ、車両が減速状態の場合に、前記4輪スリップ制御手
    段による制御を終了することを特徴とする前記請求項1
    〜4のいずれか記載の車両用ブレーキ装置。
  7. 【請求項7】 4輪スリップ状態が所定期間継続し、且
    つ、推定車体速度が0の場合に、前記4輪スリップ制御
    手段による制御を終了することを特徴とする前記請求項
    1〜4のいずれか記載の車両用ブレーキ装置。
JP21284996A 1996-08-06 1996-08-12 車両用ブレーキ装置 Expired - Fee Related JP3724072B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21284996A JP3724072B2 (ja) 1996-08-12 1996-08-12 車両用ブレーキ装置
US08/906,520 US6059065A (en) 1996-08-06 1997-08-05 Driving torque control method and apparatus for a four-wheel drive vehicle
DE19758968A DE19758968B8 (de) 1996-08-06 1997-08-06 Antriebsmomentsteuerverfahren und -vorrichtung für ein Fahrzeug mit Vierradantrieb auf der Basis von Umdrehungsgeschwindigkeitsdifferentialen
DE19734037A DE19734037B4 (de) 1996-08-06 1997-08-06 Antriebsmomentsteuervorrichtung für ein Fahrzeug mit Vierradantrieb

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21284996A JP3724072B2 (ja) 1996-08-12 1996-08-12 車両用ブレーキ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1059157A true JPH1059157A (ja) 1998-03-03
JP3724072B2 JP3724072B2 (ja) 2005-12-07

Family

ID=16629352

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21284996A Expired - Fee Related JP3724072B2 (ja) 1996-08-06 1996-08-12 車両用ブレーキ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3724072B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001201512A (ja) * 1999-12-23 2001-07-27 Robert Bosch Gmbh 車両の曲線走行を検知するための方法および装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001201512A (ja) * 1999-12-23 2001-07-27 Robert Bosch Gmbh 車両の曲線走行を検知するための方法および装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3724072B2 (ja) 2005-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002234355A (ja) 4輪駆動車の制御装置
US10688998B2 (en) Control apparatus for four-wheel drive vehicle
JPH0732905A (ja) 差動制限トルク制御装置
JP6791398B2 (ja) 車両の制御方法及び車両の制御装置
JP2005048696A (ja) トラクション制御装置
US7421328B2 (en) Vehicle slip state determination system and traveling state control system
JP3840061B2 (ja) 四輪駆動車
JP3777937B2 (ja) 4輪駆動車用トラクション制御装置
JP2008230513A (ja) 車輪速度補正装置
JP2004017721A (ja) 四輪駆動車の制御装置
JPH1059157A (ja) 車両用ブレーキ装置
JP2917491B2 (ja) アンチスキッドブレーキ制御方法
JP2007023979A (ja) 車両駆動スリップ制御装置
JP4015810B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JP3238482B2 (ja) 車両のアンチスキッドブレーキ装置
JP2009298277A (ja) 車両の制駆動力制御装置
JP3651127B2 (ja) 車両挙動制御装置
JP3509982B2 (ja) 車両の加速スリップ制御装置
JPH1029517A (ja) 車両の旋回制御装置
JPH11189150A (ja) 4輪駆動車の駆動力制御装置
JP3719142B2 (ja) 車両用トラクション制御装置
JP3561908B2 (ja) 四輪駆動車の駆動力配分制御装置
JP3622566B2 (ja) 車両用制御装置
JP3182996B2 (ja) 車輪スリップ制御装置
JPH0656018A (ja) アンチスキッド制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041130

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050830

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050912

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080930

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110930

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110930

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120930

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120930

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130930

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees