JPH105909A - アングル及びその製造方法 - Google Patents

アングル及びその製造方法

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JPH105909A
JPH105909A JP16993896A JP16993896A JPH105909A JP H105909 A JPH105909 A JP H105909A JP 16993896 A JP16993896 A JP 16993896A JP 16993896 A JP16993896 A JP 16993896A JP H105909 A JPH105909 A JP H105909A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大規模な鉄の溶解施設を必要とせず、冷間また
は温間成形で製造できる、特に建材用の外壁などを形成
する際に溶接を良好に行えるアングル及びその製造方法
を提供する。 【解決手段】本発明のアングルの製造方法は、ステンレ
ス鋼製鋼帯を冷間フォーミング成形してフォーミング・
アングルを作る工程と、フォーミング・アングルの一方
の辺(A)の端部(a1 )と他方の辺(B)の外側部
(b3 )との間を圧縮し且つフォーミング・アングルの
一方の辺(A´)の外側部(a3 ´)と他方の辺(B
´)の端部(b1 ´)との間を圧縮してフォーミング・
アングルの外角部の円弧長さを小さくする工程とを備え
た方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特に建材用の外壁な
どに利用される冷間または温間成形の略直角な角を有す
るステンレス鋼製アングルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ステンレス鋼製アングルは、熱間
と冷間の2種類の方法により製造されている。熱間にて
製造する方法は溶解施設にてビレットを作り、ロールや
ダイスに通して成形する方法であり、こうして得られた
熱間アングルは表面粗度が大きく表面肌が荒いため、美
観があまり重視されない建築構造物など、主に強度のみ
が重視される用途に用いられている。そして、建物の外
壁など美観が重要視される部分に使用する場合は出来上
がったものの表面を所望の肌が出るまでかなりの厚み、
研磨しなければならない。
【0003】これに対し、冷間による製造方法は大規模
な鉄の溶解施設を必要とせず、市販の熱間圧延ステンレ
ス鋼帯を購入し、表面研磨工程を経て、長手方向に裁断
後、冷間ロールフォーミング成形により簡単に成形でき
る有利さがある。しかも通常の場合、脱スケール工程に
て表面粗度の小さい滑らかな肌となるため、ロール成形
後もこの肌が保持され美観に耐える肌が得られる長所が
ある。このため、美観を必要とする建材用の外壁などに
用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の冷間に
てロール成形する場合、常温での変形抵抗が大きいため
出来上がったステンレス鋼製アングル11は図8aに示
すように外角部のR(曲率半径)が大きい。
【0005】従って、内側角隅部にノッチを施したり、
内側角隅部にあらかじめ溝部や肉薄部を設けて角部内側
を角部外側方向に強圧することにより角部外側を直角に
近付けるべく様々な試みがなされている。この外角部が
直角とならず成形後のRが大きく(例えば3mm×40mm
(厚み×辺の長さ)では外角部のR=3.6mm,かつ外
角部の円弧長さ=約5.7mm)しか成形できないという
欠点から、例えば図8bに示すようにアングル11,1
1を並べて各アングル間を溶接して建物の外壁を形成す
る場合、各アングル間の円弧部の長さが大きすぎてアル
ゴン溶接12のアークが2つのアングルの接触部まで入
っていかず溶接不良となるためRの大きいアングルは使
用出来ない。このため、冷間アングルに代えて、煩雑な
製造工程を要する熱間アングルを使用しているのが現状
である。
【0006】本発明の目的は、大規模な鉄の溶解施設を
必要とせず、冷間または温間成形で製造できる、特に建
材用の外壁などを形成する際に溶接を良好に行えるアン
グル及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し目的を
達成するために、本発明は以下に示す手段を用いてい
る。 (1)本発明のアングルの製造方法は、ステンレス鋼製
鋼帯を冷間フォーミング成形してフォーミング・アング
ルを作る工程と、フォーミング・アングルの一方の辺
(A)の端部(a1 )と他方の辺(B)の外側部(b
3 )との間を圧縮し且つフォーミング・アングルの一方
の辺(A´)の外側部(a3 ´)と他方の辺(B´)の
端部(b1 ´)との間を圧縮してフォーミング・アング
ルの外角部の円弧長さを小さくする工程とを備えた方法
である。 (2)本発明のアングルの製造方法は、フォーミング・
アングルの外角部の円弧長さを小さくする工程が、フォ
ーミング・アングルの外角部を略直角とする前記(1)
に記載の方法である。 (3)本発明のアングルの製造方法は、フォーミング・
アングルの外角部の円弧長さを小さくする工程が、2段
に連設した4方向圧延機を配置し、第1段の4方向圧延
機でフォーミング・アングルの一方の辺(A)の端部
(a1 )と他方の辺(B)の外側部(b3 )との間を圧
縮し、第2段の4方向圧延機でフォーミング・アングル
の一方の辺(A´)の外側部(a3 ´)と他方の辺(B
´)の端部(b1 ´)との間を圧縮する前記(1)に記
載の方法である。 (4)本発明のアングルの製造方法は、第1段の4方向
圧延機が、45度傾けられ、第2段の4方向圧延機が第
1段の圧延機とは逆方向に45度傾けられている前記
(3)に記載の方法である。 (5)本発明のアングルの製造方法は、第1段の4方向
圧延機が、フォーミング・アングルの一方の辺(A)の
端部(a1 )と他方の辺(B)の外側部(b3 )との間
を圧縮するときに一方の辺(A)の内側部(a2 )は上
部縦ロール(51)の周側面(L2 )との間に隙間を有
し、第2段の4方向圧延機は、フォーミング・アングル
の一方の辺(A´)の外側部(a3 ´)と他方の辺(B
´)の端部(b1 ´)との間を圧縮するときに他方の辺
(B´)の内側部(b2 ´)は上部縦ロール(61)の
周側面(L20)との間に隙間を有している前記(3)に
記載の方法である。 (6)本発明のアングルの製造方法は、フォーミング・
アングルの外角部の円弧長さを小さくする工程を室温で
行う前記(1)に記載の方法である。 (7)本発明のアングルの製造方法は、フォーミング・
アングルの外角部の円弧長さを小さくする工程を、フォ
ーミング・アングルを20〜200℃に加熱して行う前
記(1)に記載の方法である。 (8)本発明のアングルは、前記(1)乃至(7)のい
ずれかの方法によって記載され、外角部の曲率半径が3
〜10mm、外角部の円弧長さが0.5〜2.0mmであ
るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者は、冷間ロールフォーミ
ングにて成形されたステンレス鋼のフォーミング・アン
グル外角部を冷間または温間で略直角に成形する方法に
ついて研究した。
【0009】その結果、冷間ロールフォーミングにて成
形されたステンレス鋼のフォーミング・アングル外角部
を冷間または温間で略直角に成形するためには、熱間圧
延ステンレス鋼帯を冷間ロールフォーミングした後、冷
間または温間で少なくとも連続した2段の4方向圧延機
によりアングルの辺の高さ方向に圧縮することが効果的
であるという知見が得られた。
【0010】この知見に基づき、本発明者は、熱間圧延
ステンレス鋼帯を冷間ロールフォーミングによりアング
ル角に成形した後、冷間または温間で少なくとも連続し
た2段の4方向圧延機によりアングルの辺の高さ方向に
圧縮するようにして、アングル外角部を略直角に成形す
る製造方法を見出だし、本発明を完成した。
【0011】以下、本発明の実施例を説明する。図1
は、本発明方法を実施するための装置の例を示すもので
ある。まず熱間圧延ステンレス鋼帯Sを用意する。本ス
テンレス鋼帯Sは表面研磨工程を経て、所定の幅で長手
方向に裁断後、1のアンコイラーに巻き付けられ、矢印
方向に送られる。
【0012】上記送り過程においてステンレス鋼帯S
は、まず冷間ロールフォーミング装置2において、アン
グル角に成形される(ここまでの工程は従来通り)。通
常、冷間のロールフォーミングではロールとステンレス
鋼帯Sの摩擦を低減し、発熱するステンレス鋼帯Sを冷
却する目的で加工油(水溶性加工油)が使用されるが次
工程でステンレス鋼帯Sを加熱するため、フォーミング
が終わった時点で油切装置3にて油切りを行う。
【0013】油切りが行われた材料は、加熱装置4にて
少なくともアングルの外角部を20〜200℃に加熱さ
れる。加熱方法としては熱風発生装置、高周波加熱など
特に方法は問わない。この加熱の狙いは次工程の4方向
圧延機の成形ロールに、過度の応力をかけずに加工し易
くするためであり、特に加熱しない場合でも加工可能で
ある。
【0014】加熱されたステンレス鋼帯Sは次に、第1
段、第2段の4方向圧延機50,60を連続して通る。
前々工程のロールフォーミングの上下ロールは通常それ
ぞれV型、逆V型をしており、成形されたステンレス鋼
帯SはV字型で供給されるため、材料を捩じることなく
4方向圧延機に通すためには4方向圧延機は図2,3の
ように2台をそれぞれ逆方向に傾ける、すなわち第1段
の4方向圧延機50のハウジング全体を操作側または駆
動側に45度傾け、第2段の4方向圧延機60のハウジ
ング全体をそれとは逆に45度傾ける必要がある。ここ
では第1段の4方向圧延機50のハウジングを操作側に
45度傾け、第2段の4方向圧延機60のハウジングを
駆動側に45度傾けた。
【0015】この状態で加熱されたステンレス鋼帯S
(冷間ロールフォーミングアングル)を2段に連続した
4方向圧延機に通過させ、アングルの辺の高さ方向に圧
縮する。この点について、図4,5によってさらに説明
する。
【0016】45度傾けた第1段の4方向圧延機50の
ハウジング内には段付部を持つ上部縦ロール51、下部
縦ロール52及び両側1対の横ロール53,54が設置
されている。図4のように、上部縦ロール51はアング
ルの一方の辺Aの端部a に小径の段付部の周部S1
が接し、大径側部L2 はその辺Aの内側a2 に接さず、
僅かに隙間が開いている。大径周部L1 は他方の辺Bの
内側b2 に接している。また横ロール53は辺Aの外側
3 部に、下部縦ロール52は辺Bの外側b3 部に、横
ロール54は辺Bの端部b1 部にそれぞれ接しており、
51〜54の各ロールはステンレス鋼帯Sを送り出すよ
うにそれぞれ回転する。
【0017】一方、第1段の4方向圧延機とは45度逆
に傾けた第2段の4方向圧延機60では、図5のよう
に、上部縦ロール61は小径の段付部の周部S10がアン
グルの一方の辺B´の端部b1 ´に接し、大径側部L20
はその辺B´の内側b2 ´に接さず、僅かに隙間が開い
ている。大径周部L10は他方の辺A´の内側a2 ´に接
している。また横ロール64は辺Bの外側b3 ´部に、
下部縦ロール62は辺A´の外側a3 ´部に、横ロール
63は辺A´の端部a1 ´にそれぞれ接しており、61
〜64の各ロールはステンレス鋼帯Sを送り出すように
それぞれ回転する。
【0018】このような状態で第1段の4方向圧延機を
通過したステンレス鋼帯Sは図6aに示すように、辺A
部の端部a1 から内側角部にかけて、やや逆テーパー状
に膨らみが生じ、辺B部の板厚及び長さの減少はない
が、辺A部の全体の長さH0 がやや小さく、H1 とな
り、外角部、内角部のRの円弧はそれぞれ曲率が変わら
ず円弧部の長さのみが小さくなる。
【0019】次に第2段の4方向圧延機を通過した材料
は図6bに示すように、辺B´部の端部b1 ´から内側
角部にかけて、やや逆テーパー状に膨らみが生じ、辺A
´部は直前でできたテーパー形状が圧延され平らにな
り、外角部、内角部のRの円弧はそれぞれ曲率が元のま
まで円弧部の長さのみが更に小さくなる。これらの形の
変化から、まず第1段の4方向圧延機を通過したアング
ルの一方の辺Aは上下から潰されることにより、剛性の
小さな辺Aの端部a1 が座屈するべくテーパー状に変化
し、剛性の大きい辺Aの角に近い側ではそのままの形で
平行移動し、内外のR部を含む辺B全体が辺Aの端部a
1 方向に変形することにより、Rが直線と接する部分が
潰れる。次に第2段の4方向圧延機を通過したアングル
の一方の辺B´は上下から潰されることにより、剛性の
小さな辺B´の端部b1 ´が座屈するべくテーパー状に
変化し、内外のR部を含む辺A´全体が辺B´の端部b
1 ´方向に変形することにより、Rが直線と接する部分
がさらに潰れる。従って、冷間ロール成形されたアング
ル角部は、略直角に成形される。
【0020】このようにアングル角部を略直角に成形し
てステンレス鋼帯Sはサイジングロール7、矯正機8で
矯正されて、切断機9に送られる。そして所定の長さに
切断される。
【0021】以上の成形処理はすべて図示するように連
続的一工程で行われる。またアングルの角は溶接作業な
ど実際の現場においては真に直角であればある程、作業
性は良い。しかし反面アングルを手で扱う場合真に直角
であればある程、手を切るおそれがあり、僅かにR部を
有する物の方が安全性の観点からは扱い易い。従って、
本発明では外角部のRの円弧長さを0.5〜2.0mmと
するのが好ましい。
【0022】
【実施例】
(実施例1)熱間圧延ステンレス鋼帯(JIS G 4306, S
US304-HS, 3.0t)を表面研磨し、スリッターにて長手方
向に裁断した材料(厚み3.0mm ×幅81.5mm)を用意す
る。
【0023】図7は本発明の実施例に係る成形装置の作
用を説明するためのステンレス鋼製アングルの断面図で
ある。まず、上記材料を冷間ロールフォーミング装置2
に通すことにより、図7aのような厚み3mm、辺の長さ
44.5mm、外角部のR=10mmの冷間ロールフォーミ
ングアングルを得た。これをゴム製ワイパー(油切装置
3)にて水溶性加工油を取り除いた後、熱風乾燥機(加
熱装置4)にて材料温度(アングルの外角部の温度)が
170〜190℃になるように熱し、次に第1段、第2
段の4方向圧延機50,60を連続して通過させる。
【0024】第1段の4方向圧延機50のハウジングは
操作側に45度傾けられ、第2段の4方向圧延機60の
ハウジングは駆動側に45度傾けられた状態でセッティ
ングされる。
【0025】第1段の4方向圧延機50と第2段の4方
向圧延機60の各縦及び横ロールのセッティング位置
は、上記のアングルのサイズ(厚み3mm、辺の長さ4
4.5mm)により予め定められたロール寸法及びロール
間隔に従って調整される。
【0026】すなわち、第1段の4方向圧延機50では
上部縦ロール51の大径部と下部縦ロール52の間隔を
3mmにとれば、上部縦ロール51の小径の段付部と下部
縦ロール52の間隔は41.0mmとなるように上部縦ロ
ール51は製作されている(上部縦ロール51の大径部
の半径と、小径の段付部の半径の差が38.0mmとなる
ように製作されている。)。ただし、大径側部L2 はア
ングルの一方の辺Aの内側a2 に接さず、0.5mm程度
離した位置にくるようにセットされる。
【0027】一方、横ロール53と横ロール54との間
隔は43.0mmに設定される。この2組4個のロール
は、開先を付けたフォーミング材を通しても設定した値
が変化しない様、ロールハウジング、ロールのジャーナ
ル部など充分な剛性を持っている。第2段の4方向圧延
機60もほぼ同様に、上部縦ロール61の大径部と下部
縦ロール62の間隔を3mmにとれば、上部縦ロール61
の小径の段付部と下部縦ロール62の間隔は40.0mm
となるように上部縦ロール61は製作されている(上部
縦ロール61の大径部の半径と、小径の段付部の半径の
差が37.0mmとなるように製作されている。)。ただ
し、大径側部L20はアングルの一方の辺B´の内側b2
´に接さず、0.5mm程度離した位置にくるようにセッ
トされる。一方、横ロール63と横ロール64との間隔
は40.0mmに設定される。この2組4個のロールも、
第1段の4方向圧延機50と同様に成形に際して設定値
が変化しない様、ロールハウジング、ロールのジャーナ
ル部などには充分な剛性を持っている。
【0028】このような状態で第1段の4方向圧延機5
0を通過したフォーミングアングルは、図7bのように
厚み3mm、操作側の辺(A)の長さ41.0mm、駆動側
の辺(B)の長さ43.0mm、アングル外角部のR=1
0mmは変化せず、外角部のRの円弧長さが約4mmである
不等辺アングルに成形される。続いて、第2段の4方向
圧延機60を通過したフォーミングアングルは、図7c
のように厚み3mm、操作側の辺(A´)の長さ40.0
mm、駆動側の辺(B´)の長さ40.0mm、アングル外
角部のR=10mmは変化せず、外角部のRの円弧長さが
約1mmであり、駆動側の辺(B´)の先端部b1 ´が逆
テーパー状にやや膨らんだ等辺アングルに成形された。
【0029】一方、材料の長手方向について言えば、第
1段,第2段の4方向圧延機50,60での成形では材
料各部を均一に圧縮しないためその出口では材料に曲り
が生じる。すなわち第1段の4方向圧延機50の出口で
は操作側方向にR=約2,000mmの曲率で横曲りが生
じ、第2段の4方向圧延機60の出口では駆動側方向に
R=約2,000mmの曲率で横曲りが生じた。
【0030】これは、第1段の4方向圧延機50にて生
じた横曲りが第2段の4方向圧延機60にて反対方向
(駆動側)に変形させられるためであると考えられる。
上記先端部b1 ´の逆テーパー状の膨らみは次工程の2
段のサイジングロール7にて両辺先端部を軽圧延するこ
とで改善され、横曲りはその次の工程の上下にそれぞれ
V字、逆V字の断面を持つ2個のロール間に挟持しつつ
回転する3段の矯正機8にて改善された。
【0031】(実施例2)実施例1と同じ材料を、加熱
条件以外、同条件にて室温5℃、湿度50%の雰囲気に
て成形処理したところ、特に加温を行わなくても求める
形状のアングルが得られた。ただし、この場合、第1,
2の4方向圧延機50,60の各ロールの消耗は実施例
1の場合に比較して交換頻度がおよそ1/3程度に短く
なった。
【0032】なお、従来の内側角部を外側各部方向に強
圧することにより得られる冷間成形ステンレス鋼アング
ルでは、材料の長手方向にメタルフローがあるとはい
え、角部には相当の応力集中が起こっているため、角部
に衝撃加重を与えた場合、角部から破断することは珍し
くない。
【0033】本発明の製作方法にて製造された冷間成形
ステンレスアングルを長手方向に約30mm程度サンプルと
して採取し、2つの辺が平面に接する状態で静置させ上
方の角部に100kgf の衝撃加重を加えたが角部にて破
断したものは皆無であった。
【0034】この理由は本発明ではアングルの直交する
2つの辺の方向へ主な圧縮力が作用することにより結果
的に角部が元の曲率のRを保ちつつ、単に円弧長さが小
さくなったに過ぎず、角部にのみ応力が集中する前記の
方法とは根本的に異なっているためであると考えられ
る。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、製造条件を特定するこ
とにより、大規模な鉄の溶解施設を必要とせず、冷間ま
たは温間で成形可能な、略直角な角を有するアングルを
提供することができる。
【0036】従って、熱間成形に比べ生産コストを大幅
に低減できると共に、美観に耐える肌が得られることか
ら、特に建材用の外壁などに好適でかつアングル外角部
に僅かにR部を有するため、溶接作業などの現場作業上
の安全性を高めるなど、産業上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る成形装置の正面図。
【図2】本発明の実施の形態に係る第1段の4方向圧延
機ハウジングの設置位置を示す概略図。
【図3】本発明の実施の形態に係る第2段の4方向圧延
機ハウジングの設置位置を示す概略図。
【図4】本発明の実施の形態に係る圧縮装置の作用を説
明するための第1段の4方向圧延機の一部拡大断面図。
【図5】本発明の実施の形態に係る圧縮装置の作用を説
明するための第2段の4方向圧延機の一部拡大断面図。
【図6】本発明の実施の形態に係る圧縮装置の作用を説
明するためのステンレス鋼製アングルの断面図。aは第
1段の4方向圧延機を通過した後の同アングルの断面
図。bは第2段の4方向圧延機を通過した後の同アング
ルの断面図。
【図7】本発明の実施例に係る成形装置の作用を説明す
るためのステンレス鋼製アングルの断面図。aは冷間ロ
ールフォーミング装置を通過した後の同アングルの断面
図。bは第1段の4方向圧延機を通過した後の同アング
ルの断面図。cは第2段の4方向圧延機を通過した後の
同アングルの断面図。
【図8】aは従来の冷間ロール成形によるアングルの断
面図。bは同アングルの溶接に係る欠点を説明するため
の概略図。
【符号の説明】
1…アンコイラー 2…冷間ロールフォーミング装置 3…油切装置 4…加熱装置 50…第1段の4方向圧延機 60…第2段の4方向圧延機 51、61…上部縦ロール 52、62…下部縦ロール 53、54、63、64…横ロール 7…サイジングロール 8…矯正機 9…切断機 11…ステンレス鋼製アングル 12…アルゴン溶接(溶接ワイヤ)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋼製鋼帯を冷間フォーミング
    成形してフォーミング・アングルを作る工程と、フォー
    ミング・アングルの一方の辺(A)の端部(a1 )と他
    方の辺(B)の外側部(b3 )との間を圧縮し且つフォ
    ーミング・アングルの一方の辺(A´)の外側部(a3
    ´)と他方の辺(B´)の端部(b1 ´)との間を圧縮
    してフォーミング・アングルの外角部の円弧長さを小さ
    くする工程とを備えた、アングルの製造方法。
  2. 【請求項2】 フォーミング・アングルの外角部の円弧
    長さを小さくする工程は、フォーミング・アングルの外
    角部を略直角とする請求項1に記載のアングルの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 フォーミング・アングルの外角部の円弧
    長さを小さくする工程は、2段に連設した4方向圧延機
    を配置し、第1段の4方向圧延機でフォーミング・アン
    グルの一方の辺(A)の端部(a1 )と他方の辺(B)
    の外側部(b3 )との間を圧縮し、第2段の4方向圧延
    機でフォーミング・アングルの一方の辺(A´)の外側
    部(a3 ´)と他方の辺(B´)の端部(b1 ´)との
    間を圧縮する請求項1に記載のアングルの製造方法。
  4. 【請求項4】 第1段の4方向圧延機は、45度傾けら
    れ、第2段の4方向圧延機は第1段の圧延機とは逆方向
    に45度傾けられている請求項3に記載のアングルの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 第1段の4方向圧延機は、フォーミング
    ・アングルの一方の辺(A)の端部(a1 )と他方の辺
    (B)の外側部(b3 )との間を圧縮するときに一方の
    辺(A)の内側部(a2 )は上部縦ロール(51)の周
    側面(L2 )との間に隙間を有し、第2段の4方向圧延
    機は、フォーミング・アングルの一方の辺(A´)の外
    側部(a3 ´)と他方の辺(B´)の端部(b1 ´)と
    の間を圧縮するときに他方の辺(B´)の内側部(b2
    ´)は上部縦ロール(61)の周側面(L20)との間に
    隙間を有している請求項3に記載のアングルの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 フォーミング・アングルの外角部の円弧
    長さを小さくする工程は、室温で行う請求項1に記載の
    アングルの製造方法。
  7. 【請求項7】 フォーミング・アングルの外角部の円弧
    長さを小さくする工程は、フォーミング・アングルを2
    0〜200℃に加熱して行う請求項1に記載のアングル
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれかの方法によっ
    て記載され、外角部の曲率半径が3〜10mm、外角部の
    円弧長さが0.5〜2.0mmであるアングル。
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CN114260369A (zh) * 2021-12-27 2022-04-01 佛山市立鼎科技有限公司 一种角钢成型冲孔智能生产线

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